JPH07305138A - ブレーキ部品 - Google Patents

ブレーキ部品

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JPH07305138A
JPH07305138A JP9766794A JP9766794A JPH07305138A JP H07305138 A JPH07305138 A JP H07305138A JP 9766794 A JP9766794 A JP 9766794A JP 9766794 A JP9766794 A JP 9766794A JP H07305138 A JPH07305138 A JP H07305138A
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JP
Japan
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brake
brake parts
tensile strength
less
wear
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JP9766794A
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English (en)
Inventor
Takahiro Satou
高浩 佐藤
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Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレーキ性能として、ブレーキ振動や鳴きの点
ばかりでなく、ブレーキの効きや摩耗の点でも満足でき
るブレーキ部品を提供する。 【構成】ブレーキ部品は、C:3.8%以上及びSi:
1.6〜2.6%でかつ炭素当量(CE値):4.9%
以下、Mn:0.4〜1.2%、P:0.1%以下、
S:0.15%以下、Cr:0.1〜0.25%、S
n:0.01〜0.05%並びにFe:実質残部であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブレーキロータ、ブレー
キドラム等のブレーキ部品(以下、単にブレーキ部品と
いう。)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエンジンの高速化や欧州、中近東
等の特定地域での車両の過酷な使用等に伴い、ブレーキ
部品は、摺動面の部分的加熱によるヒートスポットや偏
摩耗により肉厚差を生じ、これによりブレーキ振動が発
生することがある。また、ブレーキ部品の鳴き(ブレー
キノイズ)も従来からの懸念事項である。
【0003】かかる実情の下、従来、特開平3−232
943号公報には高減衰能鋳鉄部品からなるブレーキ部
品が開示されている。このブレーキ部品は、重量%で
(以下、同様。)、炭素当量(CE値=C(%)+Si
/3(%)):4.3〜4.9%、Mn:0.4〜1.
2%、P:0.1%以下、S:0.15%以下、Cr:
0.25〜0.5%、Sn:0.05〜0.12%並び
にFe:実質残部である。
【0004】また、特開平5−214480号公報には
他のブレーキ部品が開示されている。このブレーキ部品
は、C:3.5〜3.90%及びSi:2.3〜3.0
%でかつCE値:4.3〜4.7%、Mn:0.7〜
1.1%、P:0.05%未満、S:0.08〜0.1
2%、Cu:0.7〜1.2%並びにFe:実質残部で
ある。
【0005】これらブレーキ部品では、各公報によれ
ば、高い減衰性により、ブレーキ振動や鳴きを低減する
ことが可能になると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記各公報記
載のブレーキ部品では、いずれもブレーキ性能として、
ブレーキ振動や鳴きの改善を主に考えており、ブレーキ
の効きや摩耗に対してはさほど考慮していない。すなわ
ち、特開平3−232943号公報記載のブレーキ部品
では、引張強さを確保する目的の下、Cr:0.25〜
0.5%、Sn:0.05〜0.12%を添加してい
る。また、特開平5−214480号公報記載のブレー
キ部品においても、Cu:0.7〜1.2%を添加して
いる。ところが、本発明者の試験結果によれば、これら
Cr、Sn又はCuの合金元素の添加量の増加により、
硬度、つまり引張強さは向上するものの、脆くなり、摩
耗量の増加や摩擦係数の低下を招いてしまう。
【0007】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、ブレーキ性能として、ブレーキ振動や
鳴きの点ばかりでなく、ブレーキの効きや摩耗の点でも
満足できるブレーキ部品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
下、CE値と引張強さとの相関関係について鋭意研究を
重ねるとともに合金元素の添加量を調整することによ
り、引張強さが低下せず、かつ熱拡散率、減衰性、摩耗
量及び摩擦係数に優れた範囲を発見し、本発明を完成し
た。すなわち、請求項1記載のブレーキ部品は、重量%
で、C:3.8%以上及びSi:1.6〜2.6%でか
つCE値:4.9%以下、Mn:0.4〜1.2%、
P:0.1%以下、S:0.15%以下、Cr:0.1
〜0.25%、Sn:0.01〜0.05%並びにF
e:実質残部であることを特徴とする。
【0009】請求項2記載のブレーキ部品は、請求項1
記載のブレーキ部品において、組織は片状黒鉛が晶出し
たパーライトであり、晶出黒鉛の面積率は18〜28
%、平均長さが70〜150μmであることを特徴とす
る。以下、各元素の割合の限定理由について詳述する。 〔C:3.8%以上及びSi:1.6〜2.6%でかつ
CE値:4.9%以下〕CE値(CE値=C(%)+1
/3・Si(%))は晶出黒鉛に影響を与える。つま
り、C(黒鉛)量の増加に従い、減衰性は向上し、熱伝
動率も向上する。耐ヒートスポットに効果のある熱拡散
率を0.16(cm2 /秒)以上にするには、C:3.
8%以上必要である。
【0010】一方、Cの増加は、引張強さを著しく低下
させることが一般的に知られている。しかし、その挙動
を詳しく調べてみると、CE値4.5%近傍で低下が一
旦停止することを確認した。また、合金元素の添加によ
り、CE値が4.9%まで安定した引張強さが得られ
る。CE値が4.9%を超えると、組織のバラツキによ
り、引張強さが不安定となる。
【0011】こうして、請求項2のブレーキ部品では、
晶出した片状黒鉛の面積率が18〜28%、晶出黒鉛の
平均長さが70〜150μmであれば、晶出した黒鉛が
細く、かつ組織がパーライトであるため、引張強さが確
保されている。片状黒鉛の面積率が28%を超えれば、
機械的強度が十分でない。また、Si量が低い程、熱拡
散率は一般的良好であり、引張強さが向上する。しか
し、Si量が1.6%未満では組織のチル化傾向を示
す。また、Si量が2.6%を超えると、熱拡散率が悪
化する。
【0012】このため、C:3.8%以上及びSi:
1.6〜2.6%でかつCE値:4.9%以下とする。 〔Mn:0.4〜1.2%〕Mnは、組織をパーライト
化する効果がある。しかし、過度にMnを添加すると、
組織のチル化を招く。このため、Mn:0.4〜1.2
%とする。 〔P:0.1%以下、S:0.15%以下〕P量、S量
については、組織に影響を与えない範囲として、0.1
%及び0.15%以下とする。 〔Cr:0.1〜0.25%〕Cr量は引張強さの向上
のために0.1%以上必要である。また、Crは耐摩耗
性を向上させる効果があり、0.25%までの少量添加
で効果を発する。しかし、0.25%を超える添加は摩
耗量を増加し、摩擦係数を低くする。 〔Sn:0.01〜0.05%〕Sn量はCrと同様の
効果があり、引張強さ及び耐摩耗性の関係から、0.0
1〜0.05%必要である。0.05%以上の添加は摩
耗特性を悪化する。
【0013】ブレーキ特性に必要な摩耗特性を確保する
には、Cr、Snの少量添加が効果的であり、Cr、S
nの少量添加により、引張強さに問題も生じない。こう
して、請求項1のブレーキ部品では、Cr、Snを添加
することにより、引張強さが確保できる。
【0014】
【作用】本発明に係るブレーキ部品では、CE値を適当
に設定するとともに、合金元素であるCr及びSnを少
量添加することにより、良好な熱拡散性、高減衰性、高
強度及び耐摩耗性を有することとなる。
【0015】
【実施例】以下、各請求項記載の発明を具体化した実施
例を比較例とともに説明する。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示す重量%で、C、Si、Mn、P
及びSの組成を有する溶湯中に、Cr、Snを表1に示
す重量%で添加し、各溶湯を得る。各溶湯を砂型に注湯
することにより15分間鋳造後、約830℃で型ばらし
し、冷却する。そして、表1に示す組成の実施例1〜5
及び比較例1〜6の試験片を得る。なお、比較例7の試
験片はJISFC200からなるものである。
【0018】各実施例1〜5及び比較例1〜7の試験片
について、以下の条件の下、引張強さ(MPa)、熱拡
散率(cm2 /秒)、減衰性、摩耗量(μm)及び摩擦
係数の評価を行った。結果を表2に示す。表2にはブレ
ーキ部品としての目標値も示す。 引張強さ:φ30(mm)の丸棒よりJIS8号C型試
験片を作成し、各試験片の破壊強度を求めた。
【0019】熱拡散率:図1に示すように、φ10×2
(mm)の試験片T/Pを用い、この試験片T/Pの上
面にレーザフラッシュ法熱定数測定装置(真空理工株式
会社製)によりレーザパルスを照射しつつ、試験片裏面
の温度を熱電対により測定する。そして、 α=1.37L2 /π2 (t/2) (ここで、αは熱拡散率、Lは試験片の厚さ、t/2は
試験片裏面が最大温度の1/2までに要した時間であ
る。)の関係式に従い、熱拡散率を求めた。
【0020】減衰性:試験片としてディスクブレーキロ
ータを用い、加振器により共振させた後、停止させる。
停止後、振動波形の振幅が1/2になるまでの時間と振
幅との傾きにより算出した。 摩耗量:上試験片としてφ26×φ20×15(m
m)、下試験片として50(mm)角を用い、摩擦摩耗
試験機(株式会社東京試験機製作所製)で求めた。条件
は、リングオンディスク様式、荷重:9.8(N)、回
転速度:3.6(m/秒)、試験時間:8時間である。
【0021】摩擦係数:摩耗量と同様である。条件は、
荷重:98〜764(N)、回転速度:0.2(m/
秒)、試験時間:2時間(15分毎)である。
【0022】
【表2】
【0023】また、図2に実施例5の試験片における摺
動部の写真を示す。図2において、黒い線が黒鉛を示
し、白い部分がパーライトを示す。他の実施例の試験も
分析すれば、実施例1〜5の試験片では、組織は片状黒
鉛が晶出したパーライトであり、晶出黒鉛の面積率は1
8%以上、平均長さが70〜150μmであった。表2
及び図2より、実施例1〜5の試験片では、比較例1〜
7と比較して、引張強さが低下せず、かつ熱拡散率、減
衰性、摩耗量及び摩擦係数に優れていることがわかる。
したがって、実施例1〜5の組成のブレーキ部品では、
ブレーキ性能として、ブレーキ振動や鳴きの点ばかりで
なく、ブレーキの効きや摩耗の点でも満足できることが
わかる。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1、2のブ
レーキ部品では、良好な熱拡散性、高減衰性、高強度及
び耐摩耗性を有するので、良好なブレーキ制動力が得ら
れるとともに、ブレーキ制動時に鳴きが発生せず、しか
もブレーキ部品の寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱拡散率の測定方法を示す模式斜視図である。
【図2】実施例5の試験片の摺動部の金属組織を示す1
00倍の顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:3.8%以上及びSi:
    1.6〜2.6%でかつ炭素当量:4.9%以下、M
    n:0.4〜1.2%、P:0.1%以下、S:0.1
    5%以下、Cr:0.1〜0.25%、Sn:0.01
    〜0.05%並びにFe:実質残部であることを特徴と
    するブレーキ部品。
  2. 【請求項2】組織は片状黒鉛が晶出したパーライトであ
    り、晶出黒鉛の面積率は18〜28%、平均長さが70
    〜150μmであることを特徴とする請求項1記載のブ
    レーキ部品。
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