JPH07301533A - 振動型レートジャイロセンサ - Google Patents

振動型レートジャイロセンサ

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JPH07301533A
JPH07301533A JP6094294A JP9429494A JPH07301533A JP H07301533 A JPH07301533 A JP H07301533A JP 6094294 A JP6094294 A JP 6094294A JP 9429494 A JP9429494 A JP 9429494A JP H07301533 A JPH07301533 A JP H07301533A
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JP
Japan
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vibrating
angular velocity
piezoelectric element
vibrating body
excitation
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Application number
JP6094294A
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English (en)
Inventor
Naoki Hara
直樹 原
Sachiosa Takeuchi
祥修 竹内
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07301533A publication Critical patent/JPH07301533A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が簡単で、しかもバラツキがなく高精度
で、更に複数の測定軸にも容易に対応できる振動型レー
トジャイロセンサを提供すること。 【構成】 本実施例のジャイロは、四角柱の金属振動体
1の上面に、電極2を備えた圧電体3が貼り付けられた
構造であり、この構造体の4箇所に配置された支持ピン
4にて支持されて振動する。そして、一体に形成された
長尺の圧電体3は、金属振動体1の上面の多くを覆って
おり、この圧電体3の表面の中央には、金属振動体1を
励振させるための励振用電極2-1が設けられている。ま
た、励振用電極2-1の軸方向両側には、角速度を検出す
るための角速度検出用電極2-2,2-3が各々配置されて
いる。この両角速度検出用電極2-2,2-3は、圧電体3
の軸中心(即ち振動体1の軸中心に対し平行な平面)か
ら左右にずれる様に遍在して配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動体に圧電体及び電
極からなる圧電素子が配置され、例えばビデオの画振れ
防止や車両制御等に利用される振動型レートジャイロセ
ンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、実公昭62−470
50号のジャイロスコープ(以下ジャイロと称す)があ
る。このジャイロは、いわゆる発振型ジャイロであり、
圧電材料からなる四角柱の金属振動体に対し、励振用電
極と一対の角速度検出用電極とが互いに直角に、即ち立
体的に接着されている。
【0003】また、他の技術として、特開昭58−1
60809号の振動ジャイロがある。この振動ジャイロ
は、前記と同様に発振型のジャイロであるが、四角柱の
振動体本体は圧電材料ではなく通常の金属からなる。そ
して、振動体本体の隣合う側面に、各々励振用圧電体と
一対の角速度検出用圧電体とが貼り付けられており、こ
の圧電体の表面に各々励振用電極と一対の角速度検出用
電極とが貼り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ジャイロには各々問題があり、必ずしも十分でない。例
えば前者のジャイロは、金属振動体として圧電材料を
使用しなければならず、そのため電極等を配置する構成
などが複雑になって、製造工程及びコストが増大し、し
かも立体的に精度よく励振用電極や一対の角速度検出用
電極を配置しなければならないので、どうしても製品に
バラツキが生ずる。
【0005】また、後者のジャイロでは、励振用圧電
体及び電極と一対の角速度検出用圧電体及び電極とが、
振動体本体の異なる面(隣合う側面等)に設けられてい
るので、製造工程が複雑になり、また、バラツキがなく
高精度に製造することが困難である。その結果、製造コ
ストが上昇し、性能上でもバラツキが生じてしまうとい
う問題がある。
【0006】更に、近年では、一層精密な制御を行なう
ために、2方向の測定軸の角速度を測定するという要求
があるが、従来の技術では、各々圧電体及び電極等の全
ての構成を備えた2個のジャイロを別個に使用しなけれ
ばならず、構造が一層複雑になるという問題がある。
【0007】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、製造が簡単で、しかもバラツキがなく
高精度で、更に複数の測定軸にも容易に対応できる振動
型レートジャイロセンサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、振動体と励振用圧電素子と角速度
検出用圧電素子とを有する振動型レートジャイロセンサ
において、前記角速度検出用圧電素子として、第1の角
速度検出用圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子と
を、略同一平面上に配置するとともに、該第1の角速度
検出用圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子とを、前
記振動体の軸中心に平行な平面に対して左右に遍在させ
ることを特徴とする振動型レートジャイロセンサを要旨
とする。
【0009】請求項2の発明は、前記請求項1記載の振
動型レートジャイロセンサにおいて、前記励振用圧電素
子と第1の角速度検出用圧電素子と第2の角速度検出用
圧電素子とを、略同一平面上に配置したことを特徴とす
る振動型レートジャイロセンサを要旨とする。
【0010】請求項3の発明は、前記請求項2記載の振
動型レートジャイロセンサにおいて、前記励振用圧電素
子と第1の角速度検出用圧電素子と第2の角速度検出用
圧電素子とに用いられる圧電体を、共通の一枚の圧電体
としたことを特徴とする振動型レートジャイロセンサを
要旨とする。
【0011】請求項4の発明は、一対の前記請求項2又
は3記載の振動型レートジャイロセンサを、音叉状に立
設するとともに、互いの圧電素子形成面が音叉の内側面
又は外側面となる様に配置したことを特徴とする振動型
レートジャイロセンサを要旨とする。
【0012】請求項5の発明は、前記請求項1〜4のい
ずれか記載の振動型レートジャイロセンサを、支持プレ
ートに形成されたプレート状振動体に配置したことを特
徴とする振動型レートジャイロセンサを要旨とする。
【0013】請求項6の発明は、前記請求項5記載の振
動型レートジャイロセンサの各々を、同一の支持プレー
トの異なる測定軸方向に形成された第1及び第2のプレ
ート状振動体に各々配置したことを特徴とする振動型レ
ートジャイロセンサを要旨とする。
【0014】請求項7の発明は、前記請求項1記載の振
動型レートジャイロセンサにおいて、第1及び第2の振
動体に、前記各々一対の第1及び第2の角速度検出用圧
電素子を設けるとともに、該第1及び第2の振動体の各
々を、同一の支持プレートの直交する測定軸方向に形成
された第1及び第2のプレート状振動体に各々配置し、
更に前記励振用圧電素子を設けた第3の振動体を、前記
測定軸方向を分割する方向に形成された第3のプレート
状振動体に配置したことを特徴とする振動型レートジャ
イロセンサを要旨とする。
【0015】請求項8の発明は、前記請求項1記載の振
動型レートジャイロセンサにおいて、第1及び第2の振
動体に、前記各々一対の第1及び第2の角速度検出用圧
電素子を設けるとともに、該第1及び第2の振動体の各
々を、同一の支持プレートの直交する測定軸方向に形成
されたプレート状振動体に各々配置し、更に前記励振用
圧電素子を前記第1又は第2の振動体に設けたことを特
徴とする振動型レートジャイロセンサを要旨とする。
【0016】請求項9の発明は、前記請求項1〜8のい
ずれか記載の振動型レートジャイロセンサに用いられる
振動体自身がプレート状振動体であることを特徴とする
振動型レートジャイロセンサを要旨とする。
【0017】請求項10の発明は、前記請求項1〜9の
いずれか記載の振動型レートジャイロセンサに用いられ
る回路として、前記第1及び第2の角速度検出回路から
の信号を加算器又は減算器にて加算又は減算し、該加算
器又は減算器からの出力を調節して自己励振用の信号を
前記励振用圧電素子に出力する励振回路と、前記第1及
び第2の角速度検出圧電素子からの信号を前記自己励振
用で加算器を用いた場合は減算器にて又前記自己励振用
で減算器を用いた場合は加算器にて減算又は加算し、該
減算器又は加算器からの出力を調節して測定軸の角速度
を出力する角速度検出回路と、を備えたことを特徴とす
る振動型レートジャイロセンサを要旨とする。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、第1の角速度検出用圧電
素子と第2の角速度検出用圧電素子とを略同一平面上に
配置するとともに、この両角速度検出用圧電素子を振動
体の軸中心に平行な平面に対して左右に遍在させてい
る。従って、この両圧電素子電極からの信号に基づいて
容易に測定軸の角速度を求めることが可能である。ま
た、本発明では、両圧電素子は略同一平面に配置する構
成であるので、その形成が容易であり、よって製造工程
が簡易化され、しかも各センサ間でバラツクことがなく
その精度が向上する。
【0019】尚、本発明で、圧電素子とは、圧電体の表
面に電極を形成した素子部分をいう。また、遍在すると
は、各圧電素子の電極が、前記軸中心に平行な平面(中
心平面)によって左右に全く分離されていてもよいが、
電極の軸中心さえ左右に分かれていれば、互いの電極が
中心平面を境にして多少重なっていてもよい。
【0020】請求項2の発明では、第1の角速度検出用
圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子だけでなく、励
振用圧電素子をも略同一平面上に配置した構成であるの
で、前記請求項1のセンサよりも、その製造工程が簡易
化され、センサのバラツキも低減される。
【0021】請求項3の発明では、励振用圧電素子と第
1の角速度検出用圧電素子と第2の角速度検出用圧電素
子とに用いられる圧電体を、共通の一枚の圧電体とした
ので、前記請求項2のセンサよりも、その製造工程が一
層簡易化され、センサのバラツキも低減される。
【0022】請求項4の発明では、一対の振動型レート
ジャイロセンサを、音叉状に立設するとともに、互いの
圧電素子形成面が音叉の内側面又は外側面となる様に配
置したので、その精度が一層向上することになる。請求
項5の発明では、振動型レートジャイロセンサを、支持
プレートに形成されたプレート状振動体に配置すること
により、従来の支持ピンの構成より簡易化されることに
なり、製造の作業能率が向上する。
【0023】請求項6の発明では、振動型レートジャイ
ロセンサの各々を、同一の支持プレートの異なる測定軸
方向に形成された各プレート状振動体に配置したので、
複数の測定軸を有するセンサを容易に製造することがで
き、しかも各ジャイロの位置決めも容易である。
【0024】請求項7の発明では、異なる振動体に各々
一対の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、各振動
体を同一の支持プレートに直交して形成された各プレー
ト状振動体に配置し、更に励振用圧電素子を設けた別個
の振動体を、測定軸方向を分割する方向に形成された別
個のプレート状振動体に配置したので、一つの励振用圧
電素子及び振動体で、異なる方向の測定軸の角速度を検
出することが可能であり、構成が簡易化される。
【0025】請求項8の発明では、異なる振動体に各々
一対の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、各振動
体を同一の支持プレートに直交して形成された各プレー
ト状振動体に配置し、更に励振用圧電素子を前記のどち
らかの振動体に設けたので、一つの励振用圧電素子及び
振動体で、異なる方向の測定軸の角速度を検出すること
が可能であり、構成が簡易化される。
【0026】請求項9の発明では、振動体自身がプレー
ト状振動体であるので、従来の柱状の振動体を省略する
ことができ、構成が簡易化されるとともに、軽量化に寄
与する。請求項10の発明では、励振回路により、第1
及び第2の角速度検出回路からの信号を加算器又は減算
器にて加算又は減算し、この加算器又は減算器からの出
力を励振用圧電素子に回帰させることによって自己励振
を行ない、角速度検出回路により、第1及び第2の角速
度検出圧電素子からの信号を、自己励振用で加算器を用
いた場合は減算器にて又自己励振用で減算器を用いた場
合は加算器にて減算又は加算し、この減算器又は加算器
からの出力を調節することによって、測定軸の角速度を
検出することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例の振動型レートジャイ
ロセンサ(以下単にジャイロと称す)を、図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1に示す様に、本実施例のジャイロは、
角柱、即ち四角柱の金属振動体1の上面に、電極2を備
えた圧電体3が貼り付けられた構造であり、この構造体
の4箇所に配置された支持ピン4にて支持されて振動す
る。尚、以下の詳細な説明では、電極2を備えた圧電体
3を圧電素子と称し、圧電素子を備えた金属振動体1を
振動部と称する。また、部材が細分化される場合は、サ
ブNo.を付けて区別する。
【0028】図1及び図2に示す様に、一体に形成され
た長尺板状の圧電体3は、金属振動体1の上面の多くを
覆っており、この圧電体3の表面の中央には、金属振動
体1を励振させるための励振用電極2-1が設けられてい
る。また、励振用電極2-1の軸方向両側には、角速度を
検出するための角速度検出用電極2-2,2-3が各々配置
されている。つまり、本実施例では、励振用の圧電素子
と角速度検出用の圧電素子とが、同一の圧電体3を用い
て形成されている。尚、この角速度検出用電極2-2,2
-3は、後述する様に励振検出用電極を兼ねている。
【0029】また、前記両角速度検出用電極2-2,2-3
は、圧電体3の軸中心(即ち振動体1の軸中心に対し平
行な平面)から左右にずれる様に遍在して配置されてい
る。つまり、第1の角速度検出用電極2-2は一方の側面
側に寄っており、第2の角速度検出用電極2-3は他方の
側面側に寄った構成となっている。この両角速度検出用
電極2-2,2-3は、前記軸中心に対して全く分離してい
る必要はなく、一部重なっていてもよい。
【0030】尚、圧電体3の裏面には、接地される接地
用電極2-4がほぼ全面にわたって形成されている。ま
た、以下の説明では、他の実施例においても、(図では
隠れる側の)接地される電極の記載は省略した。本実施
例においては、金属振動体1はFe−Ni系の合金の恒
弾性材料よりなり、また、圧電体3はPZTからなり、
この圧電体3は金属振動体1にエポキシ系の接着剤で接
着されている。また、各電極2は、銀(Ag)電極を圧
電体3の表面に焼き付けたものであり、電極2各部の分
極方向は同一である。この電極2に設けられた信号取出
用等の細線7は、銅細線をポリウレタンで絶縁コーティ
ングしたものであり、各電極2に半田付けされている。
また、前記支持ピン4は金属弾性体1と同一材料の恒弾
性材料よりなり、金属振動体1の屈曲振動の節に溶接に
て各々固定されている。
【0031】次に、本実施例のジャイロにおける検出回
路の構成について説明する。図3に示す様に、この検出
回路には、励振を行うためと角速度を検出するための構
成として、加算器11及び移相回路13と、コンパレー
タ15,減算器17,同期検波回路19,ローパスフィ
ルタ21及び増幅器23とを備えている。
【0032】つまり、自励発振回路として、(励振検出
用電極としても機能する)両角速度検出電極2-2,2-3
が加算器11の入力側に接続されるとともに、加算器1
1は移相回路を介して励振用電極2-1に接続されてい
る。一方、角速度を検出するための回路として、両角速
度検出電極2-2,2-3が減算器17の入力側に接続され
るとともに、(コンパレータ15に接続された)同期検
波回路19,ローパスフィルタ21及び増幅器23に接
続されている。
【0033】次に、本実施例のジャイロ及び検出回路の
動作を説明する。まず、励振用電極2-1に移相回路13
を介して交流電極を印加することにより、図4a(図1
のA視図)に示す様に、金属振動体1に屈曲振動を発生
させる。この結果、角速度検出用電極2-2,2-3より、
金属振動体1の励振状態を検出する励振検出用信号が互
いに同相で発生する。図5に、この励振状態にて検出回
路の各部位〜に発生する信号の波形を示すが、この
場合は励振における信号のみが検出され、当然ながら角
速度信号の出力はない。
【0034】次に、図1の測定軸の回転方向にジャイロ
を回転させると、即ち角速度を入力すると、コリオリの
力により、図4b(図1のB視図)に示す様に、金属振
動体1に(前記屈曲振動とは垂直面の)屈曲振動が発生
する。これにより、金属振動体1が図4の下方に屈曲し
た場合には、第1の角速度検出用電極2-2には引張応力
がかかり、第2の角速度検出用電極2-3には圧縮応力が
かかる。逆に、金属振動体1が図4の上方に屈曲した場
合には、第1の角速度検出用電極2-2には圧縮応力がか
かり、第2の角速度検出用電極2-3には引張応力がかか
る。その結果、両角速度検出用電極2-2,2-3より、角
速度検出用信号が互いに逆相で発生することになる。図
6に、この屈曲振動の状態にて検出回路の各部位〜
に発生する信号の波形を示すが、入力された角速度に応
じて所定の角速度検出用信号が得られることがわか
る。
【0035】つまり、両角速度検出用電極2-2,2-3か
ら発生する電気信号は、互いの同相の励振検出用信号と
互いに逆相の角速度検出用信号との合成信号であるの
で、両角速度検出用電極2-2,2-3から発生する電気信
号を、加算器11で加算すれば、互いに逆相である角速
度検出用信号がキャンセルされて、励振検出用信号のみ
取り出すことができる。よって、この励振検出用信号を
移相回路13で90゜移相させて励振用電極2-1へ帰還
させることで、前記自励発振回路となる。
【0036】また、両角速度検出用電極2-2,2-3から
発生する電気信号を、減算器17で減算すれば、互いに
同相である励振検出用信号がキャンセルされ、互いに逆
相である角速度検出用信号が加算されて、角速度検出用
信号のみを取り出すことができる。そして、この角速度
検出用信号は、同期検波回路19,ローパスフィルタ2
1,増幅器23を通して角速度検出用信号として出力さ
れる。
【0037】尚、前記減算器17のボリューム17a
は、両角速度検出用電極2-2,2-3がアンバランスの場
合に、ボリューム17aで調節して、励振検出用信号を
完全に除去するために使用される。この様に、本実施例
のジャイロでは、両角速度検出用電極2-2,2-3を、金
属振動体1の軸中心に対して遍在した構成としたので、
励振用電極2-1と両角速度検出用電極2-2,2-3とを、
従来の様に立体的に配置することなく、圧電体3上の同
一平面に配置することができる。その結果、ジャイロの
製造工程を簡易化でき、またバラツキがなく高精度なジ
ャイロを製造することができるという顕著な効果を奏す
る。
【0038】また、本実施例では、同一の圧電体3上
に、励振用電極2-1と両角速度検出用電極2-2,2-3と
が設けられているので、同期検波する励振検出用信号と
同期検波される角速度検出用信号とが、温度等の外部環
境で独立に変動しうるという問題を解決することがで
き、その結果、安定な特性を得ることができるという利
点もある。
【0039】尚、以上の構成は、図3において、角度検
出用電極2-2,2-3部位の圧電態の分極方向が同一の場
合で(図3において矢印イ,ロの組み合せ)、角度検出
用電極2-2,2-3部位の圧電体3の分極方向が互いに逆
方向の場合は(図3において矢印イ,ハの組み合せ)、
下記実施例2で説明するが、図3において11が減算
器、17が加算器となる。
【0040】以下、他の実施例について説明するが、前
記実施例1と同様な部分の説明は省略する。 (実施例2)次に、実施例2について説明する。
【0041】本実施例のジャイロは、圧電体3の分極の
状態が異なる。つまり、実施例1の圧電体3では、角速
度検出用電極2-2,2-3における圧電体3の分極方向は
同一であるが、本実施例では、第1の角速度検出用電極
2-2と第2の角速度検出用電極2-3における圧電体3の
分極方向は、図3に示す様に逆である。
【0042】この様な構成の場合は、上述した様に実施
例1の加算器11と減算器17とを入れ換えた検出回路
を使用する必要があるが、本実施例のジャイロにおいて
も、実施例1と同様な効果を奏する。 (実施例3)次に、実施例3について説明する。
【0043】図7に示す様に、本実施例のジャイロは、
三角柱の金属振動体1を使用する点に大きな特徴があ
る。このジャイロにおいては、金属振動体1の(図の上
方の)表面に、前記実施例1と同様な励振用電極2-1,
角速度検出用電極2-2,2-3を備えた圧電体3が貼り付
けられている。尚、支持ピン4は他の傾斜した側面の節
に固定されている。
【0044】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例1と同様な効果を奏するとともに、設計の自由度が増
すとともに、軽量化できるという利点がある。 (実施例4)次に、実施例4について説明する。
【0045】図8に示す様に、本実施例のジャイロは、
圧電体3が分離している点に大きな特徴がある。つま
り、本実施例のジャイロにおいては、金属振動体1の形
状は前記実施例1と同様に四角柱であるが、圧電体3
は、励振用電極2-1の位置に設けられた第1の圧電体3
-1と、両角速度検出用電極2-2,2-3の各々の位置に設
けられた第1及び第2の圧電体3-2,3-3との3つに分
離して配置されている。
【0046】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例1と同様な効果を奏するが、実施例1よりも小さな圧
電体3を使用することができるという利点がある。 (実施例5)次に、実施例5について説明する。
【0047】図9に示す様に、本実施例のジャイロは、
音叉状に形成された一対の金属振動体1R,1Lを使用
する点に大きな特徴がある。本実施例のジャイロにおい
ては、一方の金属振動体1Lの外側表面に圧電体3Lが
貼り付けられ、この圧電体3Lの基台側に励振用電極2
-1Lが設けられるとともに、圧電体3Lの先端側に一対
の角速度検出用電極2-2L,2-3Lが設けられている。
つまり、角速度検出用電極2-2L,2-3Lは圧電体3L
の軸中心に対して左右対称に且つ平行に設けられること
によって、金属振動体1Lの軸中心に対して遍在する様
に配置されている。また、他方の金属振動体1Rの圧電
体3Rも前記金属振動体1Lと同様に、圧電体3R及び
角速度検出用電極2-2R,2-3Rの配置構成となってい
る。尚、各電極2-1L,2-2L,2-3L,2-2Rには、
各々信号取出用の細線7-1L,7-2L,7-3L,7-2R
が接続されている。
【0048】そして、この様な構成のジャイロには、図
10に示す様に、励振と角速度検出とを行なうために、
加算器11及び移相回路13と、コンパレータ15,減
算器17,同期検波回路19,ローパスフィルタ21及
び増幅器23とからなる検出回路が接続されているが、
特に本実施例においては、減算器17の入力側には、対
向する金属振動体1R,1Lに設けられた(同じ側の)
角速度検出用電極2-2R,2-2Lが接続されている。
【0049】次に、本実施例のジャイロ及び検出回路の
動作を説明する。まず、(図10の左側の)励振用電極
2-1Lに交流電圧を印加することで、対向する1対の金
属振動体1R,1Lは対称振動を行なう。その結果、角
速度検出用電極2-2L,2-3Lより励振検出用信号が互
いに同相で出力される。
【0050】ここで、図9に示す様に、測定軸の回転方
向にジャイロを回転させると、即ち角速度を入力する
と、コリオリの力が作用し、両金属振動体1R,1Lに
屈曲振動が発生する。これによって、角速度検出用電極
2-2L,2-3Lから、角速度検出用信号が互いに逆相で
発生する。また、コリオリの力の作用方向が金属振動体
1R,1Lの左右で逆のため、角速度検出用電極2-2
R,2-2Lで各々左右逆相の角速度検出用信号が発生す
る。
【0051】従って、図10に示す用に、(左側の)角
速度検出用電極2-2L,2-3Lから発生する電気信号を
加算器11で加算すれば、角速度検出用信号がキャンセ
ルされ、励振検出用信号のみを取り出すことができる。
そして、この励振検出用信号を移相回路13で90゜移
相させて、励振用電極2-1Lに帰還させることで自励発
振回路が形成されている。
【0052】また、(左側の)角速度検出用電極2-2L
と(右側の)角速度検出用電極2-2Rから発生する電気
信号を、減算器17で減算すれば、互いに同相である励
振検出用信号がキャンセルされ、逆相である角速度検出
用信号が加算されて、角速度検出用信号のみを取り出す
ことができる。尚、ボリューム17aは、左右の角速度
検出用電極2-2R,2-2Lより発生する励振検出用信号
がアンバランスの場合に調節して、励振検出用信号を完
全に除去するためのものである。
【0053】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例1と同様な効果を奏するが、1対の金属振動体1R,
1Lを用いて音叉状に形成されているので、一層精密に
角速度を検出できるという利点がある。 (実施例6)次に、実施例6について説明する。
【0054】図11及び図12に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例1の支持ピン4を支持プレート
5に変更した点に大きな特徴がある。つまり、本実施例
のジャイロにおいては、金属振動体1,圧電体3,励振
用電極2-1,角速度検出用電極2-2,2-3の形状及び配
置等は前記実施例1と同様であるが、金属振動体1が支
持プレート5の中央のプレート状振動体5aに、エポキ
シ系樹脂によって貼り付けられている点が大きく異なっ
ている。
【0055】この支持プレート5は、金属振動体1と同
一材料の恒弾性材料よりなる薄板を、エッチングや精密
打ち抜きによって加工して、略枠状の開口部5bを形成
したものであり、金属振動体1の底面形状のプレート状
振動体5aが(支持ピン4に相当する)4箇所の連結部
5cによって支えられている構造である。
【0056】また、支持プレート5の底面(但しプレー
ト状振動体5a及び連結部5cは除く)には、金属振動
体1の振動が外部に伝わらない(振動絶縁する)様に、
エポキシ系接着剤によって支持ベース6が貼り付けられ
ている。つまり、この支持ベース6の中央には、プレー
ト状振動体5aの振動を妨げない様に、開口部6aが設
けられている。
【0057】尚、金属振動体1を支持プレート5に接合
する際に、溶接等の高熱を加える工程を必要とする場合
は、接合後に圧電体3を金属振動体1に貼り付ける。本
実施例のジャイロにおいても、前記実施例1と同様な効
果を奏するとともに、支持ピン4に相当する連結部5c
を容易に形成できるだけでなく、正確に振動の節に連結
部5cを形成できるという効果がある。しかも、本実施
例では、以下の実施例においても述べる様に、支持プレ
ート5を使用するので、その変形や応用範囲が極めて広
いという顕著な利点がある。 (実施例7)次に、実施例7について説明する。
【0058】図13及び図14に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例6の変形例であり、金属振動体
1の形状及び配置に大きな特徴がある。つまり、本実施
例のジャイロにおいては、圧電体3,励振用電極2-1,
角速度検出用電極2-2,2-3の形状及び配置等は前記実
施例6と同様であるが、金属振動体1が、上振動体1-1
と下振動体1-2の2つに分割されている。従って、支持
プレート5のプレート状振動体5aを挟む様に、上振動
体1-1と下振動体1-2とを貼り付けることによって、金
属振動体1が形成される。
【0059】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例6と同様な効果を奏するとともに、金属振動体1の重
心が支持プレート5と同様な位置にあるため、エネルギ
ー的により無駄のない良好な振動が得られ、検出精度も
向上するという利点がある。 (実施例8)次に、実施例8について説明する。
【0060】図15及び図16に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例6の変形例であり、測定軸が直
角の2軸である点に大きな特徴がある。つまり、本実施
例のジャイロにおいては、2組の金属振動体1-1,1-2
が使用されており、各々の金属振動体1-1,1-2には、
前記実施例6と同様に、圧電体3-1,3-2,励振用電極
2-1-1,2-1-2,角速度検出用電極2-2-1,2-2-2,2
-3-1,2-3-2が設けられている。
【0061】また、支持プレート5にも、前記実施例6
と同様なプレート状振動体5a-1,5a-2が直角になる
様に設けられており、同様に、支持ベース6にも開口部
6a-1,6a-2が直角に設けられている。本実施例のジ
ャイロにおいても、前記実施例6と同様な効果を奏する
とともに、2つの金属振動体1-1,1-2が直角に配置さ
れているので、同一の支持プレート5にて、2方向の角
速度を検出できるという利点がある。特に、測定軸の方
向は、エッチング等によって精密に設定できるので、測
定精度が向上するという効果がある。 (実施例9)次に、実施例9について説明する。
【0062】図17及び図18に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例8の変形例であり、測定軸が直
角の2軸であるが励振用電極及び励振用回路が1つであ
る点に大きな特徴がある。つまり、本実施例のジャイロ
においては、支持プレート5の中央に長片と平行に(大
径の)第1のプレート状振動体5a-0が形成されてお
り、この第1のプレート状振動体5a-0と45゜の角度
をなす様に、左右に小径の第2及び第3のプレート状振
動体5a-1,5a-2が対称に形成されて、それらが小の
字をなす様に配置されている。この第1のプレート状振
動体5a-0と第2及び第3のプレート状振動体5a-1,
5a-2とは、その軸方向に伸びる連結部5c-1,5c-2
によって接続されている。
【0063】そして、第1のプレート状振動体5a-0上
に第1の金属振動体1-0が貼り付けられ、第2及び第3
のプレート状振動体5a-1,5a-2上に各々第2及び第
3の金属振動体1-1,1-2が貼り付けられている。尚、
支持プレート5の裏側には、小の字状に開口部が設けら
れた支持ベース6が貼り付けられている。
【0064】また、第1の金属振動体1-0には、圧電体
3-0と励振用電極2-1が配置されおり、第2及び第3の
金属振動体1-1,1-2には、各々圧電体3-1,3-2と、
角速度検出用電極2-2-1,2-3-1,2-2-2,2-3-2とが
配置されている。尚、各々の角速度検出用電極対2-2-
1,2-3-1,2-2-2,2-3-2は、第1及び第2の金属振
動体1-1,1-2の軸方向に沿って平行に配置されてい
る。
【0065】従って、本実施例では、第1及び第2の金
属振動体1-1,1-2の軸方向、即ち、直角に配置された
測定軸にて、2つの軸方向における角速度を検出する様
に構成されている。そして、この様な構成のジャイロに
は、図19に示す様に、加算器11,移相回路13,コ
ンパレータ15,減算器17-1,17-2,同期検波回路
19-1,19-2,ローパスフィルタ21-1,21-2,増
幅器23-1,23-2からなる検出回路が接続されてい
る。特に、本実施例においては、2つの測定軸の角速度
を検出すために、2組の減算器17-1,17-2,同期検
波回路19-1,19-2,ローパスフィルタ21-1,21
-2,増幅器23-1,23-2を使用しているのに対して、
励振用の構成としては、1組の加算器11,移相回路1
3,コンパレータ15を使用しているだけである。
【0066】次に、本実施例のジャイロ及びその検出回
路の動作を説明する。図19に示す様に、励振用電極2
-1に交流電圧を印加することにより、中央の金属振動体
1-0が励振され、この(図の垂直方向の)振動が支持プ
レート5の連結部5C-1,5C-2を介して伝わり、左右
の金属振動体1-1,1-2が励振される。その結果、左右
の角速度検出用電極2-2-1,2-3-1,2-2-2,2-3から
互いに同相の励振検出用信号が出力される。
【0067】そして、測定軸1の回転方向に角速度が入
力されると、金属振動体1-1に対して測定軸1と垂直で
且つ紙面に平行にコリオリの力が作用し、角速度検出用
電極2-2-1,2-3-1から互いに逆相の角速度検出用信号
が出力される。同じく、測定軸2の回転方向に角速度が
入力されると、金属振動体1-2に対してコリオリの力が
作用し、角速度検出用電極2-2-2,2-3-2から互いに逆
相の角速度検出用信号が出力される。
【0068】従って、角速度検出用電極2-3-1,2-3-2
から発生する電気信号を加算器11で加算すれば、角速
度検出用信号がキャンセルされ、励振検出用信号のみを
取り出すことができる。そして、この励振検出用信号を
移相回路13で90゜移相させて、励振用電極2-1に帰
還させることで自励発振回路が形成される。
【0069】また、(図上方の)角速度検出用電極2-2
-1,2-3-1と(図下方の)角速度角速度検出用電極2-2
-2,2-3-2から発生する電気信号を、各々減算器17で
減算すれば、互いに同相である励振検出用信号がキャン
セルされ、逆相である角速度検出用信号が加算されて、
測定軸1,2毎に角速度検出用信号のみを各々取り出す
ことができる。尚、ボリューム17a-1,17a-2は、
角速度検出用電極2-2-1,2-3-1と角速度検出用電極2
-2-2,2-3-2とより各々発生する励振検出用信号がアン
バランスの場合に調節して、励振検出用信号を完全に除
去するためのものである。
【0070】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例8と同様な効果を奏するとともに、2つの測定軸の角
速度を検出できるにもかかわらず、励振用の圧電素子及
び回路は1組で済むので、回路構成を簡略化でき、コス
トも低減できるという利点がある。 (実施例10)次に、実施例10について説明する。
【0071】図20及び図21に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例9の変形例であり、測定軸が直
角の2軸であるが、2つの金属振動体が略Tの字状に配
置されるとともに、一方の金属振動体が前記実施例1の
様な電極配置を採用している点に大きな特徴がある。
【0072】つまり、本実施例のジャイロにおいては、
支持プレート5の中央に長片と平行に第1のプレート状
振動体5a-1が形成されており、この第1のプレート状
振動体5a-1の中央に第2のプレート状振動体5a-2が
直角に形成されて、それらがTの字をなす様に配置され
ている。この第1のプレート状振動体5a-1と第2のプ
レート状振動体5a-2とは、第2のプレート状振動体5
a-2の軸方向に伸びる連結部5cによって接続されてい
る。更に、第1のプレート状振動体5a-1上に第1の金
属振動体1-1が貼り付けられ、第2のプレート状振動体
5a-2上に第2の金属振動体1-2が貼り付けられてい
る。尚、支持プレート5の裏側には、十の字状に開口部
6aが設けられた支持ベース6が貼り付けられている。
【0073】そして、第1の金属振動体1-1には、前記
実施例1と同様に、圧電体3-1が貼り付けられ、その表
面の中央に励振用電極2-1-1が設けられているととも
に、励振用電極2-1-1の両側には、圧電体3-1の軸中心
より左右にずれて、角速度検出用電極2-2-1,2-3-1が
設けられている。一方、第2の金属振動体1-2の表面に
は、圧電体3-2が貼り付けられ、この圧電体3-2の表面
には、圧電体3-2の軸を挟んで平行に角速度検出用電極
2-2-2,2-3-2が設けられている。
【0074】従って、本実施例では、第1及び第2の金
属振動体1-1,1-2の軸方向、即ち、直角に配置された
測定軸にて、2つの軸方向における角速度を検出する様
に構成されている。そして、この様な構成のジャイロに
は、図22に示す様に、加算器11,移相回路13,コ
ンパレータ15,減算器17-1,17-2,同期検波回路
19-1,19-2,ローパスフィルタ21-1,21-2,増
幅器23-1,23-2からなる検出回路が接続されてい
る。特に、本実施例においては、加算器11の入力側に
は、第1の金属振動体1-1の角速度検出用電極2-2-1と
第2の金属振動体1-2の角速度検出用電極2-3-2が接続
されており、この角速度検出用電極2-2-1,2-3-2が角
速度検出用電極も兼ねている。
【0075】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例9と同様な効果を奏するとともに、2つの測定軸の角
速度を励振用の回路1組で検出できるにもかかわらず、
使用する圧電体の数を低減する(3から2へ)すること
ができるので、回路構成を簡略化でき、コストも低減で
きるという利点がある。 (変形例)次に、実施例10の変形例について説明す
る。図23及び図24に示す様に、本例のジャイロは、
前記実施例10の変形例であり、測定軸が直角の2軸で
あり、支持プレート及び支持ベースの構成は同一である
が、圧電体及び電極の構成が大きく異なっている。
【0076】つまり、本例のジャイロにおいては、第1
の金属振動体1-1の上面には、励振用電極2-1を備えた
圧電体3-1-1が貼り付けられ、その側面には、角速度検
出用電極2-6-1を備えた圧電体3-1-2が貼り付けられて
いる。また、プレート状振動体5aの裏面には、接地用
電極2-4と(図示しない)角速度検出用電極2-5とを備
えた圧電体3-1-3が貼り付けられている。一方、第2の
金属振動体1-2の側面には、角速度検出用電極2-6-2を
備えた圧電体3-2が貼り付けられている。
【0077】そして、この様な構成のジャイロには、図
25に示す様に、前置増幅器D,11,移相回路13,
コンパレータ15,前置増幅器S-1,S-2,同期検波回
路19-1,19-2,ローパスフィルタ21-1,21-2,
増幅器23-1,23-2からなる検出回路が接続されてい
る。
【0078】特に、本例においては、加算器及び減算器
は使用されておらず、それに替わって、前置増幅器D,
S-1,S-2が使用されている。この回路では、角速度検
出用電極2-5は、前置増幅器Dを介して移相回路13に
接続されており、角速度検出用電極2-6-1,2-6-2は各
々前置増幅器S-1,S-2を介して同期検波回路19-1,
19-2に接続されている。
【0079】本例のジャイロにおいても、前記実施例9
と同様な効果を奏するとともに、2つの測定軸の角速度
を励振用の回路1組で検出できるにもかかわらず、加算
器及び減算器を使用しないので、構成が簡易化されると
いう利点がある。 (実施例11)次に、実施例11について説明する。
【0080】図26及び図27に示す様に、本実施例の
ジャイロは、前記実施例6の変形例であり、金属振動体
を使用しない点に大きな特徴がある。つまり、本実施例
のジャイロにおいては、支持プレート5に形成したプレ
ート状振動体5aに直接に、各電極2-1,2-2,2-3を
形成した圧電体3を貼り付けている。この圧電体3に
は、前記実施例1と同様に、その表面の中央に励振用電
極2-1が設けられているとともに、励振用電極2-1の両
側には、圧電体3の軸中心より左右にずれて、角速度検
出用電極2-2,2-3が設けられている。
【0081】本実施例のジャイロにおいても、前記実施
例6とほぼ同様な効果を奏するとともに、構成が簡単で
しかも軽量であるという利点がある。尚、本発明は前記
実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうること
はいうまでもない。
【0082】
【発明の効果】請求項1の発明では、第1の角速度検出
用圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子とを略同一平
面上に配置するとともに、この両角速度検出用圧電素子
を振動体の軸中心に平行な平面に対して左右に遍在させ
ている。従って、この両圧電素子電極からの信号に基づ
いて容易に測定軸の角速度を求めることができる。ま
た、本発明では、両圧電素子は略同一平面に配置する構
成であるので、その形成が容易であり、よって製造工程
が簡易化され、しかも各センサ間でバラツクことがなく
その精度が向上するという顕著な効果を奏する。
【0083】請求項2の発明では、第1の角速度検出用
圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子だけでなく、励
振用圧電素子をも略同一平面上に配置した構成であるの
で、前記請求項1のセンサよりも、その製造工程が簡易
化され、センサのバラツキも低減される。
【0084】請求項3の発明では、励振用圧電素子と第
1の角速度検出用圧電素子と第2の角速度検出用圧電素
子とに用いられる圧電体を、共通の一枚の圧電体とした
ので、前記請求項2のセンサよりも、その製造工程が一
層簡易化され、センサのバラツキも低減される。
【0085】請求項4の発明では、一対の振動型レート
ジャイロセンサを、音叉状に立設するとともに、互いの
圧電素子形成面が音叉の内側面又は外側面となる様に配
置したので、その精度が一層向上する。請求項5の発明
では、振動型レートジャイロセンサを、支持プレートに
形成されたプレート状振動体に配置することにより、従
来の支持ピンの構成より簡易化されることになり、製造
の作業能率が向上する。また、複数の測定軸等の様に、
その変形や応用範囲が極めて広いという利点がある。
【0086】請求項6の発明では、振動型レートジャイ
ロセンサの各々を、同一の支持プレートの異なる測定軸
方向に形成された各プレート状振動体に配置したので、
複数の測定軸を有するセンサを容易に製造することがで
き、しかも各ジャイロの位置決めも容易である。
【0087】請求項7の発明では、異なる振動体に各々
一対の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、各振動
体を同一の支持プレートに直交して形成された各プレー
ト状振動体に配置し、更に励振用圧電素子を設けた別個
の振動体を、測定軸方向を分割する方向に形成された別
個のプレート状振動体に配置したので、一つの励振用圧
電素子及び振動体で、異なる方向の測定軸の角速度を検
出することができ、構成が簡易化される。
【0088】請求項8の発明では、異なる振動体に各々
一対の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、各振動
体を同一の支持プレートに直交して形成された各プレー
ト状振動体に配置し、更に励振用圧電素子を前記のどち
らかの振動体に設けたので、一つの励振用圧電素子及び
振動体で、異なる方向の測定軸の角速度を検出すること
ができ、構成が簡易化される。
【0089】請求項9の発明では、振動体自身がプレー
ト状振動体であるので、従来の柱状の振動体を省略する
ことができ、構成が簡易化されるとともに、軽量化に寄
与する。請求項10の発明では、励振回路により、第1
及び第2の角速度検出回路からの信号を加算器又は減算
器にて加算又は減算し、この加算器又は減算器からの出
力を励振用圧電素子に回帰させることによって自己励振
を行ない、角速度検出回路により、第1及び第2の角速
度検出圧電素子からの信号を、自己励振用で加算器を用
いた場合は減算器にて又自己励振用で減算器を用いた場
合は加算器にて減算又は加算し、この減算器又は加算器
からの出力を調節することによって、測定軸の角速度を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のジャイロを示す斜視図である。
【図2】 実施例1のジャイロを示し、(a)はその平
面図、(b)はその側面図、(c)はその底面図であ
る。
【図3】 実施例1のジャイロ及びその検出回路を示す
説明図である。
【図4】 実施例1のジャイロを示し、(a)は図1に
おけるA視図、(b)はそのB視図である。
【図5】 実施例1のジャイロの励振振動により発生す
る信号波形である。
【図6】 実施例1のジャイロの角速度入力により発生
する信号波形である。
【図7】 実施例3のジャイロを示す斜視図である。
【図8】 実施例4のジャイロを示す斜視図である。
【図9】 実施例5のジャイロを示す斜視図である。
【図10】 実施例5のジャイロ及びその検出回路を示
す説明図である。
【図11】 実施例6のジャイロの分解斜視図である。
【図12】 実施例6のジャイロの斜視図である。
【図13】 実施例7のジャイロの分解斜視図である。
【図14】 実施例7のジャイロの斜視図である。
【図15】 実施例8のジャイロの分解斜視図である。
【図16】 実施例8のジャイロの斜視図である。
【図17】 実施例9のジャイロの分解斜視図である。
【図18】 実施例9のジャイロの斜視図である。
【図19】 実施例9のジャイロ及びその検出回路を示
す説明図である。
【図20】 実施例10のジャイロの分解斜視図であ
る。
【図21】 実施例10のジャイロの斜視図である。
【図22】 実施例10のジャイロ及びその検出回路を
示す説明図である。
【図23】 他の変形例のジャイロの分解斜視図であ
る。
【図24】 他の変形例のジャイロの斜視図である。
【図25】 他の変形例のジャイロ及びその検出回路を
示す説明図である。
【図26】 実施例11のジャイロの分解斜視図であ
る。
【図27】 実施例11のジャイロの斜視図である。
【符号の説明】
1…振動体、 2…電極、3…圧電
体、 4…支持ピン、5…支持プレー
ト、 5a…プレート状振動体、11…加算
器、 17…減算器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体と励振用圧電素子と角速度検出用
    圧電素子とを有する振動型レートジャイロセンサにおい
    て、 前記角速度検出用圧電素子として、第1の角速度検出用
    圧電素子と第2の角速度検出用圧電素子とを、略同一平
    面上に配置するとともに、該第1の角速度検出用圧電素
    子と第2の角速度検出用圧電素子とを、前記振動体の軸
    中心に平行な平面に対して左右に遍在させることを特徴
    とする振動型レートジャイロセンサ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の振動型レートジャイ
    ロセンサにおいて、 前記励振用圧電素子と第1の角速度検出用圧電素子と第
    2の角速度検出用圧電素子とを、略同一平面上に配置し
    たことを特徴とする振動型レートジャイロセンサ。
  3. 【請求項3】 前記請求項2記載の振動型レートジャイ
    ロセンサにおいて、 前記励振用圧電素子と第1の角速度検出用圧電素子と第
    2の角速度検出用圧電素子とに用いられる圧電体を、共
    通の一枚の圧電体としたことを特徴とする振動型レート
    ジャイロセンサ。
  4. 【請求項4】 一対の前記請求項2又は3記載の振動型
    レートジャイロセンサを、音叉状に立設するとともに、
    互いの圧電素子形成面が音叉の内側面又は外側面となる
    様に配置したことを特徴とする振動型レートジャイロセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか記載の振動
    型レートジャイロセンサを、支持プレートに形成された
    プレート状振動体に配置したことを特徴とする振動型レ
    ートジャイロセンサ。
  6. 【請求項6】 前記請求項5記載の振動型レートジャイ
    ロセンサの各々を、同一の支持プレートの異なる測定軸
    方向に形成された第1及び第2のプレート状振動体に各
    々配置したことを特徴とする振動型レートジャイロセン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記請求項1記載の振動型レートジャイ
    ロセンサにおいて、 第1及び第2の振動体に、前記各々一対の第1及び第2
    の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、該第1及び
    第2の振動体の各々を、同一の支持プレートの直交する
    測定軸方向に形成された第1及び第2のプレート状振動
    体に各々配置し、更に前記励振用圧電素子を設けた第3
    の振動体を、前記測定軸方向を分割する方向に形成され
    た第3のプレート状振動体に配置したことを特徴とする
    振動型レートジャイロセンサ。
  8. 【請求項8】 前記請求項1記載の振動型レートジャイ
    ロセンサにおいて、 第1及び第2の振動体に、前記各々一対の第1及び第2
    の角速度検出用圧電素子を設けるとともに、該第1及び
    第2の振動体の各々を、同一の支持プレートの直交する
    測定軸方向に形成されたプレート状振動体に各々配置
    し、更に前記励振用圧電素子を前記第1又は第2の振動
    体に設けたことを特徴とする振動型レートジャイロセン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜8のいずれか記載の振動
    型レートジャイロセンサに用いられる振動体自身がプレ
    ート状振動体であることを特徴とする振動型レートジャ
    イロセンサ。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9のいずれか記載の振
    動型レートジャイロセンサに用いられる回路として、 前記第1及び第2の角速度検出回路からの信号を加算器
    又は減算器にて加算又は減算し、該加算器又は減算器か
    らの出力を調節して自己励振用の信号を前記励振用圧電
    素子に出力する励振回路と、 前記第1及び第2の角速度検出圧電素子からの信号を前
    記自己励振用で加算器を用いた場合は減算器にて又前記
    自己励振用で減算器を用いた場合は加算器にて減算又は
    加算し、該減算器又は加算器からの出力を調節して測定
    軸の角速度を出力する角速度検出回路と、 を備えたことを特徴とする振動型レートジャイロセン
    サ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999019689A1 (fr) * 1997-10-14 1999-04-22 Omron Corporation Detecteur de vitesse angulaire
KR100494967B1 (ko) * 1996-06-20 2005-08-05 엔이씨 도낀 가부시끼가이샤 에너지-트래핑진동모드를이용하는압전진동성자이로스코프
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