JPH0573817B2 - - Google Patents
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- JPH0573817B2 JPH0573817B2 JP59103809A JP10380984A JPH0573817B2 JP H0573817 B2 JPH0573817 B2 JP H0573817B2 JP 59103809 A JP59103809 A JP 59103809A JP 10380984 A JP10380984 A JP 10380984A JP H0573817 B2 JPH0573817 B2 JP H0573817B2
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Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Description
本発明は、CV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム材に
関するものである。 ブレーキドラムは、運転中に加熱、冷却の熱サ
イクルを受けると共に、ブレーキ作動中強力な歪
応力を受けるところで、激しい熱疲労を受ける。
従つて、最適なブレーキドラム用材料は、良好な
熱伝導性、低い膨張係数、低いポアソン比をも
ち、且つ、多少の延性を有し、更に熱的に安定し
た基地組織を有するものでなくてはならない。 従来より使用されているパーライト系片状黒鉛
鋳鉄(FC25相当)は、良好な耐摩耗性と高い熱
伝導率とを備えているが、自動車の性能向上に伴
い、より強度のある材料が望まれている。 強度と延性のある球状黒鉛鋳鉄は、優れた耐疲
労性を持つが、熱伝導率が悪く大きな熱応力を受
け、変形、焼付き等が生じる。又、減衰能が低い
から、所謂ブレーキ泣きが大きく、ブレーキドラ
ム材としては不適当である。 片状黒鉛鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄との中間的な物理
的、機械的性質を有するCV黒鉛鋳鉄製ブレーキ
ドラムは、熱伝導率及び強度、延性、減衰能につ
いても適当なものであるが、加えて安定した基地
組織及び低弾性係数を有する本発明は、ブレーキ
ドラム材として最適なものである。 本発明のCV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム材は、
第1に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:
≦0.8%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:
0.005〜0.04%、残りFeで構成され、850℃〜950
℃で加熱し、焼準処理したことにより、引張強さ
40(Kg/mm2)以上であり、且つ対数減数率δ=45
×10-4以上であることを特徴とし、第2に、C:
3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8%、P:
≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜0.04%と
Cu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、Cr:0.1〜
0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04%のうち
1元素以上を含有させ、残りFeで構成され、850
℃〜950℃で加熱し、焼準処理したことにより、
引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対数減数率
δ=45×10-4以上であることを特徴とし、第3
に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%とTi:0.05〜0.15%、残りFeで構成され、
850℃〜950℃で加熱し、焼準処理したことによ
り、引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対数減
数率δ=45×10-4以上であることを特徴とし、第
4に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦
0.8%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005
〜0.04%と、Cu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、
Cr:0.1〜0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04
%のうち1元素以上とTi:0.05〜0.15%を含み、
残りFeで構成され、850℃〜950℃で加熱し、焼
準処理したことにより、引張強さ40(Kg/mm2)以
上であり、且対数減数率δ=45×10-4以上である
ことを特徴とするものである。 Cu、Sn、Crは加熱冷却の際のパーライト基地
安定化を目的とし、Tiは熱伝導率向上の目的で、
出来るだけ黒鉛をCV化するために含有せしめる。 C(炭素)含有量を3.0〜4.0%、Si(ケイ素)含
有量を1.8〜2.4%と高炭素、低ケイ素含有とした
のは、炭素含有が高い程、熱応力を低くするから
である。 炭素含有量の上限を4.0%としたのは、キツシ
ユ黒鉛や浮上黒鉛の発生を避けるためであり、下
限を3.0%としたのは、3.0%より低いと良好な結
果が得られない為である。 ケイ素は、それを増加するに従つて、熱伝導率
が低下するため、含有量の上限を2.4%とし、チ
ル発生の危険性から下限を1.8%に定めた。 Mn(マンガン)含有量を0.8%以下とするのは、
マンガンの共晶セル境界での偏折による機械的性
質の低下及び基地組織の均一性を保つ為である。 P(燐)含有量を0.08%以下とするのは、ひけ
巣の発生及び燐−炭素−鉄の三元共晶であるステ
ダイトの発生を避ける為である。 S(イオウ)含有量を0.03%以下とするのは、
黒鉛をCV化するにあたつて、0.03%以下が望ま
しく、且つ、経済的である為である。 一般的なCV黒鉛鋳鉄を製造するには、マグネ
シウム、稀土類元素、カルシウム及びチタンなど
を単独あるいは複合的に添加して製造するが、特
にチタンは、ブレーキドラムの様な薄肉物でのチ
ル発生防止と球状黒鉛の発生を抑制するのに有益
な元素である。 以上の様な成分を有するCV黒鉛鋳鉄を鋳放し
のまゝ使用しても良いが、熱処理をすることは、
基地組織を均一、且つ、細かく安定化すると共
に、弾性係数、減衰能に於てもブレーキドラム材
として最適な物理的、機械的性質を提供するもの
である。この熱処理は、850℃乃至950℃に所定時
間(1〜3時間)保持後、目標のパーライト率に
応じた温度により空冷する方法が取られる。この
場合、上記保持温度から直ちに空冷する場合と、
760〜800℃まで炉冷させ、その後空冷することが
行われる。 以下、本発明の実施例を説明する。 実施例 1 C:3.15%、Si:1.5%、Mn:0.3%、P:0.03
%、S:0.035%の溶湯を用い、C:3.12%、Si:
2.14%、Mn:0.29%、P:0.032%、S:0.021
%、Mg:0.027%の化学組成のCV黒鉛鋳鉄を造
り、鋳放し品と950℃で1時間保持後、強制空冷
した熱処理材の物理的、機械的性質を第1表に示
した。 第1表の鋳放しで引張強さ45.0、(Kgf/mm2、
以下同じ)伸び3.0%、対数減衰率δ=(×10−4、
以下同じ)49、焼準で引張強さ60.1、伸び1.5%、
対数減衰率61と強度、延性共に充分であり、ブレ
ーキなきもなく、ブレーキドラム材として使用で
きること明白である。 実施例 2 C:3.5%、Si:1.8%、Mn:0.6%、P:0.03
%、S:0.025%、Cu:0.12%、Cr:0.18%の溶
湯を造り、Mg:8.2%、RE:4.8%、Cas3.0%、
Si:45%、Fe:bal.のCV黒鉛化合金0.7%添加の
サンドウイツチ法で処理し、続いて75%Si含有の
接種剤で接種し、JIS.A号Y−Blockに鋳込み、
鋳放し品と焼準品とでの物理的、機械的性質を第
2表に示した。 最終組成はC:3.47%、Si:2.27%、Mn:0.59
%、P:0.031%、S:0.015%、Mg:0.031%、
Cu:0.12%、Cr:0.18%であつた。 第2表の鋳放しで引張強さ49.1、伸び2.5%、
弾性係数16000、焼準で引張強さ63.9、伸び1.3
%、弾性係数13500と延性、強度があり、且つ
夫々対数減衰率48、63とブレーキ泣きもなく、ブ
レーキドラム材として有効である。 実施例 3 300Kg容量の高周波炉でC:3.9%、Si:1.6%、
Mn0.4%、P:0.05%、S:0.03%の溶湯を造り、
Mg:4.8%、Ti:9.1%、RE:1.0%、Ca:4.0%、
Si:48%、Fe:bal.のCV黒鉛化合金1.0%添加の
サンドウイツチ法で150Kg処理し、1380℃でY形
試験片に鋳込んだ。 一方、残りの150KgをMg:3.2%、RE:1.2%、
Ca:1.0%、Si:45%の合金を1.6%添加のサンド
ウイツチ法で球状化処理し、1380℃でY形試験片
に鋳込んだ。 夫々の最終Si含有量は、2.4%、となるよう調
整した。CV黒鉛鋳鉄品は、鋳放しの他に900℃で
1時間保持後、強制空冷する焼準処理を施したも
のを作成した。 この時の組成は、C:3.84%、Si:2.38%、
Mn:0.41%、P:0.048%、S:0.012%、Mg:
0.028%、Ti:0.092%であつた。 これらの試片の機械的、物理的性質を第3表に
示した。減衰能が大になるほど、ブレーキ泣きが
小になるが、制動テストにおけるブレーキ泣き試
験成績の採点結果によれば、対数減衰率δ=120
×10−4以上であれば合格であるが、δ=40×10
−4以下では使用困難であり、δ=45×10−4以上
は使用可能であり、最低限とした。 減衰能と引張強さの関係は、引張強さに対する
減衰能は反比例の関係にあること周知であり、第
3表に於ける引張強さの減衰能に対する関係は、
従来品1に於いて引張強さ26.5に対し、対数減衰
率89と対数減衰率は良いが、引張強さ26.5、延性
0.7%、弾弾性係数9100と硬く脆くて耐久性がな
く、又、従来品2に於ては、引張強さ、伸びは
夫々43.1、20.5%と良いが、対数減衰率10とブレ
ーキ泣きが激しく、何れもブレーキ材としては使
用できない。 これに対し本発明品は、鋳放しで引張強さ
40.4、伸び4.2%、対数減衰率53、焼準の場合引
張強さ56.5、伸び2.0%、対数減衰率74と充分な
延性、強度と使用に充分な対数傾衰能を兼ね備え
た性能を示した。 本発明品の機械的、物理的性質の組合せは、ブ
レーキドラム材として最適であることがわかる。 実施例 4 C:3.70%、Si:1.70%、Mn:0.45%、P:
0.04%、S:0.020%の溶湯を用いMg:4.8%、
Ti:9.1%、RE:1.0%、Ca:4.0%、Si:48%、
Fe:bal.のCV黒鉛化合金1.0%とCu:0.2%それ
にCr:0.2%の添加によつてC:3.65%、Si:
2.32、Mn:0.45%、P:0.038%、S:0.011%、
Mg:0.02%、Ti:0.07%、Cu:0.19%、Cr:
0.17%のCV黒鉛鋳鉄を造り、鋳放し品と900℃で
2時間保持後、強制空冷した焼準品の物理的、機
械的性質を第4表に示した。 第4表の鋳放しで引張強さ47.7、伸び3.5%、
対数減衰率48、焼準で引張強さ63.9、伸び1.3%、
対数減衰率63と強度、延性共に充分であり、ブレ
ーキ泣きもなく、ブレーキドラム材として有効に
使用できる。 以上の様な特徴ある物理的、機械的性質を有す
る本発明品は、従来の片状黒鉛鋳鉄品に比べ、高
い強度と延性とを有し、且つ、発生する熱応力が
低く、激しい熱疲労に耐え、その寿命は従来品の
2倍となることが認められた。
関するものである。 ブレーキドラムは、運転中に加熱、冷却の熱サ
イクルを受けると共に、ブレーキ作動中強力な歪
応力を受けるところで、激しい熱疲労を受ける。
従つて、最適なブレーキドラム用材料は、良好な
熱伝導性、低い膨張係数、低いポアソン比をも
ち、且つ、多少の延性を有し、更に熱的に安定し
た基地組織を有するものでなくてはならない。 従来より使用されているパーライト系片状黒鉛
鋳鉄(FC25相当)は、良好な耐摩耗性と高い熱
伝導率とを備えているが、自動車の性能向上に伴
い、より強度のある材料が望まれている。 強度と延性のある球状黒鉛鋳鉄は、優れた耐疲
労性を持つが、熱伝導率が悪く大きな熱応力を受
け、変形、焼付き等が生じる。又、減衰能が低い
から、所謂ブレーキ泣きが大きく、ブレーキドラ
ム材としては不適当である。 片状黒鉛鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄との中間的な物理
的、機械的性質を有するCV黒鉛鋳鉄製ブレーキ
ドラムは、熱伝導率及び強度、延性、減衰能につ
いても適当なものであるが、加えて安定した基地
組織及び低弾性係数を有する本発明は、ブレーキ
ドラム材として最適なものである。 本発明のCV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム材は、
第1に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:
≦0.8%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:
0.005〜0.04%、残りFeで構成され、850℃〜950
℃で加熱し、焼準処理したことにより、引張強さ
40(Kg/mm2)以上であり、且つ対数減数率δ=45
×10-4以上であることを特徴とし、第2に、C:
3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8%、P:
≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜0.04%と
Cu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、Cr:0.1〜
0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04%のうち
1元素以上を含有させ、残りFeで構成され、850
℃〜950℃で加熱し、焼準処理したことにより、
引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対数減数率
δ=45×10-4以上であることを特徴とし、第3
に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%とTi:0.05〜0.15%、残りFeで構成され、
850℃〜950℃で加熱し、焼準処理したことによ
り、引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対数減
数率δ=45×10-4以上であることを特徴とし、第
4に、C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦
0.8%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005
〜0.04%と、Cu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、
Cr:0.1〜0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04
%のうち1元素以上とTi:0.05〜0.15%を含み、
残りFeで構成され、850℃〜950℃で加熱し、焼
準処理したことにより、引張強さ40(Kg/mm2)以
上であり、且対数減数率δ=45×10-4以上である
ことを特徴とするものである。 Cu、Sn、Crは加熱冷却の際のパーライト基地
安定化を目的とし、Tiは熱伝導率向上の目的で、
出来るだけ黒鉛をCV化するために含有せしめる。 C(炭素)含有量を3.0〜4.0%、Si(ケイ素)含
有量を1.8〜2.4%と高炭素、低ケイ素含有とした
のは、炭素含有が高い程、熱応力を低くするから
である。 炭素含有量の上限を4.0%としたのは、キツシ
ユ黒鉛や浮上黒鉛の発生を避けるためであり、下
限を3.0%としたのは、3.0%より低いと良好な結
果が得られない為である。 ケイ素は、それを増加するに従つて、熱伝導率
が低下するため、含有量の上限を2.4%とし、チ
ル発生の危険性から下限を1.8%に定めた。 Mn(マンガン)含有量を0.8%以下とするのは、
マンガンの共晶セル境界での偏折による機械的性
質の低下及び基地組織の均一性を保つ為である。 P(燐)含有量を0.08%以下とするのは、ひけ
巣の発生及び燐−炭素−鉄の三元共晶であるステ
ダイトの発生を避ける為である。 S(イオウ)含有量を0.03%以下とするのは、
黒鉛をCV化するにあたつて、0.03%以下が望ま
しく、且つ、経済的である為である。 一般的なCV黒鉛鋳鉄を製造するには、マグネ
シウム、稀土類元素、カルシウム及びチタンなど
を単独あるいは複合的に添加して製造するが、特
にチタンは、ブレーキドラムの様な薄肉物でのチ
ル発生防止と球状黒鉛の発生を抑制するのに有益
な元素である。 以上の様な成分を有するCV黒鉛鋳鉄を鋳放し
のまゝ使用しても良いが、熱処理をすることは、
基地組織を均一、且つ、細かく安定化すると共
に、弾性係数、減衰能に於てもブレーキドラム材
として最適な物理的、機械的性質を提供するもの
である。この熱処理は、850℃乃至950℃に所定時
間(1〜3時間)保持後、目標のパーライト率に
応じた温度により空冷する方法が取られる。この
場合、上記保持温度から直ちに空冷する場合と、
760〜800℃まで炉冷させ、その後空冷することが
行われる。 以下、本発明の実施例を説明する。 実施例 1 C:3.15%、Si:1.5%、Mn:0.3%、P:0.03
%、S:0.035%の溶湯を用い、C:3.12%、Si:
2.14%、Mn:0.29%、P:0.032%、S:0.021
%、Mg:0.027%の化学組成のCV黒鉛鋳鉄を造
り、鋳放し品と950℃で1時間保持後、強制空冷
した熱処理材の物理的、機械的性質を第1表に示
した。 第1表の鋳放しで引張強さ45.0、(Kgf/mm2、
以下同じ)伸び3.0%、対数減衰率δ=(×10−4、
以下同じ)49、焼準で引張強さ60.1、伸び1.5%、
対数減衰率61と強度、延性共に充分であり、ブレ
ーキなきもなく、ブレーキドラム材として使用で
きること明白である。 実施例 2 C:3.5%、Si:1.8%、Mn:0.6%、P:0.03
%、S:0.025%、Cu:0.12%、Cr:0.18%の溶
湯を造り、Mg:8.2%、RE:4.8%、Cas3.0%、
Si:45%、Fe:bal.のCV黒鉛化合金0.7%添加の
サンドウイツチ法で処理し、続いて75%Si含有の
接種剤で接種し、JIS.A号Y−Blockに鋳込み、
鋳放し品と焼準品とでの物理的、機械的性質を第
2表に示した。 最終組成はC:3.47%、Si:2.27%、Mn:0.59
%、P:0.031%、S:0.015%、Mg:0.031%、
Cu:0.12%、Cr:0.18%であつた。 第2表の鋳放しで引張強さ49.1、伸び2.5%、
弾性係数16000、焼準で引張強さ63.9、伸び1.3
%、弾性係数13500と延性、強度があり、且つ
夫々対数減衰率48、63とブレーキ泣きもなく、ブ
レーキドラム材として有効である。 実施例 3 300Kg容量の高周波炉でC:3.9%、Si:1.6%、
Mn0.4%、P:0.05%、S:0.03%の溶湯を造り、
Mg:4.8%、Ti:9.1%、RE:1.0%、Ca:4.0%、
Si:48%、Fe:bal.のCV黒鉛化合金1.0%添加の
サンドウイツチ法で150Kg処理し、1380℃でY形
試験片に鋳込んだ。 一方、残りの150KgをMg:3.2%、RE:1.2%、
Ca:1.0%、Si:45%の合金を1.6%添加のサンド
ウイツチ法で球状化処理し、1380℃でY形試験片
に鋳込んだ。 夫々の最終Si含有量は、2.4%、となるよう調
整した。CV黒鉛鋳鉄品は、鋳放しの他に900℃で
1時間保持後、強制空冷する焼準処理を施したも
のを作成した。 この時の組成は、C:3.84%、Si:2.38%、
Mn:0.41%、P:0.048%、S:0.012%、Mg:
0.028%、Ti:0.092%であつた。 これらの試片の機械的、物理的性質を第3表に
示した。減衰能が大になるほど、ブレーキ泣きが
小になるが、制動テストにおけるブレーキ泣き試
験成績の採点結果によれば、対数減衰率δ=120
×10−4以上であれば合格であるが、δ=40×10
−4以下では使用困難であり、δ=45×10−4以上
は使用可能であり、最低限とした。 減衰能と引張強さの関係は、引張強さに対する
減衰能は反比例の関係にあること周知であり、第
3表に於ける引張強さの減衰能に対する関係は、
従来品1に於いて引張強さ26.5に対し、対数減衰
率89と対数減衰率は良いが、引張強さ26.5、延性
0.7%、弾弾性係数9100と硬く脆くて耐久性がな
く、又、従来品2に於ては、引張強さ、伸びは
夫々43.1、20.5%と良いが、対数減衰率10とブレ
ーキ泣きが激しく、何れもブレーキ材としては使
用できない。 これに対し本発明品は、鋳放しで引張強さ
40.4、伸び4.2%、対数減衰率53、焼準の場合引
張強さ56.5、伸び2.0%、対数減衰率74と充分な
延性、強度と使用に充分な対数傾衰能を兼ね備え
た性能を示した。 本発明品の機械的、物理的性質の組合せは、ブ
レーキドラム材として最適であることがわかる。 実施例 4 C:3.70%、Si:1.70%、Mn:0.45%、P:
0.04%、S:0.020%の溶湯を用いMg:4.8%、
Ti:9.1%、RE:1.0%、Ca:4.0%、Si:48%、
Fe:bal.のCV黒鉛化合金1.0%とCu:0.2%それ
にCr:0.2%の添加によつてC:3.65%、Si:
2.32、Mn:0.45%、P:0.038%、S:0.011%、
Mg:0.02%、Ti:0.07%、Cu:0.19%、Cr:
0.17%のCV黒鉛鋳鉄を造り、鋳放し品と900℃で
2時間保持後、強制空冷した焼準品の物理的、機
械的性質を第4表に示した。 第4表の鋳放しで引張強さ47.7、伸び3.5%、
対数減衰率48、焼準で引張強さ63.9、伸び1.3%、
対数減衰率63と強度、延性共に充分であり、ブレ
ーキ泣きもなく、ブレーキドラム材として有効に
使用できる。 以上の様な特徴ある物理的、機械的性質を有す
る本発明品は、従来の片状黒鉛鋳鉄品に比べ、高
い強度と延性とを有し、且つ、発生する熱応力が
低く、激しい熱疲労に耐え、その寿命は従来品の
2倍となることが認められた。
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%、残りFeで構成され、850℃〜950℃で加熱
し、焼準処理したことにより、引張強さ40(Kg/
mm2)以上であり、且対数減数率δ=45×10-4以上
であることを特徴とするCV黒鉛鋳鉄製ブレーキ
ドラム材。 2 C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%とCu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、
Cr:0.1〜0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04
%のうち1元素以上を含有させ、残りFeで構成
され、850℃〜950℃で加熱し、焼準処理したこと
により、引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対
数減数率δ=45×10-4以上であることを特徴とす
るCV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム材。 3 C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%とTi:0.05〜0.15%、残りFeで構成され、
850℃〜950℃で加熱し、焼準処理したことによ
り、引張強さ40(Kg/mm2)以上であり、且対数減
数率δ=45×10-4以上であることを特徴とする
CV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム材。 4 C:3.0〜4.0%、Si:1.8〜2.4%、Mn:≦0.8
%、P:≦0.08%、S:≦0.03%、Mg:0.005〜
0.04%と、Cu:0.1〜0.2%、Sn:0.01〜0.02%、
Cr:0.1〜0.2%RE0.0001〜0.01%、Ca0.005〜0.04
%のうち1元素以上とTi:0.05〜0.15%を含み、
残りFeで構成され、850℃〜950℃で加熱し、焼
準処理したことにより、引張強さ40(Kg/mm2)以
上であり、且対数減数率δ=45×10-4以上である
ことを特徴とするCV黒鉛鋳鉄製ブレーキドラム
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10380984A JPS60248864A (ja) | 1984-05-23 | 1984-05-23 | Cv黒鉛鋳鉄製ブレ−キドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10380984A JPS60248864A (ja) | 1984-05-23 | 1984-05-23 | Cv黒鉛鋳鉄製ブレ−キドラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60248864A JPS60248864A (ja) | 1985-12-09 |
JPH0573817B2 true JPH0573817B2 (ja) | 1993-10-15 |
Family
ID=14363723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10380984A Granted JPS60248864A (ja) | 1984-05-23 | 1984-05-23 | Cv黒鉛鋳鉄製ブレ−キドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60248864A (ja) |
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US5948353A (en) * | 1996-12-20 | 1999-09-07 | Hayes Lemmerz International, Inc. | Gray iron composition and brake components formed thereof |
KR100321291B1 (ko) * | 1997-11-29 | 2002-04-17 | 이계안 | 브레이크 드럼용 재료 |
CN102676910A (zh) * | 2012-04-22 | 2012-09-19 | 洛阳古城机械有限公司 | 一种蠕铁材质及其制备工艺及使用该材质的飞轮 |
KR20140110621A (ko) * | 2013-03-08 | 2014-09-17 | 엘지전자 주식회사 | 선회 또는 고정스크롤용 cv 흑연주철 및 그를 이용한 선회 또는 고정스크롤의 제조방법 |
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-
1984
- 1984-05-23 JP JP10380984A patent/JPS60248864A/ja active Granted
Patent Citations (6)
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60248864A (ja) | 1985-12-09 |
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