JPH07307092A - 非ヒステリシス性超電導2−ポート・ランダム・アクセス・メモリ・セル - Google Patents

非ヒステリシス性超電導2−ポート・ランダム・アクセス・メモリ・セル

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JPH07307092A
JPH07307092A JP7107438A JP10743895A JPH07307092A JP H07307092 A JPH07307092 A JP H07307092A JP 7107438 A JP7107438 A JP 7107438A JP 10743895 A JP10743895 A JP 10743895A JP H07307092 A JPH07307092 A JP H07307092A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非ヒステリシス性超電導量子干渉素子(SQU
IDs)を用いたメモリ・セルを得ること。 【構成】書込み信号がハイであるとき、書込みSQUI
D80の制御インダクタ内に電流は流れず書込みSQU
IDは超電導となり、データ入力信号を入力データ端子
92上に通す。この時入力データ信号がハイであればS
QUID88は抵抗性となりセル状態端子90は高電圧
電圧Vjjになる。入力データ信号がロウであれば状態端
子90はアース電位となる。こうして状態端子90は入
力データ端子上の入力データ信号の状態に依存する。セ
ル状態端子90からの読出しはQUID84の制御イン
ダクタに読出し信号を入力することによりセルから保持
されているデータ信号を出力負荷抵抗94に移す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に超電導回路要素を
用いるメモリ・セルに関し、特に非ヒステリシス性超電
導2ポート・ランダム・アクセス・メモリ・セルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン接合として知られる超電導
回路要素はディジタル論理、ランダム・アクセス・メモ
リ、およびアナログ・ディジタル変換器を含む幅広い様
々な高速計算に利用されるために使用され、または提案
されてきた。超低温で超電導特性を有する様々な金属を
用いるジョセフソン接合素子は特徴的なヒステリシス性
の効果を呈し高速のディジタル論理論理の設計に有効に
使われてきた。
【0003】超電導酸化物、および超電導を含むありふ
れた三層構造をヒステリシスの装置は含んでいる。非ヒ
ステリシス性の装置は知られているがあまりよく使われ
ておらず、点接触装置;弱いリンクのマイクロブリッ
ジ、高い電流密度の酸化物被覆接合、およびSi(シリコ
ン)またはGe−Sn(ゲルマニウム−スズ)などの半導体
被覆層を有する三層構造を含んでいる。ヒステリシス性
は回路設計を複雑にしうるがそれは装置に2つの安定な
論理状態をもたらす。さらに、ヒステリシス性はスイチ
ング要素において非常に効果的な電流利得を呈する。す
なわち、微小な制御信号が大きな出力信号になり得るの
である。それに比べ、非ヒステリシス性の接合からでき
ている同じ回路は利得が非常に小さく論理レベルが不明
確である。
【0004】最近、研究者は金属よりも、より高い温度
で超電導性を示す様々なセラミック物質を発見し、これ
らの物質は超電導回路の動作をより低い冷却要件により
可能ならしめ、高い全体的なエネルギー効率をもたらし
うる。しかしながら、これらの最新の超電導物質は非ヒ
ステリシス性のタイプのものである、超電導装置のため
に、以前より開発された論理設計はもはや適応され得な
い。
【0005】さらなる背景はディジタル論理にしばしば
用いられる基本的な超電導回路要素は超電導量子干渉素
子(Superconducting Quantum Interference Device: S
QUID) により知られている。本明細書において描か
れているSQUIDは直流(dc)タイプのものであ
り、2つ以上のジョセフソン接合と少なくとも1つの制
御インダクターを備えている。そのインダクターを通過
する制御電流の大きさおよびその接合を通るバイアス電
流の大きさに応じて、SQUIDは実際的にゼロのイン
ピーダンスの超電導性状態で、または、通常の抵抗性状
態のいづれかで動作するよう構成される。
【0006】非ヒステリシス性の超電導回路の効率を改
善するために提案されてきた1つの技術はハワード(Ho
ward) らに与えられた米国特許第4,342,924号に記
載されている。正のフィードバック路が超電導性から抵
抗性状態へ切り換えるのに用いられる制御電流の効果を
高めるために用いられる。この様な正のフィードバック
を用いることにより非ヒステリシス性の超電導回路の動
作を高めているが、ハワードらによる特許は、非ヒステ
リシス性装置による回路設計の問題に対し、一般的な解
決法を提供するものではない。
【0007】
【本発明の概要】以上よりディジタル論理および関連す
る回路内で非ヒステリシス性超電導要素を用いる新しい
技術が必要であることが理解されよう。この発明はこの
目的のためになされたものである。
【0008】本発明は、改善された電流利得およびディ
ジタル論理設計に好適な明確な論理レベルをもたらす非
ヒステリシス性の超電導回路要素を用いた新規なメモリ
・セルの構成にある。本発明に関連する基本回路構成は
簡単な論理関数および複雑な論理関数の両者をも実行す
るよう容易に構成される。本発明のメモリ・セルの重要
な利点は回路要素の単一の簡単な構成が単に電源供給と
入力信号の接続を変えるのみにより多くの選択された論
理関数のうちのいづれをも実行するように使われうるこ
とである。
【0009】要約してわかりやすく説明すると、本発明
に関連する基本回路は出力回路と、前途出力回路を第1
の電圧状態を有する第1の電源供給ラインに選択的に結
合するように接続された、少なくとも1つのプル・アッ
プ非ヒステリシス性SQUIDと、前記出力回路を第2
の電圧状態を有する第2の電源供給ラインに選択的に結
合するように接続された、少なくとも1つのプル・ダウ
ン素子、好ましくは非ヒステリシス性SQUIDと、前
記プル・アップおよびプル・ダウンSQUIDに接続さ
れた、少なくとも1つの入力信号を含む。前記入力回路
または回路群に印加される電圧の状態は超電導状態と抵
抗性状態との間でSQUIDの切り替えを制御する。基
本的には出力回路は入力回路または回路群の入力される
信号の状態に応じて、前記第1または第2の電圧の状態
に引っぱられる。
【0010】この基本原理は様々な論理回路に適応され
る。即ち、非反転出力バッファとして機能する。特にプ
ル・アップSQUIDは一端が第1の電源供給ラインに
接続され、他端が入力回路に接続された制御インダクタ
を備えている。プル・ダウンSQUIDは一端が第2の
電源供給ラインに接続され、他端が入力回路に接続され
た制御インダクタを備えている。入力回路の電圧状態は
いづれのSQUIDが超電導性になるかを判定し、この
ことは出力回路の電圧状態を決定する。
【0011】この出力バッファのの変形例は単一のプル
・アップSQUIDのかわりに、直列に接続された一連
のSQUIDを用い、単一のプル・ダウンSQUIDの
かわりに、別の直列に接続された一連のSQUIDを用
いる。各SQUIDのつらなりの中の制御インダクタも
直列に接続される。この複数のSQUIDの直列接続に
より、より高い特性インピーダンスの負荷回路を駆動す
るために出力回路がより高い電圧に引っぱりあげられう
る。
【0012】本発明に関連する回路においては、複数の
入力信号が所望の論理関数を実行するために接続される
複数のプル・ダウンSQUIDがある。出力回路はその
入力信号が共に所望の論理関数を満たす時のみに、第1
の電圧状態に引っぱられる。たとえば、2つの入力信号
に対して論理NAND操作を施すよう平列に接続される
2つのプル・アップSQUIDがありうる。この場合に
おいて、第1の電源供給ラインに印加される電圧は論理
“ハイ”信号であり、第2の電源供給ラインに印加され
る電圧は論理“ロウ”信号である。入力回路はプル・ア
ップSQUIDの各制御インダクタに接続され、インダ
クタの他端は第2の電源供給ラインに接続ささている。
入力回路のうちの一つは出力回路が第1の電源供給ライ
ンの“ハイ”レベルに引っぱられるために、論理“ロ
ウ”入力信号を有していなければならない。したがっ
て、“ハイ”出力は入力信号の論理NANDが“ハイ”
であれば出力される。
【0013】より詳細に説明されるが、他の論理関数も
電源供給の接続関係および制御インダクタへの入力信号
の接続関係を変えるのみにより実行される。同じ組のS
QUIDがNAND、AND、OR、NOR、EXO
R、またはXNOR動作を実行するのに用いることがで
きる。さらに、他の例も平列ではなく直列に接続れた複
数のプル・アップSQUIDを用いて同じ動作を実行す
ることができる。本発明の重要な実施例はランダム・ア
クセス・メモリ・セルである。この回路においてプル・
アップSQUIDは一つの端子により第1の電源供給ラ
インに接続された制御インダクタを有し、プル・ダウン
SQUIDは一つの端子により第2の電源供給ラインに
接続された制御インダクタを有している。入力回路はデ
ータ入力端子、書込み信号制御インダクタに入力される
書込み信号が存在するときに、データ入力信号をデータ
入力端子に選択的に送るための書込みSQUID、およ
びデータ入力端子を、プル・アップおよびプル・ダウン
SQUIDの制御インダクタの他端に接続するための手
段を含んでいる。第1または第2の電圧状態のデータ信
号によりプル・アップまたはプル・ダウンSQUIDは
超電導性となり、前記出力回路は第1または第2の電圧
状態に引っぱられる。
【0014】理想的には、メモリ、セルは出力回路とデ
ータ入力端子との間に接続されるフィードバックSQU
IDも含む。このフィードバックSQUIDは書込みS
QUIDが超電導性でないときのみに、このSQUID
を超電導性にするよう接続された制御インダクタを有し
ている。したがって、データ入力信号は書込み信号が発
生するときに入力回路から出力回路へ送られ、書込み信
号が除去された後、フィードバックSQUIDにより出
力回路上に保持される。セルから読み出すために、この
回路はデータがその出力回路から読み出される時に、読
み出しSQUIDを超電導性にするために読み出し信号
が入力される制御インダクタを有する読み出しSQUI
Dを含んでいる。
【0015】以上より本発明はその態様により超電導性
の論理および計算素子の分野においてすぐれた効果をも
たらすことがわかるであろう。特に、本発明は非ヒステ
リシス性SQUIDを基本要素として用いて、メモリ・
セルを含む一群の論理素子をもたらす。本発明の他の面
および効果は添付の図面に関連して行われる以下のより
詳細の説明から明らかとなるであろう。
【0016】
【実施例】説明のために、本発明に関連する基本的超電
導性の回路要素、特にジョセフソン接合、および超電導
性量子干渉素子即ちSQUIDから形成されるディジタ
ル論理および関連する回路を図1〜図17に示す。最近
まで超電導素子を用いたディジタル論理の設計はその素
子のヒステリシス性に大きく依存していた。新しい超電
導素子は非ヒステリシス性タイプのものであるので、以
前より、より高い温度で動作する超電導物質を利用でき
ることは、このディジタル論理の多くを無意味なものと
してしまった。
【0017】本発明に用いられる基本ディジタル論理回
路は非ヒステリシス性のジョセフソン接合を用いた明確
な論理状態をもたらす。本発明に用いられる基本回路の
単一の構成は基本ブーリアン論理関数のうちのいづれか
を実行するために用いられ、他の構成はより複雑な論理
関数のために容易に形成される。また、本発明は、これ
らの基本回路をランダム・アクセス・メモリ・セルに応
用したものである。
【0018】本発明に用いられる基本回路は超電導性の
ジョセフソン接合およびSQUIDの組み合せとして形
成されるので、第1図に概略的に示されている2接合の
SQUIDの特性をまず検討することが有益であろう。
各SQUIDはバイアス電流Ibiasとし記された電流総
量を受けるよう平列に接続された、参照番号12より示
される、等しい臨界電流の2つのジョセフソン接合およ
び制御電流Ictrlを受ける関連する制御インダクタ12
を含んでいる。接合10は従来からそうであるようにX
のシンボルにより示される。SQUIDは第2図に図示
される通り、おもに制御電流およびバイアス電流のレベ
ルに応じて2超電導性状態または抵抗性状態のいづれか
で動作する。ゼロの制御電流のところはスレッシュホー
ルド・バイアス電流2Icより小さいバイアス電流につい
ては超電導性の動作となり、このレベルより大きいバイ
アス電流については抵抗性の動作となる。このスレッシ
ュホールドまたは臨界電流の値は第2図中の曲線14に
示される通り、制御電流が増加するにつれ減少する。ス
レッシュホールド・バイアス電流は16のところで示さ
れる曲線14の非連続点に至るまで減少し続け、その点
を越えると制御電流の増加によりスレッシュホールド・
バイアス電流は曲線18により示される通り、再び増加
する。この発明の目的のために、非連続点16のところ
の制御電流の値はIctrlの最大値として定義される。第
2図では2つの接合は同じバイアス電流を有するものと
している。より効果的なゲート切り替えは等しくないバ
ッファ電流により実現され得、それは第2図の変形例と
なるであろう。
【0019】説明の目的のためにSQUIDは第2図中
AおよびBとして記された2つの動作点のうちの1つの
ところで動作するものとする。動作点Aは第2図の垂直
軸上に、すなわち制御電流ゼロの点であり、かつ超電導
性の領域のところに位置する。動作点Bは“最高”制御
電流点、すなわち非連続点16のすぐ上であり、かつそ
のSQUIDの特性曲線の抵抗性領域に位置する。これ
らの2つの動作点間での遷移はSQUIDがその超電導
性および低抗性状態間で切り替えられている時を意味す
る。
【0020】第3図は入力バッファ26および出力バッ
ファ28を含む、一般化された形態の本発明の論理ゲー
ト回路を示している。この論理ゲート回路の機能は1以
上の入力信号、そのうちの2つは(IN1およびIN
2)として示されているが、を処理しその入力信号から
図中ではOUTとして示されている出力信号を引き出す
ことである。簡単な反転などの論理関数は単一の入力信
号を有し、他の論理関数は2つ以上の入力信号を有しう
る。しかしながら、説明のため本明細書の中では2入力
のNANDゲートがいくらか詳細に説明されるだろう。
【0021】電圧Vjjの電源が入力バッファ26および
出力バッファ28に、30で示されるように接続され、
共通グランド・ラインがバッファに32で示されるよう
に接続される。所要のブーリアン論理関数が入力バッフ
ァ26内で行われ、その結果は入力バッファ26を出力
バッファ28に接続するライン34上に得られる。出力
バッファ28の唯一の目的は出力信号の“ファン・アウ
ト”をもたらすこと、すなわち1以上の目的回路に接続
されうるようにすることである。入力バッファ26は本
質的に複数の回路に好適に出線することができない。し
かしながら、ライン34上の論理結果が唯一の他の回路
のみに供給されることが必要であるならば、出力バッフ
ァ28は使用される必要がない。
【0022】出力バッファ28および入力バッファ26
の両者は同じ原理に基ずいて動作し、より簡単な回路、
すなわち出力バッファがまず説明されれば、説明が簡単
になるであろう。第4図に示される通り、出力バッファ
28は簡便のためにプル・アップSQUIDおよびプル
・ダウンSQUIDと称される2つのSQUID36お
よび38を含んでいる。プル・アップSQUID36の
平列に接続されたジョセフソン接合およびプル・ダウン
SQUID38の平列に接続されたジョセフソン接合は
jjの電源供給ライン30とグランド・ライン32との
間に直列に接続される。出力信号OUTは2つのSQU
ID36および38の間の接合点40から取り出され
る。負荷抵抗RL は出力OUTとグランド・ライン32
との間に接続されているように示されており、別の負荷
抵抗RL は出力OUTおよび電源供給ライン30の間に
接続れているように示されている。プル・アップSQU
ID36に関連する制御インダクタは電源供給ライン30
に接続された一端および抵抗42を介してINライン34
に接続された他端を有している。同様に、プル・アップ
SQUID38のための制御インダクタはグランド・ラ
イン32に接続された一端および抵抗44を介してIN
ライン34に接続された他端を有している。
【0023】動作状態では、INライン34上の信号は
ハイまたはロウのいづれか、すなわち、電圧Vjjまたは
グランドでありうる。ライン34上の入力信号がハイで
あれば、電流はプル・アップSQUID36の制御イン
ダクタを介してではなく、プル・ダウンSQUID38
の制御インダクタを介して流れる。したがって、プル・
アップSQUIDは(第2図のA点で動作し)超電導性
となり、プル・ダウンSQUIDは(第2図のB点で動
作し)抵抗性となる。出力ラインOUTは超電導性のプ
ル・アップSQUID36によりVjjの電源ライン30
に効果的に短絡される。ライン34上の入力信号がロウ
であれば、20のSQUIDの状態は反転され、プル・
ダウンSQUID38が超電導性となり、出力ラインO
UTをグランド・ライン32に効果的に短絡する。要す
るに、出力バッファ28は(INライン34上のハイま
たはロウの)入力信号の状態をバッファのOUTライン
に移すよう動作する。
【0024】第5図は入力信号がVjjである場合のため
に示される、第4図の出力バッファの等価回路である。
5つの等式が、第5図から確認されるであろうが、出力
バッファ28の設計を決めている。まず、負荷抵抗RL
を流れる電流は出力バッファの“下流”に持続されうる
次の論理ゲートを駆動する制御電流である。このことは
次式によって与えられる。
【0025】 IL =Vjj/RL =Fan out*Ictrl ・・・・・・・ (1) 第5図中のプル・アップSQUID36は次式により概
算されるように、負荷抵抗および抵抗性の下方のSQU
ID38を駆動する等価的な電流源46である。
【0026】 電流源電流=L*Ic =2 Ic(BL )2+(Vjj/Vn )2+Vjj/RL ・・・・・・・ (2) なおBL はSQUIDのための定数でありVn は次式に
より与えられるSQUID特性電圧である。
【0027】 Vn =IC *Rn ′ ・・・・・・・ (3) なおRL は抵抗性SQUID38内の各接合の等価的な
抵抗値である。第2図からわかるとおり、制御電流Ict
rlがその最高点にある時バイアス電流Ibiasは2BL
C の最小値に達する。電流源46により供給される電流
のための最初の半分の表記は抵抗性SQUID38を駆
動する電流であり、その表記の後半は負荷抵抗を駆動す
る電流である。
【0028】出力バッファ28を規定する3番目の等式
は Ictrl*Vjj=P min 1μW ・・・・・・・ (4) である。なおPmin は熱雑音解析およびビット・エラー
・レート要件により定められるような、回路の最少の電
力消費である。出力バッファのための4番目の設計上考
慮することは負荷抵抗が小さくなればなるほど、抵抗性
SQUIDを流れる電流は減少し、負荷を駆動する電流
は多くなる。すなわち、 K*Rn =RL ′ ・・・・・・・ (5) なおKは抵抗性状態にあるSQUID接合の等価的な抵
抗値に対する負荷の抵抗値の割合である。
【0029】入力バッファ26(第3図)は例として第
6図に示されている。入力バッファの主な機能は1以上
の入力信号に対しある選択された論理関数を実行するこ
とである。図示の例はIN1およびIN2として示され
る2つの入力信号に対し実行されるブーリアンNAND
動作の場合である。出力バッファ内と同様に、入力バッ
ファ回路はVjjとして示される電源供給ラインおよび地
気シンボルにより示されるグランド・ラインを有してい
る。入力バッファは一般に2つの部分、すなわちその選
択されたブーリアン論理関数を実行する1以上のプル・
アップSQUIDおよび入力バッファをグランドまたは
ロウ状態に接合するプル・ダウン超電導素子、好ましく
はSQUID(個別のジョセフソン接合または抵抗も使
用されうるが)を備えうると考えられる。
【0030】“プル・アップ”および“プル・ダウン”
の用語は文字通りとられるべきではない。それらは電圧
の大きさの上での方向ではなく図面中の方向を示すため
に、参照の用語としてここでは用いられている。すなわ
ちその用語は入力バッファの出力が上方の電源(第6図
中のVjj)の電圧に引っぱり上げられるか、または下方
の電源供給ライン(第6図中のグランド)の電圧に引っ
ぱり下げられることを示している。説明されるべきいく
らかの構成においては、電源供給接続は反転され、グラ
ンド電圧が“上方の”電源供給ラインに印加される。簡
便のために、第6図を参照するとプル・アップSQUI
Dと称されるSQUIDはそれらは出力電圧をグランド
に引っぱるより機能しているのだが、プル・アップSQ
UIDとして称される。同様に、第6図の下方のSQU
IDは他の図示の構成においては回路の出力電圧をグラ
ンドより高く引っぱるよう機能するのであるが、ずっと
“プル・ダウン”SQUIDとして称される。
【0031】図示の入力バッファは両者ともVjjの電源
ラインおよびOUTPUTライン54との間に接続され
る2つのプル・アップSQUID50および52を有し
ている。入力信号IN1およびIN2はプル・アップS
QUID50、52に関連する制御インダクタのそれぞ
れの一端に接続され、各インダクタの他端はグランドに
接続される。1つの負荷抵抗RL はOUTPUTライン
54とVjjラインとの間に接続され、同様の負荷抵抗が
OUTPUTラインとグランドとの間に接続される。5
6のところで示されるように、プル・ダウンSQUID
はOUTPUTライン54とグランドとの間に接続さ
れ、その制御インダクタも同様に接続される。
【0032】動作状態では出力バッファのOUTPUT
はIN1およびIN2の入力信号の性質に応じて、Vjj
の電圧に引き上げられるか、または、グランドの電圧に
引き下げられるかする。入力信号のいづれかがロウであ
れば、その関連するSQUIDは超電導性となりOUT
PUTライン54をVjjの電圧にまで引き上げる。制御
電流はインダクタ32を流れ、プル・ダウンSQUID
56の臨界電流を押さえる。超電導性のSQUIDの電
流がプル・ダウンSQUIDの押さえられた電流プラス
負荷電流を越え、そのことがプル・ダウンSQUIDを
抵抗性にする。両入力がハイであれば、プル・ダウンS
QUIDの両者は押さえられ、抵抗性状態で動作する。
しかしながら、プル・アップSQUIDを流れる電流が
プル・ダウンSQUID56の臨界電流より小さく、そ
のことがプル・ダウンSQUIDを超電導性にする。こ
れにより、両入力がロウでありさえすればOUTPUT
ライン54はグランドに短絡される。この動作は入力信
号に対して実行される論理NAND関数に等価であるこ
とがわかるであろう。両入力がハイであるときのみロウ
出力が出力され、そうでなければ出力はハイである。
【0033】図示されていないが入力バッファの変形構
成においては、プル・ダウンSQUID56およびその
制御インダクタは1つの抵抗により置き換えられ、その
抵抗は同じプル・ダウン(引き下げ)の機能を実行す
る。しかしながら抵抗は常に電圧効果を伴いディジタル
論理上のマージンを減少させる。SQUIDが超電導性
であるときそれは電源に短絡されるので、プル・ダウン
SQUIDがより好ましい。図示されていないが、入力
バッファの他の変形構成においてはプル・ダウンSQU
ID56およびその制御インダクタは1つのジョセフソ
ン接合に置き換えられ、そのジョセフソン接合は同じプ
ル・ダウン機能を果たす。しかしながらこのき様な接合
は常に超電導性状態になくともかなりの電流を引き込
む、プル・ダウンSQUIDは抵抗性状態においてはよ
り少ない電流しか引き込まないので、プル・ダウンSQ
UIDを用いた方が好ましい。
【0034】第7図は1入力がロウであり他の入力がハ
イであるときのNAND入力バッファの等価回路を示し
ている。プル・ダウンSQUID50はハイ入力を有
し、抑圧され、電流2*RL *Iciの電流発生器58に
より表わされる。プル・アップSQUID52はロウ入
力を有し、電流L*Iciの電流発生器60により表わさ
れる。プル・ダウンSQUID56は抵抗性状態にあ
り、平列な2つの抵抗62RNPD により表わされる。プ
ル・ダウンSQUID56のための制御インダクタも抵
抗64により表わされる。等式(3)〜(5)は入力バ
ッファにも適応される。回路内の電流間の関係は2つの
不等式により規定される。まず、入力はロウであるとき
超電導性のプル・アップSQUIDは抵抗性のプル・ダ
ウンSQUID56および負荷抵抗RL に電流を供給
し、そのとき要求される不等関係は (ct. from Vjj(critical ct. in pull-doun) +(load and control cts.) ・・・・・・・ (6) である。より詳細には1つのプル・アップSQUIDが
超電導性であるとき、Vjjから供給される電流は L*Ici+2(Fin−1)βL ci 、 である。なおIciは入力またはプル・アップSQUID
のための臨界電流であり、Finは“ファン・イン”すな
わち、入力バッファにより処理される入力信号の数であ
る。この表記の最初の部分は超電導性である1つの入力
SQUIDからの電流を表わし、2番目の部分は残りの
抑圧された入力SQUIDからの総電流を表わす。プル
・ダウンSQUIDのための臨界電流は次式により概算
される。
【0035】 2Icpd {(βL )2+(Vjj/Vn )21/2 負荷電流はIL =Vjj/RL 、およびプル・ダウンSQ
UIDのための制御電流はIctrlである。
【0036】もう一つの不等式は両(または全ての)入
力がハイであるとき適応される。その時プル・ダウンS
QUIDは超電導性であり、必要な不等式は (ct. through pull-down)(critical ct. in pull-up)+(load ct.) ・・・・・・・ (7) である。プル・ダウンSQUIDを通る電流はL*I
cpd であり、抵抗性状態のプル・アップSQUIDを通
る電流はおよそ、 2Ici{(βL )2+(Vjj/Vn )21/2 である。
【0037】第8図は上述のNANDゲートへの完全な
図であり、入力バッファの出力ライン54は出力バッフ
ァの入力ライン34に直接接合するように示されてい
る。この入力はこの図中および次の5つの図中において
AおよびBとして参照される。図10乃至14は他の論
理関数を実行するよう構成された同様の構造のゲートで
ある。特に、図9乃至12中の各ゲートは同じSQUI
Dを用い、図13乃至15中の各ゲートは同じSQUI
Dを用いる。図9乃至12中のSQUIDと図13乃至
15中のSQUIDとの間の差異は一つのプル・アップ
を伴った回路の臨界電流は一つのプル・アップを伴った
回路の臨界電流とは異なるのみにより生じる。図面のい
づれか2つの間の主な違いは電線の供給のされ方とAお
よびB入力の入力バッファへの接続のされ方にある。図
9乃至図14を非常に重要ならしめていることは4つの
異なる論理関数すなわちNAND、AND、OR、およ
びNORが全く同じ組のSQUIDを用いて実行される
ことである。同様に、さらなる3つの論理関数、反転、
XNOR、およびEXORも全く同じ組のSQUIDを
使用する。したがって、かなり複雑な論理ゲートの組み
合せも複数の同様な構造セルを用いて組成され得る。電
源および信号入力への外部接続のみが、必要とされる異
なる論理関数を得るために、変更される必要がある。
【0038】第9図のANDゲートにおいて入力は第8
図のNANDゲートと同様に接続されるが入力バッファ
への電源接続は反転される。そして、図中上部のプル・
アップSQUIDは出力電圧をグランドに引っぱるよう
機能し、プル・ダウンSQUIDは出力電圧をVjjに引
っぱるよう機能する。いづれか一つの入力がロウである
とき、制御電流はそのSQUIDのためには流れず、そ
のSQUIDは超電導性になり出力をグランドに引っぱ
る。両入力にハイであるとき、SQUID50、52は
抵抗性でありSQUID56は出力をVjjの高さに引っ
ぱり、これによりAND関数を実行する。
【0039】第10図のORゲートにおいて、入力Aお
よびBは第8図と同様にSQUID50、52の制御イ
ンダクタに入力されるが、インダクタの他端は接地され
ない。それらはそのかわりVjjに接続され入力信号の意
味を判定する。図10において入力信号がハイであると
き、制御電流は流れない。入力信号がロウであるとき、
制御電流は流れる。したがって、AまたはBのいづれか
がハイであるとき、プル・アップSQUID50、52
の少なくとも1つは超電導となり、その出力はハイとな
るであろう。両入力がロウであれば、プル・アップSQ
UID50、52の両者は抵抗性となり、プル・ダウン
SQUID56は出力を接地されたままに保つであろ
う。
【0040】図11のNOR関数は制御インダクタでは
なく、入力バッファへの電源供給およびグランド接続関
係が逆になることを除いてOR回路と同じである。Aお
よびBの入力信号が共にロウであれば、出力はSQUI
D56によりVjjに高く引っぱられるであろう。
【0041】第12図の排他的NOR(XNOR)ゲー
トは入力バッファにおいてプル・アップSQUID50
1つのみを用いる。電源供給はVjjがSQUID50
に接続され、グランドがプル・ダウンSQUID56に
接続されて第18図と同様に接続される。入力信号Aお
よびBはSQUID50のための制御インダクタの反対
の端に入力される。そして、AおよびBが同じであれば
すなわち両者ともハイであるか、あるいはロウであると
きに、SQUID50のために制御電流は流れずSQU
ID50は超電導性となり出力をハイに引き上げる。図
13の排他的OR(EXOR)ゲートは入力バッファS
QUIDへの電源供給およびグランドの接続関係が逆に
なっていることのみにおいて図12とは異なる。こうし
て、AおよびBの入力信号が異なるとき、すなわち、い
づれか1つがハイであり、両者共がハイでないときに、
上方のSQUID50は抵抗性となり、下方のSQUI
D56は超電導性となり、出力をVjjにレベルまでに引
き上げる。
【0042】図14の反転ゲートは入力バッファ内で1
つのプル・アップSQUIDのみを使用する。この電源
供給はVjjがSQUID50に接続され、グランドがプ
ル・ダウンSQUID56に接続されて、図8と同様に
接続される。入力信号AはSQUID50の制御インダ
クタの一端に入力されて、グランドがその他端に接続さ
れる。A入力がロウであれば、出力はSQUID50に
よりVjjに高く引っぱられるであろう。図9乃至14中
に示される入力バッファの全ての構成はある特徴を共通
に備えていることがわかるであろう。それらはVjjの電
源ラインおよびグランド・ラインの形態の第1および第
2の電源ラインを備えており、それらは全て1つの電源
ラインと出力ラインとの間に接続された少なくとも1つ
のプル・アップSQUID、出力ラインと他方の電源ラ
インとの間に接続された少なくとも1つのプル・ダウン
SQUIDを備えている。入力信号および電源ラインは
入力信号に対して選択された論理関数を実行し、その結
果を出力ライン上にもたらす様に入力バッファに接続さ
れる。
【0043】図15は入力バッファのためのものであ
り、これもまた説明としてNAND関数を実行するよう
構成されている。この入力バッファの構成は“垂直に”
積み上げられた、すなわち、直列に接続され、Vjjの電
源ラインが下方のSQUID74に接続され、上方のS
QUID70はグランドに接続された、3つのSQUI
D70、72、および74を含んでいる。入力信号Aお
よびBはSQUID70および72の各制御インダクタ
に入力され、SQUID70および72のそれぞれはV
jj電源ラインに接続された反対端を有している。下方の
SQUID74のための制御インダクタはSQUID接
合と平列に接続され、出力はそのSQUIDのためのV
jj接続とは反対端である、下方のSQUID74に接続
されたライン76上にもたらされる。
【0044】いづれかの入力がロウであれば対応するS
QUIDのための制御電流が存在し、SQUID70、
72の少なくとも1つは抵抗性になるであろう。残りの
SQUID74はプル・アップSQUIDとして機能
し、出力ライン76はハイに引っぱられるだろう。入力
AおよびBが共にハイであれば、SQUID70、72
の両者に制御電流は存在せず、両者とも超電導性となり
出力ライン76をグランドに引っぱる。こうして、NA
NDゲートの関数が実行されるが図6のNANDゲート
入力バッファとは大きく異なっている。第6図の回路に
おいて各入力信号は別個のプル・アップSQUIDを制
御し、プル・アップSQUIDは平列に接続される。超
電導性がその入力SQUID内で押さえられるとき、そ
れらはSQUIDの平列接続による蓄積性のものである
もれ電流をもたらす。図15の入力バッファの例におい
て、入力SQUIDは直列であり、理論上では、実質的
制限されることのない数の入力が押さえられたもれ電流
を増加させることなく、組合わされうる。図15の構成
は全てのプーリアン論理関数をもたらすようにも接続さ
れうる。
【0045】図16はAND−NOR関数を組み込んだ
より複雑な論理ゲート、すなわち、入力A、BおよびC
から発生される出力は(A AND B)NOR Cの
例である。3つのSQUID70、72、74は図15
と同様に接続されるが、さらにSQUID78がグラン
ドと出力ライン76との間に接続される。C入力信号は
この付加されたSQUIDのための制御インダクタに入
力され、その制御インダクタの反対端はVjjの電源ライ
ンに接続される。こうして、Cがハイであるとき付加さ
れたSQUID78は超電導性であり、出力をグランド
に引っぱるであろう。さらにその出力はAおよびBの両
者がハイであればグランドに引っぱられうることがわか
ろう。すなわち、AおよびBがハイであるか、または、
Cがハイであれば、出口はロウでありAまたはBのいづ
れかがロウであるか、またはCがハイであれば、出力は
ハイであり、これが必要とされるAND−NOR関数で
ある。この複合論理ゲートの興味ある一面は基本関数ゲ
ートよりSQUIDを1つのみ付加して総計たった4つ
のSQUIDを用いて実現されることである。
【0046】図16の論理ゲートはほとんど同様に実現
されうる多くの異なる複合論理ゲートのうちの1つであ
る。図16のように、これら他の複合論理ゲートは本説
明においてプル・アップの側として称される側である、
出力ラインの1つの側上の入力バッファを変更する。
【0047】図17は高電圧出力バッファとして称され
る出力バッファの変形例を図示している。図4に示され
た単一のプル・アップSQUID36および単一のプル
・ダウンSQUID38の代わりに、この出力バッファ
の実施例は直列に接続された複数のプル・アップSQU
ID36′および直列に接続された複数のプル・ダウン
SQUID38′を有している。入力ライン34′は2
つの抵抗42′および44′を介して入力信号をプル・
アップSQUID36′に関連する、直列に接続された
制御インダクタの列およびプル・ダウンSQUID3
8′に関連する、直列に接続された制御インダクタの列
に入力される。電源電圧Vjjはプル・アップの制御イン
ダクタの列の他端に接続され、プル・ダウンの制御イン
ダクタの列の他端にグランドが接続される。より高い電
圧の電源供給ラインVjj′がプル・アップSQUID3
6′自体に接続される。
【0048】図17の回路中の制御電流は図4の出力バ
ッファ回路中の制御電流と同じであり、抵抗42′およ
び44′は図4中の抵抗42および44と実質的に同じ
抵抗値を有するであろう。入力がハイであるとき、例え
ば、プル・アップSQUID36′が超電導性となり、
プル・ダウンSQUID38′が抵抗性となろう。出力
ラインは一般にはVjjより高電圧のVjj′の電圧にまで
引っぱり上げられる。出力バッファのこの構成の目的は
集積回路上に形成された論理回路がチップ外に位置する
他の回路をより高い電圧で駆動することができるように
することである。特に、この出力バッファの構成は50
ohmsなど通常、用いられる特性インピーダンスを有す
る、チップ外の回路を駆動するよう容易に設計されう
る。
【0049】図18は、本発明の原理を用いた2ポート
のランダム・アクセス・メモリ(RAM)セルの実施例を図
示している。このセルは書込みSQUID80、フィー
ドバックSQUID82、読出しSQUID84、およ
び2つのラッチSQUID86、88と称される、4つ
のSQUIDを含む。ラッチSQUID86、88は電
源ラインVjjとグランドの間に直列に接続され、2つの
ラッチSQUIDの間の接合点のところの黒点90によ
り表わされる、セル状態端子がある。上方のラッチSQ
UID86はそれが超電導性であるときにプル・アップ
回路として機能し、セル状態端子90をハイに引っぱ
る。下方のラッチSQUID88は超電導であるときに
プル・ダウン回路として機能し、セル状態端子90をグ
ランドに引っぱる。
【0050】データ入力信号が書込みSQUID80に
入力され、その書込みSQUIDは入力データ端子92
に接続されている。フィードバックSQUID82は入
力データ端子92と状態端子90との間に接続されてい
る。入力データ端子92は2つのラッチSQUID8
6、88の制御インダクタにも接続されている。インダ
クタの他端は各々、Vjjおよびグランドに接続されてい
る。書込み信号は書込みSQUID80の制御インダク
タの一端に接続され、インダクタの他端はVjjに接続さ
れる。書込み信号はフィードバックSQUID82の制
御インダクタの一端にも接続され、このインダクタの他
端はグランドに接続されている。
【0051】書込み信号がハイであるとき、書込みSQ
UID80の制御インダクタ内に電流は流れず、書込み
SQUIDは超電導性となる。この結果、この状態の書
込みSQUIDはデータ入力信号を入力データ端子92
上に通すよう機能する。ラッチSQUID86、88の
状態は端子92へのデータ信号入力の状態に依存するで
あろう。入力データ信号がハイであれば、例えば、下方
のラッチSQUID88は抵抗性となり、状態端子90は
高電圧Vjjに引っぱり上げられるのであろう。入力デー
タ信号がロウであれば、下方のラッチSQUID88は
超電導性となり、状態端子90はグランドに引き下げら
れるであろう。こうして、状態端子は書込み信号がハイ
となるときに、入力データ端子上の入力データ信号の状
態を表わすこととなる。書込み信号が再びロウ状態に下
がると、フィードバックSQUID82は超電導性とな
り、状態端子90をデータ入力端子92につなぎ、これ
により次の書込み信号が発生するのでこの回路をラッチ
させる。
【0052】セル状態端子90からの読出しは読出し信
号を読出しSQUID84の制御インダクタに入力する
ことにより成され、制御インダクタの他端はグランドに
接地される。このSQUIDは状態端子90と接地され
た出力負荷抵抗94との間に接続される。読出し信号が
ロウであるとき、読出しSQUIDは超電導性であり、
セルから保持されたデータ信号を移す。しかし、ラッチ
SQUIDは情報を失うことなく、出力負荷を駆動する
に充分な電流を供給することができる、すなわち、デー
タはメモリ・セル内に保持される。
【0053】
【発明の効果】以上により理解されるように、本発明
は、高速計算ロジックの分野において大変な効果を呈す
るものである。特に、本発明は同じ原理に基づいて動作
し、効果をもたらす高温超電導接合の非ヒステリシス特
性を利用するメモリ回路を提供する。また、本発明の実
施例が詳細に説明されたが、本発明の精神および範囲を
逸脱することなく、様々な変形例がなされ得る。したが
って、本発明は従属請求項のみに制限されるべきでな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】SQUIDおよびその関連する制御インダクタ
を表わす簡略化されたシンボル図。
【図2】制御インダクタの制御電流に対する、両ジョセ
フソン接合における等しい臨界電流でのSQUIDのバ
イアス電流の変化を示すグラフ。
【図3】本発明に関連する論理ゲートの一般化されたブ
ロック図。
【図4】本発明に関連する論理ゲートの出力バッファの
接続概略図。
【図5】入力信号がハイ状態であるときの図4の出力バ
ッファの等価回路を示す接続概略図。
【図6】2つの入力信号に対してNAND関数機能を実
行するよう構成された、入力バッファの接続概略図。
【図7】1入力が“ロウ”状態であり、他の入力が“ハ
イ”状態であるときの図6の入力バッファの等価回路を
示す接続概略図。
【図8】図6の入力バッファおよび図4の出力バッファ
を含む、論理NAND関数を実行するための完全な論理
ゲートの接続概略図。
【図9】論理AND関数を実行するように接続された図
8に類似する接続概略図。
【図10図】論理OR関数を実行するように接続された
図8に類似する接続概略図。
【図11図】論理NOR関数を実行するように接続され
た図8に類似する接続概略図。
【図12図】論理XNOR関数を実行するように構成さ
れた、図8に類似する部分を含む接続概略図。
【図13図】論理EXNOR関数を実行するように構成
された、図9に類似する部分を含む接続概略図。
【図14図】論理反転関数を実行するように構成された
図8に類似する部分を含む接続概略図。
【図15図】平行ではなく、直列に接続された複数のS
QUIDを含み、図6の入力バッファと同じ機能を実行
するための入力バッファの変形例の接続概略図。
【図16図】例として、AND−NOR関数が示されて
いるが、より複雑な論理関数を実行するための、論理ゲ
ートの接続概略図。
【図17図】図4の出力バッファの変形例の接続概略
図。
【図18図】2ポートのランダム・アクセス・メモリ・
セルを形成するよう構成された、本発明の実施例の接続
概略図。
【符号の説明】
10 接合 12 制御インダクタ 16 バイアス電流 26 入力バッファ 28、30 出力バッファ 34 ライン(線) 36、38 プル・ダウンSQUID 40 接合点 46 電流源 50、52 プル・アップSQUID 54 OUTPUTライン 56 プル・ダウンSQUID 58、60 電流発生器 70、72、74 SQUID 76 出力ライン 78 SQUID 80 書込みSQUID 82 フィードバックSQUID 84 読出しSQUID 86、88 ラッチSQUID 90 セル状態端子 92 入力データ端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェラルド ロバート イッシャー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90293 プラヤ デル レイ エイティフ ァースト ストリート 7741 (72)発明者 ロジャー アルヴァーナズ ディヴィッド ハイザー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90266 マンハッタン ビーチ トゥエン ティファースト ストリート 120 (72)発明者 ジョージ アーリン アヴェラ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 93012 カマリロ リッジウッド ドライ ヴ 1794

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1または第2の電圧状態に保持される
    だろうメモリ保持ラインと、 前記メモリ保持ラインと前記第1の電圧状態に保持され
    ている第1の電源供給ラインとの間に接続されている第
    1のラッチSQUIDと、 前記メモリ保持ラインと前記第2の電圧状態に保持され
    ている第2の電源供給線ラインとの間に接続されている
    第2のラッチSQUIDと、 データ入力ラインと、データ入力端子との間に接続され
    て、書込みSQUIDを超電導にし、前記データ入力ラ
    インからのデータ入力信号を前記データ入力端子へ送る
    ために一時的な書込み信号が入力信号されうる制御イン
    ダクタを有する書込みSQUIDと、 第1のものは前記第1の電源供給ラインと前記データ入
    力端子との間に接続され、第2のものは前記第2の電源
    供給ラインと前記データ入力端子との間に接続されてい
    る、第1および第2のラッチSQUID制御インダクタ
    とを備え、 前記データ入力端子上の前記データ信号の存在により前
    記ラッチSQUIDのうちの1つが超電導性となり、前
    記データ入力信号を記録するために、前記メモリ保持ラ
    インを前記第1または第2の電圧状態に引っぱることを
    特徴とする非ヒステリシス性超電導2−ポート・ランダ
    ム・アクセス・メモリ・セル。
  2. 【請求項2】 前記メモリ保持ラインと前記データ入力
    端子との間に接続されて、前記一時的書込み信号の存在
    しないときのみに前記SQUIDを超電導にするために
    も前記書込み信号が入力される制御インダクタを有する
    フィードバックSQUIDを更に備え、前記メモリ保持
    ライン上にある電圧状態を維持するために、書込み信号
    の存在しない間に、前記メモリ保持ライン上の電圧状態
    とし、前記セル内に保持されているデータ信号は前記ラ
    ッチSQUIDの前記制御インダクタに接続されること
    を特徴とする請求項1の非ヒステリシス性超電導2ポー
    ト・ランダム・アクセス・メモリ・セル。
  3. 【請求項3】 前記メモリ保持ラインに接続され、前記
    読出しSQUIDを超電導とするために一時的読出し信
    号が入力されうる制御インダクタを有する読出しSQU
    IDを更に備え、前記セルから保持されたデータ信号を
    複写することを特徴とする請求項2の非ヒステリシス性
    超電導2−ポート・ランダム・アクセス・メモリ・セ
    ル。
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