JPH07307382A - トレンチ素子分離構造およびその形成方法 - Google Patents

トレンチ素子分離構造およびその形成方法

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JPH07307382A
JPH07307382A JP12457694A JP12457694A JPH07307382A JP H07307382 A JPH07307382 A JP H07307382A JP 12457694 A JP12457694 A JP 12457694A JP 12457694 A JP12457694 A JP 12457694A JP H07307382 A JPH07307382 A JP H07307382A
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layer
groove
silicon oxynitride
forming
element isolation
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Toyotaka Kataoka
豊▲隆▼ 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 後の熱処理工程において素子分離性能が低下
することのないトレンチ素子分離構造およびその形成方
法を提供すること。 【構成】 半導体基体11に形成した溝12内に絶縁層
を埋込んでなるトレンチ素子分離構造において、上記絶
縁層は、半導体基体11と熱膨張係数を略等しくするこ
とが可能な酸窒化シリコン層13からなるようにする。
このことによって、後の熱処理工程によって半導体基体
11と酸窒化シリコン層13との界面に応力が生じ難く
くなり、界面における結晶欠陥の発生が少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基体に形成され
る素子間の電気的分離を図るためのトレンチ素子分離構
造およびその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】素子間の電気的分離を図るための構造と
して、トレンチ素子分離構造が知られている。この素子
分離構造は、例えばシリコンからなる半導体基体に形成
された溝内に、酸化シリコンからなる絶縁層を埋設して
なるものである。最近ではエッチングの技術の進歩によ
って、幅1μm程度、深さ数μm程度の溝からなるトレ
ンチ素子分離構造が可能になっている。
【0003】トレンチ素子分離構造は幅が小さくてすみ
かつ深さ方向を確保できることから、その最大の利点は
従来のLOCOS(Local Oxidation Of Silicon)素子分
離構造に比べて素子分離領域を大幅に縮小できる点にあ
る。特に、埋込みコレクタ層を有するバイポーラLSI
において素子分離領域を大幅に縮小できる点は非常に有
効であり、80%近い素子分離領域の縮小が可能であ
る。
【0004】従来、このようなトレンチ素子分離構造は
例えば図5に示したように形成される。すなわち、まず
シリコン基体31の表面に、酸化シリコンからなる熱酸
化層32を形成する。続いて熱酸化層32上に化学的気
相成長(以下、CVDと記す)によって、酸化シリコン
からなる酸化層33を堆積する。そして、フォトリソグ
ラフィー技術によってこれら熱酸化層32と酸化層33
とでマスクを形成し、それを用いた異方性エッチングに
よってシリコン基体31に溝34を形成する(図5
(a))。
【0005】次に異方性エッチングのダメージを除去す
るために、ドライ酸化を行い溝34の表面に犠牲酸化層
35を形成する(図5(b))。その後、酸化層33と
犠牲酸化層35とをウエットエッチングによって除去
し、再度ドライ酸化を行って溝34の表面を含めてシリ
コン基体31の表面に表面酸化層36を形成する(図5
(c))。
【0006】続いて図5(d)に示すように、減圧CV
Dによって、溝34内を埋込む状態で表面酸化層36上
に酸化シリコン層37を形成する。その後、溝34内に
酸化シリコン層37を埋込んだ状態でシリコン基体31
の表面の酸化シリコン層37と表面酸化膜36とを除去
する。そして図5(e)に示すように、溝34内に酸化
シリコン層37が埋込まれたトレンチ素子分離構造が得
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら溝内に酸
化シリコン層を埋込んだ場合には、シリコン基体と酸化
シリコン層との熱膨張係数の違いにより、後の素子形成
における熱酸化や熱拡散などの熱処理工程によって酸化
シリコン層とシリコン基体との界面に応力が生じる。そ
の結果、界面のシリコン結晶格子にすべりや転移などの
欠陥が発生する。そのため、欠陥を介してリーク電流が
流れて素子分離性能が低下するという問題が生じてい
た。本発明は上記課題を解決するためになされたもので
あり、後の熱処理工程によって素子分離性能が低下する
ことのないトレンチ素子分離構造およびその形成方法を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、半導体基体に形成した溝内に
絶縁層を埋込んでなるトレンチ素子分離構造において、
上記絶縁層は酸窒化シリコン層からなるものである。ま
た請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明における
溝の表面に密着層を形成したものである。
【0009】さらに請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明における密着層が、少なくともその上記半導体
基体側の界面が酸化シリコン層からなるものである。ま
た請求項4記載の発明は、半導体基体に溝を形成した
後、その溝内を埋込む状態で上記半導体基体の表面に所
定の割合のシリコンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリ
コン層を形成する。次いで、溝内に酸窒化シリコン層を
埋込んだ状態で上記半導体基体の表面の酸窒化シリコン
層を除去することによって、請求項1記載の発明のトレ
ンチ素子分離構造を形成する方法である。
【0010】また請求項5記載の発明は、半導体基体に
溝を形成し、その溝の表面を含めて上記半導体基体の表
面に密着層を形成する。この後、密着層を介して上記溝
内を埋込む状態で上記半導体基体の表面に、所定の割合
のシリコンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリコン層を
形成する。次いでその溝内に酸窒化シリコン層を埋込ん
だ状態で上記半導体基体の表面の酸窒化シリコン層と上
記密着層とを除去することによって、請求項2記載の発
明のトレンチ素子分離構造を形成する方法である。
【0011】さらに請求項6記載の発明は、請求項5記
載の発明における密着層の形成を、酸化シリコン層を単
層積層するか、または酸化シリコン層と酸窒化シリコン
層とを積層状態に形成することによって行う方法であ
る。また請求項7記載の発明は、請求項4、請求項5ま
たは請求項6記載の発明において、酸窒化シリコン層を
CVDによって形成する方法である。
【0012】
【作用】本発明のトレンチ素子分離構造においては、溝
内に埋込む絶縁層が半導体基体と熱膨張係数を略等しく
することが可能な酸窒化シリコン層からなることから、
温度変化があっても前記半導体基体と前記酸窒化シリコ
ン層との界面に応力が生じ難い。また、前記溝の表面に
密着層が形成されていることで、前記半導体基体と前記
酸窒化シリコン層との密着性が高められたものになる。
【0013】また本発明のトレンチ素子分離構造の形成
方法においては、前記溝内に前記酸窒化シリコン層を埋
込む状態で前記半導体基体の表面に所定の割合のシリコ
ンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリコン層を形成する
ことから、前記半導体基体と前記溝内との熱膨張係数を
略等しくすることが可能になる。さらに前記溝を含めて
前記半導体基体の表面に密着層を形成することで、前記
溝の表面は前記酸窒化シリコン層に対して密着性の良い
状態になる。また前記酸窒化シリコン層の形成をCVD
によって行うと、CVDのガス成分を選択することで、
前記酸窒化シリコン層はシリコンと酸素と窒素とが所定
の割合に形成される。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るトレンチ素子分離構造お
よびその形成方法の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のトレンチ素子分離構造(以下、本発明構
造と記す)の一例を示した断面図である。図示したよう
にこの本発明構造の実施例は、例えばシリコンからなる
半導体基体11に溝12が形成され、その溝12内に絶
縁層になる酸窒化シリコン層13が埋め込まれた構造を
なしている。
【0015】酸窒化シリコン層13はSix y z
表される層で、X、Y、Zの値を適当な値とすることに
よって半導体基体11と略等しい熱膨張係数を持つもの
にすることができる。例えば二酸化シリコン(Si
2 )、四窒化シリコン(Si3 4 )、シリコン(S
i)のおよその熱膨張係数はそれぞれ、SiO2 が0.
52×10μ/℃、Si3 4 が5.38×10μ/
℃、Siが3.30×10μ/℃であり、SiO2 <S
i<Si3 4 の順になる。そのため、上記のX、Y、
Zの値を適当な値にすることによって、シリコンからな
る半導体基体11と略等しい熱膨張係数を持つ酸窒化シ
リコン層13を得ることができる。
【0016】本発明者によりラザフォード後方散乱法を
用いた測定では、Siが30〜40%程度、Oが30〜
50%程度、Nが20〜30%程度の範囲でX、Y、Z
の値を規定することで、酸窒化シリコン層13はシリコ
ンからなる半導体基体11と熱膨張係数が略等しくなる
という結果が得られている。通常、熱膨張係数が略等し
い材料が接している場合には、温度変化による体積変化
が両材料間で略等しくなるため、それらの界面にほとん
ど応力が発生しない。
【0017】すなわちこの実施例においては、半導体基
体11と熱膨張係数を略等しくできる酸窒化シリコン層
13が溝12内に埋込まれていることから、熱酸化や熱
拡散などの後の熱処理工程において半導体基体11と酸
窒化シリコン層13との界面でほとんど応力が発生しな
い。したがって、上記実施例のトレンチ素子分離構造
は、後の素子形成における熱処理工程において半導体基
体11と酸窒化シリコン層13との界面に欠陥が生じ難
く、素子分離性能の低下のないものになる。
【0018】次に、本発明のトレンチ素子分離構造の形
成方法(以下、本発明方法と記す)の一例を、図2に示
す一工程例の説明図を用いて説明する。図2(a)に示
すように、まず熱酸化によってシリコンからなる半導体
基体11の表面に、酸化シリコンからなる熱酸化層14
を例えば20nm程度積層する。次いで熱酸化層14上
にCVDによって、酸化シリコンからなる酸化層15を
例えば200nm程度積層する。
【0019】次に図2(b)に示すように、リソグラフ
ィー技術によって形成しようとする溝12の幅と略等し
い開口を有するレジスト膜16を酸化層15上にマスク
キングする。そして図2(c)に示すように、このレジ
スト膜16をマスクとして、熱酸化層14および酸化層
15をパターンニングする。
【0020】次いで、アッシャー処理またはウエット処
理によってレジスト膜16を除去する。そして図2
(d)に示すように、パターンニングした熱酸化層14
および酸化層15をマスクにして、例えばECR(Elec
tron Cyclotron Resonance)プラズマエッチングによっ
て例えば幅が0.25μm程度、深さが0.25μm程
度の溝12を形成する。なおエッチングガスには、流量
が120sccm(standard cubic cm/min )程度の臭
化水素(HBr)を用いる。またエッチング雰囲気の圧
力を約0.5Pa、マイクロ波パワーを約850W、高
周波電力を約30W、エッチング温度を約0℃程度の条
件に設定する。
【0021】続いて、上記の半導体基体11を酸化性雰
囲気で加熱して、溝12の表面に熱酸化層からなる犠牲
酸化層(図示せず)を形成する。この犠牲酸化層は、上
記工程のECRプラズマエッチングによりダメージを受
けて結晶欠陥が生じた溝12の表面を除去するために行
う。したがって犠牲酸化層の厚さは、形成された犠牲酸
化膜が十分に結晶欠陥層を含むように、例えば20nm
程度の厚さに形成される。
【0022】犠牲酸化膜の形成条件としては、例えば酸
化炉を用いた熱酸化では形成雰囲気に酸素を15slm
(standard litter /min) 程度の流量で供給し、形成雰
囲気の温度を1000℃程度に設定する。または形成雰
囲気に酸素(O2 )と水素(H2 )とを供給し、それぞ
れの流量を例えばO2 /H2 =10/2.5slm程
度、形成雰囲気の温度を850℃程度に設定して熱酸化
を行う。
【0023】またはRTO(Rapid Thermal Oxidation
)法によって、上記犠牲酸化を行うこともできる。そ
の場合には、形成雰囲気に酸素を1.5SLM程度の流
量で供給し、形成雰囲気の温度を1100℃程度に設定
する。こうして犠牲酸化膜を形成した後は、フッ酸(H
F)系溶液を用いたエッチングによって犠牲酸化膜と熱
酸化層14と酸化層15とを除去し、犠牲酸化膜と共に
結晶欠陥層(図示せず)を除く。
【0024】次に図2(e)に示すように、例えば熱C
VDによって溝12内を埋込む状態で酸窒化シリコン層
13を0.2〜0.3μm程度の厚さに積層する。その
条件としては、例えば形成雰囲気にジクロロシラン(S
iH2 Cl 2)、アンモニア(NH3 )および亜酸化窒
素(N2 O)からなる混合ガスを供給し、それぞれの流
量をSiH2 Cl 2/NH3 /N2 O=5/100/1
00slm程度、形成雰囲気の温度を760℃程度、形
成雰囲気の圧力を66.5Pa程度にする。
【0025】または、形成雰囲気にシラン(Si
4 )、アンモニア(NH3 )および酸素(O2 )から
なる混合ガスを供給し、それぞれの流量をSiH4 /N
3 /O2=5/100/100sccm程度、形成雰
囲気の温度を760℃程度、形成雰囲気の圧力を66.
5Pa程度にした条件で熱CVDを行っても良い。さら
に、形成雰囲気にテトラエトキシシラン(Si(OC2
5 4 )およびアンモニア(NH3 )からなる混合ガ
スを供給し、それぞれの流量をSi(OC2 5 4
NH3 =5/100sccm程度、形成雰囲気の温度を
760℃程度、形成雰囲気の圧力を66.5Pa程度に
した条件で熱CVDを行っても良い。
【0026】このように酸窒化シリコン層13の形成を
CVDによって行う場合には、CVDのガス成分を選択
することで、酸窒化シリコン層13のシリコンと酸素と
窒素とを所望の割合に容易に制御することができる。
【0027】その後、溝12内に酸窒化シリコン層13
を埋込んだ状態で半導体基体11の表面の酸窒化シリコ
ン層13を除去する。この除去は、例えばプラズマエッ
チングによるエッチバック、またはフッ酸系の薬液を使
いながらのケミカルメカニカルポリッシングによって、
半導体基体11の表面から酸窒化シリコン層13が除か
れるまで行う。そして図2(f)に示したように、半導
体基体11の溝12内に酸窒化シリコン層13を埋込ん
でなるトレンチ素子分離構造が形成される。
【0028】この実施例では、溝12内に所定の割合の
シリコンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリコン層13
を埋込む状態で半導体基体11の表面に酸窒化シリコン
層13を形成することから、半導体基体11と溝12内
との熱膨張係数を略等しくすることが可能になる。した
がって、温度変化によって半導体基体11と酸窒化シリ
コン13との界面で応力がほとんど発生しないため、後
の素子形成において熱酸化や熱拡散などの熱処理工程を
行っても上記界面に欠陥が生じ難い。そのため、後の熱
処理工程によって素子分離性能の低下のない素子分離構
造を形成することができる。
【0029】しかも上記したようにこの実施例では、酸
窒化シリコン層13の形成をCVDによって行うので、
酸窒化シリコン層13のシリコンと酸素と窒素との割合
を所望の割合に容易に制御することができる。したがっ
て、半導体基体11に略等しい熱膨張係数を持つ酸窒化
シリコン層13を容易に形成することができる。
【0030】次に、本発明構造の他の例について説明す
る。図3は本発明構造の他の例を示した断面図である。
図示したように、この実施例は前記トレンチ素子分離構
造における溝12の表面に密着層17を形成したもので
ある。そして、溝12内には密着層17を介して酸窒化
シリコン層13が埋込まれている。密着層17は、例え
ば少なくともその半導体基体11側の界面が酸化シリコ
ン層からなる。具体的には、酸化シリコン層の単層から
なるか、または酸化シリコン層と酸窒化シリコン層とが
この順に積層されているものからなる。
【0031】溝12の表面に密着層17を形成した構造
では、溝12に酸窒化シリコン層13が直接埋込まれた
構造よりも、半導体基体11と酸窒化シリコン層13と
の密着性が向上する。中でも、少なくとも半導体基体1
1側の界面が酸化シリコン層からなる密着層17が形成
されていると、半導体基体11と酸窒化シリコン層13
との密着性がより向上する。
【0032】なお、この密着層17は例えば幅0.25
μm程度、深さ0.25μm程度の溝12に対して20
nm程度と極薄く形成される。そのため密着層17が形
成されていることによって、密着層17と半導体基体1
1または密着層17と酸窒化シリコン層13との界面に
おいて応力の発生はほとんどない。したがって、上記実
施例のトレンチ素子分離構造は、後の熱処理工程によっ
て半導体基体11と酸窒化シリコン13との界面に欠陥
が生じ難くいため、素子分離性能のより向上した構造に
なる。
【0033】次に、本発明方法の他の例を図4に示す他
の工程例の説明図を用いて説明する。上記実施例のトレ
ンチ素子分離構造を形成する場合には、図4(a)に示
すようにまず前述したトレンチ素子分離構造の形成方法
と同様にして溝12を形成する。すなわち、ECRプラ
ズマエッチングで半導体基体11に例えば幅0.25μ
m程度、深さ0.25μm程度の溝12を形成する。そ
して、溝12の表面に犠牲酸化層を形成してからこの層
を除去し、溝12の表面から結晶欠陥を除く。
【0034】次に図4(b)に示すように、少なくとも
半導体基体11側の界面が酸化シリコン層からなる密着
層17を、溝12を含めて半導体基体11の表面に例え
ば20nm程度の厚さに形成する。この密着層17は、
溝13の表面を、次の工程で埋込まれる酸窒化シリコン
層13に対して結合性の良い状態にしておくために設け
るものである。例えば密着層17を酸化シリコン層の単
層で形成する場合、前述した犠牲酸化膜の形成条件と同
様にして溝12の表面に設けられる。
【0035】また密着層17を、酸化シリコン層と酸窒
化シリコン層との積層状態に形成する場合は、まず上記
と同様の方法で酸化シリコン層を形成する。次いで、酸
化シリコン層の上層を窒素を含む反応性ガス雰囲気で熱
処理して窒化することで形成することができる。この窒
化は、RTP(Rapid Thermal Process )装置を用い、
形成雰囲気に亜酸化窒素を1.5slm程度の流量で供
給し、処理温度を1100℃程度に設定する。または酸
化炉を用い、亜酸化窒素を15slm程度の流量で供給
し、形成雰囲気の温度を1000℃程度に設定すること
で行う。
【0036】または、酸化炉を用いて形成雰囲気に亜酸
化窒素の代わりにアンモニアを15slm程度の流量で
供給し、形成雰囲気の温度を950℃程度に設定するこ
とによって窒化を行うことも可能である。その場合に
は、窒化後に亜酸化窒素もしくは酸素を形成雰囲気に1
5slm程度の流量で供給し、形成雰囲気の温度を95
0℃程度にして再酸化を行うと酸窒化シリコン層中の余
分な水素を除くことができる。
【0037】またアンモニアによる窒化は、RTP装置
を用いて形成雰囲気にアンモニアを1.5slm程度の
流量で供給し、処理温度を1000℃程度に設定して行
うこともできる。そして再酸化は、RTP装置を用いて
亜酸化窒素もしくは酸素を形成雰囲気に1.5slm程
度の流量で供給し、処理温度を1000℃程度に設定し
ても良い。
【0038】次に図4(c)に示すように、例えばCV
Dによって、密着層17を介して溝12内を埋込む状態
で絶縁層になる酸窒化シリコン層13を0.2〜0.3
μm程度の厚さに積層する。その酸窒化シリコン層13
の形成条件は、前述したトレンチ素子分離構造の形成方
法における酸窒化シリコン13の形成の場合と同様であ
る。上記したごとく溝12の表面には密着層17が形成
されており、その表面は酸窒化シリコン層13との結合
性が良い状態になっている。したがって、この工程で酸
窒化シリコン層13は、溝12の表面に密着性良くかつ
容易に形成される。
【0039】その後、溝12内に酸窒化シリコン層13
を埋込んだ状態で半導体基体11の表面の酸窒化シリコ
ン層13と密着層17とを除去する。この除去は、例え
ばプラズマエッチングによるエッチバック、またはフッ
酸系の薬液を使いながらのケミカルメカニカルポリシン
グによって、半導体基体11の表面から酸窒化シリコン
層13および密着層17が除かれるまで行う。そして図
4(d)に示したように、半導体基体11の溝12内に
密着層17を介して酸窒化シリコン層13を埋込んでな
るトレンチ素子分離構造が形成される。
【0040】この実施例では、予め溝12の表面に酸窒
化シリコン層13との結合性が良い密着層17を形成し
ておくので、溝12内に酸窒化シリコン層13を密着性
良くかつ容易に積層することができる。特に、密着層1
7が酸窒化シリコン層の単層体、または酸化シリコン層
と酸窒化シリコン層とがこの順に積層された状態に形成
されている場合には、溝12の表面と酸窒化シリコン層
13をさらに密着性良くかつ容易に積層することができ
る。
【0041】したがって上記実施例によれば、後の素子
形成における熱酸化や熱拡散などの熱処理工程によって
半導体基体11と酸窒化シリコン層13との界面に欠陥
が生じ難く、良好な素子分離性能を有するトレンチ素子
分離構造を容易に形成することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明構造によれ
ば、溝内に埋込まれるた絶縁層を半導体基体の熱膨張係
数に略等しくなる酸窒化シリコン層で形成したので、後
の素子形成での熱処理工程を行った場合に、前記半導体
基体と前記酸窒化シリコン層との界面に欠陥が生じ難
い。そのため、リーク電流の発生のほとんどない良好な
素子分離性能を有するものになる。
【0043】また前記溝の表面に酸窒化シリコン層との
密着性の良い密着層が形成されていることで、前記半導
体基体と前記酸窒化シリコン層との密着性が向上したト
レンチ素子分離構造となる。また本発明方法によれば、
前記溝内に埋込む状態で前記半導体基体の表面に所定の
割合のシリコンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリコン
層を形成するので、前記溝内にシリコンと酸素と窒素と
が所望の割合の酸窒化シリコン層が埋込まれたトレンチ
素子分離構造を形成することができる。したがって前記
半導体基体と前記溝内との熱膨張係数を略等しくするこ
とができる。
【0044】また予め前記溝の表面に前記酸窒化シリコ
ン層との結合性が良い密着層を形成しておくことで、前
記溝内に前記酸窒化シリコン層を密着性良くかつ容易に
積層することができる。さらに前記酸窒化シリコン層を
CVDによって形成することで、該酸窒化シリコン層の
シリコンと酸素と窒素との割合を所望の割合に容易に制
御することができ、前記半導体基体と略等しい熱膨張係
数を持つ前記酸窒化シリコン層の形成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明構造の一例を示した断面図である。
【図2】本発明方法の一工程例を示した説明図である。
【図3】本発明構造の他の例を示した断面図である。
【図4】本発明方法の他の工程例を示した説明図であ
る。
【図5】従来方法の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
11 半導体基体 12 溝 13 酸窒化シリコン層 17 密着層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体に形成した溝内に絶縁層を埋
    込んでなるトレンチ素子分離構造において、 前記絶縁層は、酸窒化シリコン層からなることを特徴と
    するトレンチ素子分離構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトレンチ素子分離構造に
    おいて、 前記溝は、その表面に密着層が形成されていることを特
    徴とするトレンチ素子分離構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のトレンチ素子分離構造に
    おいて、 前記密着層は、少なくとも前記半導体基体側の界面が酸
    化シリコン層からなることを特徴とするトレンチ素子分
    離構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のトレンチ素子分離構造を
    形成する方法であって、 前記半導体基体に前記溝を形成する第1工程と、 該溝内を埋込む状態で前記半導体基体の表面に所定の割
    合のシリコンと酸素と窒素とを有する酸窒化シリコン層
    を形成する第2工程と、 前記溝内に前記酸窒化シリコン層を埋込んだ状態で前記
    半導体基体の表面の酸窒化シリコン層を除去する第3工
    程とからなることを特徴とするトレンチ素子分離構造の
    形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のトレンチ素子分離構造を
    形成する方法であって、 前記半導体基体に前記溝を形成する第1工程と、 該溝の表面を含めて前記半導体基体の表面に密着層を形
    成する第2工程と、 前記密着層を介して前記溝内を埋込む状態で前記半導体
    基体の表面に所定の割合のシリコンと酸素と窒素とを有
    する酸窒化シリコン層を形成する第3工程と、 前記溝内に前記酸窒化シリコン層を埋込んだ状態で前記
    半導体基体の表面の酸窒化シリコン層と前記密着層とを
    除去する第4工程とからなることを特徴とするトレンチ
    素子分離構造の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のトレンチ素子分離構造の
    形成方法において、 前記密着層の形成は、酸化シリコン層を単層形成する
    か、または酸化シリコン層と酸窒化シリコン層とを積層
    状態に形成することによって行うことを特徴とするトレ
    ンチ素子分離構造の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4、請求項5または請求項6記載
    のトレンチ素子分離構造の形成方法において、 前記酸窒化シリコン層は、化学的気相成長によって形成
    されることを特徴とするトレンチ素子分離構造の形成方
    法。
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