JP5383963B2 - 腐植、腐植抽出液および保湿液、ならびにそれらの製造方法および使用 - Google Patents

腐植、腐植抽出液および保湿液、ならびにそれらの製造方法および使用 Download PDF

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Description

本発明は、腐植、腐植抽出液および腐植由来の保湿液、ならびにこれらの製造方法と使用に関する。
スキンケア化粧品は、皮膚の保湿効果、美白効果、こじわ、シミ、たるみへの整肌効果などを得るために用いられる。これらの効果を得るために配合される有効成分には、大きく分類して有機物と無機物があるが、その有機物は微生物による変化や腐敗が避けられない。
従来の化粧料は、有機物成分が変質、酸化、腐敗しないように、抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤などを配合している。これらは、薬事法の規制範囲内で使用するとはいえ、微妙で複雑な変化をする皮膚にとってあまり好ましくない。なるべく使用を避けたい成分であり、近時の消費者は、防腐剤等の含有していない化粧料を望んでいる。
防腐剤の配合をできるだけ抑え、また無くするために、生物由来の化粧料が提案されている。例えば、米、小麦、豆乳発酵液、酵母、酒かす、納豆成分などの生物反応を利用した化粧品である。これらは、発酵した成分を使用するため、変色、腐敗、酸化に強いと言われている。しかし、他成分との調合があるとき、すべての成分が完全に発酵しているとは言えない。
腐植の抗菌性を利用した化粧料原料もまた、いくつか提案されている。例えば、特開2004−51590号公報(培養液の製造方法、培養液、及びそれを用いた化粧水)、特開2000−136140号公報(腐植土抽出物質含有水性液)、特開2003−267821号公報(化粧品原料)である。
特開2004−51590号公報 特開2000−136140号公報の使用例2 特開2003−267821号公報
前記腐植を用いた化粧品原料や化粧品は、その抗菌性、酸化・腐敗防止に限界があり、必ずしも満足すべきレベルに達していない。また、化粧料は、使用感、使い易さ、嗜好性などの使用性がよく、変質、変色、変臭、微生物汚染などがなく(安定性)、皮膚への刺激や毒性がない(安全性)こともきわめて重要である。
したがって、本発明の目的は、防腐剤を使用しないでも有機物の有用性成分の整肌効果等を長期間発揮し、かつ使用性、安定性および安全性に優れた化粧料原料と製品、ならびにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、以下の発明により解決できることを見出した。すなわち、本発明は、腐植土を含水率50〜80%に保って明反応させることにより製造される腐植を提供する。本明細書において、明反応とは、掘削した腐植土を太陽光のもとで乾燥させずに含水率を50〜80%に保って熟成および発酵させることをいう。本発明はまた、得られた腐植を水に抽出することにより製造される腐植抽出液、ならびに得られた腐植抽出液に保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液もまた提供する。
本発明はまた、腐植土を含水率50〜80%に保って明反応させることからなる腐植の製造方法、該腐植を水に抽出することからなる腐植抽出液の製造方法、さらには、該腐植抽出液に保湿剤を添加して発酵させることからなる腐植由来の保湿液の製造方法もまた提供する。
本発明はまた、腐植土を含水率50〜80%に保って明反応させることにより製造される腐植の化粧料原料としての使用、該腐植を水に抽出することにより製造される腐植抽出液の化粧料原料としての使用、さらには該抽出液に保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液の化粧料としての使用を提供する。本発明はまた、腐植土を含水率50〜80%に保って明反応させて得られる腐植を、水に抽出後、保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液、ならびに化粧品学的、皮膚病学的および/または薬学的に許容される添加剤からなる保湿性化粧料組成物を提供する。
腐植土を一定の含水率を保って長期間の明反応をさせて得られる本発明の腐植は、以下の特長を有する。
(1) pH緩衝作用が大きい。
(2) キレート反応をする。
(3) 陽イオン交換容量(CEC)が高い。
(4) 生理活性機能がある。
(5) 脱臭作用がある。
(6) アミノ酸、ポリフェノール、糖類、ビタミン、キノン、有機酸、ミネラル、ATPなど多種多様の成分を含み、種々の効果と作用を示す。
(7) 抗酸化機能がある。
(8) 病原菌の抑制作用がある。
特に、抗酸化機能が高い理由は、腐植のもつ官能基のカルボキシル基、フェノール基がプロトン供与体となり、このプロトンがカルボキシル基やフェノール基から非常に早い速度で離れて酸化力を抑止するためである。これは下記式:
Figure 0005383963

のプロトン平衡状態で示される。
上記腐植を、さらに長期間かけて水に抽出した得られる腐植抽出液は、腐植の前記特長を引き継ぐと共に、さらに以下の特長が付与される。該腐植抽出液は、メラニン生成抑制機能を有し、化粧料原料として用いた場合に美白効果を奏する。すなわち、本発明の腐植および抽出液の官能基がチロシナーゼの補欠分子である銅とのキレート反応を示すことにより、チロシナーゼを阻害してメラニン生成を抑制することになるので、美白効果に役立つのである。
角質層の水分保持に重要な役割を担っている天然保湿因子は、アミノ酸、ミネラル、糖類などであり、これらがバランスよく含まれて角質層の水分が失われないことが保湿効果である。ビタミンや生理活性物質の中には、角質層以下にも浸透するものがあって、保湿効果を助長する。本発明の腐植抽出液は、長期間の抽出過程でアミノ酸を多量に生成し、ミネラルを充分に保持する程度に陽イオン交換容量も大きくなり、糖類及び補酵素などの生理活性物質をバランスよく含むため、保湿効果を発揮するようになる。この点からも、本発明の腐植抽出液は、化粧料原料として有用である。
本発明の腐植および腐植抽出液は、前記特長を活かして、化粧料の格好の原料となるほかに、汚水処理の促進剤、脱臭剤などにも有用である。
上記腐植抽出液から作られる本発明の腐植由来の保湿液は、原料が古くは落葉や樹木などの天然の有機物であり、その有機物を長年月にわたって発酵させることによって得た腐植由来成分であり、長期間経過しても、変質、腐敗や酸化が起こらず、安定性および安全性に優れている。本発明の腐植由来の保湿液は、前記腐植および腐植抽出液の項で説明したように、美白効果、整肌効果を発揮する成分も多く生長させている。さらに使用感、使い易さ、嗜好性などの使用性がよく、皮膚への刺激や毒性もない。
とりわけ本発明の腐植由来の保湿液は、添加した保湿剤を発酵させることよって保湿効果の安定性が増している。すなわち、グリセリン、プロピレングリコールなどの保湿剤は、生物反応によって、一部はセリン、グリシン、システインなどのアミノ酸に変換される。一方、腐植に含まれるグルコースなどの糖類や有機酸からはグリセリンが生成される。これらの生物反応が複雑に行われる中で、総合的に安定した保湿能力が生まれる。よって、本発明の保湿液は、従来技術にない安定した保湿効果を発揮する。
皮膚は、本来、自ら保護・再生する自己生理機能を持っている。本発明の保湿液は、その機能を助ける生理活性物質も含有するので、より一層効果的である。
以上の多彩な効果を奏する本発明の腐植由来の保湿液は、保湿性を強化した化粧水製品として、あるいは化粧水、化粧液、乳液、クリーム、美容液、洗顔料などの化粧料の有効成分として好適である。特に、保湿性の強化を活かして、スキンケア化粧水として最適である。
本発明の腐植、腐植抽出液および腐植由来の保湿液を、図1の製造フローを参照しながら説明する。図1において、本発明の原料となる腐植土は、落葉樹の落ち葉、樹木などの有機物由来の分解・生合成物が、通常、例えば約8000年間以上の間、地下に埋蔵されて、図2の(1)、(2)式を経て腐植化されたものである。腐植土の年代は、例えば共存する花粉で年数測定すればもとまる。
土壌中の有機物は、図2の式(1)に示す生物反応によって、炭水化物、タンパク質、CO2、H2Oなどに変換される。そして、式(1)および(2)において、初期に有機物のうちの低分子の糖類、タンパク質などが無芽胞バクテリアによって分解され、また合成される。その後、セルロースなどの一層複雑な化合物が有芽胞バクテリアによる生物反応で、ポリフェノール、キノン、アミノ酸、ビタミン、有機酸などに変換される。これらの生合成物が重縮合した腐植を含む腐植土をつくる。従って、腐植土には、ポリフェノール、キノン、アミノ酸、ビタミンなどの構造単位が豊富に含まれている。
ところで、土中にある腐植土は、太陽光の遮断された下で、以下の反応:
Figure 0005383963

(式中、Piはリン酸を意味する。)
が進んでいると考えられる。以下、土中での腐植の反応を暗反応という。
本発明では、掘削した腐植土を、さらに太陽光の下、通常、1〜12ヶ月、好ましくは3〜12ヶ月、特に好ましくは、6〜12ヶ月放置することが必要である。これにより、下記の反応:
Figure 0005383963

が同時に進行する。以下、太陽光の下での腐植の上記反応を明反応(発酵)という。
本発明は、明反応の際、地上の土壌の含水率は、50〜80%であり、好ましくは50〜70%、さらに好ましくは50〜65%と、発酵に適した含水率を維持する必要がある。地下の含水率は、好ましくは50〜80%を保つ。
一定の含水率の下での明反応は、暗反応で生成した補酵素NADP(酸化型、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を、NADPH2(還元型)に変換し、さらに水素イオンを遊離する。暗反応で生成したADPは、明反応でATPに変化される。この明反応による補酵素の生成により、生物反応を一層活性化することができるのである。腐植土全体を均一に明反応(発酵と熟成)させるために、時々、切り返しを行うことが好ましい。
腐植土は、掘削時にpH=約7の中性であるが、地上での明反応を進めると、1ヶ月経過後にはpH=3程度になる。1年経過後しても、pHの大きな変化はなく、pH=2.6〜3.3になる。
明反応によって得られる腐植成分を、表1に示す。この成分表を見てわかるとおり、腐植酸含有量が多いことから、式(2)の生物反応が旺盛に進行している。
Figure 0005383963
前記腐植の特長を最大限に引き出すために、腐植成分を水へ抽出する。それには、まず、上記で得られた腐植を水と混合する。水100部に対して本発明の腐植を通常、20〜50部、好ましくは25〜40部、特に好ましくは30〜40部の割合で混合する。
次いで、常温で、1〜12ヶ月間、好ましくは3〜12ヶ月間、特に好ましくは6〜12ヶ月間放置する。1ヶ月に1回の割合で、混合液を撹拌する。
上記抽出期間中に、腐植成分が水中に溶解・溶出すると共に、水中では発酵と生合成が進行し、アミノ酸、ビタミンなどの生理活性物質が増加する。とりわけ、抽出の初期に黄褐色を呈した混合液が、6ヶ月以上の経過でアルギニン、システイン、ヒスチジン、チロシンなどに見られる赤色呈色を示すと共に、全アミノ酸が増加する。腐植と水とを混合した当初のpHは、3〜3.5であるが、6〜12ヶ月の発酵によって、pH=2.8程度になる。
腐植抽出液は、抽出中の発酵によって、糖類としてガラクトース、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、ラムノースなどを含み、アミノ酸としてグリシン、アラニン、リジン、ロイシン、バリン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、スレオニンなどを含み、ビタミンとしてカロチン、ビタミンA、B2、B6、B12、D、E、ナイアシン、パントテン酸、コリン、ビオチンなどを多量に生成し、補酵素なども含有する。
これらの糖類、アミノ酸、ビタミン、補酵素の間には、密接な関係がある。例えばアミノ酸は、糖類と窒素分から補酵素NADPH2と酵素の存在で生成される。そして、ATPのエネルギーを得て活性化されて、活性酵素、ビタミンなどを生成する。補酵素NADPH2、NADPHの分子中にはビタミンを含んでいる。
本発明の腐植抽出液は、抽出中の発酵によって陽イオン交換容量も50〜120meq/100gと高くなっている。
常温で前記発酵と熟成を行った混合液は、沈殿分離する。上澄液または濾液を腐植抽出液とする。
腐植抽出液は、pH=約2.8であるが、適宜、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム溶液でpH=5〜7に中和して、Fe(OH)を沈殿分離させてもよい。鉄分を沈殿分離することにより、抽出液の鉄錆臭気を減らすことができる。
次に、本発明の腐植由来の保湿液を説明する。この保湿液は、上記で得た腐植抽出液へ保湿剤を添加して一定期間発酵させることにより得られる。保湿剤の添加は腐植抽出液の保湿性を強化し、その発酵によって有機酸、アミノ酸、ビタミンなどの生成を促進すると共に、保湿液を細菌および各種成分のバランスを保った安定状態にもってゆくことができる。
該保湿剤は、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ソルビトール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。保湿剤として、通常、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールを採用するが、用途や効果に応じてヒアルロン酸ナトリウム、ソルビトール、ポリエチレングリコールの少なくとも一種と置換または併用することができる。
抽出液への保湿剤の添加割合は、腐植抽出液100部に対して、通常、3〜20部である。保湿液の用途が化粧水の場合には、3〜15部が好ましく、クリームまたは乳液の場合には、15〜20部が好ましい。
この混合液を、通常、70〜85℃、好ましくは70〜80℃の温度で、通常、5〜30分間、好ましくは10〜30分間、加熱してから常温に戻す。アミノ酸生成には、絶対好気性よりも好気性でもやや嫌気的代謝を営むミクロコッカス(放線菌)、バチルス属細菌を利用するのが最も生成量が多くなるが、有芽胞細菌だけを残すために前記の加熱が重要となる。すなわち、病原菌は無芽胞細菌で一般に60〜65℃、20〜30分の加熱で殺菌される。一方、バチルス属細菌、放線菌などの有芽胞細菌の殺菌には、一般に120℃、30〜60分の加熱が必要なので、前記の加熱で細菌は生存する。
加熱殺菌後の混合液は、常温で、好ましくは常温〜30℃の温度で、通常、1〜12ヶ月、好ましくは3〜10ヶ月間、さらに好ましくは6〜8ヶ月間、前記の有芽胞細菌の存在下で、グリセリン、プロピレングリコールなどの保湿剤の発酵を進める。30℃で発酵させると、常温発酵よりも短期間(1〜8ヶ月)で発酵が完遂する。
保湿剤を添加した混合液のpHは、通常、2.8程度であるが、混合前の腐植抽出液に水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム溶液を添加してpH=5〜7に調整しておくと、上記した鉄錆臭気の減少と共に、発酵に要する期間が3〜10ヶ月へ短縮される効果も現れる。
前記発酵の後の混合液には、代謝産物の浮遊物が多く存在するので、デカンテーション、濾紙で濾過するなどして、上澄液や濾液を得る。この上澄液は、栄養目的に応じて化合物を混合し、発酵を順次繰り返し行なうことにより、加えた化合物の生物馴養が行なわれるので、成分のバランスがとれ、また安定する。その結果、用途別にすべての自然の反応による化粧料が得られる。特に、スキンケア化粧水として有用である。
ここで肝要なことは、上記上澄液または濾液を殺菌しないことである。細菌の存在下で各種成分がバランスされている間はビタミンなどの生理活性物質は長期に維持され、細菌を殺菌すると3〜6ヶ月以後に生理活性物質含量が急減するので、有用細菌の存在下で化粧料として使用するのが好ましいからである。
本発明の腐植由来の保湿液は、単独に使用してもよく、あるいは腐植由来の保湿液および化粧品学的、皮膚病学的あるいは薬学的に許容される添加剤からなる化粧料組成物として使用することができる。
該添加剤の具体例には、化粧品分野で公知のエモリエント剤、角質軟化剤、可溶化剤、増粘剤、緩衝剤、薬剤(栄養剤、収れん剤など)、香料、着色料、紫外線吸収剤が挙げられる。本発明の腐植由来の保湿液を使用すれば、組成物中に抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤などを添加する必要がなくなるが、本発明は、抗菌剤、酸化防止剤および/または防腐剤の使用を排除するものではない。
該化粧品組成物における添加剤の割合は、組成物の全重量に対して、通常、0〜50重量%であり、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。添加剤は、その性質に応じて、水性、油性および/またはエマルジョンであり得る。
〔実施例1〕
(1)腐植の製造
約8000年間地下に埋蔵されていた腐植土(pH=7)を1000kg掘削し、太陽光の下、常温で約12ヶ月間、明反応を行った。明反応後、本発明の腐植800kgが得られた。本発明の腐植のpH、水分と組成を表2に示す。
Figure 0005383963
(2)腐植の病原菌抑制試験
上記で得られた腐植の病原菌抑制試験を以下のようにして行なった。まず、前記腐植を1%、3%、5%になるように添加した増殖用培地(0.1%ペプトン水)50mlに、菌液0.1mlを添加し、充分混和後、35℃で培養した。
培養開始6および24時間後の生菌数を、菌数測定用培地を使用した混釈平板培養法により測定した。表3に本発明の腐植添加液体培地に接種した細菌の経時変化を示す。表3から、本発明の腐植の添加により、大腸菌、黄色ブドウ球菌共に抑制されていることがわかる。ほかにも、硫酸還元菌、緑膿菌、サルモネラ菌、グラム陰性菌なども抑制された。枯草菌は生育増大することが判った。
Figure 0005383963

注)表中、「10以下」は測定検出限界以下を示す。
腐植の細菌に対する効果は菌種により変わるが、病原菌は明らかに抑制される。化粧料を製造する際の本発明の腐植含量は、20〜50%の濃度でよく、病原菌抑制には充分な濃度になっている。皮膚には種々の細菌が増殖しているので、腐植の病原菌抑制効果により他に薬剤を使用することなく、健康な皮膚を保つと共に、洗顔、整肌、保護などにも役立つ。
〔実施例2〕
(1)腐植抽出液の製造
製造例1で得た腐植と水とを重量比で30:70(腐植30重量%)で混合した。次いで、常温で、12ヶ月間、静止発酵させた。発酵の途中、1ヶ月に1回の割合で、混合液を攪拌した。発酵完了後、上澄液を濾過して100gの腐植抽出液を得た(pH=2.8、色=淡黄赤色)。
(2)腐植抽出液の抗酸化機能試験
ガラス製試験管に本発明の腐植抽出液と文具のクリップを入れて、常温で静止したところ、2〜3週間経過しても、酸化鉄の錆を発生しなかった。一方、比較のために、ガラス製試験管に脱塩素した水道水と文具のクリップを入れ常温で静止すると、1〜2日で錆が発生した。これらの結果は、本発明の腐植抽出液のカルボキシル基、フェノール基が活性酸素にプロトンを供与して不活性化するので、鉄が酸化されないことを示している。
〔実施例3〕
(1)腐植由来の保湿液の製造
実施例2で得た腐植抽出液とグリセリンとを重量比87:13(グリセリン13重量%)で混合した。混合液を75℃×5分間、加熱した後、室温に戻した。次に、混合液を常温で12ヶ月間、発酵させた。発酵後、上澄液を濾紙で濾過して、最終的に100gの保湿液を得た(pH=2.8、色=淡黄赤色)。
(2)腐植由来の保湿液のスキンケア化粧水としての性能試験
上記で得られた保湿液の性能を評価するために、パネラーA〜F(性別=女性)の6名による官能評価試験を6ヶ月間にわたって実施した。評価に際して、パネラーは、各人がこれまでに使用してきた化粧効果と対比してもらった。自己の官能評価項目は、潤い感、肌のなめらかさ美白効果および化粧ののりであった。さらに、湿潤計による湿潤度の計測も行った。結果を表4に示す。
Figure 0005383963
※自己官能評価基準
1:大変良好、2:良好、3:普通、4:悪い、5:非常に悪い
※湿潤度評価基準
A:
湿潤度200μs以上、潤いは充分、肌の状態は良好
B:
湿潤度200〜80μs、潤いは普通、肌の状態は年齢相応
C:
湿潤度80μs以下、乾燥している、肌の状態は老化しやすい
パネラーAは19歳の膠原病を患っている女性であり、保湿液の使用により、潤い感、肌のなめらかさがよくなった。パネラーBはアトピー性皮膚炎を患っている30才代の女性であり、保湿液の使用により、肌荒れ、炎症、かゆみが改善され、潤い、滑らかさが得られ、肌にハリが戻り、健康的美しさが得られた。パネラーC〜Fは、30才代、40才代、50才代、60才代の各一名からなり、美白効果は大きく感じていないが、他の項目はすべて大変良好であった。
評価項目以外にも、本発明の保湿液の使用は、冬季のヒジ、ヒザ、カカトへの塗布が滑らかさを得ることを可能とし、乾燥、荒れ、かゆみを抑える効果も判明した。
また、パネラーA〜Fの顔面皮膚表面の湿潤度(μs)を湿潤度計で測定したところ、試験前は全員B〜Cランクであったところ、試験中、全員ランクAとなった。
本発明の腐植、腐植抽出液および腐植由来の保湿液は、化粧水、化粧液、乳液、クリーム、美容液、洗顔料などの化粧料の成分および製品として有用である。これらは、健常者、敏感肌の人、皮膚疾患を有する者のいずれに対しても、保湿効果、整肌効果や美白効果を奏し、使用感に優れた化粧品を提供する。
本発明の腐植抽出液および腐植由来の保湿液はまた、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、金属アレルギーなどの湿疹・皮膚炎、紅皮症、紅斑類および毛細血管拡張症、紫斑病、膠原病、蕁麻疹・痒疹・皮膚掻痒症、角化症、色素異常症、代謝異常症、母斑および皮膚良性腫瘍、皮膚悪性腫瘍、細菌性疾患、皮膚真菌症、ウイルス性疾患、虫による皮膚疾患、性感染症などへの予防剤や治療剤として有用である。
本発明の腐植および腐植抽出液は、化粧料原料としてだけでなく、汚水処理の促進、脱臭剤などにも有用である。
本発明の腐植抽出液および腐植由来の保湿液を製造するフローを示した図である。 腐植土の生成を示した図である。

Claims (10)

  1. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出することにより製造される腐植抽出液。
  2. 前記明反応に要する期間が3〜12ヶ月間である、請求項1に記載の腐植抽出液。
  3. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出後、水抽出液に保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液。
  4. 前記明反応に要する期間が3〜12ヶ月間であり、前記保湿剤添加後の発酵に要する期間が6〜12ヶ月である、請求項3に記載の腐植由来の保湿液。
  5. 前記保湿剤がグリセリンおよび/またはプロピレングリコールである、請求項4に記載の腐植由来の保湿液。
  6. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植土を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出することからなる、腐植抽出液の製造方法。
  7. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出後、水抽出液に保湿剤を添加して発酵させることからなる、腐植由来の保湿液の製造方法。
  8. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出することにより製造される腐植抽出液の化粧料原料としての使用。
  9. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出後、水抽出液に保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液の化粧料としての使用。
  10. 腐植土を含水率50〜80%に保って、1〜12ヶ月間切り返しを行いながら明反応させて得られる腐植を水と混合して得られる混合物を、〜12ヶ月間、1ヶ月に1回の割合で攪拌かつ発酵および熟成を進めながら水に抽出後、水抽出液に保湿剤を添加して発酵させることにより製造される腐植由来の保湿液、ならびに化粧品学的、皮膚病学的および/または薬学的に許容される添加剤からなる保湿性化粧料組成物。
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