JPH0730313A - 無溶接型無線周波共振空洞の製造方法及び該方法により製造された共振空洞 - Google Patents
無溶接型無線周波共振空洞の製造方法及び該方法により製造された共振空洞Info
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Abstract
複数の無溶接セルを有する共振空洞を製造する方法を提
供することである。 【構成】無溶接型共振モノリシック空洞を生産する方法
であって、セクタに分解でき共振器の内部空洞の形状を
有するダイを配置し、前記ダイを用いて箔をスピンし該
ダイを正確にまた完全にコーティングする金属シートの
モノリシックな無溶接体を提供し、共振器の一開口を通
して該ダイのダイセクタを分解して取り外すことよりな
る。
Description
空洞(radiofrequency resonating cavitiesof the wel
dless type)の製造方法に関する。本発明は、また、当
該方法によって得られるモノリシックな加速空洞(acce
lerating cavity)に関する。
およびニオビウム・スパッタリグしたOFHC銅の加速空洞
は、ともに共振器の半セル体(half cell)を旋盤へら
絞りまたは深絞り(lathe spinning or deep drawing)
しさらに内部から電子ビーム溶接して製造される。電子
ビーム偏向磁石の寸法のため、内部からの溶接は、溶接
のなんらかの欠陥による超伝導層の残留無線周波電力損
失など更に別の欠点に加えてこの技術が高周波共振空洞
に用いられる場合のきびしい制約要因となっている。
超電導空洞を用いずには達成できない高いエネルギー・
レベルで互いに衝突する高品質の粒子ビームが必要であ
る。1.5ないし3GHzで作動する共振加速構造体には理論
的限界に近い高変化度加速場の開発が必要となる。
振器面の開発が必要であり、現在、業界および研究機関
ではその開発のために巨額の投資が行われている。
的および経済的に好適なやり方で一または複数の無溶接
セルを有する共振空洞を製造する方法を提供することで
ある。
の目的は、半セル体スピン法(half cell spinning met
hod)を、請求項1の特徴節に開示されているように、
制御下で分解可能な適当なダイ上で全空洞に拡張するこ
とによって達成される。本発明によれば、無溶接型無線
周波共振空洞の製造方法であって、分解が可能で共振器
の内部空洞の形状を有するダイを配設し、前記ダイを締
切りチューブの形状を有する2本のシリンダーの間にブ
ロックし、該ダイならびに該シリンダーを用いて全アセ
ンブリーを覆うモノリシックなボディーが得られるまで
箔をスピンさせ、そして構成部品を分解して該ダイを外
すことよりなる方法が得られる。前記スピン工程におい
てワンピースのバルク・ニオビウムで形成される箔材料
が使用されてもよい。ニオビウム箔が、約100ミクロ
ンの厚さを有し、電気堆積(electrodeposition)によ
って厚さ約1mmの銅または銀の層でコーティングされて
もよい。箔の材料がOFHC銅であり、その上にスパッタリ
ングによってニオビウムのコーティングが施されてもよ
い。前記銅またはニオビウムである箔の材料がディスク
の形状で使用され、該ディスクがダイの下表面と引抜き
旋盤の心棒の間で挟まれた後スピンされて円錐台形にさ
れ、該円錐台形の最小の断面は該ダイの端部シリンダー
の断面に対応してもよい。前記円錐台形が、製造される
空洞の寸法に適合する角度を有し、中央部分すなわちダ
イ・シェルの旋盤スピンが中間の高速アニールを挟んで
2工程で実施されてもよい。前記旋盤スピン(lathespi
nning)が、前記シェルの最大直径を有する赤道線部分
で行われているとき、および関連する締切りチューブを
備えた半セル体がすでに形成されているときには、前記
高速アニール工程は600℃未満の温度で実施されても
よい。楕円の形状を有するダイ・シェルがナイロン、P
VCのプラスティックまたは他の技術的に好適な材料製
であり、締切りチューブ用の2本のシリンダーが鋼製で
あってもよい。締切りチューブ用のシリンダーはPVC
製であってもよい。前記シリンダーが、一方のシリンダ
ーが配設されるとピンと共働する円錐形の継手の表面に
よって該シェルに接続されて、他のシリンダーの台座内
に導入される。該ダイ・シェルが、軸方向の面に対して
左右対称な子午面(経面)によって確定されまた内側の
角に面取り部が配設されるセクタあるいはスライスに分
割されてもよい。対向する2個のセクタがキーとして機
能し、そのためそれらが共振器から取り外された後他の
セクタが取り外せることになってもよい。マルチ・セル
空洞の製造のためにモジュラー・マルチ・シェル・ダイ
が使用され、前記ダイは複数のシェルで形成され、該シ
ェルは子午面によって確定されセクタに分割されて端部
どうしが連結され、該ダイの共振空洞からの取外しを容
易にするために前記セクタの内側の角に面取り部が配設
されることができる。スピンされた空洞に熱拡散法が施
されてA15型またはB1型の結晶構造を有するコーテ
ィング化合物すなわちニオビウムの限界温度(crucial
temperature)より高い限界温度を有する超伝導材料を
得てもよい。また、本発明によれば、銅またはニオビウ
ムの1個の無溶接体で形成され、上述の方法によって製
造されるモノ・セルまたはマルチ・セル共振空洞が得ら
れる。
を示した添付の図面を参照して本発明を説明する。当該
実施態様が本発明を限定するものではないことはいうま
でもない。
空洞は、複数の順次並べられた空洞10で構成され、そ
の両端には12で示すUHVフランジで終わるシリンダ
ー11が配設される。共振器の本体がバルク・ニオビウ
ムまたはOFHC銅で形成される場合には、旋盤へら絞りす
なわち半セル体を形成してそれを化学的および/または
電気化学的に研磨しさらに電子ビーム溶接で互いに溶接
するという製造方法が現在すでに確立されている。最後
に、マルチ・セル・モジュールがろう付けまたは電子ビ
ーム溶接でフランジ12に連結される。この際、銅全体
が共振器の内部から電子ビーム溶接されることがなによ
りも好ましい。これは、外部から溶接すると、材料の全
厚を通して完全に溶接が進行しない場合には溶接シーム
に沿って微細スロットが生成されるおそれがあり、生成
した微細スロットは、いわゆる「化粧溶接」を施しても
矯正されないためである。
してより高周波の空洞を形成しようとする場合にきびし
い制約要因となる。OFHC銅を薄膜のNb/Cu空洞に溶接す
る場合には、さらに別の問題が生じる。すなわち、クレ
ーターすなわち電子ビームによって生成される突出部が
存在することばかりでなく、溶接後は見えなくなるが空
洞の化学処理中に現れる溶接部の空虚なバブルによっ
て、外被の質、その超電導性、および無線周波性能が大
きく低下する。これらのことから、モノリシックな空洞
すなわち無溶接空洞が最終製品としての共振器の性能を
改善するための大きな一歩となることは明きらかであ
る。
されている。文献によれば、従来、エレクトロフォーミ
ング(電力形成法)とハイドロフォーミング(水力形成
法)の2つの技術が研究されている。エレクトロフォー
ミングは、銅にしか適用されずまた銅の酸素含有量を制
御し続けることができないという欠点がある。これは、
酸素不純物が薄膜の成長中にニオビウムに移動すること
からニオビウム・スパッタリングにとってきびしい制約
要因となる。
ng)は、あらゆる周波数域の共振器に関して銅とニオビ
ウムの双方に適用できる技術である。材料の亀裂や異常
座屈を避けるために、製品は少なくとも2度アニールし
て、各膨張後に再び応力をならす(normalize)必要が
ある。アニールの回数は、求められる最終的な空洞の形
状と水圧変形工程数に応じて決まる。これに要する機器
がきわめて高価なために、この方法は、大量の共振器を
製造する場合にのみ好便である。
させるにあたって単に半セル体スピン法を用いることに
よって、1.5GHzで共振する銅またはニオビウムのモノ・
セル空洞を製造することを可能にするものである。この
技術によって最大直径と最小直径の比が2.27で内表面の
粗さが少ない空洞を製造した。図2および図3は、例と
して前記空洞の一つを示したものである。図からわかる
ように、締切りチューブ(cut-off tube)は、直径が80
mmで赤道線直径が181.9mmである。図3の曲げ半径がこ
れらの直径の変化に応じて変化することはいうまでもな
い。
ォーミングに用いられるような高価で複雑高度な機器の
ために巨額の投資を行う必要がないことである。
は、1回の中間真空アニールを間に挟んだ2工程のスピ
ン法で厚さ3mmのOFHC銅箔からスピン製造することがで
きる。この方法の第一工程では銅のシートを円錐台形の
ダイ上でスピンさせるが、該ダイの最小の断面は、締切
りチューブの断面と同じ寸法となっている。円錐台の角
度が、形成されるセルの寸法に関連すべきものであるこ
とはいうまでもない。ダイ下表面と旋盤心棒の間に挟ま
れた銅またはニオビウム・ディスクは、容易に変形して
円錐台形となる。
ーブをスピンさせる次の工程には、正確に空洞の内側の
形状を有する第2のダイ(図4)が用いられる。銅を60
0℃未満の温度で高速アニールすることにより、残りの
半セル体および第二の締切りチューブをスピンさせるこ
とが可能となる。
る。その上で空洞の腹部がスピンされるナイロンまたは
PVC製シェル13、そしてその上で2本の締切りチュ
ーブが形成される2本のステンレス鋼製シリンダー14
である(図5)。
の継手15があって、ダイが容易に部品に分解できるよ
うにしている(図6および図7)。該継手は、一方のシ
リンダーに配設されて他方のシリンダーの台座17内に
挿入されるピン16を含む。
使用した潤滑油は、グリスを取り除くために適当な浴槽
で超音波処理して除去する必要が生じる。
13を該空洞から取り外すために、該シェルは、10個
のセクタ18で構成され、該セクタは、作動(machinin
g)中は前記2本のシリンダー14によって支えられ
る。セクタ18は、縦の面に対して左右対称に切られて
おり、したがって5対の対向する等しいセクタが形成さ
れることになる。対向する2個のセクタは、キーとして
機能し、そのためそれらが共振器から引き出されると他
のすべてのセクタが力を加えることなく自由に取り外せ
るようになる。これらキーとなるセクタは、大きすぎる
と空洞から引き出すことができなくなり、また小さすぎ
ると十分にキーの役割を果たすことができないため、そ
の形状は決定的に重要な意味を持つ。
されるナイロン製シェル13を分割してスライスにする
切断線Lを示す。該シェルが容易に作動するようになっ
ていないときには、カットしてセクタにする必要がある
ことはいうまでもない。シェルをカットしてセクタとし
た後、全部品を鋼製のシリンダーにおいて旋盤にブロッ
クし、空洞の最終的な形状を示すようになるまで作動さ
せる。作動終了後、該セクタは、図10に示すようにS
の箇所を面取りする必要がある。
を使用する場合の上記に代わる方法も考慮した。シェル
は、セクタに分割しない単一のバルク部品とすることも
可能である。該シェルを適当な硬度と密度(hardness a
nd consistency)を有する有機繊維または樹脂製とする
場合には、洗剤を用いてそれを化学的に溶解することが
可能となる。本出願人は、旋盤でプラスティック製シェ
ルを破壊してそれを取り除くことができるかどうかの試
験を行ったが、該切断工具で共振器の内表面を傷つける
危険性に加えてかなりの経費を要するため、これは望ま
しい方法ではないことがわかった。
ンさせて得られる無溶接銅空洞および厚さ1.5mmの箔を
スピンさせて得られるニオビウム空洞を調製した。ニオ
ビウムに関しては、いわゆる「オレンジの皮剥け」(or
ange peeling)の問題が生じたためさらに研究が必要で
あるが、この問題は、適当なアニールによって克服する
ことができる。表面の質が、出発材料の表面の最初の状
態に厳密に左右されることも注意しなければならない。
引掻き傷のない無傷の箔を使用することによって、必要
な表面の粗さを得ることができる。
任意の周波数の空洞を製造することができることが理解
されよう。さらに、スピンによって半セル体を製造する
ための機器が得られる場合には、常に、実質的な変更を
加えることなしに上記の方法を用いることができる。
ニオビウムの限界温度より高い限界温度の超伝導材料の
研究が進められている。A15型の結晶構造材料(例え
ば、V3Si、Nb3Sn、(NbTi)3Ge...)あるいはB1型の
結晶構造材料(例えば、NbNC、NbTiNC、NbZrN...)など
がその好例である。この種の材料は、上記の方法を用い
て、スパッタリング(カソードスパッタリング)によっ
てOFHC銅層上に堆積(deposit)させることができ、あ
るいは卑金属、例えば、ヴァナジウム、ニオビウム、ニ
オビウム−チタン、あるいはニオビウム−ジルコニウム
中に空洞を形成することができる。そして、例えば、B
1化合物の場合には窒素またはメタン雰囲気中で、また
A15化合物の場合にはシランまたは蒸発させたスズの
雰囲気中で熱拡散法(thermal diffusion process)を
実施することができる。
の製造を行うことも可能である。例えば、4−セル空洞
を製造する場合には、各セルごとに1個の4−シェル・
ダイを使用すれば上記と同じ方法を実施することができ
る。各シェルは、モノ・セルに用いられるダイのシェル
と同じであり、図11に示すようにセクタ18にカット
される。ダイの各シェルは、その端部を後に続くシェル
の端部に接続され、それに適当な面取り19が施され、
セクタ18が取り外せるようになっている。鋼製のシリ
ンダーへの連結は、モノ・セルの場合と同じである。こ
のマルチ・セル空洞は、箔を使用し、モノ・セルの場合
について説明したようにこの箔から円錐台またはシリン
ダーが得られるようにしてこのマルチ・セルをダイ上に
形成することもできるし、あるいは一端が閉じられた延
伸シリンダー用いることもできる。
図示、説明したが、当該技術に熟達した人には本発明の
範囲から逸脱することなくさまざまな変更を行うことが
可能なことは容易に理解されよう。
る。
を示す図である。
図である。
ある。
ある。
央のシェルを示す図である。
るシェルの平面図である。
ュラー・ダイの断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 無溶接型無線周波共振空洞の製造方法で
あって、分解が可能で共振器の内部空洞の形状を有する
ダイを配設し、前記ダイを締切りチューブの形状を有す
る2本のシリンダーの間にブロックし、該ダイならびに
該シリンダーを用いて全アセンブリーを覆うモノリシッ
クなボディーが得られるまで箔をスピンさせ、そして構
成部品を分解して該ダイを外すことよりなる方法。 - 【請求項2】 前記スピン工程においてワンピースのバ
ルク・ニオビウムで形成される箔材料が使用される、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 ニオビウム箔が、約100ミクロンの厚
さを有し、電気堆積によって厚さ約1mmの銅または銀の
層でコーティングされる、請求項1または2に記載の方
法。 - 【請求項4】 箔の材料がOFHC銅であり、その上にスパ
ッタリングによってニオビウムのコーティングが施され
る、請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 前記銅またはニオビウムである箔の材料
がディスクの形状で使用され、該ディスクがダイの下表
面と引抜き旋盤の心棒の間で挟まれた後スピンされて円
錐台形にされ、該円錐台形の最小の断面は該ダイの端部
シリンダーの断面に対応する、請求項1ないし4に記載
の方法。 - 【請求項6】 前記円錐台形が、製造される空洞の寸法
に適合する角度を有し、中央部分すなわちダイ・シェル
の旋盤スピンが中間の高速アニールを挟んで2工程で実
施される、請求項1ないし5に記載の方法。 - 【請求項7】 前記旋盤スピンが、前記シェルの最大直
径を有する赤道線部分で行われているとき、および関連
する締切りチューブを備えた半セル体がすでに形成され
ているときには、前記高速アニール工程は600℃未満
の温度で実施される、請求項1ないし6に記載の方法。 - 【請求項8】 楕円の形状を有するダイ・シェルがナイ
ロン、PVCのプラスティックまたは他の技術的に好適
な材料製であり、締切りチューブ用の2本のシリンダー
が鋼製である、請求項1ないし7に記載の方法。 - 【請求項9】 締切りチューブ用のシリンダーがPVC
製である、請求項1ないし8に記載の方法。 - 【請求項10】 前記シリンダーが、一方のシリンダー
が配設されるとピンと共働する円錐形の継手の表面によ
って該シェルに接続されて、他のシリンダーの台座内に
導入される、請求項1ないし9に記載の方法。 - 【請求項11】 該ダイ・シェルが、軸方向の面に対し
て左右対称な子午面によって確定されまた内側の角に面
取り部が配設されるセクタあるいはスライスに分割され
る、請求項1ないし10に記載の方法。 - 【請求項12】 対向する2個のセクタがキーとして機
能し、そのためそれらが共振器から取り外された後他の
セクタが取り外せる、請求項1ないし11に記載の方
法。 - 【請求項13】 マルチ・セル空洞の製造のためにモジ
ュラー・マルチ・シェル・ダイが使用され、前記ダイは
複数のシェルで形成され、該シェルは子午面によって確
定されセクタに分割されて端部どうしが連結され、該ダ
イの共振空洞からの取外しを容易にするために前記セク
タの内側の角に面取り部が配設される、請求項1ないし
12に記載の方法。 - 【請求項14】 スピンされた空洞に熱拡散法が施され
てA15型またはB1型の結晶構造を有するコーティン
グ化合物すなわちニオビウムの限界温度より高い限界温
度を有する超伝導材料が得られる、請求項11に記載の
方法。 - 【請求項15】 銅またはニオビウムの1個の無溶接体
で形成され、請求項1ないし14に記載の方法によって
製造されるモノ・セルまたはマルチ・セル共振空洞。
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1993
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