JPH07233439A - ディスクブレーキ用ロータ材料 - Google Patents

ディスクブレーキ用ロータ材料

Info

Publication number
JPH07233439A
JPH07233439A JP2424594A JP2424594A JPH07233439A JP H07233439 A JPH07233439 A JP H07233439A JP 2424594 A JP2424594 A JP 2424594A JP 2424594 A JP2424594 A JP 2424594A JP H07233439 A JPH07233439 A JP H07233439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
cast steel
alloy cast
resistance
matrix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2424594A
Other languages
English (en)
Inventor
Osami Suzuki
修身 鈴木
Shuichi Kano
秀一 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP2424594A priority Critical patent/JPH07233439A/ja
Publication of JPH07233439A publication Critical patent/JPH07233439A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量比で、C:0.25〜0.40%、S
i:0.3〜0.6%、Mn:1.2〜1.4%、V:
0.2〜0.7%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:
0.3〜1.0%を含み、残部が実質的にFeからなる
組成を有し、組織が、フェライトとパーライトのマトリ
ックスにVの炭化物が分散していることを特徴とする合
金鋳鋼と、C:0.25〜0.40%、Si:0.3〜
0.6%、Mn:1.1〜1.6%、V:0.2〜0.
7%、Ni:0.1〜0.7%、Cr:0.5〜2.0
%、Mo:0.3〜1.0%を含み、残部が実質的にF
eからなる組成を有し、組織が、フェライトとパーライ
トのマトリックスにVの炭化物が分散していることを特
徴とする合金鋳鋼。 【効果】 鋳鋼はVを0.9重量%以上含む合金鋳鋼に
匹敵する摩耗特性及び摩擦係数を保持しつつ衝撃値が高
く耐ヒートクラック性が優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクブレーキ用ロ
ータ材料、更に詳細には、耐摩耗性、耐ヒートクラック
性に優れたディスクブレーキ用ロータ材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは、ディスクが露出し
て回転しているので放熱がよく、高速度で繰り返し使用
しても制動力の変化が少なく、安定した制動特性を示す
ことから、乗用車や小型トラックのフロントブレーキ用
に広く用いられているが、大型車への利用はそれほど進
んではいない。大型車になると、ディスクブレーキのロ
ータに負荷される力が大きくなり、摩耗が激しくまたヒ
ートクラックも発生しやすくなる、問題もあった。しか
し、ディスクブレーキは、作動油圧に対して制動力が直
線的に得られ、制動力が摩擦係数の変動の影響が小さく
ブレーキの効きが安定している点などで有利であること
もあって、大型車に利用しても、耐久性の面からも更に
良いディスクブレーキ、特に、ディスクブレーキのロー
タ用材料の開発が求められていた。
【0003】そして、その要求に答えて、ディスクブレ
ーキのロータ用材料として、当初用いられていた普通鋳
鉄(FC250など)に代わって、一例として、耐摩耗
性を向上させるためにVを添加した、重量比で、C:
0.3〜0.4%、Si:0.3〜0.6%、Mn:
1.1〜1.6%、V:0.9〜1.1%の化学成分を
もつ合金鋳鋼が提案され、実際にも使用されているが、
これも、耐摩耗性を改善することには十分でなく、耐熱
衝撃性がやや欠けヒートクラックの発生を阻止すること
が困難であった。
【0004】
【解決しようとする課題】それ故、本発明は、良好な耐
摩耗性と耐ヒートクラック性と併有するディスクブレー
キのロータ材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のディスク
ブレーキロータ用合金鋳鋼は、重量比で、C:0.25
〜0.40%、Si:0.3〜0.6%、Mn:1.2
〜1.4%、V:0.2〜0.7%、Cr:0.2〜
2.0%、Mo:0.3〜1.0%を含み、残部が実質
的にFeからなる組成を有し、組織が、フェライトとパ
ーライトのマトリックスにVの炭化物が分散しているこ
とを特徴とする。
【0006】又、本発明の第2のディスクブレーキロー
タ用合金鋳鋼は、重量比で、C:0.25〜0.40
%、Si:0.3〜0.6%、Mn:1.1〜1.6
%、V:0.2〜0.7%、Ni:0.1〜0.7%、
Cr:0.5〜2.0%、Mo:0.3〜1.0%を含
み、残部が実質的にFeからなる組成を有し、組織が、
フェライトとパーライトのマトリックスにVの炭化物が
分散していることを特徴とする。
【0007】従来使用されていた合金鋳鋼はバナジウム
を0.9〜1.1重量%と比較的多く含有していたが、
本発明は、バナジウムは炭化物を形成しマトリックスを
微細化するので、合金鋳鋼の強度及び耐摩耗性を高める
上で有用な添加元素であるが靭性は一般に低下し、繰り
返し熱衝撃を受けると二次硬化による靭性の低下をもた
らし、ヒートクラックを発生し易くさせるという欠点が
あり、バナジウムの含有量を低下させその代わりにクロ
ム及びモリブデン、又は、クロム、モリブデン及びニッ
ケルを添加させることにより、強度及び耐摩耗性をディ
スクブレーキのロータ用材料として満足できる程度に保
持しつつ耐熱衝撃性を改善しうることができるとの知見
に基づきなされたものであり、バナジウムの含有量を従
来の合金鋳鋼より低くさせていることを特徴としてい
る。
【0008】第1のディスクブレーキのロータ材料の組
成は以下の理由により定められている。
【0009】C:鋳造性を改善すると共に、炭化物を形
成してマトリックスを微細化し、本発明材の強度と耐摩
耗性の向上に寄与する点で有効な元素である。0.25
重量%未満では鋳造性及び強度が不足し、また、0.4
0重量%を超えると炭化物の過剰な析出により必要以上
に硬度が高くなるため、含有量を重量%で0.25〜
0.40%とした。
【0010】Si:脱酸剤として有効な元素である。
0.3重量%未満では脱酸剤としての働きが十分でな
く、一方、0.6重量%を超えると靭性や被切削性が低
下することから、含有量を重量%で0.3〜0.6%と
した。
【0011】Mn:Siと同様に脱酸剤として有効な上
にSによる靭性低下等の悪影響を緩和させることができ
ると言う点からも有効な元素である。1.2重量%未満
ではSの悪影響を阻止する働きが十分でなく、また、
1.4重量%を超えると炭化物を安定化して被切削性を
著しく低下させる虞れがあることから、含有量を重量%
で1.2〜1.4%とした。
【0012】V:耐摩耗性向上のために必要な元素であ
る。0.2重量%未満では耐摩耗性の向上が十分でな
く、また、0.7重量%を超えると耐熱衝撃性が劣化す
るため、含有量を重量%で0.2〜0.7%とした。
【0013】Cr:耐摩耗性向上、特に高温での耐摩耗
性向上のために必要な元素である。0.3重量%未満で
は耐摩耗性の向上が十分でなく、また、2.0重量%以
下で十分な耐摩耗性を得られること並びに経済性の点か
ら、含有量を重量%で0.2〜2.0%とした。
【0014】Mo:耐摩耗性向上、特に高温での耐摩耗
性向上のために必要な元素である。0.3重量%未満で
は耐摩耗性の向上が十分でなく、また、1.0重量%以
下で十分な耐摩耗性を得られること並びに経済性の点か
ら、含有量を重量%で0.3〜1.0%とした。
【0015】第2のディスクブレーキ用ロータ材料の組
成は以下の理由により定められている。
【0016】C、Si、V、Cr及びMoについては、
第1のディスクブレーキ用ロータ材料と同じ理由によ
り、それぞれ含有量の上限と下限が定めされている。
【0017】Ni:マトリックスを靭性の優れたオース
テナイト組織にするのに有効な元素である。0.1重量
%未満だとそのような効果が十分達成できず、また、
0.7重量%を超えると鋳造性を悪化させることから、
含有量を重量%で0.1〜0.7%とした。
【0018】Mn:Siと同様に脱酸剤として有効な上
にSによる靭性低下等の悪影響を、Niと共に緩和させ
ることができると言う点からも有効な元素である。1.
1重量%未満ではSの悪影響を阻止する働きが十分でな
く、また、1.4重量%を超えると炭化物を安定化して
被切削性を著しく低下させる虞れがあることから、含有
量を重量%で1.1〜1.6%とした。
【0019】不可避不純物として、P、Sがあるが、P
は0.04重量%を超えて添加するとステダイトを析出
し易くなることから0.04重量%以下が好ましく、ま
た、Sは0.10重量%を超えて添加すると脆化し易く
なることから0.10重量%以下が好ましい。
【0020】このようなディスクブレーキのロータ用合
金鋳鋼を製造するときには、通常、既述の組成の合金鋳
鋼を焼きならし処理する。この焼きならし処理は、所定
の機械的性質を得るために行われるものであり、焼きな
らし温度は、C量に応じてマトリックスが殆ど完全にオ
ーステナイト組織になる一方でヒートクラックの発生を
阻止する温度である。また、焼きならし処理後の冷却は
Vの炭化物を十分に析出できる速度で行う必要があるが
これは空冷によっても十分達成可能な速度である。
【0021】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例
を説明する。
【0022】表1は、鋳造したディスクブレーキのロー
タ用合金鋳鋼の本発明材と比較材の組成を示したもので
ある。なお、比較材Nは鍛鋼である。
【0023】
【表1】 本発明材と比較材の、衝撃値、耐ヒートクラック性、摩
耗性、摩擦係数(ブレーキの効き)を試験して評価し
た。
【0024】衝撃値は、シャルピー衝撃試験機を用いて
試験して得た。摩耗性を評価するために、本発明材と比
較材から作製した直径260mm×厚さ10mmの供試
材に対して、35mm×35mm角のセミメタリック系
パッドを、エアシリンダーを用いて、面圧12.3kg
f/mm2で10秒間押し付け10分間放置(空冷)を
1サイクルとしてこのサイクルを100回繰り返し行っ
た後の供試材とパットの摩耗量を測定した。また、一部
の供試材に関しては、250回、500回、750回及
び1,000回後の摩耗量も測定した。耐ヒートクラッ
ク性を評価するために、摩耗試験と同条件でサイクルを
繰り返して、ロータの供試材に貫通亀裂を生じたときの
回数を測定した。
【0025】摩擦係数は、摩耗試験のサイクルを20回
行った後に測定した。このとき、ロータの供試材の温度
は500℃であった。
【0026】結果を以下の表2及び表3に示す。
【0027】
【表2】
【表3】 以上から、本発明の合金鋳鋼の靭性は比較材に比べて著
しく改善され、ヒートクラックの発生が著しく阻止され
ていることがわかる。また、亀裂が貫通するまでの回数
で評価した耐ヒートクラック性も比較的良好であること
がわかる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合金鋳鋼
は、従来から使用されていた、重量比で、C:0.3〜
0.4%、Si:0.3〜0.6%、Mn:1.1〜
1.6%、V:0.9〜1.1%の化学成分をもつ合金
鋳鋼に匹敵する摩耗特性及び摩擦係数を保持しつつ衝撃
値が高く耐ヒートクラック性の優れたものであると言え
る。更に、本発明の合金鋳鋼のコストは添加元素のコス
トを削減することによって若干ではあるが下げることが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:0.25〜0.40%、
    Si:0.3〜0.6%、Mn:1.2〜1.4%、
    V:0.2〜0.7%、Cr:0.2〜2.0%、M
    o:0.3〜1.0%を含み、残部が実質的にFeから
    なる組成を有し、組織が、フェライトとパーライトのマ
    トリックスにVの炭化物が分散していることを特徴とす
    るディスクブレーキのロータ用合金鋳鋼。
  2. 【請求項2】 重量比で、C:0.25〜0.40%、
    Si:0.3〜0.6%、Mn:1.1〜1.6%、
    V:0.2〜0.7%、Ni:0.1〜0.7%、C
    r:0.5〜2.0%、Mo:0.3〜1.0%を含
    み、残部が実質的にFeからなる組成を有し、組織が、
    フェライトとパーライトのマトリックスにVの炭化物が
    分散していることを特徴とするディスクブレーキのロー
    タ用合金鋳鋼。
JP2424594A 1994-02-22 1994-02-22 ディスクブレーキ用ロータ材料 Pending JPH07233439A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2424594A JPH07233439A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 ディスクブレーキ用ロータ材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2424594A JPH07233439A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 ディスクブレーキ用ロータ材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07233439A true JPH07233439A (ja) 1995-09-05

Family

ID=12132872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2424594A Pending JPH07233439A (ja) 1994-02-22 1994-02-22 ディスクブレーキ用ロータ材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07233439A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106636923A (zh) * 2016-12-30 2017-05-10 天津威尔朗科技有限公司 一种钎杆及其制备方法
CN112159937A (zh) * 2020-09-28 2021-01-01 南京工程学院 一种高稳定耐摩擦列车制动盘及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106636923A (zh) * 2016-12-30 2017-05-10 天津威尔朗科技有限公司 一种钎杆及其制备方法
CN112159937A (zh) * 2020-09-28 2021-01-01 南京工程学院 一种高稳定耐摩擦列车制动盘及其制备方法
CN112159937B (zh) * 2020-09-28 2021-03-30 南京工程学院 一种高稳定耐摩擦列车制动盘及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1034317B1 (en) Disc brake rotor with a grey cast iron composition
US4672082A (en) Friction material using steel fibers
US6053990A (en) Perlitic grey iron for brake components
KR960005599B1 (ko) 제동브레이크 동체 제조용 주철
JPH07233439A (ja) ディスクブレーキ用ロータ材料
JP2001123241A (ja) ディスクブレーキ用ロータ及びその製造方法
JP3866841B2 (ja) 耐摩耗性鋼
JP2022541319A (ja) 特にディスクブレーキ部品用の鋳鉄
US3382065A (en) Stainless steel metal-to-metal high speed seals
JPS63140064A (ja) ブレ−キ材料
JPS63206448A (ja) 車両用高マンガン鋳鉄制輪子
US4617069A (en) Method for improving the immunity to temperature changes of cast iron containing lamellar graphite
JP4533475B2 (ja) ディスクブレーキ用ロータ
JPH01252755A (ja) 車両用合金鋳鉄制輪子
JPH0625795A (ja) 摺動部材
JPS6335756A (ja) デイスクブレ−キ用ロ−タ材料
JPS63286552A (ja) 車両用高燐鋳鉄制輪子
JPH0347945A (ja) 鉄道車両用ブレーキディスク材料
JPH07305138A (ja) ブレーキ部品
JPS6270552A (ja) デイスクブレ−キロ−タ用耐錆鋳鋼
JPH01132719A (ja) ディスクロータ材
JPH01252737A (ja) 車両用合金鋳鉄制輪子
JPS6045266B2 (ja) 優れた耐摩耗性を有するアルミニウム合金
JPH01131339A (ja) ブレーキ用摺動材
JPH09194983A (ja) 耐熱亀裂性に優れたブレーキディスク材