JPH0730621U - 脱穀機の穀稈供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刈取上昇時、フィードチェンへの受継ぎに稈
コボレのない脱穀機の穀稈供給装置をうることを目的と
するものである。 【構成】 フィードチェンの送り始端側に穀稈の受継ぎ
ガイドバーを備えた構造において、受継ぎガイドバーを
その基端側を支点として揺動してフィードチェンに圧接
するように付勢し、かつその前部と後部とを２つ折れ曲
がり可能に連結してなる脱穀機の穀稈供給装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は例えば、縦及び補助搬送装置からフィードチェンへの穀稈受継ぎ時に穀 稈を案内する受継ぎガイドバーを備えた脱穀機の穀稈供給装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に受継ぎガイドは刈取部においてその基部を支持し、後部側の先端をフィ ードチェン送り始端側の搬送面に摺接させて、縦及び補助搬送装置からフィード チェンへの穀稈の受継ぎを良好に行わしめるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のものによると、刈取部の上昇位置と下降位置とでは図４に示す受継ぎガ イドバー（２３）とフィードチェン（５）との間の隙間（ａ）が変化し、高刈時 の刈取部の上昇位置では図５に示す如く受継ぎガイドバー（２３）とフィードチ ェン（５）との隙間（ａ）が広くなり、したがって稈コボレが発生する。 したがって刈取上昇時、フィードチェンへの受継ぎに稈コボレのない脱穀機の 穀稈供給装置をうることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本案は以上のような目的を達成するために次のような脱穀機の穀稈供給装置を 提供することを目的とするものである。 すなわち、フィードチェンの送り始端部に穀稈の受継ぎガイドバーを備えた構 造において、受継ぎガイドバーをその基端側を支点として揺動してフィードチェ ンに圧接するように附勢し、かつその前部と後部とを２つ折れ曲がり可能に連結 してなる脱穀機の穀稈供給装置である。

【０００５】

【作用】 受継ぎガイドバーの基端部側が刈取部の上昇下降に伴って変動しても受継ぎガ イドバーの後部側が２つ折り支点を中心として絶えずフィードチェンに圧接する ので受継ぎガイドバーとフィードチェンとの間に隙間を生ずることなく、したが って高刈時稈コボレはない。

【０００６】

【実施例】

以下図面に示す実施例について説明する。 先ず従来の脱穀機の穀稈供給装置について説明する。 図６はコンバインの全体説明図、図８は受継ぎガイド部の側面説明図であり、 図中（１）は走行クローラ（２）を装設するトラックフレーム、（３）は前記ト ラックフレーム（１）に架設する機台、（４）はフィードチェン（５）を左側に 張架し扱胴及び処理胴を内蔵している脱穀部、（６）は刈刃（７）及び穀稈搬送 機構（９）などを備える刈取部、（１０）は刈取フレーム（１１）を介して刈取 部（６）を昇降させる油圧シリンダ、（１２）はタンクの穀粒を機外に搬出する 排出オーガ、（１３）は運転操作部（１４）及び運転席（１５）を備える運転台 であり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。

【０００７】 図７にも示す如く、前記刈取部（６）は分草板（１４）を介し取入れられる未 刈り穀稈を起立させる５条用引起しケース（１５）と、この引起された穀稈の稈 元側及び穂先側を掻込むスターホイル（１６）及び掻込ベルト（１７）と、この 掻込時稈元側を切断する刈刃（７）と、切断後の穀稈の稈元側及び穂先側を後方 に向け搬送する株搬送チェン（１８）及び上部搬送体（１９）と、上部搬送体（ １９）の上方位置に配設して下部搬送チェン（１８）によって搬送される穀稈の 穂部を脱穀入口方向に搬送する穂先搬送体（２０）と、右下部搬送チェン（１８ ）の送り終端に合流する５条分の穀稈の稈元側を前記フィードチェン（５）の送 り始端に受継ぎ搬送する縦搬送チェン（２１）と、縦搬送チェン（２１）の送り 終端上方に配設してフィードチェン（５）に適正姿勢で穀稈を受継ぎさせる補助 搬送チェン（２２）とを備え、刈刃（７）によって刈取られた穀稈を各チェン（ １８）（２１）（２２）を介しフィードチェン（５）に受継ぎさせて脱穀部（４ ）に供給し脱穀処理をするように構成している。 そして、前記縦搬送チェン（２１）及び補助搬送チェン（２２）からフィードチ ェン（５）への穀稈受継ぎ時に穀稈を案内する受継ぎガイドバー（２３）を刈取 部（６）左側の前後方向に配設している。 前記受継ぎガイドバー（２３）は、刈取フレーム（１１）側に基端を固定する 背面視門形の刈取センサパイプ（２４）の左側固定ブラケット（２５）に、前部 側の基端折曲軸部を支持させると共に、フィードチェン（２５）の送り始端部の 搬送面に後部側のガイドバー（２３）先端を摺接させている。

【０００８】 以上のようなものによると刈取部（６）の高刈り時の上昇時、受継ぎガイドバ ー（２３）がフィードチェン（５）から離れて隙間が広くなり、稈コボレが発生 する。本案はこれを改良するものである。 図１において（２６）は例えば前記した刈取センサパイプ（２４）の左側固定 ブラケット（２５）に設けた受継ぎガイド支点であり、これに受継ぎガイドバー （２７）の前部が枢支され、ガイド支点（２６）における受継ぎガイドバー（２ ７）のボスから突設したアーム（２８）と刈取フレーム（１１）との間にスプリ ング（２９）が張設されている。 受継ぎガイドバー（２７）は前部（２７ａ）と後部（２７ｂ）とに２つ折れ曲 がり可能に連結されている。（３０）はその連結点であって、その具体的構造は 図３、に示されているように前部（２７ａ）に下方が開放された角形溝（３１） が形成され、これに後部（２７ｂ）先端の角形片（３２）が差し込まれ、ピン（ ３３）で折曲げ自在に連結した構造となっている。 前部（２７ａ）上にストッパー（３４）があり、このストッパー（３４）によ って受継ぎガイドバー（２７）が必要以上折曲がらないようになっている。 そしてこの連結ガイド支点（３０）に藁屑が引っかからないようにガイド支点部 外側にビニールパイプ（３５）をかぶせるようになっている。

【０００９】 したがって刈取部が上昇すると受継ぎガイド支点（２６）は図２に示すように 上がるが、これにつれて前部（２７ａ）は連結点（３０）を中心として上向き傾 斜をとる。その際、ストッパー（３４）によって必要以上に折曲がらず、後部（ ２７ｂ）はフィードチェン（５）にスプリング（２９）の附勢力により、圧接し たままで、受継ぎガイド（２７）とフィードチェン（５）との間に隙間を生せず 、稈コボレはない。そして穀稈の流れが連結点（３０）を上げようとしてもスプ リング（２９）の附勢力によって上がることはない。 何れにしても刈取部が最下位置からある以上上昇してもチェン山より受継ぎガ イド高さが低い位置に確保されて穀稈を乗せただけで送られるように隙間変化を 極力少なくしたため、稈コボレが防止される。 本案はフィードチェンと受継ぎガイドとの隙間変化が起こらない回動構造を採 用するものである。

【００１０】 なお、図１２に示すように作業者が座ってコンバインを操作する際、視界が悪 く分草板の先と引起ケースの上端が見られない場合がある。その際作業者は立姿 勢で作業することとなるが高齢者が長時間立ったまま作業するのは困難である。 椅子を前後スライドさせたり、上下調節する装置はあるが、これでは十分ではな い。そのため図９、図１０に示すように背もたれ（３６）を座椅子（３７）に対 して前後に揺動自在に座椅子（３７）に固定された回動軸に取付け回動軸両端に スプリングで附勢された菊座を設けると共にこれに噛合う菊座を背もたれの両側 面に設け、背もたれの菊座をハンドルレバー（３８）を回動させて揺動した位置 に背もたれが固定されるようにする。 そのため菊座に背もたれの立設位置と前倒し状態位置とに背もたれが固定できる ようにストッパーを設ける。しかも背もたれの上部は後方に突出した膨れ部（３ ６ａ）を設けて背もたれが前倒しの際、腰の当たる面積を広くとる。

【００１１】 以上の如く構成すると図９に示す如くハンドルレバー（３８）を右手で操作し て背もたれ（３６）を前倒し状態とし、この上部の広い当て部（３６ｂ）に作業 者が腰を当てて作業すれば前方が透視し易く長時間立った姿勢で作業しても疲れ ない。 以上何れにしても本案は受継ぎガイドバーを２つ折れ曲がり構造に構成して刈 取部の状態変化の如何にかかわらずフィードチェンと受継ぎガイドとの隙間変化 が起こらないようにしたものである。

【００１２】

【考案の効果】

本案のものによれば、受継ぎガイドバーを前部と後部との２つ折れ曲がり構造 にし、スプリングによってフィードチェンの圧接方向に受継ぎガイドバーを附勢 したので刈取部の状態変化の如何にかかわらずフィードチェンと受継ぎガイドと の隙間変化が起こらないから刈取上昇時の稈コボレはないし、刈初めの稈コボレ もない。又、脱穀入り口での搬送不良による３、４番ロスや手扱時の取り込み不 良が解消する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案装置の説明図

【図２】刈取上昇時の受継ぎガイドバーの状態説明図

【図３】受継ぎガイドバー連結部の分解斜面図

【図４】受継ぎガイドバーとフィードチェンとの相対関
係を示す説明図

【図５】刈取上昇時の受継ぎガイドバーとフィードチェ
ンとの相対関係を示す説明図

【図６】コンバインの全体側面図

【図７】刈取部の側面説明図

【図８】受継ぎガイド部の側面説明図

【図９】立姿勢状態説明図

【図１０】椅子の側面説明図

【図１１】椅子の斜面図

【図１２】座姿勢の説明図

【符号の説明】

５ フィードチェン 26 受継ぎガイドバーの支点 27 受継ぎガイドバー 28 アーム 29 スプリング 30 連結点 31 角形溝 32 角形片 33 ピン 34 ストッパー 35 ビニールパイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィードチェンの送り始端側に穀稈の受
   継ぎガイドバーを備えた構造において、受継ぎガイドバ
   ーをその基端部を支点として揺動してフィードチェンに
   圧接するように附勢され、かつその前部と後部とを２つ
   折れ曲がり可能に連結してなる脱穀機の穀稈供給装置。