JPH11135889A - 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置 - Google Patents

結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置

Info

Publication number
JPH11135889A
JPH11135889A JP29918397A JP29918397A JPH11135889A JP H11135889 A JPH11135889 A JP H11135889A JP 29918397 A JP29918397 A JP 29918397A JP 29918397 A JP29918397 A JP 29918397A JP H11135889 A JPH11135889 A JP H11135889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
layer
sapphire
gallium nitride
emitting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29918397A
Other languages
English (en)
Inventor
Mineo Isokami
峯男 磯上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP29918397A priority Critical patent/JPH11135889A/ja
Publication of JPH11135889A publication Critical patent/JPH11135889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない窒化ガリウムのエピタキシャル成
長に好適な結晶成長用基板を及びそれを用いた発光装置
を提供すること。 【解決手段】 サファイア結晶を基板母材とし、その表
面にAl,Si,Mg,Zn,Ti,Ga,Y,O,
N,Cのうち1種以上のイオンを注入した後、熱処理を
施すことにより、サファイア結晶表面に窒化ガリウムと
整合性の良い結晶薄相を生成せしめることを特徴とする
結晶成長用基板、及びこの結晶成長用基板上に、少なく
とも窒化ガリウムを主成分とする単結晶層から成るレー
ザー素子を配設したことを特徴とする発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は青色・紫外域の発受
光デバイスへの応用が期待されているIII 族窒化物半導
体の代表格である窒化ガリウム (GaN) 薄膜を気相成
長(特に、エピタキシャル成長)させるのに好適な結晶
成長用基板及びそれを用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】GaNは光デバイスのみならず、最近で
は高温エレクトロニクス、耐環境デバイス等への応用が
注目されている。しかし、GaNは融点における窒素の
平衡蒸気圧が極めて高いため、融液からのバルク結晶の
作製は極めて困難であり、また、ヘテロエピタキシャル
成長についても格子整合する基板がなく、これまで各種
基板材料の検討が行われて来た。
【0003】そのような基板材料の中で、結晶構造が同
じ6回対称で、耐熱性に優れ、比較的大面積の単結晶が
入手しやすいことから、サファイア(α−Al2 3
が最も広く用いられている。しかしながら、GaNとサ
ファイア基板との間には大きな格子定数差(約13.8
%)及び熱膨張係数差(約25.5%)があるため、1
980年代前半までは欠陥の多い結晶しか得られていな
かった。
【0004】その後、AlNやGaNの低温堆積緩衝層
技術の開発により、高品質なGaN薄膜結晶が得られ、
現在ではGaN系青色・緑色発光ダイオ−ド(LED)
が実用化されているものの、今後GaN系の半導体レ−
ザ応用や益々高輝度・高出力化が求められつつあること
を考えると、サファイア基板に替わる基板材料の開発が
不可欠である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エピタキシー(epitax
y )は、一般に基板となるホスト結晶の低指数結晶面上
に、一定の結晶学的方位関係を持ってゲスト結晶がover
growthする現象を指している。
【0006】そして、同種結晶間の関係に対してはホモ
エピタキシー、異種結晶間に対してはヘテロエピタキシ
ーと一般に呼ばれている。エピタキシー関係の取り易さ
の目安として、ホスト相とゲスト相の格子サイズの不一
致の程度を表すミスフィット比(misfit ratio )が良
く用いられている。これは2つの格子を重ね合せて、サ
イズの差を百分率で表したミスフィト比が小さいもの
が、エピタキシー関係を取り易いとするものである。エ
ピタキシー関係をとるのは一般に数%以下のミスフィッ
ト比であることが知られている。
【0007】この観点からすると、サファイアのGaN
に対するミスフィット比13.8%は例外に属する。従
って、サファイア上への直接のGaNのエピタキシーは
欠陥が多く、低品質な結晶しか得られなかった訳であ
り、これを回避するために中間相の導入が必要になった
経緯も理解できる。つまり、GaNに対してミスフィッ
ト比が出来るだけ小さい基板材料が求められている。
【0008】上記の理由でこれまで、サファイア以外に
Si,GaAs,SiC,ZnOなどが試みられたが、
GaNエピタキシャル膜の結晶性はサファイアの場合に
比べて劣り、未だ実用化レベルのものは得られていない
のが現状である。
【0009】そこで、本発明では欠陥の極めて少ない良
質なGaN薄膜を成長しうる新規で優れた窒化ガリウム
用エピタキシャル成長基板(結晶成長用基板)及びそれ
を用いた発光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の窒化ガリウム用エピタキシャル成長基板は
基板母材としてこれまで実績のあるサファイアを用い、
その表層部分にのみ窒化ガリウムに対してサファイアよ
りミスフィット比が小さい相(化合物層)を形成せしめ
ることを特徴とする。この相を形成する材料としては酸
化物、窒化物、半導体などから格子定数や熱膨脹率など
を考慮し、整合性の良い材料を選定することが可能であ
る。
【0011】また、これらの相のサファイア表層への構
成方法としては、イオン注入法を用いることが推奨され
る。これは本方法が基本的にはほとんど全てのイオン
を、注入される材料のエピタキシー条件、すなわち、結
晶学的相似性を考慮せずに、材料内に導入出来るからで
ある。更に、イオン注入後に適切な熱処理を施すことに
より、原子の移動や相互作用で相変化や反応生成物の析
出など表面層に新たな特性を制御性良く、付与すること
が出来るというメリットがある。
【0012】上記イオン種は、窒化ガリウムを気相成長
させるのに好適なものとして、少なくともAl,Si,
Mg,Zn,Ti,Ga,Y,O,N,Cから選択され
る一種以上とすると好適である。
【0013】すなわち、ミスフィト比が小さい材料の構
成イオン種をサファイアにイオン注入し、1000℃以
上の適当な熱処理を加えることで、サファイア表面層に
窒化ガリウムと整合性の良い結晶相(化合物層)を生成
せしめることにより、これまでにない優れた窒化ガリウ
ム用エピタキシャル成長基板を提供出来る。なお、この
ような化合物層はTEMやSIMS等により分析が可能
である。
【0014】また、本発明の発光素子は、このような結
晶成長用基板上に、少なくとも窒化ガリウムを主成分と
する単結晶層から成るレーザー素子を配設したことを特
徴とする。
【0015】なお、結晶成長用基板と窒化ガリウムを主
成分とする単結晶層との間に、結晶成長用基板と単結晶
と結晶構造が類似した材質の非晶質や結晶質のバッファ
層を介在させてもよく、そのような場合も含むものとす
る。
【0016】また、上記レーザー素子には上記単結晶層
だけでなく上記バッファ層等のその他の層も含んでもよ
いものとする。また、上記バッファ層が結晶成長用基板
に含まれるものとしてもよいものとする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。C面を主面とする所定の大きさのサフ
ァイア基板を用意し、この基板の表面にAl,Si,M
g,Zn,Ti,Ga,Y,O,N,Cから選択される
一種以上のイオンを注入することにより化合物層を形成
して、しかる後に適当な温度(1000℃以上),雰囲
気等の条件で熱処理を施して、エピタキシャル成長用基
板(結晶成長用基板)とする。
【0018】そして、この基板上に非晶質のバッファ
層、及び窒化ガリウムを主成分とする単結晶の気相成長
を行わせ、活性層をその禁制帯幅よりも大きな禁制帯幅
を有する層で挟んだダブルヘテロ構造のGaN(窒化ガ
リウム)系化合物半導体から成る、半導体レーザーダイ
オード(発光装置)を作製する。なお、上記バッファ層
は、窒化ガリウム系の単結晶との格子定数と結晶成長用
基板との格子定数の相違をできるだけ緩和させるように
設けているが、結晶成長が良好に行われるのであればバ
ッファ層は無くともよい。
【0019】図1に具体的な半導体レーザーダイオード
LDの斜視図を、図2にそのX−X断面図を示すよう
に、本発明の半導体レーザーダイオードは、基板1の主
面1aはイオン注入により形成した化合物層となってお
り、この主面1a上に非晶質の窒化ガリウムもしくはA
lN(窒化アルミニウム)層から成るバッファ層2を備
え、該バッファ層2上に半導体の多重層3を備えてい
る。このように、半導体レーザダイオードLDは、基板
1上に少なくとも窒化ガリウムを主成分とする単結晶層
から成るレーザー素子を配設して構成されている。
【0020】この多重層3は、バッファ層2の前面に備
えたSi(シリコン)をドープしたn型GaN層からな
るn+層31と、このn+層31上に備えた電極41
と、該電極41以外の部分に備えたSiをドープしたA
0.1 Ga0.9 N層からなるn層32と、Siをドープ
したGaN層から成る活性層33と、Mg(マグネシウ
ム)をドープしたAl0.1 Ga0.9 N層からなるp層3
4と、これを覆うSiO2 (酸化珪素)層35と、Si
2 層35の窓部に備えた電極42から構成されてい
る。
【0021】そして、図1に示すように基板1の対向す
る端面1b,1bは所定の面に沿ってへき開した面とな
っており、上記多重層3の対向端面(共振面)3a,3
aが形成されている面は、それぞれこの端面1b,1b
に連なった面となっている。以下、図1及び図2に示す
半導体レーザーダイオードLDの製造方法を説明する。
まず、C面を主面とする基板を用意し、この基板に対し
てイオン注入を行いその後、1000℃以上,空気中で
熱処理を施し、基板を有機洗浄した後、結晶成長装置の
結晶成長部に設置する。装置内を真空排気した後、水素
を供給し、水素雰囲気中で約1200℃まで昇温して、
基板表面に付着した炭化水素系ガスを除去する。
【0022】次に、基板1の温度を約500℃程度まで
降温し、TMG(トリメチルガリウム)及びNH3 (ア
ンモニア)を供給して、基板1上に約300Åの厚みに
窒化ガリウムを成長させてバッファ層2とする。つぎ
に、基板1の温度を1030℃まで上昇させ、上記ガス
に加えてSiH4 (シラン)を供給し、Siドープ型G
aN層からなるn層31を成長させる。
【0023】一旦、基板1を成長炉から取り出し、n+
層31の表面の一部をSiO2 でマスクした後、再び成
長炉に戻し、真空排気して水素及びNH3 を供給して、
1030℃まで昇温する。次にTMA(トリメチルアル
ミニウム)、TMG及びSiH4 を供給して、SiO2
がマスクされていない部分に厚さ0.5μm 程度のSi
ドープAl0.1 Ga0.9 N層を形成してn層32とす
る。
【0024】つぎに、TMG及びSiH4 を供給し、厚
さ0.2μm 程度のSiドープGaN層を成膜して活性
層33とする。次にTMA、TMG及び(C5 5 2
Mg(ビスシクロペンタディエニルマグネシウム)を供
給して、厚さ0.5μm 程度のマグネシウムドープAl
0.1 Ga0.9 N層からなるp層34を形成する。
【0025】次にマスクとして使用したSiO2 をフッ
酸系エッチャントにより除去し、p層34上にSiO2
層35を堆積した後、所定の大きさの短冊状に窓を開
け、真空チャンバに移してp層34に電子線照射を行
う。この電子線照射によりp層34はp伝導を示した。
そして、p層34の窓にあたる部分と、n+層31に、
各々金属の電極41,42を形成した。ここで、陽極
(電極42)は、例えば上層:Au(金)/下層:Cr
(クロム)の2層構造や上層:Au/中間層:Pt(白
金)/下層:Ti(チタン)の3層構造等とし、陰極
(電極41)は、例えば上層:Au/中間層:Ni(ニ
ッケル)/下層:Au−Ge(ゲルマニウム)合金の3
層構造等とする。
【0026】上記のレーザー素子を成す多重層3が1枚
の基板1上に多数形成される。そして、この酸化物基板
1と多重層3を同時に分割することによって、図1及び
図2に示す個々の半導体レーザーダイオードを得ること
ができる。
【0027】この分割を行う際に、多重層3の対向端面
3a,3a及び基板1の端面1b,1bは、所定の面に
沿ったへき開により分割され、その他の端面はダイヤモ
ンドカッタ等で切断して分割する。このようにして発振
効率の高い優れた半導体レーザーダイオードを得ること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0029】(例1)C面を主面とする直径2インチで
厚さ500μmのサファイア基板を用いて、これにMg
陽イオンを注入(300KeV,5×1017/cm2
した。このサファイア基板を空気中1000℃で熱処理
を行ったところ、C面上に厚さ0.1μmの析出相が観
察された。電子顕微鏡による解析の結果、本析出相はM
gAl2 4 のスピネルであることが確認された。
【0030】次に、このウエハ−を窒化ガリウム用エピ
タキシャル成長基板として、MOVPE法で窒化ガリウ
ムの成長を行った。原料ガスとしては水素、トリメチル
ガリウム、アンモニウムをそれぞれ1リットル/分、
0.5cc/分、2リットル/分の流量で流し、キャリ
ヤ−ガス、ガリウム源、窒素源に用いた。成長初期段階
では500℃で250Aの厚さの窒化ガリウムバッファ
層を成長させた後、基板の温度を1035℃に上げ、成
長圧力250torr、成長速度1.2μm/hrの成
長条件で、窒化ガリウム単結晶薄膜を約3.0μm成長
させた。
【0031】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、結晶性の目安となるロッキングカ−ブの半値
幅は平均150arcsecと、同様な条件で窒化ガリウムを
成長させたサファイアの平均値420arcsecよりも小さ
い値を示し、従って結晶性はサファイア基板単独よりも
良いことが確認された。また、室温でのフォトルミネッ
センスによる発光スペクトルを測定したところ、360
nmの波長領域に強いピ−クが観察され、発光デバイス
として十分な光学特性を示すことが分かった。
【0032】(例2)実施例1と同様のサファイア基板
を用い、これにZn陽イオンを注入(400KeV,2
×1017/cm2 )した。ついでこのウエハ−を酸素雰
囲気下1200℃で熱処理を行ったところ、サファイア
表面上に厚さ約0.3μmの層状析出物が観察された。
この析出物は電子線回折によりZnOであることが確認
された。
【0033】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの成長を行った。
【0034】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、ロッキングカ−ブの半値幅は50arcsecと同
様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイアの平均
値420arcsecよりも小さい値を示し、従って結晶性は
サファイア単独よりも優れていることが確認された。
【0035】また、例1と同様にして室温の発光スペク
トルを測定したところ、360nmの波長域付近に強い
ピ−クが観測され、発光デバイスとして十分な光学特性
を有することが分かった。
【0036】(例3)例1とサイズ、厚みは同じでA面
を有するサファイア基板を用い、これにTi陽イオンを
注入(400KeV,5×1017/cm2 )し、次に酸
素イオンを注入(200KeV,3×1017/cm2
した後、酸素雰囲気下1100℃で熱処理を行ったとこ
ろ、A面上に厚さ約O.4μmの層状析出物が観察され
た。この析出層は電子線回折の結果、TiO2 であるこ
とが確認された。
【0037】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの成長を行った。
【0038】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、ロッキングカ−ブの半値幅は100arcsecと
同様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイアの平
均値420arcsecよりも小さい値を示し、従って、サフ
ァイア単独よりも良好な結晶性を有することが確認され
た。
【0039】また、発光スペクトルの測定でも、360
nmの波長域近辺に強いピ−クが観測され、発光デバイ
スとして十分な光学特性を示すことが分かった。
【0040】(例4)例3と同様なサファイア基板を用
い、これにY陽イオンを注入(1MeV,4×1016
cm2 )し、ついで酸素雰囲気下1500℃で熱処理を
行ったところ、サファイア表面に厚さ約0.9μmの薄
層が観察された。透過電子顕微鏡による解析の結果、本
析出層はYAl03 であることが確認された。
【0041】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの成長を行った。
【0042】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、ロッキングカ−ブの半値幅は平均180arcs
ecと、同様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイ
アの平均値420arcsecよりも小さい値を示し、従っ
て、結晶性はサファイア単独よりも良いことが分かっ
た。
【0043】また、例1と同様にして室温でのスペクト
ルを測定したところ、360nmの波長域付近に強いピ
−クが観測され、発光デバイスとして十分な光学特性を
示すことが分かった。
【0044】(例5)例1と同様なサファイア基板を用
いて、これにSi陽イオンを注入(400KeV,7×
1017/cm2 )し、次に炭素イオン注入(300Ke
V,4×1017/cm2 )したサファイアを還元雰囲気
中1100℃で熱処理したところ、基板表面に厚さ約
0.2μm程度の析出物が層状に形成された。これを電
子線回折法により同定したところ、析出物は6H−Si
Cであることが分かった。
【0045】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの薄膜成長を行った。
【0046】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、ロッキングカ−ブの半値幅は平均40arcsec
と、同様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイア
の平均値420arcsecよりも小さい値を示し、従って、
結晶性はサファイア単独よりも良いことが分かった。
【0047】また、発光スペクトルの測定結果も発光デ
バイスとして満足すべく、360nmの波長域に強いピ
−クが観測された。
【0048】(例6)例1と同様なサファイア基板を用
いて、これにAl陽イオンを注入(300KeV,5×
1017/cm2 )し、次に窒素イオンを注入(300K
eV,4×1017/cm2 )したサファイアを窒素雰囲
気中1200℃で熱処理したところ、基板表面近傍に厚
さ約0.3μm程度の析出物が層状に生成した。これを
電子顕微鏡で同定したところ、AlNであることが確認
された。
【0049】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの成長を行った。
【0050】得られた薄膜をX線回折法で測定し評価し
たところ、ロッキングカ−ブの半値幅は平均30arcsec
と、同様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイア
の平均値420arcsecよりも小さい値を示し、従って結
晶性は遥かに改善されていることが分かった。
【0051】また、発光スペクトル測定の結果も、36
0nmの波長域付近に強いピ−クが観測され、発光デバ
イスとして十分な光学特性を示すことが分かった。
【0052】(例7)例1と同様なサファイア基板を用
いて、これにGa陽イオンを注入(400KeV,4.
5×1017/cm2 )し、次に窒素イオンを注入(40
0KeV,2×1017/cm2 )したサファイアを窒素
雰囲気中1200℃で熱処理を行ったところ、基板表面
に厚さ約0.5μmの層状生成物が析出した。これを電
子顕微鏡で解析したところ、本生成層はGaNであるこ
とが分かった。
【0053】このようにして得られた窒化ガリウム用エ
ピタキシャル成長基板を用いて、例1と同様な条件で同
様な膜厚の窒化ガリウムの成長を行った。
【0054】得られた薄膜をX線回折法で測定評価した
ところ、ロッキングカ−ブの半値幅は10arcsecと、同
様な条件で窒化ガリウムを成長させたサファイアの平均
値420arcsecよりも遥かに小さい値を示し、従って、
非常に結晶性の良い高品質な膜であることが確認され
た。また、発光スペクトル測定の結果も、360nmの
波長域にシャ−プで強いピ−クが観測され、発光デバイ
スとして申し分ない光学特性を示した。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の結晶成長
用基板によれば、サファイア単結晶体の表面に所定のイ
オン種の注入により化合物層を形成するようにしたの
で、窒化ガリウム単結晶とサファイア単結晶体表面の結
晶学的相似性を考慮することなく、所望の表面特性を付
与することができる。
【0056】また、従来のサファイア基板の耐久性・機
械的強度を保持しつつ、その表面層に窒化ガリウムと整
合性が極めて良好な結晶相(化合物層)を内在している
ため、品質の大変優れた窒化ガリウム系単結晶薄膜を成
長することができ、ひいては特性の優れた画期的な発光
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザーダイオ−ドを示す
斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 基板 1a・・・ 主面 1b・・・ 端面 2 ・・・ バッファ層 3 ・・・ 多重層(レーザー素子) 3a・・・ 対向端面 31,32,33,34 ・・・ 窒化ガリウムを主成
分とする単結晶層 LD ・・・ 半導体レーザーダイオード(発光装置)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サファイア単結晶体の表面に、少なくと
    もAl,Si,Mg,Zn,Ti,Ga,Y,O,N,
    Cから選択される一種以上のイオンを注入した化合物層
    を形成し、該化合物層上に窒化ガリウムを主成分とする
    単結晶を気相成長させるように成した結晶成長用基板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の結晶成長用基板上に、
    少なくとも窒化ガリウムを主成分とする単結晶層から成
    るレーザー素子を配設したことを特徴とする発光装置。
JP29918397A 1997-10-30 1997-10-30 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置 Pending JPH11135889A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29918397A JPH11135889A (ja) 1997-10-30 1997-10-30 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29918397A JPH11135889A (ja) 1997-10-30 1997-10-30 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11135889A true JPH11135889A (ja) 1999-05-21

Family

ID=17869226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29918397A Pending JPH11135889A (ja) 1997-10-30 1997-10-30 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11135889A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002175985A (ja) * 2000-12-05 2002-06-21 Hitachi Cable Ltd 窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法及び窒化物半導体エピタキシャルウェハ
JP2005005723A (ja) * 2004-06-25 2005-01-06 Hitachi Cable Ltd 窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法及び窒化物半導体エピタキシャルウェハ
JP2005272203A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Neomax Co Ltd 膜形成用基板および半導体膜の形成方法
JP2008118134A (ja) * 2006-11-03 2008-05-22 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物半導体発光素子及び製造方法
US7674643B2 (en) 2003-12-24 2010-03-09 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Gallium nitride semiconductor light emitting device and method of manufacturing the same
WO2010032423A1 (ja) * 2008-09-16 2010-03-25 昭和電工株式会社 Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法、iii族窒化物半導体発光素子並びにランプ
WO2015041390A1 (ko) * 2013-09-17 2015-03-26 서울대학교산학협력단 박막 구조체 및 그 제조방법
US9154678B2 (en) 2013-12-11 2015-10-06 Apple Inc. Cover glass arrangement for an electronic device
US9221289B2 (en) 2012-07-27 2015-12-29 Apple Inc. Sapphire window
US9225056B2 (en) 2014-02-12 2015-12-29 Apple Inc. Antenna on sapphire structure
US9232672B2 (en) 2013-01-10 2016-01-05 Apple Inc. Ceramic insert control mechanism
US9632537B2 (en) 2013-09-23 2017-04-25 Apple Inc. Electronic component embedded in ceramic material
US9678540B2 (en) 2013-09-23 2017-06-13 Apple Inc. Electronic component embedded in ceramic material
US10052848B2 (en) 2012-03-06 2018-08-21 Apple Inc. Sapphire laminates
US10406634B2 (en) 2015-07-01 2019-09-10 Apple Inc. Enhancing strength in laser cutting of ceramic components

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002175985A (ja) * 2000-12-05 2002-06-21 Hitachi Cable Ltd 窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法及び窒化物半導体エピタキシャルウェハ
US7674643B2 (en) 2003-12-24 2010-03-09 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Gallium nitride semiconductor light emitting device and method of manufacturing the same
JP2005272203A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Neomax Co Ltd 膜形成用基板および半導体膜の形成方法
JP2005005723A (ja) * 2004-06-25 2005-01-06 Hitachi Cable Ltd 窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法及び窒化物半導体エピタキシャルウェハ
JP2008118134A (ja) * 2006-11-03 2008-05-22 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物半導体発光素子及び製造方法
US8124997B2 (en) 2006-11-03 2012-02-28 Samsung Led Co., Ltd. Nitride semiconductor light emitting device and method of manufacturing the same
WO2010032423A1 (ja) * 2008-09-16 2010-03-25 昭和電工株式会社 Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法、iii族窒化物半導体発光素子並びにランプ
US8772060B2 (en) 2008-09-16 2014-07-08 Toyoda Gosei Co., Ltd. Method for manufacturing group III nitride semiconductor light emitting element, group III nitride semiconductor light emitting element and lamp
US10052848B2 (en) 2012-03-06 2018-08-21 Apple Inc. Sapphire laminates
US9221289B2 (en) 2012-07-27 2015-12-29 Apple Inc. Sapphire window
US9232672B2 (en) 2013-01-10 2016-01-05 Apple Inc. Ceramic insert control mechanism
US9337021B2 (en) 2013-09-17 2016-05-10 Seoul National University R&Db Foundation Thin film structure and method of fabricating the same
WO2015041390A1 (ko) * 2013-09-17 2015-03-26 서울대학교산학협력단 박막 구조체 및 그 제조방법
US9632537B2 (en) 2013-09-23 2017-04-25 Apple Inc. Electronic component embedded in ceramic material
US9678540B2 (en) 2013-09-23 2017-06-13 Apple Inc. Electronic component embedded in ceramic material
US9154678B2 (en) 2013-12-11 2015-10-06 Apple Inc. Cover glass arrangement for an electronic device
US10324496B2 (en) 2013-12-11 2019-06-18 Apple Inc. Cover glass arrangement for an electronic device
US10386889B2 (en) 2013-12-11 2019-08-20 Apple Inc. Cover glass for an electronic device
US9225056B2 (en) 2014-02-12 2015-12-29 Apple Inc. Antenna on sapphire structure
US9461357B2 (en) 2014-02-12 2016-10-04 Apple Inc. Antenna on sapphire structure
US9692113B2 (en) 2014-02-12 2017-06-27 Apple Inc. Antenna on sapphire structure
US10406634B2 (en) 2015-07-01 2019-09-10 Apple Inc. Enhancing strength in laser cutting of ceramic components

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4189386B2 (ja) 窒化物半導体結晶層の成長方法および窒化物半導体発光素子の製法
US8882910B2 (en) AlGaN substrate and production method thereof
JP3139445B2 (ja) GaN系半導体の成長方法およびGaN系半導体膜
EP0551721B1 (en) Gallium nitride base semiconductor device and method of fabricating the same
JP4743214B2 (ja) 半導体素子およびその製造方法
US6989287B2 (en) Method for producing nitride semiconductor, semiconductor wafer and semiconductor device
US6420283B1 (en) methods for producing compound semiconductor substrates and light emitting elements
US7935955B2 (en) Group III nitride semiconductor multilayer structure
US5923950A (en) Method of manufacturing a semiconductor light-emitting device
WO2003072856A1 (fr) Procede de production de semi-conducteur a base d'un compose nitrure du groupe iii
JP2001160627A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP2003282602A (ja) 結晶成長用基板およびZnO系化合物半導体デバイス
JPH11135889A (ja) 結晶成長用基板及びそれを用いた発光装置
JP4734786B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体基板、及びその製造方法
JP5073624B2 (ja) 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法
JP3410863B2 (ja) 化合物半導体装置及び化合物半導体発光装置
JPH0832113A (ja) p型GaN系半導体の製造方法
US8529699B2 (en) Method of growing zinc-oxide-based semiconductor and method of manufacturing semiconductor light emitting device
JP2001148348A (ja) GaN系半導体素子とその製造方法
JPH09283799A (ja) 半導体発光素子
JP2007103955A (ja) 窒化物半導体素子および窒化物半導体結晶層の成長方法
JP2005210091A (ja) Iii族窒化物半導体素子およびそれを用いた発光素子
WO2020075849A1 (ja) 半導体成長用基板、半導体素子、半導体発光素子および半導体素子製造方法
JP2000012979A (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP2000022283A (ja) 半導体素子、半導体素子の製造方法及び半導体基板の製造方法