JPH07305193A - 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents

多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH07305193A
JPH07305193A JP9441194A JP9441194A JPH07305193A JP H07305193 A JPH07305193 A JP H07305193A JP 9441194 A JP9441194 A JP 9441194A JP 9441194 A JP9441194 A JP 9441194A JP H07305193 A JPH07305193 A JP H07305193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
steel sheet
layer
bath
plated steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9441194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3330729B2 (ja
Inventor
Ryoichi Yoshihara
吉原良一
Tokiji Shirakawa
白川時次
Yoshiaki Iwamoto
岩本芳昭
Masahiro Doi
土井雅博
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP09441194A priority Critical patent/JP3330729B2/ja
Publication of JPH07305193A publication Critical patent/JPH07305193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3330729B2 publication Critical patent/JP3330729B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気ブリキラインで、外観均一性に優れた多
層メッキ鋼板を製造する方法、並びにこの多層メッキ鋼
板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法を提供す
る。 【構成】 不溶性陽極を用いた電気ブリキラインではメ
ッキ浴のみの変更で容易に多層メッキが可能である。フ
ェロスタン浴によるSnメッキの上に、種類の異なる金
属を重ねて連続メッキする場合に、問題となるのがメッ
キ液の混入である。特に、フェロスタン浴には光沢剤と
して有機物が含まれており、この有機物は水洗タンクを
経由して上層のメッキ浴に混入し、微量でもメッキ不良
を引き起す。本発明では、上層メッキ浴をフェロスタン
Snメッキ浴と同系統のフェノールスルフォン酸ベース
とし、更に光沢剤を添加したメッキ浴とすることによ
り、連続電気ブリキラインでのメッキ液混入の問題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不溶性陽極を使用した連
続電気ブリキラインにおいてSnを主体とする多層ある
いは熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気ブリキラインはPSA(フェノール
スルフォン酸)を主体とするフェロスタンラインと塩化
物を主体とするハロゲンラインに大別される。近年で
は、更に高生産性の不溶性陽極を使用するフェロスタン
ラインが稼働しており、また、排水公害の少ないMSA
(メタンスルフォン酸)あるいはASA(アルカノール
スルフォン酸)浴を用いるメッキ方法も新たに開発され
ている。
【0003】このように不溶性陽極を用いることによ
り、陽極交換の煩雑さを解消するだけでなく、メッキ金
属の種類をメッキ浴のみで変更することが容易となり、
多層メッキ化が可能となる。
【0004】Snの上にZnメッキを行なって多層メッ
キとしたもの、更には、熱処理によって合金化させた表
面処理鋼板としては特公昭53−47216があり、下
層にZnメッキを施しZn/Sn/Zn3層メッキする
ものとして特公昭55−12192がある。また、特開
昭63−266089、特開昭63−290292、特
開平2−270970、特開平3−183796、特開
平3−291386ではNi/Sn/Znの多層メッキ
後、リフロー熱拡散処理によってZn−Sn−Ni合金
メッキ皮膜を形成させた電子部品用表面処理鋼板が開発
されている。更に、Snの上にNiメッキを施したもの
として、特公昭63−18676がある。
【0005】これらの出願には製造方法の限定はなされ
ておらず、実施例からは一般の電気ブリキラインを想定
した製造方法が記述されており、Zn,Sn,Niの各
メッキ浴は、ZnとNiメッキ浴が硫酸浴、Snがフェ
ロスタン浴並びに塩化物浴を用いる方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、連続電気メッ
キラインにおいて異なる金属種を多層メッキする場合に
問題となるのがメッキ浴の混入である。通常では、1つ
のメッキが終了すれば、水洗工程を設けてメッキ浴を洗
浄しなければならないが、長時間の製造では水洗タンク
も汚染され、水洗タンクを介して次工程のメッキ浴を汚
染し、メッキ不良を引き起こす。特に、フェロスタンS
nメッキ浴にはメッキ光沢剤としてEN及び又はENS
Aが添加されており、このような有機物は水洗され難い
ためSnメッキ後のメッキ表面に残留あるいは再付着し
て次工程の上層メッキの均一性を阻害したり、メッキ不
良や外観ムラの原因となる。
【0007】特開平4−63294では、このような弊
害を解消するために上層Znメッキ浴中の有機物濃度を
100ppm以下に制御する装置が提案されている。
【0008】また、電気ブリキラインでは光沢外観を得
るために、リフロー加熱処理の直前にフェロスタンSn
メッキ浴を希釈したフラックス液を塗布する方法が一般
的に使用されている。多層メッキの場合、特に、電子部
品用途では外観光沢が問題となるものがあり、リフロー
前のフラックス処理が必須となる。しかしながら、従来
の硫酸浴ベースのZnメッキを最上層とする場合はフラ
ックス液にZnメッキ浴の硫酸が混入する可能性があ
り、フラックス液の浴組成の管理が必須となる。本発明
はこのようなフェロスタンSnメッキ浴のような光沢剤
を含んだ酸性Snメッキ浴を用いて電気Snメッキを行
った後に、更に、連続的に他のメッキを重ねる場合にお
いて、メッキ浴の混入によるメッキ不良や煩雑な管理体
制の問題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について詳
細に述べる。本発明は不溶性陽極を使用する電気ブリキ
(フェロスタン等の酸性Snメッキ浴を用いたもの)ラ
インにおいて、Snメッキの上にSnとは異なる金属を
多層メッキする場合、上層の異種金属のメッキ浴をSn
メッキと同一の酸成分と光沢剤をベースとすることに特
徴があり、また、多層メッキ後、熱処理によって合金化
させるものの中で、光沢外観が必要なものについては、
更に下層Snメッキ浴と同一の酸成分単独或は上記酸成
分と光沢剤から成るフラックス液を使用することに特徴
がある。
【0010】Snメッキの上に異種金属を多層メッキす
るものについては、特公昭53−47216、特公昭6
3−18676、特開昭63−266089、特開昭6
3−290292、特開平2−270970、特開平3
−183796、特開平3−291386等があるが、
製造方法については、特許請求の中には何も記載されて
おらず、本文中並びに実施例から、現行のフェロスタン
電気ブリキラインまたはハロゲンラインを用いて、Ni
メッキについては硫酸浴もしくはワット浴、Snメッキ
はフェロスタン浴、Znメッキは硫酸浴を用いて製造す
る一般的な方法が記述されている。
【0011】このように連続電気メッキラインで異なる
金属を多層メッキする際に問題となるのがメッキ浴の混
入であり、特に、例えばフェロスタンタイプのSnメッ
キ浴を使用し、その上層のメッキに硫酸浴を用いる場合
には、Snメッキ後に水洗タンクを設けたとしても、長
時間の製造では水洗タンクにSnメッキ浴の主成分であ
るPSAと光沢剤であるEN及び又はENSAが混入
し、これが更に、次工程の上層のメッキ浴にも混入して
行く。
【0012】その結果、上層メッキ浴へのSnメッキ浴
成分の混入によって上層のメッキ不良が発生したとえ、
水洗を行ったとしてもSnメッキ層上に残留するPSA
及びEN及び又はENSAによって上層メッキに外観ム
ラを生じる。また、特に電子部品用途のZn−Sn−N
i熱拡散型表面処理鋼板では、光沢外観が問題となる場
合があり、その場合には、光沢並びにZnの拡散が阻害
され、光沢不良が発生する。
【0013】本発明は先ず上層メッキのムラ防止と上層
メッキ浴の汚染管理を緩和するため、上層メッキ浴を一
般的な硫酸浴ではなく、Snメッキ浴と同一の酸成分と
光沢剤で構成することによって相互のメッキ浴の混入の
問題を解決した。更に、光沢外観が要求される熱拡散型
のZn−Sn−Ni合金メッキ鋼板に対しては、リフロ
ー加熱拡散処理前にSnメッキ浴と同一の酸成分或は上
記酸成分と光沢剤を含む水溶液に浸漬させることによっ
て、Znメッキの表層酸化皮膜の形成を抑制し、光沢外
観と良好なZnの拡散状態をもたらすものである。
【0014】以下、本発明の請求範囲に述べた限定範囲
について説明する。
【0015】メッキ浴については、Snメッキ浴は鋼板
の連続メッキに用いられるフェロスタン浴、MSA浴、
ASA浴等の酸性Snメッキ浴に限定する。これは、他
にハロゲンSnメッキ浴もあるが、不溶性陽極を用いる
ことが不可能であるため、電気ブリキラインにおいて多
層メッキを行うためにメッキ金属を変更する場合にはメ
ッキ浴の交換だけで容易に切り替えることが不可能とな
るため、実用性に乏しい理由がある。
【0016】Snの上層メッキのメッキ浴が本発明のポ
イントであり、一般的には硫酸浴が用いられるが、多層
メッキとして例えばフェロスタン浴を用いたSnメッキ
の上に他種の上層メッキを連続的に行う場合には、2種
類のメッキ工程の間に水洗を設けたとしても、Snメッ
キ浴のSnイオンとPSA及び光沢剤のEN及び又はE
NSAが水洗タンクを経由して上層メッキ浴中に混入し
特にEN及び又はENSAは数PPMの極微量の混入で
上層メッキの不良を引き起こす。また、水洗について
も、上層メッキ前にSnメッキ表面に付着したSnメッ
キ浴を均一に完全洗浄することは困難であり、特に、E
N及び又はENSAの完全除去は不可能であり、Snメ
ッキ表面に微量ではあるが残留し、これが上層メッキに
外観ムラを発生させる要因となり、とりわけ、光沢のあ
る低粗度のメッキ原板を用いた場合に顕著となる。
【0017】これらの現象は、MSAあるいはASAに
光沢剤を添加した浴を用いた場合も同様に生じる。
【0018】このような問題点を解決するため本発明で
は、従来にはないPSA,MSA,ASA等の下層Sn
メッキ浴と同一の酸成分と光沢剤を主体とした上層メッ
キ浴を開発した。メッキ浴の組成としては金属イオン;
10〜200(g/l)、酸濃度;10〜200(g/
l)、光沢剤;0.01〜10.0(g/l)の範囲で
あり、各々の上下限は以下のとおり限定するものであ
る。
【0019】金属イオン濃度の下限は金属イオン種(メ
ッキ種)、例えばZn,Ni等により若干の差はある
が、基本的にはメッキ電流効率とメッキ外観によって限
定され、10(g/l)が下限である。上限は特に、メ
ッキ品質には関係しないが、経済性の点から200(g
/l)とする。酸成分濃度も同様に下限はメッキ外観、
上限は経済性から決定される。光沢剤については下地S
nメッキ浴からの光沢剤の混入の影響を考慮すれば、
0.01(g/l)以上の光沢剤濃度を確保してやれ
ば、上層メッキの外観は良好となる。上限に対しては、
メッキ品質の制約は特にないが、経済性から10.0
(g/l)とする。
【0020】光沢剤の種類については、下層メッキ浴と
同一の種類が浴管理上好ましいが、EN又はENSAで
あれば下層メッキ浴と上層メッキ浴とで異なっていても
特に問題はない。
【0021】その他のメッキ条件である浴温度は一般的
な電気メッキ浴の温度範囲である25〜60℃であり、
特に限定するものではないが、40〜55℃がメッキ外
観、電流効率の点から望ましい。また、メッキ電流密度
についても特に限定はなく、一般的な電気ブリキライン
において操業可能な数〜数十(A/dm2 )が望まし
い。
【0022】次に、加熱処理後の表面光沢に関してであ
るが、一般に、ブリキの製造においては加熱処理前にフ
ラックス処理と称する工程があり、ここで、Snメッキ
浴を希釈した溶液にメッキ鋼板を浸漬させることによっ
て加熱処理後の光沢外観を得る方法が用いられている。
従来の製造方法のように上層メッキに硫酸浴を用いた場
合には、加熱処理前のフラックスタンクに入れる溶液が
問題となる。本願のような熱拡散型のSn系合金メッキ
皮膜はSnの比率が高く、基本的にはブリキと同じフラ
ックスが有効である。しかしながら、上層メッキ浴が硫
酸浴であるとSO4 2- イオンの混入があり、安定した光
沢外観が得られず、フラックス溶液濃度の管理が煩雑と
なり、溶液寿命も短くなる。
【0023】従って、本願発明のようにSnメッキ浴と
同一の酸成分を主体とする上層メッキ浴を用いれば、上
記のようなSO4 2- イオンの混入の問題は全くなくな
り、安定した光沢が得られる。また、フラックスをSn
メッキ浴と同一の酸成分主体の溶液とすることにより、
濃度管理も容易となって寿命も半永久的となる。
【0024】フラックス溶液の組成については、Snメ
ッキ浴と同一の酸成分0.1〜100(g/l)或は上
記酸成分0.1〜100(g/l)、光沢剤10(g/
l)以下である。酸成分の下限については各上層メッキ
とSnメッキ皮膜の状態並びに加熱処理方法・条件によ
って異なるが、光沢が得られる最低レベルとして0.1
(g/l)以上必要であり、上限については特に規制は
ないが経済性から100(g/l)程度までが望まし
い。光沢剤の有無はリフロー後の光沢外観に特に大きな
影響を及ぼさないものの、上層メッキ浴からの混入を最
大限考慮すると10(g/l)以下となる。光沢剤の種
類については上層メッキ浴と同一の種類が溶液管理上好
ましいが、EN又はENSAであれば上層メッキ浴とフ
ラックス溶液とで異っていても問題はない。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の内容を説明
する。
【0026】実施例−1 通常の方法で冷間圧延、及び焼鈍された低炭素冷延鋼板
(表面粗度:0.25μRa ブライト仕様)に通常の
方法で脱脂・酸洗を行った後、順に(1)に示す処理条
件でSnメッキ、(2)に示す条件でZnメッキを施し
た後、各種評価試験に供した。各メッキの付着量は夫々
Sn=3.0(g/m2 ),Zn=0.5(g/m2
とし、夫々のメッキの間にはスプレー水洗とロール絞ぼ
りを行った。
【0027】(1)Snメッキ 浴条件 Sn2+:20〜30g/l PSA(フェノールスルフォン酸):20〜30g/l EN(エトキシ化α−ナフトールスルフォン酸):2〜
3g/l メッキ条件 浴温度:35〜45℃ 電流密度:2〜30A/dm2 (2)Znメッキ 浴条件 Zn2+:20〜50g/l PSA:50〜100g/l EN:1〜5g/l メッキ条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:5〜30A/dm2
【0028】実施例−2 通常の方法で冷間圧延、及び焼鈍された低炭素冷延鋼板
(表面粗度:0.25μRa ブライト仕様)に通常の
方法で脱脂・酸洗を行った後、順に(3)に示す処理条
件でSnメッキ、(2)に示す条件でZnメッキを施し
た後、各種評価試験に供した。各メッキの付着量は夫々
Sn=3.0(g/m2 ),Zn=0.5(g/m2
とし、夫々のメッキの間にはスプレー水洗とロール絞ぼ
りを行った。 (3)Snメッキ 浴条件 Sn2+:20〜30g/l MSA(メタンスルフォン酸):20〜50g/l EN+ENSA:2〜3g/l メッキ条件 浴温度:35〜45℃ 電流密度:2〜30A/dm2
【0029】実施例−3 通常の方法で冷間圧延、及び焼鈍された低炭素冷延鋼板
(表面粗度:0.25μRa ブライト仕様)に通常の
方法で脱脂・酸洗を行った後、順に(4)に示す処理条
件でSnメッキ、(2)に示す条件でZnメッキを施し
た後、各種評価試験に供した。各メッキの付着量は夫々
Sn=3.0(g/m2 ),Zn=0.5(g/m2
とし、夫々のメッキの間にはスプレー水洗とロール絞ぼ
りを行った。 (4)Snメッキ 浴条件 Sn2+:20〜30g/l ASA(2−ヒドロキシエタン−1−スルフォン酸):
20〜50g/l EN:2〜3g/l メッキ条件 浴温度:35〜45℃ 電流密度:2〜30A/dm2
【0030】実施例−4 実施例−1においてSnメッキとその上にZnメッキを
行なった後、引き続いて通電抵抗加熱方式によって鋼板
表面温度250〜350℃で0.5秒以上の加熱処理を
大気中で実施し、メッキ層表層にSn−Zn二元合金、
地鉄との界面にFe−Sn合金を形成させた後、各種評
価試験に供した。
【0031】実施例−5 実施例−4において抵抗加熱処理前に以下に示す浴組成
の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の条件は全
て実施例−4と同じである。 (5)フラックス液 浴条件 PSA:0.1〜10g/l EN:0.1〜5g/l 処理条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:0A/dm2 (浸漬のみ5秒程度)。
【0032】実施例−6 実施例−2において抵抗加熱処理前に以下に示す浴組成
の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の条件は全
て実施例−2と同じである。 (6)フラックス液 浴条件 MSA:0.1〜10g/l EN+ENSA:0.1〜5g/l 処理条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:0A/dm2 (浸漬のみ5秒程度)。
【0033】実施例−7 実施例−3において抵抗加熱処理前に以下に示す浴組成
の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の条件は全
て実施例−3と同じである。 (7)フラックス液 浴条件 ASA:0.1〜10g/l EN:0.1〜5g/l 処理条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:0A/dm2 (浸漬のみ5秒程度)。
【0034】実施例−8 実施例−1においてZnメッキの代わりに(8)に示す
Niメッキを行なったものであり他の条件は全て実施例
−1と同じである。Niメッキの付着量は1.0(g/
2 )とした。 (8)Niメッキ 浴条件 Ni2+:20〜50g/l PSA:50〜100g/l EN:1〜5g/l メッキ条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:5〜30A/dm2
【0035】実施例−9 実施例−8においてSnメッキとその上にNiメッキを
行なった後、引き続いて通電抵抗加熱方式によって鋼板
表面温度250〜350℃で0.5秒以上の加熱処理を
大気中で実施し、メッキ層表層にSn−Ni二元合金、
地鉄との界面にFe−Sn合金を形成させた後、各種評
価試験に供した。
【0036】実施例−10 実施例−9において抵抗加熱処理前に実施例−5に示す
浴組成の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の条
件は全て実施例−9と同じである。
【0037】実施例−11 通常の方法で冷間圧延、及び焼鈍された低炭素冷延鋼板
(表面粗度:0.25μRa ブライト仕様)に通常の
方法で脱脂・酸洗を行った後、Snメッキの下地に
(9)に示すZnメッキを行なった後に(1)に示す処
理条件でSnメッキ、(2)に示す条件でZnメッキを
3層に施した後、各種評価試験に供した。各メッキの付
着量は夫々、下地Zn=1.0(g/m2 ),Sn=
3.0(g/m2 ),上層Zn=0.5(g/m2 )と
し、夫々のメッキの間にはスプレー水洗とロール絞ぼり
を行った。 (9)Znメッキ 浴条件 ZnSO4 ・7H2 O:200〜400g/l Na2 SO4 :50〜150g/l メッキ条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:5〜30A/dm2
【0038】実施例−12 通常の方法で冷間圧延、及び焼鈍された低炭素冷延鋼板
(表面粗度:0.25μRa ブライト仕様)に通常の
方法で脱脂・酸洗を行った後、Snメッキの下地に(1
0)に示すNiメッキを行なった後に(1)に示す処理
条件でSnメッキ、(2)に示す条件でZnメッキを3
層に施した後、通電抵抗加熱方式によって鋼板表面温度
250〜350℃で0.5秒以上の加熱処理を大気中で
実施し、メッキ層表層にSn−Zn二元合金、メッキ層
内部にZn−Ni、Sn−Ni二元合金並びにFe−S
n合金を形成させたものを各種評価試験に供した。各メ
ッキの付着量は夫々、Ni=0.5(g/m2 ),Sn
=3.0(g/m2 ),Zn=0.5(g/m2 )と
し、夫々のメッキの間にはスプレー水洗とロール絞ぼり
を行った。 (10)Niメッキ 浴条件 NiSO4 ・7H2 O:200g/l H3 BO3 :40g/l メッキ条件 浴温度:40〜50℃ 電流密度:5〜30A/dm2
【0039】実施例−13 実施例−12において抵抗加熱処理前に実施例−3に示
す浴組成の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の
条件は全て実施例−12と同じである。
【0040】実施例−14 実施例−12においてZnメッキ浴を(4)に示すAS
A浴にて行なったものであり他の条件は全て実施例−1
2と同じである。
【0041】実施例−15 実施例−14において抵抗加熱処理前に実施例−7に示
す浴組成の溶液中に浸漬処理を行ったものであり、他の
条件は全て実施例−14と同じである。
【0042】比較例−1 実施例−1においてZnメッキ浴を実施例−1の(2)
に替えて実施例−11に示す(9)の硫酸浴とした実施
例であり、その他の項目は実施例−1と同じである。
【0043】比較例−2 実施例−2においてZnメッキ浴を比較例−1と同じ硫
酸浴(9)に替えたものであり、他の条件は全て実施例
−2と同じである。
【0044】比較例−3 実施例−3においてZnメッキ浴を比較例−1と同じ硫
酸浴(9)に替えたものであり、他の条件は全て実施例
−3と同じである。
【0045】比較例−4 実施例−8においてNiメッキ浴を実施例−12の(1
0)に替えたものであり、他の条件は全て実施例−8と
同じである。
【0046】比較例−5 実施例−11においてSnメッキ後のZnメッキ浴を比
較例−1と同じ硫酸浴(9)に替えたものであり、他の
条件は全て実施例−11と同じである。
【0047】比較例−6 実施例−13においてSnメッキ後のZnメッキ浴を比
較例−1と同じ硫酸浴(9)に替えたものであり、他の
条件は全て実施例−13と同じである。
【0048】以上、本発明実施例、比較例を以下に示す
(a)〜(c)の評価テストに供し、特性を比較した。
【0049】(a)表面外観判定 メッキ鋼板の表面外観の判定は目視によって行ない、外
観の均一性をムラの発生比率として表し、5%以下を
○、5〜25%を△、25%以上を×とした。
【0050】(b)表面光沢度測定 メッキ鋼板の表面光沢度は光沢度計を用いて測定し、7
0以上を◎、60以上を○、60〜50を△、50以下
を×とした。
【0051】(c)Znの拡散度評価 Zn−Sn−Ni3層熱拡散合金メッキ鋼板のZnの拡
散についてはGDS(Grim−Grow Disch
arge Spectroscopy)を用いてメッキ
層の構成元素の深さ方向分布を測定し、図1(c)に示
すように熱処理後のZnが表面層にかなりの量が残存し
ているものを×、図1(b)に示す様にメッキ層内部の
地鉄との界面にまで十分拡散された状態のものを○、両
者の中間的な状態を△とした。
【0052】以上、テスト結果を第一表にまとめて示し
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明は不溶性陽極を
用いた連続電気ブリキラインにおいて例えばフェロスタ
ン浴を用いてSnメッキを施し、更に該Snメッキの下
層または上層に異なる種類のメッキを重ねてメッキする
際に、外観の均一性と光沢度に優れた表面処理鋼板の供
給を可能とするとともに、製造技術面からも生産性の向
上と製造コストの低減を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】各条件におけるZn−Sn−Ni合金皮膜のG
DSによる深さ方向の構成元素分布を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井雅博 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性陽極を用いた連続電気ブリキ(メ
    ッキ)ラインで異種金属の多層メッキ鋼板を製造する方
    法において、光沢剤が添加された酸性Snメッキ浴を用
    いてSnメッキを施し、更にSnメッキの上にSnと異
    なる金属を重ねてメッキする際に、メッキ浴を上記Sn
    メッキ浴と同一成分の酸10〜200g/l、光沢剤
    0.01〜10.0g/l、金属イオン濃度10〜20
    0g/lとすることを特徴とする外観均一性に優れた多
    層メッキ鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 多層メッキが、Snメッキとこの上層の
    Snと異なる金属メッキとよりなる2層メッキであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の外観均一性に優れた多
    層メッキ鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 多層メッキが、Snメッキの下層のSn
    と異なる金属メッキとSnメッキとこの上層のSnと異
    なる金属メッキとよりなる3層メッキであることを特徴
    とする請求項1に記載の外観均一性に優れた多層メッキ
    鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 2層メッキのSnメッキ上層のSnと異
    なるメッキ金属がZn,Niのいずれかであることを特
    徴とする請求項2に記載の外観均一性に優れた多層メッ
    キ鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 3層メッキのSnメッキ下層のSnと異
    なるメッキ金属がZn,Niのいずれかであり、Snメ
    ッキ上層のSnと異なるメッキ金属がZnであることを
    特徴とする請求項3に記載の外観均一性に優れた多層メ
    ッキ鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかの項に記載の方
    法で得た多層メッキ鋼板を、引き続き連続電気ブリキ
    (メッキ)ラインにおいて、加熱処理によって多層メッ
    キ層を合金化させることを特徴とする外観均一性の優れ
    た熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5の何れかの項に記載の方
    法で得た多層メッキ鋼板を、引き続き連続電気ブリキ
    (メッキ)ラインにおいて、Snメッキ浴と同一成分の
    酸が0.1〜100g/lのフラックス水溶液、或は、
    Snメッキ浴と同一成分の酸が0.1〜100g/l、
    光沢剤が10g/l以下のフラックス水溶液に浸漬処理
    後、加熱処理によって多層メッキ層を合金化させること
    を特徴とする外観均一性と光沢度に優れた熱拡散型合金
    メッキ鋼板の製造方法。
JP09441194A 1994-05-06 1994-05-06 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP3330729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09441194A JP3330729B2 (ja) 1994-05-06 1994-05-06 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09441194A JP3330729B2 (ja) 1994-05-06 1994-05-06 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07305193A true JPH07305193A (ja) 1995-11-21
JP3330729B2 JP3330729B2 (ja) 2002-09-30

Family

ID=14109511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09441194A Expired - Lifetime JP3330729B2 (ja) 1994-05-06 1994-05-06 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3330729B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100695372B1 (ko) * 2000-02-28 2007-03-15 산요덴키가부시키가이샤 도금 방법
KR100695373B1 (ko) * 2000-02-28 2007-03-15 산요덴키가부시키가이샤 도금 장치
JP2012046827A (ja) * 2011-11-18 2012-03-08 Fujitsu Ltd めっき皮膜及びその形成方法並びに電子部品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100695372B1 (ko) * 2000-02-28 2007-03-15 산요덴키가부시키가이샤 도금 방법
KR100695373B1 (ko) * 2000-02-28 2007-03-15 산요덴키가부시키가이샤 도금 장치
CN1307327C (zh) * 2000-02-28 2007-03-28 古河电气工业株式会社 电镀方法
JP2012046827A (ja) * 2011-11-18 2012-03-08 Fujitsu Ltd めっき皮膜及びその形成方法並びに電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3330729B2 (ja) 2002-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4601957A (en) Method for producing a thin tin and nickel plated steel sheet for welded can material
US3108006A (en) Plating on aluminum
TWI438784B (zh) Conductive member and manufacturing method thereof
US2274963A (en) Process for plating tin and tin alloys
JPH07305193A (ja) 多層メッキ鋼板の製造方法、並びに多層メッキ鋼板を用いた熱拡散型合金メッキ鋼板の製造方法
AU718314B2 (en) Method for tin-plating and tin-plating bath having wide optimum current density range
JPS62297491A (ja) 容器用電解クロムメツキ鋼板の製造法
Gamburg et al. Technologies for the electrodeposition of metals and alloys: electrolytes and processes
JPH0366397B2 (ja)
JP4492364B2 (ja) めっき外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR100359240B1 (ko) 용접성이 우수한 표면처리방법
JPH02243793A (ja) 錫および錫合金めっき材の製造方法
JP2018044190A (ja) 亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3124233B2 (ja) 耐糸錆性および耐塗膜下腐食性に優れた溶接缶用表面処理鋼板およびその製造方法
KR100429152B1 (ko) 용접성이 우수한 용접관용 표면처리강판의 제조방법
JP2629506B2 (ja) 表面光沢に優れた電気薄錫メッキ鋼板の製造方法
KR100299318B1 (ko) 용접성이우수한주석크롬도금강판의제조방법
JP2007239063A (ja) Sn−Znメッキ鋼板の製造方法
JP3822704B2 (ja) 溶接性、耐食性、外観性及び密着性に優れた溶接缶用鋼板の製造方法
JPH03207887A (ja) 溶接缶用めっき鋼板の製造方法
JPH06132634A (ja) プリント配線板の硫酸銅めっき方法
GB2180257A (en) Thin tin and nickel plated steel sheet for welded can material
KR19980037667A (ko) 표면광택 및 내식성이 우수한 전기주석 도금강판의 제조방법
JPH02255285A (ja) 鉛複合鋼板の製造法
JP2006233279A (ja) シーム溶接性に優れた表面処理鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070719

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130719

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term