JPH07300409A - セレン含有酵母の抽出エキスを含有する化粧料組成物 - Google Patents

セレン含有酵母の抽出エキスを含有する化粧料組成物

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JPH07300409A
JPH07300409A JP6114491A JP11449194A JPH07300409A JP H07300409 A JPH07300409 A JP H07300409A JP 6114491 A JP6114491 A JP 6114491A JP 11449194 A JP11449194 A JP 11449194A JP H07300409 A JPH07300409 A JP H07300409A
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yeast
selenium
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action
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JP6114491A
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Norihisa Kawai
徳久 河合
妍 ▲コウ▼
Ken Kou
Hiroshi Ando
弘 安藤
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Ichimaru Pharcos Co Ltd
Original Assignee
Ichimaru Pharcos Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】美容効果に優れた、より付加価値の高い酵母抽
出エキスの開発と、それを含有する化粧料組成物を提供
する。 【構成】水溶性セレン化合物添加培地で培養したサッカ
ロミセス属酵母より、水性溶媒を用いて抽出したエキ
ス、または前記セレン添加培地で培養した酵母をさらに
自己消化させた消化物、あるいは酸や蛋白分解酵素など
を用いて得られた分解物より、水性溶媒を用いて抽出し
たエキスを含有する化粧料組成物。 【効果】メラニン生成抑制作用、メラニン色素分解作用
といった美白効果をはじめ、光加齢抑制作用(皮膚の老
化防止作用)、ニキビ菌生育阻害作用、保湿作用などの
美容効果。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、セレン(Se)添加培地を用いて
培養した酵母より得られる成分の新規な利用法に関する
ものである。さらに詳しくは、水溶性セレン化合物添加
培地で培養処理したサッカロミセス属酵母(以下、セレ
ン酵母という。)より、水,エタノール,ブチレングリ
コール,プロピレングリコール,グリセリンなどの水性
溶媒の単独もしくはそれらの混液を用いて抽出したエキ
ス、または前記セレン酵母を、さらに自己消化させた
後、同じく水性溶媒を使用して抽出したエキス、もしく
はセレン酵母を、酸や蛋白分解酵素などを用いて加水分
解した後、同様に水性溶媒を用いて抽出したエキスを含
有する、美容効果に優れた安全な化粧料組成物を提供す
るものである。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明によるセレン酵母抽出エキ
スは、メラニン生成抑制作用、メラニン色素分解作用と
いった美白効果をはじめ、光加齢抑制作用(皮膚の老化
防止作用)、ニキビ菌生育阻害作用、保湿作用などの優
れた美容効果を有し、しかも極めて安全性が高い。よっ
て、例えば、化粧料などの皮膚外用剤,浴用剤といった
各種の外用製剤類に配合して用いることによって、シ
ミ,ソバカスなどの予防あるいは軽減、皮膚の老化の防
止、ニキビの予防または軽減、保湿、肌質の改善といっ
た美容的効果が期待できる。具体的には、化粧水(ロー
ション),乳液,クリーム,オイル,パック,ボディー
ソープ,あるいは浴用剤(液状,粉末状,顆粒状,固形
状など性状は、何れであってもよい)などへの応用が上
げられる。また標記のような外用製剤の他にも、例えば
栄養補強(栄養補助)などを目的とするような健康維持
のための食品や飲料といったものにも配合して用いるこ
とも可能である。
【0003】
【従来の技術】サッカロミセス属(Saccharomyces)に属
する酵母、例えば、ビール酵母,清酒酵母,ワイン酵
母,パン酵母などは、ヒトの食文化との関わり合いが非
常に親密な微生物で、人類がこうした酵母の性質を利用
し、その恩恵に浴してきた歴史は極めて古い。身辺にお
いてこれら酵母による働きが関わってできた食品といえ
ば、例えば、アルコール類,パン,味噌,醤油,漬物な
どがその代表的なものである。さて酵母の利用には、こ
のようにその生物的な働きかけ(醗酵作用)によりでき
た代謝生成物を利用することの他に、菌体中に含まれる
成分を利用するという使われ方も知られている。すなわ
ち、酵母中には核酸やその関連物質(RNA,ATPな
ど)をはじめ、蛋白質,各種アミノ酸,ビタミン類(特
にB群),ミネラルなどの栄養素がたいへん豊富にしか
もバランスよく含まれていることから、酵母やそのエキ
スは蛋白資源として用いられたり、滋養強壮,健康回復
増進,整腸,強肝などを目的とするような保健薬として
も賞用されたりしてきた。また、近年においては、酵母
中のこうした成分が美容にもたいへん良いことが認識さ
れるようになり、これまで食用等に供せられてきた酵母
エキスや、あるいは酵母を加水分解して得られたエキス
といったものが、各種の化粧品類に応用されるようにも
なってきた。例えば、特開昭53-142515号、特開昭60-24
188号、特開昭61-260009号などは、酵母抽出液あるいは
酵母の加水分解エキスの有する美容効果に基づき、化粧
料への応用が提案された先願の発明である。
【0004】一方、セレンについては、従来有毒とされ
てきた元素であったが、近年それが哺乳類の必須微量元
素の一つであることが明らかにされて以来、抗腫瘍活
性,抗炎症などの生理作用や、またセレン欠乏で観察さ
れる生体現象との因果関係などについての新しい知見が
次々と報告され、現在に至っては、亜鉛や銅、マンガン
等とともに生体におけるその重要性が非常に注目される
元素である。これまでにセレン欠乏症によると推測され
ている疾患として、例えば、溶血性貧血,カマ状赤血球
性貧血,克山病,虚血性心疾患,各種の癌などが指摘さ
れている(「セレン」,日本臨牀43巻・臨時増刊号,P588
(1985))。
【0005】原子番号34、周期律表の第6B族に属するセ
レンは、硫黄と非常によく似た化学的性質を有し、自然
界では含硫アミノ酸中のイオウがセレンに置換した含セ
レンアミノ酸をはじめとする化合物などの形で存在して
いることが知られている。また、哺乳動物などの体内に
おいては、セレンはグルタチオンパーオキシダーゼの活
性の中心であるシステイン残基中に存在し、過酸化物処
理など生体防御の重要な一翼を担っていると考えられて
いる。近年においては、セレン化合物がα−トコフェロ
ールの代替的作用を示すことや、あるいは癌治療への有
用性といったことが指摘されており、医薬品などの用途
開発に期待が寄せられている。
【0006】さて、酵母などの微生物の代謝能を利用し
て、無機セレン化合物をその菌体内に取り込ませ、そこ
で何らかの有機体への変換を行なわせるという技術は、
例えば、特公昭55-36314号や特開昭62-91177号公報など
に記されている。これらによれば、こうした方法によっ
て得られるセレン含有菌体は、毒性が低く医薬品用途と
しての有用性が高いことが示唆されている。
【0007】また、特開昭61-233608号,特開昭63-3137
08,特開平4-342516号,特開平4-360811号,特開平5-91
08号には、セレン化合物の化粧料用途に関する発明が記
載されている。これらに開示されるセレン化合物、およ
びそれぞれの化粧料用途における効果についてをまとめ
ると次表(表1)の通りである。
【表1】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、酵母の
代謝能とその菌体内に含まれる成分に着目しつつ、広く
ヒトの美容と健康に役立つための、より付加価値の高い
酵母の利用法について検討してきた。その結果、セレン
添加培地を用いて培養処理した酵母(セレン酵母)よ
り、水性溶媒を用いて得られる抽出成分は、通常の酵母
菌体から抽出したものに比べ、美容効果が格段優れてい
ることや、また臭いがいくらか改善されていることなど
化粧料用途としての有用性、使用性が大きく向上してい
ることを知り得た。また、セレン酵母中に含まれる成分
の抽出に際し、単純にフレンチプレスなどで菌体を破壊
して得られた抽出エキスだけでなく、セレン酵母をいっ
たん自己消化させた後に抽出した成分や、あるいは酸や
蛋白分解酵素などを使用して加水分解することによって
得られた抽出成分の、何れのものであっても良好な美容
効果を発揮することを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられる酵母
とは、サッカロミセス属(Saccharomyces)に属する酵
母、例えば、ビール酵母,清酒酵母,ワイン酵母,パン
酵母などである。また、こうした酵母を培養する際、用
いられる培地としては通常使用される培地組成で何等差
し支えない。セレン化合物はあらかじめ培地組成中に添
加しておいてもよいし、培養中に添加してもよい。使用
されるセレン化合物としては、例えば、セレン酸、亜セ
レン酸、もしくはそれらのアルカリ金属塩、セレン酸ア
ンモニウム、二酸化セレン等の無機セレン化合物、セレ
ノシステイン,セレノメチオニン,セレノシスチン等の
セレノアミノ酸やメチル化セレンのような有機セレン化
合物などが使用できる。また、培養中におけるその添加
量は、総量として10〜1,000ppm程度の範囲で単回もしく
は複数回にわたり、あるいは連続的に加えることができ
る。その他の培養条件、例えば、温度や時間などについ
ては、一般に行われている条件を適用すればよいが、培
養は定常期を目安とするのが好ましい。
【0010】セレン酵母の抽出にあたっては、培養後の
菌体を回収し、精製水等を用いて十分洗浄した後、例え
ば、超音波やフレンチプレスで菌体を破壊し、これに、
水,エタノール,ブチレングリコール,プロピレングリ
コール,グリセリンなどの水性溶媒の単独もしくはそれ
らの混液を湿菌体に対して10〜100倍量添加し、遠心分
離等の操作を行った後、濾過する。また、酵母の自己消
化を利用する場合は、洗浄後の湿菌体に対して10〜100
倍量の精製水を加え、35〜45℃で、24〜72時間程度自己
消化させた後、凍結乾燥または減圧濃縮する。これに前
記と同様に水性溶媒を添加し、抽出後、遠心分離等の操
作を行い、濾過する。酵素分解法を利用する場合は、洗
浄後の湿菌体に対して10〜100倍量の精製水を加え、プ
ロテアーゼを酵母菌体1Kgに対して20〜50万ユニット程
度添加し、酵素活性温度で一昼夜反応させる。次いで酵
素を失活させた後、水性溶媒を適量加えるか、または加
えないで、遠心分離等の操作を行い濾過する。酸分解法
を利用する場合は、洗浄後の湿菌体に対して10倍量の1
〜5%塩酸を加え、40〜60℃にて3〜8時間、時々攪拌し
ながら加水分解する。その後、アルカリを用いて中和し
た後、同様に処理する。尚、中和後に、透析処理等によ
り脱塩してもよい。
【0011】本発明によるセレン酵母抽出エキスは、化
粧料処方中に通常0.01〜10重量%(エキス固形分として)
の任意の割合で配合するのがよい。0.01重量%未満の場
合では、本発明による美容効果が十分に発揮されず、ま
た10重量%以上では効果に大差がないばかりでなく、臭
い、安定性といった点で化粧料用途としての実用的範囲
とはいい難い。後述する実施例、作用や使用感の評価、
安全性といったことから考慮すれば、エキス固形分とし
て、0.01〜1重量%程度が最も好ましい範囲と思料され
る。
【0012】また、本発明によるセレン酵母抽出エキス
は、化粧品や浴用剤で常用される基剤、薬剤などと共に
処方し、任意の形態の製品とすることができる。例え
ば、油分としては動植物油,鉱物油をはじめ、エステル
油,ワックス油,高級アルコール,脂肪酸類,シリコン
油,リン脂質などが上げられる。また、界面活性剤とし
ては、アニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,両性
界面活性剤,非イオン界面活性剤などが用いられる。そ
の他、p-アミノ安息香酸,アントラニル誘導体,サリ
チル酸誘導体,クマリン誘導体,アミノ酸系化合物,ベ
ンゾトリアゾール誘導体,テトラゾール誘導体,イミダ
ゾリン誘導体,ピリミジン誘導体,ジオキサン誘導体,
カンファー誘導体,フラン誘導体,ピロン誘導体,核酸
誘導体,アラントイン誘導体,ニコチン酸誘導体,シコ
ニン,ビタミンB6誘導体などの紫外線吸収剤、アスコ
ルビン酸およびその塩,ステアリン酸エステル,トコフ
ェロールおよびそのエステル誘導体,ノルジヒドログア
セレテン酸,ブチルヒドロキシトルエン(BHT),ブ
チルヒドロキシアニソール(BHA),パラヒドロキシ
アニソール,没食子酸プロピルなどの抗酸化剤、ヒドロ
キシエチルセルロース,メチルセルロース,エチルセル
ロース,カルボキシメチルセルロース,カルボキシエチ
ルセルロース,アラビアガム,ポリビニルアルコール,
ポリビニルピロリドン,ポリビニルメタアクリレート,
ポリアクリル酸塩,カルボキシビニルポリマー,カラギ
ーナン,ペクチン,アルギン酸およびその塩,カゼイ
ン,ゼラチンなどの増粘剤、グリセリン,プロピレング
リコール,1,3-ブチレングリコール,ヒアルロン酸およ
びその塩,ポリエチレングリコール,コンドロイチン硫
酸およびその塩,水溶性キチンあるいはキトサン誘導
体,乳酸ナトリウムなどの保湿剤,低級アルコール,多
価アルコール,水溶性高分子,pH調整剤,キレート
剤,防腐・防バイ剤,香料,着色料,清涼剤,安定化
剤,動・植物を起源とした抽出物,動・植物性蛋白質お
よびその分解物,動・植物性多糖類およびその分解物,
動・植物性糖蛋白質およびその分解物,血流促進剤,消
炎・抗炎症剤,細胞賦活剤,ビタミン類,アミノ酸およ
びその塩,角質溶解剤,収斂剤,創傷治癒剤,増泡剤,
消臭・脱臭剤など必要に応じて併用し、前述のような各
種製品とすることができる。以下、製造例、作用・効
果、安全性、処方例等を記載し、本発明をさらに詳しく
記載する。但し、これらに限定されるものではない。
【0013】
【実施例】セレン酵母の培養例1 下記の培地を用い、塩酸にてpHを6に調整する。これ
に亜セレン酸ナトリウム(0.01g)又はセレン酸アンモ
ニウム(0.01g)を適量の精製水に溶解し、フィルター
滅菌したものを添加する。次いで、このセレン含有培地
に酵母(ここでは、Saccharomyces cerevisiae,1白金
耳)を添加し、28〜35℃で4日間振とう培養してから培
養液を遠心分離して菌体を回収し、精製水で十分洗浄す
る。尚、培養時間(日数)については、例えば、培地の
濁度等を指標にして定常期となるまでを目安とすればよ
い。また、培養の速度を上げる目的で、培養途中にグル
コースなどの炭素源を加えてもよい。 《培地》 グルコース 4 g リン酸2カリウム 0.5 g 塩化ナトリウム 0.05g 硫酸マグネシウム 0.1 g 塩化カルシウム 0.05g 硫酸アンモニウム 0.2 g 精製水 100 mL
【0014】
【実施例】セレン酵母の培養例2 前記と同じ培地を用い、塩酸にてpHを6に調整する。
これに酵母(1白金耳)を添加し、2日間(定常期ま
で)振とう培養する。次いで、この培養液中に、亜セレ
ン酸ナトリウム(0.01g)又はセレン酸アンモニウム
(0.01g)を適量の精製水に溶解し、フィルター滅菌し
たものを添加してさらに2日間振とう培養する。この培
養液を遠心分離し、菌体を回収して同様に洗浄する。
【0015】
【実施例】セレン酵母エキスの抽出例1 前記培養例1または2の方法で得られたセレン酵母(0.
1〜1.0kg)を、30%エタノール溶液(10L)に懸濁さ
せ、この懸濁液をホモミキサーにて十分ホモジネート処
理した後、遠心分離して濾過する。
【0016】
【実施例】セレン酵母エキスの抽出例2 前記培養例1または2の方法で得られたセレン酵母(0.
1〜1.0kg)を、精製水(10L)に懸濁させ、45℃で、48
時間程度自己消化させる。次いで、これを凍結乾燥また
は減圧濃縮し、30%1,3-ブチレングリコール溶液(10
L)を添加して十分攪拌抽出した後、遠心分離して濾過
する。
【0017】
【実施例】セレン酵母エキスの抽出例3 前記培養例1または2の方法で得られたセレン酵母(0.
1〜1.0kg)を、精製水(10L)に懸濁させ、さらにプロ
テアーゼ(例えば、科研製薬製:アクチナーゼAまたは
B、あるいは天野製薬製プロテアーゼアマノP,3〜50
万ユニット)を添加し、37℃前後で、一昼夜反応させ
る。次いで、酵素を失活させた後、30%濃度になるよう
にプロピレングリコールを添加し、遠心分離して濾過す
る。
【0018】
【実施例】セレン酵母エキスの抽出例4 前記培養例1または2の方法で得られたセレン酵母(0.
1〜1.0kg)を、3%塩酸(10L)に懸濁させ、温度40〜60
℃にて3〜8時間、時々攪拌しながら加水分解する。分解
終了後、アルカリを用いて中和し、遠心分離して濾過す
る。
【0019】抽出例1〜4で得られたセレン酵母エキス
に含まれるセレンの含量は、エキス固形分に対して0.8
〜3.2重量%であった。尚、亜セレン酸ナトリウムをセ
レン源として使用した場合、セレン酸アンモニウムに比
べ、平均して約3倍程度セレン含量が高いエキスが得ら
れることがわかった。
【0020】
【実施例】チロジナーゼ活性抑制作用 《試 料》前記抽出例1〜4で得られたセレン酵母抽
出エキス。比較対象としてセレンを添加しないで培養処
理した通常の酵母エキスを供試した。 《反 応 液》 L-Tyrosine溶液(1.0mg/mL) 1.0mL Mcllvain Buffer(pH6.8) 1.0mL 試料 1.0mLマッシュルームチロシ゛ナーセ゛ (2,500unit/mL) 0.2mL 《方 法》反応液を37℃で、20分間反応させ、吸光度
475nmにて生成したドーパクロム量を測定する。阻害率
(%)は、次式(数1)により算出した。
【数1】 《結 果》次表(表2)の通りであった。セレン酵母
抽出エキスには、低濃度でメラニン生成抑制作用が認め
られ、シミ,ソバカス等の防止効果が期待できると示唆
された。また、通常の酵母エキスに比べ、その効果が高
いことを確認した。
【表2】
【0021】
【実施例】メラニン色素分解作用 《試 料》前記抽出例1〜4で得られたセレン酵母抽
出エキス。比較対象としてセレンを添加しないで培養処
理した通常の酵母エキスを供試した。 《寒天平板》下記を加温溶解し、平板を作成する。 L-Tyrosine溶液 20mg 寒天 0.26g 精製水 20mL 《方 法》寒天平板に、マッシュルームチロジナーゼ
100μL(2,500unit/mL)を塗り広げ、37℃で4時間放置し
黒化させる。黒化した平板に直径8mmのペーパーディス
クを置き、試料を30μL添加した後、37℃で3日間放置
し、黒色が薄くなった部分の直径を測定する。 《結 果》次表(表3)の通りであった。セレン酵母
抽出エキスには、美白作用があると認められ、シミ、ソ
バカス等を低減する可能性が示唆された。
【表3】
【0022】
【実施例】光加齢抑制作用 《試 料》前記抽出例1〜4で得られたセレン酵母抽
出エキスを乾燥し、各試料とも固形分として0.3W/V%濃
度になるように、30%1,3-ブチレングリコール溶液に溶
解した。比較対象としてセレノメチオニンを供試した。 《方 法》ハートレー系モルモット(1群5匹)3群
を用いた。モルモット背部を剪毛し、紫外線(FL-20SE
ランプ,0.13mW/cm2)と赤外線(185W)を30分間照射
し、照射直後、剪毛部に試料0.5mLを塗布した。この操
作を1週間に5回、8週にわたって実施した後、モルモ
ットの背部皮膚を分離し、組織標本を作成した。組織標
本をスライスし、ヘマトキシリン・エオジン溶液で染色
後、表皮の厚さと弾性線維の量を画像解析装置(ピアス
III,ピアス製)を用いて測定した。 《結 果》次表(表4〜5)の通りであった。セレン
酵母抽出エキスは、光照射による表皮の肥厚と弾性線維
の増加を抑制した。この結果、セレン酵母エキスには、
皮膚の光加齢を抑制する効果があると認められ、皮膚の
老化防止作用が期待できると示唆された。
【表4】
【表5】
【0023】
【実施例】ニキビ菌(Propionibacterium acnes)生育
阻害作用 《試 料》前記抽出例1〜4で得られたセレン酵母抽
出エキスの乾燥物比較対象としてセレノメチオニンを供
試した。 《培 地》 酵母エキス 0.3g Nutrient broth(Difco社製) 0.5g Tween 80 200μL 精製水 100mL 《方 法》倍数希釈法によって、Propionibacterium
acnes に対する最少生育阻止濃度を求めた。試料の終濃
度が、0.156,0.078,0.039,0.020,0.010,0.005,0.
002W/V%となるように2倍づつ希釈された液体培地の系
列を、それぞれ1mL作成し、1.6×104個の Propionibac
terium acnes を植菌し、37℃、7日間嫌気培養し、培
地の濁度を測定することにより求めた。 《結 果》次表(表6)の通りであった。
【表6】
【0024】
【実施例】安全性試験 1)皮膚一次刺激性試験 抽出例1〜4によって得られたセレン酵母抽出エキス
を、固形分中のセレン含量で各濃度に調整し、背部を除
毛したハートレー系モルモット(1群5匹,体重320g
前後)の皮膚に貼付した。判定は、貼付後24時間に一次
刺激性の評点法により紅斑および浮腫を指標として行っ
た。尚、比較対象として亜セレン酸ナトリウムを同様に
供試した。その結果は次表(表7)の通りで、セレン酵
母抽出エキスは、すべての動物において、何等、紅斑お
よび浮腫を認めず陰性と判定された。
【表7】
【0025】
【実施例】安全性試験 2)皮膚累積刺激性試験 抽出例1〜4によって得られたセレン酵母抽出エキス
を、固形分として1W/V%濃度の水溶液に調整し、側腹
部を除毛したハートレー系モルモット(雌性,1群5
匹,体重320g前後)の皮膚に1日1回の頻度で、週5
回,0.5mL/動物当りを塗布した。塗布は、4週にわた
って、また除毛は各週の最終塗布日に行った。判定は、
各週の最終日の翌日に一次刺激性の評点法により、紅斑
および浮腫を指標として行った。その結果、すべての動
物において、塗布後1〜4週目にわたって、何等紅斑お
よび浮腫を認めず陰性と判定された。
【0026】
【実施例】安全性試験 3)急性毒性試験 抽出例1〜4によって得られたセレン酵母抽出エキスを
減圧濃縮した後、乾燥する。試験前、4時間絶食させた
ddy系マウス(雌性,1群5匹,体重28g)に2,000mg/
kg量経口投与し、毒性症状の発現、程度などを経時的に
観察した。その結果、すべてのマウスにおいて14日間何
等異常を認めず、また解剖の結果も異常がなかった。LD
50は2,000mg/kg以上と判定された。
【0027】
【実施例】各種外用製剤の製造 本発明によるセレン酵母抽出エキスを使用し、各種外用
製剤を製造した。以下にその処方例を示すが、本発明に
よるセレン酵母抽出エキス含有化粧料は、これらに限定
されるわけではない。
【0028】1)ローションの製造例 次の処方によりローションを製造した。 重量% 1.ソルビット 2 2.1,3−ブチレングリコール 2 3.ポリエチレングリコール1000 1 4.ポリオキシエチレンオレイルエーテル(25E.O.) 2 5.エタノール 10 6.抽出例1のセレン酵母抽出エキス(固形分1%) 10 7.pH調整剤 適量 8.防腐剤 適量 9.精製水 100とする残余
【0029】2)乳液の製造例 次の処方により乳液を製造した。 重量% 1.スクワラン 3 2.ワセリン 1 3.ステアリルアルコール 0.3 4.ソルビタンモノステアレート 1.5 5.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート 3 6.1,3−ブチレングリコール 5 7.抽出例2のセレン酵母抽出エキス(固形分1.6%) 5 8.防腐剤 適量 9.精製水 100とする残余
【0030】3)クリームの製造例 次の処方によりクリームを製造した。 重量% 1.スクワラン 20 2.ミツロウ 5 3.精製ホホバ油 5 4.グリセリンモノステアレート 2 5.ソルビタンモノステアレート 2 6.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2 7.グリセリン 5 8.抽出例3のセレン酵母抽出エキス(固形分1.9%) 5 9.防腐剤 適量 10.精製水 100とする残余
【0031】4)ボディーソープの製造例 次の処方によりボディーソープを製造した。 重量% 1.ラウリン酸カリウム 15 2.ミリスチン酸カリウム 5 3.プロピレングリコール 5 4.抽出例2のセレン酵母抽出エキス(固形分1.6%) 15 5.pH調整剤 適量 6.防腐剤 適量 7.精製水 100とする残余
【0032】5)浴用剤(Aタイプ)の製造例 次の処方により浴用剤を製造した。 重量% 1.炭酸水素ナトリウム 58 2.無水硫酸ナトリウム 30 3.ホウ砂 2 4.抽出例4のセレン酵母抽出エキスの乾燥粉末 10
【0033】6)浴用剤(Bタイプ)の製造例 次の処方により浴用剤を製造した。 重量% 1.精製ホホバ油 5 2.ポルオキシエチレンソルビタンモノラウレート 20 3.グリセリンモノステアレート 5 4.流動パラフィン 2 5.ラウリン酸ジエタノールアミド 3 6.抽出例2のセレン酵母抽出エキス(固形分1.6%) 25 7.精製水 100とする残余
【0034】
【実施例】各種外用製剤の使用試験 実施例で製造したローションおよび浴用剤Aと、セレン
酵母抽出エキスの代わりに通常の酵母エキスを添加した
ものとを男女パネラー(全15名)に1カ月間づつ自由に
使用してもらい、それぞれを比較した使用感についての
アンケート調査を求めた。その結果は、次表(表8)の
通りである。
【表8】
【0035】
【発明の効果】本発明によるセレン酵母抽出エキスは、
メラニン生成抑制作用、メラニン色素分解作用といった
美白効果をはじめ、光加齢抑制作用(皮膚の老化防
止)、ニキビ菌生育阻害作用、保湿作用などの優れた美
容効果を有し、しかも極めて安全性が高い。こうした効
果は、従来、化粧料に用いられてきた通常の酵母エキス
に比べ、格段優れるものであり、その用途における有用
性は非常に高い。本発明によるセレン酵母抽出エキスを
含有する化粧料組成物は、繰り返し使用することによっ
て、肌に潤いを与え、肌質を改善するとともに、美白効
果、皮膚の老化防止、ニキビの軽減といった美容効果が
得られる。本発明によるセレン酵母抽出エキスのこのよ
うな新規な美容効果とそれに基づく化粧料への応用は、
極めて日常的な方法によって人の美容に役立つことにつ
ながり、酵母の有効利用の拡大ということからも産業上
にもたらす効果は大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性セレン化合物を添加した培地で培養
    処理したサッカロミセス属(Saccharomyces)酵母より、
    水性溶媒を用いて得られた抽出エキスを含有する化粧料
    組成物。
  2. 【請求項2】水溶性セレン化合物を添加した培地で培養
    処理したサッカロミセス属(Saccharomyces)酵母を、さ
    らに自己消化させることによって得られる消化物より、
    水性溶媒を用いて得られる抽出エキスを含有する化粧料
    組成物。
  3. 【請求項3】水溶性セレン化合物を添加した培地で培養
    処理したサッカロミセス属(Saccharomyces)酵母を、さ
    らに蛋白分解酵素で消化させることによって得られる消
    化物より、水性溶媒を用いて得られる抽出エキスを含有
    する化粧料組成物。
  4. 【請求項4】水溶性セレン化合物を添加した培地で培養
    処理したサッカロミセス属(Saccharomyces)酵母を、さ
    らに酸で加水分解させることによって得られる分解物よ
    り、水性溶媒を用いて得られる抽出エキスを含有する化
    粧料組成物。
JP6114491A 1994-04-28 1994-04-28 セレン含有酵母の抽出エキスを含有する化粧料組成物 Pending JPH07300409A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0790054A1 (en) * 1996-02-15 1997-08-20 Avon Products, Inc. Composition and method for under-eye skin lightening
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