JPH0821455A - 多板クラッチ - Google Patents

多板クラッチ

Info

Publication number
JPH0821455A
JPH0821455A JP15892294A JP15892294A JPH0821455A JP H0821455 A JPH0821455 A JP H0821455A JP 15892294 A JP15892294 A JP 15892294A JP 15892294 A JP15892294 A JP 15892294A JP H0821455 A JPH0821455 A JP H0821455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular portion
plate
annular
flywheel
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15892294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Mizukami
裕司 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP15892294A priority Critical patent/JPH0821455A/ja
Priority to US08/438,726 priority patent/US5638932A/en
Priority to DE1995117968 priority patent/DE19517968C2/de
Publication of JPH0821455A publication Critical patent/JPH0821455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハブフランジがトランスミッションの入力軸
に対して軸方向に移動自在に係合する乾式多板クラッチ
において、ハブフランジの軸方向移動を制限するための
部材の脱落を防止する。 【構成】 乾式多板クラッチ1において、ハブフランジ
6は、軸方向に沿って伸びる複数の外歯18aを外周面
に有する第2筒状部13を含み、トランスミッションの
入力軸3に軸方向に移動可能に係合する。ドリブンプレ
ート8は、第2筒状部13の外歯18aに対して軸方向
に相対移動可能にかつ相対回転不能に係合する複数の突
起27を内周部に有する。クラッチカバー組立体10
は、フライホイール2に固定可能であり、両プレート
7,8のフライホイール2側と反対側に配置されてい
る。ロケートプレート51は環状であり、第2筒状部1
3に取り付けられ、ドリブンプレート8の突起27に対
して軸方向に当接可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多板クラッチに、特
に、出力側回転体に対して軸方向に移動可能に係合する
出力側部材を有する多板クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レース用自動車などに使用され
る多板クラッチは、フライホイールに固定される第1筒
状部と、第1筒状部の内周側に配置された第2筒状部を
有しシャフトに連結されるハブフランジと、前記第1筒
状部および第2筒状部にそれぞれ係合するドライブプレ
ートおよびドリブンプレートと、両プレートをフライホ
イール側に押圧または押圧解除するための押圧機構とを
備えている。押圧機構は、プレッシャープレートとそれ
を付勢するためのダイアフラムスプリング等からなり、
フライホイールに固定されて、両プレートのフライホイ
ール側と反対側に配置されている。ハブフランジは、第
2筒状部の外周面にスプラインを、また内周部にスプラ
イン溝を有している。外周スプラインはドリブンプレー
トに係合し、内周のスプライン溝はシャフトのスプライ
ン歯に係合している。
【0003】また、ハブフランジの外周スプラインに
は、半径方向に延びるピン取付孔が設けてあり、その孔
にロールピンが装着されている。ロールピンのスプライ
ンの溝に露出した部分が、隣接する2個のドリブンプレ
ートの歯の軸方向間に入り込んでいる。ここで、ドリブ
ンプレートおよびドライブプレートプレートは、軸方向
において移動範囲がフライホイールとプレッシャプレー
トで限定されている。このように移動範囲の制限された
ドリブンプレートに対し、前述のようにロールピンを介
してハブフランジが軸方向に係合することで、ハブフラ
ンジの軸方向の位置が所定範囲内に制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例では、クラ
ッチ連結時に生じる熱、または振動によってロールピン
が第2筒状部の取付孔から外れることが考えられる。ロ
ールピンが外れると、スプラインハブの軸方向移動を制
限できなくなる。本発明の目的は、出力側部材が出力側
回転体に対して軸方向に移動自在に係合する多板クラッ
チにおいて、出力側部材の軸方向移動を制限するための
部材の脱落を防止することにある。
【0005】
【諜題を解決するための手段】本発明に係る多板クラッ
チは、回転フライホイールから出力側回転体にトルクを
伝達および遮断するためのものである。多板クラッチ
は、入力側部材と出力側部材と複数の第1環状摩擦板と
複数の第2環状摩擦板と押圧機構と環状の軸方向移動制
限部材とを備えている。入力側部材は、回転フライホイ
ールに固定される第1筒状部を含む。出力側部材は、第
1筒状部の内周側に配置されて軸方向に沿って伸びる複
数の第1歯部を外周面に有する第2筒状部を含み、出力
側回転体に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合
する。複数の第1環状摩擦板は、第1筒状部と第2筒状
部との間に配置され、外周部が第1筒状部に軸方向に相
対移動可能にかつ相対回転不能に係合する。複数の第2
環状摩擦板は、第1環状摩擦板と軸方向に交互に配置さ
れ、第2筒状部の第1歯部に対して軸方向に相対移動可
能にかつ相対回転不能に係合する複数の第2歯部を内周
部に有する。押圧機構は、回転フライホイールに固定可
能であり、両環状摩擦板のフライホイール側と反対側に
配置され、両環状摩擦板をフライホイール側に押圧およ
び押圧解除するための機構である。環状の軸方向移動制
限部材は、第2筒状部に取り付けられ、第2環状摩擦板
の第2歯部に対して軸方向に当接可能である。
【0006】第2筒状部は径方向に貫通する切欠きを有
しているのが好ましい。軸方向移動制限部材は、第2筒
状部の内周側に配置された環状部と、環状部から径方向
外方に伸びて切欠きを通り、第2環状摩擦板の第2歯部
に対して軸方向に当接可能に配置されている突出部とを
有しているのが好ましい。切欠きは第2筒状部に複数形
成されており、突出部は切欠きに対応して複数形成され
ているのが好ましい。
【0007】環状部は互いに連結された複数の弧状部材
からなるのが好ましい。突出部は3つ以上形成されてい
るのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明に係る多板クラッチでは、押圧機構によ
り両環状摩擦板が互いに圧接されると、入力側回転体か
ら入力側部材に入力されたトルクが、両環状摩擦板を介
して出力側部材に伝達される。このトルクは、出力側部
材から出力側回転体に出力される。
【0009】第2環状摩擦板および第1環状摩擦板は、
回転フライホイールと押圧機構との軸方向間に配置され
て軸方向の動きが制限されている。そのため、出力側部
材に取付けた軸方向移動制限部材が第2環状摩擦板の第
2歯部に軸方向に当接することで、出力側部材の軸方向
への移動が制限される。軸方向移動制限部材は環状であ
るため、第2筒状部から脱落しにくくなっている。
【0010】軸方向移動制限部材が、第2筒状部の内周
側に配置された環状部と、第2環状摩擦板の第2歯部に
対して軸方向に当接可能に配置されている突出部とを有
している場合は、環状部が第2筒状部の内周側に設けら
れているため、全体の慣性モーメントが増加するのを抑
えることができる。突出部が切欠きに対応して複数形成
されている場合は、第2環状摩擦板の第2歯部との接触
部分が増えるため、第2環状摩擦板から受ける力が分散
される。その結果、突出部の耐久性が向上する。
【0011】環状部は互いに連結された複数の弧状部材
からなる場合は、軸方向移動制限部材を第2筒状部に組
み付けおよび取り外すのが容易になる。突出部が3つ以
上形成されている場合は、第2環状摩擦板の第2歯部と
の接触部分が増えるため、第2環状摩擦板から受ける力
が分散される。その結果、突出部の耐久性が向上する。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例による自動車用乾式
多板クラッチ1の断面図、図2は図1の一部切り欠きII
矢視部分図である。図1のO−Oが乾式多板クラッチ1
の回転軸心であり、図2のR1 方向がエンジン回転方向
である。乾式多板クラッチ1は、エンジン(図示せず)
のフライホイール2からトランスミッションの入力軸3
にトルクを伝達および遮断するための装置である。この
乾式多板クラッチ1は、主に、入力側部材であるフライ
ホイールリング5(第1筒状部)と、出力側部材である
ハブフランジ6と、フライホイールリング5とハブフラ
ンジ6との間に配置された複数のドライブプレート7お
よび複数のドリブンプレート8からなる摩擦板群9と、
両プレート7,8を圧接および圧接解除するためのクラ
ッチカバー組立体10とを備えている。
【0013】ハブフランジ6は、中心に配置されたボス
11と、ボス11から一体に外周側に広がるフランジ1
2と、フランジ12の外周に一体に設けられた第2筒状
部13とを有している。ボス11の中心にはスプライン
孔11aが形成されており、このスプライン孔11aが
トランスミッションの入力軸3のスプライン歯に噛み合
っている。これにより、ハブフランジ6はトランスミッ
ションの入力軸3に対して相対回転不能にかつ軸方向に
移動自在になっている。ハブフランジ6のフランジ12
には、円周方向に間隔を隔てて複数の円形空気通路開口
14が設けられている。図1から明らかなように、空気
通路開口14により、フランジ12の両側のクラッチ内
部空間60,61が導通している。第2筒状部13はフ
ランジ12から軸方向両側に突出している。第2筒状部
13の外周には軸方向に延びる外歯18a(第1歯部)
が形成されている。言い換えると、第2筒状部13は軸
方向に延びる多数の係合溝18bを円周方向に間隔を隔
てて備えている。第2筒状部13の軸方向両側に突出し
ている部分には、それぞれ複数の空気通路孔19,20
が設けられている。空気通路孔19,20は、それぞ
れ、第2筒状部13をほぼ半径方向に貫通しており、半
径方向外側の端部が係合溝18bの底部に開口してい
る。図2から明らかなように、空気通路孔19は第2筒
状部13の円周方向に等間隔を隔てた複数箇所に形成さ
れている。
【0014】第2筒状部13の半径方向外側にはフライ
ホイールリング5が同心に配置されている。フライホイ
ールリング5は、図1において左側の端部がエンジンの
フライホイール2に複数のボルト22(中心線のみ図
示)で固定される。フライホイールリング5は内歯23
aを備え、軸方向に延びる多数の係合溝23bを円周方
向に間隔を隔てて備えている。図1及び図3に示すよう
に、フライホイールリング5の外周面の軸方向に間隔を
隔てた複数箇所(例えば3箇所)には、空気通路溝24
が設けられている。図1に示すように、空気通路溝24
はドリブンプレート8の半径方向外側に設けられてい
る。図3から明らかなように、空気通路溝24は、フラ
イホイールリング5の軸方向に間隔を隔てた各位置にお
いて(すなわち同一円周上において)、円周方向に間隔
を隔てた複数箇所に設けられている。個々の空気通路溝
24はフライホイールリング5の円周方向に沿って円弧
状に延びており、その底部は複数の係合溝23bの底面
に開口している。すなわち、個々の空気通路溝24はフ
ライホイールリング5の外周面に開口するとともに、複
数の係合溝23bの底部空間に連通している。空気通路
溝24が円周方向に長く延びていることで、フライホイ
ールリング5が軽量化されている。
【0015】フライホイールリング5の内側とハブフラ
ンジ6の第2筒状部13との間には、摩擦板群9が配置
されている。摩擦板群9は、軸方向にはフライホイール
2の摩擦面と環状のプレッシャープレート(後述)との
間に配置されている。摩擦板群9は、互いに軸方向に交
互に並ぶ状態で配置されている4枚のドライブプレート
7と3枚のドリブンプレート8とからなる。ドライブプ
レート7及びドリブンプレート8は乾式の環状摩擦板で
あり、いずれも、トランスミッションの入力軸3と同心
に配置されている。ドライブプレート7は外周部に放射
状の突起26を備え、突起26はフライホイールリング
5の係合溝23bに相対回転不能にかつ軸方向に摺動自
在に係合している。ドリブンプレート8は放射状の突起
27(第2歯部)を内周部に備えており、突起27は第
2筒状部13の係合溝18bに相対回転不能にかつ軸方
向に摺動自在に係合している。ドリブンプレート8の表
面には、複数の浅い溝8aが放射状に設けられている。
各溝8aはドリブンプレート8の内周から外周まで延び
ており、空気通路孔19,20とほぼ一直線状になるよ
うに配置されている。
【0016】クラッチカバー組立体10は、クラッチカ
バー28と、クラッチカバー28内に配置された環状の
プレッシャープレート29と、プレッシャープレート2
9をフライホイール2側に付勢するためのダイアフラム
スプリング30と、ダイアフラムスプリング30をクラ
ッチカバー28に支持させる支持機構31とを主に備え
ている。
【0017】クラッチカバー28は前述のボルト22に
よりフライホイールリング5の端面に固定されている。
クラッチカバー28は、アルミニウムを主とした金属製
であり、軽量化されている。プレッシャープレート29
は、最もクラッチカバー28側に配置されたドライブプ
レート7の図1右側に配置されている。プレッシャープ
レート29は、放射状の突起32を外周部に備え、突起
32が係合溝23に相対回転不能にかつ軸方向に摺動自
在に係合している。プレッシャープレート29の背面
(ドリブンプレート8と反対側の面)の内周寄りの部分
には、半円形断面を有する環状隆起部33が一体に設け
られている。
【0018】図2に示すように、ダイアフラムスプリン
グ30は、環状部30aと環状部30aの内周から半径
方向内方へ延びる複数のレバー部30bとから構成され
ている。レバー部30bは円周方向に等間隔を隔てて設
けてあり、隣接するレバー部30bの間にスリットが形
成されるとともに、各スリットの半径方向外側の部分
に、円周方向幅が比較的広い切り欠き30cが形成され
ている。
【0019】支持機構31は、図1および図4に示すよ
うに、ダイアフラムスプリング30の環状部30aの内
周部を支持する1対の第1ワイヤリング35,第2ワイ
ヤリング36と、ワイヤリング35,36をクラッチカ
バー28に固定する複数のボルト37とを主に備えてい
る。1対のワイヤリング35,36は鋼製である。ワイ
ヤリング35,36はダイアフラムスプリング30に沿
って円周方向に延びており、それぞれ外周部にリング本
体38、39を備えている。リング本体38,39は、
それぞれ、ダイアフラムスプリング30に当接する部分
が半円形等の凸形断面を有している。第1ワイヤリング
35のリング本体38がダイアフラムスプリング30に
対してクラッチカバー28側(図1の右側)から当接
し、第2ワイヤリング36のリング本体39がダイアフ
ラムスプリング30に対してハブフランジ6側(図1の
左側)から当接している。リング本体38の内周側で図
1の右側には環状に延びる薄い着座部40が一体に形成
されている。着座部40には、軸方向に延びる複数の脚
部41が円周方向に間隔を隔てて一体に形成されてい
る。また、リング本体39の内周側で図1の左側には環
状に延びる薄い環状部42が一体に形成されている。環
状部42には、軸方向に延びる複数の突部43が円周方
向に間隔を隔てて一体に設けられている。突部43はリ
ング本体39の内周にも連続している。脚部41と突部
43とは互いに接近する方に突出しており、図1に示す
組立状態では、脚部41はダイアフラムスプリング30
の切り欠き30cを通って先端面が突部43に着座して
いる。
【0020】前述のクラッチカバー28の内側端面に
は、第1ワイヤリング35の着座部40背面ならびに内
周面及び外周面が着座する切り欠きが設けてあり、ワイ
ヤリング35はこの切り欠きに着座した状態で、ボルト
37により固定されている。第1ワイヤリング35にお
いて各脚部41とそれに連続する着座部40の部分に
は、ボルト37が通されるボルト挿通孔(ねじを備えて
いない孔)が設けてあり、これと同心のボルト挿通孔が
クラッチカバー28にも設けてある。第2ワイヤリング
36の突部43とそれに連続する環状部42の部分には
ねじ孔が設けてあり、このねじ孔にボルト37のねじ部
が固定されている。
【0021】以上に説明したように、複数のボルト37
によりワイヤリング35,36はクラッチカバー28に
固定されている。そして、これらのワイヤリング35,
36に支持されたダイヤフラスプリング30はその環状
部30aの外周部がプレッシャープレート29の隆起部
33に当接し、プレッシャープレート29をフライホイ
ール2側(図1の左側)に付勢する。
【0022】ダイアフラムスプリング30の内周部に隣
接させてレリーズベアリング50が配置されている。レ
リーズベアリング50が、ダイアフラムスプリング30
のレバー部30b先端をフライホイール2側に押すと、
ダイアフラムスプリング30の環状部30a外周がプレ
ッシャープレート29から離れる。この結果、クラッチ
連結が解除される。
【0023】上述の構造では、ハブフランジ6はトラン
スミッションの入力軸3に対して軸方向に移動自在であ
り、従って、ハブフランジ6の軸方向移動を制限する必
要がある。そのために、図1、図2および図5に示すよ
うに、ハブフランジ6の第2筒状部13には、環状のロ
ケートプレート51が取付けられている。ロケートプレ
ート51は、3枚の弧状プレート52が互いに連結して
なる。各弧状プレート52は、環状部53と環状部53
の円周方向両端から径方向内側に伸びる連結部54と、
環状部53の円周方向中心から径方向外方に伸びる当接
部55とを有している。連結部54には孔54aが形成
されており、孔54a内にはリベット56が挿入されて
各連結部54を固定している。なお、連結部54および
リベット56は、フランジ12の空気通路開口14に対
応して配置されている。当接部55は厚みが弧状プレー
ト52の他の部分より大きくなっており、円周方向に所
定の幅を有している。また、当接部55の中心には、軸
方向に貫通する円形の孔55aが形成されている。以上
に説明したように、ロケートプレート52には、当接部
55が円周方向に等間隔で3つ設けられている。第2筒
状部13のフランジ12からフライホイール2側へ突出
した部分には径方向に貫通したスリット12aが円周方
向に等間隔で3か所に設けられており、当接部55はス
リット12aを通り、先端部だけが係合溝18bに入り
込んで2個のドリブンプレート8の突起27の軸方向間
に位置している。
【0024】前述のフライホイール2及びプレッシャー
プレート29は、ドライブプレート7及びドリブンプレ
ート8の軸方向の移動範囲を制限している。このように
軸方向位置の制限された2枚のドリブンプレート8の突
起27の間にロケートプレート51の当接部55が位置
することにより、ハブフランジ6の軸方向の位置も所定
範囲内に限定される。
【0025】次に動作を説明する。クラッチ接続状態で
は、レリーズベアリング50はダイアフラムスプリング
30をフライホイール2側に押圧しておらず、ダイアフ
ラムスプリング30自らの弾性力がプレッシャープレー
ト29を摩擦板群9側に押し付けている。これにより、
ドライブプレート7とドリブンプレート8が互いに圧接
し、フライホイール2からフライホイールリング5に入
力されたトルクが、ドライブプレート7及びドリブンプ
レート8を介してハブフランジ6に伝達され、さらに、
ハブフランジ6からトランスミッションの入力軸3へ出
力される。
【0026】クラッチを遮断する場合、レリーズベアリ
ング50によりダイアフラムスプリング30のレバー部
30bの先端をフライホイール2側へ押し、ダイアフラ
ムスプリング30の環状部30a外周部をプレッシャー
プレート29から離れる方向に移動させる。これによ
り、ドライブプレート7とドリブンプレート8の圧接が
解放され、クラッチが遮断される。
【0027】上述の動作において、ダイアフラムスプリ
ング30はワイヤリング35、36に支持された状態で
変形する。その変形によってワイヤリング35,36は
クラッチカバー28に対して移動しようとする。ところ
が、クラッチカバー28に対しては第1ワイヤリング3
5の着座部40が当接している。すなわち、第1ワイヤ
リング35のクラッチカバー28に対する着座面の面積
は従来より広く、したがってその面圧は小さい。その結
果、従来構造と同様にワイヤリング35,36が鋼で作
られ、クラッチカバー28がアルミニウムを主体とする
材料で作られている場合でも、ワイヤリング35による
クラッチカバー28の磨耗が効果的に防止される。
【0028】さらに、クラッチカバー28の内側端面
に、第1ワイヤリング35の着座部40背面ならびに内
周面及び外周面が着座する切り欠きが設けられているた
め、第1ワイヤリング35がクラッチカバー28に対し
て摺動しにくい。その結果、クラッチカバー28の磨耗
が生じにくい。さらに、第2ワイヤリング36はクラッ
チカバー28に接触していないため、クラッチカバー2
8の磨耗はより少なくなる。
【0029】また、第1ワイヤリング35と第2ワイヤ
リング36は相対的に移動しようとするが、両者は一般
に鋼で作られているので磨耗が生じにくい。上述のクラ
ッチの接続遮断動作では、摩擦による熱がドライブプレ
ート7及びドリブンプレート8に生じるが、下記の如く
ドライブプレート7及びドリブンプレート8は空気によ
り効果的に冷却され、それらの異常な温度上昇は防止さ
れる。
【0030】フランジ12とダイアフラムスプリング3
0との間の内部空間60にはクラッチの外部空間62か
ら低温の空気が流入する。この空気の一部は、空気通路
開口14を通って内部空間61に流入する。内部空間6
0、61内の空気は、遠心力等によって空気通路孔1
9、20を通って係合溝18bに流れ、係合溝18bか
らドライブプレート7及びドリブンプレート8の表面に
沿って係合溝23bまで流れ、その間にドライブプレー
ト7及びドリブンプレート8を冷却する。この空気は係
合溝23bから空気通路溝24を通ってフライホイール
リング5の外側へ流出する。その結果、全てのドライブ
プレート7及びドリブンプレート8がほぼ均等かつ充分
に冷却される。なお、ドリブンプレート8に形成された
溝8aが空気通路孔19,20と半径方向に一直線にな
っているため、空気の流れがスムーズになり、より効果
的にドライブプレート7及びドリブンプレート8の冷却
が行われる。また、ドライブプレート7及びドリブンプ
レート8の表面には、それらの磨耗粉が生じるが、磨耗
粉も係合溝23から空気通路溝24を通ってフライホイ
ールリング5の外側へ流出する。特に、空気通路溝24
は円周方向に延びて形成されているため、開口面積が大
きく、プレート8,9の冷却と磨耗粉の排出の効果を高
める。
【0031】上述の構造では、ハブフランジ6にロケー
トプレート51が取付けてあり、ロケートプレート51
は環状であるために脱落しにくい。さらに、ロケートプ
レート51は、環状部53が第2筒状部13の内周側に
設けられており、当接部55のみが第2筒状部13より
径方向外方に配置されている。このため、ロケートプレ
ート51によるハブフランジ6の慣性モーメントの増大
が抑えられている。また、各当接部55に形成された孔
55aにより、ロケートプレート51によるハブフラン
ジ6の慣性モーメントの増大が抑えられている。ハブフ
ランジ6の慣性モーメントが小さくなることによって、
接続操作や遮断操作に対するクラッチの応答性が高くな
る。
【0032】ロケートプレート51の当接部55が円周
方向に等間隔で3つ設けられていることにより、ドリブ
ンプレート8からロケートプレート51に加わる力が均
等に分散される。その結果、ロケートプレート51の当
接部55の耐久性が向上する。ロケートプレート51を
ハブフランジ6に取り付ける動作について説明する。初
めに各弧状部材52を第2筒状部13の内周側に配置
し、各当接部55をスリット12a内に挿通して当接部
55の先端を係合溝18b内に配置する。そして、各弧
状部材52の連結部54を合わせてリベット56で固定
する。このように、ロケートプレート51が複数の弧状
プレート52からなるため、ロケートプレート51をバ
ブフランジ6に組み付けるのが容易になっている。分解
も容易である。特に、リベット56を設ける際に、連結
部54およびリベット56がフランジ12の空気通路開
口14に対応して配置されているため、取付け作業がさ
らに容易である。また、分解もさらに容易になってい
る。 〔変形例〕前記実施例ではロケートプレートの当接部は
円周方向に3つ設けたが、それ以上設けても良い。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る多板クラッチでは、第2環
状摩擦板および第1環状摩擦板は、回転フライホイール
と押圧機構との軸方向間に配置されて軸方向の動きが制
限されている。そのため、出力側部材に取付けた軸方向
移動制限部材が第2環状摩擦板の第2歯部に軸方向に当
接することで、出力側部材の軸方向への移動が制限され
る。軸方向移動制限部材は環状であるため、第2筒状部
から外れ難くなっている。
【0034】軸方向移動制限部材の環状部が第2筒状部
の内周側に設けられていると、全体の慣性モーメントが
増加するのを抑えることができる。突出部は切欠きに対
応して複数形成されている場合は、第2環状摩擦板の第
2歯部との接触部分が増えるため、第2環状摩擦板から
受ける力が分散される。その結果、突出部の耐久性が向
上する。
【0035】環状部は互いに連結された複数の弧状部材
からなる場合は、軸方向移動制限部材を第2筒状部に組
み付けおよび取り外すのが容易になる。突出部が3つ以
上形成されている場合は、第2環状摩擦板の第2歯部と
の接触部分が増えるため、第2環状摩擦板から受ける力
が分散される。その結果、突出部の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明実施例の自動車用乾式多板クラッ
チの断面図。
【図2】図1の一部切り欠きII矢視部分図。
【図3】図1のIII矢視図。
【図4】ワイヤリングの分解斜視部分図。
【図5】ハブフランジとロケートプレートを示す、図1
のV矢視図。
【符号の説明】
1 乾式多板クラッチ 2 フライホイール 3 トランスミッションの入力軸 5 フライホイールリング 6 ハブフランジ 7 ドライブプレート 8 ドリブンプレート 10 クラッチカバー組立体 13 第2筒状部 13a スリット 18a 外歯 27 突起 51 ロケートプレート 52 弧状プレート 53 環状部 54 連結部 55 当接部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転フライホイールから出力側回転体にト
    ルクを伝達および遮断するための多板クラッチであっ
    て、 前記回転フライホイールに固定される第1筒状部を含む
    入力側部材と、 前記第1筒状部の内周側に配置されて軸方向に沿って伸
    びる複数の第1歯部を外周面に有する第2筒状部を含
    み、前記出力側回転体に相対回転不能にかつ軸方向に移
    動可能に係合する出力側部材と、 前記第1筒状部と前記第2筒状部との間に配置され、外
    周部が前記第2筒状部に軸方向に相対移動可能にかつ相
    対回転不能に係合する複数の第1環状摩擦板と、 前記第1環状摩擦板と軸方向に交互に配置され、前記第
    1筒状部の前記第1歯部に対して軸方向に相対移動可能
    にかつ相対回転不能に係合する複数の第2歯部を内周部
    に有する複数の第2環状摩擦板と、 前記回転フライホイールに固定可能であり、前記両環状
    摩擦板の前記フライホイール側と反対側に配置され、前
    記両環状摩擦板を前記フライホイール側に押圧および押
    圧解除するため押圧機構と、 前記第2筒状部に取り付けられ、前記第2環状摩擦板の
    前記第2歯部に対して軸方向に当接可能な環状の軸方向
    移動制限部材と、を備えた多板クラッチ。
  2. 【請求項2】前記第2筒状部は径方向に貫通する切欠き
    を有しており、 前記軸方向移動制限部材は、前記第2筒状部の内周側に
    配置された環状部と、前記環状部から径方向外方に伸び
    て前記切欠きを通り、前記第2環状摩擦板の前記第2歯
    部に対して軸方向に当接可能に配置されている突出部と
    を有している、請求項1に記載の多板クラッチ。
  3. 【請求項3】前記切欠きは前記第2筒状部に複数形成さ
    れており、前記突出部は前記切欠きに対応して複数形成
    されている、請求項2に記載の多板クラッチ。
  4. 【請求項4】前記環状部は互いに連結された複数の弧状
    部材からなる、請求項2または3に記載の多板クラッ
    チ。
  5. 【請求項5】前記突出部は3つ以上形成されている、請
    求項2〜4のいずれかに記載の多板クラッチ。
JP15892294A 1994-05-17 1994-07-11 多板クラッチ Pending JPH0821455A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15892294A JPH0821455A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 多板クラッチ
US08/438,726 US5638932A (en) 1994-05-17 1995-05-10 Dry multi-disk clutch
DE1995117968 DE19517968C2 (de) 1994-05-17 1995-05-16 Mehrscheiben-Trockenkupplung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15892294A JPH0821455A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 多板クラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0821455A true JPH0821455A (ja) 1996-01-23

Family

ID=15682278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15892294A Pending JPH0821455A (ja) 1994-05-17 1994-07-11 多板クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0821455A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0797016B1 (en) Multi-plate clutch mechanism
US5638932A (en) Dry multi-disk clutch
US5722524A (en) Dry multi-disk clutch
JP4760984B2 (ja) クラッチ装置
GB2183748A (en) Friction clutch driven plate
JPH1030645A (ja) 多板クラッチ
JPH0821455A (ja) 多板クラッチ
JP4322038B2 (ja) 乾式多板クラッチ
JP3005155B2 (ja) クラッチ押圧組立体
US6085886A (en) Clutch cover assembly
US6035987A (en) Multi-plate clutch
JP3447176B2 (ja) 多板クラッチ
JPH07310757A (ja) 多板クラッチ
JP3372165B2 (ja) 多板クラッチ
JP3447171B2 (ja) 多板クラッチ
JPH07310754A (ja) 乾式多板クラッチ
JPH09250558A (ja) ダイヤフラムスプリング、クラッチ押圧機構及び多板クラッチ
JPH05272552A (ja) クラッチ・アセンブリ
USRE38389E1 (en) Multi-plate clutch
JPH08177877A (ja) 多板クラッチ
JP2009014016A (ja) クラッチ装置
JPH1163008A (ja) プレッシャープレート、クラッチ連結部材
JP2002005190A (ja) 多板クラッチ
JPH10227316A (ja) ツインクラッチ
JPH11325111A (ja) クラッチカバー組立体