JP2008120792A - 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法 - Google Patents

保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008120792A
JP2008120792A JP2007265595A JP2007265595A JP2008120792A JP 2008120792 A JP2008120792 A JP 2008120792A JP 2007265595 A JP2007265595 A JP 2007265595A JP 2007265595 A JP2007265595 A JP 2007265595A JP 2008120792 A JP2008120792 A JP 2008120792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
skin
genus
extract
cosmetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007265595A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Ando
理 安藤
Shigeharu Fukuda
恵温 福田
Toshio Miyake
俊雄 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd filed Critical Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority to JP2007265595A priority Critical patent/JP2008120792A/ja
Publication of JP2008120792A publication Critical patent/JP2008120792A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、従来の皮膚及び毛髪用化粧料に有効成分として配合されている、肌荒れや皮膚・頭皮にアレルギーを惹起したり、発毛・育毛を妨げる化学合成成分や、皮膚・頭皮刺激、抜け毛などの原因となる化学合成成分を実質的に含まない、天然由来の成分を主体とする、優れた保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法を提供することを課題とするものである。
【解決手段】 オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属にに属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を有効成分として含む、保湿・整髪作用とを有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、保湿・整髪作用を有する新規な皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法、より詳細には、オーレオバシディウム(Aureobacidium)属、バチルス(Bacillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、ピチア(Pichia属)、ハンセヌラ(Hansenula)属、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属、ブレラ(Bullera)属、クロエケラ(Kloeckera)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、及びスポロボロミセス(Sporobolomyces)属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を有効成分として含む、保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料(以下、特に断りがない限り、単に「本発明の化粧料」と言う。)とその製造方法に関するものである。
従来より、老若男女を問わず、肌をより美しく、また、肌荒れを防止したり、荒肌を肌本来の健康な状態とするために、種々のスキンケア化粧料が開発され広く用いられている。また、毛髪を艶やかに美しく保ち、所望の髪型に整髪することは、身だしなみの重要な要素であり、そのために多種多様のヘアケア化粧料が開発され広く用いられている。しかしながら、従来の皮膚或いは毛髪用化粧料は、とかく配合成分が複数なものとなり、使用者によっては、有効成分として配合された化学合成品が、肌荒れや、皮膚・頭皮にアレルギーを惹起したり、発毛・育毛を妨げたり、抜け毛などの好ましくない結果を招来する欠点があった。この点に鑑み、天然由来の成分を主体とする皮膚及び毛髪用化粧料が提案され、例えば、特許文献1には、天然の霊芝エキスや温泉水を有効成分とする皮膚用化粧料が、特許文献2には、天然由来の海水や、可食性の成分を整髪のための有効成分とする、安全性の高い整髪剤が、また、特許文献3には、整髪剤の有効成分として、微生物の培養上清や微生物の抽出液を用いる整髪剤が提案されている。
斯かる状況下、従来の皮膚及び毛髪用化粧料の欠点であった、肌荒れや皮膚・頭皮にアレルギーを惹起したり、発毛・育毛の妨げとなる化学合成成分、或いは、皮膚・頭皮への刺激、抜け毛などの原因となる化学合成成分を実質的に含まない、天然由来の成分を主体とする、保湿作用や整髪作用に優れた、皮膚又は毛髪用化粧料が鶴首されていた。また、従来の皮膚用化粧料は、毛髪に適用とすることを目的とする配合組成からなるものではなかったこと、逆に、従来の毛髪用化粧料は、皮膚に適用することを目的とする配合組成からなるものではではなかったことから、使用者は、これら皮膚用化粧料と毛髪用化粧料とをそれらの用途毎に使い分けなければならないという煩雑さがあった。
特許第3370289号 特開2001−72550号公報 特願2005−123967号明細書
本発明は、前記従来技術に鑑みて為された発明であって、従来の皮膚及び毛髪用化粧料に有効成分として配合されている、肌荒れや皮膚・頭皮にアレルギーを惹起したり、発毛・育毛を妨げる化学合成成分や、皮膚・頭皮刺激、抜け毛などの原因となる化学合成成分を実質的に含まない、天然由来の成分を主体とする、皮膚及び毛髪に対して、優れた保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として、皮膚、毛髪に対して、有効な保湿作用と整髪作用とを有する天然成分に着目して鋭意研究した。その結果、オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物が所望の作用を有すること、更に、前記抽出物を、天然素材であるアラゴナイト(霰石)をアルコール水溶液、殊に、エタノール水溶液を用いて抽出して得られたアラゴナイト抽出物と併用したときには、それら単独使用では到底達し得ない皮膚及び毛髪に対して優れた保湿作用を発揮し、かつ、整髪作用に優れていること、更には、これらの抽出物は、前記作用に加え、肌荒れ防止作用、美肌作用をも兼備すること、また、発毛・育毛を妨げることもなく、皮膚・頭皮に刺激やアレルギー、抜け毛などを実質的に惹起しないことを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を有効成分として含む、皮膚及び毛髪に対して、優れた保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法を提供することにより、前記課題を解決するものである。
本発明の化粧料は、実質的に天然由来の成分を主体とする化粧料であって、皮膚に適用したときには、皮膚(頭皮を含む)を刺激することなく、皮膚を適度に保湿し、瑞々しい美肌とする作用を有するとともに、毛髪に適用したときには、髪への馴染みがよく、毛髪を適度に保湿し、持続性に優れた整髪作用を発揮する化粧料である。更に、本発明の化粧料は、毛髪に適度の艶と強度とを付与し、使用感にも優れた化粧料である。また、本発明の化粧料を紫外線などの環境ストレス、染毛、洗髪、ブラッシング、パーマネントなどにより、毛小皮(キューティクル)がダメージを受け、強度や艶が低下した毛髪に適用したときには、毛髪に適度の強度と艶とを補強し、毛髪本来の強度と艶に近づけることができる。更に、本発明の化粧料は、皮膚・頭皮に対し刺激やアレルギーを惹起することも、発毛・育毛を妨げることも実質的になく、また、抜け毛なども実質的に惹起しない、安全性の高い化粧料である。また、本発明の化粧料を細毛、軟毛、或いは薄毛の毛髪に適用したときには、毛髪に適度の硬さとボリューム感とを付与できる利点をも有している。
本発明で言うオーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物とは、自然界に広く分布する微生物であって、古来より、発酵生産品の製造において広く用いられている微生物である。本発明においては、ヒトに対し病原性を有さず、本発明の目的を損なわないものである限り、前記属に属する微生物とその変異体の全てを用いることができる。殊に、本発明においては、オーレオバシディウム属及びバチルス属に属する微生物などが好適に用いられる。オーレオバシディウム属に属する微生物としては、例えば、可食性の増粘性多糖類であるプルラン産生能を有する、オーレオバシディウム・ファーメンタンス・バラエティー・ファーメンタンス(Aureobacidium fermentans var fermentans)IFO 6410、オーレオバシディウム・ファーメンタンス・バラエティー・フスカ(Aureobacidium fermentans var fusca)IFO 6402、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobacidium pullulans)IFO 4464、及びそれらの変異体から選ばれる微生物全般を例示することができる。また、前記バチルス属に属する微生物としては、枯草菌や納豆菌などを例示できる。納豆菌は、発酵食品である納豆を製造する際に用いられる微生物であって、ヒトが経口摂取しても安全な微生物である。バチルス属に属する微生物の具体例としては、バチルス・グロビスポルス、バチルス・マセランス、バチルス・メガテリウム、バチルス・サーキュランス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・コアグランス、バチルス・ナットウ、バチルス・ズブチリスなどの微生物を例示できる。より詳細には、例えば、バチルス・スピーシーズV230(FERM BP−5054)バチルス・グロビスポルスC9(FERM BP−7143)、バチルス・グロビスポルスC11(FERM BP−7144)、バチルス・グロビスポルスN75(FERM BP−7591)、バチルス・サーキュランスP7(FERM BP−10091)、バチルス・サーキュランスAM7(FERM BP−10111)、バチルス・ステアロサーモフィラスTc−60(FERM P−2222)、バチルス・ステアロサーモフィラスTc−91(FERM P−2225)、及びそれらの変異体から選ばれる微生物を例示することができる。また、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物は、所謂、酵母と総称される微生物であって、パン、清酒、ビール、ワイン、乳製品、調味料、飼料などの製造に一般に用いられている微生物である。これらの微生物株については具体例は示さないが、本発明においては、本発明の目的を損なわない限り、上記属に属するいずれの微生物をも用いることができる。
本発明で用いる微生物の培養に用いる培地としては、当該微生物が生育できる栄養培地であればよく、合成又は天然培地のいずれでもよく、また、固体培地、液体培地のいずれであってもよい。炭素源としては、当該微生物が、その生育に利用できるものであればよく、例えば、植物由来の澱粉とその加水分解物、フィトグリコーゲン、動物や微生物由来のグリコーゲン、プルラン、エルシナン、グルカンなどの天然多糖類、それらの部分分解物、更には、グルコース、フラクトース、マルトース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、水飴、異性化糖、糖蜜などの糖類の一種又は二種以上が適宜用いられる。また、クエン酸、コハク酸などの有機酸類も適宜用いることができる。窒素源としては、例えば、アンモニウム塩、硝酸塩などの無機窒素化合物、および、尿素、コーン・スティープ・リカー、カゼイン、ペプトン、酵母エキス、肉エキスなどの一種又は二種以上の有機窒素含有物が用いられる。また、無機成分としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マンガン塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、モリブデン塩、コバルト塩などの一種又は二種以上が適宜用いられる。更に、必要に応じて、アミノ酸類、ビタミン類などの他の成分も適宜用いることができる。培地中における炭素源、窒素源、無機成分、及び他の成分の濃度は、それらの種類によって適宜設定される。なお、後に行う精製工程を勘案して、本発明で用いる培地としては、当該微生物が生育し得る必要最小限の成分のみを含む培地が好適に用いられる。
例えば、本発明で用いる微生物を培養するに際し、液体培地を用いる場合には、液体培地の温度は、通常、約4乃至約55℃、好ましくは、約20乃至約50℃、より好ましくは、約25乃至約40℃、液体培地のpHは、通常、pH約1乃至約10、好ましくは、pH約2乃至約8の範囲に調整し、好気的条件下で培養するのが望ましい。培養時間は、微生物が増殖し始める時間以上であればよく、通常、6時間以上、好ましくは、約12乃至約150時間である。また、培養液の溶存酸素濃度は特に制限はないが、通常、約0.5乃至約20ppmが好ましい。溶存酸素濃度の調節は、培養液を攪拌したり、通気量を制御したり、通気に酸素を補ったり、また、ファーメンター内の圧力を高めるなどの手段により行う。また、培養方式は、回分培養法または連続培養法のいずれでもよい。なお、本発明の化粧料における有効成分としての成分を効率よく、安定して得るためには、微生物の培養は、その生育曲線における定常期まで行うのがよい。そうすることにより、培養液当たりの菌体収量や培養液中の成分をほぼ一定の範囲に保つことができ、ロット毎のバラツキを少なくする利点がある。
斯くして得られた培養液は、濾過又は遠心分離などの公知の方法を適用して、菌体を回収する。回収した湿菌体は、これをそのまま又は公知の方法により乾燥(凍結乾燥を含む)し、必要に応じて、公知の適宜手段により破砕した後、アルコール水溶液にて抽出することにより、本発明の化粧料における有効成分としての、微生物菌体のアルコール水溶液抽出物を得ることができる。抽出に際しては、溶媒として、アルコール水溶液が好適に用いられるが、本発明においては、その取扱性、及び、本発明の化粧料における有効成分の抽出効率の観点から、エタノール水溶液が好適に用いられる。したがって、以下、抽出溶媒として、エタノール水溶液を用いる場合を例にとって説明する。
エタノール水溶液の濃度は、通常、50%(v/v)以上、より好適には、70%以上、更に好適には、90乃至95%(v/v)である。なお、更に好適には、エタノール水溶液として、後述するエタノール濃度が50%(v/v)以上のアラゴナイト抽出物含有エタノール水溶液を用いることができる。
エタノール水溶液を調製するために用いる水としては、蒸留水、イオン交換水、膜濾過水などの精製水の他、本発明の目的を妨げない限り、市販のナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーター、更には、水道水、井戸水、湧き水、磁化水、アルカリイオン水、温泉水、海水(海洋深層水を含む)などが用いられる。
本発明の化粧料における有効成分を効率よく得るためには、培養終了後、微生物菌体を回収し、必要に応じて、斯くして得られた湿菌体を凍結乾燥などの公知の方法により乾燥菌体を得、これら湿菌体又は乾燥菌体をそのまま又は粉砕した後、上記エタノール水溶液にて抽出する。詳細には、湿菌体又は乾燥菌体100g当たり、エタノール水溶液を500ml以上、好適には、1乃至3L、より好適には、2Lを用いて、30℃以上、好適には、30乃至60℃、より好適には、35乃至45℃、より好適には、40℃の温度で、攪拌下、1時間以上、好適的には、2時間以上、より好適には、2乃至4時間、更に好適には、3時間抽出を行うことにより、所望の有効成分を効率よく安定して得ることができる。なお、既述したとおり、本発明においては、アルコールとしては、エタノールが最適ではあるが、エタノール以外の他の低級アルコールを好適に用いることができる。また、一種又は二種以上のアルコールと、アルコール以外の一種又は二種以上の親水性有機溶媒とを適宜組み合わせて用いることも可能である。斯くして得られる抽出液は、必要に応じて、遠心分離、プレコート・フィルター、平膜、中空糸膜などの膜濾過による分離手段などの公知の適宜手段により処理して、菌体及び菌体破砕物などの不溶物を除去して清澄な上清を採取する。得られた抽出液の上清は、これをそのまま、又は、必要に応じて、H型、OH型イオン交換樹脂を用いて脱塩した後、減圧濃縮、平膜、中空糸膜などの適宜の濃縮方法により濃縮することもできる。また、これら上清及び濃縮液が、着色及び/又は不快臭を伴う場合には、白土、活性炭などの公知の脱色剤・脱臭剤で処理したり、水蒸気蒸留による脱臭処理を施すことにより、無色、無臭の高品質の抽出物を得ることができる。斯くして得られた抽出物は、本発明の化粧料における有効成分として用いることができるが、必要に応じて、膜濾過、紫外線滅菌法、加熱滅菌法、放射線滅菌法又は加圧滅菌法などの公知の滅菌方法を採用することも随意である。
以下、本発明においては、上記方法により得られる、微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を、単に、「微生物菌体抽出物」と言う場合がある。なお、当該微生物菌体抽出物として、二種以上の微生物菌体抽出物を用いる場合には、上記方法により得られる微生物菌体抽出物の二種以上を混合するか、予め、二種以上の微生物菌体からなる混合物微生物を既述の方法により調製して、用いることができる。
なお、アルコールは、ヒトによっては、皮膚・頭皮の乾燥、刺激、炎症、アレルギーなどを惹起する場合があることから、必要に応じて、微生物菌体抽出物中に含まれるアルコールを透析法、加熱・減圧留去法、膜分離法などの公知の適宜手段により除去することも有利に実施できる。
斯くして、本発明の化粧料が有効成分として含む、オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を得ることができる。
また、本発明で言うアラゴナイトとは、原産地のスペインのアラゴン(Aragon)の名に因んで命名されたものであり、第三紀新世代のネクトン(魚類)、プランクトン(微生物)などの小動物、更には、藻類、海藻等が海底に蓄積し、分解・溶解しにくいものだけが残り、2,000乃至3,000万年を経て化石化し、地上に出現したカルシウムの炭酸塩鉱物であり、学名で「アラゴナイト(Aragonite)」或いは「ブライオゾーア(Bryozoa)」と呼ばれるもの全般を意味する。アラゴナイトの日本国内の代表的な産地としては、秋田県荒川鉱山、岐阜県神岡鉱山、島根県邇摩群久利村松代、及び他の都道府県としては、北海道、富山県、福島県、山口県、長崎県、鹿児島県などを例示できる。前記松代産のアラゴナイトの組成は、CaO55.96%、CO43.95%、MgO0.03%であることが報告されている(「化学大辞典1」、縮刷版、共立出版株式会社発行(1963年))。なお、本発明で用いるアラゴナイトとしては、前記いずれの産地のものであっても用いることができるが、品質及び入手し易さの観点から、北海道産、殊に、北海道阿寒町産のアラゴナイトが好適に用いられる。
本発明で用いるアラゴナイトとしては、通常、地層から採取されたアラゴナイトを主成分とするものであればよく、必要に応じて、水洗、振盪、篩い分け、送風選別などの公知の手段を適宜用いて夾雑物を除去したものを用いる。また、アラゴナイトの抽出効率を高めるために、通常、粉砕などの適宜手段により、アラゴナイトの平均長径又は粒径(以下、単に「大きさ」と言う。)を約1mm以下、好ましくは、約500μm以下、より好ましくは、約100μm以下、更に好ましくは、約5乃至約10μmの範囲とし、抽出溶媒との接触効率を高めるのが望ましい。なお、抽出効率の観点からは、アラゴナイトを微細にするのが好ましいが、後の工程において、アラゴナイトを抽出溶媒から分別するときの操作性の観点からは、アラゴナイトの大きさの下限は、通常、約5μm以上とするのが望ましい。
アラゴナイトの抽出に用いる溶媒としては、アルコールなどの親水性有機溶媒、殊に、エタノールが好適に用いられる。以下、アルコールとして、エタノールを用いる場合を例にとって説明する。本発明においては、50乃至95%(v/v)エタノール水溶液が好適に用いられる。エタノール濃度が下限の50%(v/v)を下回る場合には、アラゴナイト中に含まれる、所望の成分の抽出効率が著しく低下することから好ましくない。また、上限の95%(v/v)を上回る場合には、所望の成分の抽出効率が著しく低下することに加え、エタノールが引火性であることから、取り扱い上、好ましくない。なお、本発明の化粧料が有効成分として含む微生物菌体抽出物と併用されるアラゴナイト由来の成分は、アラゴナイト中に含まれるエタノール水溶液に可溶性の成分である。この成分は、エタノール濃度が50乃至95%(v/v)、より好適には、55乃至90%(v/v)の範囲のエタノール水溶液を用いたときには、有効成分の抽出効率に実質的な差は生じない。なお、アラゴナイトの抽出に用いる溶媒としては、エタノール以外の他のアルコールなどの有機溶媒を用いることもできるが、アラゴナイトから所望の成分を効率よく抽出するためにはエタノール水溶液が最適である。エタノール水溶液を調製するために用いる水としては、既述した水全般を例示できる。
アラゴナイトの抽出法としては、アラゴナイト中に含まれる所望の成分を効率よく抽出できる抽出法であればよく、特定の方法のみに限定されない。例えば、既述した大きさに粉砕したアラゴナイト100gに対し、50乃至95%(v/v)、より好適には、55乃至90%(v/v)エタノール水溶液100ml以上、好適には、300乃至2,000ml、より好適には、500乃至1,000ml、更に好適には、500mlを添加し、アラゴナイトをエタノール水溶液中に浸漬することにより、アラゴナイト中に含まれる所望の成分を抽出することができる。この際、必要に応じて振盪・攪拌すると、所望の成分の抽出効率を高め、その抽出時間を短縮することができる。振盪・攪拌は、連続的又は間欠的に手動又は機械的に行うことができる。なお、静置条件下での浸漬時間は、通常、5時間以上、好適には、10乃至72時間、より好適には、10乃至18時間である。抽出するときのエタノール水溶液の温度は、通常、室温とするが、好適には、約60℃以下、より好適には、約50℃以下、更に好適には、約30乃至約40℃とする。
前記アラゴナイト抽出物に含まれる所望の成分は、アラゴナイトの純度、その抽出に用いる溶媒の種類、量、抽出時間、抽出温度により若干の変動はあるものの、好適には、上記した大きさに粉砕したアラゴナイト100gに対し、55乃至90%(v/v)エタノール水溶液500mlを添加して、アラゴナイトを約30乃至約40℃下、エタノール水溶液で10時間以上抽出する場合には、アラゴナイトから抽出される所望の成分のロット毎の抽出成分及び抽出効率の変動を最小限とすることができる。次いで、アラゴナイトから抽出される所望の成分を含む混合物を、傾斜法、遠心分離法、更には、プレコート・フィルター、濾紙、平膜などを用いる一種又は二種以上の濾過・分離手段を適宜用いて、エタノール水溶液画分を抽出残渣としてのアラゴナイトから分離する。斯くして得られるエタノール水溶液画分は、必要に応じて、H型、OH型イオン交換樹脂を用いて脱塩した後、減圧濃縮、中空糸膜などの膜濾過などの公知の手段により適宜濃縮することができる。斯くして得られるアラゴナイト抽出物は、通常、無色、無臭ではあるが、必要に応じて、白土、活性炭などの脱色剤・脱臭剤などを用いて処理したり、また、水蒸気蒸留による脱臭処理を施すことにより、高品質のアラゴナイト抽出物を得ることができる。
更に、アラゴナイト抽出物は、透析法、加熱・減圧留去法、膜分離法などの公知の適宜手段を適用して、アルコールを除去又は低減したアラゴナイト抽出物とすることも、また、公知の滅菌方法により、無菌のアラゴナイト抽出物とすることも随意である。
本発明の化粧料は、微生物菌体抽出物を有効成分とするものであるが、当該微生物菌体抽出物をアラゴナイト抽出物と所定の割合で配合して、皮膚及び毛髪に塗布して用いたときには、それら単独では到底達し得ない、優れた保湿・整髪作用が、相加的ないしは相乗的に発揮される。なお、アラゴナイト抽出物を配合したときには、本発明の化粧料に若年者向きのさっぱり感を付与することができる。当該微生物菌体抽出物とアラゴナイト抽出物の好適な配合割合[=(微生物菌体抽出物):(アラゴナイト抽出物)]は、それらの調製方法により若干の変動はあるものの、後述する実施例1に示す微生物菌体抽出物の調製方法、及び、実施例14に示すアラゴナイト抽出物の調製方法により得られる微生物菌体抽出物及びアラゴナイト抽出物を例にとった場合、体積比で、300:1乃至1:300、好適には、200:1乃至1:200、より好適には、100:1乃至1:100、更に好適には、1:1乃至1:100の範囲にあるものが望ましい。
斯くして得られる本発明の化粧料は、これをそのまま、又は、必要に応じて、その1質量部に対して、化粧原料として用い得る水などの希釈剤、賦形剤、担体、ゲル化剤、増粘剤、軟化剤、着色剤、香料、安定化剤、保存剤、発泡剤、pH調節剤、防腐剤、界面活性剤、医薬品、抗菌剤、抗酸化剤、清涼剤などの一種又は二種以上の他の成分を、通常、質量比で0.001乃至100倍、好適には、0.001乃至10倍、より好適には、0.001乃至5倍量添加した後、これをそのまま、又は公知の適宜の方法により、常圧又は減圧下で乾燥して、液状、ゲル状、ペースト状、ムース状、ブロック状、顆粒状、粉末状などの形状にして用いることができる。この際、最終製品が得られるまでの適宜の工程で、既述した公知の滅菌処理を施すことも随意である。なお、本発明の化粧料においては、皮膚・頭皮における乾燥、刺激、炎症、アレルギーなどの原因となる合成化学品を主体とする成分を実質的に含まないものが望ましいけれども、それらの量が、本発明の目的を逸脱しない程度である場合には、本発明の化粧料に配合することを妨げない。
本発明の化粧料のpHは、通常、中性ないしは弱酸性、好適には、pH約4乃至約7.5、より好適には、pH約5乃至約7とする。なお、前記pHを逸脱する場合には、本発明の化粧料が奏する所期の効果が低減するか、皮膚・頭皮への刺激性が高まったり、皮膚及び/又は毛髪へのダメージが高まることから望ましくない。
また、本発明の化粧料は、一回使用に適した分量を適宜容器に小分けしたポーション・タイプの形態で提供することもできる。
使用に際し、本発明の化粧料が、液状、ゲル状、ペースト状又はムース状である場合には、その適量を皮膚、毛髪に直接塗布して用いる。本発明の化粧料が、液状又はムース状である場合には、噴射又は噴霧スプレーの形態とすることもできる。また、本発明の化粧料が、ブロック状、顆粒状、粉末状などの固状物である場合には、使用に際し、その適量を予め、水又は水を主体とする化粧許容性の適宜媒体に溶解して用いる。
更に、本発明の化粧料には、本発明の目的を損なわない限り、当該化粧料における有効成分を安定化したり、保湿作用、整髪作用、美肌作用、肌荒れ防止作用、養毛・育毛作用、フケ・かゆみ予防などの作用を補足する目的で、ハーブエキス、ローズマリーエキス、梅エキス、笹エキス、松エキス、ピートモスエキス(泥炭エキスとも言う)、及びプロポリスエキスなどのエキス類、グルコース、マルトース、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトスクロース、α,α−トレハロース、α,β−トレハロース、β,β−トレハロース、α−グリコシル α,α−トレハロース、環状オリゴ糖、環状オリゴ糖の誘導体などの糖類、ルチン、α−グリコシル ルチン、ヘスペリジン、α−グリコシル ヘスペリジン、ナリンジン、α−グリコシル ナリンジン、ケルセチン、α−グリコシル ケルセチン、L−アスコルビン酸、α−グリコシル−L−アスコルビン酸などのビタミン類、ホホバオイルなどの香油類、ミネラル類、2−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]エテニル]−1−エチル−6−メチルピリジニウムアイオダイド(商品名「タカナール」)、2,2’−[3−[2−(3−ヘプチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−イリデン)エチリデン]プロペニレン]ビス(3−ヘプチル−4−メチルチアゾリウムアイオダイド)(商品名「プラトニン」)、及びプロクトンオラミンから選ばれる一種又は二種以上の他の成分を配合することも随意である。前記成分の内、α,α−トレハロース、α−グリコシル α,α−トレハロース、及びα−グリコシル−L−アスコルビン酸は、本発明の化粧料の有効成分である、微生物菌体抽出物の保存安定性を高める目的で好適に用いられる。また、ルチン、α−グリコシル ルチン、ヘスペリジン、α−グリコシル ヘスペリジン、ケルセチン、α−グリコシル ケルセチン、ナリンジン、及びα−グリコシル ナリンジンは、着色剤としての機能をも兼備しており、本発明の化粧料の着色剤として好適に用いることができる。また、前記成分の内、ピートモスエキスを配合したときには、本発明の化粧料に、壮年・熟年者向きのしっとり感を付与することができる。前記他の成分は、当該化粧料に、通常、0.0001質量%以上、好適には、0.0001乃至20質量%、より好適には、0.0001乃至10質量%の範囲で配合することができる。なお、本発明の化粧料の用途として、各種スキンケア化粧料、毛髪化粧料、毛染剤、パーマネント剤などの製造原料として配合して用いることも可能である。
以下、実験に基づいて本発明をより詳細に説明する。
<実験1>
後述する実施例2に示す方法で得た微生物菌体抽出物及び実施例15に示す方法で得たアラゴナイト抽出物を用いて、表1に示す配合割合(体積比)からなる試験液(試料No.2乃至18)を調製し、これらの試験液の皮膚に対する保湿作用について、30乃至60歳の乾燥肌の成人90人(男性36人、女性54人)をパネラーとするパネル試験により評価した。具体的には、90人のパネラーを任意に18群(各群男性2人、女性3人)に分け、第1群のパネラーには対照の試料No.1を、第2群乃至第18群のパネラーには試料No.2乃至18をそれぞれ、各パネラーの左前腕部全体に一日2回(午前9時と午後3時)塗布する処置を14日間続け、試験開始15日目に皮膚の状態について、下記の基準に基づき、各パネラー自身に評価させた。なお、各パネラーの右前腕部には、試験液に代えて無菌蒸留水を塗布し、これを対照とした。結果は表1に示す。
<評価基準>
◎:乾燥肌が著しく改善された
○:乾燥肌が改善された
△:乾燥肌が幾分、改善された
−:変化なし
Figure 2008120792
表1に示す試料No.2乃至15のパネル試験結果から、微生物菌体抽出は、皮膚に対し保湿作用を有することが判明した。また、試料No.5乃至15の結果と、試料No.16乃至18の結果とを対比すると、アラゴナイト抽出物自体には皮膚に対する保湿作用は認められないにも拘わらず、これを微生物菌体抽出物と併用したときには、皮膚に対する保湿作用が著しく高まることが判明した。また、試料No.2乃至4、試料No.10乃至13、及び試料No.16乃至18のパネル試験結果から、微生物菌体抽出物とアラゴナイト抽出物の配合割合によっては、それら単独使用では到底達し得ない皮膚への保湿作用が、相加的ないしは相乗的に発揮されることが判明した。
なお、具体的なデータは示さないが、本実験で用いた試料No.4、10及び16をそれぞれ減圧乾固し、得られた固状物に滅菌蒸留水を加えて、減圧乾固する前の体積の1/10容量としたものを用いて、医師の観察下、本実験に参加したパネラーから無作為に抽出した5人に対して、それぞれパッチ試験をしたところ、いずれのパネラーにおいても皮膚におけるアレルギー反応は認められなかった。この結果は、本発明の化粧料が有効成分とする微生物菌体抽出物はもとより、アラゴナイト抽出物のいずれもが皮膚に対し、アレルギーを惹起しない安全性の高いものであることを示すものである。
<実験2>
後述する実施例1に示す方法で得た微生物菌体抽出物及び実施例14に示す方法で得たアラゴナイト抽出物を用いて、表2に示す配合組成からなる試験液(試料No.3乃至19)を調製し、これらを下記に示す毛髪試験に供した。なお、対照としては、95%エタノール水溶液を同体積の滅菌蒸留水で希釈した試料No.1、及び滅菌蒸留水のみからなる試料No.2を用いた。
Figure 2008120792
<1.毛髪試験>
<1.1 ダメージ毛髪の調製>
市販のヒト毛髪(長さ40cm、10g/束:株式会社ビューラックス販売)をPOE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.5%水溶液(35℃)に1分間浸漬した後、1分間流水にて水洗し、タオルにて水分を吸い取り、次いで、冷風乾燥し、1%アンモニア−3%過酸化水素水溶液(37℃)に30分間浸漬し、流水で1分間水洗し、タオルにて水分を吸い取った後、冷風乾燥し、約1.3g/束となるように小分けしてダメージ毛髪を調製した。ダメージ毛髪は、試験に供するまで、温度24℃、相対湿度90.1%に保たれたデシケータ内にて保存した。
<1.2 毛髪の引っ張り強度試験>
ダメージ毛髪(約1.3g/束)を24℃に予め加温した表2に示す配合割合(体積比)からなる各試験液5ml中に1分間浸漬した後、タオルにて水分を吸い取り、次いで、冷風乾燥し、温度24℃、相対湿度90.1%に保たれたデシケータ内に4日間静置した後、『毛髪の科学』、162乃至165頁、フレグランスジャーナル社発行(昭和57年4月15日)に記載された、人毛の引っ張り特性試験法に準じて、市販のレオメーター(商品名『SUN RHEO METER CR−500DX』、株式会社サン科学製)に、毛髪長約6cmとなるようにセットし、最大荷重20N、測定速度50mm/分の条件で毛髪を引っ張って、毛髪が切れるまでの応力と伸長とを測定し、その測定値に基づいて、ヤング率、降伏値、及び破断強度とを算出した。結果は、表2に纏めた。なお、対照には、表2に示す試料No.1、2を用いた。また、表2中、ヤング率、降伏値、及び破断強度の評価は、対照の試料No.1におけるそれらの数値を基に、下記の基準に基づいて評価した。
<評価基準>
A:対照1の数値に対する増加率が10%以上で有意差あり(p<0.05)
B:対照1の数値に対する増加率が10%未満で有意差あり(p<0.05)
C:対照1の数値に対し、優位差なし
<1.3 毛髪のパネル試験>
上記「1.1」で調製したダメージ毛髪を表2に示す配合割合(体積比)からなる各試験液5mlに1分間浸漬した後、タオルにて水分を吸い取り、次いで、冷風乾燥し、温度24℃、相対湿度90.1%に保たれたデシケーター内に4日間静置し、得られた毛髪試料を20乃至60歳の成人15人(男性7人、女性8人)を被験者とするパネル試験に供した。パネル試験においては、毛髪の状態を上記「1.1」で調製したダメージ毛髪を基準にして、「なめらかさ」、「しっとり感」、「しなやかさ」及び「艶」について総合的に評価し、「非常に良好」(2点)、「良好」(1点)、「変わらない」(0点)、「やや不良」(−1点)、及び「不良」(−2点)とする評価基準に基づいて、パネラー15人が評価し、各試料毎に評価得点を合計した。結果は表2に示す。
表2の結果から明らかなとおり、試料No.3乃至15は、対照の試料No.1、2と比べ、毛髪のヤング率、降伏値、及び破断強度の内、2項目以上において良好な結果を示したとともに、パネル試験結果も良好であった。殊に、微生物菌体抽出物とアラゴナイト抽出物とを体積比で、1:1乃至1:100の範囲にある試料No.11乃至14は、毛髪のヤング率、降伏値、及び破断強度のいずれも著しく良好な結果を示したとともに、パネル試験結果も極めて良好であった。
これらの結果から、微生物菌体抽出物は、毛髪、殊に、ダメージを受けた毛髪に適度の強度を付与するとともに、適度のなめらかさ、しっとり感、しなやかさ、艶を毛髪に付与する作用を有することが判明した。また、これらの作用は、微生物菌体抽出物をアラゴナイト抽出物と併用するとき、それらの配合割合によっては、それら単独では到底達し得ない、相加的ないしは相乗的に高いレベルで発揮されることが判明した。
<実験3>
実験2で用いた表2における試料No.4、5、11、12、13、14、15及び17と同じ配合組成の試験液1乃至8を調製し、20乃至50歳の健康な成人45人(男性27人、女性18人)をパネラーとするパネル試験を行った。なお、対照には、市販のアルコール濃度約30%のヘアリキッド(対照)を用いた。本パネル試験は、被験者を5人(男性3人、女性2人)ずつ9群に分け、各群の被験者の毛髪を理髪師が市販のシャンプーを用いて洗い、ドライヤーで風乾後、対照又は試験液1乃至8のいずれかを用いて整髪し、「整髪のし易さ」について評価するとともに、整髪してから6時間後に、「整髪の持続性」について評価した。尚、「頭皮への刺激性」については、理髪師が、各被験者の頭皮を観察すると共に、各被験者にアンケート調査した結果に基づいて判定した。前記「整髪のし易さ」、「整髪の持続性」、「髪の艶」、及び「髪のボリューム感」については、理髪師が、各群の被験者毎に、対照と比べ、「良好」(1点)、「変わらない」(0点)、及び「劣る」(−1点)の3段階で評価し、その合計点を集計した。また、「頭皮への刺激性」については、各群5名の被験者において、「頭皮への刺激性あり」と回答したパネラーの人数の合計を示した。その結果を表3に示す。なお、対照液及び試験液のいずれについても、理髪師が「頭皮への刺激性あり」と判定した試料はなかった。
Figure 2008120792
表3の結果から、試験液1乃至6は、整髪のし易さ、整髪の持続性、髪の艶、及び髪のボリューム感のいずれにおいても優れているとともに、頭皮への刺激性もないことが判明した。また、具体的なデータは示さないが、試験液1乃至6を適用したパネラーによれば、毛髪が適度に保湿され、パサツキのない、纏まりのよい自然な手触り感があったとの指摘があった。なお、試験液1乃至6と比べ、アラゴナイト抽出物に対する微生物菌体抽出の配合割合が少ない試験液7、8は、整髪のし易さ、整髪の持続性、髪の艶、及び髪のボリューム感のいずれにおいても明らかに劣っていた。
以上述べた実験1乃至3の結果から、本発明で用いる微生物菌体抽出物は、皮膚及び毛髪に対して、優れた保湿・整髪作用を有すること、また、微生物菌体抽出物をアラゴナイト抽出物と併用するときには、それらの割合配合によっては、それら単独では到底達し得ない、相加的ないしは相乗的に高レベルの保湿・整髪作用が発揮されることが判明した。
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
<オーレオバシディウム属に属する微生物菌体抽出物の調製>
デキストリン3.0w/v%、ペプトン0.7w/v%、リン酸二カリウム0.2w/v%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05w/v%及び水からなる液体培地を、100ml容三角フラスコ10本にそれぞれ30mlずつ入れ、121℃、20分間オートクレーブにて滅菌し、冷却して、オーレオバシディウム属に属する微生物として、オーレオバシディウム・ファーメンタンス・バラエティー・ファーメンタンス(IFO 6410)を接種し、25℃、100rpmで48時間回転振盪培養して、得られた培養液を合一して、種培養液を得た。別途、容量30Lのジャーファーメンターに種培養の場合と同組成の培地を約20L入れて、滅菌し、冷却して、温度25℃とした後、前記種培養液1%(v/v)を接種し、温度25℃、pH6.0乃至8.0に保ちつつ、定常期に達するまで通気攪拌培養した。培養後、培養液を合一し、遠心分離(3,000rpm×30分間)して集菌し、得られた湿菌体100gに95%エタノール水溶液1.5Lを添加し、穏やかに攪拌しつつ、40℃で2時間抽出し、再度、遠心分離(20,000rpm×60分間)して、不溶物を除去し、上清を回収した。この上清を膜濾過(0.22μm)して除菌して、無菌の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<オーレオバシディウム属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物として、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobacidium pullulans)IFO 4464を用いた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の無菌の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<バチルス属に属する微生物菌体抽出物の調製>
デキストリン3.0w/v%、ペプトン0.7w/v%、リン酸二カリウム0.2w/v%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05w/v%及び水からなる液体培地を、500ml容三角フラスコ2本にそれぞれ150mlずつ入れ、121℃、20分間オートクレーブ滅菌し、冷却して、バチルス属に属する微生物として、バチルス・スピーシーズV230(FERM BP−5054)を接種し、25℃、100rpmで48時間回転振盪培養して、得られた培養液を合一して、種培養液を得た。別途、容量30Lのジャーファーメンターに種培養の場合と同組成の培地を約20L入れて、滅菌し、冷却して、温度25℃とした後、種培養液1%(v/v)を接種し、温度25℃、pH6.0乃至8.0に保ちつつ、定常期に達するまで通気攪拌培養した。培養後、培養液を合一し、遠心分離(3,000rpm×60分間)し、これを凍結乾燥し、得られた乾燥菌体100gに95%エタノール水溶液2Lを添加し、穏やかに攪拌しつつ、40℃で2時間抽出し、再度、遠心分離(20,000rpm×60分間)して、上清を回収した。この上清を膜濾過(0.22μm)して除菌して、無菌の微生物菌体抽出液を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<サッカロミセス属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をサッカロミセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae)ATCC 56741に置き換え、培養温度を25℃とした以外は実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<チゴサッカロミセス属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をチゴサッカロミセス・ルキシイ(Zygosaccharomyces rouxii)IFO 0525に置き換えた以外は実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<シゾサッカロミセス属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)ATCC 60232に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<ピチア属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をピチア・アノマラ(Pichia anomala)IFO 0963に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<ハンセヌラ属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をハンセヌラ・アノメラ(Hansenula anomela)IFO 0122に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<クルイベロミセス属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をクルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)IFO 1267に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<ブレラ属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をブレラ・オリザ(Bullera oryzae)JCM 5281に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<クロエケラ属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をクロエケラ・アピキュラータ(Kloeckera apiculata)JCM 5947に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<ロドトルラ属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をロドトルラ・ミニュータ(Rhodotorula minuta)IFO 0920に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<ロドトルラ属に属する微生物菌体抽出物の調製>
オーレオバシディウム属に属する微生物をスポロボロミセス・シンギュラリス(Sporobolomyces singularis)ATCC 24193に置き換えた以外は、実施例1と同様にして得た、膜濾過(0.22μm)する前の微生物培養液の上清を減圧乾燥してアルコールを除去して固状物とし、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して除菌して、アルコール不含有の微生物菌体抽出物を得た。本品は、本発明の化粧料の有効成分として用いることができる。
<アラゴナイト抽出物の調製>
北海道阿寒町産のアラゴナイトを粉砕器にて平均粒径約5乃至約10μmとなるまで粉砕し、その100gを95%エタノール水溶液1Lに懸濁し、穏やかに攪拌しながら、35℃で10時間抽出した後、アラゴナイト粉砕物を濾別して、無色透明なアラゴナイト抽出物を得た。
<アラゴナイト抽出物の調製>
北海道阿寒町産のアラゴナイトを粉砕器にて平均粒径約10乃至20μmとなるまで粉砕し、その100gを50%エタノール水溶液1Lに懸濁し、30℃で15時間静置した後、アラゴナイト粉砕物を濾別して、無色透明な上清を得、これを減圧乾燥してアルコールを除去し、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、膜濾過(0.22μm)して、無色透明なアルコール不含有のアラゴナイト抽出液を得た。
<化粧料>
実施例1に示す方法で得た微生物菌体抽出物10Lを減圧乾燥してアルコールを除去し、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、α,α−トレハロース500g及びプルラン100gを溶解させ、得られた溶液のpHを6.5に調整し、膜濾過(0.22μm)により除菌して、100ml容ガラス製容器に無菌的に充填して、本発明のアルコール不含有の化粧料を得た。
本品は、そのまま用いるか、通常、水で2乃至100倍に希釈した後、その適量を皮膚又は毛髪に塗布して用いる。本品は、肌に適度の潤いを与えることから、乾燥肌や肌荒れ防止に有用である。また、本品を用いて整髪したときには、比較的長時間に亙って優れた整髪作用が持続するとともに、毛髪の乾燥を効果的に抑制し、毛髪に瑞々しい艶、潤い、なめらかさを付与することができる。また、本品は、皮膚・頭皮への刺激やアレルギー、抜け毛、肌荒れなどを実質的に惹起しない化粧料である。また、本品は、アルコールに起因するアレルギーを懸念する必要のない化粧料である。
<化粧料>
実施例3に示す方法で得た微生物菌体抽出物1L及び実施例14に示す方法で得たアラゴナイト抽出物10Lを混合し、減圧乾燥してアルコールを除去し、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、α,α−トレハロース700gを溶解させ、得られる溶液のpHを6.6に調整し、膜濾過(0.22μm)により除菌して、100ml容ガラス製容器に無菌的に充填し、本発明のアルコール不含有の化粧料を得た。
本品は、そのまま用いるか、通常、水で2乃至100倍に希釈した後、その適量を皮膚又は毛髪に塗布して用いる。本品は、肌に適度の潤いを与えることから、乾燥肌や肌荒れ防止に有用である。また、本品を用いて整髪したときには、比較的長時間に亙って優れた整髪作用が持続するとともに、毛髪の乾燥を効果的に抑制し、毛髪に瑞々しい艶、潤い、なめらかさを付与することができる。また、本品は、皮膚・頭皮への刺激やアレルギー、抜け毛、肌荒れなども実質的に惹起しない化粧料である。また、本品は、アルコールに起因するアレルギーを懸念する必要のない化粧料である。
<化粧料>
実施例2に示す方法で得た微生物菌体抽出物10L及び実施例15に示す方法で得たアラゴナイト抽出物50Lを混合し、活性炭を用いて脱色処理して得た溶液に、α,α−トレハロース300g、2−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]エテニル]−1−エチル−6−メチルピリジニウムアイオダイド(商品名『タカナール』、株式会社林原生物化学研究所製)0.05g、及びピロクトンオラミン0.01gを溶解させ、得られた混合液を減圧乾燥してアルコールを除去し、次いで、滅菌蒸留水にて、減圧乾燥前と同じ体積とした後、pHを7.0に調整し、膜濾過により除菌して、一回使用に適した量(4ml)を5ml容プラスチック製容器に無菌的に充填し、本発明のアルコール不含有の化粧料を得た。
本品は、ポーション・タイプの製品であり、その適量を皮膚又は毛髪に塗布して用いる。本品は、肌に適度の潤いを与えることから、乾燥肌や肌荒れ防止に有用である。また、本品を用いて整髪したときには、比較的長時間に亙って優れた整髪作用が持続するとともに、毛髪の乾燥を効果的に抑制し、毛髪に瑞々しい艶、潤い、なめらかさを付与することができる。また、本品は、皮膚・頭皮への刺激やアレルギー、抜け毛、肌荒れなども実質的に惹起しない化粧料である。また、本品は、タカナールによる育毛・養毛作用、更には、ピロクトンオラミンによるフケ・痒み予防作用をも奏する付加価値の高い化粧料である。
<化粧料>
実施例2に示す方法で得た微生物菌体抽出物5L、実施例15に示す方法で得たアラゴナイト抽出物100L、及び海洋深層水0.1Lを混合し、次いで、膜濾過(0.22μm)し、200ml容プラスチック製容器に無菌的に充填して、本発明のアルコール不含有の化粧料を得た。
本品は、アルコールに起因するアレルギーを懸念する必要のない化粧料である。
本品は、そのまま用いるか、通常、水で2乃至100倍に希釈した後、その適量を皮膚又は毛髪に塗布して用いる。本品は、肌に適度の潤いを与えることから、乾燥肌や肌荒れ防止に有用である。また、本品を用いて整髪したときには、比較的長時間に亙って優れた整髪作用が持続するとともに、毛髪の乾燥を効果的に抑制し、毛髪に瑞々しい艶、潤い、なめらかさを付与することができる。また、本品は、皮膚・頭皮への刺激やアレルギー、抜け毛、肌荒れなどを実質的に惹起しない化粧料である。
<化粧料>
北海道阿寒町産のアラゴナイトを粉砕器にて平均粒径10μmとなるまで粉砕し、その100gを75%エタノール水溶液1Lに懸濁し、35℃で15時間静置した後、アラゴナイト粉砕物を濾別して、無色透明なアラゴナイト抽出物を得た。このようにして得たアラゴナイト抽出物500mlと、実施例1で得た微生物菌体抽出物50ml、及び実施例3で得た微生物菌体抽出物50mlとを混合し、活性炭で脱色した後、α−グリコシル ルチン0.5gを混合し、80℃でアルコール濃度が3%以下になるまで加温し、滅菌水にて全量を600mlとし、膜濾過(0.22μm)し、700ml容噴霧器付き容器に無菌的に充填して、本発明の化粧料を得た。
本品は、そのまま用いるか、通常、水で2乃至100倍に希釈した後、その適量を皮膚又は毛髪に塗布して用いる。本品は、肌に適度の潤いを与えることから、乾燥肌や肌荒れ防止に有用である。また、本品を用いて整髪したときには、比較的長時間に亙って優れた整髪作用が持続するとともに、毛髪の乾燥を効果的に抑制し、毛髪に瑞々しい艶、潤い、なめらかさを付与することができる。また、本品は、皮膚・頭皮への刺激やアレルギー、抜け毛、肌荒れなども実質的に惹起しない化粧料である。また、本品は、α−グリコシル ルチンによる皮膚・頭皮の血行促進作用を有する付加価値の高い化粧料である。また、本品は、皮膚・頭皮刺激、抜け毛、アレルギーなどを実質的に惹起しない、安全性の高い化粧料である。
以上述べたとおり、本発明の化粧料は、皮膚及び毛髪に対する保湿・整髪作用を有する成分として、天然由来の成分を主体とする、安全性の高い化粧料であって、皮膚・頭皮にアレルギーを惹起したり、発毛・育毛を妨げる化学合成成分や、皮膚・頭皮刺激、抜け毛などの原因となる化学合成成分を実質的に含まない、皮膚及び毛髪用化粧料である。
本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のある発明である。

Claims (6)

  1. オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物をアルコール水溶液にて抽出して得られる抽出物を有効成分として含む、保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料。
  2. 微生物が、栄養培地中で培養して得られた湿菌体又はそれを乾燥して得られた乾燥菌体であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚及び毛髪用化粧料。
  3. アルコール水溶液が、エタノール濃度50%(v/v)以上のエタノール水溶液であるか、エタノール濃度50%(v/v)以上のアラゴナイト抽出物含有エタノール水溶液であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚及び毛髪用化粧料。
  4. 2−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)アミノ]エテニル]−1−エチル−6−メチルピリジニウムアイオダイド、ピロクトンオラミン、ホホバオイル、ハーブエキス、マルトース、マルチトール、ラクトスクロース、α,α−トレハロース、α−グリコシル α,α−トレハロース、環状オリゴ糖、ルチン、α−グリコシル ルチン、ヘスペリジン、α−グリコシル ヘスペリジン、ナリンジン、α−グリコシル ナリンジン、ケルセチン、α−グリコシル ケルセチン、α−グリコシル−L−アスコルビン酸、及びミネラルから選ばれる一種又は二種以上の成分を更に含んでなる請求項1乃至3のいずれかに記載の皮膚及び毛髪用化粧料。
  5. (a)オーレオバシディウム属、バチルス属、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピチア属、ハンセヌラ属、クルイベロミセス属、ブレラ属、クロエケラ属、ロドトルラ属、及びスポロボロミセス属に属する微生物から選ばれる一種又は二種以上の微生物を栄養培地中で培養する工程;(b)工程(a)で得られた湿菌体をそのまま、又は、工程(a)で得られた湿菌体を乾燥して得られる乾燥菌体をアルコール水溶液で抽出する工程;及び(c)工程(b)で得られた抽出物を回収する工程を経由することを特徴とする、保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料の製造方法。
  6. アルコール水溶液が、エタノール濃度50%(v/v)以上のエタノール水溶液であるか、エタノール濃度50%(v/v)以上のアラゴナイト抽出物含有エタノール水溶液であることを特徴とする、請求項5に記載の皮膚及び毛髪用化粧料の製造方法。
JP2007265595A 2006-10-16 2007-10-11 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法 Withdrawn JP2008120792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007265595A JP2008120792A (ja) 2006-10-16 2007-10-11 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006281608 2006-10-16
JP2007265595A JP2008120792A (ja) 2006-10-16 2007-10-11 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008120792A true JP2008120792A (ja) 2008-05-29

Family

ID=39505928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007265595A Withdrawn JP2008120792A (ja) 2006-10-16 2007-10-11 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008120792A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142058A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Idemitsu Kosan Co Ltd Aureobasidiumpullulans菌体抽出物を含む多機能化粧品原料
WO2014185461A1 (ja) * 2013-05-15 2014-11-20 ライオン株式会社 育毛剤組成物
WO2015011750A1 (ja) * 2013-07-22 2015-01-29 株式会社コーセー 保湿剤
KR20170074786A (ko) * 2015-12-22 2017-06-30 박민선 사카로미세스속 효모분해 추출물을 함유한 두피 및 모발용의 외용도포제
CN107920981A (zh) * 2015-09-02 2018-04-17 株式会社林原 暗黄降低用皮肤外用剂
CN111789800A (zh) * 2020-08-14 2020-10-20 郑州凯莉莱生物科技有限公司 一种芦荟复合修复因子及其制备方法
CN115737454A (zh) * 2022-11-30 2023-03-07 何直源 一种双菌复合提取物及其制备方法与应用

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62205008A (ja) * 1986-03-05 1987-09-09 Bio Bai Daimaru:Kk 化粧品等の添加剤
JP2000034219A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2002265326A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
JP2003113097A (ja) * 2001-10-02 2003-04-18 Onaka Yasushi アウレオバシジウム培養液を含有する外用剤
JP2004002484A (ja) * 2003-09-29 2004-01-08 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
JP2004269408A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Aureo Co Ltd 皮膚用保湿剤
WO2006044482A2 (en) * 2004-10-13 2006-04-27 Arch Personal Care Products, L.P. Personal care composition containing ozone-stressed yeast lysates
JP2007008885A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Nippon Menaade Keshohin Kk 育毛剤

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62205008A (ja) * 1986-03-05 1987-09-09 Bio Bai Daimaru:Kk 化粧品等の添加剤
JP2000034219A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2002265326A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
JP2003113097A (ja) * 2001-10-02 2003-04-18 Onaka Yasushi アウレオバシジウム培養液を含有する外用剤
JP2004269408A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Aureo Co Ltd 皮膚用保湿剤
JP2004002484A (ja) * 2003-09-29 2004-01-08 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
WO2006044482A2 (en) * 2004-10-13 2006-04-27 Arch Personal Care Products, L.P. Personal care composition containing ozone-stressed yeast lysates
JP2007008885A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Nippon Menaade Keshohin Kk 育毛剤

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142058A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Idemitsu Kosan Co Ltd Aureobasidiumpullulans菌体抽出物を含む多機能化粧品原料
WO2014185461A1 (ja) * 2013-05-15 2014-11-20 ライオン株式会社 育毛剤組成物
WO2015011750A1 (ja) * 2013-07-22 2015-01-29 株式会社コーセー 保湿剤
WO2015012198A1 (ja) * 2013-07-22 2015-01-29 株式会社コーセー 保湿剤
JPWO2015012198A1 (ja) * 2013-07-22 2017-03-02 株式会社コーセー 保湿剤
CN107920981A (zh) * 2015-09-02 2018-04-17 株式会社林原 暗黄降低用皮肤外用剂
KR20170074786A (ko) * 2015-12-22 2017-06-30 박민선 사카로미세스속 효모분해 추출물을 함유한 두피 및 모발용의 외용도포제
KR101888419B1 (ko) 2015-12-22 2018-08-14 박민선 사카로미세스속 효모분해 추출물을 함유한 두피 및 모발용의 외용도포제
CN111789800A (zh) * 2020-08-14 2020-10-20 郑州凯莉莱生物科技有限公司 一种芦荟复合修复因子及其制备方法
CN115737454A (zh) * 2022-11-30 2023-03-07 何直源 一种双菌复合提取物及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102112106B (zh) 包含经发酵和酶处理的绿豆种子提取物、用于皮肤抗老化的化妆品组合物
KR101217382B1 (ko) α,α-트레할로오스의 당질 유도체를 함유하는 것을 특징으로 하는 피부 외용제
JP2008120792A (ja) 保湿・整髪作用を有する皮膚及び毛髪用化粧料とその製造方法
WO2008026318A1 (en) Anti-wrinkle agent
KR102006708B1 (ko) 산양삼을 이용한 비누 조성물 및 이를 포함하는 비누
TW201105362A (en) Collagen production enhancer, and external composition for skin and cosmetic each comprising same
CN107822945A (zh) 一种赛天然酵母组合物、制备方法及在化妆品中应用
WO2018123828A1 (ja) 発酵物及びその製造方法
KR101765856B1 (ko) 녹용 추출물을 유효성분으로 하는 클렌징 화장료 조성물
JP2006219432A (ja) 肌荒れ防止作用を有する組成物および化粧料、飲料
JP7090191B2 (ja) 老化を防止し、しわを取り、肌のバリアを修復する発酵液及びその製造方法
KR101292274B1 (ko) 주름개선용 화장료 조성물
CN102802603A (zh) 胶原产生减少抑制剂、包含该胶原产生减少抑制剂的皮肤外用组合物和化妆品
KR20190045455A (ko) 갈대 추출물의 발효물을 함유하는 화장료 조성물
JP2012184180A (ja) 保湿剤およびその製造方法ならびに当該保湿剤からなる化粧料
JP2003261424A (ja) 養毛・育毛剤
JPS61158912A (ja) 皮膚改善用組成物
KR101806007B1 (ko) 나노화된 천연 성분이 함유된 화장료 조성물의 제조방법 및 그 제조방법을 통해 제조되는 화장료 조성물
KR101997231B1 (ko) 효소반응을 이용하여 제조된 꿀 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
KR102039883B1 (ko) 코코넛 슈가 발효물을 포함하는 화장료 조성물 및 이의 제조방법
JP2009102242A (ja) 美白剤、及び美白用皮膚外用剤
JP2009234976A (ja) 細胞賦活剤、及び老化防止用皮膚外用剤
KR101715194B1 (ko) 누룩으로부터 코직산 발현 및 농축추출방법
JP2003113097A (ja) アウレオバシジウム培養液を含有する外用剤
JP2006298835A (ja) 整髪剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120511

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120514