JPH07302328A - 背景差分による動物体領域抽出方法 - Google Patents
背景差分による動物体領域抽出方法Info
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Abstract
び背景がゆっくり変化する状況でも差分処理を適用し
て、人物、車両などの動物体を安定に抽出できるように
することを目的とする。 【構成】 画像が変化したとき、その変化が照明条件の
変化によるのか、ゆっくりした背景変動によるのか、あ
るいは動物体が現れたことまたは通過したことによって
生じたのかを小領域毎に統計的な手法で検出し、照明変
動またはゆっくりした背景変動の場合にのみ背景像を適
切に更新し、その背景像に基づいて差分処理および2値
化処理を行うことにより動物体領域を抽出する。
Description
差分処理により連続フレーム画像中から動物体領域を抽
出する処理方法に関し、特に照明変動が生ずる環境にお
いても安定して動物体領域を抽出することができる背景
差分による動物体領域抽出方法に関する。
は、(1)基準となる画像を背景像として蓄えておき、
背景画像と入力画像との差情報を抽出し、しきい値によ
り2値化して動物体領域を求める方法、(2)基準画像
として直前のフレーム画像を用いてフレーム間差分情報
を求め、2値化する方法、(3)基準画像と入力画像の
変化点の対応を移動ベクトル算出などにより求め、移動
している点の集合を動物体領域とする方法、(4)基準
画像と入力画像の変化をある対象区域内での相関により
求め、変化のある領域を動物体領域とする方法、(5)
移動対象の認識(形状)を行った上で移動追跡を行う方
法、などがある。
速に抽出できる利点があり、工業部品検査・計測、車両
計測、監視システムなどの分野でよく利用されている。
出処理方法を模式的に示したものである。図18(a)
に示すように、動きのある物体の抽出は、背景のみから
なる参照画像Yと最新の入力画像Xi の差をとり、ある
しきい値以上の差があった部分を動きのある動物体の領
域と判定する。ここで、背景像が変化しない状況を仮定
すれば、動物体は簡単に抽出できる。しかし、照明変化
があると、参照する背景像はそれに応じて変化し、同様
な処理では背景部分についても差分値が大きくなってし
まい、安定に動物体を抽出できないという問題があっ
た。
応した背景像を適切に更新しつつ動物体抽出処理を行う
ことが不可欠となる。すなわち、入力画像Xi に対する
動物体領域抽出処理とともに背景値の変化判定を行い、
背景が変化した場合、適切な背景像Yi+1 に更新し、次
の入力画像Xi+1 の動物体を抽出する処理を逐次繰り返
す。
フローを示す。対象画像入力処理811により、順次フ
レーム画像を入力する。背景変化の判定処理812によ
り、入力画像Xi について背景値の変化があったかどう
かを調べ、変化があれば、背景像の修正処理813によ
り背景像を更新する。次に背景像との差分処理814に
より、入力画像Xi と更新された背景像との差分情報を
求める。そして、2値化処理815により差分情報を所
定のしきい値により2値化し、入力画像Xi においてそ
の2値化で示される領域を動物体像816とする。
813等による背景像更新処理の従来手法としては、入
力像値と蓄積してある背景像値との加重平均や、直前数
フレーム画像値の単純平均などを用いる方法がある。し
かしながら、これらの手法では、背景値の変化につい
て、移動物体が通過することによる変化か、照明が変化
したことによる変化かを区別しておらず、動物体の多数
通過により背景像を誤って更新してしまうという問題が
ある。
画像特徴を解析して判断する方法があるが、形状の変化
する動物体を含む画像に対しては、物体抽出結果が、物
体によるものか背景値の変化による誤抽出かを判定でき
ず、人間のような動物体を安定に抽出することは非常に
困難である。
識して適切に更新処理する技術的手段は少なく、従って
差分処理による動物体抽出は、屋外などの照明変化が激
しい環境では実現されていない。
その目的とするところは、屋外など照明変動が頻繁に起
きる状況、および背景がゆっくり変化する状況でも差分
処理を適用して、人物、車両などの動物体を安定に抽出
する背景差分による動物体領域抽出方法を提供すること
にある。
決するため、画像が変化したとき、その変化が照明条件
の変化によるのか、ゆっくりした背景変動によるのか、
あるいは動物体が現れたことまたは通過したことによっ
て生じたのかを統計的な手法で検出し、照明変動または
ゆっくりした背景変動の場合にのみ背景像を適切に更新
するようにしたものである。さらに詳しくは以下の方法
を用いる。
り連続フレーム画像中から動物体領域を抽出するにあっ
て、まず、各フレーム画像中の位置(x,y)を含む小
領域ak を対象として、その各小領域の光学的特徴パラ
メータの数値の時間変化を蓄積する。そして、その数値
の時間変化を所定時間間隔t0 で統計処理し、統計量が
照明変動に起因すると推定される照明変動推定条件を満
たしたときに、その小領域の所定時間内の数値を背景像
の同じ小領域の数値と置き換え、新背景像として保持す
る。このような背景像小領域更新処理を画面全体または
予め設定した画面所望領域の各位置に対して実行するこ
とにより、背景像の所望領域を更新する。こうして逐次
更新される背景像を用いて、所望領域について入力画像
との差分処理を行う。その結果の差分処理画像に対して
2値化処理を行い、得られた領域を動物体領域として抽
出する。
画像入力部1を介して入力される各フレーム画像中の位
置(x,y)を含む小領域ak を対象として、その各小
領域の光学的特徴パラメータの数値の時間変化を画像蓄
積部10に蓄積し、この蓄積された数値の時間変化を背
景値更新部30の画素値統計処理部21により所定時間
間隔t0 で統計処理し、統計量が照明変動に起因すると
推定される照明変動推定条件を満たしたときに、その小
領域の所定時間内の数値を背景像の同じ小領域の数値と
置き換え、新背景像として保持する。このような統計値
判断部22、最頻値(平均値)算出部23(25)およ
び背景値置換部24(26)による背景像小領域更新処
理を画面全体または予め設定した画面所望領域の各位置
に対して実行することにより、背景像の所望領域を更新
するものであり、次に、こうして背景値更新部30で逐
次更新される背景像を用いて、差分処理部41で所望領
域について画像入力部1を介して入力される入力画像と
の差分処理を行う。その結果の差分処理画像に対して2
値化処理部50で2値化処理を行い、得られた領域を動
物体領域出力部60で動物体領域として抽出し出力する
ものである。
新処理において照明変動の推定は、対象とした小領域に
ついて、所定時間間隔で光学的特徴パラメータの数値の
頻度分布(ヒストグラム)を求め、その頻度分布の分散
などを表す統計的特徴量σを求め、求めた統計的特徴量
σを、予め求めておいた照明変動に起因する統計的特徴
量σ0 と比較して判断処理することにより行う。
領域更新処理において照明変動条件を満たしたときの小
領域の数値置き換え処理では、頻度分布の極値または平
均値に対応する小領域の数値を新背景像として保持す
る。
を画面中の画素とし、背景像所望領域更新処理の対象と
する画面所望領域は画面中の1ラインまたはスリット状
の領域とする。すなわち、図16に示すように、画像入
力部1と画像蓄積部10との間にスリット画像取得部5
を設けることにより達成される。
新処理において照明変動の推定は、対象とした小領域に
ついて、所定時間間隔で光学的特徴パラメータの数値の
頻度分布(ヒストグラム)を求め、その頻度分布の分散
などを表す統計的特徴量σを求め、求めた統計的特徴量
σを周辺の小領域における同様のσと相対比較して判断
処理することにより行う。
特徴パラメータの数値の時間変化を記録する場合に、n
種類の光学的特徴パラメータの各数値を記録対象とし、
前記背景像小領域更新処理では、対象とした小領域につ
いて、n種類の光学的特徴パラメータの各数値をn次元
ベクトルとして表し、前記所定時間間隔t0 で得られた
ベクトル集合を統計処理し、統計量が照明変動に起因す
ると推定される照明変動推定条件を満たしたときに、そ
の小領域の所定時間内の数値を背景像の同じ小領域の数
値と置き換え、新背景像として保持する。
定は、前記所定時間間隔t0 で得られたベクトル集合の
フレーム間距離の頻度分布(ヒストグラム)を求め、そ
の頻度分布の分散などを表す統計的特徴量σを求め、求
めた統計的特徴量σを予め求めておいた照明変動に起因
する統計的特徴量σ0 と比較して判断処理することによ
り行う。
動の推定は、対象とした小領域について、予め照明変動
に起因して変化するn次元ベクトルの特性曲線を求めて
おき、その曲線と前記得られたt0 間のベクトル集合と
の距離の頻度分布(ヒストグラム)を求め、その距離の
平均値μまたは頻度分布の分散度などを表す統計的特徴
量σを求め、求めたμまたはσを予め求めておいた照明
変動に起因するμ0 またはσ0 と比較して判断処理する
ことにより行う。
域更新処理において、照明変動推定条件を複数持ち、条
件を満たしたときに該小領域の該時間内の数値を背景像
の同小領域の数値と各条件に応じた方法で置き換え、新
背景像として保持する。
力画像との差分処理を行う過程において、逐次更新され
る背景像と、光学的特徴パラメータの数値の時間変化を
蓄積する手段に蓄積されている所定時間t1 前に入力さ
れた画像との差分処理を行う。すなわち、図17に示す
ように、画像入力部1を介して入力され、一旦画像蓄積
部10に蓄積した画像を用いることにより達成される。
像小領域更新処理における数値の置き換えが、差分処理
過程において用いられる所定時間t1 前の画像を中心と
した時間t2 の間の該小領域の数値の平均との置き換え
である。
出過程において2値化する際のしきい値を、光学的特徴
パラメータの数値の時間変化を蓄積する手段に蓄積され
ている時間変化を所定間隔t0 で統計処理して得られた
数値に更新するしきい値更新手段を有し、差分処理手段
で作成された差分処理画像に対して該しきい値更新手段
によって作られたしきい値を用いて2値化処理を行い、
得られた領域を動物体領域として抽出する。
などの小領域の集合体として扱い、この小領域の光学的
特徴パラメータの数値の時間的変化を統計的に処理する
ことにより、その数値変化が照明変動によるものなの
か、動物体の通過によるものなのかを判断する。屋外等
での照明変動は、雲の通過、太陽の位置変化、影の変化
等により起きるが、主として輝度変化が多い。また、こ
の照明変動による数値変化は、人物や車などの動物体が
通過したときの変化に比べるとなだらかなため、所定時
間内のパラメータ数値を用いて分散度などを測定すれ
ば、その小領域では照明変動が起きたことを検出でき
る。
め、以上の処理を連続して行うことにより所定時間を単
位として背景像を常時更新することができる。
画面中の所望領域に拡張することができる。従って、画
面の中で照明変動が一様でなくても適切に背景像の更新
が可能である。更新された背景像と入力画像との差分画
像を求めると、動物体が現れた画面領域で光学的特徴パ
ラメータの数値が変化するため、適切な2値化処理によ
りこの領域が安定に検出できる。
換えに関して、所定時間の頻度分の極値または平均値に
対応する小領域の数値を用いるため、その時点で統計的
に最も背景らしい数値を用いることになり、従って、次
の差分処理と2値化処理が安定になる。また、カメラの
ノイズなどによる数値の揺らぎの影響を避けることがで
きる。
画素とし、画面所望領域を画面中の1ライン(スリッ
ト)とするため、そのラインと時間軸から構成される時
空間断面画像を容易に高速に作ることができる。本差分
処理による時空間断面画像には動物体のみが現れるた
め、2値化処理も高速化が可能である。
における数値の頻度分布の分散度などを、周辺の小領域
における同様の分散度などと相対比較して判断処理す
る。照明による背景像の変化は、上述のような時間方向
だけではなく、一般的には空間方向にもなだらかであ
る。従って、周辺の小領域の変化と相対比較し、分散度
の変化が画面の適当な領域で一様と判断されれば照明変
動として更新処理を行うことができる。
徴パラメータの数値変化の統計処理から照明変動の有無
を推定するため、より安定に背景更新が可能である。ま
た、複数の特徴量を用いるため背景の変化がより詳細に
分析できるので、照明変動による画像の変化のみなら
ず、背景像そのものが緩やかに変化する場合にも、その
変化を検出して背景像を更新できる。
おいて、各ベクトルのフレーム間距離の頻度分布を求
め、この分布の分散度などから照明変動の有無を検出す
る。照明変動ではフレーム間のベクトル距離は比較的小
さい。一方、移動物体が現れると、1フレームの間でも
2つのベクトル距離は大きくなる。従って、この分布か
ら照明変動を検出できる。また、緩やかな背景像の変化
を検出できる。
について、予め照明変動に起因して変化するn次元特徴
ベクトルの特性曲線を求めておく。前述のように照明変
動では輝度変化が主であるが輝度変化であれば、特徴ベ
クトルはほぼ所定の曲線上を移動する。従って、ベクト
ルがこの曲線に沿った動きをしていると判断される場合
には、照明変動とみなして背景更新処理を行うことがで
きる。一方、移動物体が現れるとベクトルはこの曲線か
ら大きく外れる。従って、照明変動とは明確に区別する
ことができる。
性曲線までの距離の頻度分布を用いる。上記の理由で、
照明変動であれば一般的にはベクトルは曲線から大きく
離れないので距離の平均値は小さく、また、分散度もそ
れ程大きくない。一方、移動物体であれば、距離は大き
く、分散度も大きい。これらの差から判断できる。な
お、平均値と分散度を組み合わせて用いることにより、
判別の信頼性を上げることができる。更に、何らかの理
由で背景そのものが変化し曲線が変化した場合、背景の
変化を推定して新たな背景に対応する照明変動特性曲線
を生成することができる。
を複数持つため、照明の変動具合に応じた背景像の置き
換え処理が行え、様々な照明変動に対応して動物体領域
の抽出を行うことができる。
像と蓄積されている過去の画像との差分処理を行うが、
該蓄積画像は、更新に用いられるt0 間の画像のうちの
1枚であるため、該背景画像は、入力されたばかりの画
像に対する背景画像として差分処理を行うよりも、該蓄
積画像に対する背景画像として差分処理を行う方が照明
変動、背景像そのものの変化に対してより安定な背景像
として用いることができる。
分対象となる蓄積画像を中心とした比較的短い時間間隔
t2 の画像の平均によって求めるため、急激な照明変動
があった場合にも安定に背景画像を更新することがで
き、更に、更新された背景画像と最も背景が近いと期待
できる画像との差分処理を行うため、安定な差分処理を
行うことができる。
域ごとの照明条件に応じて、差分処理後の2値化処理で
用いられるしきい値を変動させるため、照明条件による
明るさの変化に起因する背景像と被抽出像との輝度差の
変化に対して安定に2値化処理を行うことができる。
る。
による動物体領域抽出方法を実施する装置の構成を示す
図であり、図2は、図1に示す装置を更に詳しく具体的
に示す図である。なお、図1および図2に示す本実施例
は、具体的には、図3以降に示す実施例4以降に対して
実施例1,2,3を含んでいるものである。
ラ、100は光学的特徴パラメータの数値(輝度値)の
時間変化蓄積手段、101,102はフレーム画像メモ
リ、(x,y)は画面内の位置、ak は(x,y)を含
む小領域でここでは画素、t0は所定時間間隔、110
は背景像、120は動物体領域、200は背景像小領域
更新手段、210はt0 間の数値(輝度値)変化の統計
処理手段、211,212は各々a1 ,a2 のt0 間の
数値(輝度値)変化の統計処理手段、213,214は
各々a1 ,a2 のt0 間における輝度の出現頻度分布
図、220,221,222は照明変動推定条件、σは
統計的特徴量としての出現頻度分布の分散度、σ0 は予
め求めておいた照明変動に起因する統計的特徴量として
の出現頻度分布の分散度、230,231,232は数
値置き換え処理手段、300は背景像所望領域更新手
段、310は更新された新背景像、この新背景像310
において、1は更新された小領域、0はt0 では更新さ
れなかった小領域、400は入力画像010と新背景像
310を画素単位で差分処理する差分処理手段、500
は動物体領域抽出手段、510は2値化処理手段、52
0は出力結果、すなわち抽出された動物体領域である。
る。カメラ001からはモノクロ連続フレーム画像が得
られる。この画像はフレーム画像メモリ101,102
…に蓄積される。画面中の座標(x,y)の回りに小領
域ak (k=1,2,…,K)をとる。この小領域は後
述のように複数の画素からなる領域でもよいが、ここで
は、簡単のため1画素とする。この小領域の光学的特徴
パラメータは画素の輝度で、8ビットの輝度値が出力と
して得られる。
枚数だけ得られる。そこで、小領域a1 について輝度値
を横軸に取り、縦軸に同輝度値が現れる出現頻度を取る
と、図2に示すような頻度分布213が得られる。a1
の小領域には動物体はなく、背景である。背景の輝度は
主として照明変動により変わるが、t0 が数秒程度の短
い時間の場合、一般的には照明変化は少ないので、この
分布は輝度ピークの回りに広がり度の小さな釣鐘状にな
る。つまり、統計的な分散度σは小さな値を示す。一
方、小領域a2 では動物体が撮影されるため、t0 間に
輝度値は大きく変化し、同分布は図2に示す頻度分布2
14のように広がりを示す。つまり、分散度σは大きな
値を示す。
散度をσ0 として予め求めておき、この値と前記σとを
比較し、σが小さければ照明変動による輝度値の変化で
あるとして、この背景像小領域の数値を更新する。ま
た、σがσ0 より大きければ、この小領域の輝度変化は
動物体の出現など照明変動以外の要因によるものと判断
して、背景像小領域の数値の更新は行わない。このよう
にして、小領域ak の背景像更新が行われる。以上で
は、照明変動推定のために頻度分布の分散度を比較した
が、この代わりに照明変動による分布形状の特徴を学習
しておき、これと比較して、照明変動か否かを判断して
もよい。
わった場合の更新方法を述べたが、上記手法は照明変動
以外でも適用できる。すなわち、背景物が緩やかに変化
する場合または動物体と明らかに区別できる変化の場合
には同様に適用できる。例えば、オフィス等で人の動き
を自動監視するような場合、机の上の書類の位置などは
不定期に変化する。しかし、この動きは人の動きに比べ
ると明らかに異なる。つまり、1回動くと次に動かすま
では変化しない。人物領域の動きはt0 の時間間隔で考
えた場合、常に連続している場合が多い。従って、頻度
分布を比較すると動物体による輝度変化か否かを区別で
きる。これにより、照明変動の場合の背景更新と同様な
手法で更新できる。
(または所望領域)で行うことにより、更新された新背
景像310のような背景像が得られる。図2に示す新背
景像310において、“1”の小領域は更新された部
分、“0”の小領域はt0 間では更新されなかった部分
を表す。この像の各小領域は動物体が現れる直前の最も
信頼性の高い背景を反映していると考えてよい。このよ
うにして逐次更新される背景像を用いて、差分処理手段
400および2値化処理手段510により、所望領域に
おいて入力画像との差分処理および2値化処理を行う
と、図示のように動物体領域120が抽出される。この
処理を各入力画像に対して行うと、出力結果520のよ
うに連続した動物体像が得られる。
ラで、光学的特徴パラメータは画素の輝度値であるが、
カメラおよび光学的特徴パラメータとしては、モノクロ
カメラなどから得られる画像の濃度情報、カラーカメラ
などから得られるカラー情報より抽出できる輝度、色
相、彩度、隣接画素との濃度勾配、その他の表色系で表
現される量、あるいは赤外線カメラなどから得られる濃
度情報や温度情報、レンジセンサなどから得られる距離
情報、超音波センサなどから得られる反射強度情報のい
ずれか1つあるいは複数を組み合わせた量を用いること
ができる。
しているが、小領域は複数画素からなるブロック画像で
もよく、この場合、ブロック画像の輝度の平均値や最頻
値、最大値、最小値など、複数の輝度値を統計処理して
得られた値を光学的特徴パラメータとすることができ
る。
222までの処理は同じである。対象とした小領域につ
いて照明変動と判断された場合のその後の更新処理は以
下のようにすればよい。この小領域の輝度出現分布がピ
ークとなる輝度値(横軸)に対応するブロック画像を、
光学的特徴パラメータの数値の時間変化蓄積手段100
のt0 間のフレーム画像の中から選択し、更新された新
背景像310の該当する小領域と置き換える。この処理
を所望領域について行えば、前述した例と同様な新背景
像が逐次得られる。動物体領域抽出手段500の処理は
同様である。
が、画面中の1ライン、すなわちスリット状の画素列と
してもよい。図3は本発明の他の実施例4を示し、特に
図3(a)は動物体を含む動画像710、図3(b)は
動画像710におけるスリット720と時間軸とから構
成される時空間断面画像730、図3(c)は時空間断
面画像の特定のサンプリング位置における入力値および
背景値の経過740、図3(d)は動物体抽出結果の時
空間断面画像750を示す。
し、画面所望領域を画面中の1ラインからなるスリット
720(Sampling Slit) としている。対象の領域を1ラ
イン(スリット)とすることにより、このスリット72
0と時間軸とから構成される時空間断面画像730を容
易にかつ高速に作ることができる。ここで、入力する動
画像710は、2次元の広がりを持つ画像ではなく、最
初からレンジセンサやスリットカメラから得られる1次
元のスリット画像を用いてもよい。更に、この時空間断
面画像スリット上の動画像に対して逐次に本差分処理に
よる動物体抽出処理を行うと、照明の変化に拘らず動物
体751のみを非常に高速に抽出することが可能であ
る。
って説明する。図3(a)に示すように、照明変動が起
きている通行人を含む動画像710上にスリット720
を設け、得られるスリット画像を時間方向に並べる。こ
れにより、図3(b)に示すような時空間断面画像73
0が得られる。図3(c)における、ある画素上の入力
値および背景値の経過740からも見られるように、こ
の発明による動物体抽出処理によって、通行人の通過に
よる入力値の変化742に影響されずに、照明変動に追
従して適切な背景値741が逐次推定されている。更
に、その適切な背景値を用いることにより、図3(d)
に示すように、動物体751のみが正確に抽出された時
空間断面画像750が高速にかつ安定に得られているこ
とがわかる。
2を参照して説明する。図2の実施例では照明変動推定
の際にσをσ0 と比較した。これの代替として、または
これを補う推定として以下の方法が可能である。動物体
出現以外の原因(照明変動、背景物の緩やかな変化な
ど)による背景像の変化は一般的に緩やかな場合が多
く、また頻度分布の形状は類似している。従って、小領
域a1 の更新判断処理に際して、a1 の頻度分布213
の形状をa1 周辺の小領域の分布の形状と比較し、類似
した分布が周辺に多くある場合には更新を行うとする処
理を採用する。図2ではa1 ,a4 ,a5 は類似してい
るのでこれらは照明変動等によると判断して更新する。
a2 ,a3 の分布は各々かなり異なるので、動物体領域
と判断して更新はしない。
例6および7を示す図である。同図において、002は
カラーカメラ、130は3種類の光学的特徴パラメータ
の数値(輝度値)の時間変化蓄積手段、131,13
2,133は各々R,G,B用フレーム画像メモリ、2
00は背景像小領域更新手段、240はn(n=3)次
元ベクトル生成手段、251,252は各々小領域
a1 ,a2 のt0 間のベクトル集合、260は数値変化
の統計処理手段であって、特に図5に示す261,26
2は各々a1 ,a2 のt0 間の数値(輝度値)変化の統
計処理手段、263,264は特徴値の頻度分布、27
1は照明変動推定条件、σは出現頻度分布の分散度、σ
0 は照明変動に起因する統計的特徴量としての出現頻度
分布の分散度、281は数値置き換え処理手段、300
は背景像所望領域更新手段、321は更新された新背景
像、401〜403は入力画像011〜013と新背景
像321とをそれぞれR,G,B画像の画素単位で差分
処理する差分処理手段、500は動物体領域抽出手段、
511〜512は2値化処理手段を表す。
メータとしてR,G,B画像(輝度値)が得られる。こ
れらの画像は各色成分に対応したフレーム画像メモリ1
31,132,133に蓄積される。3種類の輝度値
は、図5のn次元ベクトル生成手段240に示すように
小領域ak (k=1,2,…K)毎に3次元特徴空間に
ベクトル表示される。更に、各小領域についてt0 間の
ベクトル集合は同空間にプロットされる。このようにし
て小領域a1 のベクトル集合251、小領域a2のベク
トル集合252,…を得る。
は以下の特徴がある。小領域a1 では、動物体はないの
で各ベクトルV1 ,V2 ,V3 の変化は緩やかであり、
ベクトル間の距離W1 ,W2 も小さい。一方、小領域a
2 では、動物体があるので各ベクトルV1 ,V2 ,V3
は大きく変化し、ベクトル間の距離W1 ,W2 も大き
い。従って、この距離を特徴値wとして出現頻度を求め
ると、小領域a1 については頻度分布263のように広
がり度の少ない分布となり、小領域a2 については頻度
分布264のように広がり度の大きな分布となる。そこ
で、照明変動または緩やかな背景物の変化によるこのよ
うな分布の広がり度を予め求めておき、これと比較して
小領域の背景値置き換えを判断することが可能である。
類の画像が得られる。入力画像011〜013のR,
G,Bの3種類の画像と各々差分処理すれば、動物体領
域120が抽出される。複数の光学的特徴を用いるの
で、更新判断が正確であり、従って動物体をより安定に
抽出できる。
学的特徴パラメータには、R,G,B画像の他、画像の
カラー情報より抽出できる輝度、色相、彩度、隣接画素
との濃度勾配、その他の表色系で表現される量、あるい
は赤外線カメラなどから得られる濃度情報などを用いる
こともできる。
図である。この実施例8は、前記実施例7と比較して、
背景像小領域更新手段200のみが異なるものである。
図6において、253は小領域a1 のt0 間の撮影系特
性曲線との離散度集合算出手段、254は小領域a2 の
t0 間の撮影系特性曲線との離散度集合算出手段、26
5は小領域a1 のt0 間の特徴値の集合の統計処理手
段、266は小領域a2のt0 間の特徴値の集合の統計
処理手段、267,268は特徴値の頻度分布、273
は照明変動推定条件、283は数値置き換え処理手段、
V1 ,V2 ,V3は特徴ベクトル、L1 ,L2 は特性曲
線、d1 ,d2 ,d3 は入力される小領域における特徴
ベクトルの変化の特性曲線からの距離を表す。
起因する特徴量を表す図である。同図において、X1 ,
X2 ,X3 ,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Z1 ,Z2 ,Z3 は各
領域における入力値、b0 ,b1 ,b2 は各領域におけ
る背景値、La ,Lb ,L0,L1 ,L2 は背景値に対
する特性曲線、u2 ,u3 は曲線上の移動ベクトルを表
す。
b1 ,…に基づき予め照明変動に起因して変化する3次
元ベクトルの特性曲線を求めておく。ただし、より簡便
な処理を行うため、照明変動による背景値の変動は現背
景値と空間原点を結ぶ直線に沿って起きると仮定し、図
7(a)に示すようにその直線La ,Lb を前記特性曲
線と近似することもできる。
領域a1 の3種の特徴ベクトル集合について見ると、小
領域a1 では動物体はないので照明変化に応じて前記特
性曲線L1 上にベクトルの緩やかな変化が起きており、
その変化量も小さい。一方、離散度集合算出手段254
により求めた小領域a2 の3種の特徴ベクトル集合につ
いて見ると、小領域a2 では動物体があるので、図6に
示すように各ベクトルV1 ,V2 ,V3 は大きく変化
し、特性曲線L2 からのズレも激しい。
めに曲線からの距離を特徴値dとして、時間t0 間の出
現頻度を求めると、小領域a1 については頻度分布26
7のように広がり度の少ない分布となり、小領域a2 に
ついては頻度分布268のように広がり度の大きな分布
となる。そこで、照明変動によるこのような分布の広が
り度を予め求めておき、これと比較して小領域の背景値
置き換えを判断することが可能である。
曲線からの距離だけでなく、曲線上に投影したときの点
(現在値から曲線への垂線の足に相当する点)の移動ベ
クトルも同時に考慮することにより、照明変動の緩急の
程度も判定可能となる。例えば、図7(b)において、
背景値b0 ,b1 ,b2 に対する特性曲線L0 ,L1,
L2 を考えると、入力される小領域の特徴ベクトルの変
化を、特性曲線からの距離dおよび曲線上の移動ベクト
ルuで表現し、急激な照明変動Y1 ,Y2 ,Y3 と緩や
かな照明変動Z1 ,Z2 ,Z3 とを区別しつつ、背景像
の変化を判定できる。
を示す図である。図9は、図1および図2の背景像小領
域更新手段200に置き変わる背景像小領域更新手段2
01を示し、図9は、その具体例を示す図である。
手段、215はt0 間の数値(輝度値)変化の統計処理
手段、223は照明変動推定条件、233,234,2
35,236は数値置き換え処理手段である。
手段、240はt0 間の数値(輝度値)変化の統計処理
手段、241,242,245は各々a1 ,a2 ,a5
のt0 間の数値(輝度値)変化の統計処理手段、25
1,252,255は各々a1,a2 ,a5 のt0 間の
輝度値の出現頻度分布図、261,262,265は各
々a1 ,a2 ,a5 のt0 間の輝度の時間微分値の出現
頻度分布図、mはt0 間での輝度値の微分値の最大値、
m0 は照明変動に起因する統計的特徴量で輝度値の微分
値の最大値、224は照明変動推定条件、237,23
8は数値置き換え処理手段である。
照して説明する。背景像小領域更新手段以外の部分にお
いては、図1,2の説明で述べたのと同じである。
の数値置き換え処理233,234,235,236を
有する場合の例をあげており、図9では、具体例として
2つの数値置き換え処理237,238を設けた場合を
あげている。
推定条件を満たすか否かでその小領域の背景像を更新す
るかどうかが決まっていた。ところが、照明変動といっ
ても、変化の要因により、変動の仕方は様々であり、そ
れぞれに適した更新方法が考えられる。そこで、照明変
動推定条件を複数設けて照明変動の状況に応じた条件分
岐を行い、それぞれの状況に適した置き換え処理を行う
ことにより、状況に応じた所定小領域の背景像の更新を
行える。
置き換え処理を、照明変動がないかあっても緩やかな変
動である場合(数値置き換え処理手段237で対処)と
急激な照明変動があった場合(数値置き換え処理手段2
38で対処)の2つに分けて処理し、それぞれの条件に
あてはまるかどうかを判定する照明変動推定条件224
を有する。
である時には、図9の251に示すような頻度分布が得
られ、該小領域の輝度値に対するt0 間での同輝度値の
出現頻度の統計的な分散度σは、t0 が数秒程度の短い
時間の場合、小さな値を示す。
σも大きくなり、σだけからでは動物体と区別をつける
のが難しい。図9の255が照明変動が急激な場合、2
52が照明変動以外の要因による場合の輝度値の頻度分
布である。この場合は、判断のための統計量として、該
小領域での輝度値の時間微分値dfのt0 間での最大値
mを用いる。図9の265に照明変動が急激な場合、2
62に照明変動以外の要因による場合の輝度値の時間微
分値の頻度分布を示す。dfは、該小領域の輝度変化が
照明変動に起因している場合にはあまり大きな値をとら
ない。しかし、動物体が該小領域に入ってきた場合に
は、dfは大きな値をとり、物体が現れた瞬間、いなく
なった瞬間に顕著である。
大値と、急激な照明変動が起った時のdfの最大値の境
界値m0 を求めておくことで、前述のσとσ0 との比較
に加えて、t0 間でのdfの最大値mとm0 との比較を
行うことにより、σがσ0 よりも小さければ、緩やかな
照明変動による輝度値の変化であるとして、該背景像小
領域の数値を更新し、σがσ0 よりも大きく、mがm0
よりも小さければ、急激な照明変動による輝度値の変化
であるとして、該背景像小領域の数値を更新し、σがσ
0 よりも大きく、mがm0 よりも大きければ、該小領域
の輝度変化は動物体の出現など照明変動以外の要因によ
るものと判断して該小領域の数値の更新は行わない。
である時の数値置き換え処理手段237としては、例え
ば、t0 間の輝度値の最頻値を新背景値として置き換
え、急激な照明変動がある時の数値置き換え処理手段2
38としては、例えば、最新の画像の近傍数フレームの
画素値の平均値を新背景値として置き換える処理が行わ
れる。このようにして、該小領域の背景画像の更新が行
われる。
例10,11を示す図である。
メータの数値(輝度値)時間変化蓄積手段、t1 は差分
処理手段に画像を送る際の所定間隔、239は照明変動
があった場合の数値置き換え処理手段、401は時刻t
1 前に入力された画像020と新背景像310を画素単
位で差分処理する差分処理手段、501は動物体領域抽
出手段である。
ら入力された連続フレーム画像の列、601は最新の入
力画像、010は前記実施例11で差分対象となる入力
画像、020は本実施例10,11で差分対象となる時
刻t1 前に入力された画像、310は更新された新背景
像である。
1を参照して説明する。図1と図10との差は、差分処
理手段に入力する画像である。図1の差分処理手段40
0に入力する画像は、差分処理手段が処理を行う直前に
カメラ001から入力された画像であるのに対して、図
10の差分入力手段401に入力する画像は、差分処理
手段が処理を行うよりもt1 前にカメラから入力された
画像であり、この画像は、光学的特徴パラメータの数値
(輝度値)時間変化蓄積手段103に蓄えられていたも
のである。
間変化蓄積手段103で蓄積されていた画像は、差分処
理を行う時の入力画像(差分対象画像)になるだけでな
く、背景像所望領域更新手段300において、背景画像
を更新するにも使われ、背景画像の更新に用いられる画
像の時間間隔t0 は、差分処理手段に入力される画像の
蓄積時間間隔t1 よりも長い。すなわち、差分処理手段
に入力されるt1 前の入力画像020から見て、t0 −
t1 前に入力された画像(020から見て過去の画像)
から、画像020のt1 後に入力された画像(020か
ら見て未来の画像)までのすべての画像を用いて更新さ
れた背景画像310と、t1 前の入力画像020との差
分をとることになる。
た連続フレーム画像のうち、どの画像を差分対象画像と
するかの差をそれぞれ図11(a)および(b)に示
す。
明の変化があった時の輝度値の推移と、推定された背景
像の輝度値の関係の例を前記実施例1および実施例11
について示している。
値、602は輝度値の推移、603,605は差分処理
の対象となる輝度値、604,606は推定された背景
の輝度値、t2 は新背景像作成のための時間間隔であ
る。
を用いて説明する。実施例10の実施例で説明したのと
同様に、実施例11においても差分処理手段401に入
力される画像は、t1 前の入力画像020と、この画像
020よりt0 −t1 前に入力された画像(020から
見て過去の画像)から画像020のt1 後に入力された
画像(020から見て未来の画像)までのすべての画像
を用いて更新された背景画像310とである。ここで、
照明変動推定条件220において照明変動であると判定
された場合、数値置き換え処理手段239において、差
分対象となるt1 前の画像を中心としたt2 間のすべて
の画像の輝度値の平均値を新背景値とする置き換え処理
を行う。すなわち、差分対象画像であるt1 前に入力さ
れた画像020から見て過去の画像から、画像020か
ら見て未来の画像までを用いて、画像020との差分を
とる相手となる背景画像の背景値が推定されることにな
る。なお、t2 は、tよりも短い間隔である。
た時の、ある小領域の輝度の変化と、実施例1の方法
と、実施例11の方法とでの差分対象輝度値、それぞれ
の方法で同じ時間間隔の画像を用いて背景の輝度値を推
定した時の背景輝度値は図12に示すようになる。
も新しい画像は存在しないので、処理対象輝度値603
に対する背景輝度値は、処理対象画像よりも前の輝度値
から推定することになり、604に示すような背景輝度
値しか得られないが、実施例11の方法では、差分対象
画像よりも新しい画像が存在しており、差分対象画像の
周辺においては輝度値は一方向(暗から明)に変化して
いることがわかり、処理対象画像から見て過去から未来
に渡っての輝度値の平均値を背景画像値606とするこ
とで、処理対象輝度値605に近い背景画素値が得られ
る。
の実施例12を示す図である。
(輝度値)変化の統計処理手段、502は動物体領域抽
出手段、512は2値化処理手段、700は2値化のし
きい値設定手段である。
値、縦軸は差分値の絶対値、701,702,703は
設定しきい値である。
明する。差分処理手段で得られた入力画像と背景画像と
の差分画像を2値化処理手段512で2値化し、動物体
領域を抽出する際、入力画像や背景画像の輝度値が小さ
い(暗い)時には、しきい値を小さく、輝度値が大きい
(明るい)時には、しきい値を大きくした方が、領域の
抽出精度があがる場合がある。そこで、輝度変化の統計
処理手段215で得られた各小領域ごとの統計情報か
ら、しきい値更新手段700において、2値化のしきい
値を各小領域ごとに更新し、その値を用いて、差分処理
手段400で得られた各小領域ごとの差分画像を2値化
処理手段512において2値化する。これにより、小領
域の明るさによらず、安定した動物体抽出が行える。
の輝度値自身からしきい値を設定する場合の設定例をい
くつかあげる。図14(a)は、背景輝度値としきい値
が正比例する例、図14(b)は、背景輝度値が明るく
なればしきい値も大きくなるが、どんなに背景輝度値が
暗くてもしきい値がある程度の大きさを持つ例、図14
(c)は、背景輝度値がある程度以上明るい部分ではし
きい値は一定であるが、背景輝度値が暗い場合には背景
輝度値が暗くなるにしたがって、しきい値も小さくなる
例である。
の効果がある。
できるため、その時点で背景像を更新できる。従って、
照明変動に極めてロバストな差分処理による動物体領域
抽出処理が実現できる。
背景像の更新が可能である。従って、動物体領域を安定
に抽出できる。
能である。また、ハードウェア化も可能であり、これに
よりさらなる高速化、実時間処理が可能である。
囲に利用できる。特に、人物や車両の抽出に有効であ
る。出現検出が安定にできるため、プラント設備の侵入
者監視、交通施設(駅のホームなど)の安全監視等への
利用に効果がある。
行人の計数に利用でき、測定場所の天候・時刻に左右さ
れることなく、また撮影系(カメラなど)や画像伝送系
に起因するノイズの影響を受けずに、歩行者を抽出する
ことができ、計数精度が飛躍的に向上する。
像面全体に対して逐次に動物体の抽出処理を施すことに
より、動物体の移動経路(動線)の検出に利用できる。
よび急激な背景変動があった場合のいずれの場合にも背
景像の更新が可能である。したがって、動物体を安定に
抽出できる。
定して背景画像を更新することができるため、急激な照
明変動があった場合にも動物体を安定に抽出できる。
が可能である。特に、急激な照明変動があった場合の背
景像の更新に効果がある。
に、暗い部分でも明るい部分でも領域抽出に適した2値
化が可能であるため、対象領域に明るさのむらがある場
合や明るさの時間変化が大きな場合にも安定した動物体
抽出が可能である。
領域抽出方法を実施する装置の構成を示す図である。
ある。
示す図である。
特徴量を表す図である。
更新手段を示す図である。
新手段を更に詳しく具体的に示す図である。
背景画像を示す図である。
明変動があった場合の推定背景値を示す図である。
値と2値化のしきい値を示す図である。
置の基本的構成を説明するための図である。
るための図である。
るための図である。
段 101,102 フレーム画像メモリ 120 動物体領域 200 背景像小領域更新手段 210 数値変化の統計処理手段 300 背景像所望領域更新手段 310 更新された新背景像 400 差分処理手段 500 動物体領域抽出手段 510 2値化処理手段 520 出力結果
Claims (12)
- 【請求項1】 入力画像と背景像との差分処理により連
続フレーム画像中から動物体領域を抽出する背景差分に
よる動物体領域抽出方法において、 各フレーム画像中の位置(x,y)を含む小領域ak を
対象として該小領域における光学的特徴パラメータの数
値の時間変化を蓄積する過程と、 前記数値の時間変化を所定時間間隔t0 で統計処理し、
統計量が照明変動に起因すると推定される照明変動推定
条件を満たしたときに、該小領域におけるこの時間内の
数値を背景像の同じ小領域の数値と置き換え、新背景像
として保持する背景像小領域更新処理を含み、該背景像
小領域更新処理を画面全体または予め設定された画面所
望領域の各位置に対して実行する背景像所望領域更新過
程と、 前記逐次更新される背景像を用いて前記所望領域におい
て入力画像との差分処理を行う過程と、 該差分処理画像に対して2値化処理を行い、得られた領
域を動物体領域として抽出する過程とを有することを特
徴とする背景差分による動物体領域抽出方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における照明変動の推定を、
対象とした小領域について、前記所定時間間隔で前記数
値の頻度分布を求め、その頻度分布に関する統計的特徴
量σを求め、求めた統計的特徴量σを予め求めておいた
照明変動に起因する統計的特徴量σ0 と比較して判断処
理することにより行うことを特徴とする背景差分による
動物体領域抽出方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における照明変動条件を満た
したときの小領域の数値置き換え処理では、前記頻度分
布の極値または平均値に対応する小領域の数値を新背景
像として保持することを特徴とする背景差分による動物
体領域抽出方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記小領域は画面中の画素であり、前記背景像所望領域
更新過程で対象とする画面所望領域は画面中の1ライン
またはスリット状の領域であることを特徴とする背景差
分による動物体領域抽出方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における照明変動の推定を、
対象とした小領域について、前記所定時間間隔で前記数
値の頻度分布を求め、その頻度分布に関する統計的特徴
量σを求め、求めた統計的特徴量σを周辺の小領域にお
ける同様の統計的特徴量σと相対比較して判断処理する
ことにより行うことを特徴とする背景差分による動物体
領域抽出方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記小領域の光学的特徴パラメータの数値の時間変化を
記録する過程は、n種類の光学的特徴パラメータの各数
値を記録する過程であり、 前記背景像小領域更新処理は、対象とする小領域につい
て、前記n種類の光学的特徴パラメータの各数値をn次
元ベクトルとして表し、前記所定時間間隔t0で得られ
たベクトル集合を統計処理し、統計量が照明変動に起因
すると推定される照明変動推定条件を満たしたときに、
該小領域におけるこの時間内の数値を背景像の同じ小領
域の数値と置き換え、新背景像として保持する過程であ
ることを特徴とする背景差分による動物体領域抽出方
法。 - 【請求項7】 請求項6記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における照明変動の推定を、
前記所定時間間隔t0で得られたベクトル集合のフレー
ム間距離の頻度分布を求め、その頻度分布に関する統計
的特徴量σを求め、求めた統計的特徴量σを予め求めて
おいた照明変動に起因する統計的特徴量σ0 と比較して
判断処理することにより行うことを特徴とする背景差分
による動物体領域抽出方法。 - 【請求項8】 請求項6記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における照明変動の推定を、
前記小領域について予め照明変動に起因して変化するn
次元ベクトルの特性曲線を求めておき、その特性曲線と
前記所定時間間隔t0 で得られたベクトル集合との距離
の頻度分布を求め、該距離の平均値μまたは該頻度分布
に関する統計的特徴量σを求め、その距離の平均値μま
たは統計的特徴量σを予め求めておいた照明変動に起因
する距離の平均値μ0 または統計的特徴量σ0 と比較し
て判断処理することにより行うことを特徴とする背景差
分による動物体領域抽出方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の背景差分による動物体領
域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理において、照明変動推定条件
を複数持ち、条件を満たしたときに該小領域の該時間内
の数値を背景像の同小領域の数値と各条件に応じた方法
で置き換え、新背景像として保持することを特徴とする
背景差分による動物体領域抽出方法。 - 【請求項10】 請求項1記載の背景差分による動物体
領域抽出方法において、 前記入力画像との差分処理を行う過程において、逐次更
新される背景像と、光学的特徴パラメータの数値の時間
変化を蓄積する手段に蓄積されている所定時間t1 前に
入力された画像との差分処理を行うことを特徴とする背
景差分による動物体領域抽出方法。 - 【請求項11】 請求項10記載の背景差分による動物
体領域抽出方法において、 前記背景像小領域更新処理における数値の置き換えが、
差分処理過程において用いられる所定時間t1 前の画像
を中心とした時間t2 の間の該小領域の数値の平均との
置き換えであることを特徴とする背景差分による動物体
領域抽出方法。 - 【請求項12】 請求項1記載の背景差分による動物体
領域抽出方法において、 前記動物体抽出過程において2値化する際のしきい値
を、光学的特徴パラメータの数値の時間変化を蓄積する
手段に蓄積されている時間変化を所定間隔t0 で統計処
理して得られた数値に更新するしきい値更新手段を有
し、差分処理手段で作成された差分処理画像に対して該
しきい値更新手段によって作られたしきい値を用いて2
値化処理を行い得られた領域を動物体領域として抽出す
ることを特徴とする背景差分による動物体領域抽出方
法。
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