JPH07304949A - 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体 - Google Patents

疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体

Info

Publication number
JPH07304949A
JPH07304949A JP9716694A JP9716694A JPH07304949A JP H07304949 A JPH07304949 A JP H07304949A JP 9716694 A JP9716694 A JP 9716694A JP 9716694 A JP9716694 A JP 9716694A JP H07304949 A JPH07304949 A JP H07304949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bis
aminophenoxy
polyimide
phenyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9716694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3377859B2 (ja
Inventor
Yuichi Okawa
祐一 大川
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Wataru Yamashita
渉 山下
Katsuaki Iiyama
勝明 飯山
Masaji Tamai
正司 玉井
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP9716694A priority Critical patent/JP3377859B2/ja
Publication of JPH07304949A publication Critical patent/JPH07304949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3377859B2 publication Critical patent/JP3377859B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(1) で表される繰り返し構造単位を有し、対数粘度が0.7
0dl/g以上のポリイミド100重量部と、5〜65
重量部の炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維
およびチタン酸カリウム繊維より選ばれた少なくとも一
種を含む疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物およ
び、それから得られる射出成形体。 【効果】 本発明の方法によれば、著しく耐疲労性に優
れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疲労特性良好なポリイ
ミド樹脂組成物および、その射出成形体に関する。詳し
くは、溶融成形性良好でしかも優れた耐疲労性を有する
ポリイミド樹脂組成物およびその射出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリイミドはその高耐熱性に加
え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁
性などをあわせ持つために、電気・電子機器、宇宙航空
用機器、輸送機器等の分野に広く用いられている。従
来、優れた特性を示すポリイミドが種々開発されている
が、耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転移温度を有
しないために成形材料として用いる場合に焼結成形など
の手法を用いて加工しなければならないとか、また加工
性は優れているがガラス転移温度が低く、しかもハロゲ
ン化炭化水素系の溶媒に可溶で耐熱性、耐溶剤性の面か
らは満足がゆかないとか性能に一長一短があった。これ
らの問題点を解決する目的で、先に本発明者らは機械的
性質、熱的性質、電気的性質、耐薬品性に優れた溶融成
形可能なポリイミドや各種コポリイミドを開発した(特
開昭61−143478号公報、62−205124号
公報、特願昭63−270778号公報など)。しかし
ながら、疲労特性等の動的機械特性に関する検討はあま
り行われておらず、特に近年開発された射出成形可能な
高耐熱性ポリイミドの分野においては、ほとんど知見が
無いというのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、射出
成形等の溶融成形が可能で、しかも高疲労特性を有する
ポリイミド樹脂組成物およびその成形体を得ることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、特定の構造と、
ある分子量以上を有するポリイミドを用いたポリイミド
樹脂組成物が優れた溶融流動成形性を示し、しかもこの
樹脂組成物から疲労特性に優れた射出成形体が得られる
ことを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、(1)
式(化3)
【0005】
【化3】 で表される繰り返し構造単位を有し、対数粘度が0.7
0dl/g以上のポリイミド100重量部に対して、5
〜65重量部の炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維および/またはチタン酸カリウム繊維を含む疲労
特性に優れたポリイミド樹脂組成物とその射出成形体お
よび、(2)前記式(1)で表される繰り返し構造単位
を有するポリイミドを製造する際に一般式(2)(化
4)
【0006】
【化4】 および/または一般式(3) V−NH2 (3) (式中ZおよびVはそれぞれ炭素数6〜15であり、単
環式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/または芳香
族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
多環式芳香族基である2価および1価の基を表す。)で
表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または芳香
族モノアミンを共存させて得られるポリマ−の分子末端
を封止したものであるか、あるいは当該ポリマ−の分子
末端を封止したものを含むものである、上記1項記載の
疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物とその射出成形
体である。本発明で使用される、式(1)で表される対
数粘度0.70dl/g以上のポリイミドの製造法は式
(4)(化5)
【0007】
【化5】 で表されるジアミン、すなわち4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ビフェニルと、式(5)(化6)
【0008】
【化6】 で表されるテトラカルボン酸二無水物、すなわち3,3',
4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを重合
させて得られるポリイミドである。また、このポリイミ
ドの性質および物理的性質を損なわない範囲内で他のジ
アミンやテトラカルボン酸二無水物を一種以上混合して
重合させても何等差し支えない。混合して用いることの
できるジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジア
ミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、m−アミノベンジルアミン、o−アミノベンジルア
ミン、p−アミノベンジルアミン、3−クロロ−1,2 −
フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2 −フェニレンジ
アミン、2,3 −ジアミノトルエン、2,4 −ジアミノトル
エン、2,5 −ジアミノトルエン、2,6 −ジアミノトルエ
ン、3,4 −ジアミノトルエン、3,5 −ジアミノトルエ
ン、2−メトキシ−1,4 −フェニレンジアミン、4−メ
トキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3
−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3'−ジクロロ
ベンジジン、3,3'−ジメチルベンジジン、3,3'−ジメト
キシベンジジン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジア
ミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニル
スルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニル
スルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−
ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジ
フェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,
4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1 −ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2 −ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,1 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン、1,2 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン、1,3 −ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2 −ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1 −ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,
2 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブ
タン、1,3 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ブタン、1,4 −ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ブタン、2,2 −ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3 −ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2−〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−
メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4−アミノフェノ
キシ)−3,5 −ジメチルフェニル〕プロパン、2,2 −ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5 −ジメチルフ
ェニル〕プロパン、2,2 −ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2 −ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、1,
3 −ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3 −ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4 −ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1 ,3−ビス(3−アミノベン
ゾイル)ベンゼン、1 ,4−ビス(3−アミノベンゾイ
ル)ベンゼン、1 ,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベ
ンゼン、1 ,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼ
ン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
3,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,3 −
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチ
ルベンジル〕ベンゼン、1,3 −ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,4 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−
ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,4 −ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベン
ゼン、1,3 −ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベン
ゾイル〕ベンゼン、1,3 −ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,4 −ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,4 −ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼ
ン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチル
ビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
3'−ジメチルビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)−3,5 −ジメチルビフェニル、4,4'−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,3',5,5' −テトラメチルビフ
ェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3'−
ジクロロビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−3,5 −ジクロロビフェニル、4,4'−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3',5,5' −テトラクロロビフェニ
ル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3'−ジブ
ロモビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,5 −ジブロモビフェニル、4,4'−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3',5,5' −テトラブロモビフェニル、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフ
ェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5 −ジ
メトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)−3,5 −ジメトキシフェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、1,1 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、1,2 −ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,1 −ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2 −ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3 −
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、1,1 −ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ブタン、1,2 −ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3 −ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4 −ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,
2 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブ
タン、2,3 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ブタン、2,2 −ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2 −ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、3,3'−
ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルホキシド、ビス〔3−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、こ
れらは単独または2種以上混合して用いられる。
【0009】また、混合して用いられるテトラカルボン
酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水
物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、2,2',3,3' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2',3,3' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2 −ビス(3,4 −ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、2,2 −ビス(2,3 −ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(2,3 −ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ビス(3,4 −ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3 −ジカルボキシ
フェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4 −ジカルボキ
シフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3 −ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4 −ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、1,1 −ビス(2,3 −ジ
カルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1 −ビス(3,
4 −ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2 −ビ
ス(2,3 −ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,
2 −ビス(3,4 −ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、1,3 −ビス(2,3 −ジカルボキシフェノキシ)ベン
ゼン、1,3 −ビス(3,4 −ジカルボキシフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4 −ビス(2,3 −ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン、1,4 −ビス(3,4 −ジカルボキシフェノキ
シ)ベンゼン、2,3,6,7 −ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8 −ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6 −ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4 −ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7
−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8 −
フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等であり、こ
れらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上混
合して用いられる。
【0010】これらのジアミン成分とテトラカルボン酸
二無水物をモノマー成分として得られるポリイミドは主
として式(1)の繰り返し構造単位を有するポリイミド
であり、また主として式(1)の繰り返し構造単位を有
するポリイミドが、そのポリマー分子末端が未置換ある
いはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しな
い基で置換されたポリイミドも含まれる。このポリマー
分子末端に未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無
水物と反応性を有しない基で置換されたポリイミドは、
式(4)で表されるジアミン、すなわち、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを用い、これと
式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物、すなわ
ち、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とを一般式(2)(化7)
【0011】
【化7】 (式中Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基および/または芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である2
価の基を表す。)で表される芳香族ジカルボン酸無水物
および/または一般式(3) V−NH2 (3) (式中Vは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基および/または芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である1
価の基を表す。)で表される芳香族モノアミンの存在下
に反応させ得られる。
【0012】一般式(2)で表されるジカルボン酸無水
物としては、無水フタル酸、2,3 −ベンゾフェノンジカ
ルボン酸無水物、3,4 −ベンゾフェノンジカルボン酸無
水物、2,3 −ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無
水物、3,4 −ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無
水物、2,3 −ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4 −ビ
フェニルジカルボン酸無水物、2,3 −ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルホン無水物、3,4 −ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルホン無水物、2,3 −ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルフィド無水物、3,4 −ジカルボキシフ
ェニルフェニルスルフィド無水物、1,2 −ナフタレンジ
カルボン酸無水物、2,3 −ナフタレンジカルボン酸無水
物、1,8 −ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2 −アン
トラセンジカルボン酸無水物、2,3 −アントラセンジカ
ルボン酸無水物、1,9 −アントラセンジカルボン酸無水
物等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミ
ンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置
換されていても差し支えないし、単独、もしくは二種以
上混合して用いても何ら差し支えない。
【0013】これらのジカルボン酸無水物の中で無水フ
タル酸が、得られるポリイミドの性能面および実用面か
ら最も好ましい。ジカルボン酸無水物を用いる場合、そ
の量は、式(4)で表される4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル1モル当り、 0.001〜1.0 モ
ル比である。0.001モル未満では、高温成形時に粘度の
上昇が見られ成形加工性の低下の原因となる。また、1.
0 モルを超えると機械的特性が低下する。好ましい使用
量は0.01〜0.5 モルの割合である。
【0014】また、一般式(3)で示される芳香族モノ
アミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、
m−トルイジン、p−トルイジン、2,3 −キシリジン、
2,6−キシリジン、3,4 −キシリジン、3,5 −キシリジ
ン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−ク
ロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリ
ン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニ
トロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノフェノ
ール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、
o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o
−フェネジン、m−フェネジン、p−フェネジン、o−
アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒ
ド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニ
トリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾ
ニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニ
ル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニ
ルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4
−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベゾフ
ェノン、3−アミノベゾフェノン、4−アミノベゾフェ
ノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−ア
ミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニル
フェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスル
ホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミ
ノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β
−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−
アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトー
ル、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナ
フトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−
1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−ア
ミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミ
ノアントラセン等が挙げられる。これらの芳香族モノア
ミンは、アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有
しない基で置換されていても差し支えないし、単独もし
くは二種以上混合して用いても何等差し支えない。芳香
族モノアミンを用いる場合、その量は式(5)で表され
るテトラカルボン酸二無水物、すなわち、3,3',4,4' −
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1モル当り、 0.0
01〜1.0 モル比である。 0.001モル未満では、高温成形
時に粘度の上昇が見られ成形加工性低下の原因となる。
また、 1.0モルを超えると機械的特性が低下する。好ま
しい使用量は0.01〜0.5 モルの割合である。
【0015】本発明のポリイミド樹脂の製造方法は公知
のいずれの方法によっても製造される。すなわち、 1)有機溶剤中でポリアミド酸を合成し、溶剤を減圧等
による除去を行うか、得られたポリアミド酸溶液から貧
溶媒を用いる等の方法によりポリアミド酸を単離した
後、これを加熱してイミド化を行いポリイミドを得る方
法。 2)1)と同様にしてポリアミド酸溶液を得、更に無水
酢酸に代表される脱水剤を加え、また必要に応じて触媒
を加えて化学的にイミド化を行った後、公知の方法によ
りポリイミドを単離し、必要に応じて洗浄、乾燥を行う
方法。 3)1)と同様にしてポリアミド酸溶液を得た後、減圧
もしくは加熱により溶剤を除去すると同時に熱的にイミ
ド化を行う方法。 4)有機溶剤中に原料を装入後、加熱を行いポリアミド
酸の合成とイミド化反応を同時に行い、必要に応じて触
媒や共沸剤、脱水剤等を共存させる方法。などがあげら
れる。
【0016】製造に際しては有機溶媒中で反応を行うの
が特に好ましく、用いられる有機溶剤としては、例え
ば、N,N −ジメチルホルムアミド、N,N −ジメチルアセ
トアミド、N,N −ジエチルアセトアミド、N,N −ジメチ
ルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3 −ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチ
ルカプロラクタム、1,2 −ジメトキシエタンビス(2−
メトキシエチル)エーテル、1,2 −ビス(2−メトキシ
エトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3 −ジ
オキサン、1,4 −ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル
尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−ク
レゾール酸、p−クロロフェノール、アニソール等が挙
げられる。また、これらの有機溶剤は単独でも、または
2種以上混合して用いても差し支えない。
【0017】本発明の方法において、有機溶媒中にジア
ミン類、テトラカルボン酸二無水物およびジカルボン酸
無水物あるいは芳香族モノアミンを添加、反応させる方
法としては、 (イ)テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン類を反応
させた後にジカルボン酸無水物あるいは芳香族モノアミ
ンを添加して反応を続ける方法。 (ロ)ジアミン類にジカルボン酸無水物を加えて反応さ
せた後テトラカルボン酸二無水物を添加して反応を続け
る、あるいは、テトラカルボン酸二無水物に芳香族モノ
アミンを加えて反応させた後ジアミン類を添加して反応
を続ける方法。 (ハ)テトラカルボン酸二無水物、ジアミン類およびジ
カルボン酸無水物あるいは芳香族モノアミンを同時に添
加して反応をさせる方法。など、いずれの添加方法をと
っても差し支えない。 重合・イミド化反応温度は通常300 ℃以下である。 重合・イミド化反応圧は特に限定されず、常圧で十分実
施できる。 重合・イミド化反応時間は、ジアミンの種類、テトラカ
ルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類および反応温度に
より異なり、通常4〜24時間で十分である。
【0018】以上の方法により式(1)ポリイミドが得
られる。特に、本発明においては式(1)で表される対
数粘度が0.70dl/g以上、好ましくは0.75d
l/g以上のポリイミド樹脂の役割が特に重要である。
この分子量の調整は容易に行える。その方法とは、重合
反応を行う際にジアミンが過剰の場合はジアミンに対す
るテトラカルボン酸二無水物の割合、テトラカルボン酸
二無水物が過剰の場合はテトラカルボン酸二無水物に対
するジアミンの割合を、共に1モル比に近づけることに
より、重合度の高いポリイミドが得られる。対数粘度が
0.70dl/g未満の場合、そのポリイミド樹脂と補
強材で構成されるポリイミド樹脂組成物から得られる射
出成形体は、対数粘度が0.70dl/g以上の物に比
べて射出成形体の疲労特性、即ち最大加振応力に対する
繰り返し疲労回数が少なく、良好な疲労特性を有してい
ない。
【0019】本発明におけるポリイミド樹脂組成物は、
式(1)で表される対数粘度0.70dl/g以上、好
ましくは0.75dl/g以上のポリイミド樹脂100
重量部に対して、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリア
ミド繊維、チタン酸カリウム繊維等の補強材を5〜65
重量部であるが、好ましくは10〜50重量部を添加す
ることにより調整される。補強材の使用量が5重量部未
満の場合充分な補強効果が得られない。また、65重量
部を越えた場合ポリイミド樹脂組成物自体の射出成形性
が低下してしまい、良好な射出成形体が得られない。ま
た、補強材の添加方法としては通常公知の方法が用いら
れるがポリイミド粉末および補強材を乳鉢、ヘンシェル
ミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、
ボールミル、リボンブレンダー等を利用して予備混練し
た後、溶融混合機、熱ロ−ル等を用いてペレットや粉状
混合物を得る方法が最も一般的である。本発明のポリイ
ミド樹脂組成物の成形方法としては、射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法、回転成形法等公知の成形法により
成形され実用に供されるが、本発明におけるポリイミド
樹脂は優れた溶融流動性を有する特徴があるため、作業
効率の面から考えても最も射出成形法が好ましい。
【0020】本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可
塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、変性ポ
リフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ドおよび熱硬化性樹脂を目的に応じて適当量配合するこ
とも可能である。 また、本発明の芳香族ポリイミド樹
脂組成物に対して固体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを
一種以上添加することができる。
【0021】さらに、本発明の樹脂組成物に対して本発
明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤
などの通常の添加剤を一種以上添加することができる。
本発明におけるポリイミド樹脂組成物から得られる射出
成形体は、金型の形状を変えることによりいかなる形状
の成形体も作成可能であるが、特に優れた動的疲労特性
が要求される自動車部品まわりのバルブリフタ−やイン
ペラ−等への適用が期待される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を合成例、実施例および比較例
により詳細に説明する。なお、例中で各種物性の測定は
次の方法によった。 対数粘度:ポリイミド粉末0.50gをp−クロロフェノー
ルとフェノールの混合溶媒(90:10重量比)100 ml加
熱溶解した後35℃に冷却して測定定した値である。 ガラス転移温度(Tg):DSC(島津DT−40シリ
ーズ、DSC−41M)により16℃/minの昇温速
度で測定 5%重量減少温度:空気中でDTA−Tg(島津DT−
40シリーズ、DSC−40M)により10℃/min
の昇温速度で測定
【0023】合成例−1 かきまぜき、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を
備えた容器に、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル3.684 kg(10.0モル)、3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物 2.883kg(9.8 モ
ル)、γ−ピコリン138 g(1.5 モル)およびm−クレ
ゾール26.2kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌し
ながら145 ℃まで加熱昇温した。この間、約360 gの水
の留出が確認された。更に、140 〜150 ℃で4時間反応
を行った。その後、室温まで冷却し、98.5kgのメチル
エチルケトンに排出した後、濾別した。このポリイミド
粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下
において、50℃で24時間予備乾燥した後、200 ℃で6時
間乾燥して6.08kg(収率98.0%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉の対数粘度は0.95dl/g、Tg
は232 ℃、空気中での5%重量減少温度は 554℃であっ
た。
【0024】合成例−2 反応を行う際に、無水フタル酸59.2g(0.40モル)を加
えた以外は合成例−1と同様な方法で反応を行いポリイ
ミド粉6.18g(収率98.6%)を得た。このポリイミド粉
の対数粘度は0.93dl/g、Tgは230 ℃、空気中での
5%重量減少温度は561 ℃であった。
【0025】合成例−3 合成例−2の3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物2.883 kg(9.8 モル)、無水フタル酸59.2g
(0.40モル)を、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物2.839 kg(9.65モル)、無水フタル酸10
3.7 g(0.70モル)に変更した以外は合成例−2と同様
な方法で反応を行いポリイミド粉6.18kg(収率98.6
%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.70dl/
g、Tgは230 ℃、空気中での5%重量減少温度は565
℃であった。
【0026】合成例−4 合成例−2の3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物2.883 kg(9.8 モル)、無水フタル酸59.2g
(0.40モル)を3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物2.825 kg(9.60モル)、無水フタル酸118.
5 g(0.80モル)に変更した以外は合成例−2と同様な
方法で反応を行いポリイミド粉6.14kg(収率98.0%)
を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.62dl/g、
Tgは228 ℃、空気中での5%重量減少温度は563 ℃で
あった。
【0027】合成例−5 反応を行う際に、1,8 −ナフタレンジカルボン酸無水物
79.3g(0.40モル)を加えた以外は合成例−1と同様な
方法で反応を行いポリイミド粉6.21kg(収率98.8%)を
得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.94dl/g、T
gは233 ℃、空気中での5%重量減少温度は 561℃であ
った。
【0028】合成例−6 かきまぜき、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を
備えた容器に、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル3.610 kg(9.8 モル)、3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物2.942 kg(10.0モ
ル)、γ−ピコリン138 g(1.5 モル)、アニリン37.3
g(0.40モル)およびm−クレゾール26.2kgを装入
し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145 ℃まで加熱
昇温した。この間、約 360gの水の留出が確認された。
更に、 140〜150 ℃で4時間反応を行った。その後、室
温まで冷却し、93.4kgのメチルエチルケトンに排出し
た後、濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケト
ンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時
間予備乾燥した後、200 ℃で6時間乾燥して6.12kg
(収率98.2%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド
粉の対数粘度は0.92dl/g、Tgは231 ℃、空気中で
の5%重量減少温度は 560℃であった。
【0029】合成例−7 合成例−6の4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル3.610 kg(9.8 モル)、アニリン37.3 g(0.40
モル)を4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル3.555 kg(9.65モル)、アニリン65.2g(0.70モ
ル)に変更した以外は合成例−6と同様な方法で反応を
行いポリイミド粉6.09kg(収率98.2%)を得た。この
ポリイミド粉の対数粘度は0.71dl/g、Tgは229
℃、空気中での5%重量減少温度は558 ℃であった。
【0030】合成例−8 合成例−6の4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル3.610 kg(9.8 モル)、アニリン37.3 g(0.40
モル)を4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル3.537 kg(9.60モル)、アニリン74.5g(0.80モ
ル)に変更した以外は合成例−6と同様な方法で反応を
行いポリイミド粉6.07kg(収率98.0%)を得た。この
ポリイミド粉の対数粘度は0.63dl/g、Tgは226
℃、空気中での5%重量減少温度は559 ℃であった。
【0031】合成例−9 合成例−6において、アニリン37.3 g(0.40 モル)のか
わりに、p−トルイジン42.8g(0.40モル)を用いた以
外は、合成例−6と同様に行ってポリイミド粉6.14kg
(収率98.5%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は
0.91dl/g、Tgは231 ℃、空気中での5%重量減少
温度は 556℃であった。
【0032】実施例−1〜3 合成例1で得られたポリイミド粉100 重量部に対して、
東邦レ−ヨン社製炭素繊維(HTA−C6)40重量部を
添加し、ドラムブレンダ−混合機(川田製作所社製)で
混合した後、口径30mmの単軸押出機により400 ℃で溶融
混練した後、ストランドを空冷、切断してペレットを得
た。得られたペレットを用いてア−ブル−グ射出成形機
で射出圧力500kg/cm2 、シリンダ−温度410 ℃、金型温
度180 ℃の条件下射出成形を行い引張試験片を作成し
た。この試験片を用いてJIS K7118に従い部分片振り法
で繰り返し疲労回数を測定した。荷重と繰り返し疲労回
数を表1に纏めて示す。
【0033】実施例−4〜21 合成例2、3、5、6、7、9で得られたポリイミド粉
を用いて実施例1と同様にして引張試験片を作成し繰り
返し疲労回数を測定した。この結果を表1に併せて示
す。
【0034】実施例−22〜33 合成例2、6で得られたポリイミド粉を用いて、実施例
1で用いた東邦レ−ヨン社製炭素繊維(HTA−C6)
の代わりに、日本板硝子社製ガラス繊維(マイクログラ
スRES)またはDuPont社製アラミド繊維(ケブ
ラ−チョップドストランドK−49)を用いた以外は実
施例1と同様にして引張試験片を作成し繰り返し疲労回
数を測定した。結果を表2に示す。
【0035】比較例−1〜12 合成例4、8で得られたポリイミド粉を用いて実施例1
と同様にして引張試験片を作成し繰り返し疲労回数を測
定した。この結果を表3に示す。表1、2及び3の結果
から判るように、対数粘度が0.70dl/g以上である合
成例1、2、3、5、6、7、9のポリイミドは優れた
疲労特性を有しているのに対して、対数粘度が0.70dl
/g未満である合成例4、8のポリイミドは疲労特性、
即ち一定の加振応力応力における繰り返し疲労回数が対
数粘度0.70dl/g以上のものに比べて一桁以上下回る
ことが判る。
【0036】実施例34〜42 合成例2で得られたポリイミド粉100 重量部に対して、
繊維の添加量を変化させた試験片を実施例1の方法で作
成し荷重と繰り返し疲労回数の関係を測定した。結果を
表4に示す。
【0037】比較例13〜18 本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−34〜42と
同様の方法で荷重と繰り返し疲労回数の関係を測定し
た。結果を表5に示す。繊維を本発明の範囲内で使用し
た場合、優れた疲労特性を有しているのに対して、繊維
の使用量が本発明よりも下回った場合、良好な疲労特性
が発揮されず、また繊維の使用量が本発明の範囲よりも
上回った場合射出成形不可能であり、成形物が得られな
かった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、著しく耐疲労性
に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体が提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQT // B29K 79:00 (72)発明者 飯山 勝明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1) 【化1】 で表される繰り返し構造単位を有し、対数粘度が0.7
    0dl/g以上のポリイミド100重量部と、5〜65
    重量部の炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維
    および/またはチタン酸カリウム繊維を含む疲労特性に
    優れたポリイミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記式(1)で表される繰り返し構造単
    位を有するポリイミドを製造する際に一般式(2)(化
    2) 【化2】 および/または一般式(3) V−NH2 (3) (式中ZおよびVはそれぞれ炭素数6〜15であり、単
    環式芳香族基、縮合多環式芳香族基および/または芳香
    族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
    多環式芳香族基である2価および1価の基を表す。)で
    表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または芳香
    族モノアミンを共存させて得られる、ポリマ−の分子末
    端を封止したものであるか、あるいは当該ポリマ−の分
    子末端を封止したものを含むものである請求項1記載の
    疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリイミド樹脂
    組成物から得られる射出成形体。
JP9716694A 1994-05-11 1994-05-11 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体 Expired - Lifetime JP3377859B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9716694A JP3377859B2 (ja) 1994-05-11 1994-05-11 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9716694A JP3377859B2 (ja) 1994-05-11 1994-05-11 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07304949A true JPH07304949A (ja) 1995-11-21
JP3377859B2 JP3377859B2 (ja) 2003-02-17

Family

ID=14184995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9716694A Expired - Lifetime JP3377859B2 (ja) 1994-05-11 1994-05-11 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3377859B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09255872A (ja) * 1996-03-26 1997-09-30 Nippon G Ii Plast Kk 帯電防止樹脂組成物
JPH11114743A (ja) * 1997-10-07 1999-04-27 Mitsui Chem Inc 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
WO2000008090A1 (fr) * 1998-08-06 2000-02-17 Mitsui Chemicals, Incorporated Polyimide contenant un groupe reticulable et son procede de production
CN1085707C (zh) * 1997-10-23 2002-05-29 上海市合成树脂研究所 钛酸钾晶须增强聚酰亚胺复合材料的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09255872A (ja) * 1996-03-26 1997-09-30 Nippon G Ii Plast Kk 帯電防止樹脂組成物
JPH11114743A (ja) * 1997-10-07 1999-04-27 Mitsui Chem Inc 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
CN1085707C (zh) * 1997-10-23 2002-05-29 上海市合成树脂研究所 钛酸钾晶须增强聚酰亚胺复合材料的制备方法
WO2000008090A1 (fr) * 1998-08-06 2000-02-17 Mitsui Chemicals, Incorporated Polyimide contenant un groupe reticulable et son procede de production
US6531568B1 (en) 1998-08-06 2003-03-11 Mitsui Chemicals, Inc. Polyimide containing crosslinkable group and process for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3377859B2 (ja) 2003-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0564299B1 (en) Use of liquid cristalline polyimides in thermoplastic compositions
JP3377859B2 (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体
KR0148049B1 (ko) 폴리이미드계수지조성물
JPH083446A (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体
JP3333035B2 (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂及び射出成形体
JPH0977870A (ja) ポリイミド共重合体およびその製造方法
JP3258466B2 (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形体
JP3137537B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物
JP3676603B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物
JPH08333454A (ja) 疲労特性に優れたポリイミド樹脂組成物および射出成形物
JPH05320339A (ja) 熱安定性良好なポリイミドおよびその製造方法
JPH07189134A (ja) 炭素繊維用表面改質剤
JP2001055362A (ja) 芳香族ジアミノ化合物
JP2764392B2 (ja) 溶融成形用ポリイミドの製造方法
JPH07268214A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP3493060B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP2779363B2 (ja) ポリイミドの製造方法
JPH0977975A (ja) ポリイミド樹脂組成物およびそれらを用いた接着剤
JP3088705B2 (ja) ポリイミド
JPH0987517A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
KR0163845B1 (ko) 폴리이미드공중합체
JPH06228437A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JPH07188552A (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JPH06145352A (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JPH0977868A (ja) 熱安定性良好なポリイミド粉の単離方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121206

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121206

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131206

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term