JPH07307010A - 磁気抵抗効果ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果ヘッドInfo
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- JPH07307010A JPH07307010A JP9834094A JP9834094A JPH07307010A JP H07307010 A JPH07307010 A JP H07307010A JP 9834094 A JP9834094 A JP 9834094A JP 9834094 A JP9834094 A JP 9834094A JP H07307010 A JPH07307010 A JP H07307010A
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- Japan
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- head
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Abstract
(57)【要約】
【構成】信号検出部からヘッドスライダへの熱伝導効率
を改善するために、下部シールド膜を上部シールド膜よ
りも厚くする。また、下部シールド膜とヘッドスライダ
との間に金属膜を配置し、その厚さの和を上部シールド
膜の厚さよりも大きくする。さらに、下部シールド膜ま
たは金属膜を直接ヘッドスライダに接触させ、ヘッドの
熱抵抗を小さくする。 【効果】通電によるMRヘッドの温度上昇が抑制され、
長寿命化が実現できる。
を改善するために、下部シールド膜を上部シールド膜よ
りも厚くする。また、下部シールド膜とヘッドスライダ
との間に金属膜を配置し、その厚さの和を上部シールド
膜の厚さよりも大きくする。さらに、下部シールド膜ま
たは金属膜を直接ヘッドスライダに接触させ、ヘッドの
熱抵抗を小さくする。 【効果】通電によるMRヘッドの温度上昇が抑制され、
長寿命化が実現できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録装置、例え
ば、磁気ディスク装置や磁気テープ装置に搭載される磁
気抵抗効果ヘッドに係り、特に、信号検出部の発熱を効
率良く逃がして温度上昇を抑制した磁気抵抗効果型ヘッ
ドに関する。
ば、磁気ディスク装置や磁気テープ装置に搭載される磁
気抵抗効果ヘッドに係り、特に、信号検出部の発熱を効
率良く逃がして温度上昇を抑制した磁気抵抗効果型ヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録装置の記録密度を増加させるた
めに、高感度な再生用磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果
ヘッド(以下、MRヘッドと略す)が注目されている。
このMRヘッドの信号検出部では、厚さ1〜100nm
程度の薄膜パターンに電流密度として数百万アンペア/
cm2 以上の電流を流して使用するため、ジュール発熱に
よる温度上昇が起こり、膜材料の拡散やエレクトロマイ
グレーションが加速されて、ヘッドの信頼性が損なわれ
ることがある。
めに、高感度な再生用磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果
ヘッド(以下、MRヘッドと略す)が注目されている。
このMRヘッドの信号検出部では、厚さ1〜100nm
程度の薄膜パターンに電流密度として数百万アンペア/
cm2 以上の電流を流して使用するため、ジュール発熱に
よる温度上昇が起こり、膜材料の拡散やエレクトロマイ
グレーションが加速されて、ヘッドの信頼性が損なわれ
ることがある。
【0003】このヘッド通電時の温度上昇を抑制する方
法は、これまでに特開昭58−26313号,特開昭59−21052
1号,特開平5−101342 号公報に開示されている。
法は、これまでに特開昭58−26313号,特開昭59−21052
1号,特開平5−101342 号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知例のうち、
特開昭58−26313 号及び特開昭59−210521号公報では、
MRヘッドにペルチェ効果素子等の電子冷却手段を設け
て信号検出部を強制冷却し、通電温度上昇を抑制してい
る。しかし、この方法はヘッド構造が複雑になるため、
実際の適用は困難であった。一方、特開平5−101342 号
公報では、2組の導体層を磁気抵抗効果膜の上下両面に
設けて、信号検出部からの放熱効果を増すことにより、
通電温度上昇を抑制している。しかし、この方法では導
体層パターンを2回にわけて形成しなければならず、製
造コストの増加につながる問題があった。
特開昭58−26313 号及び特開昭59−210521号公報では、
MRヘッドにペルチェ効果素子等の電子冷却手段を設け
て信号検出部を強制冷却し、通電温度上昇を抑制してい
る。しかし、この方法はヘッド構造が複雑になるため、
実際の適用は困難であった。一方、特開平5−101342 号
公報では、2組の導体層を磁気抵抗効果膜の上下両面に
設けて、信号検出部からの放熱効果を増すことにより、
通電温度上昇を抑制している。しかし、この方法では導
体層パターンを2回にわけて形成しなければならず、製
造コストの増加につながる問題があった。
【0005】本発明の目的は、これらの欠点を克服し
て、複雑な製造工程を用いることなく、通電時の温度上
昇抑制を可能とし、高信頼性を実現したMRヘッドを提
供することにある。
て、複雑な製造工程を用いることなく、通電時の温度上
昇抑制を可能とし、高信頼性を実現したMRヘッドを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のMRヘッドは、
少なくとも磁気抵抗効果膜(MR膜)からなる信号検出
部と、前記信号検出部を挟んでヘッドスライダ側に順に
配置された下部磁気ギャップ膜及び下部磁気シールド膜
と、該信号検出部を挟んでヘッドスライダと反対側に順
に配置された上部磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド
膜とを有し、前記下部磁気シールド膜の厚さが前記上部
磁気シールド膜の厚さよりも大きいことを特徴とする。
ここで、前記上部及び下部磁気シールド膜はいずれも熱
伝導率の大きい金属磁性膜であることが望ましい。ま
た、前記下部磁気シールド膜から前記ヘッドスライダへ
の熱伝導効率を改善するためには、少なくとも信号検出
部に近い位置において、前記下部磁気シールド膜と前記
ヘッドスライダとが直接接していることが望ましい。
少なくとも磁気抵抗効果膜(MR膜)からなる信号検出
部と、前記信号検出部を挟んでヘッドスライダ側に順に
配置された下部磁気ギャップ膜及び下部磁気シールド膜
と、該信号検出部を挟んでヘッドスライダと反対側に順
に配置された上部磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド
膜とを有し、前記下部磁気シールド膜の厚さが前記上部
磁気シールド膜の厚さよりも大きいことを特徴とする。
ここで、前記上部及び下部磁気シールド膜はいずれも熱
伝導率の大きい金属磁性膜であることが望ましい。ま
た、前記下部磁気シールド膜から前記ヘッドスライダへ
の熱伝導効率を改善するためには、少なくとも信号検出
部に近い位置において、前記下部磁気シールド膜と前記
ヘッドスライダとが直接接していることが望ましい。
【0007】また、本発明のもう一つのMRヘッドは、
少なくともMR膜からなる信号検出部と、前記信号検出
部を挟んでヘッドスライダ側に順に配置された下部磁気
ギャップ膜及び下部磁気シールド膜と、前記信号検出部
を挟んでヘッドスライダと反対側に順に配置された上部
磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド膜とを有し、前記
下部磁気シールド膜と前記ヘッドスライダとの間に少な
くとも1層の金属膜が配置されていることを特徴とす
る。ここで、前記下部磁気シールド膜から前記ヘッドス
ライダへの熱伝導効率を改善するためには、少なくとも
信号検出部に近い位置において、前記下部磁気シールド
膜と金属膜、もしくは前記金属膜と前記ヘッドスライダ
とが直接接していることが望ましい。また、前記下部磁
気シールド膜と前記金属膜の厚さの和が前記上部磁気シ
ールド膜の厚さよりも大きいことが望ましい。また、本
発明で下部磁気シールド膜や金属膜を厚くした場合の表
面粗さの増大を防ぎ、その上部に配置されるMR膜の磁
気特性を改善するためには、前記下部磁気シールド膜と
前記金属膜のいずれか、もしくは両方が非晶質であるこ
とが望ましい。
少なくともMR膜からなる信号検出部と、前記信号検出
部を挟んでヘッドスライダ側に順に配置された下部磁気
ギャップ膜及び下部磁気シールド膜と、前記信号検出部
を挟んでヘッドスライダと反対側に順に配置された上部
磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド膜とを有し、前記
下部磁気シールド膜と前記ヘッドスライダとの間に少な
くとも1層の金属膜が配置されていることを特徴とす
る。ここで、前記下部磁気シールド膜から前記ヘッドス
ライダへの熱伝導効率を改善するためには、少なくとも
信号検出部に近い位置において、前記下部磁気シールド
膜と金属膜、もしくは前記金属膜と前記ヘッドスライダ
とが直接接していることが望ましい。また、前記下部磁
気シールド膜と前記金属膜の厚さの和が前記上部磁気シ
ールド膜の厚さよりも大きいことが望ましい。また、本
発明で下部磁気シールド膜や金属膜を厚くした場合の表
面粗さの増大を防ぎ、その上部に配置されるMR膜の磁
気特性を改善するためには、前記下部磁気シールド膜と
前記金属膜のいずれか、もしくは両方が非晶質であるこ
とが望ましい。
【0008】
【作用】MRヘッドに通電した時の信号検出部の温度上
昇は、信号検出部で消費される電力と、ヘッド全体の熱
抵抗との積で表わされる。従って、ヘッド電流一定、す
なわち、消費電力一定の条件で温度上昇を抑制するため
には、ヘッドの熱抵抗を小さくする必要がある。ヘッド
の熱抵抗は、発熱部(信号検出部)を取り囲む部分の材
料(熱伝導度)と形状(膜厚やパターン大きさ)で決ま
る。特に、MRヘッドのように微小部分で発熱する場合
には、発熱部に近い場所に熱伝導効率の良い膜を設ける
ことが望ましい。
昇は、信号検出部で消費される電力と、ヘッド全体の熱
抵抗との積で表わされる。従って、ヘッド電流一定、す
なわち、消費電力一定の条件で温度上昇を抑制するため
には、ヘッドの熱抵抗を小さくする必要がある。ヘッド
の熱抵抗は、発熱部(信号検出部)を取り囲む部分の材
料(熱伝導度)と形状(膜厚やパターン大きさ)で決ま
る。特に、MRヘッドのように微小部分で発熱する場合
には、発熱部に近い場所に熱伝導効率の良い膜を設ける
ことが望ましい。
【0009】通常のMRヘッドにおいて信号検出部近く
に配置されるのは、電極導体膜,磁気ギャップ膜,磁気
シールド膜である。このうち磁気ギャップ膜は絶縁膜で
あるから、熱伝導率は小さい。また、電極導体膜は金属
であり良熱伝導体であるが、熱伝導効率を増加させるた
めに電極導体膜厚を増加させると、その上に形成する磁
気ギャップ膜のつきまわりが悪くなって望ましくない。
従って、温度上昇を抑制するには、磁気シールド膜を厚
くするのが最も効果的である。しかし、磁気シールド膜
全体を不必要に厚くすると、記録ヘッドとの位置合わせ
が困難になるなどの問題が生じるため、熱抵抗を低減し
ながら他のヘッド特性を損なわないように、磁気シール
ド膜の配置を最適化する必要がある。
に配置されるのは、電極導体膜,磁気ギャップ膜,磁気
シールド膜である。このうち磁気ギャップ膜は絶縁膜で
あるから、熱伝導率は小さい。また、電極導体膜は金属
であり良熱伝導体であるが、熱伝導効率を増加させるた
めに電極導体膜厚を増加させると、その上に形成する磁
気ギャップ膜のつきまわりが悪くなって望ましくない。
従って、温度上昇を抑制するには、磁気シールド膜を厚
くするのが最も効果的である。しかし、磁気シールド膜
全体を不必要に厚くすると、記録ヘッドとの位置合わせ
が困難になるなどの問題が生じるため、熱抵抗を低減し
ながら他のヘッド特性を損なわないように、磁気シール
ド膜の配置を最適化する必要がある。
【0010】通常、磁気シールド膜は信号検出部を挟み
込むように設けられており、MR膜とヘッドスライダと
の間に配置される下部磁気シールド膜と、反対側に配置
される上部磁気シールド膜の二つに分けられる。上部磁
気シールド膜の上部には保護膜や記録ヘッドなどが積層
されてヘッド表面となることが多いが、下部磁気シール
ド膜の下部には熱伝導率の大きいヘッドスライダが存在
するため、上部に比べて下部磁気シールド側に熱を逃が
すように設計することにより、ヘッド全体の熱抵抗を効
率良く低下させることができる。従って、上部に比べて
下部磁気シールド膜の厚さを大きくすれば、位置合わせ
精度等を劣化させずに、熱抵抗の小さいヘッドを実現す
ることができる。
込むように設けられており、MR膜とヘッドスライダと
の間に配置される下部磁気シールド膜と、反対側に配置
される上部磁気シールド膜の二つに分けられる。上部磁
気シールド膜の上部には保護膜や記録ヘッドなどが積層
されてヘッド表面となることが多いが、下部磁気シール
ド膜の下部には熱伝導率の大きいヘッドスライダが存在
するため、上部に比べて下部磁気シールド側に熱を逃が
すように設計することにより、ヘッド全体の熱抵抗を効
率良く低下させることができる。従って、上部に比べて
下部磁気シールド膜の厚さを大きくすれば、位置合わせ
精度等を劣化させずに、熱抵抗の小さいヘッドを実現す
ることができる。
【0011】また、通常のMRヘッドでは、ヘッドスラ
イダと下部磁気シールド膜との間にアルミナ等の絶縁下
地膜を設ける場合が多い。しかし、この下地膜は熱伝導
率の小さい材料を用いるため、下部磁気シールド膜とヘ
ッドスライダとの間の良好な熱伝導を妨げて、ヘッドの
熱抵抗を増加させてしまう。そこで、少なくとも信号検
出部の近くで、下部磁気シールド膜とヘッドスライダを
直接接触させることにより、スムーズな熱の流れを実現
できる。
イダと下部磁気シールド膜との間にアルミナ等の絶縁下
地膜を設ける場合が多い。しかし、この下地膜は熱伝導
率の小さい材料を用いるため、下部磁気シールド膜とヘ
ッドスライダとの間の良好な熱伝導を妨げて、ヘッドの
熱抵抗を増加させてしまう。そこで、少なくとも信号検
出部の近くで、下部磁気シールド膜とヘッドスライダを
直接接触させることにより、スムーズな熱の流れを実現
できる。
【0012】一方、シールド膜を不用意に厚くすると、
磁気特性や信頼性が劣化してしまう場合がある。この場
合には、下部磁気シールド膜とヘッドスライダの間に良
熱伝導体の金属膜を挟めば、上記と同様の作用によりヘ
ッドスライダ側への熱伝導が改善されるため、ヘッド熱
抵抗を低減できる。この場合も上記と同様に、下部磁気
シールド膜と金属膜の厚さの和を上部磁気シールド膜の
厚さより大きくすること、及び下部磁気シールド膜と金
属膜、または金属膜とヘッドスライダを信号検出部近く
で直接接触させることにより、ヘッド熱抵抗を小さく抑
えることが可能である。
磁気特性や信頼性が劣化してしまう場合がある。この場
合には、下部磁気シールド膜とヘッドスライダの間に良
熱伝導体の金属膜を挟めば、上記と同様の作用によりヘ
ッドスライダ側への熱伝導が改善されるため、ヘッド熱
抵抗を低減できる。この場合も上記と同様に、下部磁気
シールド膜と金属膜の厚さの和を上部磁気シールド膜の
厚さより大きくすること、及び下部磁気シールド膜と金
属膜、または金属膜とヘッドスライダを信号検出部近く
で直接接触させることにより、ヘッド熱抵抗を小さく抑
えることが可能である。
【0013】以上のような熱抵抗低減策を適用すれば、
通電時の信号検知部の温度上昇を小さく抑えられる。一
般にMRヘッドの寿命は、膜材料の拡散やエレクトロマ
イグレーションによって決定されるため、exp(Q/k
T)(Q:活性化エネルギ,k:ボルツマン定数,T:
素子部の絶対温度)に比例すると考えられる。従って、
素子部の温度を低く保つことによりヘッド寿命が増加す
るため、通電によるMRヘッドの信頼性劣化を防止する
ことができる。
通電時の信号検知部の温度上昇を小さく抑えられる。一
般にMRヘッドの寿命は、膜材料の拡散やエレクトロマ
イグレーションによって決定されるため、exp(Q/k
T)(Q:活性化エネルギ,k:ボルツマン定数,T:
素子部の絶対温度)に比例すると考えられる。従って、
素子部の温度を低く保つことによりヘッド寿命が増加す
るため、通電によるMRヘッドの信頼性劣化を防止する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の一実施例としてのMRヘッドの構造
を表わす正面図(磁気記録媒体との対向面から見た図)
である。アルミナTiC基板101の上に、下地膜とし
てのアルミナ膜102,下部磁気シールド膜としてのN
iFe膜103(厚さ4μm),下部ギャップ膜として
のアルミナ膜104,MR膜としてのNiFe膜10
5,電極膜としてのAu膜106,上部ギャップとして
のアルミナ膜107,上部磁気シールド膜としてのNi
Fe膜108(厚さ2μm),保護膜としてのアルミナ
膜109を表わしている。なお、図1中には示さない
が、MR膜部分の上または下に、バイアスを印加するた
めのシャント膜や永久磁石膜,軟磁性膜等、あるいは磁
区制御のための反強磁性膜や永久磁石膜等が存在してい
る場合でも、本発明の効果は損なわれない。また、この
MRヘッドの上部もしくは下部に、信号記録用の別のヘ
ッドを積層して用いる場合でも、本発明の効果は損なわ
れない。図1で示した構造のMRヘッドでは、下部磁気
シールド膜が上部磁気シールド膜より2μm厚いため、
上下部シールドとも同じ厚さ2μmのMRヘッドに比べ
て熱抵抗が約15%減少し、ヘッドの温度上昇を100
℃から85℃に抑制することができた。その結果、従来
より2.3 倍の長寿命化を達成することができた。
る。図1は本発明の一実施例としてのMRヘッドの構造
を表わす正面図(磁気記録媒体との対向面から見た図)
である。アルミナTiC基板101の上に、下地膜とし
てのアルミナ膜102,下部磁気シールド膜としてのN
iFe膜103(厚さ4μm),下部ギャップ膜として
のアルミナ膜104,MR膜としてのNiFe膜10
5,電極膜としてのAu膜106,上部ギャップとして
のアルミナ膜107,上部磁気シールド膜としてのNi
Fe膜108(厚さ2μm),保護膜としてのアルミナ
膜109を表わしている。なお、図1中には示さない
が、MR膜部分の上または下に、バイアスを印加するた
めのシャント膜や永久磁石膜,軟磁性膜等、あるいは磁
区制御のための反強磁性膜や永久磁石膜等が存在してい
る場合でも、本発明の効果は損なわれない。また、この
MRヘッドの上部もしくは下部に、信号記録用の別のヘ
ッドを積層して用いる場合でも、本発明の効果は損なわ
れない。図1で示した構造のMRヘッドでは、下部磁気
シールド膜が上部磁気シールド膜より2μm厚いため、
上下部シールドとも同じ厚さ2μmのMRヘッドに比べ
て熱抵抗が約15%減少し、ヘッドの温度上昇を100
℃から85℃に抑制することができた。その結果、従来
より2.3 倍の長寿命化を達成することができた。
【0015】図2は図1と同様の構造を持つMRヘッド
で、上部シールドの厚さを1μm及び2μmとしたとき
の、下部シールド厚さとヘッドの熱抵抗の関係を表わす
グラフである。前述のように、シールド厚さを大きくす
ることによりMRヘッドの熱抵抗は減少し、通電温度上
昇を有効に抑制することができる。特に下部シールドを
厚くすれば、温度抑制効果が大きくなる。
で、上部シールドの厚さを1μm及び2μmとしたとき
の、下部シールド厚さとヘッドの熱抵抗の関係を表わす
グラフである。前述のように、シールド厚さを大きくす
ることによりMRヘッドの熱抵抗は減少し、通電温度上
昇を有効に抑制することができる。特に下部シールドを
厚くすれば、温度抑制効果が大きくなる。
【0016】図3は本発明の別の実施例としてのMRヘ
ッドの構造を表わす正面図である。アルミナTiC基板
301の上に、良熱伝導膜としてのCu膜(厚さ2μ
m)302,下部磁気シールド膜としての非晶質CoT
aZr膜303(厚さ1μm),下部ギャップ膜としての
アルミナ膜304,MR膜としてのNiFe膜305,
電極膜としてのAu膜306,上部ギャップとしてのア
ルミナ膜307,上部磁気シールド膜としてのNiFe
膜308(厚さ1μm),保護膜としてのアルミナ膜3
09を表わしている。図1のヘッドとは異なり下地膜と
してのアルミナ膜がないため、信号検知部で発生した熱
がヘッドスライダに伝わりやすくなり、ヘッドの熱抵抗
をさらに低減できた。
ッドの構造を表わす正面図である。アルミナTiC基板
301の上に、良熱伝導膜としてのCu膜(厚さ2μ
m)302,下部磁気シールド膜としての非晶質CoT
aZr膜303(厚さ1μm),下部ギャップ膜としての
アルミナ膜304,MR膜としてのNiFe膜305,
電極膜としてのAu膜306,上部ギャップとしてのア
ルミナ膜307,上部磁気シールド膜としてのNiFe
膜308(厚さ1μm),保護膜としてのアルミナ膜3
09を表わしている。図1のヘッドとは異なり下地膜と
してのアルミナ膜がないため、信号検知部で発生した熱
がヘッドスライダに伝わりやすくなり、ヘッドの熱抵抗
をさらに低減できた。
【0017】図4はこの熱抵抗の低下を表わすグラフで
ある。図3で示したように下部シールドの下に金属膜を
設けて、それらの厚さの和を3μmとすると、金属膜を
設けない場合に比べて大きく熱抵抗を低減できる。ま
た、下地アルミナを無くすことにより、同様に熱抵抗を
低減できる。この様に、図3に示した構造のヘッドを採
用することにより、通電温度上昇を30%以上も抑制で
き、従来に比べて約6倍の長寿命化を達成することがで
きた。
ある。図3で示したように下部シールドの下に金属膜を
設けて、それらの厚さの和を3μmとすると、金属膜を
設けない場合に比べて大きく熱抵抗を低減できる。ま
た、下地アルミナを無くすことにより、同様に熱抵抗を
低減できる。この様に、図3に示した構造のヘッドを採
用することにより、通電温度上昇を30%以上も抑制で
き、従来に比べて約6倍の長寿命化を達成することがで
きた。
【0018】
【発明の効果】本発明により、複雑な構造や製造工程を
用いることなくMRヘッドの熱抵抗を低減でき、通電時
の有効な温度上昇抑制が可能となった。これにより、高
い信頼性を有する長寿命のMRヘッドが実現できた。
用いることなくMRヘッドの熱抵抗を低減でき、通電時
の有効な温度上昇抑制が可能となった。これにより、高
い信頼性を有する長寿命のMRヘッドが実現できた。
【図1】本発明の実施例としてのMRヘッドの構造を表
わす断面図。
わす断面図。
【図2】本発明の効果を表わすグラフ。
【図3】本発明の実施例としてのMRヘッドの構造を表
わす断面図。
わす断面図。
【図4】本発明の効果を表わすグラフ。
101…アルミナTiC基板、102,104,10
7,109…アルミナ膜、103,105,108…N
iFe膜、106…Au膜。
7,109…アルミナ膜、103,105,108…N
iFe膜、106…Au膜。
Claims (7)
- 【請求項1】磁気抵抗効果膜を含む信号検出部と、前記
信号検出部を挟んでヘッドスライダ側に順に配置された
下部磁気ギャップ膜及び下部磁気シールド膜と、前記信
号検出部を挟んで前記ヘッドスライダと反対側に順に配
置された上部磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド膜と
を有し、磁気媒体上に記録された情報を再生する磁気抵
抗効果ヘッドにおいて、 前記下部磁気シールド膜の厚さが前記上部磁気シールド
膜の厚さよりも大きいことを特徴とする磁気抵抗効果ヘ
ッド。 - 【請求項2】請求項1において、前記下部磁気シールド
膜と前記ヘッドスライダとが直接接している磁気抵抗効
果ヘッド。 - 【請求項3】磁気抵抗効果膜を含む信号検出部と、前記
信号検出部を挟んでヘッドスライダ側に順に配置された
下部磁気ギャップ膜及び下部磁気シールド膜と、前記信
号検出部を挟んでヘッドスライダと反対側に順に配置さ
れた上部磁気ギャップ膜及び上部磁気シールド膜とを有
し、磁気媒体上に記録された情報を再生する磁気抵抗効
果ヘッドにおいて、 前記下部磁気シールド膜と前記ヘッドスライダとの間に
少なくとも1層の金属膜が配置されていることを特徴と
する磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項4】請求項3において、前記下部磁気シールド
膜と前記金属膜の厚さの和が前記上部磁気シールド膜の
厚さよりも大きい磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項5】請求項3において、前記下部磁気シールド
膜と前記金属膜とが直接接している磁気抵抗効果ヘッ
ド。 - 【請求項6】請求項3において、前記金属膜と前記ヘッ
ドスライダとが直接接している磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項7】請求項1または3において、前記下部磁気
シールド膜と前記金属膜のいずれか、もしくは両方が非
晶質である磁気抵抗効果ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9834094A JPH07307010A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 磁気抵抗効果ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9834094A JPH07307010A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 磁気抵抗効果ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07307010A true JPH07307010A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14217180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9834094A Pending JPH07307010A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 磁気抵抗効果ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07307010A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5958612A (en) * | 1996-11-28 | 1999-09-28 | Nec Corporation | Magnetoresistive read transducer |
US7212382B2 (en) | 2003-06-04 | 2007-05-01 | Katsuhiko Otomo | Magnetic head including metallic material layer between write head section and read head section |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP9834094A patent/JPH07307010A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5958612A (en) * | 1996-11-28 | 1999-09-28 | Nec Corporation | Magnetoresistive read transducer |
US7212382B2 (en) | 2003-06-04 | 2007-05-01 | Katsuhiko Otomo | Magnetic head including metallic material layer between write head section and read head section |
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