JP2788987B2 - 免疫賦活作用を有する粗糖蛋白質画分及びその製造法 - Google Patents

免疫賦活作用を有する粗糖蛋白質画分及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は免疫賦活作用を有する粗糖蛋白質画分及び
その製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
古来、ケフイアは消化機能の亢進、腎臓病、循環器病
などに対する効果が高いと伝えられてきたが、近年ケフ
イア粒由来多糖体の抗腫瘍作用が報告されて以来、最近
の研究は主に免疫賦活に関するものである。免疫賦活作
用に関する報告はケフイア粒由来多糖体や、ケフイア粒
を構成する乳酸菌の膜性多糖体及びケフイアヨーグルト
などを対象としたものであり、それ以外のものでは行な
われていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
発明者等はケフイア粒由来多糖体の免疫賦活作用につ
いて、マクロフアージにより生体外の実験及びマウスを
用いた抗腫瘍活性による生体内の実験などにより調べた
結果、その作用を認めたが、再現性が悪く、多糖体のロ
ツトや精製度が変わると著しい活性のぶれを生じた。ま
たこの多糖体の免疫賦活作用も、それ程強くないことが
確認され、上記の再現性の低さの面からも、免疫賦活剤
としてこの物質を利用することには難かしい課題点が残
されている。
発明者等は、免疫賦活作用がケフイア粒由来多糖体の
主体以外にあると考え、種々研究を重ねた結果、ケフイ
ア粒に含まれ、多糖体と何んらかの会合をし、常法によ
る多糖体の精製過程を経ても多糖体画分に残存している
分子量10,000〜200,000、窒素量5.5〜6.5%、糖質35〜5
5%の粗糖蛋白質画分を得、この物質が免疫賦活作用を
示す本体であり、またその作用も非常に強いことを見出
した。この発明はこの物質自体及びその製造法により、
上記の課題を解決しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
発明者等は上記の課題点を解決するために、種々研究
を重ねた結果、この発明を完成するに到つた。
すなわちこの発明はケフイア粒を構成する多糖体及び
菌体に含まれる分子量10,000〜200,000、窒素量5.5〜6.
5%、糖質35〜55%の粗糖蛋白質画分、並びにケフイア
粒の多糖体を主とする水溶性成分をアルコール類により
沈殿させ、得られた沈殿物から変成剤或いは塩析によ
り、前記糖蛋白質画分を採取することを特徴とする前記
糖蛋白質画分の製造法である。
〔構成〕
この発明の免疫賦活作用を有する粗糖蛋白質画分を得
るに当り、まずケフイア粒から多糖体を調製する。ケフ
イア粒はハンセン社、ウイズビー社などのものが市販さ
れており、培養のための培地は、牛乳、脱脂乳、或いは
ホエーなどの乳性培地を通常使用する。
上記培地を常法により殺菌し、ケフイア粒を3〜20%
の割合で無菌的に加え、15〜25℃で1〜数日間、乳が凝
固或いは培地pHが4.5〜4.0以下になるまで培養する。次
いでケフイア粒を殺菌した網などで過分別し、新しい
培地へ同様の割合で移す。この操作を何度も繰り返えす
ことにより、ケフイア粒は活性化し、増殖する。このよ
うにして増殖させるか、或いは市販のものを大量に購入
して得たケフイア粒を水でよく洗い、多糖体の精製に用
いる。以下多糖の精製について説明する。
ケフイア粒の重量の約10〜30倍の精製水を加え、ミキ
サーなどの細断力のある装置を用い、ケフイア粒を破砕
し水に分散させる。次いで、40〜70℃の浴槽中で0.5〜
2時間撹拌しながら多糖体を溶出させる。この過程で溶
出液は著しく粘性をもち、糸を引くようになる。溶出液
中の大きな不溶物を除くため、3,000r.p.m.で10〜20分
間遠心分離し、上清を得る。この上清中にも多量の不溶
物や菌体などが含まれており、更に7,000〜15,000r.p.
m.程度の高速遠心分離を繰り返えして、それらを除去す
る。遠心分離後得られた上清にはまだ若干の菌体或いは
不溶性粒子などが含まれているため、望ましくは中程度
の除蛋白操作を行なう。除蛋白する場合は通常トリクロ
ロ酢酸などを用いるのがよい。上清を5〜10℃に冷却
後、2〜5%濃度にトリクロロ酢酸を加え撹拌後、直ち
に低温下において、7,000〜15,000r.p.m.で5〜20分間
遠心分離し、上清を得る。多糖の析出沈殿には通常エタ
ノールを用いるが、他のアルコール類でもよい。菌体や
不溶物を除去した上清或いは除蛋白まで行なつた上清に
対し、約1.5〜2倍量のエタノールを加え、多糖体を析
出沈殿させる。2,000〜3,000r.p.m.で5〜10分間遠心分
離し、沈殿物を得る。この沈殿物を水に再溶解させ、再
度約1.5〜2倍量のエタノールを加え、再沈殿させた
後、2,000〜3,000r.p.m.で5〜10分間遠心分離し、沈殿
物を回収する。この操作を3〜5回程度繰り返えし、得
られた沈殿物を凍結乾燥させたものを、粗多糖体KGP
(以下KGPと記載)とする。次にこのKGPから免疫賦活作
用を有する粗糖蛋白質画分F−#5(以下F−#5と記
載)を精製する方法について説明する。
KGPには未だ不純物が多く含まれているため、更に精
製度を高めるためゲル過を行なう。ゲルはアガロース
やポリビニール系の分画分子量範囲が数万〜数百万のも
のを用い、溶出液にはpH6〜7.5の中性の緩衝液や、食塩
水、水などが適当である。例えばゲルとしてセフアロー
ス6B「登録商標」(フアルマシア)やトヨパールHW−65
「登録商標」(東洋曹達)など、溶出液にはpH7.0トリ
ス塩酸緩衝液や0.2MNaClなどを用いる。ゲルを充填する
カラムは負荷する試料の量によつて異なるが、通常内径
の30〜60倍程度の長さのカラムを用い、分離を良くする
ためには、60cm以上の長さのカラムが望ましい。負荷す
る試料の多糖濃度は濃過ぎると粘度が高まり、また負荷
する試料の量が多いと、テーリングを起こし易いので、
試料濃度は0.5%以下、試料容量はカラム容積の6%以
下で行なうのが望ましい。通常はKGPを溶出液で0.1〜0.
5%濃度に溶解させ、カラム容積の1〜3%量を負荷す
る。流速は自然流下やポンプを用いて調整してもよい
が、通常一分当たりカラム容積の0.1〜0.5%の流量で行
なう。以上のような条件でKGPをゲル過するとボイド
ボリユーム(カラム容積の30〜40%前後)の部位にKGP
の主体が溶出され、デキストランを分子量標準とすると
ほぼ100万以上の分子量と推定される。F−#5はこのK
GPの高分子部分と何んらかの会合をしており、多糖体と
共に溶出される。このKGPの高分子部分のみを採取し、
脱塩の後凍結乾燥し、精製多糖体P−KGP(以下P−KGP
と記載)を得る。脱塩方法は透析、脱塩カラムによるゲ
ル過、限外過などいずれでもよい。次にこのP−KG
PからF−#5を取り出す操作を行なう。
F−#5を取り出すためには、多糖体との会合を何ら
かの方法で切り離さなければならない。そのためには尿
素や塩酸グアニジンなどの変性剤を用いるか、硫酸アン
モニウムなどによる塩析を行なう。
変性剤を用いる場合は、3〜6モルの尿素或いは1〜
3モルの塩酸グアニジンを含む中性の緩衝液を用いたゲ
ル過が望ましい。ゲル過の条件は、先に記載した方
法と同様で、分画分子量範囲数万〜数百万のアガロース
やポリビニール系のゲルを用い、内径の30〜60倍程度の
長さのカラムに充填し、溶出液は3〜6モルの尿素或い
は1〜3モルの塩酸グアニジンなどを含むpH6〜7.5の中
性域の緩衝液とし、試料はP−KGP0.1〜0.5%濃度のも
のを、カラム容積の1〜5%量で負荷し、一分当りカラ
ム容積0.1〜0.6%量の流速で行なう。以上のような条件
下でゲル過すると、P−KGPは多糖体画分がカラム容
積の30〜50%溶出部位に、粗性のF−#5がUV吸収280n
mで検出すると、65〜95%の溶出部位に分離される。こ
のようにして得られた粗性のF−#5は、分子量数千か
ら数十万のかなりクルードな蛋白質であり、低分子画分
の除去と脱塩が必要である。分子量10,000以下の低分子
画分を除くためには、ゲル過や限外過が適してい
る。
ゲル過で除去する場合は、デキストランやポリビニ
ール系のゲルなどで、分画分子量範囲が100〜10,000程
度のものを用い、例を挙げれば、セフアデツクスG25−5
0「登録商標」(フアルマシア)、トヨパールHW40「登
録商標」(東洋曹達)などである。溶出液はpH6〜7.5の
中性域の緩衝液が適しているが、後の脱塩工程を省略す
るために純水を用いてもよい。カラム長は内径の25〜30
倍とし、流速は1分当たりカラム容積の0.5〜2%、負
荷する試料の量はカラム容積の5〜15%が適当である。
この条件下でゲル過を行なうと、分子量10,000以上の
画分は、カラム容積の30〜45%の部分に1つの画分とし
て得られる。溶出液に緩衝液を用いた場合は、透析、脱
塩カラムによるゲル過、限外過などの方法により、
脱塩した後凍結乾燥する。純水で溶出させた場合はその
まま凍結乾燥する。
限外過で低分子画分を除去する場合は、分子量10,0
00M.W.カツトのフイルタを用い、純水を適宜加えなが
ら、脱塩を兼ねて低分子画分を過する。通常最初の塩
濃度が1千〜1万分の1となるまで限外過を行なう。
得られた限外過濃縮部に、フイルタの目詰まりなどの
ため残存する10,000以下の低分子画分を除くため、再度
再生したフイルタによる限外過を行なうか、ゲル過
する。ゲル過する場合は、先に記載した低分子画分を
除く方法と同様に行なう。最後に凍結乾燥してF−#5
を得る。
透析で脱塩を先に行なう場合は、透過粒子径が10,000
M.W.以下の透析膜を用い、塩濃度が1千〜1万分の1と
なるまで、純水に対して透析する。次いで先に記載した
低分子画分を除去するゲル過を行ない、凍結乾燥物と
してF−#5を得る。
塩析でF−#5を得る場合は、通常の硫酸アンモニウ
ムを最終濃度50〜60%飽和で処理する方法による。まず
P−KGPを純粋に十分溶解させ、8,000〜10,000r.p.m.で
5〜10分間遠心分離して沈殿物を除いた上清を調製す
る。次に硫酸アンモニウムを加え、50〜60%飽和する。
この方法により得られた沈殿物は粗性のため、先に記載
した10,000以下の低分子画分の除去と脱塩の操作を同様
に行ない、凍結乾燥物としてF−#5を得る。
以上に記載した方法により得られるF−#5は、SDS
アクリルアミド電気泳動法とゲル過法によつて推定し
た結果、分子量約30,000の糖蛋白質を主体とし、その他
に分子量10,000〜200,000の範囲4〜5分画の蛋白質を
少量含む画分である。F−#5は窒素含量5.5〜6.2%、
糖含量35〜55%、分子量10,000〜200,000の糖蛋白質の
様相を呈する。
〔作用〕
次に実験例によつてF−#5の免疫賦活作用について
詳細に説明する。
この発明のF−#5は顕著な免疫賦活作用を有する。
以下に免疫賦活作用に関する生体外、生体内の実験結
果を示す。
1.実験例1<生体外での免疫賦活作用のチエツク> ケフイア粒由来多糖体の免疫賦活作用の一機序とし
て、マクロフアージの活性化の系を介することが示唆さ
れていることから、生体外の実験ではマクロフアージの
活性化の度合いを調べることにより、免疫賦活作用をチ
エツクした。指標としてマクロフアージの形態変化と組
織プラスミノーゲンアクテイベーター(以後t−PAと記
載)産生能及び、腫瘍細胞傷害能を用いた。
ddYマウス(5週令、雌)の腹腔に、1%カゼイン/
リン酸緩衝液加生理食塩水1mlを注入し、4日後に腹腔
浸出細胞を20%牛胎児血清加RPMI1640培地(GIBCO)で
採取する。次いでプライマリアデイツシユ(フアルコ
ン)に細胞を移し、5%CO2下37℃1時間培養後、軽い
ピペツテイングで非付着細胞を除去し、更に10%牛胎児
血清加RPMI1640培地で同じ条件で一夜培養し、軽い洗浄
の後、得られた付着性細胞をマクロフアージとして用い
た。この方法により得られたマクロフアージを形態変化
とt−PA産生能、腫瘍細胞傷害能(アシアロGM1陽性
率)のチエツクに用いた。またF−#5のルイス肺癌に
対する腫瘍細胞傷害活性のチエツクには、カゼインの代
りに1%F−#5/リン酸緩衝液加生理食塩水1mlにより
誘導した腹腔浸出細胞を、上記と同様の方法で調整した
ものを用いた。
試料の感作法はマクロフアージをハイブリテイー1培
地(無血清、三光純薬)で洗浄後、同じ培地に試料を各
濃度に溶解させ、一定量ずつ注加し、5%CO2下で18時
間培養する方法によつた。試料はF−#5、KGP、及び
比較対照としてLPS(SIGMA)を用いた。
形態変化は倒立顕微鏡下でシヤーレの10箇所につい
て、1mm2あたりの付着細胞総数と、伸展又は大型化して
いる細胞数を測定し、形態変化率(%)で表わした。t
−PA産生能については、培地内のt−PA濃度をフールら
(WHUR,P.et al.Br.J.Cancer,42,305,1980)の方法にし
たがつて測定した。
腫瘍細胞傷害能についてはアカガワ等(Akagawa,K.S
and Tokunaga,T.Microbiol,Immunol.,26,831,1982)に
よれば、マクロフアージがアシアロGM1陽性となること
を報告していることから、抗アシアロGM1抗体(和光)
を用い、酵素抗体法(ABC法)により、陽性率を測定し
た。またF−#5についてはルイス肺癌細胞を標的細胞
とした腫瘍細胞傷害活性も同時に測定した。この場合は
F−#5により誘導したマクロフアージとルイス肺癌細
胞を混合培養した後、標的細胞数を測定した。コントロ
ールにはカゼイン誘導マクロフアージを用いた。
以上の実験結果を第1〜3表に示す。
表1〜3に示したようにマクロフアージの形態変化
率、t−PA生産量、腫瘍細胞傷活性(アシアロGM1陽性
率)のいずれにおいても、F−#5はKGPの1/8〜1/16の
使用量で約2倍の活性値であつた。またマクロフアージ
活性化作用が強いLSPよりも強い活性化作用をもつこと
もわかる。ルイス肺癌を標的細胞とした時、カゼイン誘
導マクロフアージが何んら傷害活性をもたなかつたのに
対し、F−#5誘導マクロフアージが何んら傷害活性を
もたなかつたのに対し、F−#5誘導マクロフアージは
42.9%の高い活性値を示した。このことからもF−#5
がマクロフアージの腫瘍細胞障害活性を高めることが示
唆された。
2.実験例2<生体内での免疫賦活作用のチエツク> 生体内実験では、マウス血液中の線溶活性を測定する
ことにより、t−PA生産量のチエツクを、また腫瘍細胞
ザルコーマ180のマウスへの移殖後の細胞増殖度を調べ
ることにより抗腫瘍活性を測定して、生体内での免疫賦
活の効果を調べた。
<実験方法> (1)線溶活性 実験動物;DDYマウス(4週令、雄)、一群10匹とする。
試料投与法;生理食塩水に溶かし、腹腔内投与 試料処置時間;23時間 線溶活性測定法;血漿中のプラスミン(線溶素)活性を
測定し、コトロール群を100%として増加率を求める。
(2)抗腫瘍活性 実験動物;ddYマウス(4週令、雄)、一群10匹とし通常
の飼育方法による。
腫瘍;ザルコーマ180 移殖法;右臀部皮下移殖(10ケ細胞数) 試料投与方法;生理食塩水に試料を溶解させ、腹腔内投
与。
投与期間;腫瘍移殖7日前から、移殖後14日目まで1日
1回隔日投与した。
腫瘍増殖度の測定;移殖後、15日目に腫瘍を摘出し重量
を測定し、コントロール群に対する増殖抑制率を下式の
ように求める。
実験結果を第4,5表に示す。
第4表に示したようにF−#5は5mg/kgでコントロー
ル群(100%)に対して187%に線溶活性を上昇させ、KG
Pの1/10の投与量で約2倍の高い活性値を得た。
第5表の抗腫瘍活性ではF−#5 10mg/kgの投与量で
ザルコーマ180の増殖を85.8%抑制し、KGPの1/5の投与
量で約2倍の強い抑制効果があつた。
以上の生体外、生体内の実験結果から、F−#5はKG
Pに比べて極めて少量で、しかもより強い免疫賦活活性
をもつことが認められた。また発明者らの実験によれ
ば、KGPからF−#5を除いた画分にはほとんど免疫賦
活活性を認めなかつたことから、F−#5はケフイア粒
由来物質のもつ免疫賦活作用の本体と推定され、この発
明は有用な発明である。
〔実施例〕
以下実施例により、この発明を詳細に説明する。
実施例1 ハンセン社ケフイア粒20gを90℃、5分間殺菌した脱
脂乳培地に、10%の割合いで接種し、25℃、24時間培養
後、このケフイア粒を別して新しい培地に10%比とな
るように接種した。この操作を繰り返えして約100gのケ
フイア粒に増加させた後、水でよく洗浄し、80gのケフ
イア粒を得た。次に、このケフイア粒80gに対し、1200m
lの精製水を加えブレンダを用い、10,000r.p.m.で15分
間破砕した後、55℃の温浴槽中で撹拌しながら、1時間
保持した。この溶解液を2,000r.p.m.で15分間遠心分離
し、大きな不溶性物を除去後、上清を更に15,000r.p.m.
で30分間の遠心分離操作を2回行ない、不溶物や菌体な
どをほぼ完全に除去した。得られた上清970mlを5℃に
冷却し、トリクロロ酢酸29.1gを加え、よく撹拌した
後、直ちに10,000r.p.m.5分間遠心分離を行ない、上清
を回収した。この上清950mlに対し、1,900mlのエタノー
ルを加え、多糖を析出させた後、3,000r.p.m.10分間遠
心分離して、多糖の沈殿物を得た。この沈殿物に対し、
500mlの精製水を加え、よく撹拌して溶解させ、エタノ
ールを1,000ml加えて多糖を再沈殿させた。この操作を
3回行なつた後、得た多糖沈殿物を凍結乾燥し、粗多糖
体KGP2.2gを得た。
次にこのKGP1gを精製水300mlに溶解させ、トヨパール
HW65F(東洋曹達)を用い、下記の条件下でゲル過を
行なつた。
(条件) カラム:3.6cm×110cm 溶出液:精製水 流速:1.6ml/min. 試料:40ml 検出:フエノール硫酸法 この条件でゲル過をくり返えし、凍結乾燥して多糖
体P−KGP0.6gを得た。このP−KGP0.6gを3M尿素、0.1M
トリス塩酸緩衝液200mlに溶解し、以下の条件でゲル
過を行なつた。
ゲル;セフアロース4B「登録商標」(フアルマシア)、 カラム;3.6cm×110cm 溶出液;3M尿素0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH6.9)、流速1.
1ml/min. 試料:30ml 検出:UV280nm 以上のゲル過で700ml〜850mlの溶出部に粗性のF−
#5のピークを検出し、この部分を集めて、10,000カツ
トのUF膜により、脱塩を兼ねて低分子画分を除去し、濃
縮液200mlを得た。この濃縮液から10,000以下の低分子
画分を完全に除くため、更に以下の条件でゲル過を行
なつた。
ゲル;セルフアデツクスG−50 カラム;1.8cm×80cm 溶出液;純水 流速;0.8ml/min. 試料;20ml 検出;UV280nm 以上の条件でゲル過すると、55ml〜70mlの溶出部に
F−#5のピークを検出し、このピーク部分を集めて凍
結乾燥し、3.2mgのF−#5を得た。
このF−#5のSDSアクリルアシド電気泳動法を行な
つた結果、分子量約30,000の濃いバンドを得、10,000〜
30,000に3本、30,000以上に2本の淡いバンドを検出し
た。窒素量は5.88%、糖質は37.60%であつた。
このF−#5の抗腫瘍活性を、ウイスター系ラツト25
0g雄(一群10匹)を用い、下記の条件で調べた結果を示
す。
腫瘍:ザルコーマ180 移殖法:右臀部皮下移殖(10′細胞数) 投与法:生理食塩水に試料を溶解させ、腹腔内投与 投与期間:腫瘍移殖7日前から1日隔日投与 腫瘍増殖度の測定:移殖後、15日目に腫瘍と抑制率の算
出を摘出し重量を測定し、コントロール群に対する増殖
抑制率を下式のように求める。
試験結果:抑制率71.2% 実施例2 ウイズビー社ケフイア粒100gを、精製水でよく洗浄
し、1,650mlの精製水を加え、ブレンダを用い、12,000
r.p.m.で10分間破砕した後、65℃の温浴槽中で、撹拌し
ながら1時間保持した。この溶解液を3.000r.p.m.で15
分間遠心分離し、大きな不溶性物を除去後、上清を更に
15,000r.p.m.で30分間の遠心分離操作を2回行ない、不
溶物や菌体などをほぼ完全に除去した。得られた上清14
80mlを5℃に冷却し、トリクロロ酢酸51.8gを加え、よ
く撹拌した後、直ちに10,000r.p.m.で5分間遠心分離を
行ない、上清を回収した。この上清950mlに対し、1,900
mlのエタノールを加え多糖を析出させた後、3,000r.p.
m.で10分間遠心分離して、多糖の沈殿物を得た。この沈
殿物に対し550mlの精製水を加え、良く撹拌して溶解さ
せ、エタノールを1,000ml加えて多糖を再沈殿させた。
この操作を3回行なつた後、得た多糖沈殿物を凍結乾燥
し、粗多糖体KGP2.3gを得た。次にこのKGP2gを精製水50
0mlに溶解させ、セフアロースCL4B「登録商標」(フア
ルマシア)を用い、下記の条件でゲル過した。
(条件) カラム:3.6cm×110cm 溶出液:純水 流速:2.0ml/分 試料:35ml 検出:フエーノル硫酸法 この条件でゲル過を繰り返えし、凍結乾燥して多糖
体P−KGP1.44gを得た。このP−KGP1.44gを500mlの精
製水によく溶解させ、8,000r.p.m.で10分間遠心分離を
行なつた。この上清497mlを別の容器に移し、硫酸アン
モニウム550gを撹拌しながら徐々に加え、7,000r.p.m.
で10分間遠心分離を行ない、上清を捨て沈殿物を回収し
た。この沈殿物53mgを純水200mlに溶解させた後、次の
条件でゲル過を行なつた。
セフアデツクスG−50 カラム:1.8cm×80cm 溶出液:純水 流速:0.8ml/min. 試料:20ml 検出:UV280nm 以上の条件でゲル過し、55ml〜70mlに溶出されたF
−#5のピークを検出し、この部分を集めて凍結乾燥
し、4.8mgのF−#5を得た。このF−#5のSDSアクリ
ルアミド電気泳動法を行なつた結果、分子量約30,000の
最も濃いバンドを得、その他に前後に淡いバンド2本ず
つを検出した。窒素量は5.58%、糖質は38.25%であつ
た。
このF−#5を用い下記条件で抗腫瘍活性を調べた。
実験動物:ICRマウス4週令雄、一群10匹 腫瘍:ザルコーマ180 移殖法:右臀部皮下移植(107細胞数) 投与法:生理食塩水に試料を溶解させ、腹腔内投与 投与期間:腫瘍移殖7日前から1日1回隔日投与 腫瘍増殖度の測定:移殖後、15日目に腫瘍を摘出し、重
量を測定し、コントロール群に対する増殖抑制率を下式
のように求める。
上記の条件で試験した結果、抑制率は80.3%であつ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/00 C12R 1:225) (72)発明者 坂内 岩雄 東京都東村山市恩多町3―8―1 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/00 C07K 2/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケフィア粒を構成する多糖体及び菌体に含
    まれる分子量10,000〜200,000、窒素量5,5〜6,2%、糖
    質35〜55%の粗糖蛋白質画分。
  2. 【請求項2】ケフィア粒の多糖体を主とする水溶性成分
    をアルコール類により沈殿させ。得られた沈殿物から変
    性剤或いは塩析により前記粗糖蛋白質画分を採取するこ
    とを特徴とする前記粗糖蛋白質画分の製造法。
  3. 【請求項3】変成剤として尿素或いは塩酸グアニジン、
    又、塩析として硫酸アンモニウムを用いた請求項2記載
    の粗糖蛋白質画分の製造法。
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