JPH07309609A - 高分散性不溶性硫黄 - Google Patents

高分散性不溶性硫黄

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JPH07309609A
JPH07309609A JP12295294A JP12295294A JPH07309609A JP H07309609 A JPH07309609 A JP H07309609A JP 12295294 A JP12295294 A JP 12295294A JP 12295294 A JP12295294 A JP 12295294A JP H07309609 A JPH07309609 A JP H07309609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insoluble sulfur
rubber
sulfur
dispersibility
carbon
Prior art date
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Pending
Application number
JP12295294A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Nakatsuka
卓男 中司
Akiko Matsumoto
亜紀子 松本
Akihiko Kinoshita
明彦 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Shikoku Chemicals Corp filed Critical Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ゴムマトリックスと混練す
る工程において極めて良好な分散性及び親和性を発揮
し、ゴムマトリックスに対して均一な加硫反応をさせる
ことができる表面改質した不溶性硫黄を提供することに
ある。 【構成】 不溶性硫黄の表面を架橋剤及び炭素−炭素不
飽和結合を有する高分子化合物または中分子化合物、も
しくは活性末端基を有する中分子化合物を用いて処理
し、不溶性硫黄の粒子表面に架橋されたコーティング層
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム中における分散性
を改良したゴムの加硫反応において使用される不溶性硫
黄に関するものであり、本発明の高分散性不溶性硫黄
は、ゴムの製造加工業、特にタイヤ製造業において有用
なものである。
【0002】
【従来の技術】不溶性硫黄は、従来からゴムの加硫剤と
して汎用されているが、ゴム配合時の作業性を向上させ
るため、プロセスオイルを添加して不溶性硫黄をゴムに
混練する工程における凝集防止とゴム中での分散性を確
保してきた。特公平4−64544号公報には、ゴムを
溶解したオイルを不溶性硫黄に添加して分散性を高めた
不溶性硫黄組成物が開示されている。また、米国特許第
3012985号明細書などには、硫黄にプロセスオイ
ルと同時に種々のゴム化合物あるいは界面活性物質を添
加することより、分散性を向上させると共に熱安定性を
向上させる手段が開示されている。
【0003】さらに、米国特許第4564670号明細
書には、不溶性硫黄の粒子表面を、プロセスオイルの代
わりにゴム分子を用いてコーティング処理し、ゴム中に
おける分散性を高める試みが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ゴム分子を用いて分散
性を改善するためには、比較的多量のゴム分子を添加す
る必要がある。このことは、未加硫ゴム分子が混練工程
中においてマトリックス部分に移行し、コーティングの
効果を失うためであろうと考えられている。特にバンバ
リーミキサーのような高剪断性の混練機を使用する場合
には、このようなゴムマトリックス中へのコーティング
層の拡散現象が顕著になると推定される。
【0005】また、不溶性硫黄が多孔性である場合に
は、コーティングされるゴム分子が多孔部分に侵入し、
効果的な表面コーティングを行うためには、ゴム分子の
量を多くする必要があった。そのため、多孔性の不溶性
硫黄を用いた場合においても、少量のゴム分子の使用で
充分なコーティング処理を行うことができ、ゴム中への
良好な分散性が得られる不溶性硫黄の開発が課題となっ
ていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、不溶性硫黄の表面
に架橋した高分子化合物あるいは中分子化合物をコーテ
ィングすることにより、所期の目的を達成しうることを
見い出し、本発明を完遂した。
【0007】即ち、ゴムマトリックスと極めて親和性の
高い不飽和炭素結合を有する高分子化合物または中分子
化合物、もしくは活性末端基を有する中分子化合物を少
量使用し、これを架橋して高分子化しながら不溶性硫黄
の表面をコーティング処理し、さらに形成された薄膜を
室温付近で架橋させることより、所期の目的を達成する
ことができる。
【0008】本発明の実施において用いられる炭素−炭
素不飽和結合を有する高分子化合物または中分子化合物
の代表的なものとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム、ポリイソプ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)などの硫黄加硫できる汎用の固体ゴムが挙げられ、
その他に液状天然ゴム、液状SBR、液状ポリブタジエ
ン、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、液状
アクリロニトリル−ブタジエン、液状ポリクロロプレン
などの硫黄加硫することができる中分子化合物も挙げら
れる。また、末端基が活性である中分子化合物は、末端
基の架橋反応により安定なコーティング層を形成でき
る。
【0009】本発明の実施に当たって、不溶性硫黄に対
して使用される炭素−炭素不飽和結合を有する化合物の
配合割合は、0.1〜20重量%であり、特に0.5〜
5重量%が好適である。これら化合物が少な過ぎると十
分な分散効果が得られず、また逆に多くなりすぎると、
コーティング処理した不溶性硫黄粒子が相互に結合し
て、粉体としての取扱いが困難なものとなる。また、コ
ーティング処理に用いた化合物とマトリックスゴムとが
相違する場合には、最適加硫条件あるいは加硫ゴムの物
性に影響を及ぼすので、問題となる場合がある。
【0010】不溶性硫黄の表面にコーティングされた不
飽和炭素結合を有する化合物の架橋反応は、室温領域で
加硫反応を行うことのできる架橋剤、例えば、一塩化硫
黄などの活性化架橋剤を使用することが望ましい。この
場合に、本発明は硫黄加硫に使用される不溶性硫黄の分
散性改善を目的としているので、過酸化物を用いて架橋
を行うのは適切でない。
【0011】架橋剤の添加量は、炭素−炭素不飽和結合
を有する化合物に対して0.5〜20重量%であり、こ
の添加は、コーティング処理を行う直前にすべきであ
る。なお、本発明の実施において活性末端基を有する中
分子化合物を用いて架橋する場合には、当該化合物の末
端基当量数と等しい当量の架橋剤の添加が必要である。
【0012】不溶性硫黄のコーティング処理に供する化
合物の調製に当たっては、固体状態の化合物を表面処理
しようとする場合には、有機溶媒を用いて予め溶解する
必要があり、液状化合物の場合においても、有機溶媒ま
たはナフテン系やアロマチック系プロセスオイル、ジオ
クチルフタレート等の液状添加物で希釈することが望ま
しいけれども、液状化合物の処理量が多い場合にはその
まま使用することができる。次にコーティング操作に移
行する直前に架橋剤を添加し、以下に説明するコーティ
ング処理を行う。
【0013】コーティング処理方法としては、溶媒揮散
法と直接添加法に大別できる。前者は、多量の有機溶媒
中に不溶性硫黄とコーティング液、架橋剤を添加し、減
圧エバポレーションあるいはスプレードライ法等によっ
て溶媒を揮散させ、コーティング層を形成するものであ
る。何れの方法においても、不溶性硫黄の熱変性を避け
るために、加熱温度をできるだけ低く設定することが必
要である。また後者の直接添加法としては、不溶性硫黄
を直接コーティング液と混練りすることを指し、機械的
な攪拌のみで実施しうるが、コーティングの均一性に注
意しなければならない。
【0014】
【作用】本発明の表面改質した不溶性硫黄は、ゴムマト
リックスと極めて親和性の高い炭素−炭素不飽和結合を
有する高分子化合物または中分子化合物、もしくは活性
末端基を有する中分子化合物を用いて、不溶性硫黄の表
面をコーティング処理し、またコーティング膜が架橋剤
を用いて架橋されているため、ゴムマトリックスとの親
和性がよく、高い分散性を発現することができる。
【0015】また本発明の分散性を改善した不溶性硫黄
をゴムマトリックスに混練した場合、架橋されたコーテ
ィング膜の殻の中に、不溶性硫黄が包含された形になっ
ているので、ゴム分子を表面にコーティング処理しただ
けの不溶性硫黄と比べて極めて分散性に優れている。し
かも常温で架橋反応を起こす架橋剤を用いているので、
コーティング膜を架橋させる際に不溶性硫黄に熱変性を
与えず、従って不溶性硫黄の加硫性能を低下させること
がない。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。なお、分散性評価用のサンプルシート
は、カーボンブラック5重量部を配合した天然ゴム10
0重量部に不溶性硫黄35重量部を加え、4インチの電
熱式2本ロールを用いて6分間練り込んだのち、シート
状に切り出して調製した。得られたサンプルシートを用
い、シートの切出し面10cm2 当りに分布する平均粒
径が0.3mm以上の大きさである硫黄粒子の個数を測
定することにより、不溶性硫黄の分散性を評価した。
【0017】(実施例1)SBR〔日本合成ゴム(株)
製、#1502〕2gをエチレンクロリド100gに溶
解したSBRのエチレンクロリド溶液、エチレンクロリ
ド200ml、不溶性硫黄100g及び一塩化硫黄0.
1gをナス型フラスコに入れ、良く攪拌し、ロータリー
エバポレーターを用い減圧下で溶媒を除くことにより、
架橋したSBRによってコーティングされた不溶性硫黄
を得た。この不溶性硫黄を用いて分散性評価試験を行っ
たところ、平均粒径が0.3mm以上の大きさである硫
黄粒子は単位面積当り2個あった。
【0018】また、前記処理された不溶性硫黄をエチレ
ンクロリドによって十分洗浄したのち、拡散反射型赤外
線吸収スペクトルを測定し分析したところ、SBRに基
づく吸収が認められ、コーティング処理されたSBRは
充分に架橋され安定化されていることがわかった。
【0019】(実施例2)実施例1において、SBRの
代わりに液状ポリイソプレン〔クラレ(株)製、クラプ
レンLIR−30〕を用い、またエチレンクロリドの代
わりにヘキサンを用いて同じ方法で処理したところ、ポ
リイソプレンによってコーティングされた不溶性硫黄が
得られた。この不溶性硫黄の分散性評価試験を行ったと
ころ、平均粒径が0.3mm以上の硫黄粒子数は単位面
積当り3個であった。
【0020】(実施例3)実施例1において、ロータリ
ーエバポレーターの代わりにスプレードライヤーを用
い、同様の処理を行ないエチレンクロリド除去したとこ
ろ、SBRによってコーティング処理された不溶性硫黄
が得られ、このものの分散性試験を行ったところ、平均
粒径が0.3mm以上の硫黄粒子数が単位面積当り4個
であった。
【0021】(実施例4)実施例1において、SBRの
代わりに末端水酸基を有する液状ポリブタジエン〔出光
石油化学(株)製、Poly−bd、R−45HT〕、
一塩化硫黄の代わりにジフェニルメタンジイソシアネー
トを用いて同様の方法で処理したところ、ポリブタジエ
ンによってコーティング処理された不溶性硫黄が得られ
た。この不溶性硫黄の分散性評価試験を行ったところ、
平均粒径が0.3mm以上の硫黄粒子数は単位面積当り
3個であった。
【0022】(比較例1)実施例1において、架橋剤で
ある一塩化硫黄を使用しなかった以外は、全く同じ処理
を行ない、架橋していないSBRによりコーティング処
理された不溶性硫黄を得た。この不溶性硫黄の分散性試
験を行ったところ、平均粒径が0.3mm以上の大きさ
の硫黄粒子数は、単位面積当り19個あった。
【0023】
【発明の効果】本発明の表面改質した不溶性硫黄は、ゴ
ムマトリックスと混練する工程において極めて良好な分
散性を発揮し、またゴムマトリックスに対する親和性が
良いので、混練り工程を省力化しうると共にゴムマトリ
ックスに対して均一な加硫反応をさせることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素−炭素不飽和結合を有する高分子化
    合物または中分子化合物、もしくは活性末端基を有する
    中分子化合物を架橋した被膜により、不溶性硫黄の表面
    がコーティングされたことを特徴とする高分散性不溶性
    硫黄。
JP12295294A 1994-05-11 1994-05-11 高分散性不溶性硫黄 Pending JPH07309609A (ja)

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JP12295294A JPH07309609A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 高分散性不溶性硫黄

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JP12295294A JPH07309609A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 高分散性不溶性硫黄

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JPH07309609A true JPH07309609A (ja) 1995-11-28

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JP12295294A Pending JPH07309609A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 高分散性不溶性硫黄

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