JPH07302737A - 安全ヒューズ付き固体電解コンデンサの構造 - Google Patents

安全ヒューズ付き固体電解コンデンサの構造

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JPH07302737A
JPH07302737A JP9211594A JP9211594A JPH07302737A JP H07302737 A JPH07302737 A JP H07302737A JP 9211594 A JP9211594 A JP 9211594A JP 9211594 A JP9211594 A JP 9211594A JP H07302737 A JPH07302737 A JP H07302737A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンデンサ素子に対する温度又は過電流に対
する安全ヒューズを備えた固体電解コンデンサにおい
て、その大容量で、小型・軽量化を図ると共に、製造コ
ストの低減を図る。 【構成】 コンデンサ素子11におけるチップ片11a
の一端面に、二枚の絶縁板の間に安全ヒューズ12cを
形成して成る安全ヒューズ体12を、その安全ヒューズ
の一端がコンデンサ素子の一方の極に電気的に接続する
ように固着し、この安全ヒューズ体の外表面に、コンデ
ンサ素子の一方の極に対する接続用端子電極膜14を形
成する一方、前記コンデンサ素子のチップ片における他
端面に、コンデンサ素子の他方の極に対する接続用端子
電極膜15を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンタル固体電解コン
デンサ又はアルミ固体電解コンデンサ等の固体電解コン
デンサのうち、そのコンデンサ素子に対する温度ヒュー
ズ又は過電流ヒューズ等の安全ヒューズを備えて成る安
全ヒューズ付き固体電解コンデンサの構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の安全ヒューズ付き固体電
解コンデンサは、特開平2−105513号公報等に記
載され、且つ、図14に示すように、チップ片1aと、
このチップ片1aらか突出した陽極棒1bとから成るコ
ンデンサ素子1を、左右一対の金属板製リード端子2,
3の間に、当該コンデンサ素子1における陽極棒1bを
一方の陽極側リード端子2に対して固着するように配設
し、このコンデンサ素子1におけるチップ片の外周面に
形成した陰極側電極膜1cと、他方の陰極側リード端子
3との間を、半田ワイヤ等の安全ヒューズ線4にて接続
したのち、これらの全体を、合成樹脂製のモールド部5
にてパッケージし、前記両リード端子2,3を、モール
ド部5の下面側に折り曲げると言う構成にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来における安全ヒュ
ーズ付き固体電解コンデンサは、前記のような構成であ
るから、その全体の長さ寸法Lには、コンデンサ素子1
の長さに、その陽極棒1bにリード端子2を接続するこ
との長さ、及びコンデンサ素子1におけるチップ片1a
とリード端子3との間を安全ヒューズ線4にて接続する
ことに要する長さとが加算される一方、全体の高さ寸法
には、コンデンサ素子1における高さ寸法に、前記安全
ヒューズ線4におけるコンデンサ素子1の上面からの突
出高さ寸法が加算されることになる。
【0004】すなわち、従来の安全ヒューズ付き固体電
解コンデンサにおいては、その全体の長さ寸法に対して
コンデンサ素子1の長さ寸法が占める割合、及びその全
体の高さ寸法に対してコンデンサ素子1の高さ寸法が占
める割合が小さいから、全体の体積にコンデンサ素子の
体積の割合、つまり、コンデンサ素子の体積効率が低く
て、固体電解コンデンサの大型化を招来するのであり、
しかも、この大型化に加えて、二本の金属板製リード端
子を使用するので、重量も増大すると言う問題があっ
た。
【0005】その上、前記した従来における安全ヒュー
ズ付き固体電解コンデンサでは、半田ワイヤ等の安全ヒ
ューズ線を、コンデンサ素子とリード端子とに接続する
ことに高度の技術を必要とするから、不良品の発生率が
高いと共に、製造コストが可成り嵩むと言う問題もあっ
た。本発明は、これらの問題を解消できるようにしたパ
ッケージ型固体電解コンデンサの構造を提供することを
技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「金属粉末を多孔質に固めたチップ片
を有するコンデンサ素子と、二枚の絶縁板の間に安全ヒ
ューズを絶縁板を含む平面に沿って延びるように形成し
て成る安全ヒューズ体とから成り、この安全ヒューズ体
を、前記コンデンサ素子のチップ片における一端面に対
して、当該安全ヒューズ体における安全ヒューズの一端
がコンデンサ素子における一方の極に電気的に接続する
ように固着し、この安全ヒューズ体の外表面に、前記コ
ンデンサ素子における一方の極に対する接続用端子電極
膜を形成する一方、前記コンデンサ素子のチップ片にお
ける他端面に、コンデンサ素子における他方の極に対す
る接続用端子電極膜を形成する。」と言う構成にした。
【0007】
【作 用】このように構成することにより、両接続用
端子電極膜によって、プリント基板等に対して半田付け
することができる一方、コンデンサ素子に対して安全ヒ
ューズを設けたものでありながら、当該コンデンサ素子
の高さ寸法には、何ら加算されるものがない一方、コン
デンサ素子の長さ寸法には、安全ヒューズ体における厚
さ寸法が加算されるのみであるから、全体の長さ寸法に
対してコンデンサ素子の長さが占める割合、及び全体の
高さ寸法に対してコンデンサ素子の高さ寸法が占める割
合が大きくなるから、コンデンサ素子の体積効率を大幅
に増大できるのである。
【0008】
【発明の効果】従って、本発明によると、安全ヒューズ
付き固体電解コンデンサを大幅に小型化できると共に、
軽量化できる効果を有する。しかも、本発明によると、
従来のように半田ワイヤ等の安全ヒューズ線を接続する
ことを必要としないから、不良品の発生率が低いと共
に、製造コストを大幅に低減できる効果をも有する。
【0009】特に、「請求項2」のように構成すること
により、固体電解コンデンサの大型化を招来することな
く、その陽極側と陰極側との両方に安全ヒューズを設け
ることができるのである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面について説明
する。図1〜図5は、第1の実施例を示す。この図にお
いて符号11は、コンデンサ素子を示す。このコンデン
サ素子11は、金属粉末を多孔質に固め焼結したチップ
片11aの一端面に陽極側電極膜11bを、他端面に陰
極側電極膜11cを各々形成したものに構成されてい
る。
【0011】符号12は、安全ヒューズ体を示す。この
安全ヒューズ体12は、図5に示すように、二枚の絶縁
板12a,12bとの間に安全ヒューズ12cを、当該
安全ヒューズ12cが絶縁板12a,12bを含む平面
に沿って延びるように構成し、更に、一方の絶縁板12
aに穿設したスルーホール12dに、安全ヒューズ12
cの一端に電気的に接続する導体12eを充填する一
方、他方の絶縁板12bに穿設したスルーホール12f
に、安全ヒューズ12cの他端に電気的に接続する導体
12gを充填したものに構成されている。
【0012】そして、前記のように構成した安全ヒュー
ズ体12を、前記コンデンサ素子11のチップ片11a
における他端面に形成した陰極側電極膜11cに対し
て、導電性接着剤13又は導電性ペーストにて、当該安
全ヒューズ体12における安全ヒューズ12cの一端が
導体12eを介して前記陰極側電極膜11cに電気的に
導通するように固着する。
【0013】更に、この安全ヒューズ体12における外
側の表面に、例えば、下地のニッケルメッキ層と半田メ
ッキ層とから成る金属膜製の陰極側接続用端子電極膜1
4を形成する一方、前記コンデンサ素子11のチップ片
11aにおける一端面に形成した陽極側電極膜11bの
表面に、同じく、例えば、下地のニッケルメッキ層と半
田メッキ層とから成る金属膜製の陽極側接続用端子電極
膜15を形成する。
【0014】なお、前記コンデンサ素子11の外周面に
は、耐熱性合成樹脂又はガラス製の被覆膜16が全外周
面を覆うように形成されている。また、この被覆膜16
に代えて、コンデンサ素子11の外周面を、合成樹脂製
のモールド部にてパッケージするようにして良い。この
ように構成した固体電解コンデンサは、陽極側接続用端
子電極膜15と陰極側接続用端子電極膜14とによっ
て、プリント基板等に対して半田付けすることができる
一方、コンデンサ素子11に安全ヒューズ12cを設け
たものでありながら、当該コンデンサ素子11の高さ寸
法には、何ら加算されるものがない一方、コンデンサ素
子11の長さ寸法には、安全ヒューズ体12における厚
さ寸法が加算されるのみであるから、全体の長さ寸法に
対してコンデンサ素子11の長さが占める割合、及び全
体の高さ寸法に対してコンデンサ素子11の高さ寸法が
占める割合が大きくなるから、コンデンサ素子の体積効
率を大幅に増大できるのである。
【0015】ところで、前記実施例は、コンデンサ素子
11における陰極側に、安全ヒューズ体12を設けた場
合を示したが、これに代えて、図6に示す第2の実施例
のように、コンデンサ素子11における陽極側に、前記
と同様に構成した安全ヒューズ体12′を、導電性接着
剤13又は導電性ペーストにて固着して、この安全ヒュ
ーズ体12′の表面に陽極側接続用端子電極膜15を、
チップ片11aの他端面における陰極側電極膜11cに
陰極側接続用端子電極膜14を形成するように構成して
も良い。なお、この第2の実施例では、チップ片11a
における陰極側電極膜11cを、そのまま、陰極側接続
用端子電極膜とすることができる。
【0016】また、図7に示す第3の実施例のように、
コンデンサ素子11における陰極側と陽極側との両方
に、前記と同様に構成した安全ヒューズ体12,12′
を各々導電性接着剤13,13′又は導電性ペーストに
て固着し、これら両安全ヒューズ体12,12′のうち
一方の安全ヒューズ体12′の表面に陽極側接続用端子
電極膜15を、他方の安全ヒューズ体12の表面に陰極
側接続用端子電極膜14を各々形成することにより、固
体電解コンデンサの大型化を招来することなく、その陽
極側と陰極側との両方に安全ヒューズを設けることがで
きるのである。
【0017】なお、前記した構成の安全ヒューズ体12
は、以下に述べるような方法によって製作される。すな
わち、図8及び図9に示すように、二枚の絶縁板12
a,12bのうち一方の絶縁板12aの表面に、安全ヒ
ューズ12cのパターンを、半田ペーストのスクリーン
印刷によって形成するか、半田の真空蒸着等によって形
成し、この一方の絶縁板12aに対して他方の絶縁板1
2bを重ね合わせ接合したのち、両絶縁板12a,12
bに穿設したスールホール12d,12fの各々に、半
田ペースト等の導体を充填するようにして製作する。
【0018】また、他の方法としては、半田のフィルム
から安全ヒューズ12cのパターンを、フォトエッチン
グ等にて抜き取り、これを二枚の絶縁板12a,12b
にて挟み付けたのち、両絶縁板12a,12bに穿設し
たスールホール12d,12fの各々に、半田ペースト
等の導体を充填するようにしても良い。そして、このよ
うにして製作した安全ヒューズ体12は、これをそのま
ま、コンデンサ素子11に対して固着したのち、この安
全ヒューズ体12の外表面に、陽極側接続用端子電極膜
15又は陰極側接続用端子電極膜14を形成するように
しても良いが、前記安全ヒューズ体12を、その外表面
に、図9に二点鎖線で示すように、陽極側接続用端子電
極膜15又は陰極側接続用端子電極膜14を形成した状
態にして製作したのち、これを、コンデンサ素子11に
対して固着するようにしても良いのである。
【0019】また、前記のように、チップ片11aにお
ける一端面に陽極側電極膜11bを、他端面に陰極側電
極膜11cを各々形成して成るコンデンサ素子の製造に
際しては、以下に述べるように、本発明が先の特許出願
(特願平5−38166号、特願平5−38167号、
特願平5−38168号)によって提案した方法を採用
する。
【0020】すなわち、図10及び図11に示すよう
に、タンタル等の金属粉末を多孔質に固め焼結したチッ
プ片11aにおける一端面11a′に、合成樹脂を浸透
するか、金属粉末を隙間なく蜜に固めるか、或いは、金
属片を固着することによって、適宜長さLの非多孔質部
Aを設け、このチップ片11aを、りん酸水溶液等の化
成液に浸漬した状態で陽極酸化を行うことによって、前
記チップ片11aにおける各金属粉末のうち前記非多孔
質部Aの部分以外の金属粉末の表面に五酸化タンタル等
の誘電体膜を形成し、次いで、前記チップ片11aを、
硝酸マンガン水溶液に浸漬したのち引き揚げて焼成する
ことを複数回にわたって繰り返すことによって、前記五
酸化タンタル等の誘電体膜の表面に、二酸化マンガン等
の固体電解質層を、前記非多孔質部Aの存在によって当
該固体電解質層がチップ片11aに金属粉末に対して絶
縁された状態にして形成する。
【0021】次いで、図12及び図13に示すように、
前記チップ片11aにおける一端面11a′に対して、
前記非多孔質部Aにおける金属粉末を当該一端面11
a′に露出すると言う表面加工を施したのち、この一端
面11aに対して、陽極側電極膜11bを形成する一
方、前記チップ片11aにおける外表面のうち前記非多
孔質部Aを除く部分に対して、グラファイト層及び銀又
はニッケル等の金属層を含む陰極側電極膜11cを形成
するのである(この場合において、陰極側電極膜11c
の方を先に形成し、陽極側電極膜11bの方を後に形成
するようにしても良い)。
【0022】これにより、コンデンサ素子11を、その
チップ片11aにおける一端面11a′に陽極側電極膜
11bを、他端面に陰極側電極膜11cを各々形成した
形態にして製造することができるのであり、前記図1に
示す第1の実施例のように、安全ヒューズ体12を、コ
ンデンサ素子11における陰極側に対してのみ固着する
場合には、コンデンサ素子11のチップ片11aにおけ
る一端面11a′に陽極側電極膜11bを形成すること
を止めて、この一端面11a′に対して、前記陽極側接
続用端子電極膜15を直接に形成するようにしても良い
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による固体電解コンデン
サの縦断正面図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図1のIII −III 視断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例による固体電解コンデン
サの分解した状態を示す斜視図である。
【図5】図4のV−V視拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による固体電解コンデン
サの縦断正面図である。
【図7】本発明の第3の実施例による固体電解コンデン
サの縦断正面図である。
【図8】本発明におけるコンデンサ素子に適用する安全
ヒューズ体の分解斜視図である。
【図9】図8のIX−IX視断面図である。
【図10】本発明に使用するコンデンサ素子におけるチ
ップ片を示す斜視図である。
【図11】図10のXI−XI視断面図である。
【図12】本発明の使用するコンデンサ素子の斜視図で
ある。
【図13】図12のXIII−XIII視断面図である。
【図14】従来における固体電解コンデンサの縦断正面
図である。
【符号の説明】
11 コンデンサ素子 11a チップ片 11b 陽極側電極膜 11c 陰極側電極膜 12 安全ヒューズ体 12a,12b 絶縁板 12c 安全ヒューズ 13 導電性接着剤 14 陰極側接続用端子電極膜 15 陽極側接続用端子電極膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末を多孔質に固めたチップ片を有す
    るコンデンサ素子と、二枚の絶縁板の間に安全ヒューズ
    を絶縁板を含む平面に沿って延びるように形成して成る
    安全ヒューズ体とから成り、この安全ヒューズ体を、前
    記コンデンサ素子のチップ片における一端面に対して、
    当該安全ヒューズ体における安全ヒューズの一端がコン
    デンサ素子における一方の極に電気的に接続するように
    固着し、この安全ヒューズ体の外表面に、前記コンデン
    サ素子における一方の極に対する接続用端子電極膜を形
    成する一方、前記コンデンサ素子のチップ片における他
    端面に、コンデンサ素子における他方の極に対する接続
    用端子電極膜を形成したことを特徴とする安全ヒューズ
    付き固体電解コンデンサの構造。
  2. 【請求項2】金属粉末を多孔質に固めたチップ片を有す
    るコンデンサ素子と、二枚の絶縁板の間に安全ヒューズ
    を絶縁板を含む平面に沿って延びるように形成して成る
    二つの安全ヒューズ体とから成り、この両安全ヒューズ
    体のうち一方の安全ヒューズ体を、前記コンデンサ素子
    のチップ片における一端面に対して、当該安全ヒューズ
    体における安全ヒューズの一端がコンデンサ素子におけ
    る一方の極に電気的に接続するように固着して、この一
    方の安全ヒューズ体における外表面に、前記コンデンサ
    素子における一方の極に対する接続用端子電極膜を形成
    する一方、他方の安全ヒューズ体を、前記コンデンサ素
    子のチップ片における他端面に対して、当該安全ヒュー
    ズ体における安全ヒューズの一端がコンデンサ素子にお
    ける他方の極に電気的に接続するように固着して、この
    他方の安全ヒューズ体における外表面に、前記コンデン
    サ素子における他方の極に対する接続用端子電極膜を形
    成したことを安全ヒューズ付き固体電解コンデンサの構
    造。
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JP2007243108A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Nichicon Corp ヒューズ内蔵型固体電解コンデンサ
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