JPH0730547Y2 - テープカートリッジの収納ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、テープカートリッジの収納ケースに係り、特
にカートリッジの底よりテープ供給リールの下端面部が
突出している形態のテープカートリッジを収納するため
の収納ケースに関する。

〔従来の技術〕

この種の収納ケースに収納されるテープカートリッジと
しては第３図および第４図に示すごときVHS−Ｃ型のも
のがある。このテープカートリッジＡはカートリッジケ
ース１の内部左右にテープ２の供給リール３と巻取リー
ル４を回転自在に配置している。これらリール３・４は
各上フランジ５・６の中心部がケース上壁1aの内面側に
取付けているリール押えばね７の押圧作用を受けて下方
に押し下げ付勢されている。テープ巻取リール４の下フ
ランジ８の円周ギヤ8aの一部はカートリッジケース１の
側壁９の下部に設けた切欠部10に露出させて、ビデオカ
メラ等に装填したときビデオカメラ側のギヤが該ギヤ8a
に噛合できるようにしてある。

第５図に示すように、テープ供給リール３はこれの胴部
11の基準面となる下端面部11aがケース底壁1bの開口12
から下方へ突出するように収容されている。その下端面
部11aのケース底壁1bの外底面1cからの突出量αは0.5〜
1.0mm程度である。これは、このテープカートリッジＡ
がVHS方式のアダプタに装着して使用される場合前記下
端面部11aがアダプタ側のケース底壁の外底面と面一に
なるよう臨ませる必要上、そのアダプタのケース底壁の
肉厚分を考慮したためである。

かかるテープカートリッジＡの収納ケースＢとしては、
例えば、第５図に示されているようにその身15側の内底
面18aに突条部13を設け、この突条部13の上にテープカ
ートリッジＡのケース底壁1bの外底面1cを当接させると
いう、いわばテープカートリッジＡを底上げ状態に収納
することにより、テープ供給リール３の下端面部11aが
身15側の内底面18aに当接することのないようにしたも
のがある。（実公平１−18542号公報）。

したがって、このようなテープカートリッジＡの収納保
管状態の下では、テープ供給リール３は収納ケースＢの
内底面18a上でリール押えばね７の押圧力に抗して開口1
2内に押し込まれるようなことが避けられる。そのた
め、テープ供給リール３が押し込まれることにより生じ
るテープ２の弛みやリール押えばね７の早期疲労の原因
となるといった、問題を解消することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記のようにテープカートリッジＡが収納ケー
スＢ内に突条部13の支持下で底上げ状態に収納されるも
のでは、その収納ケースＢの全高ｈが突条部13の内底面
18aからの突出高さｘ分だけ大きくなり、収納ケースＢ
を多く積み重ねて保存するに伴いこれの保存スペースの
拡大を招いていた。

本考案はこうした問題を解消するためになされたもの
で、上記のようなテープカートリッジの収納ケースにお
いて、テープ供給リールの下端面部の収納ケースの内底
面への当接を避ける手段に改善を加えることにより、収
納ケースの全高を薄形化し、その保存スペースの狭小化
を図ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の収納ケースでは、例えば第１図に示すように、
テープカートリッジＡを収納する身15と、これに開閉自
在に枢着された蓋17とからなるが、その身15は内底面18
aから前述した従来の突条部13を除去してこの内底面18a
上に直接テープカートリッジＡの外底面1cが当接するよ
うにする一方、外底面1cから下方へ突出するテープ供給
リール３の下端面部11aは前記内底面18aの一部に設けた
凹部28に入り込ませて内底面18aとの当接を避けるよう
にしたものである。

〔作用〕 しかるときは、この収納ケースＢの全高ｈ′は、第５図
に示すごとくテープカートリッジＡのケース底壁1bの外
底面1cを身15の突条部13の上に当接させる収納形態を探
る場合における（ｈ−ｘ）に相当することになり、突条
部13の突出高さｘ分だけ、薄くすることが可能となる。

〔考案の効果〕

本考案の収納ケースによれば、身15の内底面18aに従来
の突条部13を設けるに代えて、下端面11aのみを入り込
ませる凹部28を設けるという簡単な手段で、収納ケース
Ｂの全高ｈ′を薄くでき、収納ケースＢの保存スペース
を狭小化できて有利である。

〔実施例〕

第１図および第２図は本考案に係るテープカートリッジ
の収納ケースの一実施例を示す。

この収納ケースＢは、プラスチック製の身15と、これに
枢軸16まわりに回動自在に枢着された蓋17とからなる。
身15は矩形の底壁18の左右側端および後側端から左右側
壁19・20および後側壁21を立設している。蓋17は、矩形
の上壁22の前側端および左右側端から前側壁23および左
右側壁24・25を立設しており、これら左右側壁24・25は
身15の左右側壁19・20の外側に嵌め込まれて、蓋17の左
右側壁24・25の後部または身15の側壁19・20の後部のい
ずれか一方から突設した枢軸16を他方に設けた軸孔26に
嵌入することにより、蓋17が身15に対し枢軸16まわりに
開閉回動自在である。

上記身15の底壁18の内底面18a上の中央部より一側壁20
寄り箇所には、この内底面18a上にテープカートリッジ
Ａのケース底壁1bの外底面1cを当接させたとき、テープ
供給リール３の下端面部11aの中央の軸穴29に嵌合して
そのリール３の回り止めを図るためのボス27が突設され
ている。そして、この底壁18の内底面18a上のボス27の
周囲には、テープ供給リール３の下端面部11aの外径よ
り大きく、かつ該下端面部11aのケース底壁1bからの突
出量αと同等か、それよりも少し深い深さをもつ凹部28
を形成している。

このように、収納ケースＢの身15に対しテープカートリ
ッジＡをこれのケース底壁1bの外底面1cが身15の内底面
18a上に当接し、テープ供給リール３の下端面部11aが凹
部28に入り込むようにした場合は、収納ケースＢの全高
ｈ′は、第５図に示す突条部13の突出高さｘ分だけ、薄
くすることが可能となった。

もっとも、テープ供給リール３の下端面部11aは凹部28
に入り込ませて内底面18aとの当接を避けているため、
その当接により生じるテープ２の弛みやリール押えばね
７の早期疲労を解消できる機能は十分に発揮できること
は言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係る収納ケースの一実施
例を示しており、 第１図はテープカートリッジを収納した状態で示す要部
の断面図、 第２図は開蓋状態で示す斜視図である。 第３図ないし第５図は従来例を示しており、第３図は対
象のテープカートリッジの一部を切り欠いて示す内部平
面図、 第４図はテープカートリッジを底側から見た斜視図、 第５図はテープカートリッジを収納した状態を示す収納
ケースの一部の断面図である。 Ａ……テープカートリッジ、Ｂ……収納ケース、１……
カートリッジケース、1b……ケース底壁、２……テー
プ、３……テープ供給リール、11……胴部、15……身、
17……蓋、18a……内底面、28……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カートリッジケース（１）内にテープ供給
   リール（３）がこれの胴部（11）の下端面部（11a）を
   ケース底壁（1b）の外底面（1c）から下方へ突出するよ
   うに収容されているテープカートリッジ（Ａ）を収納す
   るための収納ケースであって、 身（15）と、これに開閉自在に枢着された蓋（17）とか
   らなり、 身（15）の内底面（18a）に前記下端面部（11a）が入り
   込む凹部（28）が形成されており、 凹部（28）を除く内底面（18a）には前記外底面（1c）
   が面接当するようにしてあることを特徴とするテープカ
   ートリッジの収納ケース。