JPH0730115B2 - 牛胎盤抽出細胞代謝活性化物質 - Google Patents

牛胎盤抽出細胞代謝活性化物質

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JPH0730115B2
JPH0730115B2 JP5111118A JP11111893A JPH0730115B2 JP H0730115 B2 JPH0730115 B2 JP H0730115B2 JP 5111118 A JP5111118 A JP 5111118A JP 11111893 A JP11111893 A JP 11111893A JP H0730115 B2 JPH0730115 B2 JP H0730115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は、牛の正常分娩(出産)後の胎
盤から抽出された、新規な水溶性蛋白質に関する。更に
詳しくは、牛胎盤から抽出された水溶性蛋白質より、更
にこれを分画して得られる、分子量が80,000付近
である細胞代謝活性化物質に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】胎盤エキスには、組織代謝活性作
用、組織再生修復能といった効果が知られており、強
肝、抗潰瘍剤、損傷修復剤などとして利用されてきた。
本発明による新規な水溶性蛋白質は、牛胎盤から得られ
た推定分子量が80,000付近の分画であり、細胞代
謝活性化作用が極めて顕著である。すなわち、本発明に
よる牛胎盤由来の水溶性蛋白質は、繊維芽細胞の増殖と
伸展を促進し、又、マクロファージの伸展を促進して貧
食作用を増大させるといった効果がある。したがって、
例えば、医薬品として、強肝剤、胃、十二指腸潰瘍剤、
損傷修復剤、免疫賦活剤等に直接、或は、配合剤として
用いることが有用である。また、近年における癌治療な
どにおいて使用されている抗癌剤では、正常細胞に対す
る毒性が強すぎるものや、あるいは、長期投与によって
生体の免疫機能を次第に低下させてしまうといったこと
が心配され、このため免疫系を強化するような物質が注
目されているが、本発明による新規な水溶性蛋白質は、
こうした癌治療薬に併用することも有用であると考えら
れる。
【0003】
【従来の技術】各種基原(動物種属)の胎盤を出発原料
となし、これより各種の抽出法を採用して得られた、そ
のエキス又は有効成分を分離して、医薬品や化粧品に用
いることは、古くから知られている。その中から、水溶
性抽出成分(エキス)について、その応用や抽出法につ
いて調査すると、例えば、表1に示すごとくの公知刊行
物がある。
【表1】 表1に示されるような胎盤からの水溶性成分の抽出物に
ついて、これをそれぞれの抽出操作法から調べてみる
と、その共通点としては、有機溶媒、強酸又は強アルカ
リが用いられていることである。更に、この他、蛋白分
解酵素等を用いるなどの方法も知られている。そして、
これらの抽出物の薬理学的作用としては、抗潰瘍作用、
組織代謝賦活作用が示されており、医薬品では、注射剤
や内服剤の形態で、強肝剤、胃又は十二指腸潰瘍治療剤
として用いられることが示唆されている。又、化粧品で
は、肌の老化防止(シワ防止)、シミの防止(メラニン
色素生成抑制)といった目的で、外用塗布剤の形態で用
いられることが記載されている。
【0004】従来から、胎盤中には組織再生修復能を有
する物質が存在していることが知られているが、その作
用又は効果についての裏付けなどの判定法は決して充分
でなく、信頼性が乏しい。例えば、モルモットの皮膚な
どの組織片を用い、これに胎盤から抽出したエキス、又
は成分を添加して、ワールブルクの検圧計などを用いて
消費される酸素の量を求めるといった方法により評価さ
れていたに過ぎなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、胎盤
抽出物に関する前記の組織代謝活性作用、又は、組織再
生修復作用に注目すると共に、これら従来の抽出方法に
よる抽出物の再評価のための、より的確な試験法の確立
をもとに、胎盤からその本体を求める研究を進めてき
た。すなわち、従来、胎盤由来の抽出成分の治療効果は
臨床学的報告によって確立されているが、しかし、基礎
的な角度からこれを細胞レベルにおいての真の細胞増殖
能について立証されたものは存在していなかった。本発
明者らは、受精卵を10カ月の体内にあって、1億数千万
倍に成長促進させる胎盤の重要な機能に着目し、直接、
細胞に対する増殖作用の定量的な検索法を開発し、これ
をもとに真の胎盤由来の細胞代謝活性化物質の検索を開
始したわけである。
【0006】本発明による検索法は次項に示すごとくで
あるが、これによって、前記の表1で示すごとくの抽出
物には、そのいずれもが細胞に対して直接的に高い活性
能を有するものではないことを見い出したのである。こ
の原因について検討を加えてみると、1つには、従来法
による抽出方法及びエキス抽出のための処理法に起因し
ていることがわかったのである。このことは本物質が、
熱と有機溶媒に対して不安定であることと関係してい
る。すなわち、従来の胎盤エキス、又は抽出成分の有す
るこれまでに知られている臨床治験における抗潰瘍作
用、組織代謝活性作用などは、本試験法による検討から
すれば、少なくとも、直接、細胞を増殖促進させること
によって治療的効果が得られたということは云い難く、
むしろ、別の作用機序から組織の代謝を活性化すること
によって得られたものであると考えられたのである。
【0007】本発明者らは、細胞に対して直接に増殖促
進作用を有する物質を胎盤中から見出すための抽出手段
について、いかなる操作を用いたら良いか、又、従来の
公知な方法による抽出エキス、又は単離成分が、なぜ細
胞増殖促進作用が小さいのか又は無いのか、この2点か
ら鋭意研究を続けてきた。その結果、評価に用いる細胞
の検討と新しい試験法の確率とともに高い細胞増殖促進
作用を有する抽出物を得ることが出来たのである。
【0008】(細胞増殖促進作用の測定等に関する注
解)細胞増殖促進作用について、今日一般に知られてい
る成長因子でも、的確にその効力を表現する方法は少な
かった。ところが、細胞毒性を表現する方法としてはこ
れまでに様々な方法が示され、例えば増殖率の抑制とし
て、細胞数、蛋白量等で定量的に示すことが確立されて
いる。そこで、本発明者らはこの細胞毒性試験をもと
に、これらを応用することによって、逆に、増殖率の促
進能を定量的に表現する方法を鋭意検討してきたのであ
る。その結果、細胞を培養する際の環境を制御し、対照
の細胞増殖率を死滅しないまでもゼロ近くに抑制・制御
することにより、目的物質の細胞増殖作用を表現する方
法を確立するに至ったのである。この方法をより具体的
に示せば、細胞を培養する環境において、添加する牛胎
児血清(FBS)の量を調節することにより行う方法で
ある。
【0009】尚、本発明者らは、本試験法の確立のため
の研究の初期段階において、目的物質の評価にあたって
は、様々の株細胞で検討してきた。ところが、それらは
正常細胞とは異なり、生体での細胞の機能モデルとは言
い難いことがわかり、最終的に正常皮膚から取り出した
初代細胞で検索することにした。すなわち、モルモット
の皮膚から無菌的に細胞を分離し、一定期間継代して変
異していない細胞を対象となし、目的物質の細胞増殖度
を表現することにしたのである。以下に、その方法につ
いて詳しく述べる。
【0010】皮膚の細胞には、表皮細胞、繊維芽細胞が
あるが、例えば、モルモット(ハートレー系、雌)から
採取した繊維芽細胞は、5%牛胎児血清(FBS)を添
加したイーグルMEM培地中では盛んに分裂増殖し、そ
の倍数増殖時間は図1に示すごとく約48時間であること
が確認された。そして、この細胞は、採取後、約1年間
で株化するのである。
【図1】そこで、本発明の目的物質の細胞増殖能の評価
のためには、出来るだけ正常に近い細胞という条件か
ら、採取後、6カ月までに増殖継代した細胞を、冷凍保
存することより、目的物質の分離、及び熱処理に対する
安定化方法等の検討のために、順次使用することにし
た。
【0011】一方、培養環境については、使用する牛胎
児血清(FBS)による細胞増殖促進作用への影響をそ
の濃度変化から調査し、培養中、細胞を死滅化させるこ
となく、又、細胞増殖を認めない最善の条件を満たす最
少量を基準とした。具体的に系中に添加するFBSの添
加量と、それによる繊維芽細胞増殖との関係を示せば図
2のごとくである。
【図2】ここで示されるように、添加するFBSが系中
の1%量の時では、9日間の培養で繊維芽細胞の増殖を
認めなかった。したがって、コントロールとしてこの条
件を基準とした。
【0012】繊維芽細胞の増殖能の評価方法は、まず、
直径 3.5cm のペトリディッシュ(コーニング社製)
に、1mL 当り4〜5×104 個の細胞浮遊液を分注
し、低濃度のFBS(細胞が死滅することがなく、増殖
率がゼロ付近となる量:1%)を添加したイーグルME
M培地を2〜3日毎に交換する。そして、細胞数を2〜
3日目毎にビュルケルチュルクの血球計算盤を用いて測
定する。尚、この際、同時に蛋白量や核酸量を測定して
も良い。測定に使用する目的物質は、その蛋白量にて調
整(溶液)し、培地当り10分の1量を培地交換の都度添
加し、対照(コントロール)には同量の生理食塩水のみ
を添加する。
【0013】
【発明の構成】本発明は、牛胎盤から抽出した水溶性蛋
白質で、推定分子量が80,000付近である細胞代謝
活性化物質をもってなる。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明の要旨は前述し
た如くであるが、より具体的に示すために、以下に実施
例及び作用について述べる。尚、実施例を示すに当た
り、本発明による基本的な要点を示すと次の如くであ
る。
【0015】(イ) 抽出法における、その出発原料
は、牛の正常分娩(出産)後の新鮮な胎盤を用いる。
又、必要によっては、豚等の他の家畜動物の胎盤などを
用いることもできるが、それは、用いる対象となる動物
種の、治療又は医薬的な用途、化粧料等々の用途に応じ
て選択すればよい。
【0016】(ロ) 実施例では、特定した抽出条件下
で最も簡易な方法を示すも、その抽出行程における操作
のポイントは、熱を加えないこと。有機溶媒による抽出
操作は避けること。強酸、強アルカリ、各種の蛋白質分
解酵素を用いないことが必要である。すなわち、これら
の処理操作は、目的物質の活性を失活させてしまうので
用いてはならないのである。本発明による胎盤からの抽
出法の特徴は、従来の公知な胎盤エキス、又は、単離成
分の抽出法に用いた有機溶媒、強酸、強アルカリや酵素
等を、行程中に一切使用しないことにあり、これに従っ
て、遠心分離法、塩析分画法、ゲル濾過法、透析法、低
温又は真空濃縮法、凍結乾燥法などの、従来の生体成分
を抽出する様々な方法の組合せによって本願物質を得る
ことができる。
【0017】
【実施例1】牛の正常分娩後の胎盤を洗浄の前処理なし
に細切し、低温下にてホモジナイザー等でホモジネート
する。これに対して水又は緩衝液、例えば、塩化ナトリ
ウム含有の低イオン濃度リン酸緩衝液を添加して攪拌
し、6時間から1昼夜放置した後、遠心分離して上澄液
を得る。次にこの上澄液に対して、20%飽和の濃度にな
るように硫酸アンモニウムを添加後、遠心分離してその
上澄液を回収し、更にこの上澄液に対して、60%飽和の
濃度になるように硫酸アンモニウムを再添加し、これに
よって発生する沈澱物を回収する。尚、沈澱物は少量の
水又は生理食塩水などに溶解した後、脱塩操作を行う。
脱塩操作には、ゲル濾過、限外濾過、透析などの方法が
あるが、ここでは、透析チューブに入れて、充分量の生
理食塩水などに1昼夜以上透析する方法により行った。
【0018】
【実施例2】実施例1で得られた細胞増殖促進作用の高
い抽出物は、その用いる用途を考慮するとき、ウィルス
の不活化について充分な配慮が必要である。例えば、肝
炎ウイルスを不活化するには、60℃、10時間の加熱処理
が有効とされている。実施例1で得られた液体を凍結乾
燥したものについて、水又は食塩水に溶解させた後、60
℃、10時間の加熱処理を行ったところ、ウィルス不活化
には有効であっても、本来の目的である細胞増殖促進作
用も100%失活してしまうことがわかった。そこで、い
ろいろと条件を変えて加熱処理を行った結果、本願発明
物質である新規な水溶性蛋白質は、60℃、30分間で細胞
増殖促進作用が完全に失活してしまうことがわかったの
である。以上のことを踏まえ、本物質の有する細胞増殖
作用が持続し、肝炎ウィルスのみ不活化するための手段
として、長時間高温下での処理に耐えられる安定化法に
ついて、種々の検討を試みた。その手段として、例え
ば、グルコース、マンノース等の単糖類、ショ糖、マル
トース等の2糖類等を添加し加熱処理を行ってみたが、
この操作でも同様に失活してしまうことがわかった。
【0019】本発明者らは、溶解した状態で60℃の加熱
処理を行うと、この処理によって目的物質蛋白の高次構
造に不可逆的な変性をきたし、これによって失活したも
のと推定すると共に、これに対応する手段として、次に
高濃度塩類溶液中等で、予め蛋白の構造を変化させ、沈
澱させた状態で加熱することによって、蛋白の不可逆的
な変性を最小限に抑制することが可能ではないか、との
発想のもとに、実施例3で示すごとくの新規な加熱処理
方法を完成した。この方法は、当然さまざまの従来の公
知な血液及び臓器由来の成分の熱安定化法としても利用
可能な便利な方法である。
【0020】
【実施例3】実施例1で得られた液体を凍結乾燥し、こ
れを60%硫酸アンモニウム飽和溶液に懸濁したもの、又
はその沈澱物を分取し、60℃、10時間加熱処理を施し
た。この方法によれば、肝炎ウィルスの不活化がなされ
ると共に、細胞に対する増殖促進作用が80〜90%残存す
ることがわかった。図3は、実施例3による処理後の目
的物質の細胞増殖作用について、実施例1で得られたも
のと対比して測定した結果を示す。
【図3】つまり、加熱処理に対して細胞増殖作用を失活
させないための手段が、実施例3で示した方法である。
尚、実施例2〜3は、血清及び各種臓器由来の蛋白質製
剤における、公知な肝炎ウィルスの不活化法をもとに、
60℃、10時間を前提に行ったときのものであるが、特
に、実施例3において、その行程中で採用した高濃度塩
類溶液による沈澱又は懸濁化法によれば、温度はさらに
高くすることにより、処理時間も短縮することももちろ
ん可能であると考えられる。
【0021】
【実施例4】実施例1又は3で得られた蛋白質は、細胞
に対して、直接、代謝活性化作用を有する抽出物であ
り、そのまま、従来の胎盤エキスの公知な使用分野(医
薬、化粧品等)に利用することが出来るが、本発明者ら
は、有効成分を更に追求するため次のような分画を試み
た。まず、実施例1又は3で得られた沈澱物について、
ゲル濾過を試み、経時的に流出する各フラクションの成
分について検討してみた。ゲル濾過に用いられる担体と
しては、セファデックス、アガロース、セファクリル等
があげられるが、ここでは、セファデックスを用い行う
ことにした。 (分画条件) 樹 脂:セファデックス G-200カラムサイス゛ :31×370mm 溶 媒:0.01M リン酸バッファー(0.14M NaCl含 pH
7.4) 流 速:2cm/hr これについての流出曲線は、図4及び図5に示す通りで
ある。
【図4】
【図5】尚、図4は、実施例1で得られた成分で、又、
図5は、実施例3による加熱処理された成分の流出曲線
である。
【0022】そして、各フラクションについて繊維芽細
胞増殖能の測定を試みた結果、図6に示すごとく、Fr
−C、及び、Fr−D(Kav値 0.18〜0.80 付近に流出
する画分)に、有効成分が存在していることを見い出し
た。そこで、更に詳しく追求するため、Fr−C、及
び、Fr−Dについて、イオン交換による分画を試み
た。この際用いられる担体としては、セファデックス、
セファロース、セファクリル等の、陽及び陰イオン交換
体があげられるが、ここではDEAE−セファデックス
を用いて分画した。 (分画条件) 樹 脂:DEAE−セファデックス A-50カラムサイス゛ :20×200mm 溶 媒:0.1M-0.05N トリス塩酸バッファー(pH 8.
0) 溶出条件:NaCl濃度 0→0.5M(0.05M段階に分け
分画) 図7は、これについての流出曲線を示したものである。
【図7】
【0023】そして、この分画操作によって得られた各
フラクションについて、同様にして繊維芽細胞増殖能を
測定した結果、NaCl濃度 0.05〜0.10M、及び、0.20〜0.
25Mの間に流出する画分に、強い活性が見られた。そこ
で、再度、この画分について、セファデックス G-200を
用い、ゲル濾過を行ったところ、図8に示す流出曲線が
得られた。
【図8】図中Aは、NaCl濃度 0.05〜0.10M で流出する
成分、又、Bは、0.20〜0.25Mで流出する成分を示す。
【0024】
【実施例5】実施例4によって分画した、有効成分の分
子量を測定するため、分子量既知物質である下記の3物
質について、セファデックス G-200によるゲル濾過を行
い、Kav値と分子量の検量線を作成し目的物質の分子量
を算定した。 (分子量既知物質(標準物質)) A.アルドラーゼ(分子量158,000) B.牛血清アルブミン(分子量67,000) C.α−キモトリプシノーゲンA(分子量25,000) 図9は、その標準線である。
【図9】
【0025】尚、本願発明物質の収量は、牛の胎盤1kg
から、約150〜300mg程度得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、牛の胎盤から得られた新規な
水溶性の蛋白質にある。そして、この蛋白質は、直接に
細胞の代謝活性化作用が極めて高いことにある。従来の
公知な胎盤抽出エキス又は抽出物質と、その抽出条件か
ら対比すると、従来の公知な抽出エキス又は抽出物質
は、その行程中で、有機溶媒、強酸、強アルカリ、蛋白
分解酵素などの薬剤が用いられてきたが、その結果は、
これらの薬剤によって胎盤中の細胞増殖促進作用物質が
失活されてきたことである。又、従来法における特徴
は、抽出操作の前処理として胎盤又はホモジナイズした
胎盤を洗浄していたが、その結果、本目的物質を洗い流
していたこと。又、単なる、加熱処理によっても失活さ
れていたものと考えられる。本発明は、牛の胎盤中に存
在する細胞増殖促進作用物質を、細胞に添加して、その
増殖能を直接に細胞の数で定量的に立証した。そして、
更に、従来の抽出法による胎盤エキス、又は、その単離
物質が、なぜ細胞増殖作用を示さないのか、その原因を
追求してきた。その結果、抽出のために用いられる薬剤
や、加熱処理の行程で失活させていたことを見いだすと
共に、本願発明を完成することができた。
【0027】
【図面の簡単な説明】
図1は、モルモット(ハートレー系、雌)から採取した
繊維芽細胞を、培養液中5%量の牛胎児血清(FBS)
を添加したイーグルMEM培地中で培養した時の、細胞
数の変化を示したものである。図2は、繊維芽細胞増殖
に及ぼす、培養液中の、牛胎児血清(FBS)濃度の影
響について示したものである。図3は、牛の胎盤から抽
出された水溶性蛋白質の、熱処理する前と熱処理した後
の、細胞増殖促進作用を示したものである。図中イは、
熱処理する前の抽出物の添加による細胞増殖作用、ロ
は、熱処理した後の抽出物の添加による細胞増殖作用、
又、ハは、対照群(生理食塩水添加群)の細胞増殖作用
である。図4は、60%硫酸アンモニウムで沈澱した成分
の、セファデックス G-200を用いたゲル濾過による流出
曲線である。図5は、60%硫酸アンモニウムで沈澱した
成分を加熱処理した物の、セファデックス G-200を用い
たゲル濾過による流出曲線である。図6は、60%硫酸ア
ンモニウムで沈澱した成分を、セファデックス G-200を
用いて分画した各フラクションの、繊維芽細胞増殖作用
を示したものである。図7は、牛の胎盤から抽出された
水溶性蛋白質を、セファデックス G-200を用いて分画し
得られた、フラクションC及びDについて、更に、DE
AE−セファデックス A-50を用いて、イオン交換分画
した流出曲線を示す。図8は、DEAE−セファデック
ス A-50を用いて分画した、活性フラクションの、セフ
ァデックス G-200を用いたゲル濾過による、流出曲線で
ある。図中Aは、イオン交換分画で NaCl濃度 0.05〜0.
10M の間で流出する画分、図中Bは、NaCl濃度0.20〜0.
25M の間に流出する画分についての、セファデックスG-
200でのゲル濾過による流出曲線である。図9は、アル
ドラーゼ(分子量158,000):図中A、牛血清アルブミ
ン(分子量67,000):図中B、α−キモトリプシノーゲ
ンA(分子量25,000):図中Cをマーカー蛋白質として
作成した、Kav値と分子量の標準線である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牛胎盤から抽出された水溶性蛋白質で、
    その推定分子量が、80,000付近であり、等電点が
    6.5〜7.0付近であることを特徴とする細胞代謝活
    性化物質。
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