JPH07310756A - クラッチ押圧組立体 - Google Patents

クラッチ押圧組立体

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JPH07310756A
JPH07310756A JP10250194A JP10250194A JPH07310756A JP H07310756 A JPH07310756 A JP H07310756A JP 10250194 A JP10250194 A JP 10250194A JP 10250194 A JP10250194 A JP 10250194A JP H07310756 A JPH07310756 A JP H07310756A
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ring
clutch
clutch cover
diaphragm spring
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Yuji Mizukami
裕司 水上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤリングによるクラッチカバーの磨耗を
抑えることにある。 【構成】 クラッチカバー組立体10は、乾式多板クラ
ッチ1のクラッチの摩擦板を押圧するものであり、ダイ
ヤフラムスプリング30とクラッチカバー28と支持機
構31とを備えている。ダイヤフラムスプリング30
は、外周部がクラッチの摩擦板を付勢する。クラッチカ
バー28は、一体回転するようにクラッチに連結され、
ダイヤフラムスプリング30のクラッチ側と反対側に配
置されている。支持機構31は、ダイヤフラムスプリン
グ30の一部にクラッチカバー28側から当接する第1
リング本体38と第1リング本体38から延びてクラッ
チカバー28に着座する着座部40とを有する第1ワイ
ヤリング35と、ダイヤフラムスプリング30にに第1
ワイヤリング35と反対側から当接する第2リング本体
39を有する第2ワイヤリング36と、第1および第2
ワイヤリング35,36をクラッチカバー28に固定す
るためのボルト37とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラッチの摩擦板を押
圧するクラッチ押圧組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクラッチ押圧組立体、例えばクラ
ッチカバー組立体は、フライホイールに外周部が固定さ
れたクラッチカバーと、クラッチカバー内に配置された
環状のプレッシャープレートと、プレッシャープレート
自らの弾性力によりクラッチの摩擦プレート側に付勢す
るダイヤフラムスプリングと、ダイヤフラムスプリング
をクラッチカバーに支持する為の支持機構とを主に備え
ている。
【0003】支持機構は、一般に、ダイヤフラムスプリ
ングの両面に係合する1対のリング部材と、両リング部
材をクラッチカバーに固定するボルトとで構成されてい
る。ダイヤフラムスプリングとクラッチカバーの間に配
置された第1リング部材はクラッチカバーの内面に着座
している。ダイヤフラムスプリングのクラッチ側面に配
置された第2リング部材は、円周方向に間隔を隔てた複
数箇所に突部又は脚部を一体に有している。その脚部
は、ダイヤフラムスプリングの孔を通って第1リング部
材の内側まで延びて先端面がクラッチカバーの内面に着
座している。この状態で、第2リング部材の脚部はボル
トによりクラッチカバーに固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ダイヤフラムスプリン
グは、クラッチの連結動作及び遮断動作に対応して変形
し、両方リング部材に様々な方向の力を及ぼす。これに
対応して、各リング部材がクラッチカバーに対して移動
しようとする。ところが従来構造では、第1リング部材
は円形に近い形状の断面を有するリングそのものであ
り、クラッチカバーに対する接触面積は小さい。第2リ
ング部材も、着座面積の小さい複数箇所の脚部でクラッ
チカバーに着座している。したがって、個々のリング部
材とクラッチカバーとの接触圧力は大きい。
【0005】その結果、クラッチカバーは両リング部材
に接触する部分が大きく磨耗する。クラッチカバーの方
が磨耗するのは、リング部材が鋼で作られているのに対
し、クラッチカバーは、軽量化のために、アルミニウム
を主体とする金属で作られているためである。クラッチ
カバーに磨耗が生じると、リング部材の位置がずれて、
ダイヤフラムスプリングの動作特性に狂いが生じる。ま
た、クラッチカバーは磨耗が大きく進行すると交換が必
要になる。
【0006】本発明の目的は、リング部材による支持部
材の磨耗を抑えることにある。
【0007】
【諜題を解決するための手段】本発明に係るクラッチ押
圧組立体は、クラッチの摩擦板を押圧するためのもので
あり、円板状弾性部材と支持部材と支持機構とを備えて
いる。円板状弾性部材は、外周部がクラッチの摩擦板を
付勢する。支持部材は一体回転するようにクラッチに連
結され、円板状弾性部材のクラッチ側と反対側に配置さ
れている。支持機構は、円板状弾性部材の一部に支持部
材側から当接する第1リング本体と第1リング本体から
延びて支持部材に着座する着座部とを有する第1リング
部材と、円板状弾性部材に第1リング本体と反対側から
当接する第2リング本体を有する第2リング部材と、第
1および第2リング部材を支持部材に固定するための固
定部材とを含む。
【0008】第1リング部材の着座部が第1リング本体
から半径方向に延びる環状であるのが好ましい。支持部
材は着座部が着座するための凹部を有しているのが好ま
しい。第1リング部材は着座部からクラッチ側へ突出す
る複数の突出部を備え、円板状弾性部材は突出部が通る
孔を備え、第2リング部材は第2リング本体から半径方
向に延びる環状の環状部を備え、環状部に前記突出部が
着座しており、固定部材は支持部材と第2リング部材の
環状部とを連結するボルトであるのが好ましい。
【0009】
【作用】本発明に係るクラッチ押圧組立体では、クラッ
チの連結動作及び遮断動作に対応して円板状弾性部材が
変形し、両リング部材に様々な方向の力を及ぼす。これ
に対応して、各リング部材が支持部材に対して移動しよ
うとする。第1リング部材は第1リング本体に加えて着
座部を有しており、着座部が支持部材に着座している。
すなわち、第1リング部材と支持部材の接触面積は従来
より大きくなっている。したがって、接触部分での面圧
が小さくなり、リング部材による支持部材の磨耗が抑え
られる。
【0010】第1リング部材の着座部が第1リングから
半径方向に延びる環状である場合は、第1リング部材と
支持部材との接触面積が従来より大きくなっている。そ
のため、リング部材による支持部材の磨耗が抑えられ
る。支持部材が着座部を着座させるための凹部を有して
いる場合は、第1リング部材の移動が制限されるため
に、リング部材による支持部材の磨耗が抑えられる。
【0011】第1リング部材の突出部が第2リング部材
の環状部に着座している場合は、第2リング部材が支持
部材に接触していないため、リング部材による支持部材
の磨耗が抑えられる。
【0012】
【実施例】図1は本発明実施例の自動車用乾式多板クラ
ッチ1の断面図、図2は図1の一部切り欠きII矢視部分
図である。乾式多板クラッチ1は、エンジン(図示せ
ず)のフライホイール2からトランスミッションの入力
軸3(中心線のみ図示)にトルクを伝達および遮断する
ための装置である。この乾式多板クラッチ1は、主に、
入力側部材であるフライホイールリング5(第1筒状
部)と、出力側部材であるハブフランジ6と、フライホ
イールリング5とハブフランジ6との間に配置された複
数のドライブプレート7および複数のドリブンプレート
8からなる摩擦板群9と、両プレート7,8を圧接およ
び圧接解除するためのクラッチカバー組立体10とを備
えている。
【0013】ハブフランジ6は、中心に配置されたボス
11と、ボス11から一体に外周側に広がるフランジ1
2と、フランジ12の外周に一体に設けられた第2筒状
部13とを有している。ボス11の中心には、トランス
ミッションの入力軸3のスプライン歯に噛み合うスプラ
イン孔11aが形成されている。これにより、ハブフラ
ンジ6はトランスミッションの入力軸3に対して軸方向
に移動自在になっている。ハブフランジ6のフランジ1
2には、円周方向に間隔を隔てて複数の空気通路開口1
4が設けてある。図1から明らかなように、空気通路開
口14により、フランジ12の両側のクラッチ内部空間
56,57が導通している。第2筒状部13はフランジ
12から軸方向両側に突出している。第2筒状部13の
外周には軸方向に延びる外歯が形成されている。換言す
れば、第2筒状部13は軸方向に延びる多数の係合溝1
8を円周方向に間隔を隔てて備えている。第2筒状部1
3の軸方向両側に突出している部分には、それぞれ複数
の空気通路孔19,20が設けてある。空気通路孔1
9,20は、それぞれ、第2筒状部13をほぼ半径方向
に貫通しており、半径方向外側の端部が係合溝18の底
部に開口している。図2から明らかなように、空気通路
孔19は第2筒状部13の円周方向に間隔を隔てた複数
箇所で設けてある。
【0014】第2筒状部13の半径方向外側にはフライ
ホイールリング5が同心に配置されている。フライホイ
ールリング5は、図1において左側の端部がエンジンの
フライホイール2に複数のボルト22(中心線のみ図
示)で固定される。フライホイールリング5は内歯を備
え、換言すれば、軸方向に延びる多数の係合溝23を円
周方向に間隔を隔てて備えている。図4は図1のIV矢視
図である。図1及び図4に示すように、フライホイール
リング5の外周面の軸方向に間隔を隔てた複数箇所(例
えば3箇所)には、空気通路溝24が設けてある。図1
に示すように、空気通路溝24はドリブンプレート8の
半径方向外側に設けてある。図4から明らかなように、
空気通路溝24は、フライホイールリング5の軸方向に
間隔を隔てた各位置において(すなわち同一円周上にお
いて)、円周方向に間隔を隔てた複数箇所に設けてあ
る。個々の空気通路溝24はフライホイールリング5の
円周方向に沿って円弧状に延びており、その底部は複数
の係合溝23の底面に開口している。すなわち、個々の
空気通路溝24はフライホイールリング5の外周面に開
口するとともに、複数の係合溝23の底部空間に連通し
ている。空気通路溝24が円周方向に延びていること
で、フライホイールリング5が軽くなっている。
【0015】フライホイールリング5の内側とハブフラ
ンジ6の第2筒状部13との間には、摩擦板群9が配置
されている。摩擦板群9は、軸方向にはフライホイール
2の摩擦面と環状のプレッシャープレート(後述)との
間に配置されている。摩擦板群9は、互いに軸方向に交
互に並ぶ状態で配置されている4枚のドライブプレート
7と3枚のドリブンプレート8とからなる。ドライブプ
レート7及びドリブンプレート8は乾式の環状摩擦板で
あり、いずれも、トランスミッションの入力軸3と同心
に配置されている。ドライブプレート7は外周部に放射
状の突起26を備え、突起26はフライホイールリング
5の係合溝23に相対回転不能にかつ軸方向に摺動自在
に係合している。ドリブンプレート8は放射状の突起2
7を内周部に備えており、突起27は第2筒状部13の
係合溝18に相対回転不能にかつ軸方向に摺動自在に係
合している。ドリブンプレート8の表面には、複数の浅
い溝8aが放射状に設けてある。各溝8aはドリブンプ
レート8の内周から外周まで延びており、空気通路孔1
9,20とほぼ一直線状になるように配置されている。
【0016】クラッチカバー組立体10は、クラッチカ
バー28と、クラッチカバー28内に配置された環状の
プレッシャープレート29と、プレッシャープレート2
9をフライホイール2側に付勢するためのダイヤフラム
スプリング30と、ダイヤフラムスプリング30をクラ
ッチカバー28に支持させる支持機構31とを主に備え
ている。
【0017】クラッチカバー28は前述のボルト22に
よりフライホイールリング5の端面に固定されている。
クラッチカバー28は、アルミニウムを主とした金属製
であり、軽量化されている。プレッシャープレート29
は、最もクラッチカバー28側に配置されたドライブプ
レート7の図1右側に配置されている。プレッシャープ
レート29は、放射状の突起32を外周部に備え、突起
32が係合溝23に相対回転不能にかつ軸方向に摺動自
在に係合している。プレッシャープレート29の背面
(ドリブンプレート8と反対側の面)の内周寄りの部分
には、半円形断面を有する隆起部33が一体に設けてあ
る。
【0018】図2に示す如く、ダイヤフラムスプリング
30は、環状部30aと環状部30aの内周から半径方
向内方へ延びる複数のレバー部30bとから構成されて
いる。レバー部30bは円周方向に等間隔を隔てて設け
てあり、隣接するレバー部30bの間にスリットが形成
されるとともに、各スリットの半径方向外側の部分に、
円周方向幅が比較的広い切り欠き30cが形成されてい
る。
【0019】支持機構31は、ダイヤフラムスプリング
30の環状部30aの内周部を支持する1対の第1ワイ
ヤリング35,第2ワイヤリング36と、ワイヤリング
35,36をクラッチカバー28に固定する複数のボル
ト37とを主に備えている。1対のワイヤリング35,
36は、鋼製である。ワイヤリング35,36はダイヤ
フラムスプリング30に沿って延びており、それぞれ外
周部にリング本体38、39を備えている。リング本体
38,39は、それぞれ、ダイヤフラムスプリング30
に当接する部分が半円形等の凸形断面を有している。第
1ワイヤリング35のリング本体38がダイヤフラムス
プリング30に対してクラッチカバー28側(図1の右
側)から当接し、第2ワイヤリング36のリング本体3
9がダイヤフラムスプリング30に対してハブフランジ
6側(図1の左側)から当接している。リング本体38
の内周側で図1の右側には環状に延びる薄い着座部40
が一体に形成されている。着座部40には、軸方向に延
びる複数の脚部41が円周方向に間隔を隔てて一体に形
成されている。また、リング本体39の内周側で図1の
左側には環状に延びる薄い環状部42が一体に形成され
ている。環状部42には、軸方向に延びる複数の突部4
3が円周方向に間隔を隔てて一体に設けてある。突部4
3はリング本体39の内周にも連続している。脚部41
と突部43とは互いに接近する方に突出しており、図1
に示す組立状態では、脚部41はダイヤフラムスプリン
グ30の切り欠き30cを通って先端面が突部43に着
座している。
【0020】前述のクラッチカバー28の内側端面に
は、第1ワイヤリング35の着座部40背面ならびに内
周面及び外周面が着座する切り欠きが設けてあり、ワイ
ヤリング35はこの切り欠きに着座した状態で、ボルト
37により固定されている。第1ワイヤリング35にお
いて各脚部41とそれに連続する着座部40の部分に
は、ボルト37が通されるボルト挿通孔(ねじを備えて
いない孔)が設けてあり、これと同心のボルト挿通孔が
クラッチカバー28にも設けてある。第2ワイヤリング
36の突部43とそれに連続する環状部42の部分には
ねじ孔が設けてあり、このねじ孔にボルト37のねじ部
が固定されている。
【0021】以上に説明したように、複数のボルト37
によりワイヤリング35,36はクラッチカバー28に
固定されている。そして、これらのワイヤリング35,
36に支持されたダイヤフラスプリング30はその環状
部30aの外周部がプレッシャープレート29の隆起部
33に当接し、プレッシャープレート29をフライホイ
ール2側(図1の左側)に付勢する。
【0022】ダイヤフラムスプリング30の内周部に隣
接させてレリーズベアリング50が配置してある。レリ
ーズベアリング50が、ダイヤフラムスプリング30の
レバー部30b先端をフライホイール2側に押すと、ダ
イヤフラムスプリング30の環状部30a外周がプレッ
シャープレート29から離れる。この結果、クラッチ連
結が解除される。
【0023】上述の構造では、ハブフランジ6はトラン
スミッションの入力軸3に対して軸方向に移動自在であ
り、従って、ハブフランジ6を軸方向に位置決めする必
要がある。そのために、図1に示すように、ハブフラン
ジ6の第2筒状部13にはその半径方向に延びる位置決
めピン51が取付けてある。位置決めピン51は、スリ
ットが形成されたロールピンである。第2筒状部13の
フランジ12からフライホイール2側へ突出した部分に
は半径方向に延びる取付け孔52が設けてあり、位置決
めピン51はその取付け孔52に圧縮状態で固定されて
いる。位置決めピン51は長手方向中間部が取付け孔5
2に嵌合し、一端部だけが係合溝18に入り込んで2個
のドリブンプレート8の突起27の間に位置している。
【0024】前述のフライホイール2及びプレッシャー
プレート29は、ドライブプレート7及びドリブンプレ
ート8の軸方向の移動範囲を制限している。このように
軸方向位置の制限された2枚のドリブンプレート8の突
起27の間に位置決めピン51が位置することにより、
ハブフランジ6の軸方向の位置も所定範囲内に限定され
る。
【0025】次に動作を説明する。クラッチ接続状態で
は、レリーズベアリング50はダイヤフラムスプリング
30をフライホイール2側に押圧しておらず、ダイヤフ
ラムスプリング30自らの弾性力がプレッシャープレー
ト29を摩擦板群9側に押し付けている。これにより、
ドライブプレート7とドリブンプレート8が互いに圧接
し、フライホイール2からフライホイールリング5に入
力されたトルクが、ドライブプレート7及びドリブンプ
レート8を介してハブフランジ6に伝達され、さらに、
ハブフランジ6からトランスミッションの入力軸3へ出
力される。
【0026】クラッチを遮断する場合、レリーズベアリ
ング50によりダイヤフラムスプリング30のレバー部
30bの先端をフライホイール2側へ押し、ダイヤフラ
ムスプリング30の環状部30a外周部をプレッシャー
プレート29から離れる方向に移動させる。これによ
り、ドライブプレート7とドリブンプレート8の圧接力
が解放され、クラッチが遮断される。
【0027】上述の動作において、ダイヤフラムスプリ
ング30はワイヤリング35、36に支持された状態で
変形する。その変形によってワイヤリング35,36は
クラッチカバー28に対して移動しようとする。ところ
が、クラッチカバー28に対しては第1ワイヤリング3
5の着座部40が当接している。すなわち、第1ワイヤ
リング35のクラッチカバー28に対する着座面の面積
は従来より広く、したがってその面圧は小さい。その結
果、従来構造と同様にワイヤリング35,36が鋼で作
られ、クラッチカバー28がアルミニウムを主体とする
材料で作られている場合でも、ワイヤリング35による
クラッチカバー28の磨耗が効果的に防止される。
【0028】さらに、クラッチカバー28の内側端面
に、第1ワイヤリング35の着座部40背面ならびに内
周面及び外周面が着座する切り欠きが設けてあるため、
第1ワイヤリング35がクラッチカバー28に対して摺
動しにくい。その結果、クラッチカバー28の磨耗が生
じにくい。さらに、第2ワイヤリング36はクラッチカ
バー28に接触していないため、クラッチカバー28の
磨耗はより少なくなる。
【0029】また、第1ワイヤリング35と第2ワイヤ
リング36は相対的に移動しようとするが、両者は一般
に鋼で作られているので磨耗が生じにくい。上述のクラ
ッチの接続遮断動作では、摩擦による熱がドライブプレ
ート7及びドリブンプレート8に生じるが、下記の如く
ドライブプレート7及びドリブンプレート8は空気によ
り効果的に冷却され、それらの異常な温度上昇は防止さ
れる。
【0030】フランジ12とダイヤフラムスプリング3
0との間の内部空間56にはクラッチの外部空間58か
ら低温の空気が流入する。この空気の一部は、空気通路
開口14を通って内部空間57に流入する。内部空間5
6、57内の空気は、遠心力等によって空気通路孔1
9、20を通って係合溝18に流れ、係合溝18からド
ライブプレート7及びドリブンプレート8の表面に沿っ
て係合溝23まで流れ、その間にドライブプレート7及
びドリブンプレート8を冷却する。この空気は係合溝2
3から空気通路溝24を通ってフライホイールリング5
の外側へ流出する。その結果、全てのドライブプレート
7及びドリブンプレート8がほぼ均等かつ充分に冷却さ
れる。なお、ドリブンプレート8に形成された溝8aが
空気通路孔19,20と半径方向に一直線になっている
ため、空気の流れがスムーズになり、より効果的にドラ
イブプレート7及びドリブンプレート8の冷却が行われ
る。
【0031】又、ドライブプレート7及びドリブンプレ
ート8の表面には、それらの磨耗粉が生じるが、磨耗粉
も係合溝23から空気通路溝24を通ってフライホイー
ルリング5の外側へ流出する。特に、空気通路溝24は
円周方向に延びて形成されているため、開口面積が大き
く、プレート8,9の冷却と磨耗粉の排出の効果を高め
る。
【0032】上述の構造では、ハブフランジ6に位置決
めピン51が取付けてあるが、位置決めピン51の一端
部だけが係合溝18内に位置しており、その他の部分
は、係合溝18よりも半径方向内側に位置している。従
って、接線方向の位置決めピン60(図2、ピン60の
み従来例を示す)を備えた従来構造に比べ、位置決めピ
ン51によるハブフランジ6の慣性モーメントの増加を
抑えている。ハブフランジ6の慣性モーメントが小さく
なることによって、接続操作や遮断操作に対するクラッ
チの応答性が高くなる。 〔変形例〕 (a)図5に示す変形例では位置決めピン51が中空ボ
ルトで構成されており、ねじ部が第2筒状部13のねじ
孔(取付孔52)に取付けられ、非ねじ部が係合溝18
に入り込んでいる。
【0033】(b)図6に示す変形例では、位置決めピ
ン51は取付け孔52内に圧入されている。位置決めピ
ン51の一端部に大径フランジ61が設けてあり、大径
フランジ61が第2筒状部13の内周面に係合すること
により、位置決めピン51が遠心力で半径方向外方へ脱
落することを防止している。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るクラッチ押圧組立体では、
第1リング部材の着座部が支持部材に着座しているた
め、第1リング部材と支持部材の接触面積は従来より大
きくなっている。その結果、接触部分での面圧が小さく
なり、リング部材による支持部材の磨耗が抑えられる。
【0035】第1リング部材の着座部が第1リング本体
から半径方向に延びる環状である場合は、第1リング部
材と支持部材との接触面積が従来より大きくなり、その
結果リング部材による支持部材の磨耗が抑えられる。支
持部材が着座部を着座させるための凹部を有している場
合は、第1リング部材の移動が制限されるために、リン
グ部材による支持部材の磨耗が抑えられる。第1リング
部材の突出部が第2リング部材の環状部に着座している
場合は、第2リング部材が支持部材に接触していないた
め、リング部材による支持部材の磨耗が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明実施例の自動車用乾式多板クラッ
チの断面図。
【図2】図1の一部切り欠きII矢視部分図。
【図3】ワイヤリングの分解斜視部分図。
【図4】図4は図1のIV矢視図。
【図5】別の実施例の位置決めピンを示す断面部分図。
【図6】更に別の実施例の位置決めピンを示す断面部分
図。
【符号の説明】
1 乾式多板クラッチ 10 クラッチカバー組立体 28 クラッチカバー 30 ダイヤフラムスプリング 31 支持機構 35 第1ワイヤリング 36 第2ワイヤリング 37 ボルト 38 リング本体 39 リング本体 40 着座部 41 脚部 42 環状部 43 突部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチの摩擦板を押圧するためのクラッ
    チ押圧組立体であって、 外周部が前記クラッチの前記摩擦板を付勢する円板状弾
    性部材と、 一体回転するように前記クラッチに連結され、前記円板
    状弾性部材の前記クラッチ側と反対側に配置された支持
    部材と、 前記円板状弾性部材の一部に前記支持部材側から当接す
    る第1リング本体と前記第1リング本体から延びて前記
    支持部材に着座する着座部とを有する第1リング部材
    と、前記円板状弾性部材に前記第1リング本体と反対側
    から当接する第2リング本体を有する第2リング部材
    と、前記第1および第2両リング部材を前記支持部材に
    固定するための固定部材とを含む支持機構と、を備えた
    クラッチ押圧組立体。
  2. 【請求項2】前記第1リング部材の前記着座部は前記第
    1リング本体から半径方向に延びる環状である、請求項
    1に記載のクラッチ押圧組立体。
  3. 【請求項3】前記支持部材は前記着座部が着座するため
    の凹部を有している、請求項1または2に記載のクラッ
    チ押圧組立体。
  4. 【請求項4】前記第1リング部材は前記着座部から前記
    クラッチ側へ突出する複数の突出部を備え、 前記円板状弾性部材は前記突出部が通る孔を備え、 前記第2リング部材は前記第2リング本体から半径方向
    に延びる環状の環状部を備え、 前記環状部に前記突出部が着座しており、 前記固定部材は、支持部材と前記第2リング部材の前記
    環状部とを連結するボルトである、請求項1ないし3の
    いずれかに記載のクラッチ押圧組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010117006A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Toyota Motor Corp 筒状体およびそれを用いる摩擦係合装置

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