JPH0730425B2 - 高分子複合型希土類磁石材料の製造方法 - Google Patents

高分子複合型希土類磁石材料の製造方法

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JPH0730425B2
JPH0730425B2 JP63106993A JP10699388A JPH0730425B2 JP H0730425 B2 JPH0730425 B2 JP H0730425B2 JP 63106993 A JP63106993 A JP 63106993A JP 10699388 A JP10699388 A JP 10699388A JP H0730425 B2 JPH0730425 B2 JP H0730425B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,Nd−Fe−B系永久磁石を代表とする希土類金
属(R)と遷移金属(T)とホウ素(B)を主成分とし
てなるR2T14B(RはY及び希土類元素の少なくとも一
種,Tは遷移元素を表わす。)系の希土類磁石粉末を用い
たゴム磁石及びプラスチック磁石を典型とする高分子複
合希土類磁石材料の製造方法に関する。
[従来の技術] 一般に,高分子複合型磁石材料は,高分子樹脂中に磁石
粉末を分散させたもの,或は,磁石粉末を高分子樹脂で
結着させたものである。この種の磁石材料は,鋳造磁石
や焼結磁石等には見られない種々の特性,例えば弾力性
と加工容易性を備えており,様々の方面に用いられてい
る。これら分散結着される磁石粉末としては,これまで
種々のものが使用されており,特にNd−Fe−B系希土類
磁石合金粉末は,最も優れた磁石特性を示すことが知ら
れている。
ところが,この高分子複合型希土類磁石材料は,既述し
たように,Nd−Fe−B系希土類磁石合金粉と非磁性の樹
脂とで形成されているため,焼結磁石に比べ,磁気特性
が劣るという欠点を有している。
このため,従来のNd−Fe−B系希土類磁石合金粉末を使
用した高分子複合型希土類磁石材料の製造方法では,Nd
−Fe−B系原料を溶解して得た合金インゴットを熱処理
して,粉砕し,その粉末を高分子樹脂と混合した後,磁
界中で成形することにより,磁性粉末を磁界中で配向さ
せる等の異方性化により,磁石特性を達成しようとして
いた。しかも,使用される原料の磁石合金粉末は,磁界
中での結晶粒配向性を向上させるため,微細な単結晶粒
子からなっていることが,望ましいとされていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,従来の高分子複合型希土類磁石材料の製
造方法においては,粉砕時における機械的応力により,
保磁力(IHC)の低下が生じ,特に,この合金粉末が微
細な単結晶粒子からなる領域では,保磁力が著しく低下
してしまい,高保磁力を有する焼結磁石を粉砕て磁石粉
末として使用し得たとしても,著しく磁石特性の低い高
分子複合磁石となってしまうという欠点があった。
一方,液体急冷法により粉砕すれば,保磁力の低下が殆
ど生じない合金粉末を生成することは知られてはいる
が,その反面,容易には異方性化の実現はできないとい
う問題を有している。なお,本発明者らは,この液体急
冷合金を熱間加工することによって,磁石粉末を異方性
化する発明を出願して開示したが,多大な加圧力を要す
るため,設備が大掛りで,高価なものとなるのが通例で
ある為,工業的に有益なものとはいい難かった。
そこで,本発明の技術的課題は,上記欠点に鑑み,従来
呑R−T−B系焼結磁石材料の製造工程における既存設
備の切り替えが容易な製法とすると共に,既存設備をそ
のまま活用することにより,磁石特性の改善された異方
性を有する高分子複合希土類磁石材料を製造する方法を
提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,Nd,Fe,Bを主成分として含有するR2T14B
系(RはY及び希土類元素の少なくとも一種,Tは遷移元
素を表わす。)インゴットを粉砕して初期粉末を生成し
た後、該初期粉末を第1次磁場中成形し,第1次磁性粉
末成形体を生成する1次磁場中成形工程と,該第1次磁
性粉末成形体を焼結して焼結体を生成する焼結工程と,
該焼結体を粉砕して焼結体粉砕粉末を生成する焼結体粉
砕工程と,該焼結体粉砕粉末を第2次磁場中成形し,第
2次磁性粉末成形体を生成する第2次磁場中成形工程
と,該第2次磁性粉末成形体を熱処理し,熱処理成形体
を生成する熱処理工程と,該熱処理成形体を高分子樹脂
で複合成形する樹脂複合成形処理工程とを有する高分子
複合型希土類磁石材料の製造方法が得られる。
また,本発明によれば,前記熱処理工程は前記第2次磁
性粉末成形体を,480〜1120℃の範囲内の温度で熱処理し
て,熱処理成形体を生成することを特徴とする高分子複
合型希土類磁石材料の製造方法が得られる。
また,本発明によれば,前記樹脂複合成形処理工程の前
に,前記熱処理成形体を,前記熱処理温度保持後,急冷
し,再度,540〜800℃の範囲で再加熱処理する急冷再加
熱処理工程を含むことを特徴とする高分子複合型希土類
磁石材料の製造方法が得られる。
また,本発明によれば,前記樹脂複合成形処理工程の前
に前記熱処理成形体を前記熱処理温度保持後,除冷し,
再度450〜750℃の温度範囲内で再加熱処理する除冷再加
熱処理工程を含むことを特徴とする高分子複合型希土類
磁石材料の製造方法が得られる。
また,本発明によれば,前記樹脂複合成形処理工程は,
前記熱処理成形体に高分子樹脂を含浸することにより複
合成形することを特徴とする高分子複合型希土類磁石材
料の製造方法が得られる。
[本発明の概要] 本発明の磁石特性の向上は,IHCとBrの向上に関係してお
り,成形用粉末が複数の配向した結晶粒に深く起因して
いることを,種々の実験を行った結果発見した事実によ
り,本発明は構成されるものである。
以下に,その本発明の概要を示す。
まず,R2T14B系合金インゴットを粉砕して第1次粉末
を生成した後,第1次磁場中成形を施して,第1次磁性
粉末成形体を生成する。
次に,得られた第1次磁性粉末成形体を焼結し,これ
により,高結晶配向度の焼結体を生成する。
次に,第2次粉末を第2次磁場中成形し,第2次磁性
粉末成形体を生成する。
次に,第2次磁性粉末成形体を熱処理して,熱処理成
形体を得る。このとき,熱処理温度は,実質的に,480〜
1120℃の範囲内とする。これは,480℃以上の熱処理で,B
rとIHCが著しく向上し,また,1120℃以上の熱処理では,
IHCの低下が顕著になる為である。このことは,粉砕の
際の機械的ダメージ,及び変質は,熱処理では,回復し
ない。しかし,900℃以上の高温熱処理により,内部歪み
が解消されることを示している。
ここで,更に,IHCを向上させるために,熱処理成形体
を,熱処理温度保持後,急冷し或は除冷し,再度,450〜
800℃或は450〜750℃の温度範囲内で再加熱処理を施し
てもよい。
次に,熱処理成形体を,高分子樹脂に含浸して,高い
磁石特性を有するR−T−B系高分子複合型希土類磁石
材料を生成する。
一方,焼結体を粉砕して,焼結体粉砕粉末を生成し,
この焼結体粉砕粉末を,高分子樹脂と混合した後,第2
次磁場中成形し,圧縮成形又は射出成形して,高い磁石
特性を有するR−T−B系高分子複合型希土類磁石材料
を生成する。
ここで,この焼結体を粉砕して第2次粉末を生成し,そ
の平均粒径を,焼結体の平均結晶粒径に比し1.5倍以上
とすることにより,熱処理による保磁力及び,同時にB
r,(BH)maxの向上も顕著になり,一方,上限を1mmとし
たのは,これ以上の粒径では,高分子複合型希土類磁石
材料としての均質性が低下すると共に,粉末成形時にお
ける金型破損や流動性の不均一性等の不具合が生じるた
めである。なお,焼結体の平均結晶粒径は,0.5〜100μ
mの範囲内であることが好ましいが,これらに限定され
るものではない。
以上の説明の通り,本発明に係わる熱処理成形体を生成
して,これを用いることにより,含浸型の広汎な高分子
複合型希土類磁石材料を提供できるものである。
[実施例] 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
−実施例1− 本発明の実施例1に係る高分子複合型希土類磁石は,熱
処理成形体を高分子樹脂に含浸するケースに関する。
まず,純度97wt%のNd(残部はCe,Prを主体とするNd以
外の希土類元素)とフェロボロン(Bの含有量約20wt
%)及び電解鉄を使用し,希土類元素(R)が33.5%,B
が1.1%,残部Feとなるように,アルゴン雰囲気中で,
高周波加熱により溶解して,合金インゴットを得た。こ
のインゴットを粗粉砕した後,ボールミルを用いて平均
粒径約2μmに微粉砕した。この合金粉末を,約20KOe
の磁界中にて,1ton/cm2の圧力で,直方体に磁場中成形
した(第1次磁場中成形工程)。
次に,この第1次磁性粉末成形体を,真空中で1030℃で
1時間保持した後,アルゴン(Ar)雰囲気中に3時間保
持し,焼結体を得た(焼結工程)。このとき,焼結体の
密度は約7.55grm-3であり,平均粒径は,約6μmの結
晶粒であった。
この焼結体を150メッシュ以下に粗粉砕し,焼結体粉砕
粉末である合金粉末を生成し(焼結体粉砕工程),この
合金粉末を,約200eの磁界中,5ton/cm2成形圧で円板状
に磁場中成形した(第2次磁場中成形工程)。
得られた第2次磁性粉末成形体を,450℃,500℃,700℃,8
00℃,900℃,1000℃,1050℃,1100℃,1150℃の温度で,夫
々真空中に1時間,その後,Ar中に1時間保持する熱処
理(熱処理工程)後,急冷し,熱処理成形体を得た。こ
れらの急冷した熱処理成形体の密度(G.D.)は,5.40〜
7.00(grcm-3)であった。
次に,これらの熱処理成形体を真空引き後,エポキシ樹
脂に含浸した。続いて,80℃で,5時間保持し硬化させ,
実施例1に係る高分子複合磁石とした(樹脂複合成形工
程)。
第1図に,得られた実施例に係る高分子複合型希土類磁
石材料の磁石特性を示す。
その結果,熱処理温度480〜1120℃の範囲内で,高い磁
石特性を示すことが分かる。この図において,横軸は成
形工程での熱処理温度,縦軸は最大エネルギー積(BH)
max{MGOe},残留磁束密度Br{KG},保磁力IHC{KO
e},密度G.D.{gr・cm-3}を夫々示している。
ここで,比較例に係る高分子複合希土類磁石として,上
記した焼結体を600℃で2時間時効し,その後,この時
効処理した焼結体を,実施例1と同様に,焼結体粉砕,
第2次磁場中成形,熱処理及び,エポキシ樹脂に含浸し
て,高分子複合化をおこなった)。比較例の測定された
磁石特性と密度は,(BH)max4.0{MGOe},Br5.5{K
G},IHC3.0{KOe},G.D.5.4{gr・cm-3}であり,本実
施例に係る高分子複合型希土類磁石の方が,比較例より
も,高い磁石特性が得られることが判明した。なお,比
較例における時効処理した焼結体の磁石特性は,最大エ
ネルギー積(BH)max44.0{MGOe},残留磁束密度Br13.
7{KG},保磁力IHC12.0{KOe},で結晶粒の平均粒径
が約6μmで,焼結密度G.D.7.55{gr・cm-3}であっ
た。
−実施例2− 本発明の実施例2に係る高分子複合型希土類磁石は,熱
処理成形体を急冷して,再加熱処理した後,高分子樹脂
に含浸するケースに関する。
まず,実施例1で作製した焼結体の粗粉末より磁場中成
形した,第2次磁性粉末成形体を,1000℃で,真空中とA
r中とで夫々1時間保持の熱処理した後,急冷した。
次に,これら熱処理した熱処理成形体を500℃〜800℃ま
で,50℃毎に,夫々について,2時間Ar中で保持後,急冷
し再加熱処理した。この再加熱処理した得られた成形体
の密度G.D.は6.10〜6.15{gr・cm-3}であった。その
後,これらの成形体を,実施例1と同様にして,高分子
複合型希土類磁石とし,その磁石特性を測定し,第2図
に示した。
その結果,再加熱処理の温度が540〜800℃の範囲内で,
高い磁石特性値が得られることが確認された。
なお,比較例として,上記の再加熱処理を除いては,本
実施例と同様に製造された高分子複合型希土類磁石を生
成し,その磁石特性を測定した。その結果は,(BH)ma
x21.5{MGOe},Br9.9{KG},IHC8.5{KOe},G.D.6.10
{gr・cm-3}であった。
−実施例3− 本発明の実施例3に係る高分子複合型希土類磁石は,熱
処理成形体を除冷して,再加熱処理した後,高分子樹脂
に含浸するケースに関する。
まず,実施例1で作製した焼結体粉砕粉末(−150メッ
シュ以下)を再度磁場中成形した第2次磁性粉末成形体
を,1000℃で,真空中,Arガス中各々1時間保持した後,3
00℃まで炉冷した。なお,この炉冷速度は,1000℃近傍
では,約−150℃/Hr,700℃近傍では,約−70℃/Hr,400
℃近傍では,−30℃/Hrとした。
次に,これらの熱処理成形体を,450〜750℃まで,50℃毎
に,夫々2時間保持後,除冷し,再加熱処理した。再加
熱処理を施した熱処理成形体の密度G.D.は,6.10〜6.15
{gr・cm-3}であった。
次に,これら成形体を,実施例1と同様にして,高分子
樹脂に含浸して高分子複合型希土類磁石を得て,磁石特
性の測定を行し,その測定値を第3図に示す。
その結果,第3図により,実施例3に係る高分子複合型
希土類磁石は,再加熱処理温度が450〜750℃の範囲内
で,高い磁石特性が得られことが分かる。
なお,比較のために,上記の再加熱処理を除き,本実施
例と同様に作製された高分子複合型希土類磁石の磁石特
性と密度は,(BH)max21.5{MGOe},Br9.8{KG},IH
C9.0{KOe},G.D.6.10{gr・cm-3}であった。
−実施例4− 本発明の実施例4に係る高分子複合型希土類磁石は,熱
処理成形体を高分子樹脂に含浸するケースに関する。
まず,5wt%のCe,15wt%のPr残部Nd(但し,NdはNd以外の
希土類元素を含む)よりなるセリウムジジムと,ジスプ
ロシウム,フェロボロン,電解鉄,電解コバルト及びア
ルミニウムを使用して,実施例1と同様にして,(Ce・
Pr・Nd)が33.0wt%,Dyが3.0wt%,Coが10wt%,Alが1wt
%,残部がFeのR−T−B系インゴットを得た。
次に,実施例1と同様にして,平均粒径約2μmに微粉
砕した後,第1次磁場中成形し,1000℃での焼結を行っ
た。この焼結体の密度は,7.50であり,平均粒径が,約
5.5μmの結晶粒と成っていた。
次に,上記焼結体を,粗粉砕し,第2次磁場中成形し,
その後,600℃,800℃,1000℃で,夫々熱処理し,これら
熱処理成形体をエポキシ樹脂に含浸して,高分子複合磁
石を得た。それらの磁石特性の測定結果を,第1表に示
す。
比較のために焼結工程で得られた磁場中成形体の焼結体
に時効処理を施し,焼結体粉末の磁場中成形,熱処理を
経て,再加熱処理,高分子に含浸する成形工程を経て形
成された高分子複合型希土類磁石材料の測定された磁石
特性と密度は,(BH)max4.0{MGOe},Br5.2{KG},IHC
3.5{KOe},G.D.5.50{gr・cm-3}であった。
第1表より実施例4に係る高分子複合型希土類磁石は,
比較例4より,磁石特性が著しく向上したことがわか
る。
なお,比較例として,上記焼結体に,600℃で,2時間の時
効処理を施し,その後,本実施例と同様に,粗粉砕し,
第2次磁場中成形し,エポキシ樹脂に含浸し,その時の
磁石特性を測定した。その結果は,(BH)max33.5{MGO
e},Br12.1{KG},IHC14.5{KOe}であった。
その結果,本実施例の方が引用例に比べて,優れた磁石
特性を有することが分かる。
−実施例5− 本発明の実施例5に係る高分子複合型希土類磁石は,焼
結体粉砕粉末の平均粒径を50μmとなるように粉砕した
ケースに関する。
まず,純度97wt%のNd(残部はCe,Prを主体とする他の
希土類元素)とフェロボロン(Bの含有量約20wt%)及
び電解鉄を使用し,希土類元素(R)が34.0%,Bが1.0
%,残部Feとなるように,アルゴン雰囲気中で,高周波
加熱により溶解して,合金インゴットを得た。このイン
ゴットを粗粉砕した後,ボールミルを用いて平均粒径約
2μmに粗粉砕した。この合金粉末を,約20KOeの磁界
中にて,1ton/cm2の圧力で,立方体に磁場中成形した
(第1次磁場中成形工程)。
次に,この第1次磁性粉末成形体を,真空中で1000℃或
は1050℃で1時間保持した後,アルゴン雰囲気中に3時
間保持し,焼結体を得た(焼結工程)。このとき,焼結
密度は7.55gr/cm3であり,1000℃での焼結体の平均結晶
粒径は,5μm,1050℃では,10μmとなっていた。
この焼結体を,平均粒径が50μmになるように粗粉砕し
(焼結体粉砕工程),この合金粉末を,約200eの磁界
中,5ton/cm2成形圧で円板状に磁場中成形した(第2次
磁場中成形工程)。
次に,この第2次磁性粉末成形体を,400℃〜1100℃の範
囲内で,各々100℃毎に,真空中に1時間,Ar中に1時間
保持した後,急冷した(熱処理工程)。これら,熱処理
成形体の密度(G.D.)は,5.4〜6.8(gr・cm-3)であっ
た。
次に,これら熱処理成形体を真空引き後,エポキシ樹脂
を含浸んした後,80℃で5時間保持し硬化させ,高分子
複合磁石とした。その磁石特性の測定結果を,第4図に
示す。その結果,約450℃〜1100℃の熱処理で高い磁石
特性を示すことが認められた。
なお,比較例のために,上記焼結体に時効処理を施した
後,本実施例と同様に処理した高分子複合磁石を生成
し,その磁石特性を比較した。
その結果は,(BH)max2.5{MGOe},Br5.0{KG},IHC2.
0{KOe},G.D.5.40{gr・cm-3)であった。
−実施例6− 本発明の実施例6に係る高分子複合型希土類磁石は,焼
結体粉砕粉末の平均粒径を,焼結体の平均結晶粒径の1.
5倍以上になるようにしたケースに関する。
実施例5で作製した焼結体を使用して,その平均粒径を
1000℃における焼結体の場合は,5,10,15,25,250μmに
粉砕し,また,1050℃における場合は,10,20,30,50,100,
500μmに粉砕した。
この焼結体粉砕粉末を,約20KOeの磁界中,5ton/cm2の成
形圧で,第2次磁場中成形を施し,円盤状に成形した。
この第2次磁性粉末成形体を,1000℃で,真空中に1時
間,その後,Ar中に1時間保持した後,急冷し,熱処理
成形体を生成した。これら熱処理成形体の密度(G.D)
は,5.8〜6.5(gr・cm-3)であった。
次に,実施例5と同様にして,エポキシ樹脂に含浸し,
高分子複合磁石化を行い,その磁石特性を測定した。そ
の結果を第6図に示す。
その結果,平均粉砕粒径/焼結体の平均結晶粒径の値が
1.5以上になると,著しく磁石特性が向上していること
が分かる。
−実施例7− 本発明の実施例7に係る高分子複合型希土類磁石は,焼
結体粉砕粉末の平均粒径を50μmとなるように粉砕した
ケースに関する。
まず,5wt%のCe,15wt%のPr,残部Nd(但し,他の希土類
元素はNdとして含めた。)よりなるセリウムジジム,フ
ェロボロン,電解鉄,電解コバルト及びアルミニウムを
使用して,実施例6と同様にして,(Ce・Pr・Nd)が3
5.0wt%,Bが1.1wt%,Coが10wt%,Alが1wt%,残部がFe
の組成を有するインゴットを得た。
次に,実施例6と同様にして,インゴットを粉砕,磁場
中成形し,1000℃と1050℃での焼結を行った。これら焼
結体の平均結晶粒径は,1000℃で約8μm,1050℃で17μ
mと成っていた。
次に,これら焼結体を平均粒径20μmに粉砕した後,実
施例6と同様に,第2次磁場中成形し,600℃と900℃と
での熱処理を施した後,エポキシ樹脂に含浸し高分子複
合磁石化を行った。その結果を第2表に示す。
その結果,平均粉砕粒径/焼結体の平均結晶粒径の値が
1.5以上になっている平均結晶粒径8μmの試料の方
が,著しく磁石特性が向上していることが分かる。
以上の実施例で説明したように,異方性も有するR2T14B
系焼結合金を粉砕して生成した焼結体粉砕粉末を使用す
ることにより,含浸型等の広汎な高分子複合磁石の製法
に適用できることが分かる。また,その焼結体粉砕粉末
の平均粒径を,焼結体の平均結晶粒径に対し,1.5倍以上
とすることにより,磁石と育成の著しい向上が実現でき
た。
なお,以上の実施例では,Nd・Fe・B系,Nd・Dy・Fe・B
系,Ce・Pr・Nd・Co・Al・Fe・B系についてのみ述べた
が,Ndの一部をY及び他の希土類元素,例えば,Gd,Tb,Ho
等で置換したり,Feの一部を他の遷移金属,例えば,Mn,C
r,Ni等で置換したり,Bの一部を他の半金属,例えば,Si,
C等で置換しても,磁石合金の組成がNd・Fe・Bを主成
分の一部としており,また,磁石の化合物系でNd2Fe14B
系で代表されるようなR2T14Bが磁性に寄与しているもの
であれば,本発明の効果が十分に期待できるものである
ことは,容易に推測できる。また,本実施例では,高分
子複合用樹脂として,エポキシ樹脂とポリエチレンにつ
いて,検討したが,成形体内部に介在し,成形体の強度
向上に寄与する高分子樹脂,ゴム,金属等のようなもの
であるならば,どのような物質であっても本発明に含ま
れることは,当業者であれば,容易に理解できるもので
ある。さらに,粉末成形を3回以上繰返しても,同種の
効果が期待できる。
[発明の効果] 以上,説明したように,本発明によれば,含浸型,圧縮
成形型及び射出成形型等の異方性を有する高性能のR−
T−B系高分子複合希土類磁石及びその製造方法が,今
までの工程及び設備に対して大規模な変更をすることな
く簡便に実現できるものであり,工業上極めて有益であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1に係る高分子複合型希土類磁
石材料の焼結体粗粉末の磁場中成形体の熱処理温度とそ
の成形体密度(G.D.)及び磁石特性(Br.IHC・(BH)ma
x)の関係を示す図,第2図は本発明の実施例2に係る
高分子複合型希土類磁石材料の粗粉末磁場中成形体の再
加熱処理温度と磁石特性(Br,IHC,(BH)maxの関係を示
す図,第3図は本発明の実施例3に係る高分子複合型希
土類磁石材料の粗粉末磁場中成形体の再加熱処理温度と
磁石特性(Br,IHC,(BH)max)の関係を示す図,第4図
は本発明の実施例5における焼結体粗粉末の磁場中成形
体の熱処理温度と高分子複合型希土類磁石材料の磁石特
性(Br.IHC.(BH)max)と成形体密度(G.D.)の関係を
示す図であり,図中の実線(○印)は焼結体の平均結晶
粒径が5μm,破線(△)は10μmを使用した試料の特性
を示す。第5図は本発明の実施例6における焼結体粗粉
末の平均粉砕粒径/焼結体の平均結晶粒径と,それを使
用した高分子複合磁石の特性を示すものであり,図中の
実線(○印)は焼結体の平均焼結粒径が5μm,破線
(△)は10μmを使用した試料の特性を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nd,Fe,Bを主成分として含有するR2T14B系
    (RはYおよび希土類元素の少なくとも一種,Tは遷移元
    素を表わす。)インゴットを粉砕して初期粉末を生成し
    た後,該初期粉末を第1次磁場中成形し第1次磁性粉末
    成形体を生成する第1次磁場中成形工程と, 該1次磁性粉末成形体を焼結して焼結体を生成する焼結
    工程と, 該焼結体を粉砕して焼結体粉砕粉末を生成する焼結体粉
    砕工程と, 該焼結体粉砕粉末を第2次磁場中成形し,第2次磁性粉
    末成形体を生成する第2次磁場中成形工程と, 該第2次磁性粉末成形体を熱処理して熱処理成形体を生
    成する熱処理工程と, 該熱処理成形体を高分子樹脂で複合成形する樹脂複合成
    形工程とを有する高分子複合型希土類磁石材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の高分子複合型希土類磁石材
    料の製造方法において,前記熱処理工程は前記第2次磁
    性粉末成形体を,480〜1120℃の範囲内の温度で熱処理し
    て,熱処理成形体を生成することを特徴とする高分子複
    合型希土類磁石材料の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の高分子複合型希土類
    磁石材料の製造方法において,前記樹脂複合成形処理工
    程の前に,前記熱処理成形体を,前記熱処理温度保持
    後,急冷し,再度,540〜800℃の範囲で再加熱処理する
    急冷再加熱処理工程を含むことを特徴とする高分子複合
    型希土類磁石材料の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の高分子複合型希土類
    磁石材料の製造方法において,前記樹脂複合成形処理工
    程の前に前記熱処理成形体を前記熱処理温度保持後,除
    冷し,再度450〜750℃の温度範囲内で再加熱処理する除
    冷再加熱処理工程を含むことを特徴とする高分子複合型
    希土類磁石材料の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の内のいずれか記載の高分
    子複合型希土類磁石材料の製造方法において,前記樹脂
    複合成形処理工程は,前記熱処理成形体に高分子樹脂を
    含浸することにより複合成形することを特徴とする高分
    子複合型希土類磁石材料の製造方法。
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