JPH07306207A - 自動分析装置の試験片取出装置 - Google Patents

自動分析装置の試験片取出装置

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JPH07306207A
JPH07306207A JP6119687A JP11968794A JPH07306207A JP H07306207 A JPH07306207 A JP H07306207A JP 6119687 A JP6119687 A JP 6119687A JP 11968794 A JP11968794 A JP 11968794A JP H07306207 A JPH07306207 A JP H07306207A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試験片を１枚ずつ円滑に自動供給でき、例え
ば複数枚の試験片が収納された試験片ボトルを分析装置
にセットする場合には、特別な試験片を用意する必要が
なくボトルから試験片を直接取り出すこともできる試験
片取出装置を提供すること。 【構成】 複数の試験片１を収納した試験片ボトル１０
を着脱自在に支持するボトルホルダー１４と、ホルダー
１４に連結したモータ３２と、ホルダー１４の奥部２２
からボトル１０の中心軸と平行に伸び、長さ方向全体に
渡って形成されたガイド部２４上に吸引孔２６が形成さ
れたガイド部材２３と、ホルダー１４の溝１９に嵌合す
る爪２１と、ボトル１０に収納された試験片１を引き出
すエアーチャック２８と、チャック２８が取り付けられ
た移動子３９と、移動子３９に連結したモータ４１と、
チャック２８を下方に押し下げる押下アーム４２と、ア
ーム４２に連結したモータ４３と、を備えた自動分析装
置の試験片取出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動分析装置の試験片
取出装置に関し、更に詳しくは、試験片を円滑に自動供
給することができ、例えば、市販されている複数枚の試
験片が収納された試験片ボトルをそのまま分析装置にセ
ットする場合には、分析装置用に特別な試験片を用意す
る必要がなく、試験片ボトルから試験片を直接取り出す
ことができる自動分析装置の試験片取出装置に関する。
【０００２】
【従来技術】従来、尿などの検体の複数の分析項目を簡
便に検査するために、しばしば試験片が用いられてい
る。試験片１は、図１３に示すように、細長いプラスチ
ック製ストリップ２の一端部に、試薬を含浸させた試験
パッド３を複数個貼着し、他端部には把持部４を形成し
たものであり、検体中に浸漬させて試験パッド３を呈色
させ、分析装置によって試験パッド３の呈色強度を測定
して各検体成分の分析を行っている。
【０００３】このような試験片を自動的に取り扱う分析
装置としては、特開昭６１−９１５７１号公報記載の装
置があり、この自動分析装置は、ホッパー内に試験片を
投入し、ホッパー底部をスライドさせて、試験片をホッ
パー外へ移動させるスライドベース方式のものである。
しかしながら、試験片をホッパー外へ移動させるとき
に、ホッパー壁と底部の間に試験片が引掛かりやすく円
滑な動作が妨げられる。また複数の試験片を収納した試
験片ボトルから試験片を取り出してホッパー内に投入す
る作業が必要である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、試験片を１
枚ずつ円滑に自動供給することができ、例えば、市販さ
れている複数枚の試験片が収納された試験片ボトルをそ
のまま分析装置にセットする場合には、分析装置用に特
別な試験片を用意する必要がなく、試験片ボトルから試
験片を直接取り出すこともできる自動分析装置の試験片
取出装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決しようとする手段】本発明の自動分析装置
の試験片取出装置は、図１〜図８に示すように、複数の
試験片１を収納した試験片ボトル１０を着脱自在に支持
し、外周方向に内部まで貫通した溝１９が形成され、該
溝１９とつながった試験片取出部２５が長さ方向に形成
されたボトルホルダー１４と、該ボトルホルダー１４に
連結したボトル回転用モータ３２と、該ボトルホルダー
１４の奥部２２から該試験片ボトル１０の中心軸と平行
に伸び、長さ方向全体に渡って略Ｌ字状のガイド部２４
が形成され、該試験片取出部２５に隣接した該ガイド部
２４上には試験片１を吸着する吸引孔２６が形成された
ガイド部材２３と、該ボトルホルダー１４の溝１９に嵌
合する爪２１と、該試験片ボトル１０に収納された試験
片１を引き出すための吸引孔３７を設けたエアーチャッ
ク２８と、該エアーチャック２８が取り付けられた移動
子３９と、該移動子３９にガイドバー４０を介して連結
した試験片引出用モータ４１と、該エアーチャック２８
を下方に押し下げる押下アーム４２と、該押圧アーム４
２にシャフト４４を介して連結したエアーチャック押下
用モータ４３と、を備えたことを特徴とする。
【０００６】また本発明の別の自動分析装置の試験片取
出装置は、図９〜図１２に示すように、複数の試験片１
を収納した試験片ボトル１０を着脱自在に支持するボト
ルホルダー５０と、該ボトルホルダー５０に連結したボ
トル回転用モータ５８と、該ボトルホルダー５０の底部
の外周全体に取り付けられたＯリング６３と、該Ｏリン
グ６３に接触して該ボトルホルダー５０を自転回転させ
る回転補助板６４と、該試験片ボトル１０に収納した試
験片１を引き出すための吸引孔６９を設けたエアーチャ
ック６７と、該エアーチャック６７が上下動可能に取り
付けられた移動子７６と、該移動子７６にガイドバー７
９を介して連結した試験片引出用モータ８４と、該エア
ーチャック６７にシャフト８３を介して連結したエアー
チャック押下用モータ８０と、該エアーチャック６７の
試験片吸着部の両側面に配置され、該エアーチャック６
７の上下移動に伴って開閉するフラッパ７８と、該試験
片ボトル１０が回転して開口部１２が移動する領域から
離間した位置に設けられた曲面状の受け板６５及び線状
体６６と、を備えたことを特徴とする。
【０００７】
【作用】本発明の試験片取出装置は、複数の試験片１が
収納された試験片ボトル１０をそのまま分析装置にセッ
トし、試験片１を試験片ボトル１０から直接引き出すこ
とができる。しかも試験片ボトル１０内の乾燥剤１１を
気密チャンバー１３内の乾燥に使用できる。試験片ボト
ル１０は、その深さが試験片１の長さよりも僅かに大き
くなるように形成され、かつその径は、試験片１の長さ
よりも小さく形成されているので、把持部４が開口部１
２を向くように試験片１が収納された試験片ボトル１０
を回転運動させても、試験片１が試験片ボトル１０内で
無秩序に攪拌・移動して試験片１の試験パッド３が開口
部１２を向くことはない。
【０００８】図１〜図８に示した試験片取出装置の場
合、試験片ボトル１０は、ボトルホルダー１４の奥部２
２まで嵌め込まれずに略半分の位置まで嵌め込まれ、か
つ試験片ボトル１０が嵌め込まれた後、図２のＡの位置
まで一度持ち上げられ、常時は水平面より略５〜１０度
底部が持ち上がっているので、試験片ボトル１０をボト
ルホルダー１４に嵌め込むだけで、試験片１の把持部４
だけが開口部１２から競り出して奥部２２に達する。
【０００９】試験片ボトル１０が自転往復回転すると、
試験片１は、その長さ方向とほぼ直交する方向に移動し
て、ガイド部材２３のガイド部２４に試験片１が滑り込
む。枠２０に軸動可能に取り付けられた爪２１は、ボト
ルホルダー１４の自転往復回転により溝１９に侵入し、
ガイド部２４に滑り込んだ試験片１をガイド部２４に押
し込み、かつガイド部２４に滑り込んだ余分な試験片１
を掻き出す。
【００１０】ガイド部２４に試験片１が吸着されたか否
かの判別は、ガイド部２４に設けられた吸引孔２６から
吸引される空気の真空度を測定して判別する。すなわ
ち、ガイド部２４に試験片１が吸着されている場合は、
真空度は上昇し、一方試験片１が吸着されない場合は、
真空度が上昇しないので簡単に判別できる。
【００１１】ガイド部２４に滑り込んだ試験片１は、吸
引孔２６に吸着されるので、試験片ボトル１０が自転往
復回転してもガイド部２４から滑り落ちることはない。
ガイド部２４に２枚以上の複数の試験片が滑り込んで
も、試験片１は吸引孔２６に１枚しか吸着されないの
で、爪２１によるガイド部２４への押し込みと余分な試
験片の掻き出しと試験片ボトル１０の自転往復回転によ
り、余分な試験片１は滑り落ちて１枚だけがガイド部２
４に吸着される。したがって、試験片ボトル１０から１
枚ずつ試験片１を引き出すことができる。
【００１２】ガイド部２４に斜めに吸着された試験片１
は、試験片取出部２５を通すことによってエアーチャッ
ク２８に平行に整列される。試験片１がガイド部２４に
吸着されなかった場合には、試験片ボトル１０の自転往
復回転を繰り返すことにより、ガイド部２４に試験片１
を滑り込ませるので、確実に試験片１を引き出すことが
できる。
【００１３】図９〜図１２に記載した試験片取出装置の
場合、曲面状の受け板６５及び線状体６６が、軸５６を
中心とする回転により試験片ボトル１０の開口部１２が
移動する領域から所定距離離間した位置に設けられてい
るので、試験片ボトル１０が下方を向いても、試験片１
の把持部４が所定の長さだけ開口部１２から競り出るだ
けで、試験片１が試験片ボトル１０から完全に飛び出す
ことはない。
【００１４】エアーチャック６７が試験片１を吸着でき
たか否かの判別は、吸引孔６７から吸引される空気の真
空度により２段階に行われる。第１段階は、試験片１が
２枚吸着されていたり斜めに吸着されている場合に、エ
アーチャック６７の２つの吸引孔６９を完全に塞いでい
ないことが想定されるので、低レベルの真空度で判定
し、第２段階は、フラッパ７８を閉じて試験片１をエア
ーチャック６７に平行に整列させた後は、高レベルの真
空度で判定する。判定レベルは、イニシャライズ動作時
に、真空ポンプの到達真空度とエアーチャックの吸引孔
が開放された状態の真空度を測定して最適値に設定され
る。
【００１５】エアーチャック６７に斜めに吸着された試
験片１は、フラッパ７８を閉じることによりエアーチャ
ック６７に平行に整列される。試験片１が、斜めに重な
り合ってエアーチャック６７に２枚以上吸着された場
合、フラッパ７８を閉じると、エアーチャック６７の吸
着面に吸着された試験片１以外は、エアーチャック６７
に吸着されないので、余分な試験片１は試験片ボトル１
０内に落とされて１枚だけ引き出すことができる。
【００１６】軸５６を中心として試験片ボトル１０が回
転すると、ボトルホルダー５０の底部の外周全体に渡っ
て取り付けられたＯリング６３は、回転補助板６４と接
触して試験片ボトル１０は自転回転する。試験片ボトル
１０の自転回転により、試験片１は、攪拌・移動して試
験片ボトル１０の中心軸に対して平行に向くように整列
され、エアーチャック６７に吸着され易い状態になる。
【００１７】
【実施例】本発明の自動分析装置の試験片取出装置の一
実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１〜図８に
示すように、円筒状の試験片ボトル１０は、把持部４が
開口部１２を向いた複数の試験片１及びモレキュラーシ
ーブなどの乾燥剤１１が収納された試験片収納ボトルか
ら乾燥剤１１及び蓋を取り除いたものである。試験片ボ
トル１０の深さは、試験片１の長さよりも僅かに大きく
なるように形成され、かつ試験片ボトル１０の径は、試
験片１の長さよりも小さく形成されている。試験片ボト
ル１０から取り出した乾燥剤１１は、ポケット９に配置
してチャンバー１３内の除湿を行う。
【００１８】試験片ボトル１０は、その開口部１２側が
ボトルホルダー１４の奥部２２まで嵌め込まれないで略
半分の位置まで嵌め込まれ、かつ周壁片１５と周壁片１
５との間隙に設けられた押圧部材１６により着脱自在に
支持される。ボトルホルダー１４に嵌め込まれた試験片
ボトル１０は、その底部が水平面より略５〜１０度持ち
上がっている。ボトルガイド１７は、試験片ボトル１０
をボトルホルダー１４に嵌め込み易いように、ボトルホ
ルダー１４の下部周壁片１５に取り付けられている。
【００１９】ボトル押え１８は、試験片ボトル１０がボ
トルホルダー１４嵌め込まれると、試験片ボトル１０の
底部に接触し、嵌め合い状態を目視で確認できるように
ボトルガイド１７に取り付けられている。試験片ボトル
１０の開口部１２と奥部２２との間のボトルホルダー１
４の上部には、その外周方向に試験片ボトル１０内部ま
で貫通した溝１９が形成されている。枠２０に軸動可能
に取り付けられた爪２１は、図示しないバネにより試験
片ボトル１０の外周面に押圧され、ボトルホルダー１４
の自転往復回転により溝１９に侵入・嵌合する。
【００２０】長尺状のガイド部材２３は、奥部２２から
試験片ボトル１０の中心軸に平行に設けられている。ガ
イド部材２３は、試験片ボトル１０の深さよりも短か
く、かつ長さ方向全体に渡って略Ｌ字状に切り欠かかれ
たガイド部２４が形成されている。ボトルホルダー１４
の上部には、溝１９とつながった試験片取出部２５がそ
の長さ方向に形成されている。試験片取出部２５の幅
は、試験片１の幅よりも若干広く形成されている。
【００２１】ガイド部材２３の外周面は、ボトルホルダ
ー１４の周壁片１５との間に試験片ボトル１０が嵌め込
めるように曲面になっている。吸引孔２６は、試験片取
出部２５に隣接したガイド部２４上に形成され、ボトル
ホルダー１４及びウォーム歯車２７に形成された吸引孔
と連通し、さらに図示しない真空ポンプと連結してい
る。
【００２２】ボトルホルダー１４は、ウォーム歯車２
７、ウォーム３０、ベルト３１及びプーリー４６からな
る伝動部材を介してボトル回転用モータ３２が連結して
いる。ベアリング４８を介してボトルホルダー１４に取
り付けられた枠３３は、ウォーム３０と同軸に配置され
たシャフト３４の一端が取り付けられ、シャフト３４の
他端は歯車３５及び歯車４７を介してモータ３６と連結
している。
【００２３】エアーチャック２８は、図示しない真空ポ
ンプに吸引チューブ３８を介して連結した吸引孔３７が
形成されている。エアーチャック２８は、上下方向に移
動可能に移動子３９に取り付けられ、バネ９５により上
方に付勢されている。エアーチャック２８の吸着部の幅
は、試験片１の幅と略同一の幅である。移動子３９は、
ネジ部が形成されたガイドバー４０と螺合し、ガイドバ
ー４０の一端は、移動子３９が左右方向に移動可能とな
るように試験片引出用モータ４１と連結している。
【００２４】エアーチャック２８の上方には、２つのエ
アーチャック押下アーム４２が、エアーチャック押下用
モータ４３と連結したシャフト４４に取り付けられてい
る。１つの押下アーム４２は、試験片１を吸着して試験
片ボトル１０から引き出す位置の上方に配置され、もう
１つの押下アーム４２は、試験片１を搬送ステージ４５
に供給する位置の上方に配置されている。移動子３９の
下端には、フラグ４９が取り付けらていて、チャンバー
１３の壁には、移動子３９の動作範囲を制限するリミッ
トスイッチ９０及び９１が取り付けられている。
【００２５】本発明の試験片取出装置の別の実施例を以
下に詳細に説明する。図９〜図１２に示すように、試験
片ボトル１０は、その底部側がボトルホルダー５０に嵌
め込まれ、かつ周壁片５１と周壁片５１との間隙に設け
られた押圧部材５２により着脱自在に支持される。ボト
ルホルダー５０は、軸５３を介して略Ｌ字状のホルダー
アーム５４の一端に取り付けられ、軸５３を中心に回転
自在である。ホルダーアーム５４の他端は、大歯車５５
の軸５６に取り付けられている。
【００２６】大歯車５５に螺合する小歯車５７は、ボト
ル回転用モータ５８の軸に連結している。フラグ５９及
び６０は、ホルダーアーム５４に取りつけられ、チャン
バー１３の壁には、ボトルホルダー１４の回転範囲を制
限するリミットスイッチ６１及び６２が取り付けられて
いる。ボトルホルダー５０の底部には、外周全体にＯリ
ング６３が取り付けられ、ボトルホルダー５０の下方に
は、Ｏリング６３と接触する回転補助板６４が取りつけ
られている。ボトルホルダー５０の下方には、曲面状の
受け板６５及び線状体６６が、試験片ボトル１０の回転
により開口部１２が移動する領域から所定距離離間した
位置に設けられている。
【００２７】エアーチャック６７は、図示しない真空ポ
ンプに吸引チューブ６８を介して連結した吸引孔６９が
形成されている。エアーチャック６７の試験片吸着部の
幅は、試験片１の幅と略同一の幅である。スライダ７１
は、エアーチャック６７のアーム部７０上端が取り付け
らている。スライダ７２は、スライダ７１の上方に配置
され、スライダ７１とバネ７３で連結されている。スラ
イダ７１および７２は、垂直方向に伸びたシャフト７４
及び７５が貫通し、アーム部７０に貫挿されたバネ８５
により上方に付勢され、上下動可能である。
【００２８】シャフト７４の一端は、移動子７６に固定
され、他端はフラッパ保持部材７７に固定されている。
シャフト７５は、一端が移動子７６にスライド可能に取
り付けられ、他端はフラッパ保持部材７７に取り付けら
れたフラッパ７８に連結している。スライダー７１に
は、上至点を規定する図示しないメカニカルストッパが
設けられていて、図１０に示す位置より上方には移動し
ないが、スライダ７２は更に上方に移動可能で、スライ
ダ７２が更に上方に移動するとシャフト７５を持ち上げ
てフラッパ７８を閉じる。フラグ９２は、移動子７６の
下端に取り付けられ、チャンバー１３の壁には、移動子
７６の移動範囲を制限するリミットスイッチ９３及び９
４が取り付けられている。
【００２９】フラッパ７８は、エアーチャック６７に吸
着された試験片１を平行に整列させるように、エアーチ
ャック６７の試験片吸着部の両側面に配置されている。
移動子７６は、ネジ部が形成されたガイドバー７９と螺
合し、ガイドバー７９の一端は試験片引出用モータ８４
に連結している。スライダ７１は、ラック８１が取り付
けられている。ラック８１は、移動子７６に取り付けら
れた歯車８２に噛合する。シャフト８３は、その一端に
歯車８６及び８７を介して、エアーチャック押下用モー
タ８０が連結され、移動子７６を貫通し、長さ方向全体
に渡って図示しない溝が形成されている。歯車８２に
は、溝を転がる図示しない針状コロが取り付けられてい
る。
【００３０】本発明の試験片取出装置を用いて試験片を
試験片ボトルから取り出す操作を、以下に説明する。先
ず、把持部４が開口部１２側を向くように、試験片１が
収納された試験片収納ボトルから蓋を取り除き、チャン
バー１３のドアを開け、乾燥剤１１を試験片収納ボトル
内から取り出してチャンバー１３内のポケット９に配置
する。
【００３１】次に、図１〜図８に示した試験片取出装置
の場合、試験片ボトル１０の開口部１２側をボトルホル
ダー１４に嵌め込んでセットする。試験片ボトル１０を
ボトルホルダー１４に嵌め込むと、図２のＡの位置まで
試験片ボトル１０が一度持ち上げられ、かつ水平面より
略５〜１０度試験片ボトル１０の底部が持ち上がってい
るので、試験片１の把持部４が開口部１２から競り出
し、ボトルホルダー１４の奥部２２に達する。次いでボ
トル回転用モータ３２を作動させて、ボトルホルダー１
４を時計方向及び反時計方向に、１〜数回自転往復回転
させる。
【００３２】すなわち、自転往復回転させることによ
り、試験片１は、長さ方向とほぼ直交する方向に移動し
て、ガイド部２４に試験片１が滑り込む。滑り込んだ試
験片１は、爪２１によりガイド部２４に押し込まれる。
ガイド部２４に試験片１が２枚以上滑り込んだ場合は、
爪２１によるガイド部２４への押し込みと余分な試験片
の掻き出しと試験片ボトル１０の自転往復回転により、
余分な試験片１は振り落とされて１枚の試験片のみがガ
イド部２４に吸着される。試験片１がガイド部２４に保
持できなかった場合には、さらに動作を繰り返す。
【００３３】次いで、試験片引出用モータ４１が作動
し、移動子３９が移動し、エアーチャック２８が試験片
取出部２５に侵入すると、エアーチャック押下用モータ
４３が作動して、押圧アーム４２によりエアーチャック
２８を下方に押し下げる。次いで、試験片１をエアーチ
ャック２８に吸着させて試験片ボトル１０から引き出
し、試験片１を搬送ステージ４５まで移送させた後、試
験片１の吸着を停止して試験片１を搬送ステージ４５上
に配置する。
【００３４】エアーチャック２８に試験片１が吸着され
たか否かの判別は、吸引孔３７から吸引される空気の真
空度を測定して行われる。試験片１を試験片ボトル１０
から引き出すと、ボトル回転用モータ３２が作動してボ
トルホルダー１４の自転回動が始まり、次の試験片の取
り出し操作に入る。また試験片の取り出し操作を数回繰
り返した後、モータ３２を作動させて略４０度試験片ボ
トル１０の底部を持ち上げて（図２のＡの位置）、試験
片ボトル内の試験片１をボトルホルダー１４の奥部２２
側に移動させる。
【００３５】図９〜図１２に示した試験片取出装置の試
験片の引き出し操作について以下に説明する。斜め上方
から試験片ボトル１０の底部側をボトルホルダー５０に
嵌め込んでセットした後（図１０のＡの位置）、ボトル
回転用モータ５８を作動させ、試験片ボトル１０を軸５
６を中心に回転させる。Ｏリング６３は、ボトルホルダ
ー５０の下方のチャンバー１３の底部に取り付けられた
回転補助板６４と接触し、試験片ボトル１０は、軸５３
を中心に自転回転する。自転回転により、試験片１が試
験片ボトル１０内で攪拌・移動する。
【００３６】試験片ボトル１０が軸５６を中心に回転
し、開口部１２が斜め下方を向くと、試験片１の把持部
４が開口部１２から競り出す。しかしながら、試験片１
は、受け板６５及び線状体６６により、試験片ボトル１
０から完全に飛び出すことはない。開口部１２が略４５
度斜め下を向いた位置までくると（図１０のＢの位
置）、ボトル回転用モータ５８の回転は、フラグ５９と
リミットスイッチ６１により一旦停止後、作動して試験
片ボトル１０が逆方向に回転し、試験片ボトル１０が水
平状態に保持される位置でモータ５８が停止する。この
時、試験片１の把持部４は、所定長さだけ開口部１２か
ら競り出している。
【００３７】次いで、試験片引出用モータ８４が作動
し、開口部１２から競り出した試験片１の把持部４の位
置までエアーチャック６７を移動させた後、モータ８４
は停止する。試験片ボトル１０内の試験片１の位置は、
試験片の残数と試験片の種類により変化するので、エア
ーチャック６７の位置は、それに応じて設定変化させれ
ばよい。次いでエアーチャック押下用モータ８０が作動
し、エアーチャック６７が下降する。試験片１を吸着
後、モータ８０を逆回転させてエアーチャック６７を元
の位置まで上昇させ、更にモータ８０を回転させてフラ
ッパ７８を閉じて試験片１をエアーチャック６７に平行
に整列する。次いで、モータ８０を正回転させてフラッ
パ７８を開く。
【００３８】次に、試験片引出用モータ８４が作動して
試験片１を搬送ステージ４５まで移送させた後、試験片
１の吸着を停止して試験片１を搬送ステージ４５上に配
置する。試験片１を試験片ボトル１０から取り出すと、
ボトル回転用モータ５８が作動し、開口部１２が斜め下
略４５度の位置まで試験片ボトル１０を自転往復回転さ
せて、次の試験片の取り出し操作に入る。以上の操作を
繰り返すことにより、試験片を連続して自動的に取り出
すことができる。
【００３９】なお上記した試験片取出操作を数回繰り返
した後、ボトル回転用モータ５８が作動して、試験片ボ
トル１０を軸５６を中心に回転させ、Ｏリング６３と回
転補助板６４との接触により試験片ボトル１０を自転回
転させて試験片ボトル１０内の試験片１を攪拌・移動さ
せる。最初に試験片ボトル１０をセットした位置（図１
５のＡの位置）まで試験片ボトル１４が移動すると、モ
ータ５８は、フラグ６０とリミットスイッチ６２により
停止する。
【００４０】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、市販の試験片ボトルを分析装置にそのま
まセットせず、複数本の試験片ボトルの内容を収納しう
る大型容器に移しかえて利用する場合にも適用すること
ができる。
【００４１】
【発明の効果】本発明によれば、試験片の２枚どりを防
止して１枚ずつ確実に供給でき、試験片の取り出す確率
を高めることができるので試験片を円滑に自動供給でき
る。例えば、市販されている複数枚の試験片が収納され
た試験片ボトルを、そのまま分析装置にセットする場合
には、分析装置用に特別な試験片を用意する必要がな
く、かつ試験片ボトルから試験片を直接取り出すことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の試験片取出装置の一実施例の平面図で
ある。
【図２】図１の装置の側面図である。
【図３】図１の装置の要部斜視図である。
【図４】図１の装置の要部断面図である。
【図５】図１の装置にかかるガイド部材の平面図であ
る。
【図６】図５のガイド部材の側面図である。
【図７】図５の装置の要部背面図である。
【図８】図１の装置にかかる要部正面図である。
【図９】本発明の試験片取出装置の別の実施例の平面図
である。
【図１０】図９の装置の側面図である。
【図１１】図９の装置の要部斜視図である。
【図１２】図９の装置にかかる要部正面図である。
【図１３】試験片の斜視図である。
【符号の説明】
１ 試験片 １０ 試験片ボトル １４ ボトルホルダー １９ 溝 ２１ 爪 ２２ 奥部 ２３ ガイド部材 ２４ ガイド部 ２５ 試験片取出部 ２６ 吸引孔 ２８ エアーチャック ３２ ボトル回転用モータ ３７ 吸引孔 ３９ 移動子 ４１ 試験片引出用モータ ４２ 押下アーム ４３ エアーチャック押下用モータ ５０ ボトルホルダー ５８ ボトル回転用モータ ６３ Ｏリング ６４ 回転補助板 ６５ 受け板 ６７ エアーチャック ６９ 吸引孔 ７６ 移動子 ７８ フラッパ ８０ エアーチャック押下用モータ ８４ 試験片引出用モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 複数の試験片を収納した試験片ボトルを
    着脱自在に支持し、外周方向に内部まで貫通した溝が形
    成され、該溝とつながった試験片取出部が長さ方向に形
    成されたボトルホルダーと、 該ボトルホルダーに連結したボトル回転用モータと、 該ボトルホルダーの奥部から該試験片ボトルの中心軸と
    平行に伸び、長さ方向全体に渡って略Ｌ字状のガイド部
    が形成され、該試験片取出部に隣接した該ガイド部上に
    は試験片を吸着する吸引孔が形成されたガイド部材と、 該ボトルホルダーの溝に嵌合する爪と、 該試験片ボトルに収納された試験片を引き出すための吸
    引孔を設けたエアーチャックと、 該エアーチャックが取り付けられた移動子と、 該移動子にガイドバーを介して連結した試験片引出用モ
    ータと、 該エアーチャックを下方に押し下げる押下アームと、 該押圧アームにシャフトを介して連結したエアーチャッ
    ク押下用モータと、を備えたことを特徴とする自動分析
    装置の試験片取出装置。
  2. 【請求項２】 複数の試験片を収納した試験片ボトルを
    着脱自在に支持するボトルホルダーと、 該ボトルホルダーに連結したボトル回転用モータと、 該ボトルホルダーの底部の外周全体に取り付けられたＯ
    リングと、 該Ｏリングに接触して該ボトルホルダーを自転回転させ
    る回転補助板と、 該試験片ボトルに収納した試験片を引き出すための吸引
    孔を設けたエアーチャックと、 該エアーチャックが上下動可能に取り付けられた移動子
    と、 該移動子にガイドバーを介して連結した試験片引出用モ
    ータと、 該エアーチャックにシャフトを介して連結したエアーチ
    ャック押下用モータと、 該エアーチャックの試験片吸着部の両側面に配置され、
    該エアーチャックの上下移動に伴って開閉するフラッパ
    と、 該試験片ボトルが回転して開口部が移動する領域から離
    間した位置に設けられた曲面状の受け板及び線状体と、
    を備えたことを特徴とする自動分析装置の試験片取出装
    置。
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