JPH07308815A - ドリル - Google Patents

ドリル

Info

Publication number
JPH07308815A
JPH07308815A JP10028194A JP10028194A JPH07308815A JP H07308815 A JPH07308815 A JP H07308815A JP 10028194 A JP10028194 A JP 10028194A JP 10028194 A JP10028194 A JP 10028194A JP H07308815 A JPH07308815 A JP H07308815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drill
cutting edge
tip
thinning
intersection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10028194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3515167B2 (ja
Inventor
Shinichi Nakamura
伸一 中村
Takeshi Inoue
武 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP10028194A priority Critical patent/JP3515167B2/ja
Priority to KR1019950011250A priority patent/KR950031335A/ko
Priority to US08/440,617 priority patent/US5716172A/en
Priority to EP95107409A priority patent/EP0681882A1/en
Publication of JPH07308815A publication Critical patent/JPH07308815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3515167B2 publication Critical patent/JP3515167B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ドリル本体21の先端に、互いに凹曲する第
一ないし第三のシンニング面30〜32よりなるシンニ
ング面29が形成されるとともに、ドリルの切刃25も
ドリル回転中心C側から第一ないし第三の切刃26,3
5,36から構成されている。第一シンニング面30と
先端逃げ面24との交差稜線(第一切刃)26と、第二
シンニング面31と先端逃げ面24との交差稜線33と
がなす交差角αは75°〜95°とされ、またこの交差
稜線33と、第三シンニング面32と先端逃げ面24と
の交差稜線34とがなす交差角βは90°〜140°と
され、さらに交差稜線33の長さL2はドリル外径Dに
対して0.2×D以下とされている。 【効果】 切屑の処理性能の向上とドリル先端部におけ
る切刃等の強度の向上とを同時に図ることができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に切屑の処理性能の
向上とドリル先端部における切刃等の強度の向上とを同
時に図ることができ、しかも安定した喰い付き性を得る
ことが可能なドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属材料の穴明け加工に用いられるドリ
ルとしては、例えば図6および図7に示されるようなも
のが提案されている。これは、特開平2−124208
号公報に記載されたもので、軸線O回りに回転されるド
リル本体1の側面に一対の切屑排出溝2,2が螺旋状に
形成され、これらの切屑排出溝2,2のドリル回転方向
(図6において反時計回り方向)を向く壁面3とドリル
本体1の先端逃げ面4との交差稜線部に切刃5が芯上が
りとなるように形成されている。また、このドリルにお
いては、その先端のドリル回転中心C部分にシンニング
が施されており、これによってドリル回転中心Cの近傍
にはこのドリル回転中心Cから直線状に延びるシンニン
グ刃6が形成されていて、このシンニング刃6は上記切
刃5に円弧状の交差部7を介して滑らかに連ねられてい
る。
【0003】なお、このシンニングによって切屑排出溝
2のドリル回転方向後方側を向く壁面8と先端逃げ面4
との交差部分に形成されるシンニング面9は、上記シン
ニング刃6に沿うすくい面(第一シンニング面)10
と、この第一シンニング面10に鈍角に交差してドリル
回転中心Cからヒール11側に延びる先端研ぎ出し面
(第二シンニング面)12とから構成されている。そし
て、このうち後者の第二シンニング面12は、その先端
逃げ面4との交差稜線13が軸線O方向先端視において
図6に示すようにドリル回転中心Cから直線状に外周側
に延びるように形成されており、この交差稜線13から
ドリル回転方向後方側に向かうに従い、上記壁面8と先
端逃げ面4との交差部分をドリル本体1の基端側に向け
て全面的に傾斜して削り取るように形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
ドリルでは、このようにシンニング面9において第一シ
ンニング面10と第二シンニング面12とが鈍角に交差
し、また第二シンニング面12が、直線状に延びる交差
稜線13からドリル回転方向後方側に向かうに従い基端
側に向かって全面的に傾斜するように形成されることか
ら、先端逃げ面4のヒール11側が図7に示すように大
きく切り欠かれることとなり、これによりドリル本体1
の先端部において、その強度および剛性が損なわれるこ
とが避けられなかった。また、特にヒール11側の部分
が大きく切り欠かれることにより、切刃5のドリル回転
方向後方側の部分の肉厚が小さくなってしまうので、切
刃5の強度も損なわれてしまい、切刃の欠損や割損を招
くおそれもあった。さらに、上記第一シンニング面10
と第二シンニング面12との交差角が鈍角側に大きく設
定されていたりすると、上記シンニング刃6のドリル回
転方向後方における肉厚も小さくなってしまい、切刃の
全体の亙って強度不足が生じるという問題もあった。
【0005】一方、このようなドリルにおいて切刃5お
よびシンニング刃6により生成される切屑は、ドリル本
体1の外周側ほど軸線O回りの周速が大きくなるため、
図6および図7に破線で示すようにドリル回転中心Cを
中心とした扇形を描きつつ流出し、切屑排出溝2内に案
内されてその底付近でカールし始められ、分断されるこ
ととなる。しかしながら、上記構成のドリルのように、
シンニング面9の第二シンニング面12がドリル回転方
向後方側に向かうに従い基端側に向かって全面的に傾斜
するように形成されていると、この切屑がカールし始め
る部分での切屑と切屑排出溝2の壁面8との接触長さが
不十分となるため、切屑が十分にカールされることなく
生成されてその分断性が損なわれる結果となる。このた
め、特に切削開始初期に発生し易い自由切屑と呼ばれる
螺旋状の切屑が長く連なったまま生成されてしまい、こ
れによって加工穴の開口部付近の内壁が粗されたり、こ
のような切屑がドリル本体1に巻き付いてしまったりす
るおそれがあった。
【0006】さらに、上記構成のドリルでは、切刃5と
シンニング刃6とを結ぶ円弧状の交差部7の曲率半径お
よび長さを比較的小さくするとともに、シンニング刃6
の長さを比較的長くし、このシンニング刃6と切刃5と
の長さおよび交差角を適宜に設定することにより、シン
ニング刃6により生成される切屑の中心側部分と切刃5
により生成される切屑の外周側部分との生成のバランス
をとって切屑が円滑にカールされるように図られてい
る。しかしながら、このように切刃5とシンニング刃6
とを交差部7の曲率半径が小さいと、加工条件等によっ
てはこの交差部の強度が不足し、上述した問題とも相俟
って切刃の欠損を一層生じ易くなってしまうおそれがあ
る。また、上記ドリルでは芯上がりに配置される切刃5
に対してシンニング刃6はドリル回転中心Cから延びる
ように形成されており、このためシンニング刃6のなす
先端角は切刃5がなす先端角よりも大きくなる。従っ
て、上述のようにシンニング刃6の長さが長く設定され
ていると、ドリル回転中心Cの周りの先端角が大となる
部分も大きくなって喰い付き性が劣化してしまうととも
に、この部分の軸線O方向の長さも大きくなるため喰い
付きが安定せず、この結果拡大代等に悪影響を与えるお
それも生じる。
【0007】本発明は、このような背景の下になされた
ものであって、その目的とするところは、特に切屑の処
理性能の向上とドリル先端部における切刃等の強度の向
上とを同時に図ることができ、しかも安定した喰い付き
性を得ることが可能なドリルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決してこの
ような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回
転されるドリル本体の側面に、該ドリル本体の先端から
基端側に向けて切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝
のドリル回転方向側を向く壁面と上記ドリル本体の先端
逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されてなるドリルに
おいて、上記ドリル本体先端の芯厚部に、シンニングを
施すことによって略ドリル回転中心から直線状に延びる
第一切刃(シンニング刃)を形成するとともに、上記シ
ンニングによって上記切屑排出溝のドリル回転方向後方
側を向く壁面と上記先端逃げ面との交差部分に、ドリル
回転方向側を向いて略上記ドリル回転中心に連なるよう
に配置され、上記先端逃げ面との交差稜線部に上記第一
切刃が画成される第一シンニング面と、上記ドリル本体
の外周側を向いて略上記ドリル回転中心に連なり、上記
第一シンニング面に凹曲して交差するように配置される
第二シンニング面と、ドリル回転方向後方側を向いて上
記第二シンニング面のヒール側に該第二シンニング面に
対し凹曲するように配置される第三シンニング面との、
少なくとも3つのシンニング面を形成する一方、上記切
刃を、上記ドリル本体の軸線方向先端視において、上記
第一切刃と、この第一切刃の外周端に鈍角に交差して凸
曲線状に延びる第二切刃と、この第二切刃の外周端に滑
らかに接して直線状に延びる芯上がりに配置された第三
切刃とから構成し、上記第一切刃の長さを上記軸線方向
先端視にドリル外径Dに対して0.05×D〜0.15×
Dの範囲に設定するとともに、上記第二切刃が呈する凸
曲線の曲率半径を0.18×D〜0.3×Dの範囲に設定
し、かつ第一切刃との交点における上記第二切刃の接線
と上記第一切刃との交差角を5°〜20°の範囲に設定
したことを特徴とする。
【0009】
【作用】このような構成のドリルにおいては、まずシン
ニングによって切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向
く壁面と先端逃げ面との交差部分に形成されるシンニン
グ面が第一ないし第三の3つのシンニング面から構成さ
れており、このうち第三シンニング面は、ドリル回転方
向後方側を向いて上記第二シンニング面のヒール側に該
第二シンニング面に対し凹曲するように配置されてい
る。このため、各シンニング面と先端逃げ面との交差稜
線は、軸線方向先端視においてドリル本体の外周側に開
口する「コ」字状を呈することとなり、上記従来のドリ
ルのように第二シンニング面によって先端逃げ面のヒー
ル側が全面的に切り欠かれるようなことはなく、第三シ
ンニング面が第二シンニング面に対して凹曲するように
配置されるのに伴い、このヒール側においてドリル本体
先端の周方向の肉厚を十分に確保することが可能とな
る。また、このように先端逃げ面のヒール側が全面的に
切り欠かれることがなくなるため、切屑排出溝に案内さ
れた切屑を十分にカールし得る接触長さが得られ、これ
により良好な切屑分断性を確保することができる。しか
も、この切屑分断性は喰い付き時においても維持される
ため、切削開始初期の切屑を確実に処理して螺旋状に連
なった切屑が生成されるのを防ぐことができる。
【0010】これに加えて上記構成のドリルでは、切刃
が、ドリル回転中心から直線状に延びる第一切刃(シン
ニング刃)と、その外周側の凸曲線状に延びる第二切刃
と、そのさらに外周側の直線状に延びる芯上がりの第三
切刃とから構成されており、第一切刃の長さが軸線方向
先端視にドリル外径Dに対して0.05×D〜0.15×
Dと従来に比べて比較的短く設定されるとともに、第二
切刃が呈する凸曲線の曲率半径は0.18×D〜0.3×
Dと比較的大きく設定されている。このため、ドリル回
転中心の周りにおいて先端角が大きくなる範囲を小さく
して、喰い付き性の向上および速やかな安定化を図るこ
とができるとともに、第一切刃と第三切刃との交差部に
おける欠損等を防止することが可能となる。
【0011】なお、上記第一切刃の長さが0.05×D
を下回ると、第一切刃により生成される切屑の中心側の
部分と第二、第三切刃により生成される外周側の部分と
で生成のバランスが損なわれ、切屑を中心側に引きつけ
る力が弱まって切屑が外周側へ流れようとするため、切
屑流出経路が変化して切屑が伸び勝手となると同時に、
切屑排出溝への案内性が損なわれるおそれが生じる。ま
た逆に、0.15×Dを上回ると、切刃の先端角が大き
くなる範囲が大となり、上記作用が得られなくなる。さ
らに、第二切刃の曲率半径が0.18×Dを下回ると加
工条件等によっては該第二切刃に強度不足が生じるおそ
れがあり、逆に0.3×Dを上回ると切刃全体がなだら
かな形状となり、切屑の中心側部分と外周側部分とで生
成のバランスをとって切屑を円滑にカールさせるといっ
た作用が奏功されなくなる。
【0012】ところで、このように凸曲線状をなす第二
切刃の曲率半径を大きく設定した場合には、切刃の先端
角はドリル回転中心から外周側に向かうに従い、第一切
刃による大きな先端角から徐々に第三切刃による小さな
先端角へと変化する。しかしながら、この変化の度合が
緩やか過ぎると、喰い付きが安定するまでの切刃の軸線
方向の距離が長くなって、良好な喰い付き性が損なわれ
るおそれが生じる。そこで、本発明のドリルでは、この
第二切刃を第一切刃の外周端に鈍角に交差するように形
成するとともに、この第一切刃との交点における該第二
切刃の接線と第一切刃との交差角を5°以上に設定する
ことにより、切刃の先端角の変化が緩やかになり過ぎる
のを抑えて良好な喰い付き性が得られるようになされて
いる。なお、この交差角が大きくなり過ぎると、上記交
点において切削応力の集中が強まり欠損等を招くおそれ
が生じるため、本発明ではこの交差角を20°以下に設
定している。
【0013】
【実施例】図1ないし図4は本発明の一実施例を示すも
のであり、これらの図においてドリル本体21は超硬合
金等の硬質材料から形成された略円柱状をなすものであ
って、図示しないシャンクの先端に刃部が設けられ、こ
の刃部の先端から基端側に向けてドリル回転方向(図1
および図4において反時計回り方向)の後方側に捩れる
2条の切屑排出溝22,22が周方向に等間隔に形成さ
れ、これらの切屑排出溝22,22のドリル回転方向を
向く壁面23とドリル本体21の先端逃げ面24との交
差稜線部に、ドリル本体21先端のドリル回転中心(先
端逃げ面24と軸線Oとの交点)Cに関して対称となる
ように一対の切刃25,25が形成されている。
【0014】このドリル本体21先端の芯厚部には、い
わゆるクロスシンニングが施されており、これによって
略ドリル回転中心Cから直線状に延びて上記切刃25の
内周側を構成する第一切刃(シンニング刃)26が形成
されている。なお、この第一切刃26は厳密にドリル回
転中心Cに連ならずともよく、むしろ応力集中によるド
リル回転中心Cの割損を考慮すると、ドリル回転中心C
から僅かに離間した位置から形成されるのが望ましい。
一方、このシンニングによって切屑排出溝22のドリル
回転方向後方側を向く壁面27と先端逃げ面24との交
差部分には、軸線O方向先端視にドリル回転中心Cから
ドリル本体21のヒール28側に達するようにシンニン
グ面29が形成される。そして、本実施例ではこのシン
ニング面29は、ドリル回転方向側を向いて略ドリル回
転中心Cに連なるように配置され、先端逃げ面24との
交差稜線部に上記第一切刃26が画成される第一シンニ
ング面30と、ドリル本体21の外周側を向いて略ドリ
ル回転中心Cに連なり、上記第一シンニング面30に凹
曲して交差するように配置される第二シンニング面31
と、ドリル回転方向後方側を向いて上記第二シンニング
面31のヒール28側に該第二シンニング面31に対し
凹曲するように配置される第三シンニング面32との、
3つのシンニング面30〜32から形成されている。
【0015】ここで本実施例では、上記第一シンニング
面30と先端逃げ面24との交差稜線、すなわち上記第
一切刃26と、上記第二シンニング面31と先端逃げ面
24との交差稜線33とがなす交差角αは、軸線O方向
先端視において75°〜95°の範囲とされている。ま
た、この第二シンニング面31と先端逃げ面24との交
差稜線33の長さL2は、上記軸線O方向先端視におい
て当該ドリルの外径Dに対し、0.2×D以下とされて
いる。さらに、上記第二シンニング面31と先端逃げ面
24との交差稜線33と、上記第三シンニング面32と
先端逃げ面24との交差稜線34とがなす交差角βは、
上記軸線O方向先端視において90°〜140°の範囲
とされている。
【0016】一方、本実施例では上記切刃25もまた、
3つの部分から構成されている。すなわち切刃25は、
上記軸線O方向先端視において、上記第一シンニング面
30と先端逃げ面24との交差稜線部に形成されて略ド
リル回転中心Cから直線状に延びる上記第一切刃26
と、この第一切刃26の外周端に鈍角に交差してドリル
回転方向に膨らむ凸曲線を描きつつ外周側に延びる第二
切刃35と、この第二切刃35の外周端に滑らかに接し
て外周側に直線状に延びる第三切刃36とから構成され
ており、従ってこの第3切刃36は、いわゆる芯上がり
に配置されてその径方向すくい角が負角側に設定される
こととなる。そして、上記第一切刃26の長さL1は上
記軸線O方向先端視に、上記ドリル外径Dに対して0.
05×D〜0.15×Dの範囲に設定されており、また
上記第二切刃35が呈する凸曲線の曲率半径Rは、同じ
く軸線O方向先端視に0.18×D〜0.3×Dの範囲に
設定されている。さらに、第一切刃26との交点Pにお
ける第二切刃35の接線Sと第一切刃26との交差角γ
は5°〜20°の範囲に設定されており、従って第一切
刃26と第二切刃35とは交点Pを介して、接すること
なく曲折して接続されることとなる。
【0017】なお、本実施例では、上記軸線O方向先端
視においてドリル回転中心Cと当該切刃25の外周端、
すなわち第三切刃36の外周端とを結ぶ仮想直線Qを想
定した場合、この仮想直線Qに対する上記第二切刃35
の頂点Xまでの高さHが、上記ドリル外径Dに対して
0.065×D〜0.09×Dの範囲となるように設定さ
れている。つまり、仮想直線Qとこれに平行で第二切刃
35に接する直線との距離が0.065×D〜0.09×
Dの範囲に設定されているのである。
【0018】さらにまた本実施例では、図4に示すよう
に切屑排出溝22もまた3つの部分、すなわちドリル本
体21のマージン37側からヒール28側に向けて順に
並ぶ第一、第二、および第三の溝38,39,40から
構成されている。ここで、これらの溝38〜40は、ド
リル本体21の先端から基端側に向けて、それぞれに一
定の幅を保ちつつ切屑排出溝22の捩れに従って捩れる
ように形成されている。また、各溝38〜40の底面
(壁面)は、いずれも軸線Oに直交する断面において凹
曲面状に形成され、かつ互いに鈍角をなして凹曲して隣
接するようになされている。これらの溝38〜40のう
ちマージン37側に位置する第一の溝38は、その底面
が切屑排出溝22のドリル回転方向を向く上記壁面23
を構成するようになされており、この第一の溝38の底
面と先端逃げ面24との交差稜線部に上記第三切刃36
が形成されることとなる。また、この第一の溝38に隣
接する第二の溝39とヒール28側に位置する第三の溝
40とは、その底面が切屑排出溝22のドリル回転方向
後方側を向く上記壁面27を構成するようになされてお
り、従ってこれら第二および第三の溝39,40の底面
と先端逃げ面24との交差部分に上記シンニング面29
が形成されることとなる。
【0019】なお、上記第二の溝39は3つの溝38〜
40のうち最もドリル本体21の径方向内側に凹んだ溝
として形成されており、従って本実施例のドリルの芯厚
Tはこの第二の溝39の深さによって決定される。そし
て本実施例では、この第二の溝39の底面39Aは軸線
Oに直交する断面において略円弧状を呈するように形成
されており、かつ、この円弧の半径rは、該断面におい
てドリル外径円EDに内接するとともにドリルの芯厚T
がなす円ETに外接する円Eの半径に略等しくなるよう
に、本実施例においてはこの円Eの半径の0.9〜1.2
倍に設定されている。ただし、ここでドリル外径円ED
とは、軸線Oに直交する断面において軸線Oを中心にド
リル外径Dを直径とする円であり、またドリルの芯厚T
がなす円ETとは、同断面において同じく軸線Oを中心
に芯厚Tを直径とする円である。なお、この第二の溝3
9の底面39Aは、その断面が厳密な円弧とならずと
も、曲率半径rが上記範囲内にあるような凹曲面であれ
ばよい。
【0020】このような構成のドリルでは、シンニング
面29を構成する第一ないし第三シンニング面30〜3
2のうち、第三シンニング面32がドリル回転方向後方
側を向いて第二シンニング面31に対し凹曲するように
配置されており、このため各シンニング面30〜32と
先端逃げ面24との交差稜線26(第一切刃),33,
34は、軸線O方向先端視においてドリル本体21の外
周側に開口する「コ」字状を呈することとなる。このた
め本実施例のドリルにおいては、上記従来のドリルのよ
うにシンニングによって先端逃げ面のヒール側が全面的
に切り欠かれることがなく、第三シンニング面32が第
二シンニング面31に対して凹曲して配置されるのに伴
い、ドリル本体21先端のヒール28側の周方向の肉厚
を十分に確保することが可能となる。従って、ドリル本
体21先端部の強度および剛性の向上を図ることが可能
となるのはもちろん、特に切刃25のドリル回転方向後
方側の強度、剛性が向上することから切刃25自体の強
度向上を図ることも可能となり、これによって切刃25
の欠損等を防止することができる。
【0021】また、上記構成のドリルにおいては、この
ように先端逃げ面24のヒール28側が全面的に切り欠
かれることがなくなるため、図1および図2に破線で示
すようにドリル回転中心Cを中心として扇形を描くよう
に生成される切屑は、切屑排出溝22の壁面27に十分
な接触長さで接触してカールされる。このため、上記構
成のドリルによれば、常に良好な切屑分断性を確保する
ことができ、これにより切屑つまり等の発生を防いで切
屑処理性能の向上を図ることが可能となる。しかも、こ
の良好な切屑分断性は切削開始初期においても十分に発
揮されるため、ドリルの喰い付き時であっても確実に切
屑を処理することが可能であり、これにより、螺旋状の
自由切屑が長く連なって生成されたりするのを未然に防
止することができる。このため、このような切屑によっ
て加工穴の内周面粗度が劣化したり、切屑がドリル本体
21に巻き付いたりするような事態を避けることがで
き、加工全体を通して円滑な穴明けを行なうことが可能
となる。
【0022】なお、本実施例では、上記シンニング面2
9において第一シンニング面30と先端逃げ面24との
交差稜線、すなわち第一切刃26と、第二シンニング面
31と先端逃げ面24との交差稜線33との軸線O方向
先端視における交差角αを75°〜95°としたが、こ
れは、この交差角αが75°を下回るとドリル回転中心
Cを挟んで第一シンニング面30と第二シンニング面3
1とが接近し過ぎ、これにより切屑の特に中心側の部分
を生成するためのスペースが十分に確保されなくなって
切屑詰まりが起きるおそれが生じるからである。また逆
に上記交差角αが95°を上回ると、第一切刃26から
そのドリル回転方向後方側のシンニング面29までの周
方向の肉厚が小さくなり、ドリル回転中心Cの近傍でド
リル本体21および切刃25の強度が低下するため、加
工条件等によっては欠損や割損が起きるおそれがあるか
らである。
【0023】また、本実施例では、上記第二シンニング
面31と先端逃げ面24との交差稜線33と、第三シン
ニング面32と先端逃げ面24との交差稜線34との軸
線O方向先端視における交差角βを90°〜140°と
しているが、これは、この交差角βが140°を上回っ
て大きくなるようだと、やはり切刃25のドリル回転方
向後方側の肉厚が十分に確保されずにドリル本体21の
強度の低下を招くとともに、切屑を確実に切屑排出溝2
2内に案内し難くなるおそれが生じるからである。その
一方で、逆に上記交差角βが90°を下回ると、第二シ
ンニング面31と第三シンニング面34とが交差する部
分のスペースが、切屑の中心側部分が排出される方向に
おいて幅狭となってしまい、これによって切屑排出性が
損なわれて切屑詰まりを起こすおそれが生じる。
【0024】さらに、本実施例では上記第二シンニング
面31と先端逃げ面24との交差稜線33の軸線O方向
視における長さL2を、ドリル外径Dに対して0.2×D
以下となるように設定しているが、これは、この交差稜
線33の長さL2が0.2×Dを上回って第二シンニング
面31の幅が大きくなりすぎると、結果的に切刃25の
ドリル回転方向後方側の肉厚が少なくなり、ドリル本体
21先端における切刃25およびドリル本体21自体の
強度の低下を招くおそれがあるからである。
【0025】一方、上記構成のドリルにおいては、切刃
25が、ドリル回転中心C側の直線状の第一切刃(シン
ニング刃)26と、外周側の直線状の第三切刃36と、
これら第一、第三切刃26,36間の凸曲線状の第二切
刃35とから構成されている。そして、第一切刃26の
軸線O方向先端視の長さL1はドリル外径Dに対して0.
05×D〜0.15×Dと比較的短く設定されており、
このためドリル回転中心C側において切刃25が大なる
先端角θ2をとる範囲Bを小さく抑えることができて、
ドリルの喰い付き性の向上を図ることができるととも
に、この喰い付きを速やかに安定させることが可能とな
る。すなわち、本実施例のように第一切刃26がドリル
回転中心Cから直線状に延びているのに対し、同じく直
線状の第三切刃36が芯上がりに配置されている場合に
は、図2に示すこの第三切刃36の先端角θ1よりも図
3に示す第一切刃の先端角θ2の方が大きくなり、この
結果ドリル回転中心Cにおいてドリルの押し込み力が増
加して喰い付きが不安定となる。
【0026】しかるに、本実施例のドリルでは、第一切
刃26の長さL1を上述のように短く設定して、この押
し込み力が大きくなる範囲、すなわち切刃25が大なる
先端角θ2をとる上記範囲Bを小さくすることにより、
喰い付き性の向上を図ることができるとともに、このよ
うに先端角θ2をとる範囲Bを小さくすることによっ
て、この範囲Bの軸線O方向の長さ(喰い付き長さ)F
もまた小さく抑えられることから、喰い付きを速やかに
安定させることが可能となるのである。そして、この結
果本実施例のドリルによれば、穴明け加工における拡大
代が大きくなるのを防ぐことができ、より真円度の高い
加工を行なうことが可能になる。なお、この第一切刃2
6の長さL1が0.15×Dを上回ると、先端角が大とな
る範囲Bが大きくなって、このような効果が得られなく
なる。また逆に、第一切刃26の長さL1が0.05×D
を下回るほど小さくなると、この第一切刃26により生
成される切屑の中心側部分と第二、第三切刃35,36
により生成される外周側部分とで切屑生成のバランスが
損なわれ、切屑を中心側に引きつける力が弱まって切屑
が外周側に流れようとして切屑流出経路が変化し、切屑
が伸び勝手となると同時に、切屑の切屑排出溝22への
案内性も損なわれて切削初期の切屑詰まりや加工穴の内
壁面の粗さの劣化を招くおそれが生じる。
【0027】さらに上記構成のドリルでは、この第一切
刃26と第三切刃36との間の凸曲線状をなす第二切刃
35の軸線O方向先端視における曲率半径Rが、上記ド
リル外径Dに対して0.18×D〜0.3×Dと比較的大
きく設定されており、このため該第二切刃35に高い強
度を与えることが可能となり、上記シンニング面29に
よる強度向上効果と相俟って、加工条件等によらず切刃
25の欠損を確実に防止することが可能となる。なお、
この第二切刃35の曲率半径Rが0.18×Dを下回る
ようだと、このような切刃強度の向上が得られなくなる
一方、逆に0.3×Dを上回るほど大きくなると、切刃
25全体がなだらかな形状となってしまい、切屑の中心
側部分と外周側部分とで生成のバランスをとることがで
きなくなるとともに、切屑を十分にカールさせるに足る
ブレーキング力を与えることができなくなり、切屑の伸
びを招いて切屑詰まりを生じたりするおそれがある。
【0028】これらに加えて上記構成のドリルでは、第
一切刃26と第二切刃35とが鈍角に交差するようにな
されており、かつ両切刃26,35の交点Pにおいては
第一切刃26と第二切刃35の接線Sとの交差角γが5
°〜20°の範囲に設定されている。このため、上述の
ように第一切刃26による大きな先端角θ2から第三切
刃36による小さな先端角θ1へとドリル回転中心Cか
ら外周側に向かって切刃25の先端角が変化する際の変
化の度合が緩やかになるのを防ぐことができ、これに伴
い切刃25の喰い付きが安定化するまでの距離も短く抑
えることができるので、上記第一切刃26の長さL1
短く設定することによる効果とも相俟って、喰い付き性
を一層向上させるとともに、より速やかな喰い付きの安
定を図ることが可能となる。なお、この交差角γが5°
を下回るとこのような効果が損なわれるおそれがある一
方、20°を上回るほど大きくなると、上記交点Pにお
いて切削応力の集中が強まって切刃欠損を招くおそれが
生じてしまう。
【0029】また、さらに本実施例のドリルでは、軸線
O方向先端視において、ドリル回転中心Cと切刃25の
外周端とを結ぶ仮想直線Qから、該仮想直線Qに対する
上記第二切刃35の頂点Xまでの高さHが、上記ドリル
外径Dに対して0.065×D〜0.09×Dの範囲に設
定されており、これにより切屑排出溝22内に収納され
た切屑を円滑にドリル本体21の基端側に送りだして効
率的に排出することが可能となる。すなわち、切刃25
により生成される切屑の断面形状は、切刃25の形状と
略同一形状となるため、上述したシンニング面29によ
る効果および切刃25による効果によって切屑が良好に
カールされて分断されたとしても、上記高さHが大きす
ぎると、図5に符号Wで示す切屑の幅が大きくなってし
まって切屑排出溝22内に円滑に収納されなくなってし
まい、該切屑排出溝22の途中で切屑詰まりを起こすお
それが生じる。しかるに、これに対して本実施例のドリ
ルでは、上記高さHをドリル外径Dに対して0.09×
D以下とすることにより、上記切屑の幅Wが大きくなり
すぎるのを防いでこのような切屑詰まりの発生を未然に
防止しているのであり、これによって一層安定した切屑
の処理を可能としている。
【0030】しかも、本実施例のドリルでは、切屑排出
溝22が第一、第二、第三の3つの溝38〜40を有し
ており、このうち第二の溝39は、その底面39Aがド
リル本体21の芯厚Tを画成するように、ドリル本体2
1の最も内周側に形成されている。従って、切刃25に
より生成された切屑の特に外周側の部分は、第一の溝3
8からこの第二の溝39に送られて底面39Aに摺接さ
れ、より小さくカールされることとなる。このため、本
実施例によれば、さらに円滑かつ効率的に切屑の排出を
促すことが可能となり、切屑排出溝22の途中における
切屑詰まりの発生を一層確実に防止することができる。
【0031】なお、本実施例において上記切刃25の仮
想直線Qからの高さHをドリル外径Dに対して0.06
5×D以上としているのは、高さHがあまり小さくなり
すぎると切刃25の形状が平坦となり、切屑の幅Tは小
さくなるものの、切屑のカールを促すことができなくな
って、却って切屑排出溝22内に収まる切屑形状を得ら
れなくなってしまい、結果的に切屑詰まりを招くおそれ
が生じるからである。また、本実施例では、切屑排出溝
22の上記第二の溝39の曲率半径Rを、ドリル外径D
がなす円EDに内接するとともに芯厚Tの円ETに外接す
る円Eの半径と略等しくなるように設定しており、これ
により、切屑が強制的かつ急激にカールされて途中で折
れてしまうのを防止しつつ、切屑を加工穴の内周面に摺
接させることなく十分にカールさせて加工穴の内周粗さ
の劣化を防ぐことができるといった利点をも得ている。
このため、この第二の溝39の曲率半径Rは、上記円E
の半径に対して0.9〜1.2倍程度に設定されるのが望
ましい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ド
リルの先端逃げ面と切屑排出溝のドリル回転方向後方側
を向く壁面との交差部分に形成されるシンニング面を、
互いに凹曲する少なくとも3つのシンニング面によって
構成することにより、切刃のドリル回転方向後方側の肉
厚を十分に確保して切刃の強度および剛性の向上を図る
ことができるとともに、ドリル本体自体の強度の向上を
図ることも可能となる。しかも、先端逃げ面のヒール側
が全面的に切り欠かれるようなことがなくなって切屑排
出溝に切屑が十分にカールし得る接触長さが与えられる
ため、切屑を確実に分断することができ、優れた切屑処
理性能を得ることができる。特に、喰い付き時において
も切屑を確実に分断して、螺旋状の切屑が長く連なった
りするのを防止することができるので、このような切屑
が加工穴の面粗度を劣化させたり、ドリル本体に巻き付
いたりするのを防ぐことができ、加工の全体を通じて円
滑な穴明けを行なうことが可能となる。
【0033】しかも本発明では、切刃も第一ないし第三
の切刃から構成され、このうちドリル回転中心側の第一
切刃はその長さがドリル外径に対して0.05×D〜0.
15×Dと比較的短く設定されるとともに、その外周側
の第二切刃が呈する凸曲線の曲率半径は0.18×D〜
0.3×Dの範囲に設定され、かつ第一切刃との交点に
おける第二切刃の接線と第一切刃との交差角が5°〜2
0°の範囲に設定されており、これにより、第二切刃や
これと第一切刃との交点における切刃欠損等を防ぎつつ
も、ドリルの喰い付き性の向上および喰い付きの速やか
な安定化をなすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すドリルの軸線O方向先
端視の図である。
【図2】図1に示す実施例のY方向(第三切刃36に直
交する方向)からの側面図である。
【図3】図1に示す実施例のZ方向(第一切刃26に直
交する方向)からの側面図である。
【図4】図1に示す実施例の軸線Oに直交する断面図で
ある。
【図5】切刃25により生成される切屑を示す図であ
る。
【図6】従来のドリルの軸線O方向先端視の図である。
【図7】図6に示す従来例の側面図である。
【符号の説明】
21 ドリル本体 22 切屑排出溝 24 先端逃げ面 25 切刃 26 第一切刃 29 シンニング面 30 第一シンニング面 31 第二シンニング面 32 第三シンニング面 33 第二シンニング面31と先端逃げ面24との交差
稜線 34 第三シンニング面32と先端逃げ面24との交差
稜線 35 第二切刃 36 第三切刃 O ドリル本体21の回転軸線 D ドリル外径 C ドリル回転中心 L1 第一切刃26の長さ L2 交差稜線33の長さ R 第二切刃35の曲率半径 H ドリル回転中心Cと切刃25の外周端とを結ぶ仮想
直線Qから、この仮想直線Qに対する第二切刃35の頂
点Xまでの高さ α 第一切刃26と交差稜線33との交差角 β 交差稜線33と交差稜線34との交差角 γ 第一切刃26との交点Pにおける第二切刃35の接
線Sと第一切刃26との交差角 θ1 第三切刃36の先端角 θ2 第一切刃26の先端角

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転されるドリル本体の側面
    に、該ドリル本体の先端から基端側に向けて切屑排出溝
    が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向側を向く
    壁面と上記ドリル本体の先端逃げ面との交差稜線部に切
    刃が形成されてなるドリルにおいて、 上記ドリル本体先端の芯厚部には、シンニングが施され
    ることによって略ドリル回転中心から直線状に延びる第
    一切刃が形成されるとともに、上記シンニングによって
    上記切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面と上
    記先端逃げ面との交差部分には、ドリル回転方向側を向
    いて略上記ドリル回転中心に連なるように配置され、上
    記先端逃げ面との交差稜線部に上記第一切刃が画成され
    る第一シンニング面と、上記ドリル本体の外周側を向い
    て略上記ドリル回転中心に連なり、上記第一シンニング
    面に凹曲して交差するように配置される第二シンニング
    面と、ドリル回転方向後方側を向いて上記第二シンニン
    グ面のヒール側に該第二シンニング面に対し凹曲するよ
    うに配置される第三シンニング面との、少なくとも3つ
    のシンニング面が形成される一方、 上記切刃は、上記ドリル本体の軸線方向先端視におい
    て、上記第一切刃と、この第一切刃の外周端に鈍角に交
    差して凸曲線状に延びる第二切刃と、この第二切刃の外
    周端に滑らかに接して直線状に延びる芯上がりに配置さ
    れた第三切刃とから構成され、上記第一切刃の長さは上
    記軸線方向先端視にドリル外径Dに対して0.05×D
    〜0.15×Dの範囲に設定されるとともに、上記第二
    切刃が呈する凸曲線の曲率半径は0.18×D〜0.3×
    Dの範囲に設定され、かつ第一切刃との交点における上
    記第二切刃の接線と上記第一切刃との交差角が5°〜2
    0°の範囲に設定されていることを特徴とするドリル。
  2. 【請求項2】 上記軸線方向先端視において、上記ドリ
    ル本体の回転中心と上記切刃の外周端とを結ぶ仮想直線
    から該仮想直線に対する上記第二切刃の頂点までの高さ
    が、上記ドリル外径Dに対して0.065×D〜0.09
    ×Dの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載のドリル。
  3. 【請求項3】 上記第一シンニング面と上記先端逃げ面
    との交差稜線と、上記第二シンニング面と上記先端逃げ
    面との交差稜線とがなす交差角が、上記軸線方向先端視
    において75°〜95°の範囲とされていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 【請求項4】 上記第二シンニング面と上記先端逃げ面
    との交差稜線の長さが、上記軸線方向先端視においてド
    リル外径Dに対し、0.2×D以下とされていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
    ドリル。
  5. 【請求項5】 上記第二シンニング面と上記先端逃げ面
    との交差稜線と、上記第三シンニング面と上記先端逃げ
    面との交差稜線とがなす交差角が、上記軸線方向先端視
    において90°〜140°の範囲とされていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のド
    リル。
  6. 【請求項6】 上記切屑排出溝は、上記軸線に直交する
    断面において、互いに凹曲して連なる壁面を備えてマー
    ジン側からヒール側に順に並ぶ第一、第二、第三の溝を
    有し、このうちマージン側の第一の溝の壁面と上記先端
    逃げ面との交差稜線部に上記第三切刃が形成される一
    方、上記第二の溝は、その壁面が上記断面において上記
    ドリル本体の芯厚を画成するように形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    のドリル。
JP10028194A 1994-05-13 1994-05-13 ドリル Expired - Fee Related JP3515167B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10028194A JP3515167B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 ドリル
KR1019950011250A KR950031335A (ko) 1994-05-13 1995-05-09 드릴
US08/440,617 US5716172A (en) 1994-05-13 1995-05-15 Drill
EP95107409A EP0681882A1 (en) 1994-05-13 1995-05-15 Drill

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10028194A JP3515167B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 ドリル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07308815A true JPH07308815A (ja) 1995-11-28
JP3515167B2 JP3515167B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=14269819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10028194A Expired - Fee Related JP3515167B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 ドリル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3515167B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300809A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001300810A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001300808A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001341020A (ja) * 2000-03-30 2001-12-11 Hitachi Tool Engineering Ltd 穴あけ工具
KR100643677B1 (ko) * 2001-07-10 2006-11-10 미츠비시 마테리알 가부시키가이샤 드릴
JPWO2008001412A1 (ja) * 2006-06-23 2009-11-19 オーエスジー株式会社 ドリル
WO2014208421A1 (ja) * 2013-06-26 2014-12-31 京セラ株式会社 ドリル
CN113523366A (zh) * 2021-06-22 2021-10-22 北京理工大学 一种无横刃径向折线刃微小深孔钻削刀具
JP6985569B1 (ja) * 2021-01-27 2021-12-22 住友電工ハードメタル株式会社 ドリル
CN113993644A (zh) * 2019-07-08 2022-01-28 三菱综合材料株式会社 钻头

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6589462B2 (ja) * 2015-08-27 2019-10-16 三菱マテリアル株式会社 ドリル

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300809A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001300810A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001300808A (ja) * 2000-02-15 2001-10-30 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2001341020A (ja) * 2000-03-30 2001-12-11 Hitachi Tool Engineering Ltd 穴あけ工具
KR100643677B1 (ko) * 2001-07-10 2006-11-10 미츠비시 마테리알 가부시키가이샤 드릴
US8382404B2 (en) 2006-06-23 2013-02-26 Osg Corporation Drill
JPWO2008001412A1 (ja) * 2006-06-23 2009-11-19 オーエスジー株式会社 ドリル
WO2014208421A1 (ja) * 2013-06-26 2014-12-31 京セラ株式会社 ドリル
JPWO2014208421A1 (ja) * 2013-06-26 2017-02-23 京セラ株式会社 ドリル
CN113993644A (zh) * 2019-07-08 2022-01-28 三菱综合材料株式会社 钻头
CN113993644B (zh) * 2019-07-08 2024-02-27 三菱综合材料株式会社 钻头
JP6985569B1 (ja) * 2021-01-27 2021-12-22 住友電工ハードメタル株式会社 ドリル
WO2022162774A1 (ja) * 2021-01-27 2022-08-04 住友電工ハードメタル株式会社 ドリル
CN113523366A (zh) * 2021-06-22 2021-10-22 北京理工大学 一种无横刃径向折线刃微小深孔钻削刀具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3515167B2 (ja) 2004-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5716172A (en) Drill
JP5739498B2 (ja) ドリル工具用ビット
JP3739591B2 (ja) ソリッドエンドミル
JP2833283B2 (ja) スローアウェイチップ
JP4432883B2 (ja) エンドミル
JP2007136627A (ja) エンドミル
JP3515167B2 (ja) ドリル
JP7352106B2 (ja) ドリル
JP3515168B2 (ja) ドリル
JP4558884B2 (ja) ドリル用スローアウェイチップおよびドリル
JP3988659B2 (ja) ドリル
JPS63318208A (ja) ツイストドリル
JP2005125433A (ja) エンドミル
JP6994166B1 (ja) 切削工具
JP3766473B2 (ja) 段付きドリル
JP2002126925A (ja) ツイストドリル
WO2021006115A1 (ja) ドリル
JP2005177891A (ja) ドリル
JP3318020B2 (ja) ボールエンドミル
JP4876386B2 (ja) ソリッドエンドミル
JP4608981B2 (ja) ドリル
JP5151592B2 (ja) クリスマスカッタ
JP2003285211A (ja) ツイストドリル
JP3335401B2 (ja) エンドミル
JP2000288829A (ja) エンドミル

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090123

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees