JP2002312795A - 画像処理装置および画像処理方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法、記録媒体、並びにプログラム

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JP2002312795A JP2001115637A JP2001115637A JP2002312795A JP 2002312795 A JP2002312795 A JP 2002312795A JP 2001115637 A JP2001115637 A JP 2001115637A JP 2001115637 A JP2001115637 A JP 2001115637A JP 2002312795 A JP2002312795 A JP 2002312795A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベイズ推定を用いて,被写体の抽出精度を向
上させる。 【解決手段】 背景条件確率検出部61は、背景を条件
として入力画像の画素値I(i,j)の出現確率を算出
し、ヒストグラム生成部62は、2値画像の画素値B
(i,j)が1となる画素値I(i,j)のヒストグラ
ムを生成し、被写体条件確率検出部63は、被写体を条
件として画素値I(i,j)の出現確率を算出する。多
値マスク生成部64は、画素値B(i,j)を平滑化
し、画素値M(i,j)の多値画像を生成し、被写体/
背景確率検出部65は被写体である確率と背景である確
率とを算出し、ベイズ推定演算部66は、画素値I
(i,j)が被写体領域に属する確率を演算し、被写体
領域か背景領域かを示す2値画像を生成する。論理和演
算部67は、論理和を演算し、画素値O(i,j)を出
力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び画像処理方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、
特に、背景領域と被写体領域とからなる画像から被写体
領域のみを抽出する場合に用いて好適な、画像処理装置
および画像処理方法、記録媒体、並びにプログラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、背景と被写体からなる画像デー
タから被写体を抽出する場合など、画像の領域を分割す
る領域分割法として、従来、主に3つの方法が提案され
ている。
【0003】第1の方法は、画像データの画素値のみを
利用するものであり、代表的なものとして、例えば、画
素値の類似度を定義して、領域統合を繰り返す方法や、
特徴空間におけるクラスタリングなどがある。
【0004】第2の方法は、画素値と他の付加情報を併
用することによって、被写体領域を背景領域から分離し
て抽出するものであり、例えば、抽出すべき被写体領域
の大まかな境界線を予め与え、その境界線近傍のみを画
像処理することにより、正確に被写体領域を抽出するよ
うな方法である。この方法を動画像に適用する場合に
は、第1フレームにおいて抽出した領域に対して、動き
検出やフレーム間差分、あるいは、Snakes(動的輪郭モ
デル)を用いることにより領域の変化を追跡したり、第
1フレームと最終フレームにおいて、被写体領域を予め
抽出しておき、その間の画像に対しては、これら2つの
フレームにおいて抽出された被写体領域を基に補間を行
う方法などが提案されている。
【0005】第2の方法において、抽出すべき被写体領
域の大まかな境界線の入力などの手動操作の介入を避け
る方法としては、例えば、被写体を含まない背景のみの
画像を予め撮像しておき、被写体を含む画像を、背景の
みの画像と比較して、その差分を演算することにより被
写体を抽出する背景差分法がある。
【0006】また、撮像時に被写体以外の背景領域を一
定の色のスクリーンで覆い、この色情報を用いて対象物
を抽出するクロマキーという手法は、例えば、映像制作
などに現在最も頻繁に用いられている手法である。
【0007】第3の方法は、特殊な撮像装置を用いて距
離情報などを算出し、それに基づいて被写体を抽出する
方法であり、例えば、視点の異なる複数のカメラによっ
て得られた画像間の視差情報を用いる方法が多く提案さ
れている。また、複数のカメラを用いずに、一台のカメ
ラの撮像面位置を変化させ、そのときに画像上に生じる
ぼけの変化を利用して距離を算出する方法も提案されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】被写体を背景から切り
取り抽出するために、以上説明したような、様々な方法
が用いられている。
【0009】しかしながら、第1の方法は、物理的に一
様な局所領域(例えば、ある一定の色情報を有する領域
や、境界線など)を抽出するための手段としては優れて
いるが、意味のある被写体を1つの領域として抽出する
ためには、充分な方法ではない。
【0010】また、第3の方法として説明した視差情報
を用いる方法では、複数のカメラが必要となる(もしく
は、ひとつのカメラで複数の画像を撮像する必要がある
ため、撮像に時間がかかる)上に、画像間の対応を演算
するための演算量が非常に多い。また、ぼけ情報を用い
る場合、撮像装置における実現可能な被写界深度が問題
となる。近年の撮像装置、特に民生用途の撮像装置は、
小型化される傾向にある。そのため、被写界深度が深く
なる場合が多く、撮像面位置の変化によるぼけの差が検
出し難い場合が殆どである。
【0011】第2の方法において、手動操作に依存する
方法を取る場合、柔軟なインターフェースが求められる
ため、アプリケーションとして実現するのが非常に困難
である。また、時間的に領域を追跡している方法を採用
する場合、動き検出などのエラーが蓄積されていく可能
性が大きく、長時間のシーケンスを処理するのには向か
ない。更に、動き検出やSnakesは、演算量が多いため、
リアルタイムに画像を処理するアプリケーションに導入
するのは非常に困難である。
【0012】これらに対して、背景差分法は、演算が比
較的簡単であるとともに、背景領域が変化しない限り、
差分値が大きい画素は、非常に高い確率で被写体領域と
して抽出されることが期待できる上に、時間的なエラー
の蓄積の恐れもない。
【0013】しかしながら、背景差分法においても、差
分値が小さい場合(例えば、被写体が背景に近い色の部
分を有する場合など)は、必ずしも正しい領域分割がで
きていると保証することはできず、このような場合は、
被写体領域が背景領域として誤判定されやすい。差分値
を統計的に処理することにより、被写体の抽出精度を向
上させるような試みもなされているが、従来の方法で
は、必ずしも満足できる領域分割が実現できているとは
いえない。
【0014】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、背景差分法の簡便さを利用しつつ、簡単な
装置を用いて、簡単な演算によって、正確に被写体領域
を抽出することができるようにするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、撮像された画像データの入力を受ける入力手段と、
入力手段により入力された背景領域からなる背景画像か
ら、背景領域の情報を抽出する第1の抽出手段と、入力
手段により入力された背景領域および被写体領域からな
る第1の対象画像から、被写体領域を抽出する第2の抽
出手段とを備え、第2の抽出手段は、ベイズ推定を用い
て、第1の対象画像から、被写体領域を抽出することを
特徴とする。
【0016】入力手段には、複数の背景画像の入力を受
けさせるようにすることができ、第1の抽出手段には、
背景画像から特徴画像を生成する第1の生成手段を備え
させるようにすることができる。
【0017】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標における最大の画素値
から構成された画像が含まれるものとすることができ
る。
【0018】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標における最小の画素値
から構成された画像が含まれるものとすることができ
る。
【0019】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標の画素値の平均値から
構成された画像が含まれるものとすることができる。
【0020】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標の画素値の標準偏差を
算出することにより生成された偏差画像が含まれるもの
とすることができる。
【0021】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標における最大の画素値
から構成された第1の画像、および、複数の背景画像の
同一座標における最小の画素値から構成された第2の画
像が含まれものとすることができ、第2の抽出手段に
は、入力手段により入力された第1の対象画像の所定の
座標の画素値が、第1の画像の対応する座標の画素値よ
りも大きいか、もしくは第2の画像の対応する座標の画
素値よりも小さい場合、第1の対象画像の所定の座標の
画素を被写体領域内の画素の候補として検出する被写体
候補検出手段を備えさせるようにすることができる。
【0022】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標における最大の画素値
から構成された第1の画像、および、複数の背景画像の
同一座標における最小の画素値から構成された第2の画
像が含まれるようにすることができ、第2の抽出手段に
は、第1の画像の各画素値に所定の第1の値を積算して
第3の画像を生成する第2の生成手段と、第2の画像の
各画素値に所定の第2の値を積算して第4の画像を生成
する第3の生成手段と、入力手段により入力された第1
の対象画像の所定の座標の画素値が、第2の生成手段に
より生成された第3の画像の対応する座標の画素値より
も大きいか、もしくは、第3の生成手段により生成され
た第4の画像の対応する座標の画素値よりも小さい場
合、第1の対象画像の所定の座標の画素を被写体領域内
の画素の候補として検出する被写体候補検出手段とを備
えさせるようにすることができる。
【0023】第1の生成手段により生成された特徴画像
には、複数の背景画像の同一座標の画素値の平均値から
構成された第1の画像、および、複数の背景画像の同一
座標の画素値の標準偏差を算出することにより生成され
た偏差画像である第2の画像が含まれるようにすること
ができ、第2の抽出手段には、第2の画像の各画素値に
所定の第1の値を積算して、第1の画像の対応する座標
の画素値から減算することにより第3の画像を生成する
第2の生成手段と、第2の画像の各画素値に所定の第2
の値を積算して、第1の画像の対応する座標の画素値に
加算することにより第4の画像を生成する第3の生成手
段と、入力手段により入力された第1の対象画像の所定
の座標の画素値が、第2の生成手段により生成された第
3の画像の対応する座標の画素値よりも小さいか、もし
くは、第3の生成手段により生成された第4の画像の対
応する座標の画素値よりも大きい場合、第1の対象画像
の所定の座標の画素を被写体領域内の画素の候補として
検出する被写体候補検出手段とを備えさせるようにする
ことができる。
【0024】画素値を補正する補正手段を更に備えるよ
うにすることができ、補正手段には、第1の対象画像と
背景画像との撮像条件が異なる場合に、撮像条件が等し
い場合に対応するように補正を行わせるようにすること
ができる。
【0025】撮像条件とは、照明光の強度であるものと
することができる。
【0026】撮像条件とは、画像データの撮像における
カメラパラメータであるものとすることができる。
【0027】入力手段には、複数の背景画像の入力を受
けさせるようにすることができ、第1の抽出手段には、
背景画像から特徴画像を生成する生成手段を備えさせる
ようにすることができ、生成手段により生成された特徴
画像には、複数の背景画像の同一座標の画素値の平均値
から構成された平均値画像が含まれるものとすることが
でき、補正手段には、第1の対象画像と平均値画像とを
基に、補正係数を算出することにより補正を行わせるよ
うにすることができる。
【0028】第2の抽出手段には、被写体領域内に存在
している可能性のある被写体画素候補を検出する検出手
段と、検出手段による検出結果をベイズ推定を用いて補
正することにより、前記第1の対象画像から、被写体領
域を抽出するベイズ推定補正手段とを備えさせるように
することができる。
【0029】ベイズ推定補正手段による補正は、検出手
段により被写体画素候補として検出された画素以外の画
素に対して行われるものとすることができる。
【0030】ベイズ推定補正手段には、画素毎に、画素
が被写体である第1の確率、画素が背景である第2の確
率、被写体領域であるという条件の基でその画素値が出
現する第3の確率、および背景領域であるという条件の
基でその画素値が出現する第4の確率を算出する第1の
算出手段と、第1の算出手段により算出された確率を用
いて、ベイズ推定法に基づいて、現在の画素値が与えら
れたという条件のもとでその画素値が被写体である第5
の確率を算出する第2の算出手段と、第2の算出手段に
より算出された第5の確率と所定の閾値を比較する比較
手段とを備えさせるようにすることができる。
【0031】第2の抽出手段には、検出手段により検出
された被写体画素候補のヒストグラムを生成する生成手
段を更に備えさせるようにすることができ、第1の算出
手段には、ヒストグラムを基に、第3の確率を算出させ
るようにすることができる。
【0032】第1の算出手段には、第1の抽出手段によ
り抽出された背景領域の情報に基づいて第4の確率を算
出させるようにすることができる。
【0033】第2の抽出手段には、被写体領域内に存在
している可能性のある被写体画素候補を検出する検出手
段と、検出手段により検出された被写体画素候補と対象
画素との空間的な配置関係から、対象画素が被写体であ
る確率および背景である確率を算出する算出手段と、算
出手段による算出結果をベイズ推定を用いて補正するこ
とにより、前記第1の対象画像から、被写体領域を抽出
するベイズ推定補正手段とを備えさせるようにすること
ができる。
【0034】第2の抽出手段には、被写体領域の候補画
素および背景領域の候補画素を検出し、被写体領域の候
補画素と背景領域の候補画素とで異なる値を有する2値
画像を生成する生成手段と、生成手段により生成された
2値画像を平滑化する平滑化手段と備えさせるようにす
ることができる。
【0035】入力手段により第1の対象画像と異なる時
刻に入力され、背景領域および被写体領域からなる第2
の対象画像のうちの所定の画素が被写体領域である確率
を推定する推定手段を更に備えさせるようにすることが
でき、第2の抽出手段には、推定手段により推定された
第2の対象画像のうちの所定の画素が被写体領域である
確率を用いて、ベイズ推定により、第1の対象画像か
ら、被写体領域を抽出させるようにすることができる。
【0036】第2の抽出手段による抽出結果を記憶する
記憶手段を更に備えさせるようにすることができ、第2
の抽出手段には、記憶手段に記憶されている1つ前の時
刻の抽出結果を用いて、ベイズ推定により、第1の対象
画像から、被写体領域を抽出させるようにすることがで
きる。
【0037】第2の抽出手段による抽出結果を記憶する
記憶手段と、記憶手段により記憶されている抽出結果に
基づいて、抽出された被写体領域に存在する画素の画素
値のヒストグラムを生成する生成手段とを更に備えさせ
るようにすることができ、第2の抽出手段には、生成手
段により生成されたヒストグラムを用いて、ベイズ推定
により、第1の対象画像から、被写体領域を抽出させる
ようにすることができる。
【0038】入力手段により入力された画像データが色
情報を含む場合、第1の抽出手段には、色情報の成分毎
に背景領域の情報を抽出させるようにすることができ
る。
【0039】入力手段により入力された画像データが色
情報を含む場合、補正手段には、色情報の成分毎に補正
を実行させるようにすることができる。
【0040】入力手段により入力された画像データが色
情報を含む場合、検出手段には、色情報の成分毎に被写
体領域内に存在している可能性のある被写体画素候補を
検出させるようにすることができる。
【0041】本発明の画像処理方法は、撮像された画像
データの入力を制御する入力制御ステップと、入力制御
ステップの処理により入力が制御された背景領域からな
る背景画像から、背景領域の情報を抽出する第1の抽出
ステップと、入力制御ステップの処理により入力が制御
された背景領域および被写体領域からなる対象画像か
ら、被写体領域を抽出する第2の抽出ステップとを含
み、第2の抽出ステップの処理では、ベイズ推定を用い
て、対象画像から、被写体領域を抽出することを特徴と
する。
【0042】本発明の記録媒体に記録されているプログ
ラムは、撮像された画像データの入力を制御する入力制
御ステップと、入力制御ステップの処理により入力が制
御された背景領域からなる背景画像から、背景領域の情
報を抽出する第1の抽出ステップと、入力制御ステップ
の処理により入力が制御された背景領域および被写体領
域からなる対象画像から、被写体領域を抽出する第2の
抽出ステップとを含み、第2の抽出ステップの処理で
は、ベイズ推定を用いて、対象画像から、被写体領域を
抽出することを特徴とする。
【0043】本発明のプログラムは、撮像された画像デ
ータの入力を制御する入力制御ステップと、入力制御ス
テップの処理により入力が制御された背景領域からなる
背景画像から、背景領域の情報を抽出する第1の抽出ス
テップと、入力制御ステップの処理により入力が制御さ
れた背景領域および被写体領域からなる対象画像から、
被写体領域を抽出する第2の抽出ステップとを含み、第
2の抽出ステップの処理では、ベイズ推定を用いて、対
象画像から、被写体領域を抽出することを特徴とする処
理をコンピュータに実行させる。
【0044】本発明の画像処理装置および画像処理方
法、並びにプログラムにおいては、撮像された画像デー
タが入力され、入力された背景領域からなる背景画像か
ら、背景領域の情報が抽出され、入力された背景領域お
よび被写体領域からなる対象画像から、ベイズ推定を用
いて、被写体領域が抽出される。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、本発明の実
施の形態について説明する。
【0046】まず、本発明の第1の実施の形態について
説明する。図1は、本発明を適応した画像処理装置1の
構成を示すブロック図である。
【0047】画像処理装置1は、動作モードとして、背
景情報抽出モードと被写体抽出モードとの、2つのモー
ドを有しており、ユーザは、図示しない操作部を操作す
ることによって、背景情報抽出モードと被写体抽出モー
ドを切り替えることができる。背景情報抽出モードで
は、背景のみからなる画像の入力を受けて背景領域に関
する情報を抽出する処理が実行される。一方、被写体抽
出モードでは、背景情報抽出モードにおいて抽出された
背景情報を基に、被写体と背景から構成された画像から
被写体領域のみを抽出する処理が実行される。
【0048】撮像部11は、例えばCCD(Charge Couple
d Devices)カメラなどから構成されている。撮像部1
1は、制御部13の制御に従って画像を撮像し、画素値
I(i,j)からなる画像データを被写体領域検出部1
2に出力する。ここで、画素値I(i,j)は、撮像さ
れた画像データの二次元座標(i,j)上の画素値を表
す。
【0049】被写体領域検出部12は、スイッチ21、
背景情報抽出部22、メモリ23、被写体候補検出部2
4、および被写体判定部25で構成され、制御部13の
処理に従って、撮像部11から入力された画像データを
処理し、被写体領域を検出する処理を実行する。
【0050】スイッチ21は、制御部13から入力され
る信号を基に、背景情報抽出モードの場合、背景のみで
構成される背景画像の画像データを背景情報抽出部22
に供給し、被写体抽出モードの場合、被写体を含む画像
データを被写体候補検出部24および被写体判定部25
に供給する。
【0051】制御部13は、画像処理装置1の動作を制
御するものであり、例えば、図示しない操作部から入力
された信号を基に背景情報抽出モードか被写体抽出モー
ドかを判断し、撮像部11で撮像された画像データを被
写体領域検出部12の適する部分に供給するようにスイ
ッチ21を切り替えさせる。また、制御部13にはドラ
イブ14も接続されている。ドライブ14には、必要に
応じて磁気ディスク31、光ディスク32、光磁気ディ
スク33、および半導体メモリ34が装着され、データ
の授受を行うようになされている。
【0052】背景情報抽出部22の更に詳細な構成を示
すブロック図を図2に示す。
【0053】背景抽出モードにおいて、スイッチ21を
介して入力された背景画像データは、最大値画像生成部
41、最小値画像生成部42、および平均値画像生成部
43に供給される。最大値画像生成部41は、入力され
た複数の画像の座標(i,j)毎の画素の最大値を、式
(1)により算出し、それぞれの座標における最大の画
素値Max(i,j)からなる最大値画像を背景情報と
して生成し、メモリ23に出力して保存させる。
【数1】 ・・・(1)
【0054】ここで、Ik(i,j)は、k番目の画像
の、座標(i,j)における画素値を示す。また、MA
X(・)は、括弧内に示される複数の数値の最大値を算
出する演算を示す。
【0055】最小値画像生成部42は、入力された複数
の画像の座標(i,j)毎の画素の最小値を、式(2)
により算出し、それぞれの座標における最小の画素値M
in(i,j)からなる最小値画像を背景情報として生
成し、メモリ23に出力して保存させる。平均値画像生
成部43は、入力された複数の画像の座標(i,j)毎
の画素の平均値を、式(3)により算出し、それぞれの
座標における平均の画素値Ave(i,j)からなる平
均値画像を背景情報として生成し、メモリ23に出力し
て保存させる。
【数2】 ・・・(2)
【数3】 ・・・(3)
【0056】ここで、MIN(・)は、括弧内に示され
る複数の数値の最小値を算出する演算を示す。また、N
は、背景情報抽出部22に供給された画像の枚数を示
す。
【0057】メモリ23は、背景情報抽出部22が抽出
した背景情報の入力を受け、背景情報を保存するととも
に、保存している背景情報を、被写体候補検出部24お
よび被写体判定部25に供給する。
【0058】被写体候補検出部24の更に詳細な構成を
示すブロック図を図3に示す。
【0059】被写体候補検出部24の2値化処理部52
は、スイッチ21を介して入力画像データの画素値I
(i,j)の供給を受ける。閾値算出部51は、メモリ
23に記録されている背景情報から必要な情報(ここで
は、最大値画像の画素値Max(i,j)および最小値
画像の画素値Min(i,j))を読み込み、背景領域
か被写体かを判断するための、画素値の上限の閾値Tm
axおよび画素値の下限の閾値Tminを算出する。
【0060】背景領域か被写体かを判断するための、画
素値の上限の閾値Tmaxおよび画素値の下限の閾値T
minの算出方法は、いかなる方法であってもかまわな
いが、この例においては、式(4)および式(5)を用
いて画素値の上限の閾値Tmaxおよび画素値の下限の
閾値Tminを算出し、算出結果を2値化処理部52に
出力する。
【数4】 ・・・(4)
【数5】 ・・・(5)
【0061】式(4)の係数aおよび式(5)の係数b
は、それぞれ予め設定された係数であり、例えば、照明
光の変動などによる画素値のゆらぎを吸収するために、
通常、a>1.0、b<1.0で、実験などにより、も
しくは、経験的に求められる。
【0062】2値化処理部52は、閾値算出部51によ
り算出された閾値の入力を受け、図示しない内部のメモ
リに保存する。2値化処理部52は、スイッチ21を介
して画素値I(i,j)の入力を受け、内部のメモリに
保存している閾値を用いて、次の式(6)に基づいて、
2値化された画素値B(i,j)からなる2値画像を生
成し、被写体判定部25に出力する。
【数6】 ・・・(6)
【0063】すなわち、2値化処理部52は、入力され
た画素値I(i,j)のうち、閾値の範囲内の画素値に
対応する画素には背景候補であることを示す値として
0、閾値の範囲外の画素値に対応する画素は被写体候補
であることを示す値として1を設定した2値画像の画素
値B(i,j)を生成する。
【0064】図3においては、閾値算出部51におい
て、式(4)および式(5)を用いて最大値画像の画素
値Max(i,j)および最小値画像の画素値Min
(i,j)に所定の係数を積算することにより、例え
ば、照明光の変動などによる画素値のゆらぎを吸収する
ようになされているが、閾値算出部51を省略し、最大
値画像の画素値Max(i,j)および最小値画像の画
素値Min(i,j)を直接2値化処理部52に入力す
ることにより、ゆらぎは吸収することができないが、そ
の代わりに演算量を削減するようにしても良い。
【0065】被写体判定部25には、被写体抽出モード
において、スイッチ21から画素値I(i,j)が入力
され、被写体候補検出部24から2値画像の画素値B
(i,j)が入力されるとともに、メモリ23から最大
値画像の画素値Max(i,j)、最小値画像の画素値
Min(i,j)、および平均値画像の画素値Ave
(i,j)が読み込まれる。被写体判定部25の更に詳
細な構成を示すブロック図を図4に示す。
【0066】背景条件確率検出部61は、メモリ23か
ら背景情報(ここでは、最大値画像の画素値Max
(i,j)、最小値画像の画素値Min(i,j)、お
よび平均値画像の画素値Ave(i,j))を読み込
み、式(7)を用いて、ガウス分布により、背景である
という条件の基で画素値I(i,j)が出現する確率P
(I(i,j)|bg)を算出し、ベイズ推定演算部6
6に出力する。
【数7】 ・・・(7)
【0067】ここで、確率P(A|B)とは、事象Bで
あるという条件の基で、事象Aが発生する確率のことで
ある。
【0068】式(7)の係数sは、ガウス分布の標準偏
差であり、この例においては、最大値画像の画素値Ma
x(i,j)、最小値画像の画素値Min(i,j)、
および平均値画像の画素値Ave(i,j)を用いて、
次の式(8)によって算出される。
【数8】 ・・・(8)
【0069】すなわち、式(7)は、背景情報抽出モー
ドにおいて、背景として出現した画素値に近い画素値で
あるほど、背景領域である確率が高いことを示してい
る。
【0070】ヒストグラム生成部62は、入力画像デー
タの画素値I(i,j)および2値画像の画素値B
(i,j)の入力を受け、2値画像の画素値B(i,
j)が1である座標(すなわち、被写体候補検出部24
において被写体候補とみなされた画素の座標)に対応す
る画素値I(i,j)に対応するヒストグラムH(I
(i,j))を生成し、被写体条件確率検出部63に出
力する。
【0071】被写体条件確率検出部63は、入力画像デ
ータの画素値I(i,j)、およびヒストグラムH(I
(i,j))の入力を受け、被写体であるという条件の
基で画素値I(i,j)が出現する確率P(I(i,
j)|obj)を式(9)によって算出する。 P(I(i,j)|obj)=H(I(i,j))/obj_count・・・(9)
【0072】ここで、obj_countは、被写体候補の画素
の総数(すなわち、2値画像の画素値B(i,j)のう
ち、画素値が1である画素の総数)である。
【0073】被写体候補検出部24において、背景差分
法により得られた被写体候補(すなわち、被写体候補と
背景候補で異なる値を持つ画素値B(i,j)からなる
2値画像)が得られる。この被写体候補は、背景情報抽
出モードにおいて抽出された画素値の情報との差が小さ
い画素は必ずしも背景領域に属するとはいえないが、そ
の差が大きい画素に関してはかなり高い確率で被写体領
域に属するといえるという性質を利用して抽出される。
式(9)における確率P(I(i,j)|obj)の定
義は、この性質に基づいたものであり、被写体候補検出
部24において検出された被写体候補に対応する画素の
うち出現頻度が高い画素値(すなわち、ヒストグラムで
高い数値を得ている画素値)ほど、被写体領域に出現す
る確率が高いことを示している。
【0074】多値マスク生成部64は、入力された2値
画像の画素値B(i,j)に対して、例えば、式(1
0)で示されるような平滑化処理を施し、平滑化された
画素値M(i,j)からなる帯域の狭い多値画像を生成
し、被写体/背景確率検出部65に出力する。 M(i,j)=LPF(B(i,j)×C)・・・(10)
【0075】ここで、式(10)において、画素値B
(i,j)に乗算されている係数Cは、予め設定された
定数であり、後述する被写体/背景確率検出部65が実
行する計算における、確率の値の精度を定めるものであ
る。また、LPFとしては、例えば、平均値フィルタな
どを用いることができる。
【0076】被写体/背景確率検出部65は、多値マス
ク生成部64から入力された多値画像の画素値M(i,
j)を基に、次の式(11)で示される被写体である確
率P(obj)および式(12)で示される背景である
確率P(bg)を算出し、ベイズ推定演算部66に出力
する。 P(obj)=M(i,j)/C・・・(11) P(bg)=1.0−P(obj)・・・(12)
【0077】ここで、式(11)の係数Cは、式(1
0)の係数Cと同一の値である。多値マスク生成部64
で生成された多値画像の画素値M(i,j)は、被写体
候補検出部24において被写体候補とされた画素(画素
値1に設定された画素)に空間的に近いほど大きな画素
値(1に近い画素値)となる。すなわち、式(11)お
よび式(12)は、背景差分法によって抽出された被写
体候補の空間的な分布によって被写体である確率、およ
び背景である確率を定義するものであり、被写体候補の
画素に近いほど被写体である確率が高いといえる。
【0078】ベイズ推定演算部66は、入力された情報
を基に、ベイズの定理に従って、画素値I(i,j)が
被写体領域に属する確率P(obj|I(i,j))を
演算する。
【0079】2つの事象AおよびBがあるとき、事象A
であるという条件の基で、事象Bが発生する確率は、次
の式(13)で表わされる。これをベイズの定理とい
う。
【数9】 ・・・(13)
【0080】すなわち、ベイズ推定演算部66は、背景
条件確率検出部61から入力された、背景であるという
条件の基で画素値I(i,j)が出現する確率P(I
(i,j)|bg)、被写体条件確率検出部63から入
力された被写体であるという条件の基で画素値I(i,
j)が出現する確率P(I(i,j)|obj)、並び
に、被写体/背景確率検出部65から入力された被写体
である確率P(obj)および背景である確率P(b
g)を用いて、次の式(14)により、画素値I(i,
j)が被写体領域に属する確率P(obj|I(i,
j))を演算する。
【数10】 ・・・(14)
【0081】そして、ベイズ推定演算部66は、式(1
4)によって求められた画素値I(i,j)が被写体領
域に属する確率P(obj|I(i,j))が、予め設
定された閾値Tより大きい場合には、対応する画素
(i,j)は被写体領域であると判定し、閾値Tより小
さい場合には、背景領域と判定し、次の式(15)に従
って、2値化された画素値O´(i,j)からなる2値
画像を生成し、論理和演算部67に出力する。
【数11】 ・・・(15)
【0082】論理和演算部67は、被写体候補検出部2
4において背景の候補とされた画素についてのみベイズ
推定による補正を反映させるため、被写体候補検出部2
4から入力された2値画像の画素値B(i,j)と、ベ
イズ推定演算部66から入力された2値画像の画素値O
´(i,j)の座標毎の論理和を演算し、その結果得ら
れた画素値O(i,j)からなる2値画像を出力する。
【0083】また、被写体候補検出部24から入力され
た2値画像の画素値B(i,j)と、ベイズ推定演算部
66から入力された2値画像の画素値O´(i,j)の
論理を逆(すなわち、背景であると判断された場合は
1、被写体であると判断された場合は0)とし、論理和
演算部67に代わって、入力された2値画像の座標毎の
論理積を演算する論理積演算部を備えるようにしても良
い。
【0084】図1を用いて説明した画像処理装置1にお
いては、メモリ23に最大値画像の画素値Max(i,
j)、最小値画像の画素値Min(i,j)、および平
均値画像の画素値Ave(i,j)を保存させ、被写体
候補検出部24の閾値算出部51に最大値画像の画素値
Max(i,j)および最小値画像の画素値Min
(i,j)を読み込ませ、背景領域か被写体かを判断す
るための画素値の上限の閾値Tmaxおよび画素値の下
限の閾値Tminを、式(4)および式(5)を用いて
算出させるようにしているが、背景情報抽出モード時
に、背景情報抽出部22に、式(4)および式(5)の
演算を予め実行させ、メモリ23に、画素値の上限の閾
値Tmaxおよび画素値の下限の閾値Tminを保存さ
せるようにしても良い。その場合、閾値算出部51を省
略することができ、被写体抽出モードにおける演算時間
を削減することが可能となる。
【0085】また、式(8)を用いて説明した標準偏差
sも、背景情報抽出モード時に、背景情報抽出部22に
より予め演算させるようにし、メモリ23に保存させる
ようにしても良い。
【0086】また、被写体判定部25において、背景で
あるという条件の基で画素値I(i,j)が出現する確
率P(I(i,j)|bg)を、式(8)によって算出
される標準偏差sのガウス分布で近似しているが、標準
偏差の算出に他の式を用いたり、あるいは、背景画像の
性質に応じた他の分布関数を用いても良いことは言うま
でもない。
【0087】また、被写体である確率P(obj)は、
式(11)以外にも、例えば、次の式(16)に示され
るような非線形関数を用いて求める(被写体領域、もし
くは背景領域に重み付けを施す)ようにしても良い。
【数12】 ・・・(16) ここで、gは重み付けを行うのに適当な、予め定められ
た定数である。
【0088】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図5は、本発明を適応した画像処理装置71
の構成を示すブロック図である。なお、図1における場
合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説
明は適宜省略する。
【0089】すなわち、図5の画像処理装置71は、被
写体領域検出部12に代わって、被写体領域検出部81
が設けられている以外は、図1の画像処理装置1と基本
的に同様の構成を有しており、被写体領域検出部81
は、背景情報抽出部22に代わって、背景情報抽出部9
1が設けられている以外は、図1の被写体領域検出部1
2と基本的に同様の構成を有している。
【0090】図6は、背景情報抽出部91の更に詳細な
構成を示すブロック図である。
【0091】平均値画像生成部43は、図2を用いて説
明したので、ここではその説明を省略する。
【0092】偏差画像生成部101は、入力された複数
の画像データの画素値I(i,j)から、それぞれの座
標毎に、次の式(17)を用いて標準偏差を算出し、そ
の値を画素値Sdv1(i,j)とする偏差画像を背景
情報として生成し、メモリ23に出力する。
【数13】 ・・・(17)
【0093】また、偏差画像生成部101における演算
量の削減のために、式(17)の演算において、平方根
を省略し、分散値をメモリ23に保存するようにしても
良い。
【0094】被写体候補検出部24は、メモリ23か
ら、背景情報(ここでは、平均値画像の画素値Ave
(i,j)および偏差画像の画素値Sdv1(i,
j))を読み出す。閾値算出部51は、式(18)およ
び式(19)を用いて、画素値の上限の閾値Tmaxお
よび画素値の下限の閾値Tminを算出し、算出結果を
2値化処理部52に出力する。2値化処理部52は、第
1の実施の形態と同様にして、2値画像の画素値B
(i,j)を算出して出力する。
【数14】 ・・・(18)
【数15】 ・・・(19) ここで、係数cおよび係数c’は、予め設定された定数
である。
【0095】そして、被写体判定部25の背景条件確率
検出部61において、上述した式(7)を用いて背景で
あるという条件の基で画素値I(i,j)が出現する確
率P(I(i,j)|bg)が算出されるが、この場
合、ガウス分布の標準偏差sには、式(8)を用いず
に、メモリ23に保存されている偏差画像の画素値Sd
v1(I,j)の各画素値を用いることができる。
【0096】また、照明光や撮像部11の撮像パラメー
タの変動などを考慮して、例えば、偏差画像の画素値S
dv1(I,j)の各画素値に、予め設定された係数を
積算しておき、積算結果をガウス分布の標準偏差として
用いるようにしても良い。
【0097】そして、第1の実施の形態と同様にして、
被写体判定部25において背景であると判定された場合
は0、被写体であると判定された場合は1の画素値を有
する2値画像の画素値O(i,j)が生成され、出力さ
れる。
【0098】第2の実施の形態によれば、メモリ23に
おいて保存される情報が、平均値画像の画素値Ave
(i,j)および偏差画像の画素値Sdv1(i,j)
の2種類であるので、メモリ23の容量を削減すること
が可能である。
【0099】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図7は、本発明を適応した画像処理装置11
1の構成を示すブロック図である。なお、図1における
場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その
説明は適宜省略する。
【0100】すなわち、図7の画像処理装置111は、
被写体領域検出部12に代わって、被写体領域検出部1
21が設けられている以外は、基本的に、図1を用いて
説明した画像処理装置1と基本的に同様の構成を有し、
被写体領域検出部121は、補正係数算出部131、メ
モリ132、および画素値補正部133が新たに設けら
れている以外は、図1を用いて説明した被写体領域検出
部12と基本的に同様の構成を有している。
【0101】被写体抽出モードにおいて、撮像部11に
おいて撮像された画像データは、被写体候補検出部24
および被写体判定部25に入力される前に、補正係数算
出部131、メモリ132、および画素値補正部133
において、照明光や撮像部11の撮像パラメータの変動
成分の補正が実行される。撮像部11において撮像され
た画像データの画素値I(i,j)は、スイッチ21を
介して、補正係数算出部131およびメモリ132に出
力される。
【0102】補正係数算出部131は、入力された画素
値I(i,j)とメモリ23から読み出した平均値画像
の画素値Ave(i,j)から、式(20)を用いて補
正係数pを算出し、画素値補正部133に出力する。
【数16】 ・・・(20) ここで、式(20)中のdifは、入力された画素値I
(i,j)と、平均値画像の画素値Ave(i,j)と
の差の絶対値であり、次の式(21)で示される。
【数17】 ・・・(21)
【0103】また、式(20)のLは、被写体領域以外
の部分を示すが、実際には、この領域を事前に知ること
はできないため、例えば、図8に示される画像の4すみ
などのように、被写体が入り込みにくいと思われる領域
が予め設定される。
【0104】式(20)のTは、閾値であり、式(2
1)で示される入力された画素値I(i,j)と、平均
値画像の画素値Ave(i,j)との差の絶対値がこの
閾値を越える場合には、領域Lに含まれる座標(i,
j)には被写体が撮像されているものとみなされ、補正
係数の算出から除外されるようになされている。
【0105】また、VminおよびVmaxは予め設定
された定数であり、入力された画素値I(i,j)と、
平均値画像の画素値Ave(i,j)とが、いずれもV
min以上Vmax以下である場合にのみ、その値が補
正係数の算出に用いられる。これは、画素の値が非常に
大きい場合は、飽和している可能性が高く、逆に非常に
小さい場合は、ノイズの影響を強く受けてしまうため、
いずれも補正係数の算出に用いるのが好ましくないから
である。
【0106】メモリ132は、スイッチ21を介して入
力された画素値I(i,j)を、補正係数算出部131
の補正係数算出処理の実行時間に合わせて一時保存す
る。
【0107】画素値補正部133は、補正係数算出部1
31が算出した補正係数pの入力を受け、メモリ132
から入力画像データの画素値I(i,j)を読み出し、
次の式(22)により、各画素値の補正を実行する。 I’(i,j)=I(i,j)/p・・・(22)
【0108】補正後の画素値I’(i,j)からなる補
正画像は、被写体候補検出部24および被写体判定部2
5に供給され、図1を用いて説明した場合と同様にし
て、被写体領域が検出され、画素値O(i,j)からな
る2値画像が出力される。
【0109】図7を用いて説明した画像処理装置111
においては、例えば、式(20)を用いて説明した補正
係数pの算出式において、分母と分子を入れ替えた算出
式を用いて補正係数pを算出し、画素値補正部133に
おいて、メモリ132から読み出した入力画像データの
画素値I(i,j)に、補正係数を積算するようにして
も良い。
【0110】また、図7の画像処理装置111において
は、第1の実施の形態と同様に、背景情報抽出部22を
用いて背景情報を抽出し、その背景情報を用いて被写体
領域を検出しているものとして説明しているが、背景情
報抽出部22に代わって、背景情報抽出部91を設ける
ようにし、第2の実施の形態と同様に、背景情報91を
用いて背景情報を抽出し、その背景情報を用いて被写体
領域を検出するようにしても良い。
【0111】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図9は、本発明を適応した画像処理装置14
1の構成を示すブロック図である。画像処理装置141
は、特に、動画像から被写体領域を抽出する場合に適し
ている。なお、図1における場合と対応する部分には同
一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0112】すなわち、図9の画像処理装置141は、
被写体領域検出部12に代わって、被写体領域検出部1
51が設けられている以外は、基本的に、図1を用いて
説明した画像処理装置1と基本的に同様の構成を有し、
被写体領域検出部151は、被写体判定部25に代わっ
て、被写体判定部161が設けられている以外は、図1
を用いて説明した被写体領域検出部12と基本的に同様
の構成を有している。
【0113】図10は、被写体判定部161の更に詳細
な構成を示すブロック図である。なお、図4における場
合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説
明は適宜省略する。
【0114】まず、1枚目の画像データに対応する画素
値I(i,j)および背景情報(ここでは、最大値画像
の画素値Max(i,j)、最小値画像の画素値Min
(i,j)、および平均値画像の画素値Ave(i,
j))が被写体判定部161に入力される。
【0115】1枚目の画像データに対してのみ、被写体
候補検出部24から出力される2値画像の画素値B
(i,j)は、論理和演算部67およびメモリ172を
介して、ヒストグラム生成部62および多値マスク生成
部64に直接供給される。また、メモリ171に供給さ
れる入力画像データの画素値I(i,j)は、すぐにヒ
ストグラム生成部62に入力されるが、1枚目の入力画
像データの画素値I(i,j)は、まだ、メモリ171
に保存されたままであるものとする。
【0116】ヒストグラム生成部62は、メモリ171
を介して入力された画素値B(i,j)およびメモリ1
71を介して入力された画素値I(i,j)を用いて、
図4を用いて説明した方法と同様にしてヒストグラムH
(I(i,j))を生成し、メモリ173を介して、被
写体条件確率検出部63に出力する。
【0117】背景条件確率検出部61、被写体条件確率
検出部63、多値マスク生成部64、被写体/背景確率
検出部65、ベイズ推定演算部66、および論理和演算
部67は、図4を用いて説明した処理と同様の処理を実
行し、1枚目の画像データに対応する画素値O(i,
j)からなる2値画像を生成する。生成された画素値O
(i,j)からなる2値画像は、出力されるとともに、
メモリ172に供給される。
【0118】ヒストグラム生成部62は、メモリ171
から、1枚目の画像データに対応する画素値I(i,
j)を読み込むとともに、メモリ172から、1枚目の
画像データに対応する2値画像の画素値O(i,j)を
読み込み、2値画像の画素値O(i,j)が1となる座
標、すなわち、1枚目の画像データにおいて被写体候補
とみなされた座標の画素値に関するヒストグラムH(I
(i,j))を生成し、メモリ173に出力する。
【0119】次に、2枚目の画像データに対応する画素
値I(i,j)が被写体判定部161に入力される。
【0120】メモリ171には、2枚目の画像データに
対応する画素値I(i,j)が入力され、保存(1枚目
の画像データに対応する画素値I(i,j)に上書き)
される。
【0121】背景条件確率検出部61は、図4を用いて
説明した処理と同様の処理を実行し、2枚目の画像デー
タに対して、背景であるという条件の基で画素値I
(i,j)が出現する確率P(I(i,j)|bg)を
算出し、ベイズ推定演算部66に出力する。
【0122】被写体条件確率検出部63は、2枚目の画
像データに対応する画素値I(i,j)の入力を受ける
とともに、メモリ173から、1枚目の画像データにお
いて被写体候補とみなされた座標に対応するヒストグラ
ムH(I(i,j))を読み込み、式(9)を用いて、
被写体であるという条件の基で画素値I(i,j)が出
現する確率P(I(i,j)|obj)を算出し、ベイ
ズ推定演算部66に出力する。
【0123】多値マスク生成部64は、メモリ172か
ら、1枚目の画像データにおいて被写体候補とみなされ
た座標を示す2値画像の画素値O(i,j)を読み込
み、例えば、式(10)で示されるような平滑化処理を
施し、平滑化された画素値M(i,j)からなる帯域の
狭い多値画像生成し、被写体/背景確率検出部65に出
力する。
【0124】被写体/背景確率検出部65は、図4を用
いて説明した処理(式(11)および式(12)を用い
て説明した演算処理)と同様の処理を実行し、対応する
画素が被写体である確率P(obj)および背景である
確率P(bg)を算出し、ベイズ推定演算部66に出力
する。
【0125】ベイズ推定演算部66、および論理和演算
部67は、図4を用いて説明した処理と同様の処理を実
行し、2枚目の画像データに対応する画素値O(i,
j)からなる2値画像を生成する。生成された画素値O
(i,j)からなる2値画像は、出力されるとともに、
メモリ172に供給(上書き)される。
【0126】ヒストグラム生成部62は、メモリ171
から、2枚目の画像データに対応する画素値I(i,
j)を読み込むとともに、メモリ172から、2枚目の
画像データに対応する2値画像の画素値O(i,j)を
読み込み、2値画像の画素値O(i,j)が1となる座
標、すなわち、2枚目の画像データにおいて被写体候補
とみなされた座標の画素値に関するヒストグラムH(I
(i,j))を生成し、メモリ173に出力する。
【0127】そして、3枚目以降の画像データに対応す
る画素値I(i,j)および背景情報が被写体判定部1
61に入力され、同様の処理が繰り返されることによ
り、複数の連続した画像データからなる動画像データに
おける被写体領域を、一つ前の画像データにおいて被写
体領域であると推定された領域の情報を基に、精度よく
検出することができる。
【0128】また、図10においては、1枚目の画像デ
ータに関して、被写体候補検出部24から供給される2
値画像の画素値B(i,j)を直接メモリ172に入力
させ、1枚目の画像データに対するベイズ推定に必要な
情報を生成する場合について説明したが、例えば、1枚
目の画像データを表示させないものとし、1枚目の画像
データは、2枚目の画像データに対するベイズ推定に必
要な情報を生成するためのみに利用するようにしても良
い。
【0129】なお、図10においては、1つ前の入力画
像に対するヒストグラムおよび多値マスクを利用する場
合について説明したが、ヒストグラム生成部62、もし
くは多値マスク生成部64のうちのいずれか一方に、被
写体候補検出部24から供給される2値画像の画素値B
(i,j)を直接供給して、現在処理中の画像データに
対するヒストグラム、もしくは多値マスクを生成させ
て、ベイズ推論に用いるようにしても良い。
【0130】また、図9の画像処理装置141において
は、第1の実施の形態と同様に、背景情報抽出部22を
用いて背景情報を抽出し、その背景情報を用いて、補正
係数の算出を行わずに、被写体領域を検出しているもの
として説明しているが、背景情報抽出部22に代わっ
て、背景情報抽出部91を設けるようにし、第2の実施
の形態と同様に、背景情報91を用いて背景情報を抽出
し、その背景情報を用いて被写体領域を検出するように
しても良いし、第3の実施の形態と同様に、図7を用い
て説明した補正係数算出部131、メモリ132、およ
び画素値補正部133を設け、補正係数を算出するよう
にしても良い。
【0131】以上説明した実施の形態1乃至実施の形態
4においては、画素値が単独の値である場合について説
明したが、次に、第5の実施の形態として、図1の画像
処理装置1でカラー画像を処理する場合について説明す
る。
【0132】撮像部11から入力される画像データの画
素I(i,j)には、例えば、輝度信号Y(i,j)、
色差信号U(i,j)および色差信号V(i,j)など
の、色を表す複数の成分が含まれている。
【0133】輝度信号Y(i,j)、色差信号U(i,
j)および色差信号V(i,j)は、背景情報抽出モー
ドにおいては、スイッチ21を介して背景情報抽出部2
2に、被写体抽出モードにおいては、被写体候補検出部
24および被写体判定部25に供給される。
【0134】背景抽出モードにおいて、スイッチ21を
介して、図2を用いて説明した背景情報抽出部22に入
力された背景画像データは、最大値画像生成部41、最
小値画像生成部42、および平均値画像生成部43に供
給される。最大値画像生成部41、最小値画像生成部4
2、および平均値画像生成部43は、それぞれの画像デ
ータの輝度信号Y(i,j)、色差信号U(i,j)お
よび色差信号V(i,j)の成分毎に、画素値の最大値
からなる最大値画像、画素値の最小値からなる最小値画
像、および画素値の平均値からなる平均値画像をそれぞ
れ生成し、メモリ23に出力する。
【0135】最大値画像生成部41は、次の式(23)
乃至式(25)を用いて、輝度信号Y(i,j)、色差
信号U(i,j)および色差信号V(i,j)の成分毎
に、画素値の最大値MaxY(i,j)、MaxU
(i,j)、およびMaxV(i,j)、からなる最大
値画像を生成する。
【数18】 ・・・(23)
【数19】 ・・・(24)
【数20】 ・・・(25)
【0136】ここで、Yk(i,j)は、k番目の画像
の、座標(i,j)における輝度信号の値を、Uk
(i,j)およびVk(i,j)は、k番目の画像の、
座標(i,j)におけるそれぞれの要素の色差信号の値
を示す。また、MAX(・)は、括弧内に示される複数
の数値の最大値を算出する演算を示す。
【0137】最小値画像生成部42は、次の式(26)
乃至式(28)を用いて、輝度信号Y(i,j)、色差
信号U(i,j)および色差信号V(i,j)の成分毎
に、画素値の最小値MinY(i,j)、MinU
(i,j)、およびMinV(i,j)、からなる最小
値画像を生成する。
【数21】 ・・・(26)
【数22】 ・・・(27)
【数23】 ・・・(28)
【0138】ここで、MIN(・)は、括弧内に示され
る複数の数値の最小値を算出する演算を示す。
【0139】平均値画像生成部43は、次の式(29)
乃至式(31)を用いて、輝度信号Y(i,j)、色差
信号U(i,j)および色差信号V(i,j)の成分毎
に、画素値の平均値AveY(i,j)、AveU
(i,j)、およびAveV(i,j)からなる平均値
画像を生成する。
【数24】 ・・・(29)
【数25】 ・・・(30)
【数26】 ・・・(31) ここで、Nは、背景情報抽出部22に供給された画像の
枚数を示す。
【0140】図3を用いて説明した被写体候補検出部2
4は、被写体抽出モードにおいて、スイッチ21を介し
て入力画像データの画素値I(i,j)を供給されると
ともに、メモリ23に記録されている背景情報から必要
な情報(ここでは、最大値画像の画素値Max(i,
j)および最小値画像の画素値Min(i,j))を読
み込む。
【0141】閾値算出部51は、背景領域か被写体かを
判断するために用いられる閾値を算出する。閾値算出部
51は、輝度信号Y(i,j)、色差信号U(i,j)
および色差信号V(i,j)の成分毎に、式(32)乃
至式(34)を用いて画素値の上限の閾値Tmaxを算
出し、式(35)乃至式(37)を用いて、画素値の下
限の閾値Tminを算出して、2値化処理部52に出力
する。
【0142】
【数27】 ・・・(32)
【数28】 ・・・(33)
【数29】 ・・・(34)
【数30】 ・・・(35)
【数31】 ・・・(36)
【数32】 ・・・(37)
【0143】ここで、ay,au,av,by,bu,
およびbvは、それぞれ予め設定された係数であり、照
明光などによる画素値のゆらぎなどを吸収するために、
通常、それぞれay,au,av>1.0、by,b
u,bv<1.0となる値が設定される。
【0144】2値化処理部52は、スイッチ21を介し
て入力画像データの画素値I(i,j)の入力を受け、
式(32)乃至式(37)によって表わされる閾値Tm
axおよび閾値Tminを用いて、次の式(38)によ
り、画素値B(i,j)によって構成される2値画像を
生成し、被写体判定部25に出力する。
【数33】 ・・・(38)
【0145】すなわち、2値化処理部52は、入力され
た画像データの画素値I(i,j)の輝度信号Y(i,
j)、色差信号U(i,j)および色差信号V(i,
j)の全ての成分が、閾値Tmaxと閾値Tminとの
範囲内である場合、対応する画素は背景候補であること
を示す値として0を設定し、輝度信号Y(i,j)、色
差信号U(i,j)および色差信号V(i,j)のうち
のいずれかの成分が閾値の範囲外である場合,対応する
画素は被写体候補であることを示す値として1を設定し
た2値画像の画素値B(i,j)を生成する。
【0146】図4を用いて説明した被写体判定部25の
背景条件確率検出部61は、入力画像データの画素値I
(i,j)の入力を受けるとともに、メモリ23から式
(23)乃至式(31)で示される背景情報を読み出
し、背景であるという条件のもとで、色成分の組み合わ
せであるI(i,j)=(Y(i,j),U(i,
j),V(i,j))が出現する確率であるP(I,
(i,j)|bg)を、次の式(39)を用いて算出
し、ベイズ推論演算部に出力する。
【数34】 ・・・(39)
【0147】ここで、P(Y(i,j)|bg)、P
(U(i,j)|bg)、およびP(V(i,j)|b
g)は、背景であるという条件のもとで、それぞれの成
分が出現する確率であり、メモリ23から式(23)乃
至式(31)で示される背景情報を読み出し、式(7)
および式(8)の画素値I(i,j)に代わって代入す
ることによって、それぞれ算出することができる。
【0148】ヒストグラム生成部62は、入力画像デー
タの画素値I(i,j)および2値画像の画素値B
(i,j)の入力を受け、2値画像の画素値B(i,
j)が1となる座標(i,j)、すなわち、被写体候補
検出部24が被写体候補とみなした画素の色成分に関す
る3次元ヒストグラムH(Y(i,j),U(i,
j),V(i,j))を生成し、被写体条件確率検出部
63に出力する。
【0149】被写体条件確率検出部63は、ヒストグラ
ム生成部62より入力された3次元ヒストグラムH(Y
(i,j),U(i,j),V(i,j))を用いて、
被写体であるという条件のもとで、色成分の組み合わせ
であるI(i,j)=(Y(i,j),U(i,j),
V(i,j))が出現する確率であるP(I,(i,
j)|obj)を、次の式(40)を用いて算出し、ベ
イズ推論演算部に出力する。
【数35】 ・・・(40) ここで、obj_countは、式(9)の場合と同様に、被写
体候補の画素の総数(すなわち、2値画像の画素値B
(i,j)のうち、画素値が1である画素の総数)であ
る。
【0150】そして、多値マスク生成部64、被写体/
背景確率検出部65、ベイズ推定演算部66、および論
理和演算部67においては、第1の実施の形態において
説明した処理と同様の処理が実行され、背景であると判
断された座標には0、被写体であると判断された座標に
は1の値を有する2値画像O(i,j)が、入力された
カラー画像の色情報を効果的に利用して生成され、出力
されるので、より正確な被写体領域の抽出が可能とな
る。
【0151】ここでは、図1の画像処理装置1でカラー
画像を処理する場合について説明したが、図5、図7、
および図9を用いて説明した画像処理装置においても、
同様にしてカラー画像を処理することができるのはもち
ろんである。
【0152】例えば、図5を用いて説明した画像処理装
置71においてカラー画像を処理する場合、背景情報抽
出部91の偏差画像生成部101で、式(15)を用い
て生成される偏差画像の画素値Sdv1(i,j)を、
輝度信号Y(i,j)、色差信号U(i,j)および色
差信号V(i,j)の全ての成分についてそれぞれ生成
させ、閾値算出部51で、各色成分毎の画素値の上限の
閾値Tmax、および画素値の下限の閾値Tminを算
出させるようにすればよい。このとき、上限の閾値Tm
ax、および画素値の下限の閾値Tminを算出するた
めに乗算される係数は、色成分毎に異なる定数を用いる
ようにしても良い。
【0153】また、図7を用いて説明した画像処理装置
71においてカラー画像を処理する場合、補正係数算出
部131で、輝度信号Y(i,j)、色差信号U(i,
j)および色差信号V(i,j)の全ての成分について
それぞれの補正係数を算出させ、画素値補正部133
で、それぞれの成分の補正係数を用いて、輝度信号Y
(i,j)、色差信号U(i,j)および色差信号V
(i,j)の全ての成分について補正を行うようにすれ
ばよい。
【0154】これ以降の実施の形態においては、入力さ
れた画像データがカラー画像であるものとして説明する
が、入力された画像に色情報が含まれていない場合につ
いても、入力される情報が複数の色成分から成立してい
ないだけで、基本的に同様の処理を実行するので、その
説明については省略する。
【0155】次に、本発明の第6の実施の形態について
説明する。図11は、本発明を適応した画像処理装置1
81の構成を示すブロック図である。なお、図1におけ
る場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、そ
の説明は適宜省略する。
【0156】すなわち、図11の画像処理装置181
は、被写体領域検出部12に代わって、被写体領域検出
部191が設けられている以外は、図1を用いて説明し
た場合と、基本的に同様の構成を有している。
【0157】撮像部11から入力される画像データの画
素I(i,j)には、例えば、輝度信号Y(i,j)、
色差信号U(i,j)および色差信号V(i,j)など
の、色を表す複数の成分が含まれている。輝度信号Y
(i,j)、色差信号U(i,j)および色差信号V
(i,j)は、背景情報抽出モードにおいては、スイッ
チ21を介して背景情報抽出部201に、被写体抽出モ
ードにおいては、背景差分算出部202、背景補正部2
06、およびメモリ205に供給される。
【0158】背景情報抽出部201は、図2を用いて説
明した平均値画像生成部43から構成され、背景情報抽
出モードにおいて、式(29)乃至式(31)を用い
て、画素値の平均値AveY(i,j)、AveU
(i,j)、およびAveV(i,j)からなる平均値
画像を生成し、メモリ23に出力して保存させるととも
に、照明光などの変動要素を考慮して、次の式(41)
乃至式(43)を用いて、分散画像の画素値Sav2
(I,j)=(Sav2Y(I,j),Sav2U
(I,j),SavV(I,2j))を生成し、この分
散画像の画素値Sav2(I,j)をメモリ23に出力
して保存させる。
【数36】 ・・・(41)
【数37】 ・・・(42)
【数38】 ・・・(43)
【0159】背景差分算出部202は、被写体抽出モー
ドにおいて、スイッチ21を介して、入力画像データの
画素値I(i,j)の入力を受けるとともに、メモリ2
3から背景情報を読み出して、次の式(44)に従っ
て、平均値画像と入力画像データの画素値を比較するこ
とにより、対応する座標の画素が被写体候補であるか背
景候補であるかを判断し、対応する画素が被写体候補で
あれば1、背景候補であれば0である画素B(i,j)
で構成される2値画像を生成して被写体確率算出部20
3に出力する。
【数39】 ・・・(44)
【0160】また、背景差分算出部202は、被写体確
率算出部203が上述したベイズ推論を用いて被写体確
率を算出する場合、画素B(i,j)で構成される2値
画像とともに、スイッチ21を介して入力された入力画
像データの画素値I(i,j)を被写体確率算出部20
3に出力する。
【0161】ここで、式(44)に用いられている各成
分の閾値Ty,TuおよびTvは、例えば、背景情報抽
出部201において算出された分散画像の画素値Sav
2(I,j)を用いて、次の式(45)乃至式(47)
によって算出することができる。
【数40】 ・・・(45)
【数41】 ・・・(46)
【数42】 ・・・(47) ここで、ay,au,およびavは、予め設定された係
数である。
【0162】被写体確率算出部203は、各座標が被写
体領域に含まれる確率Pobj(i,j)を算出する。
各座標が被写体領域に含まれる確率Pobj(i,j)
を求める方法は、第1の実施の形態において説明したよ
うなベイズ推定理論を用いた方法でも良いし、他の方法
であっても良い。例えば、背景差分法の性質上、背景差
分算出部202において被写体候補とされた画素は、実
際に被写体である確率が高いので、入力された2値画像
の画素値B(i,j)が1である画素に対しては、被写
体確率Pobj(i,j)を1.0とし、それ以外の画
素については、経験的、もしくは実験的に領域毎の被写
体確率を設定するようにしても良い。
【0163】例えば、被写体領域が画像の中央に位置す
る確率が高い場合、画像上の座標による被写体確率を、
図12に示されるように予め設定されるようにしてもよ
い。このような場合、被写体確率算出部203に、座標
によって被写体確率を参照するためのテーブルが予め用
意され、画素の位置に応じてテーブルが参照されて、被
写体確率Pobj(i,j)が算出される。被写体確率
Pobj(i,j)は、メモリ204に出力されて保存
される。
【0164】また、被写体確率算出部203が、上述し
たベイズ推論を用いて被写体確率Pobj(i,j)を
求めるようになされている場合、被写体確率算出部20
3は、実質的に、図4の被写体判定部25もしくは図1
0の被写体判定部161と同様の構成を有して、同様の
処理を実行する。そして、被写体確率算出部203は、
図4および図10を用いて説明した場合の画素O(I,
j)を被写体確率Pobj(i,j)として出力する。
【0165】また、被写体確率算出部203において
は、必要に応じて、入力された2値画像の画素値B
(i,j)を補正することもできる。例えば、被写体確
率Pobj(i,j)の閾値を予め設定しておき、画素
値B(i,j)=0である画素に対して、対応する被写
体確率Pobj(i,j)が閾値よりも大きい場合は、
対応する画素を被写体とみなして、画素値B’(i,
j)=1とする。必要に応じて補正された画素値B’
(i,j)は、被写体確率Pobj(i,j)ととも
に、背景補正部206に出力される。
【0166】メモリ204は、被写体確率算出部203
から現在処理中の画像の被写体確率Pobj(i,j)
の入力を受け、保存するとともに、1つ前の画像の被写
体確率をPprv(i,j)として、背景補正部206
に出力する。
【0167】メモリ205は、被写体確率算出部203
から現在処理中の画像の画素値I(i,j)の入力を受
け、保存するとともに、1つ前の画像の画素値を画素値
Iprv(i,j)として、背景補正部206に出力す
る。
【0168】背景補正部206は、被写体確率算出部2
03から入力された2値画像の画素値B’(i,j)に
おいて、その値が0である画素、すなわち、背景候補と
みなされている画素についてのみ補正を実行する。
【0169】背景補正部206が、座標(i,j)で示
される画素が背景であるか、被写体であるかを判断する
ためには、対応する座標の画素が、背景であると仮定し
た場合に適当であると考えられる画素と、被写体である
と仮定した場合に適当であると考えられる画素とを算出
し、実際に入力された画素値I(i,j)が、どちらに
近いかを比較することによって行われる。
【0170】背景候補とみなされている画素に対して、
座標(i,j)の画素が背景であると仮定した場合に適
当であると考えられる画素値I’bg=(Y’bg,
U’bg,V’bg)、および被写体であると仮定した
場合に適当であると考えられる画素値I’obj=
(Y’obj,U’obj,V’obj)それぞれの値
と、入力された画素値との三次元的な距離Dbgおよび
距離Dobjは、次の式(48)および式(49)によ
って示される。
【数43】 ・・・(48)
【数44】 ・・・(49)
【0171】そして、背景補正部206は、式(48)
を用いて算出した距離Dbgおよび距離Dobjを比較
し、Dobjの方が小さい場合には、座標(i,j)で
示される画素を被写体であると判定し、Dbgの方が小
さい場合には、座標(i,j)で示される画素を背景で
あると判定する。
【0172】背景の推定画素値I’bg(i,j)は、
メモリ23に保存されている背景画像データの平均値画
像の画素値Ave(i,j)を読み出して利用すること
ができるので、式(29)乃至式(31)で示される、
画素値の平均値AveY(i,j)、AveU(i,
j)、およびAveV(i,j)を、上述した式(4
8)に代入することにより、距離Dbgは算出可能であ
る。
【0173】しかしながら、被写体の推定画素値I’o
bj(i,j)は、対応する画素値が与えられていない
ため、背景補正部206は、メモリ204およびメモリ
205に保存されている1つ前の入力画像の画素値Ip
rv(i,j)およびその画像の各座標の被写体確率P
prv(I,j)を利用して、被写体の推定画素値I’
obj(i,j)を算出する。
【0174】図13は、背景補正部206の更に詳細な
構成を示すブロック図である。
【0175】背景距離算出部211は、現在処理中の画
像データの画素値I(i,j)および平均値画像の画素
値Ave(i,j)の入力を受け、上述した式(48)
に、画素値の平均値AveY(i,j)、AveU
(i,j)、およびAveV(i,j)を代入した次の
式(50)を用いて、距離Dbgを算出し、補正部21
5に出力する。
【数45】 ・・・(50)
【0176】前画像距離算出部212は、現在処理中の
画像データの画素値I(i,j)およびメモリ205に
保存されている1つ前の入力画像の画素値Iprv
(i,j)の入力を受け、上述した式(49)に、1つ
前の入力画像の画素値IprvY(i,j)、Iprv
U(i,j)、およびIprvV(i,j)を代入した
次の式(51)を用いて、距離Dprvを求め、被写体
距離算出部214に出力する。
【数46】 ・・・(51)
【0177】重み算出部213は、1つ前の画像の各座
標の被写体確率Pprv(I,j)の入力を受け、被写
体距離算出部214において、前画像距離算出部212
で算出された距離Dprvを補正し、距離Dobjを算
出するための補正値wを、次の式(52)を用いて算出
し、被写体距離算出部214に出力する。
【数47】 ・・・(52)
【0178】被写体距離算出部214は、前画像距離算
出部212から式(51)に示される距離Dprvの入
力を受けるとともに、重み算出部213から式(52)
に示される補正値wの入力を受け、次の式(53)に示
されるように、距離Dprvに補正値wを積算すること
により補正を行い、距離Dobjを算出して補正部21
5に出力する。 Dobj=w×Dprv ・・・(53)
【0179】すなわち、被写体距離算出部214におい
ては、1つ前の画像の各座標の被写体確率Pprv
(I,j)が1のとき、距離Dobj=距離Dprvと
なり、被写体確率Pprv(I,j)が小さくなるほ
ど、距離Dobjが大きな値となるように補正される。
【0180】補正部215は、被写体確率算出部203
から2値画像の画素値B’(i,j)の入力を受けると
ともに、背景距離算出部211から式(50)に示され
る距離Dbgを、被写体距離算出部214から式(5
3)に示される距離Dobjの入力を受ける。補正部2
15は、まず、初めに2値画像の画素値B’(i,j)
を参照し、画素値B’(i,j)=1である場合には、
補正を行わず、対応する座標(i,j)の画素は被写体
であると判定し、画素値O(I,j)=1を出力する。
【0181】それに対して、画素値B’(i,j)=0
である場合、補正部215は、距離Dbgと距離Dob
jとを比較し、距離Dobjが距離Dbgよりも小さか
った場合、対応する座標(i,j)の画素は被写体であ
ると判定し、画素値O(I,j)=1を出力し、距離D
objが距離Dbgよりも大きかった場合、対応する座
標(i,j)の画素は背景であると判定し、画素値O
(I,j)=0を出力する。
【0182】なお、図11を用いて説明した画像処理装
置181においては、背景情報抽出モードにおいて、背
景情報抽出部201が式(41)乃至式(43)を用い
て説明した背景情報を抽出し、メモリ23に出力して保
存させるものとして説明したが、例えば、背景情報抽出
部201に代わって、図2を用いて説明した背景情報抽
出部22を用いて背景情報を抽出し、式(23)乃至式
(31)に示される画素値を算出させるとともに、背景
差分算出部202に代わって、図2を用いて説明した被
写体候補検出部24を用いて、式(44)の演算に代わ
って式(32)乃至式(38)の演算を実行することに
より、画素値B(I,j)からなる2値画像を得るよう
にしても良い。
【0183】また、第6の実施の形態においては、被写
体確率Pobj(i,j)を算出するための先見的知識
として、図12を用いて説明した、画面上で被写体が存
在する確率が高い位置の情報を用いたが、例えば、被写
体領域に出現する可能正の高い色情報など、被写体領域
に関する他の上方を反映して被写体確率Pobj(i,
j)を算出するようにしても良い。
【0184】次に、本発明の第7の実施の形態について
説明する。第7の実施の形態は、上述した第6の実施の
形態における画像処理に、図4および図10を用いて説
明した多値マスク生成部64が実行したのと同様の平滑
化処理を加えたものである。
【0185】図14は、本発明を適応した画像処理装置
221の構成を示すブロック図である。なお、図11に
おける場合と対応する部分には同一の符号を付してあ
り、その説明は適宜省略する。
【0186】すなわち、図14の画像処理装置221
は、被写体領域検出部191に代わって、被写体領域検
出部231が設けられている以外は、図11を用いて説
明した場合と、基本的に同様の構成を有している。
【0187】そして、被写体領域検出部231は、被写
体確率算出部203に代わって被写体確率算出部241
が設けられ、更に、メモリ242が新たに設けられてい
る以外は、図11を用いて説明した被写体領域検出部1
91と、基本的に同様の構成を有している。
【0188】ここで、背景情報抽出部201、メモリ2
3、および背景差分算出部202の処理は、第6の実施
の形態における場合と同様であるので、その説明は省略
する。
【0189】被写体抽出モードの1枚目の画像データに
対して、背景差分算出部202、被写体確率算出部24
1、背景補正部206、メモリ204、およびメモリ2
05は、第6の実施の形態における背景差分算出部20
2乃至背景補正部206と同様の処理を実行して、1枚
目の画像データに対応する2値画像の画素値O(i,
j)を生成して出力する。そして、メモリ242に、1
枚目の画像データに対応する2値画像の画素値O(i,
j)が入力されて、次の画像データの被写体領域を検出
するために用いられる、一つ前の画像データに対応する
2値画像の画素値Oprv(i,j)として保存され
る。
【0190】2枚目の画像データに対応する2値画像の
画素値B(i,j)の入力を受けた被写体確率算出部2
41は、メモリ242から一つ前の画像データに対応す
る2値画像の画素値Oprv(i,j)を読み込む。そ
して、被写体確率算出部241は、例えば、上述した式
(10)を用いて、2値画像の画素値Oprv(i,
j)を平滑化し、画素値M(i,j)からなる多値画像
を生成する。例えば、2値画像の画素値Oprv(i,
j)が、図15に示されるように平滑化された場合、画
素値M(i,j)は、一つ前の画像データに対応する2
値画像の画素値Oprv(i,j)において、被写体領
域であると判断されていた部分の中心点に近い位置ほ
ど、1に近い数値になる(すなわち、被写体である確率
が高いと判断される)。
【0191】そして、被写体確率算出部241は、上述
した式(11)を用いて、画素値M(i,j)を正規化
して被写体確率Pobj(i,j)を生成し、メモリ2
04に出力する。すなわち、被写体確率Pobj(i,
j)は、一つ前の画像データに対応する2値画像の画素
値Oprv(i,j)において、被写体領域であると判
断されていた部分の中心点に近い位置ほど、高い確率で
あるとされる。
【0192】なお、第7の実施の形態においても、背景
情報の抽出方法、および被写体確率Pobj(i,j)
の算出方法は、第6の実施の形態において説明したいず
れの方法を用いても良いし、更に、被写体確率Pobj
(i,j)の算出に、1つ前の画像データに対応する2
値画像の画素値Oprv(i,j)において、被写体領
域であると判断されていた画素に対応する入力画像の画
素値のヒストグラムや背景画像のヒストグラムを生成し
て、これらのヒストグラムを比較することにより、ある
色が被写体領域に現れる可能性を評価し、被写体確率を
算出するようにしてもよい。
【0193】次に、本発明の第8の実施の形態について
説明する。
【0194】図16は、本発明を適応した画像処理装置
251の構成を示すブロック図である。なお、図11に
おける場合と対応する部分には同一の符号を付してあ
り、その説明は適宜省略する。
【0195】すなわち、図16の画像処理装置251
は、被写体領域検出部191に代わって、被写体領域検
出部261が設けられている以外は、図11を用いて説
明した場合と、基本的に同様の構成を有している。
【0196】そして、被写体領域検出部261は、背景
補正部206に代わって背景補正部272が設けられ、
更にメモリ271が新たに設けられている以外は、図1
1の被写体領域検出部191と基本的に同様の構成を有
するので、その説明は省略する。
【0197】また、背景情報抽出部201、メモリ2
3、背景差分算出部202、および被写体確率算出部2
03の処理は、第6の実施の形態における場合と同様で
あるので、その説明は省略する。
【0198】被写体確率算出部203は、上述した処理
により各座標が被写体領域に含まれる確率Pobj
(i,j)を算出し、メモリ204に出力するととも
に、必要に応じて、背景差分算出部202から入力され
た2値画像の画素値B(i,j)を補正し、補正後の2
値画像の画素値B’(i,j)をメモリ271に出力す
る。
【0199】背景補正部272は、後述する補正処理に
おいて、2値画像の画素値B’(i,j)のうち、補正
対象の座標(i,j)の近傍の領域の画素値を必要とす
る。メモリ271は、全画面分の2値画像の画素値B’
(i,j)を保存し、背景補正部272の処理のタイミ
ングにあわせて、補正に必要となる2値画像の画素値R
(i,j)を出力するか、もしくは、背景補正部272
が、メモリ271から、画素値R(i,j)を読み出
す。
【0200】補正対象の座標に対する近傍領域は、例え
ば、補正対象の座標(i,j)から所定の距離内の画素
(すなわち、補正対象の座標(i,j)を中心とした所
定の半径の円内の画素)であっても良いし、次の式(5
4)に示されるように、予め設定された定数mで決めら
れる正方形の形状の領域内の画素であっても良いし、ほ
かの方法で設定された領域内の画素であってもよい。
【数48】 ・・・(54)
【0201】以下、近傍領域内の座標を座標(i’,
j’)とする。
【0202】背景補正部272は、背景補正部206と
同様に、メモリ271を介して被写体確率算出部203
から入力された2値画像の画素値B’(i,j)におい
て、その値が0である画素、すなわち、背景候補とみな
されている画素についてのみ補正を実行する。
【0203】また、背景補正部272が、座標(i,
j)で示される画素が背景であるか、被写体であるかを
判断する方法も、背景補正部206と同様であり、上述
した式(48)および式(49)を用いて、対応する座
標の画素が、背景であると仮定した場合に適当であると
考えられる画素と、被写体であると仮定した場合に適当
であると考えられる画素とを算出し、実際に入力された
画素値I(i,j)が、どちらに近いかを比較すること
によって行われる。
【0204】従って、この場合においても、第7の実施
の形態と同様に、距離Dbgは算出可能であるが、被写
体の推定画素値I’obj(i,j)に対応する画素値
は与えられていない。従って、背景補正部272は、メ
モリ271、メモリ204およびメモリ205に保存さ
れている対応する座標の近傍の情報を利用して、被写体
の推定画素値I’obj(i,j)を算出する。
【0205】図17は、背景補正部272の更に詳細な
構成を示すブロック図である。なお、図13における場
合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説
明は適宜省略する。
【0206】背景距離算出部211は、図13を用いて
説明した場合と同様に、現在処理中の画像データの画素
値I(i,j)および平均値画像の画素値Ave(i,
j)の入力を受け、式(50)を用いて、距離Dbgを
算出し、補正部215に出力する。
【0207】被写体距離算出部281は、メモリ271
から供給される画素値R(i,j)、メモリ204から
供給される、上述した近傍領域(例えば、式(54)で
示される領域)の被写体確率Pobj(i’,j’)、
およびメモリ205から供給される、上述した近傍領域
の画素値I(i’,j’)を用いて、次の式(55)乃
至式(57)より、背景の推定画素値I’bg(i,
j)を求める。
【数49】 ・・・(55)
【数50】 ・・・(56)
【数51】 ・・・(57)
【0208】ここで、被写体距離算出部281は、必要
な領域の座標に対応する被写体確率Pobj(i’,
j’)および画素値I(i’,j’)を、選択的にメモ
リ204およびメモリ205から読み出すようにしても
良い。
【0209】式(55)乃至式(57)は、座標(i,
j)の画素の近傍領域内において、背景差分算出部20
2もしくは被写体確率算出部203において被写体であ
ると判断された画素のみを選択して、選択された画素値
を、対応する被写体確率で重み付けしたのち平均するも
のである。
【0210】補正部215は、背景距離算出部211か
ら供給された距離Dbgおよび被写体距離算出部281
から供給された距離Dobjを用いて、図13を用いて
説明した場合と同様の処理により補正を実行し、生成さ
れた2値画像の画素O(i,j)を出力する。
【0211】なお、第8の実施の形態においても、背景
情報の抽出方法、および被写体確率Pobj(i,j)
の算出方法は、第6の実施の形態、もしくは第7の実施
の形態において説明したいずれの方法を用いても良い。
【0212】次に、本発明の第9の実施の形態について
説明する。
【0213】図18は、本発明を適応した画像処理装置
291の構成を示すブロック図である。なお、図16に
おける場合と対応する部分には同一の符号を付してあ
り、その説明は適宜省略する。
【0214】すなわち、図18の画像処理装置291
は、被写体領域検出部261に代わって、被写体領域検
出部301が設けられている以外は、図16を用いて説
明した場合と、基本的に同様の構成を有している。
【0215】そして、被写体領域検出部301は、被写
体確率算出部203に代わって、被写体確率算出部31
1が設けられ、新たにメモリ312が設けられている以
外は、図16を用いて説明した場合と、基本的に同様の
構成を有している。被写体確率算出部311およびメモ
リ312以外については、第8の実施の形態と同様の処
理が実行されるので、その説明は省略する。
【0216】メモリ132には、背景差分算出部202
で算出された2値画像の画素値B(i,j)が供給さ
れ、保存される。メモリ312は、被写体確率算出部3
11が実行する処理に合わせたタイミングで、保存して
いる2値画像の画素値B(i,j)を被写体確率算出部
311に出力するか、もしくは、被写体確率算出部31
1によって2値画像の画素値B(i,j)を読み出され
る。
【0217】被写体確率算出部311は、メモリ312
から必要な情報の入力を受け、もしくは、必要な情報を
読み出し、次の式(58)に示されるような非線形平滑
化処理を施して、多値画像M(i,j)を生成する。
【数52】 ・・・(58)
【0218】ここで、C’は予め定められた定数であ
り、被写体である確率Pobj(i,j)の値の精度を
定めるものである。また、dminは、図19に示され
るように、対応する座標の近傍においてB(i’,
j’)=1である最も近い画素(i’,j’)までの距
離であり、次の式(59)および式(60)によって算
出される。
【数53】 ・・・(59)
【数54】 ・・・(60)ここで、係数Dは、dminが取り得る
最大の値として予め設定された値である。
【0219】式(58)によって生成された多値画像M
(i,j)は、次の式(61)によって正規化され、被
写体確率Pobj(i,j)としてメモリ204に出力
される。 Pobj(i,j)=M(i,j)/C’・・・(61)
【0220】その他の処理については、第8の実施の形
態を用いて説明した場合と同じであるので、その説明は
省略する。
【0221】なお、第9の実施の形態においては、背景
情報の抽出方法、および被写体確率Pobj(i,j)
の算出方法は、第6の実施の形態乃至第8の実施の形態
において説明したいずれの方法を用いても良い。
【0222】以上説明した第1乃至第9の実施の形態に
おいて、背景情報抽出モードと被写体抽出モードとで実
行されている処理は、それぞれ異なる組み合わせにより
実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【0223】また、以上説明した全ての処理において
は、背景情報抽出モードにおいて、背景画像を複数枚撮
像して、背景情報を抽出するものとして説明したが、背
景画像を1枚だけ撮像して、その背景画像の各座標の画
素値を用いるようにすることにより、背景情報抽出モー
ドの処理を簡略化するようにしても良い。
【0224】上述した一連の処理は、ソフトウェアによ
り実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソ
フトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェ
アに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプ
ログラムをインストールすることで、各種の機能を実行
することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュー
タなどに、記録媒体からインストールされる。
【0225】この記録媒体は、図1などに示すように、
コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供する
ために配布される、プログラムが記録されている磁気デ
ィスク31(フロッピー(登録商標)ディスクを含
む)、光ディスク32(CD-ROM(Compact Disk-Read On
ly Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、
光磁気ディスク33(MD(Mini-Disk)を含む)、もし
くは半導体メモリ34などよりなるパッケージメディア
などにより構成される。
【0226】また、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0227】
【発明の効果】本発明の画像処理装置および画像処理方
法、並びにプログラムによれば、撮像された画像データ
の入力を受け、入力された背景領域からなる背景画像か
ら、背景領域の情報を抽出し、入力された背景領域およ
び被写体領域からなる対象画像から、ベイズ推定を用い
て、被写体領域を抽出するようにしたので、背景差分法
の簡便さを利用しつつ、ベイズ推定を用いることによ
り、正確に被写体領域を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適応した画像処理装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の背景情報抽出部の更に詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図3】図1の被写体候補検出部の更に詳細な構成を示
すブロック図である。
【図4】図1の被写体判定部の更に詳細な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明を適応した画像処理装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】図5の背景情報抽出部の更に詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図7】本発明を適応した画像処理装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】被写体領域以外の部分として選択する領域の例
について説明するための図である。
【図9】本発明を適応した画像処理装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】図9の被写体判定部の更に詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図11】本発明を適応した画像処理装置の構成を示す
ブロック図である。
【図12】被写体確率の設定例について説明するための
ブロック図である。
【図13】図11の背景補正部の更に詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図14】本発明を適応した画像処理装置の構成を示す
ブロック図である。
【図15】平滑化の例について説明するための図であ
る。
【図16】本発明を適応した画像処理装置の構成を示す
ブロック図である。
【図17】図16の背景補正部の更に詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図18】本発明を適応した画像処理装置の構成を示す
ブロック図である。
【図19】非線形平滑化処理について説明するための図
である。
【図20】2値画像と被写体確率の関係について説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置, 11 撮像部, 12 被写体領
域検出部, 13 制御部, 21 スイッチ, 22
背景情報抽出部, 23 メモリ, 24被写体候補
検出部, 25 被写体判定部, 41 最大値画像生
成部, 42最小値画像生成部, 43 平均値画像生
成部, 51 閾値算出部, 522値化処理部, 6
1 背景条件確率検出部, 62 ヒストグラム生成
部,63 被写体条件確率検出部, 64 多値マスク
生成部, 65 被写体/背景確率検出部, 66 ベ
イズ推定演算部, 67 論理和演算部, 71画像処
理装置, 81 被写体領域検出部, 91 背景情報
抽出部, 101偏差画像生成部, 111 画像処理
装置, 121 被写体領域検出部,131 補正係数
算出部, 132 メモリ, 133 画素値補正部,
141 画像処理装置, 151 被写体領域検出
部, 161 被写体判定部,171乃至173 メモ
リ, 181 画像処理装置, 191 被写体領域検
出部, 201 背景情報抽出部, 202 背景差分
算出部, 203 被写体確率算出部, 204,20
5 メモリ, 206 背景補正部, 211背景距離
算出部, 212 前画像距離算出部, 213 重み
算出部, 214 被写体距離算出部, 215 補正
部, 221 画像処理装置, 231被写体領域検出
部, 241 被写体確率算出部, 242 メモリ,
251 画像処理装置, 261 被写体領域検出
部, 271 メモリ, 272背景補正部, 281
被写体距離算出部, 291 画像処理装置, 30
1 被写体領域検出部, 311 被写体確率算出部,
312 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 H04N 7/18 K Fターム(参考) 5B057 AA01 BA02 BA30 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC03 CE06 CE09 CH08 CH18 DA08 DB02 DB06 DB09 DC23 DC32 5C054 AA01 CC02 EA01 EA05 FC00 FC01 FC12 FC13 HA00 5C076 AA02 BA06 CA10 5L096 AA02 AA06 CA02 CA14 EA43 FA32 FA37 FA46 GA08 GA30 GA51 JA16 JA18

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像された画像データの入力を受ける入
    力手段と、 前記入力手段により入力された背景領域からなる背景画
    像から、前記背景領域の情報を抽出する第1の抽出手段
    と、 前記入力手段により入力された前記背景領域および被写
    体領域からなる第1の対象画像から、前記被写体領域を
    抽出する第2の抽出手段とを備え、 前記第2の抽出手段は、ベイズ推定を用いて、前記第1
    の対象画像から、前記被写体領域を抽出することを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記入力手段は、複数の前記背景画像の
    入力を受け、 前記第1の抽出手段は、前記背景画像から特徴画像を生
    成する第1の生成手段を備えることを特徴とする請求項
    1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標におけ
    る最大の画素値から構成された画像が含まれることを特
    徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標におけ
    る最小の画素値から構成された画像が含まれることを特
    徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標の画素
    値の平均値から構成された画像が含まれることを特徴と
    する請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標の画素
    値の標準偏差を算出することにより生成された偏差画像
    が含まれることを特徴とする請求項2に記載の画像処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標におけ
    る最大の画素値から構成された第1の画像、および、複
    数の前記背景画像の同一座標における最小の画素値から
    構成された第2の画像が含まれ、 第2の抽出手段は、前記入力手段により入力された前記
    第1の対象画像の所定の座標の画素値が、前記第1の画
    像の対応する座標の画素値よりも大きいか、もしくは前
    記第2の画像の対応する座標の画素値よりも小さい場
    合、前記第1の対象画像の前記所定の座標の画素を前記
    被写体領域内の画素の候補として検出する被写体候補検
    出手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像
    処理装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標におけ
    る最大の画素値から構成された第1の画像、および、複
    数の前記背景画像の同一座標における最小の画素値から
    構成された第2の画像が含まれ、 第2の抽出手段は、 前記第1の画像の各画素値に所定の第1の値を積算して
    第3の画像を生成する第2の生成手段と、 前記第2の画像の各画素値に所定の第2の値を積算して
    第4の画像を生成する第3の生成手段と、 前記入力手段により入力された前記第1の対象画像の所
    定の座標の画素値が、 前記第2の生成手段により生成された前記第3の画像の
    対応する座標の画素値よりも大きいか、もしくは、前記
    第3の生成手段により生成された前記第4の画像の対応
    する座標の画素値よりも小さい場合、前記第1の対象画
    像の前記所定の座標の画素を前記被写体領域内の画素の
    候補として検出する被写体候補検出手段とを備えること
    を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の生成手段により生成された前
    記特徴画像には、複数の前記背景画像の同一座標の画素
    値の平均値から構成された第1の画像、および、複数の
    前記背景画像の同一座標の画素値の標準偏差を算出する
    ことにより生成された偏差画像である第2の画像が含ま
    れ、 第2の抽出手段は、 前記第2の画像の各画素値に所定の第1の値を積算し
    て、前記第1の画像の対応する座標の画素値から減算す
    ることにより第3の画像を生成する第2の生成手段と、 前記第2の画像の各画素値に所定の第2の値を積算し
    て、前記第1の画像の対応する座標の画素値に加算する
    ことにより第4の画像を生成する第3の生成手段と、 前記入力手段により入力された前記第1の対象画像の所
    定の座標の画素値が、 前記第2の生成手段により生成された前記第3の画像の
    対応する座標の画素値よりも小さいか、もしくは、前記
    第3の生成手段により生成された前記第4の画像の対応
    する座標の画素値よりも大きい場合、前記第1の対象画
    像の前記所定の座標の画素を前記被写体領域内の画素の
    候補として検出する被写体候補検出手段とを備えること
    を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 画素値を補正する補正手段を更に備
    え、 前記補正手段は、前記第1の対象画像と前記背景画像と
    の撮像条件が異なる場合に、前記撮像条件が等しい場合
    に対応するように補正を行うことを特徴とする請求項1
    に記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記撮像条件とは、照明光の強度であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記撮像条件とは、前記画像データの
    撮像におけるカメラパラメータであることを特徴とする
    請求項10に記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記入力手段は、複数の前記背景画像
    の入力を受け、 前記第1の抽出手段は、前記背景画像から特徴画像を生
    成する生成手段を備え、 前記生成手段により生成された前記特徴画像には、複数
    の前記背景画像の同一座標の画素値の平均値から構成さ
    れた平均値画像が含まれ、 前記補正手段は、前記第1の対象画像と前記平均値画像
    とを基に、補正係数を算出することにより補正を行うこ
    とを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記第2の抽出手段は、 前記被写体領域内に存在している可能性のある被写体画
    素候補を検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果をベイズ推定を用いて補正
    することにより、前記第1の対象画像から、前記被写体
    領域を抽出するベイズ推定補正手段とを備えることを特
    徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 前記ベイズ推定補正手段による補正
    は、前記検出手段により前記被写体画素候補として検出
    された画素以外の画素に対して行われることを特徴とす
    る請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 前記ベイズ推定補正手段は、 画素毎に、前記画素が被写体である第1の確率、前記画
    素が背景である第2の確率、前記被写体領域であるとい
    う条件の基でその画素値が出現する第3の確率、および
    前記背景領域であるという条件の基でその画素値が出現
    する第4の確率を算出する第1の算出手段と、 前記第1の算出手段により算出された前記確率を用い
    て、ベイズ推定法に基づいて、現在の画素値が与えられ
    たという条件のもとでその画素値が被写体である第5の
    確率を算出する第2の算出手段と、 前記第2の算出手段により算出された前記第5の確率と
    所定の閾値を比較する比較手段とを備えることを特徴と
    する請求項14に記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の抽出手段は、前記検出手段
    により検出された前記被写体画素候補のヒストグラムを
    生成する生成手段を更に備え、 前記第1の算出手段は、前記ヒストグラムを基に、前記
    第3の確率を算出することを特徴とする請求項16に記
    載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 前記第1の算出手段は、前記第1の抽
    出手段により抽出された前記背景領域の情報に基づいて
    前記第4の確率を算出することを特徴とする請求項16
    に記載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】 前記第2の抽出手段は、 前記被写体領域内に存在している可能性のある被写体画
    素候補を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された前記被写体画素候補と対
    象画素との空間的な配置関係から、前記対象画素が前記
    被写体である確率および前記背景である確率を算出する
    算出手段と、 前記算出手段による算出結果をベイズ推定を用いて補正
    することにより、前記第1の対象画像から、前記被写体
    領域を抽出するベイズ推定補正手段とを備えることを特
    徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  20. 【請求項20】 前記第2の抽出手段は、 前記被写体領域の候補画素および前記背景領域の候補画
    素を検出し、前記被写体領域の候補画素と前記背景領域
    の候補画素とで異なる値を有する2値画像を生成する生
    成手段と、 前記生成手段により生成された前記2値画像を平滑化す
    る平滑化手段とを備えることを特徴とする請求項1に記
    載の画像処理装置。
  21. 【請求項21】 前記入力手段により前記第1の対象画
    像と異なる時刻に入力され、前記背景領域および被写体
    領域からなる第2の対象画像のうちの所定の画素が前記
    被写体領域である確率を推定する推定手段を更に備え、 前記第2の抽出手段は、前記推定手段により推定された
    前記第2の対象画像のうちの前記所定の画素が前記被写
    体領域である確率を用いて、ベイズ推定により、前記第
    1の対象画像から、前記被写体領域を抽出することを特
    徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  22. 【請求項22】 前記第2の抽出手段による抽出結果を
    記憶する記憶手段を更に備え、 前記第2の抽出手段は、前記記憶手段に記憶されている
    1つ前の時刻の抽出結果を用いて、ベイズ推定により、
    前記第1の対象画像から、前記被写体領域を抽出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  23. 【請求項23】 前記第2の抽出手段による抽出結果を
    記憶する記憶手段と、 前記記憶手段により記憶されている前記抽出結果に基づ
    いて、抽出された前記被写体領域に存在する画素の画素
    値のヒストグラムを生成する生成手段とを更に備え、 前記第2の抽出手段は、前記生成手段により生成された
    前記ヒストグラムを用いて、ベイズ推定により、前記第
    1の対象画像から、前記被写体領域を抽出することを特
    徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  24. 【請求項24】 前記入力手段により入力された前記画
    像データが色情報を含む場合、前記第1の抽出手段は、
    前記色情報の成分毎に前記背景領域の情報を抽出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  25. 【請求項25】 前記入力手段により入力された前記画
    像データが色情報を含む場合、前記補正手段は、前記色
    情報の成分毎に補正を実行することを特徴とする請求項
    10に記載の画像処理装置。
  26. 【請求項26】 前記入力手段により入力された前記画
    像データが色情報を含む場合、前記検出手段は、前記色
    情報の成分毎に前記被写体領域内に存在している可能性
    のある被写体画素候補を検出することを特徴とする請求
    項14に記載の画像処理装置。
  27. 【請求項27】 撮像された画像データの入力を制御す
    る入力制御ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された背
    景領域からなる背景画像から、前記背景領域の情報を抽
    出する第1の抽出ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された前
    記背景領域および被写体領域からなる対象画像から、前
    記被写体領域を抽出する第2の抽出ステップとを含み、 前記第2の抽出ステップの処理では、ベイズ推定を用い
    て、前記対象画像から、前記被写体領域を抽出すること
    を特徴とする画像処理方法。
  28. 【請求項28】 撮像された画像データの入力を制御す
    る入力制御ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された背
    景領域からなる背景画像から、前記背景領域の情報を抽
    出する第1の抽出ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された前
    記背景領域および被写体領域からなる対象画像から、前
    記被写体領域を抽出する第2の抽出ステップとを含み、 前記第2の抽出ステップの処理では、ベイズ推定を用い
    て、前記対象画像から、前記被写体領域を抽出すること
    を特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラム
    が記録されている記録媒体。
  29. 【請求項29】 撮像された画像データの入力を制御す
    る入力制御ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された背
    景領域からなる背景画像から、前記背景領域の情報を抽
    出する第1の抽出ステップと、 前記入力制御ステップの処理により入力が制御された前
    記背景領域および被写体領域からなる対象画像から、前
    記被写体領域を抽出する第2の抽出ステップとを含み、 前記第2の抽出ステップの処理では、ベイズ推定を用い
    て、前記対象画像から、前記被写体領域を抽出すること
    を特徴とする処理をコンピュータに実行させるためのプ
    ログラム。
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