JPH0730464Y2 - 車体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は，例えば，リヤホイルハウスパネル・インナに
形成したスプリングハウスを，スプリングハウス・ブレ
ースで補強した自動車の車体構造の改良に関する。

（従来の技術） 例えば，第３図に示すような自動車の車体には，リヤ部
のスプリングハウス1,1（一方のみ図示）を，第４図中
に示すスプリングハウス・ブレース２で補強しているも
のがある。つまり，上記スプリングハウス１は，リヤホ
イルハウスパネル・インナ３にスプリングハウスパネル
４を結合することにより形成されたもので，リヤホイル
ハウスパネル・インナ３の上面側に突出している。そし
て，スプリングハウス１は，車体に組付けられるリヤ・
サスペンション装置（図示しない）のスプリング等の外
周および上端部を覆う。

さらに，前記スプリングハウス・ブレース２は，その一
端部をスプリングハウスパネル４の上端部５の一部に覆
い被せた状態で取付けられている。そして，スプリング
ハウス・ブレース２は，上記一端部をスプリングハウス
１にスポット溶接されている。また，スプリングハウス
・ブレース２には，その周縁に沿ってフランジ部６が形
成されており，このフランジ部６はリヤホイルハウスパ
ネル・インナ3,および，クォータパネル・アスタ７にス
ポット溶接されている。

また，リヤホイルハウスパネル・インナ３には，シート
バック・ブレースとしてのシートバック・パネル８が結
合している。このシートバック・パネル８は前方に低く
傾斜した状態で取付けられ，車体に組付けられるリヤシ
ート（図示しない）のシートバックの背面に当接して上
記シートバックを支持するものである。そして，このシ
ートバック・パネル８は，互いの縁部を重ね合せてスポ
ット溶接した中央パネル９と側部パネル10とで構成され
ている。上記中央パネル９には通孔11やビード溝12…が
形成されている。さらに，シートバック・パネル８は，
側部パネル10に設けられたフランジ部13をリヤホイルハ
ウスパネル・インナ３の曲面に当接させており，上記フ
ランジ部13はリヤホイルハウスパネル・インナ３にスポ
ット溶接されている。また，側部パネル10の側端部には
折曲部14が設けられており，この折曲部14はリヤホイル
ハウスパネル・インナ３にスポット溶接されている。そ
して，シートバック・パネル８の他端側も上述の一端側
と同様の構造になっている。なお，第４図中のｘ印15…
はスポット溶接部を示すものであり，また，同図中の矢
印Ａは車体の前方を示している。

（考案が解決しようとする課題） ところで，上述のような従来のものでは，シートバック
・パネル８の側端部はリヤホイルハウスパネル・インナ
３に結合されているだけであったため，シートバック・
パネル８の剛性が十分に得られない場合があった。そし
て，このようなときには，例えば走行中にシートバック
・パネル８に振動が生じたり，シートバック・パネル７
の振動による異音が発生したりするという不具合があっ
た。

本考案の目的とするところは，シートバック・パネルの
剛性を高め，シートバック・パネルに振動や異音が生じ
るのを防止することにある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段及び作用） 上記目的を達成するために本考案は、リヤサスペンショ
ン用スプリングの上端を支持すべく上面側に突出する円
筒形状の突出部を有するスプリングハウスと、このスプ
リングハウスの一部を形成するリヤホイルハウスパネル
・インナに結合され車幅方向に沿って配設したリヤシー
トバック・ブレースと、クォータパネル・アウタおよび
上記突出部との間に設けられ上記スプリングハウスを覆
う状態で取付けられたスプリングハウス・ブレースとを
備えた車体構造において、上記突出部に当接結合する上
記スプリングハウス・ブレースの中心部に、上記スプリ
ングハウスの突出部の外周を覆う円筒形状部を形成し、
上記スプリングハウス・ブレースの上記円筒形状部から
車体前方には上記シートバック・ブレースと結合する横
断面ハット形状の延長部を形成し、さらに同延長部と上
記リヤホイルハウス・インナとにより閉断面を形成した
ことにある。

こうすることによって本考案は、シートバック・ブレー
スの剛性を向上させ，シートバック・ブレースに振動や
異音が生じるのを防止できるようにしたことにある。

（実施例） 以下，本考案の一実施例を第１図および第２図に基づい
て説明する。なお，従来の技術の項で説明したものと重
複するものについては同一番号を付し，その説明を省略
する。

第１図は本考案の一実施例の要部を示すもので，図中21
はスプリングハウス・ブレースである。このスプリング
ハウス・ブレース21は，例えば金属板を折曲加工してな
るものである。そして，このスプリングハウス・ブレー
ス21の中央部22は，第２図中に示すように，中心部に円
孔23を残して上端を閉塞した円筒状に成形されており，
この中央部22はスプリングハウスパネル４に上方から冠
着している。

また，上記中央部22には，ほぼ90度の間隔を介在させ，
それぞれが中央部22の径方向外側へ延びる２つの脚部2
4,25が一体に設けられている。各脚部24,25は底部を開
口した角筒状のものであり，先端側から固定端側にかけ
て徐々に太く成形されている。そして，各脚部24,25
は，その先端も開口している。さらに，一方の脚部24は
クォータパネル７へ向かって延びており，また，延長部
としての他方の脚部25はシートバック・ブレースとして
のシートバックパネル８の側へ延びている。

さらに，このスプリングハウス・ブレース21には，下縁
部に沿って下端側フランジ部26が設けられている。ま
た，各脚部24,25の先端の開口縁部にも側端側フランジ
部27,28が，上記下端側フランジ部24と一体に設けられ
ている。

そして，上記中央部22の天部22aの下面とスプリングハ
ウス・パネル４の上面とは当接しており，スプリングハ
ウス・ブレース21は上記天部22aをスプリングハウス・
パネル４にスポット溶接されている。また，上記下端側
フランジ部26はリヤホイルハウスパネル・インナ３の上
面の曲面に沿うよう成形されており，リヤホイルハウス
パネル・インナ３の上面に当接している。そして，この
下端側フランジ部26はスポット溶接によりリヤホイルハ
ウスパネル・インナ３に結合されている。また，クォー
タパネル・アウタ７の側の脚部24に設けられた側端側フ
ランジ部27は，クォータパネル・アウタ７に当接しスポ
ット溶接されている。さらに，シートバック・パネル側
の脚部25に設けられた側端側フランジ28は，シートバッ
ク・パネル８の側部パネル10に背面側から当接しスポッ
ト溶接されている。なお，図中の矢印Ａは車体の前方を
示している。

このような構成の車体構造では，スプリングハウス・ブ
レース21はクォータパネル・アウタ7,シートバック・パ
ネル８及びスプリングハウス・パネル４に結合してい
る。つまり，シートバックパネル８はスプリングハウス
・ブレース21を介してクォータパネル・アウタ７に結合
しており，このためシートバックパネル８は，リヤホイ
ルハウスパネル・インナ３とクォータパネル・アウタ７
とに結合する。したがって，シートバックパネル８の剛
性が大幅に向上する。そして，シートバックパネル８が
振動したり，あるいはシートバックパネル８の振動によ
る異音が発生したりすることがない。また，シートバッ
クパネル８がスプリングハウス・ブレース21を介してク
ォータパネル・アスタ７に結合していることから，車体
全体としての剛性も向上する。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、リヤサスペンション用ス
プリングの上端を支持すべく上面側に突出する円筒形状
の突出部を有するスプリングハウスと、このスプリング
ハウスの一部を形成するリヤホイルハウスパネル・イン
ナに結合され車幅方向に沿って配設したリヤシートバッ
ク・ブレースと、クォータパネル・アウタおよび上記突
出部との間に設けられ上記スプリングハウスを覆う状態
で取付けられたスプリングハウス・ブレースとを備えた
車体構造において、上記突出部に当接結合する上記スプ
リングハウス・ブレースの中心部に、上記スプリングハ
ウスの突出部の外周を覆う円筒形状部を形成し、上記ス
プリングハウス・ブレースの上記円筒形状部から車体前
方には上記シートバック・ブレースと結合する横断面ハ
ット形状の延長部を形成し、さらに同延長部と上記リヤ
ホイルハウス・インナとにより閉断面を形成したもので
ある。

したがって本考案は，容易にシートバック・ブレースの
剛性を向上し，シートバック・ブレースに振動や異音が
生じるのを防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示すもので，
第１図は要部を示す斜視図，第２図はスプリングハウス
・ブレースを示す同じく斜視図，第３図一般の自動車の
車体を示す同じく斜視図，第４図は従来例を示す同じく
斜視図である。 １……スプリングハウス,3……リヤホイルハウスパネル
・インナ,8……シートバック・パネル（シートバック・
ブレース）,25……シートバック・パネル側脚部（延長
部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リヤサスペンション用スプリングの上端を
   支持すべく上面側に突出する円筒形状の突出部を有する
   スプリングハウスと、このスプリングハウスの一部を形
   成するリヤホイルハウスパネル・インナに結合され車幅
   方向に沿って配設したシートバック・ブレースと、クォ
   ータパネル・アウタおよび上記突出部との間に設けられ
   上記スプリングハウスを覆う状態で取付けられたスプリ
   ングハウス・ブレースとを備えた車体構造において、上
   記突出部に当接結合する上記スプリングハウス・ブレー
   スの中心部に、上記スプリングハウスの突出部の外周を
   覆う円筒形状部を形成し、上記スプリングハウス・ブレ
   ースの上記円筒形状部から車体前方には上記シートバッ
   ク・ブレースと結合する横断面ハット形状の延長部を形
   成し、さらに同延長部と上記リヤホイルハウス・インナ
   とにより閉断面を形成したことを特徴とする車体構造。