JPH0730005B2 - 一対の鏡像異性体からなる結晶物質の収量の増大方法,一対の鏡像異性体及びこれを含有する殺虫剤組成物 - Google Patents

一対の鏡像異性体からなる結晶物質の収量の増大方法,一対の鏡像異性体及びこれを含有する殺虫剤組成物

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JPH0730005B2
JPH0730005B2 JP60157114A JP15711485A JPH0730005B2 JP H0730005 B2 JPH0730005 B2 JP H0730005B2 JP 60157114 A JP60157114 A JP 60157114A JP 15711485 A JP15711485 A JP 15711485A JP H0730005 B2 JPH0730005 B2 JP H0730005B2
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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N53/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing cyclopropane carboxylic acids or derivatives thereof

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は2種の異性体のラセミ混合物からなる新規な殺
虫活性化合物に関する。
欧州特許出願公告第0008340号公報には(±)−α−シ
アノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル(±)ci
s/trans−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1
−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ン カルボキシレートなる化合物の製造が記載されてい
る。この化合物は特定化されていないcisおよびtrans異
性体の混合物として記載されている;この化合物につい
ては8種のcis−異性体と8個のtrans−異性体とが存在
し得る。
本発明によれば(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3
−フエノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロ
ロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)
−2,2−ジメチルシクロプロパン カルボキシレートと
その鏡像体である(R)−α−シアノ−4−フルオロ−
3−フエノキシベンジル(1S,cis)−3−(Z−2−ク
ロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパン カルボキシレー
トから形成されたラセミ化合物(racemate)の形の2種
の異性体(以下、これを“ラセミ化合物”と称する)だ
けからなり、上記化合物の他の異性体を実質的に含有し
ていない新規な殺虫剤化合物が提供される。
“ラセミ化合物”は異性体の混合物、例えば、(1RS,ci
s)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1
−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ン カルボン酸を(RS)−4−フルオロ−3−フエノキ
シベンズアルデヒド シアンヒドリンでエステル化する
ことにより得られる4種の異性体からなる生成物をクロ
マトグラフイーで分離することにより製造し得る。上記
シアンヒドリンは4−フルオロ−3−フエノキシベンズ
アルデヒドと酸クロライドとを、アルカリ金属シアナイ
ドと水および場合により相間移動触媒例えばテトラアル
キルアンモニウムハライドのごときオニウム塩と有機溶
剤の存在下で反応させることにより最も好都合に製造し
得る。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル基に
Z−立体配置を有する4種のcis異性体のみからなる前
記生成物は文献に記載されておらず従つて本発明の一部
を構成する;以下においてはこれを“出発原料”と称す
る。この“出発原料”それ自体、従来公知のcisおよびt
rans異性体の混合物より大きな殺虫効果を有する強力な
殺虫剤である。しかしながら、前記の2種の単一異性体
(singleisomer)からなる“ラセミ化合物”は更に効果
的な殺虫剤化合物である。
前記で使用した“他の異性体を実質的に含有していな
い”という用語は、“ラセミ化合物”を含有する前記生
成物が、前記他の異性体を10重量%以下の量で含有して
いることを意味する。
“ラセミ化合物”のクロマトグラフイーによる分離は高
性能液体クロマトグラフイー法により行い得る。シリカ
カラムを使用し、例えばn−ヘキサンのごときアルカン
と、例えば酢酸エチルのごときより極性の物質との混合
物を使用して溶離することが好ましい。
“ラセミ化合物”は結晶化を行うことにより結晶の形で
も取得し得る。
この方法によれば、ラセミ化合物の割合の一対の鏡像異
性体、すなわち、(S)−α−シアノ−4−フルオロ−
3−フエノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−ク
ロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパン カルボキシレー
トおよび(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエ
ノキシベンジル(1S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−
ジメチルシクロプロパン カルボキシレートから本質的
になりかつα−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシ
ベンジル−3−(2−クロロ3,3,3−トリフルオロ−1
−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ン カルボキシレートの他の異性体を実質的に含有して
いない結晶物質(以下“結晶物質”と称する)を得る方
法であつて、かつ、つぎの工程: (a) 炭素数6個までの低級アルカノールおよび炭素
数8個までの液体アルカンから選ばれた有機溶剤を使用
して、前記“出発原料”の濃厚溶液であつてかつ上記
“出発原料”と溶剤とを約1:2〜約1:4の重量比で含有す
る溶液を形成し、 (b) 上記溶液の温度を17℃〜20℃の温度に調節しか
つこの溶液に一対の鏡像異性体の結晶を所定の量添加
し、そして、添加した結晶をその後、固体の非溶解状態
に保持し、 (c) 上記溶液を、この溶液から結晶物質を沈澱させ
るのに十分な時間、前記温度に保持し、 (d) 沈澱した結晶物質を溶液から分離しついで (e) 場合により、必要に応じて、結晶物質を再結晶
させる工程を行う方法が提供される。
上記において“他の異性体を実質的に含有していない”
という用語は、他の異性体の合計重量が“結晶物質”の
10重量%以下であることを意味する。
アルカノール系溶剤として好ましいものはエタノール、
iso−プロパノール、ブタン−1−オール、ブタン−2
−オール、ペンタン−1−オールおよびiso−プロパノ
ール/t−ブタノール(1:1)混合物、iso−プロパノール
/1,2−エタンジオール(2:1)混合物である。特に好ま
しいものはiso−プロパノールである。液体アルカン系
溶剤として好ましいものはn−ヘキサンおよびn−ヘプ
タンである。
“濃厚溶液”という用語は“出発原料”と溶液とを好ま
しくは1:2〜1:4、最も好ましくは1:3の重量比で含有す
る溶液を意味する。
前記方法で使用される“出発原料”は、対応するtrans
異性体と(E)−異性体を10重量%まで含有し得る。純
度が少なくとも95%の“出発原料”を使用することは、
これを使用することによつて高収率でかつ高純度の“結
晶物質”が得られるという理由で好ましい。
前記方法は一対の鏡像異性体を所要量添加して行われ
る。このことは溶液から“結晶物質”を沈澱させるため
の絶対的条件であると考えられる。添加するのに十分な
純度を有する一対の鏡像異性体は、“出発原料”を前記
したごとき高性能液体クロマトグラフイー(HPLC)にか
けて、所望の一対の鏡像異性体を他の異性体から分離す
ることにより取得し得る。
前記方法は、必要に応じて僅かに加温して溶液を調製し
ついで実質的な量の“結晶物質”を晶出させる時間、上
記溶液を17〜20℃に冷却することにより行われる。この
方法の変法においては、未溶解結晶と少量の溶剤との混
合物に濃厚溶液を添加する;その際、添加速度は“結晶
物質”の析出速度に応じて調節する。添加時間は添加す
べき溶液の容量に応じて、数時間〜数日(例えば10日ま
で)の間で変動させ得る。
“結晶物質”を晶出させる温度は臨界的である。17℃以
下の温度では沈澱は希望しない異性体を包含する;一
方、20℃以上の温度では、使用した濃度において沈澱が
生起しない。
“結晶物質”がこれと共沈し得る他の異性体を含有しな
いようにするために再結晶を行う必要があるときは、こ
の再結晶は任意の適当な溶剤、例えば“結晶物質”を得
るための方法で有用なものとして先に挙げた溶剤を使用
して行い得る。
前記方法の少なくとも工程(c)を塩基の存在下で行つ
た場合には“結晶物質”の収量を実質的に増大させ得
る。この収量の増加は、一対の鏡像異性体、すなわち、
(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベ
ンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチ
ルシクロプロパン カルボキシレートおよび(S)−α
−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル(1
S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプ
ロパン カルボキシレートをエピ化(epimerisation)
により転化させて、一対の鏡像異性体、すなわち、
(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベ
ンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチ
ルシクロプロパン カルボキシレートおよび(R)−α
−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル(1
S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプ
ロパン カルボキシレートを溶解した状態で生成させる
ことに基づくものであり、後者の化合物を後に“結晶物
質”として溶液から沈澱させる。
従つて本発明の一態様によれば、一対の鏡像異性体、す
なわち、(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエ
ノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−
ジメチルシクロプロパン カルボキシレートおよび
(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベ
ンジル(1S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチ
ルシクロプロパン カルボキシレートの有機溶剤中の溶
液に塩基を作用させてエピ化を行うことを特徴とする、
α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル3
−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロ
ペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパン カ
ルボキシレートの溶液中の、一対の鏡像異性体、すなわ
ち、(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキ
シベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3
−トリフルオロ−1−プロパン−1イル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパン カルボキシレートおよび(R)−
α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル
(1S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフル
オロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシク
ロプロパン カルボキシレートの富化方法が提供され
る。
前記で規定したごときアルコールは上記方法で使用する
のに適当な溶剤である。イソプロパノールは特に好まし
い。塩基は反応条件下で安定な有機および無機塩基の任
意のものであり得る。有機塩基、特に第2級および第3
級アミンおよび複素環式アミン、例えばトリエチルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミンおよび2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンは有用である。エピ化が
高度に行われしかも前記方法を行う際の“出発原料”の
分解を最少限にし得るという理由でジイソプロピルアミ
ンが特に好ましい。この分解は主として、溶剤としての
アルコールとの間で生起する、塩基により促進されるエ
ステル交換に基づくものである。他の有用な塩基は1H−
1,5,9−トリアザビシクロ−〔4,4,0〕−9−デセンであ
る。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物および炭
酸塩およびアルカリ金属と酢酸のごとき弱有機酸との塩
のごとき無機塩基も有用である。無水炭酸カリウムおよ
び酢酸カリウムは時に好ましい。例えば本発明の方法の
好ましい一態様においては、“出発原料”の溶液を無水
炭酸カリウムを含有するカラムを通過させることにより
エピ化を行う。
前記本発明の方法は前記“結晶物質”を前記の方法で晶
出させた母液の富化を行うのに特に有用である。富化と
晶出とを組合せることにより、存在する“出発原料”の
全てを所望の一対の鏡像体として効果的に回収し得る。
従つて本発明の他の要旨によれば、 (a) 炭素数6個までの低級アルカノールおよび炭素
数5〜8個の液体アルカンから選ばれた有機溶剤を使用
して、前記“出発原料”の濃厚溶液であつてかつ上記
“出発原料”と溶剤とを約1:2〜約1:4の重量比で含有す
る溶液を形成し、 (b) 上記溶液の温度を17℃〜20℃の温度に調節しか
つこの溶液に一対の鏡像異性体の結晶を所定の量添加
し、そして、添加した結晶をその後、固体の非溶解状態
に保持し、 (c) 上記溶液を、この溶液から結晶物質を沈澱させ
るのに十分な時間、前記温度に保持し、 (d) 沈澱した結晶物質を溶液から分離しついで (e) 場合により、必要に応じて、結晶物質を再結晶
させる工程を行うことを特徴とする、前記“結晶物質”
を得るための改善された方法が提供される。
本発明の方法の変法においては、すでに塩基を含有する
“出発原料”の溶液を、種結晶と少量の溶剤との混合物
に撹拌下、徐々に添加し得る。
“結晶物質”は例えば60〜70℃の融点を有する白色結晶
物質である。“ラセミ化合物”に関して少なくとも99%
の純度を有する“結晶物質”は66.5〜67℃の融点を有す
る。
“ラセミ化合物”は有害昆虫および他の無脊椎害虫、例
えばダニ類の蔓延を駆除するのに使用し得る。
本発明の組成物により駆除し得る昆虫およびダニは、農
業(この用語は食品および繊維用農作物の栽培、園芸お
よび家畜の飼育を包含する)、林業、植物から得られる
製品、例えば果物、穀物および材木の貯蔵の際に発生す
るものおよび人および動物の病気の伝染媒介となる害虫
を包含する。
“ラセミ化合物”を害虫の棲息場合に施すためには、通
常、この化合物を、殺虫活性成分の他に適当な不活性稀
釈剤または担体物質および(または)表面活性剤を含有
する組成物に製剤化する。該組成物はまた別の有害生物
防除物質、例えば他の殺虫剤又は殺ダニ剤又は殺カビ剤
を含有することもでき、あるいはまた例えばドデシルイ
ミダゾール、サフロキサン又はピペロニルブトキシドの
如き殺虫剤共力剤を含有することもできる。
前記の組成物は“ラセミ化合物”を固体の希釈剤又は担
体例えばカオリン、ベントナイト、ケイソウ土又はタル
クと混合した散布用粉末の形であるか又は“ラセミ化合
物”を多孔質の粒状物質例えば軽石、石膏又はトウモロ
コシ穂軸グリツト(corncob grit)に吸収させた顆粒の
形であることができる。顆粒は土壌に生息する有害生物
例えばデイアブロチカ(Diabrotica)属の根の害虫(ro
ot worms),根切り虫〔アグロチス(Agrotis)種〕お
よびワイヤワーム(wireworm)〔アグリオチス(Agriot
is)種〕を撲滅するのに特に有用である。顆粒は、例え
ば揮発性溶剤中に“ラセミ化合物”を溶解させた溶液を
顆粒に噴霧しついで顆粒表面から溶剤を蒸発させること
により顆粒に吸収させた“ラセミ化合物”を1〜2.5重
量%含有していることが好ましい。上記溶液は他の成分
例えば“ラセミ化合物”の顆粒からの放出速度を調節す
るための樹脂または顆粒の早期の崩壊を防止するための
樹脂を含有し得る。顆粒は作物の列を作るための畝の間
の帯状帯域の土壌に施すかあるいはばらまくことがで
き、あるいは所望ならば土壌中に軽く混入することがで
き、また、作物を植付ける際に畝自体中に混入すること
ができる。害虫を駆除するためには通常顆粒を5〜25ポ
ンド/エーカー(約5〜25kg/ヘクタール)の割合で施
せば十分であるが、好ましい割合は“ラセミ化合物”に
基づいて8〜15ポンド/エーカー(約8〜15kg/ヘクタ
ール)である。
別法として、前記組成物は浸漬液又は噴霧液として用い
るべき液剤の形であることができ、該液剤は一般に1種
又はそれ以上の既知の湿潤剤、分散剤又は乳化剤(表面
活性剤)を含有する“ラセミ化合物”の水性分散液又は
乳液である。
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は陽イオン型、陰イオン型又
は非イオン型のものであり得る。陽イオン型の適当な薬
剤としては、例えば第四級アンモニウム化合物、例えば
セチルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられ
る。適当な陰イオン型の薬剤としては、例えば石ケン、
硫酸の脂肪族モノエステルの塩、例えばラウリル硫酸ナ
トリウム、スルホン化芳香族化合物の塩、例えばドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナ
トリウム、リグノスルホン酸カルシウム又はリグノスル
ホン酸アンモニウム、スルホン酸ブチルナフタレン及び
ジイソプロピル−及びトリイソプロピルナフタレンスル
ホネートのナトリウム塩の混合物が挙げられる。適当な
非イオン型の薬剤としては、例えばエチレンオキシドま
たはプロピレンオキシドとオレイルアルコール又はセチ
ルアルコールの如き脂肪アルコールとの縮合生成物、又
はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとオクチ
ルフエノール、ノニルフエノール及びオクチルクレゾー
ルの如きアルキルフエノールとの縮合生成物が挙げられ
る。他の非イオン薬剤は長鎖脂肪酸とヘキシトール無水
物とから誘導した部分エステル、該部分エステルとエチ
レンオキシド、プロピレンオキシドとの縮合生成物及び
レシチンである。
前記の組成物は、“ラセミ化合物”を適当な溶剤例えば
ジアセトンアルコールの如きケトン溶剤又はトリメチル
ベンゼンの如き芳香族溶剤に溶解させ、かくして得られ
た混合物を1種又はそれ以上の既知の湿潤剤、分散剤又
は乳化剤を含有し得る水に加えることにより製造し得
る。他の適当な有機溶剤はジメチルホルムアミド、エチ
レンジクロライド、イソプロピルアルコール、プロピレ
ングリコール及び他のグリコール、ジアセトンアルコー
ル、トルエン、ケロセン、白油、メチルナフタレン、キ
シレン及びトリクロロエチレン、N−メチル−2−ピロ
リドン及びテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)
である。
噴霧液として用いるべき組成物はフルオロトリクロロメ
タン又はジクロロジフルオロメタンの如き噴射剤の存在
下に製剤を加圧容器中に保持したエーロゾルの形である
こともできる。
水性分散液又は乳液の形で用いられるべき組成物は一般
に、1種又はそれ以上の“ラセミ化合物”を高い割合で
含有する濃厚液の形で供給され、該濃厚液は使用前に希
釈するものである。これらの濃厚液は長期間の貯蔵に耐
えることが必要とされ、しかもこのような貯蔵後に水で
稀釈して慣用の噴霧装置により施用し得るのに十分な時
間均質なまゝである水性液剤を形成することができるこ
とが必要とされることが多い。該濃厚液は1種又はそれ
以上の“ラセミ化合物”を10〜85重量%含有し得る。水
性製剤を形成するために稀釈した場合には、このような
製剤はこれらを用いようとする目的に応じて種々の量の
有効成分を含有し得る。農業又は園芸に使用する場合に
は、0.0001〜0.1重量%の“ラセミ化合物”を含有する
水性製剤が特に有用である。
使用に当つて前記組成物は農薬組成物を施用する既知の
手段の何れかにより例えば散布又は噴霧により、有害生
物自体、有害生物の発生した場所、有害生物の生育地又
は有害生物が蔓延し易い生長中の植物に施用される。
本発明の組成物は、下記に示すごとき種々の昆虫および
他の無脊椎害虫に対して大きな毒性を示す: アフイス フアバエ(Aphis fabae)アブラムシ(abhid
s) メゴウラ ビセアエ(Megoura viceac)アブラムシ(ap
hids) アエデス エジプヂ(Aedes aegypti)蚊(mosquitoe
s) デイスデルクス フアシアタス(Dysdercus fasciatu
s)キヤプシツド(capsids) ムスカ ドメスチカ(Musca domestica)家バエ(house
flies) ピエリス ブラシカ(Pieris brassicae)モンシロ蝶
(white butterfly),幼虫 プルテラ マクリペニス(Plutella maculipennis)菱
紋蛾(diamond back moth),幼虫 フアエドン コクレアリア(Phaedon cochleariae)カ
ラシナ甲虫(mustard beetle) テトラリウス シナバリヌス(Telarius cinnabarinu
s)赤グモダニ(carmine spider mite) アオニジエラ 種.(Aonidiella spp.)(scale insec
ts) トリアレウロイデス 種.(Trialeuroides spp.)白バ
エ(white flies) ブラツテラ ゲルマニカ(Blattella germanica)ゴキ
ブリ(cockroaches) スポドプテラ リテラリス(Spodoptera litteralis)
綿の木の害虫(cotton leaf worm) コルチオセテス テルミニフエラ(Chortiocetes termi
nifera)いなご(locusts) デイアブロチカ 種.(Diabrotica spp.)(rootworm
s) アグロチス種(Agrotis spp.)(根切り虫) 本発明の“ラセミ化合物”及びこれを含有する組成物は
それら自体綿花の鱗翅類の有害生物例えばスポドプテラ
種(Spodoptera spp・)及びヘリオシス種(Heliothis
spp・)を抑制するのに特に有用であることを示した。
前記化合物の特性により土壌に住む有害生物例えばデイ
アブロチカ種(Diabrotica spp・)を駆除するのに該化
合物を用いることが可能である。該化合物はまた場合に
より他の殺虫剤と組合せてハエの如き公衆衛生に有害な
駆除するのに使用し得る。該化合物はまた家畜に蔓延す
る害虫及びダニ類、例えばルシリアセリカタ(Lucilia
sericata)及びマダニ科のダニ例えばウシダニ(Boophi
lus spp・)マダニ(Ixodes spp・)、マダニ(Amblyom
ma spp・)ウシダニ(Rhipicephalus spp・)及びカク
マダニ(Dermaceutor spp・)を駆除するのに極めて有
用である。前記の化合物は有害生物の成虫、幼虫及び生
長の中間段階での有害生物の感受性種と耐性種とを駆除
するのに有効であり、局部投与、経口投与又は非経口投
与により有害生物の蔓延した宿主動物に施用し得る。
本発明を次の実施例により説明する。
実施例1 本実施例は(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フ
エノキシベルジル(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ
−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの製造
を示す。
(1RS,cis)−1−クロロカルボニル−3−(Z−2−
クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパン(0.52g)、4−フ
ルオロ−3−フエノキシベンズアルデヒド(0.43g)、
シアン化ナトリウム(98mg)、n−ヘキサン(5.3c
m3)、水(2.3cm3)およびテトラメチルアンモニウムヨ
ーダイド(10mg)からなる混合物を周囲温度(約250
℃)で16時間撹拌した。酢酸エチルで稀釈した後、混合
物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液で洗浄しついでブライ
ンで2回洗浄し、有機相を分離し、硫酸マグネシウム上
で乾燥し、過しついで減圧下で溶剤を蒸発させること
により液を濃縮した。残留油状物を調製カラムクロマ
トグラフイーにより精製した(シリカカラムは5容量%
の酢酸エチルを含有するn−へキサンついで10容量%の
酢酸エチルを含有するn−ヘキサンで溶離)。目的物質
を含有する留分をガス−クロマトグラフイー分析により
同定した(カラム温度225℃)。上記留分を嵩高にし(b
ulk)ついで溶剤を減圧下での蒸発により除去して目的
物質を非結晶性油状物として得た;この目的物質はクロ
ロトリフルオロプロペニル基にZ−立体配置を有する、
存在し得る4種のcis異性体の混合物の形で得られ、そ
して(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキ
シベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3
−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレートおよびその鏡像
体、(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキ
シベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3
−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレートの各々を29重量
%および(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエ
ノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレートおよびその鏡
像体、(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノ
キシベンジル(1S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,
3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレートの各々の18重量
%を含有しており、残りの6%は不純物と残留溶剤であ
つた。1 H nmr(CDCl3)δ:1.19−1.32(コンプレツクス,6H);
2.00(d,j=9Hz,1H);2.28(bdd.J=9,9,1H);6.22,6.3
3(s,1H),6.72−7.50(m,10H).19 F nmr(CDCl3)δ:−127.75(td,J=7.28,6.28,1
F);−69.32(s,3F). 赤外線吸収(液体パラフイン):1740,1650,1592,1510,1
490,1465,1370,1295,1270,1120,750cm-1 実施例2 本実施例は実施例1の生成物中に存在する2対の鏡像異
性体の分離を示す。
(i) 実施例1の生成物の少量の試料を、5cm分析用
シリカカラムを使用しかつ4容量%の酢酸エチルを含有
するn−ヘキサンにより1cm3/分の速度を溶離すること
により、高性能液体クロマトグラフイー(h.p.l.c.)分
離にかけた。6.39分および7.66分の滞留時間において、
4:1の相対的領域にそれぞれ、一対の異性体、(S)−
α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル
(1S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフル
オロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボキシレートおよびその鏡像体、(R)
−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベンジル
(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフル
オロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボキシレート(以下ラセミ化合物Aと称
する)および他の一対の異性体、(S)−α−シアノ−
4−フルオロ−3−フエノキシベンジル(1R,cis)−3
−(Z−2−クロロ3,3,3−トリフルオロ−1−プロペ
ン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレートおよびその鏡像体、(R)−α−シアノ−4
−フルオロ−3−フエノキシベンジル(1S,cis)3−
(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペ
ン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレート(以下、ラセミ化合物Bと称する)に対応す
る2つのピークが認められた。
(ii) (i)で述べた半・調製h.p.l.c装置と条件と
を使用して、実施例1の生成物のアリコート(各回2.5m
g)を連続的に分離した。合計で50mgのラセミ化合物A
(6重量%のラセミ化合物B含有)と15mgのラセミ化合
物B(7重量%のラセミ化合物A含有)を得た。
(iii) 調製h.p.l.c装置(Gilson)を使用して、前記
(i)の条件下で実施例1の生成物500mgを分離した。
純粋なラセミ化合物A(218mg)と、ラセミ化合物A(2
0重量%)とラセミ化合物B(80重量%)との混合物(6
3mg)が得られた。
2対のラセミ異性体はそのプロトンn.m.r.スペクトルに
より区別し得る。主な差異はつぎの通りである; Nmr(CDCl3)δ:ラセミ化合物A;1.32(s,6H);6.18
(s,1H) ラセミ化合物B;1.19(s,3H);1.32(s,3H);6.33(s,1
H). 実施例3 本実施例は(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フ
エノキシベンジル(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ
−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの製造
を示す。
ジメチルホルムアミド(0.5cm3)を含有する塩化チオニ
ル(90cm3)を、(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ−
3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(90.94g)とトル
エンとからなる撹拌されている混合物に周囲温度で添加
しついで得られた混合物を16時間更に撹拌し、その後、
揮発成分を減圧下で蒸発させて除去した。残留油状物は
赤外線吸収スペクトルから主として(1RS,cis)−1−
クロロカルボニル−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチ
ルシクロプロパンからなることが確認された。この油状
物を4−フルオロ−3−フエノキシベンズアルデヒド
(76.92g)と混合しそしてこの混合物をシアン化ナトリ
ウム(22.0g)と、1重量%の湿潤剤“Synperonic"NX
(登録商標)を含有する水(71cm3)とトルエン(32c
m3)とからなる35℃に保持された混合物に撹拌しながら
1時間に亘つて添加した。4時間撹拌した後、反応混合
物を周囲温度に冷却しついでジエチルエーテル(300c
m3)で抽出した。エーテル抽出物を炭酸水素ナトリウム
飽和溶液(100cm3)およびついでブライン(2×100c
m3)で洗浄しついで減圧下で蒸発させることにより濃縮
して(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキ
シベンジル(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3
−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレート(147g)を無色
油状物として得た。ガス−クロマトグラフイーによる分
析結果から生成物は純度が93%でありそして実施例1で
示した割合の4種のcis異性体からなることが認められ
た。
実施例4 本実施例は結晶化により“結晶物質”を製造しかつ母液
について“ラセミ化合物”の富化を行う方法を示す。
(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノキシベ
ンジル(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボキシレート(47.0g;実施例2の
方法により調製)と、ジイソプロピルアミン(3.5cm3
を含有する無水イソプロパノール(141cm3)とからなる
溶液を、ラセミ化合物の割合の(R)−α−シアノ−4
−フルオロ−3−フエノキシベンジル(1S,cis)−3−
(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペ
ン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレートおよび(S)−α−シアノ−4−フルオロ−
3−フエノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−ク
ロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
からなる結晶固体物質(1.0g)と無水イソプロパノール
(5.0cm3)とからなる混合物に温度を17.5℃に保持しな
がら添加した。添加終了後、混合物を更に24時間撹拌し
ついで固体沈澱物を過により捕集し、フイルター上で
無水イソプロパノール(5.0cm3,0℃に冷却)で洗浄しつ
いで乾燥して、ラセミ化合物の割合の(R)−α−シア
ノ−4−フルオロ−3−フエノキベンジル(1S,cis)−
3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プ
ロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキシレートおよび(S)−α−シアノ 4−フルオ
ロ−3−フエノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2
−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−
イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
トからなる結晶“結晶物質”(融点66.5−67.0)を得た
(19.0g,n.m.r分析による純度99%)。1 Hnmr(CDCl3)δ:1.199(s,3H);1.32(s,3H);2.0
(d,J=9Hz,1H);2.28(dd,J=9.9Hz,1H);6.33(s,1
H);6.72−7.50(m,10H).19 Fnmr(CDCl3)δ:−127.75(tdJ=7.28,6.28,1F); (84.26 MHz)−69.32(s,3F). 赤外線吸収スペクトル(KBr):1745,1652,1592,1513,14
95,1421,1305,1300,1275,1197,1137,1129,1082,820,80
5,752cm-1. 溶剤を減圧下で蒸発させることにより母液を濃縮し、残
渣を酢酸エチルに溶解し、溶液を水およびブラインで洗
浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥しついで溶剤を減
圧下で蒸発させることにより濃縮して、4種のcis異性
体を約1:1:1:1で含有する混合物を得た;このことは上
記方法を行う間に、母液が“ラセミ化合物”に関して全
体として富化されたことを示している。
実施例5 本実施例は公知の殺虫剤と比較した場合の、本発明の化
合物の改善された活性を示す。本発明の化合物のLC50
をヘリオシス ビレツセンス(Heliothis Virescens)
タバコバツドワーム(budworm);綿の重要な害虫)の
幼虫に対する試験により調べた;この試験は供試化合物
を種々の濃度(割合)(ppm)で含有する組成物を噴霧
することにより処理した葉の上に幼虫を置くことにより
行つた。死滅率を種々の割合において観察しそしてLC50
(存在する害虫の50%を死滅させるのに必要な濃度)を
算定した。得られた結果をLC50値の形と、シハロスリン
(Cyhalothrin;公知の殺虫剤)の活性に対する比率の形
で下記の表に示した;表中の数値は、より大きいものは
活性がより大きいことを示す。
*シハロスリン:(±)−α−シアノ−3−フエノキシ
ベンジル(±)−cis−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリ
フルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシレート +シフルスリン:(±)−α−シアノ−4−フルオロ−
3−フエノキシベンジル(±)−cis/trans−3−(2,2
−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキシレート なお、本発明は別の要旨としてつぎのものを包含する。
trans異性体または(E)−異性体を実質的に含有して
いない(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フエノ
キシベンジル(1RS,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07M 7:00 (56)参考文献 特開 昭57−112355(JP,A) 特開 昭57−95934(JP,A) 特開 昭52−131559(JP,A) 特開 昭52−148040(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラセミ化合物の割合の一対の鏡像異性体、
    即ち、(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノ
    キシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,
    3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
    メチルシクロプロパンカルボキシレート及び(R)−α
    −シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1
    S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
    −1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプ
    ロパンカルボキシレートから本質的になりかつα−シア
    ノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−3−(2
    −クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−
    イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
    トの他の異性体を実質的に含有していない結晶物質の収
    量を増大させる方法であって、かつ、次の工程: (a)炭素数6個までの低級アルカノールから選ばれた
    有機溶剤を用いて(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−
    3−フェノキシベンジル(1RS,cis)−3−(Z−2−
    クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
    ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
    の濃厚溶液を形成し、 (b)上記溶液の温度を17〜20℃の温度に調節しかつこ
    の溶液に一対の鏡像異性体の結晶を所定の量添加し、そ
    して、添加した結晶をその後、固体の非溶解状態に保持
    し、 (c)上記溶液を、この溶液から結晶物質を沈殿させる
    のに十分な時間、前記温度に保持し、 (d)沈殿した結晶物質を溶液から分離しついで (e)場合により、必要に応じて、結晶物質を再結晶さ
    せる工程を行う方法において、上記方法の少なくとも工
    程(c)を行う際に塩基を存在させ、それによって、一
    対の鏡像異性体、即ち、(R)−α−シアノ−4−フル
    オロ−3−フェノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−
    2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1
    −イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ
    ート及び(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェ
    ノキシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,
    3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−
    ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの少なくとも
    一部を一対の鏡像異性体、即ち、(S)−α−シアノ−
    4−フルオロ−3−フェノキイベンジル(1R,cis)−3
    −(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロ
    ペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカル
    ボキシレート及び(R)−α−シアノ−4−フルオロ−
    3−フェノキシベンジル(1S,cis)−3−(Z−2−ク
    ロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イ
    ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
    に転化させることを特徴とする、鏡像異性体からなる結
    晶物質の収量の増大方法。
  2. 【請求項2】溶液に塩基を存在させかつこの溶液を一対
    の鏡像異性体の非溶解結晶と有機溶剤の混合物に徐々に
    添加し、そして温度を17〜20℃に保持する、特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】ラセミ化合物の割合の一対の鏡像異性体、
    即ち、(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノ
    キシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,
    3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
    メチルシクロプロパンカルボキシレート及び(R)−α
    −シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1
    S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
    −1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプ
    ロパンカルボキシレートから本質的になりかつα−シア
    ノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−3−(2
    −クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−
    イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
    トの他の異性体を実質的に含有していない、鏡像異性体
    組成物。
  4. 【請求項4】60〜67℃の融点を有する結晶固体である特
    許請求の範囲第3項に記載の鏡像異性体。
  5. 【請求項5】ラセミ化合物の割合の一対の鏡像異性体、
    即ち、(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノ
    キシベンジル(1R,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,
    3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジ
    メチルシクロプロパンカルボキシレート及び(R)−α
    −シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1
    S,cis)−3−(Z−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
    −1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプ
    ロパンカルボキシレートから本質的になりかつα−シア
    ノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−3−(2
    −クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−
    イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
    トの他の異性体を実質的に含有していない一対の鏡像異
    性体と不活性稀釈剤又は担体とからなる殺虫剤組成物。
JP60157114A 1984-07-18 1985-07-18 一対の鏡像異性体からなる結晶物質の収量の増大方法,一対の鏡像異性体及びこれを含有する殺虫剤組成物 Expired - Lifetime JPH0730005B2 (ja)

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