JP5047441B2 - 鏡像異性体的に純粋なピレトロイド殺虫剤の調製のための方法 - Google Patents

鏡像異性体的に純粋なピレトロイド殺虫剤の調製のための方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、シクロプロパンカルボン酸エステルを製造するための方法、この方法で使用される中間体並びに殺虫剤及び殺ダニ剤の製造におけるこれらの使用に関する。
【0002】
シクロプロパンカルボン酸は、ピレトロイド殺虫剤及び殺ダニ剤の合成において有用である。特に重要なピレトロイド中間体は、以下の式(III):
【0003】
【化13】
【0004】
の化合物であり、式中、Yは、Cl又はBrであり、そしてZは、Cl、Br又はハロアルキル基である。
式(III)の化合物は、以下で検討されるように、以下の式(I):
【0005】
【化14】
【0006】
のある種の化合物に転換することができ、式中、Yは、Cl又はBrであり、Zは、Cl、Br又はハロアルキル基であり、そしてEは、4−アルキルテトラフルオロベンジルアルコール(特に4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール)、4−アルコキシテトラフルオロベンジルアルコール、α−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコール、3−フェノキシベンジルアルコール及び2−メチル−3−フェニルベンジルアルコールから誘導されるもののような殺虫的に活性なエステル部分である。
【0007】
式(III)の化合物が、いくつかの立体異性体の形態で存在することができることは、当業者によって認識されるものである。X及びYが異なる場合、合計8種類の可能な立体異性体に導く合計3個の立体中心が存在する。これらの異性体の4種類は、シクロプロパン環に対してcis立体配置を有し、そしてこれらの4種類は、transである。例えば4−アルキルテトラフルオロベンジルアルコール(特に4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール)、4−アルコキシテトラフルオロベンジルアルコール、α−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコール、3−フェノキシベンジルアルコール及び2−メチル−3−フェニルベンジルアルコールを伴なう、式(III)のcis−3−(ハロアルケニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は、重要な殺虫性及び殺ダニ性生成物であり、そしてこれらの酸は、このような生成物の製造において重要な中間体である。Y及びZが異なる場合、式(III)の化合物のそれぞれのcis型は、Z及びE異性体と名付けられる二つの幾何異性体を含んでなり、そしてY=Clであり、そしてZがハロアルキルである場合に好ましいものは、Z異性体である。更に、Y及びZが異なる場合、式(III)の化合物のそれぞれのcis−Z型は、時には光学異性体と呼ばれる二つの鏡像異性体を含んでなり、そして通常これらが面偏光を回転する方向の用語、(+)又は(−)のいずれかによって記載される。別の命名法は、シクロペンタン環のC1位の絶対配置、1R又は1Sのいずれかに基づく。ピレトロイドの酸の最も好ましい鏡像異性体は、cis 1R(+)鏡像異性体であり、これらが、優れた殺虫的活性を有するためである。然しながら、他の鏡像異性体も、更に1R trans Sサイパーメトリン(cypermethrin)(即ちY=Z=Cl)(WO97/14308及びJ.Environ.Sci.Health,Part B(1996)、B31(3),527)のように、高度に活性な殺虫剤を製造するために使用することができる。従ってある種のピレトロイド生成物を単一の鏡像異性体として又は鏡像異性体的に富化された形態で製造することが好ましい。
【0008】
単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された生成物を工業的規模での製造は、非常に複雑な手順である。単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された生成物の合成のための一つの方法は、所望する立体配置を含有する中間体を使用することである。例えば以下の式I’:
【0009】
【化15】
【0010】
の化合物(*によって示された3個の不斉炭素原子を含有する)を製造するために、合成法は、示されたように、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の、鏡像異性体の形態又は鏡像異性体的に富化された形態を使用することができ、式中、Xは、Cl又はBrのような脱離基であり;Y及びY1は、独立にCl又はBrであり;Zは、Cl、Br又はハロアルキル基であり、そしてRは、H又はアルキル基である。
【0011】
式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の、鏡像異性体の形態又は鏡像異性体的に富化された形態は、商業的には入所不可能であり、そして従って上記のラセミ化合物の一つを分割する方法を見出すことか好ましい。鏡像異性体の分割は、合成方法において可能な限り早く導入することが好ましい(経費及び産出の理由から)。従って、上記のスキームに示した方法において、単一の鏡像異性体に分割するために精選される化合物は、式(VII)の化合物であるものである。然しながら、式(VII)の化合物又は同様な化合物の分割のための既知の技術は、ジアステレオ異性体的誘導体を形成するために使用される基からこのように離れたキラル中心を持つ酸の分割が、未知でない場合、異常であるために存在しない。式(VII)の化合物を分割するためのいかなる方法にも伴なう一つの特別な困難は、以下のラクトン鏡像異性体(VIIIa)又は(VIIIb):
【0012】
【化16】
【0013】
を形成するカルボン酸塩のラクトン化を回避する必要性である。
本出願人は、式(VII)の化合物を、以下の式(VIIa)及び(VIIb):
【0014】
【化17】
【0015】
の化合物に、相当な量のラクトン(VIII)の形成なしに分割するための実際的な方法を考案し、式中、Xは脱離基であり;Y及びY1は、独立にCl又はBrであり;Zは、Cl、Br又はハロアルキル基である。式(VIIa)及び(VIIb)の両方の化合物は、活性なピレトロイド殺虫剤の製造のための出発点として使用することができる。最も好ましい立体配置を持つ化合物は、(−)鏡像異性体であることが見出されており、これは式(VIIa)の化合物である。X、Y及びY1がClであり、そしてZがCF3である式VIIaの化合物の立体配置は、本出願人によってX線結晶学を使用して確認されている(図1)。
【0016】
従って、以下の式(VIIa)及び(VIIb):
【0017】
【化18】
【0018】
の化合物を製造するための方法が提供され、式中、Xは脱離基であり;Y及びY1は、独立にCl又はBrであり;Zは、Cl、Br又はハロアルキル基であり、この方法は:
a)X、Y、Y1及びZが、化合物(VIIa)及び(VIIb)に対して定義した通りである、以下の式(VII):
【0019】
【化19】
【0020】
の化合物を、実質的に光学的に純粋なキラルなアミンと溶媒中で反応させて、ジアステレオ異性体の塩を形成し;
b)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を分離し;
c)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を、酸又は塩基の加水分解によって式(VIIa)及び(VIIb)の化合物にそれぞれ別個に転換すること;
を含んでなる。
【0021】
鏡像異性体の更なる精製は、必要な又は好ましい場合に行うことができる。
好ましい脱離基Xは、Cl又はBrである。
好ましいY及びY1は、Clである。
【0022】
Zは、好ましくはBr、Cl又はCF3、特にCl又はCF3、そして最も好ましくはCF3である。
工程b)の分離方法は、いかなる慣用的な手段、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィーによって達成することができる。好ましい方法において、ジアステレオ異性体の塩の分離は、異なった溶解度特質を持つジアステレオ異性体の塩を与える、キラルなアミンの選択によって達成される。結果として、二つのジアステレオ異性体の塩は、別個の溶媒系に押しやられ、鏡像異性体の塩の一つは反応物の母液中に残され、一方他方は除去される。
【0023】
本明細書の文章において、それぞれのアルキル部分は、C1−C6直鎖又は分枝鎖であり、そして例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル又はネオ−ペンチルである。好ましいアルキル基は、メチル及びエチルである。
【0024】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
ハロアルキル基は、一つ又はそれより多い同一又は異なったハロゲン原子で置換されているアルキル基であり、そして例えばCF3、CF2Cl、CF3CH2又はCHF2CH2であり、そして特に好ましい基はCF3である。
【0025】
この方法で使用するために適したアミンは、R(+)−アルファメチルベンジルアミン及び(1S,2R)−1−アミノ−2−インダノールであり、そして好ましいアミンは、R(+)−アルファメチルベンジルアミンである。アミンと酸(VII)の好ましいモル比は、0.4−0.6、更に好ましくは0.5−0.55である。
【0026】
この方法の工程a)のために適した溶媒は、水/メタノール、トルエンのような非プロトン性溶媒及び酢酸エチル又は酢酸イソプロピルのようなエステルである。
【0027】
好ましい溶媒は、非プロトン性溶媒、そして特に酢酸イソプロピルのようなエステルである。
工程a)の方法は、0−80℃、好ましくは25−65℃間で行われる。
【0028】
工程c)の方法は、酸又は塩基を使用して、ジアステレオ異性体の塩の解離を行うことができるが、しかし好ましくは塩酸のような無機酸を使用した酸により行われる。
【0029】
遊離の酸の単離は、濾過或いはジクロロメタンのようなハロアルカン、トルエンのような非プロトン性溶媒、ヘキサンのような脂肪族又は酢酸のようなエステルであることができる溶媒中への抽出によることができる。工程c)の方法は、0−50℃、好ましくは20−30℃で行われる。
【0030】
分割された酸の更なる精製が必要な場合、これは、再結晶化のような標準的な方法によって行うことができる。適した溶媒は、ヘキサン、イソヘキサン又は石油エーテルのような脂肪族或いはトルエンのような芳香族溶媒を含む。最も好ましくは溶媒は、ヘキサン又はイソヘキサンである。
【0031】
精製は、精選された溶媒にもよるが、0−100℃、好ましくは20−30℃で行われる。
本出願人は、更に式(VII)の化合物の(−)−鏡像異性体を、式(III)の化合物の(+)cis型(最高の殺虫的活性を持つ化合物を製造するために必要な立体配置)に転換することに成功し、本発明の方法によって得られた立体配置が、その後の反応において保存されることを証明した。式(III)の化合物の(+)cis型が、事実上は以下の式(IIIa):
【0032】
【化20】
【0033】
の1R cis鏡像異性体であり、これは最終的に1R立体配置を持つ以下の式Ia:
【0034】
【化21】
【0035】
の所望するピレトロイド生成物に転換可能であることはすでに知られており、ここで、Y及びZは、上記の式(VII)に対して定義した通りであり、そしてEは、4−アルキルテトラフルオロベンジルアルコール(特に4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール)、4−アルコキシテトラフルオロベンジルアルコール、α−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコール、3−フェノキシベンジルアルコール及び2−メチル−3−フェニルベンジルアルコールから誘導されるもの(D Arlt et al,Ang,Chem.Int.Ed.Engl.20,703,(1981))のような殺虫的に活性なエステル部分である。
【0036】
従って本発明の更なる側面において、Xが、Cl又はBrのような脱離基であり;Y及びY1が、独立にCl又はBrであり;そしてZが、Cl、Br又はハロアルキル基である、式(VI)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(VII)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の塩素化による方法が提供される。
【0037】
本発明のなお更なる側面において、Xが、Cl又はBrのような脱離基であり;Y及びY1が、独立にCl又はBrであり;Zが、Cl、Br又はハロアルキル基であり、そしてRがアルキル基である、式(V)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(VI)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物のエステル化による方法が提供される。
【0038】
本発明の更なる側面において、Y及びY1が、独立にCl又はBrであり;Zが、Cl、Br又はハロアルキル基であり、そしてRがアルキル基である、式(IV)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(V)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の環化による方法が提供される。
【0039】
本発明のなお更なる側面において、Yが、Cl又はBrであり;そしてZが、Cl、Br又はハロアルキル基である、式(III)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(IV)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の加水分解及び脱塩化水素による方法が提供される。
【0040】
本発明の更なる側面において、Yが、Cl又はBrであり;そしてZが、Cl、Br又はハロアルキル基である、式(II)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(III)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の塩素化による方法が提供される。
【0041】
本発明のなお更なる側面において、Yが、Cl又はBrであり;Zが、Cl、Br又はハロアルキル基であり、そしてEが、殺虫的に活性なエステル部分である、式(I)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物の調製のための、式(II)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物のエステル化による方法が提供される。
【0042】
式VIIの化合物を、式Iの化合物に転換する個々の工程は、当技術において既知であるか、又は当業者にとって容易に利用可能であるものである。従って式VIIの化合物又はその鏡像異性体は、‘March 4th Edition−p437−38 and p392’に記載されているように、塩素化剤との反応によって式VIの化合物又はその鏡像異性体に、そして次いで式(V)の化合物にエステル化され、それぞれ転換することができる。
【0043】
式(V)の化合物の(−)鏡像異性体は、必要とする以下の式(IVa):
【0044】
【化22】
【0045】
の(+)鏡像異性体を得るために、例えば欧州特許出願EP−A−51355又はEP−A−3683中で与えられている条件を使用して転換することができる。式(IVb)の他の鏡像異性体は、(V)の(+)鏡像異性体から同様な様式で調製することができる。
【0046】
以下の式(IIIa):
【0047】
【化23】
【0048】
の1R cis化合物(+鏡像異性体)は、式(IVa)の化合物(+鏡像異性体)を、標準的な技術によって、例えば式(IIIa)の化合物を与える米国特許第4,238,505号に記載されているように、脱塩化水素し、そして加水分解することによって調製することができる。式(IVb)の化合物は、同様な様式で式(IIIb)の化合物に転換することができる。
【0049】
式(IIIa)の1R(+)鏡像異性体は、‘March 4th Edition−p437−38’のような標準的方法によって、以下の式(IIa):
【0050】
【化24】
【0051】
の1R cis酸の塩素化化合物に転換することができる。同様に式IIIbの化合物は、同様な方法によって式IIbの化合物に転換することができる。
式Iaの1R化合物は、式(IIa)の化合物の、例えばEP−A−31199に与えられているような、適当なアルコールとの反応によって調製することができる。
【0052】
式(VII)、(VI)(V)の化合物の(−)鏡像異性体及び(+)鏡像異性体並びに式(IV)のある種の化合物は新規であり、そしてこれら自体本発明の更なる側面を形成する。
【0053】
好ましくは式(VII)、(VI)、(V)及び(IV)の化合物の鏡像異性体は、90%より大きい、更に好ましくは98%より大きい鏡像体余剰を有する。
【0054】
“鏡像体余剰”の用語は:
(多い鏡像異性体%)−(少ない鏡像異性体%)
(多い鏡像異性体%)+(少ない鏡像異性体%)
として定義される。
【0055】
式(I)のある種の化合物も、更に新規であり、そして本発明のなおもう一つの側面を形成する。
式(I)の化合物は、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅目、直翅目、網翅目、鞘翅目、隠翅目、膜翅目及び等翅目のような昆虫の病害虫、そして更に他の無脊椎病害虫、例えばダニ、線虫及び軟体動物の病害虫の蔓延と戦い、そして抑制するために使用することができる。昆虫、ダニ、線虫及び軟体動物は、本明細書中で以下集合的に病害虫と呼ばれる。本発明の化合物の使用によって戦い、そして抑制することができる病害虫は、農業(この用語は食品及び繊維産物のための農作物の育成を含む)、園芸及び動物農業、伴侶動物、林業並びに植物由来の産物(果物、穀物及び木材のような)の保存に伴なう病害虫;人工構築物の損傷並びにヒト及び動物の疾病の伝達に伴なう病害虫;そして更に有害な病害虫(ハエのような)を含む。
【0056】
式(I)の化合物によって抑制することができる病害虫種の例は:Myzus persicae(アリマキ)、Aphis gossypii(アリマキ)、Aphis fabae(アリマキ)、Lygus種(メクラガメ)、Dysdercus種(メクラガメ)、Nilaparvata lugens(ウンカ)、Nephotettixc incticeps(ヨコバイ)、Nezara種(カメムシ)、Euschistus種(カメムシ)、Leptocorisa種(カメムシ)、Frankliniella occidentalis(アザミウマ)、Thrips種(アザミウマ)、Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)、Anthonomus grandis(メキシコワタミゾウムシ)、Aonidiella種(カイガラムシ)、Trialeurodes種(コナジラミ)、Bemisia tabaci(コナジラミ)、Ostrinia nubilalis(アワノメイガ)、Spodoptera littoralis(ヤガの幼虫)、Heliothis virescens(オオタバコガの幼虫)、Hericoverpa armigera(綿の身を食するガの幼虫)、Helicoverpa zea(綿の身を食するガの幼虫)、Sylepta derogata(綿のハマキムシ)、Pieris brassicae(白い蝶)、Plutella xylostella(コナガ)、Agrotis種(ネキリムシ)、Chilo suppressalis(コメのカミキリムシの幼虫)、Locusta migratoria(イナゴ)、Chortiocetes terminifera(イナゴ)、Diabrotica種(ネキリムシ)、Panonychus ulmi(リンゴハダニ)、Panonychus citri(ミカンハダニ)、Tetranychus urticae(ナミハダニ)、Tetranychus cinnabarinus(カルミンハダニ)、Phyllocoptruta oleivora(ミカンサビダニ)、Polyphagotarsonemus latus(幅広ダニ)、Brevipalpus種(平型ダニ)、Boophilus microplus(ウシダニ)、Dermacentor variabilis(アメリカイヌダニ)、Ctenocephalides fefis(ネコノミ)、Liriomyza種(ハモグリムシ)、Musca domestica(イエバエ)、Aedes aegypti(カ)、Anopheles種(カ)、Culex種(カ)、Lucillia種(クロバエ)、Blattella germanica(ゴキブリ)、Periplaneta americana(ゴキブリ)、Blatta orientalis(ゴキブリ)、Mastotermitidae(例えばMastotermes種)、Kalotermitidae(例えばNeotermes種)、Rhinotermitidae(例えばCoptotermes formosanus、Reticulitermes flavipes、R.speratu、R.virginicus、R.hesperus、及びR.santonesis)及びTermitidae(例えばGlobitermes sulphureus)のシロアリ、Solenopsis geminata(フシアリ)、Monomorium pharaonis(イエヒメアリ)、Damalinia種及びLinognathus種(刺し、そして吸血するシラミ)、Meloidogyne種(根瘤線虫)、Globodera種及びHeterodera種(包嚢線虫)、Pratylenchus種(病変線虫)、Rhodopholus種(バナナ潜伏線虫)、Tylenchulus種(ミカン線虫)、Haemonchus contortus(ネンテンイチュウ)、Caenorhabditis elegans(酢線虫)、Trichostrongylus種(毛様線虫)並びにDeroceras reticulatum(ナメクジ)を含む。
【0057】
従って本発明は、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に又は殺軟体動物的に有効な量の式(I)の新規な化合物若しくは式(I)の新規な化合物を含有する組成物を、病害虫に、病害虫の所在場所に、又は病害虫による攻撃に敏感な植物に適用することを含んでなる、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物と戦い、そして抑制する方法を提供する。式(I)の化合物は、好ましくは昆虫、ダニ又は線虫に対して使用される。
【0058】
式(I)の化合物を、病害虫に、病害虫の所在場所に、又は病害虫の攻撃に敏感な植物に適用するために、式(I)の化合物は、通常組成物中に処方され、これは、式(I)の化合物に加えて、適した不活性希釈剤又は担体及び、所望により、表面活性剤(SFA)を含む。SFAは、界面の張力を低下することによって、そしてこれによって他の特性(例えば分散、乳化及び湿潤)を変化させることに導く、界面(例えば液体/固体、液体/空気又は液体/液体の界面)の特性を改質することが可能な化学薬品である。全ての組成物(固体及び液体製剤の両方)が、重量で0.0001ないし95%、更に好ましくは1ないし85%、例えば5ないし60%の式(I)の化合物を含んでなることが好ましい。組成物は、一般的に病害虫の抑制に対して、式(I)の化合物が、ヘクタール当たり0.1gないし10kg、好ましくはヘクタール当たり1gないし6kg、更に好ましくはヘクタール当たり1gないし1kgの割合で適用されるように使用される。
【0059】
種子の仕上げに使用される場合、式(I)の化合物は、種子のキログラム当たり0.0001gないし10g(例えば0.001g又は0.05g)、好ましくは0.005gないし10g、更に好ましくは0.005gないし4gの割合で使用される。
【0060】
もう一つの側面において、本発明は、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に又は殺軟体動物的に有効な量の式(I)の新規な化合物及びそれに適した担体又は希釈剤を含んでなる、殺虫的、殺ダニ的、殺線虫的又は殺軟体動物的組成物を提供する。組成物は、好ましくは殺虫的、殺ダニ的、殺線虫的な組成物である。
【0061】
なお更なる側面において、本発明は、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に又は殺軟体動物的に有効な量の式(I)の新規な化合物を含んでなる組成物で、病害虫又は病害虫の所在場所を処理することを含んでなる、病害虫と所在場所で戦いそして抑制する方法を提供する。式(I)の化合物は、好ましくは昆虫、ダニ又は線虫に対して使用される。
【0062】
組成物は、散布用粉剤(DP)、可溶性粉剤(SP)、水溶性粒剤(SG)、水分散性粒剤(WG)、湿潤化性粉剤(WP)、粒剤(GR)(緩慢又は即時放出)、可溶性濃縮物(SL)、油混和性液体(OL)、超低体積液体(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、乳剤(水中油(EW)及び油中水(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁濃縮物(SC)、エアゾール、霧化/煙化製剤、カプセル化懸濁液(CS)及び種子処理製剤を含む多くの製剤の種類から精選することができる。精選される製剤の種類は、いかなる場合も、構想する特定の目的並びに式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性によるものである。
【0063】
散布用粉剤(DP)は、式(I)の化合物を一つ又はそれより多い固体希釈剤(例えば天然の粘土、白土、葉蝋石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、白亜、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及びマグネシウム、硫黄、石灰、穀粉、タルク並びに他の有機及び無機固体担体)と混合し、そして混合物を微細な粉末に機械的に粉砕することによって調製することができる。
【0064】
可溶性粉剤(SP)は、式(I)の化合物を、一つ又はそれより多い水溶性の無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムのような)或いは一つ又はそれより多い水溶性の有機固体(多糖類のような)、並びに所望により水分散性/溶解性を改良するために、一つ又はそれより多い湿潤剤、一つ又はそれより多い分散剤又は前記の薬剤の混合物と混合することによって調製することができる。次いでこの混合物を微細な粉末に粉砕する。同様な組成物は、更に粒状化して、水溶性粒剤(SG)を形成することができる。
【0065】
湿潤化性粉剤(WP)は、式(I)の化合物を、一つ又はそれより多い固体の希釈剤又は担体、一つ又はそれより多い湿潤剤及び、好ましくは一つ又はそれより多い分散剤並びに、所望により液体中の分散を促進するために一つ又はそれより多い懸濁剤と混合することによって調製することができる。次いで混合物は、微細な粉末に粉砕される。同様な組成物は、更に粒状化して、水分散性粒剤(WG)を形成することができる。
【0066】
粒剤(GR)は、式(I)の化合物及び一つ又はそれより多い粉末の固体希釈剤又は担体の混合物を粒状化することによるか、或いは予備成形された生地の粒子から、式(I)の化合物(又は適した薬剤中のその溶液)を、多孔質の粒状物質(軽石、アタパルジャイト粘土、フラースアース、キーゼルグール、珪藻土又は粉砕されたトウモロコシの穂軸)に吸収させることによるか、或いは式(I)の化合物(又は適した薬剤中のその溶液)を、硬質の核物質(砂、ケイ酸塩、無機炭酸塩、粒酸塩又はリン酸塩)に吸着させることによるかのいずれかによって、そして必要な場合乾燥して調製することができる。吸収又は吸着を補助するために普通に使用される薬剤は、溶媒(脂肪族又は芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルのような)、及び粘着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖及び植物油のような)を含む。一つ又はそれより多い他の添加剤(例えば乳化剤、湿潤剤又は分散剤)も、更に粒剤に含むことができる。
【0067】
分散性濃縮物(DC)は、式(I)の化合物を、水又はケトン、アルコール若しくはグリコールエーテルのような有機溶媒中に溶解することによって調製することができる。これらの溶液は、表面活性剤(例えば水による希釈を改良し又は噴霧タンク中の結晶化を防止するため)を含有することができる。
【0068】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油乳剤(EW)は、式(I)の化合物を、有機溶媒(所望により一つ又はそれより多い湿潤剤、一つ又はそれより多い乳化剤又は前記の薬剤の混合物を含有する)中に溶解することによって調製することができる。ECにおける使用に対して適した有機溶媒は、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンのような;SELVESSOは、登録商標)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンのような)及びアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールのような)、N−アルキルピロリドン(N−メチルピロリドン又はN−オクチルピロリドンのような)、脂肪酸のジメチルアミド(C8−C10脂肪酸ジメチルアミドのような)並びに塩素化炭化水素を含む。EC産物は、水の添加によって自然に乳化して、充分な安定性を持つ乳液を生じて、適当な機器による噴霧適用を可能にする。EWの調製は、式(I)の化合物を、液体(これが室温で液体でない場合、これは、典型的には70℃より低い妥当な温度で融解することができる)又は溶液(これを適当な溶媒中に溶解することによって)のいずれかとして得て、そして次いで得られた液体又は溶液を一つ又はそれより多いSFAを含有する水中で高剪断力下で乳化して、乳液を製造することを伴なう。EWにおいて使用するために適した溶媒は、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンのような)、芳香族溶媒(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンのような)及び水に対する低い溶解度を有する他の適当な有機溶媒を含む。
【0069】
マイクロエマルジョン(ME)は、水を、一つ又はそれより多い溶媒の一つ又はそれより多いSFAとの配合物と混合して、熱力学的に安定な等張液体製剤を自然に製造することによって調製することができる。式(I)の化合物は、最初水中又は溶媒/SFA配合物中のいずれかに存在する。MEにおいて使用するために適した溶媒は、EC又はEW中における使用に対して、本明細書中で先に記載したものを含む。MEは、水中油又は油中水系(どちらの系が存在しているかは、伝導度の測定によって決定することができる)のいずれかであることができ、そして水溶性及び油溶性殺虫剤を同じ製剤中に混合するために適していることができる。MEは、水中の希釈に適していて、マイクロエマルジョンとして残存するか又は慣用的な水中油乳液を形成するかのいずれかである。
【0070】
懸濁濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微細に分割された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含んでなることができる。SCは、式(I)の固体の化合物を、適した媒体中で、所望により一つ又はそれより多い分散剤とボール又はビーズミル粉砕して、化合物の微細な粒子の懸濁液を製造することによって調製することができる。一つ又はそれより多い湿潤剤を組成物に含めることができ、そして懸濁剤を含めて、粒子が沈降する速度を減少することができる。別の方法として、式(I)の化合物は、乾燥粉砕し、そして本明細書中で先に記載した薬剤を含有する水に加えて、所望の最終産物を製造することができる。
【0071】
エアゾール製剤は、式(I)の化合物及び適した噴射剤(例えばn−ブタン)を含んでなる。式(I)の化合物は、更に適した媒体(例えば水又はn−プロパノールのような水混和性液体)中に溶解又は分散して、非加圧式の手動噴霧ポンプでの使用のための組成物を与えることができる。
【0072】
式(I)の化合物は、乾燥状態で火工品混合物と混合して、囲われた空間で化合物を含有する煙を発生するために適した組成物を形成することができる。
カプセル化懸濁液(CS)は、EW製剤の調製と同様な様式で調製することができるが、しかしそれぞれの油滴が高分子の殻によってカプセル化され、そして式(I)の化合物及び、所望によりそれの担体又は希釈剤を含有する油滴の、水性の分散物が得られるような、付加的な重合段階を伴なう。高分子の殻は、界面的重縮合反応又はコアセルベーション手順のいずれかによって製造することができる。組成物は、式(I)の化合物の制御放出を与えることができ、そしてこれらは、種子処理に使用することができる。式(I)の化合物は、更に生分解性の高分子マトリックス中に処方して、化合物の緩慢な制御放出を与えることができる。
【0073】
組成物は、一つ又はそれより多い添加剤を含んで、組成物の生物学的性能(例えば湿潤性を改良することによって、表面における保持力又は分布;処理された表面の雨に対する抵抗性;又は式(I)の化合物の取り込み若しくは移動性)を改良することができる。このような添加剤は、表面活性剤、油基剤の噴霧添加剤、例えばある種の鉱油又は天然の植物油(大豆油及び菜種油のような)、及びこれらの、他の生物学的向上アジュバント(式(I)の化合物の作用を援助又は改質することができる成分)との配合物を含む。
【0074】
式(I)の化合物は、更に種子処理用として使用するために、例えば乾燥種子処理のための粉剤(DS)、水溶性粉剤(SS)又はスラリー処理のための水分散性粉剤(WS)を含む粉末組成物として、或いは流動性濃縮物(FS)、溶液(LS)又はカプセル化懸濁液(CS)を含む液体組成物として処方することができる。DS、SS、WS、FS及びLS組成物の調製は、それぞれ先に記載したDP、SP、WP、SC及びDC組成物のそれと非常に類似している。種子を処理するための組成物は、組成物の種子への付着を援助する薬剤(例えば鉱油又は皮膜形成障壁剤)を含む。
【0075】
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性又は非イオン性の表面SFAであることができる。
カチオン型の適したSFAは、第四アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン及びアミン塩を含む。
【0076】
適したアニオン性SFAは、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホン酸塩並びにジ−イソプロピル−及びトリ−イソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、エーテル炭酸塩(例えばラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(一つ又はそれより多い脂肪アルコール及びリン酸(主としてモノ−エステル)又は五酸化リン(主としてジ−エステル)間の反応からの生成物、例えばラウリルアルコール及び四リン酸間の反応;更にこれらの生成物はエトキシル化することができる)、スルホスクシナマート(sulphosuccinamates)、パラフィン又はオレフィンスルホン酸塩、酒石酸塩並びにリグノスルホン酸塩を含む。
【0077】
両性型の適したSFAは、ベタイン、プロピオン酸塩及びグリシン塩を含む。
非イオン型の適したSFAは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物のようなアルキレンオキシドと脂肪アルコール(オレイルアルコール又はセチルアルコールのような)又はアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾールのような)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又はヘキシトール無水物から誘導される部分エステル;前記の部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含んでなる);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);並びにレシチンを含む。
【0078】
適した懸濁剤は、親水性コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)及び膨潤性粘土(ベントナイト及びアタパルジャイトのような)を含む。
【0079】
式(I)の化合物は、殺虫性化合物を適用する既知の手段のいずれによっても適用することができる。例えば、これは、調剤され又は調剤されずに、病害虫又は病害虫の所在場所(病害虫の生息地、又は病害虫による蔓延の傾向がある成長中の植物のような)に、或いは葉、幹、枝又は根を含む植物のいかなる部分にも、植えられる前の種子に、或いは植物が成長し又は植えられる他の媒体(根の周りの土壌、一般的に土壌、水田の水又は水耕法栽培系のような)に、直接適用し、或いはこれを、噴霧し、散布し、浸漬により適用し、クリーム又はペースト製剤として適用し、蒸気として適用し、或いは土壌又は水性環境中への組成物(粒状組成物又は水溶性の袋中に包装された組成物のような)の散布又は混合によって適用することができる。
【0080】
式(I)の化合物は、更に植物に注入し又は電気力学的噴霧技術若しくは他の低体積法を使用して草木に噴霧し、或いは耕地又は大気灌漑系によって適用することができる。
【0081】
水性調製物として使用するための組成物(水溶液又は分散物)は、一般的に高い比率の活性成分を含有する濃縮物の形態で供給され、濃縮物は使用前に水に加えられる。DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG及びCSを含むことができるこれらの濃縮物は、しばしば長期間の保存に耐え、そしてこのような保存後、水に添加して、慣用的な噴霧器機によってこれらを適用することが可能な充分な時間、均質のままである水性調製物を形成することが可能である必要がある。このような水性調製物は、これらが使用される目的によって、変化する量の式(I)の化合物(例えば0.0001ないし10重量%)を含有することができる。
【0082】
式(I)の化合物は、肥料(例えば窒素、カリウム又はリン含有肥料)との混合物中で使用することができる。適した製剤の種類は、肥料の粒子を含む。混合物は、適当には25重量%までの式(I)の化合物を含有する。
【0083】
従って本発明は、更に肥料及び式(I)の新規な化合物を含んでなる肥料組成物を提供する。
式(I)の化合物は、組成物の唯一の活性物質であることができ、或いはこれは、当てはまる場合、一つ又はそれより多い殺虫剤、殺真菌剤、共同薬、殺草剤又は植物成長制御剤のような付加的な活性成分と混合することができる。付加的な活性成分は:より広い活性のスペクトル又は所在場所における増加した持続性を有する組成物を与え;活性に共同薬として作用し又は式(I)の化合物の活性を補佐(例えば効果の速度を増加し又は剥離性を克服することによって)し;或いは個々の成分に対する抵抗性の発現を克服又は防止することを援助することができる。
【0084】
適した殺虫剤の例は、以下を含む:
a)ペルメトリン、サイパーメトリン(cypermethrin)、フェンバレレート、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、デルタメトリン(deltamethrin)、サイハロトリン(cyhalothrin)(特にラムダ−サイハロトリン)、ビフェントリン(bifenthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、サイフルトリン(cyfluthrin)、テフルトリン(tefluthrin)、魚類安全ピレトロイド(例えばエトフェンプロキシ(ethofenprox))、天然のピレトリン、テトラメトリン(tetramethrin)、s−ビオアレトリン(bioallethrin)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、プラレトリン(prallethrin)又は5−ベンジル−3−フリルメチル−()−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボン酸塩のようなピレトロイド;
b)プロフェノホス(profenofos)、スルプロフォス(sulprofos)、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス(azinphos)−メチル、デメトン(demeton)−s−メチル、ヘプテノホス(heptenophos)、チオメトン(thiometon)、フェナミホス(fenamiphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、プロフェノホス(profenofos)、トリアゾホス(triazphos)、メタミドホス(methamidophos)、ジメトエート(dimethoste)、ホスファミドン(phosphamidon)、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン(phosalone)、テルブホス(terbufos)、フェンスルホチオン(fensulfothion)、ホノホス(fonofos)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス(pirimiphos)−メチル、ピリミホス−エチル、フェニトロチオン(fenitrothion)、ホスチアゼート(fosthiazate)又はジアジノン(diazinon)のような有機リン酸塩;
c)ピリミカルブ(pirimicarb)、トリアザメート(triazamate)、クロエトカルブ(cloethocarb)、カルボフラン(carbofuran)、フラチオカルブ(furathiocarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、アルジカルブ、チオフロックス(thiofurox)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、プロポクサー、メトミル(methomyl)又はオキサミル(oxamyl)のようなカルバミン酸塩(アリールカルバミン酸塩を含む);
d)ジフルベンズロン(diflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、フルフェノキスロン(flufenoxuron)又はクロルフルアズロン(chlorfluazuron)のようなベンゾイル尿素;
e)サイヘキサチン(cyhexatin)、フェンブタチン(fenbutatin)オキシド又はアゾシクロチンのような有機スズ化合物;
f)テブフェンピラド(tebufenpyrad)及びフェンピロキシメート(fenpyroximate)のようなピラゾール;
g)アベルメクチン(avermectins)又はミルベマイシン(milbemycins)、例えばアバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)安息香酸塩、インベルメクチン、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサド(spinosad)又はアザジラクチン(azadirachtin)のようなマクロライド;
h)ホルモン又はフェロモン;
i)エンドスルファン(endosulfan)、六塩化ベンゼン、DDT、クロルダン又はジエルドリン(dieldrin)のような有機塩素化合物;
j)クロルジメホルム(chlordimeform)又はアミトラズ(amitraz)のようなアミジン;
k)クロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチル又はメタム(metam)のような燻蒸剤;
l)イミダクロプリド(imidacloprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、アセタミプリド(acetamiprid)、ニテンピラム(nitenpyram)又はチアメトキサム(thiamethoxam)のようなクロロニコチニル化合物;
m)テブフェノジド(tebufenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)又はメトキシフェノジド(methoxyfenozide)のようなジアシルヒドラジン;
n)ジオフェノラン(diofenolan)又はピリプロキシフェン(pyriproxifen)のようなジフェニルエーテル;
o)インドキサカルブ(indoxacarb);
p)クロロフェナピル(chlorfenapyr);或いは
q)ピメトロジン(pymetrozine)。
【0085】
上記に列挙した殺虫剤の主要な化学薬品の部類に加えて、組成物の意図する用途に当てはまる場合、特定の目標を有する他の殺虫剤を組成物中に使用することができる。例えば、特定の農作物に対して選択的な殺虫剤、例えばコメに使用するための幹穿孔虫特異的殺虫剤(カルタップ(cartap)のような)又はバッタ特異的殺虫剤(ブプロフェジン(bupfezin)のような)を使用することができる。別の方法として、殺虫剤又は特定の昆虫種/段階に対して特異的な殺ダニ剤(例えばクロフェンテジン(clofentezine)、フルベンジミン(flubenzimine)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)又はテトラジホン(tetradifon)のような殺ダニ性殺卵−幼虫剤;ジコホール又はプロパルガイトのような殺ダニ性殺運動性剤;ブロモプロピレート(bromopropylate)又はクロロベンジレート(chlorobenzilate)のような殺ダニ剤;或いはヒドラメチルノン(hydramethylnon)、サイロマジン(cyromazine)、メトプレン、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)又はジフルベンズロン(diflubenzuron)のような成長制御剤)も、更に組成物中に含めることができる。
【0086】
組成物に使用するために適した共同薬の例は、ピペロニルブトキシド、セサメックス(sesamex)、サフロキサン(safroxan)及びドデシルイミダゾールを含む。
【0087】
組成物に包含することに対して適した殺草剤及び植物成長制御剤は、意図する目標及び必要な効果によるものである。
含むことができるコメ選択的殺草剤の例は、プロパニル(propanil)を含むことができる。綿に使用するための植物成長制御剤の例は、PIXTMである。
【0088】
ある種の混合物は、これらが同一の慣用的な製剤の種類には容易に役に立たないような、有意に異なった物理的、化学的又は生物学的特性を有する活性成分を含んでなることができる。これらの場合、他の種類の製剤を調製することができる。例えば、一つの活性成分が水不溶性固体であり、そして他方が水不溶性液体である場合、それにもかかわらず、固体活性成分を懸濁液として分散(SCのそれと類似な調製法を使用して)し、しかし液体活性成分を乳液として分散(EWのそれと類似な調製法を使用して)することによって、それぞれの活性成分を同一の連続した水相に分散することが可能であることができる。得られる組成物は、懸濁乳液(SE)製剤である。
【0089】
以下の実施例は、本発明の方法及び化合物を例示する。
鏡像異性体の分析に対するキラルGLC法
以下のGLC法を、式(VII)の化合物を分析するために使用した。
【0090】
カラム Chiraldex CB 25m、0.25mm、25ミクロン
キャリヤーガス ヘリウム
出発温度80℃で5分間、2℃/分の昇温速度で120℃まで、10℃/分の上昇速度で160℃まで
最終時間 2分、合計 31分
注入温度 250℃
検出器温度 250℃。
【0091】
(−)回転を持つ(VII)(Y、Y1及びX=Cl、Z=CF3)の鏡像異性体は、20.5分で溶出し、そして(+)回転を持つものは21.3分に溶出することが確立された。
【0092】
実施例1
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(−)鏡像異性体の調製
工程A
酢酸イソプロピル(400ml)及び4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(54gm)を、タービン撹拌機を備えつけた清潔な乾燥した1リットルのジャケット付き反応フラスコに入れた。反応器の内容物を、室温で撹拌し、そしてR−(+)−α−メチルベンジルアミン(12.4gm)を30分かけてゆっくりと加え、少量の発熱が生じた。次いで反応器の内容物を2日間室温で撹拌し、その時間後、微細な白色の分散物を得た。塩を焼結ヌッチェで濾過して取り出し、そして最少量の酢酸エチル(約20ml)、続いてヘキサン(50ml)で洗浄し、そして白色の生成物をヌッチェで‘乾燥状態’まで吸引した。収量17.7gm。
【0093】
工程B
工程Aで製造されたジアステレオ異性体の塩を、250mlのコニカルフラスコにジクロロメタン(50ml)と共に排出した。フラスコの内容物を、2モルの塩酸(50ml)を入れながら磁気撹拌器で撹拌し、そして固体が溶解するまで撹拌した。次いでフラスコの内容物を分離フラスコで分離し、そして有機層を更に2モルの塩酸(50ml)で洗浄し、続いて水洗浄(50ml)し、そして食塩水洗浄(25ml)した。次いで有機層を蒸発して、結晶質の白色の固体(12.5gm、46%)を得た。生成物のキラルGC分析は、85%鏡像体余剰であることを明らかにした。粗製生成物をヘキサン(175ml)中に溶解し、そして撹拌しながら50℃に加熱することによって再結晶した。次いで得られた無色の溶液を冷蔵庫(+4℃)で冷却して、少量の白色の結晶質固体が生成し、これを濾過して取り出し(2.52gm)、そしてキラルGCによって60%鏡像体余剰の二つの鏡像異性体の混合物であることが見出された。ヘキサンの濾液を蒸留して、白色の結晶質固体(9.2gm)を製造し、これは、キラルGCによって、必要とする4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の92%鏡像体余剰の(−)鏡像異性体として分析された。ジクロロメタン中(12.34g/リットル)で得られた鏡像異性体の偏光分析は、∝D=−24°を与えた。
【0094】
化合物の立体配置は、表1に規定した条件下のX線結晶学によって確認した。原子座標は、表2に規定され、そしてX線結晶構造は、図1に示す。
表1
【0095】
【表1】
【0096】
表2.原子座標(×104)及び相当同位体変位パラメーター(Å2×103)。U(eq)は、直交したUijテンソルのトレースの三分の一として定義される。
【0097】
【表2】
【0098】
実施例2
R−(+)−α−メチルベンジルアミンの回収
実施例1のキラルなジアステレオ異性体の塩の形成からの酢酸イソプロピル母液及び酢酸エチル洗浄液を混合し、そして2モルの塩酸(2×50ml)、水(50ml)及び食塩水(25ml)で洗浄した。全てを充分に分離し、そして混合した。得られた水性の液体をDCM(50ml)で洗浄し、次いで47%の水酸化ナトリウム溶液でpH>9に調節してから、DCM(100ml)で抽出した。得られた有機層を蒸発して、褐色の油状物を得て、これはR−(+)−α−メチルベンジルアミンの95%回収を表す。
【0099】
実施例3
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(+)鏡像異性体の調製
混合された実施例1からの酢酸イソプロピル母液/酢酸エチル洗浄液を、酸洗浄後、蒸発して麦わら色の固体(41.7gm)を得て、これはキラルGCによって、4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(+)鏡像異性体の32%鏡像体余剰の化合物であることが証明された。
【0100】
実施例4
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(−)鏡像異性体の調製
工程A
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(45.1gm−0.143モル)を、タービン撹拌機、凝縮器、窒素置換及び温度計を備えつけた1リットルのジャケット付き反応フラスコ中の、水(120ml)及びメタノール(180ml)中に溶解した。反応器の内容物を炭酸ナトリウム(10.38gm−0.074モル)を加えながら撹拌して、酸を溶解し、そしてpHを7.4に調節した。反応器の内容物を50℃に加熱して、完全に溶液となることを確実にした。R(+)−アルファメチルベンジルアミン(9.11gm−0.074モル)を、磁気撹拌器を備えつけた500mlのコニカルフラスコ中で水(250ml)と撹拌した。次いで塩酸(38ml、2モル)をゆっくりと加えて、アミンを完全に溶解し、最終的な2.5のpHを得た。溶液のpHを数滴の47%水酸化ナトリウム溶液でpH6に調節した。酸溶液の反応器に滴下漏斗を設置し、そしてアミン溶液をそれに入れた。次いでアミン溶液を酸溶液に50℃で2時間の時間をかけて流し込んだ。添加が完了した時点で、反応物を更に30分間加熱してから、内容物を放冷させた−反応器の内容物を撹拌しながら一晩冷却させ、そして白色の固体を沈殿させた。最終的なスラリーを焼結ヌッチェで濾過して取り出し、そして乾燥状態まで吸引した。ペーストを少量の水メタノール(20mlの水及び40mlのメタノール)で洗浄し、そして乾燥状態まで吸引した。収量39.3gm。ペーストを2モルの塩酸及びジクロロメタン(それぞれ200ml)でスラリー化し、そして撹拌して、溶解した。二つの相を分離し、そして有機層を同様な方法で第2回目の酸洗浄(200ml)で処理してから、水(200ml)及び食塩水(100ml)洗浄を適用した。次いで有機層を分離し、そして溶媒を回転蒸発器で50℃で除去して、淡黄色の油状物を得て、これは冷却により固化した。収量28.8gm。
【0101】
工程B
工程Aからの固化した生成物を、撹拌しながら50℃でへキサン(190ml)中に溶解し、そして次いで3時間かけて4℃に冷却した。重い白色の結晶質固体が形成され、これを濾過して取り出し(12.8gm)、そして‘乾燥状態’まで吸引した。キラルGLCは、この結晶質物質が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸のラセミ混合物に近いことを明らかにした。次いで得られたヘキサンの濾液を回転蒸発器で50℃で蒸発して、黄色の油状物を得て、これは蝋状の黄色の固体(5.9gm)に固化した。この固体を二つのカラムのカラムクロマトグラフィー−それぞれ2.9gmの粗製鏡像異性体を、3リットルの50:50のジクロロメタン:ヘキサン溶出剤による80gmのシリカカラムによって精製した。カラムからの混合した生成物は結晶質の生成物(3.2gm、14%収率)を与えた。鏡像異性体のDSC分析は、61℃の融点及び92.8%のモル純度を与えた。キラルGCは、この物質が、必要とする4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の90%鏡像体余剰の(−)鏡像異性体であることを示した。
【0102】
実施例5
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(+)鏡像異性体の調製
工程A
トルエン(500ml)及び4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(80.1gm)を、タービン撹拌機を備えつけた清潔な/乾燥した1リットルのジャケット付き反応フラスコに入れた。反応器の内容物を、酸を溶解しようとして室温で撹拌したが、ある程度の酸がなお残存した。(1R,2S)−1−アミノ−2−インダノール(16.2gm)を入れ、そして混合物を更に室温で撹拌し、溶解して、淡黄色の溶液を形成した。反応器の内容物を一晩撹拌し、濃厚なスラリーを生成し、これを濾過して取り出し、そして少量のトルエン、続いてヘキサンで洗浄し、最終的に‘乾燥状態’までヌッチェで吸引した。収量30.9gm。
【0103】
工程B
ジアステレオ異性体の塩をジクロロメタン(100ml)中でスラリー化し、そして2モルの塩酸洗浄(3×50ml)及び食塩水洗浄(50ml)をした。次いで有機相を蒸発して、非常に淡い黄色/オフホワイト色の結晶質固体(21.4gm)を得た。キラルGCは、生成物が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の40%鏡像体余剰の(+)鏡像異性体であることを示した。
【0104】
工程C
単離された固体をヘキサン(150ml)中に溶解し、そして次いで4℃に4時間冷却し、白色の結晶質の固体を得て、これを濾過して取り出した(11.5gm)。次いでヘキサンの母液を蒸発して、淡黄色の油状物を得て、これは静置により固化した(8.8gm)。キラルGCは、この固体が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の66%鏡像体余剰の(+)鏡像異性体であることを示した。この固体に対してヘキサン(50ml)を使用して更なる結晶化を行い、白色の結晶質の固体(4.6gm)を生成した。次いで得られたヘキサンの母液を蒸発して、淡黄色の固体(4.3gm)を得た。これらの生成物のキラルGCは、これらが4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸のそれぞれ60%鏡像体余剰及び74%鏡像体余剰の(+)鏡像異性体であることを示した。この二つのうちの後者を、ヘキサン(50ml)中に再溶解し、そして同様な方法で処理して、第3の結晶質の固体(1.1gm)、及び蒸発したヘキサン母液からの物質(2.9gm、SEとして7%収率)を得た。キラルGCは、これらがそれぞれ56%鏡像体余剰及び90%鏡像体余剰の(+)鏡像異性体であることを示した。ジクロロメタン中(12.07gm/リットル)の90%鏡像体余剰の生成物の偏光分析は、20℃で∝D=+28°を与えた。
【0105】
実施例6
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(−)メチルエステルの調製
工程A
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(−)鏡像異性体(20.0−0.063モル、キラルGLCによって判定されたように80%鏡像体余剰)を、温度計、凝縮器、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した100mlの三つ首フラスコに入れた。トルエン(65ml)及びトリエチルアミン(2滴)を入れ、そして反応器の内容物を外部油浴で70℃に加熱しながら撹拌した。塩化チオニル(9.12ml、14.9gm−0.125モル)をシリンジで45分かけて反応フラスコに加えた。次いで反応器の内容物を冷却させ、そして一晩撹拌した。
【0106】
次の日、反応器の内容物を回転蒸発器で蒸発し、そしてジクロロメタン(30ml)を入れた。これを更に回転蒸発器で蒸発して、残留した塩化チオニル、酸の塩化反応からの二酸化硫黄及び塩化水素を除去した。黄/褐色の油状物(21.3gm)を得て、これをGLC、GCMS及びNMRで分析して、物質が、4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の酸塩化物であることを確認した。
【0107】
ジクロロメタン中の酸塩化物(6.24gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=−24.0°を与えた。
工程B
工程Aで得られた酸塩化物(20.0gm−0.063モル)を、温度計、凝縮器、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した100mlの反応フラスコ中で撹拌された乾燥メタノール(30ml)中に流し込んだ。反応器の内容物を更に50時間撹拌してから、メタノールを回転蒸発器で蒸発して、赤/褐色の油状物(19.13gm)を得て、これはGLC、GCMS及びNMRで分析して、物質が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸のメチルエステルであることを確認した。ジクロロメタン中のメチルエステル(12.25gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=−23°を与えた。
【0108】
実施例7
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(−)メチルエステルの調製
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(−)鏡像異性体(1.39gm−0.004モル、キラルGLCによって判定されたように80%鏡像体余剰)を、温度計、凝縮器、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した25mlの三つ首フラスコに入れた。トルエン(5ml)及びトリエチルアミン(2滴)を入れ、そして反応器の内容物を外部油浴で70℃に加熱しながら撹拌した。塩化チオニル(1.04mg−0.009モル)をシリンジで20分かけて反応フラスコに加えた。次いで反応器の内容物を冷却させ、そして一晩撹拌した。次の日、反応器の内容物を回転蒸発器で蒸発し、そしてトルエン(5ml)を入れた。これを更に回転蒸発器で蒸発して、残留した塩化チオニル、酸の塩化反応からの二酸化硫黄及び塩化水素を除去した。黄/褐色の油状物を得て、これを、清潔な乾燥した25mlフラスコ中で撹拌された乾燥メタノール(10ml)中で直ちにクエンチし、磁気撹拌器で15時間撹拌した。GLCによる分析は、反応が完結したことを示し、そして溶媒を蒸発して、淡黄色の油状物を残した。油状物をジクロロメタン中に溶解し、そして2モルの塩酸で2回、水、次いで食塩水で洗浄した。乾燥後、生成物を蒸発して、淡黄色の油状物(0.99gm)を得た。
【0109】
実施例8
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の(+)メチルエステルの調製
工程A
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸(+)鏡像異性体(9.13gm−0.029モル、キラルGLCによって判定されたように80%鏡像体余剰)を、温度計、凝縮器、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した100mlの三つ首フラスコに入れた。トルエン(32ml)及びトリエチルアミン(2滴)を入れ、そして反応器の内容物を外部油浴で70℃に加熱しながら撹拌した。塩化チオニル(4.16ml、6.78gm−0.057モル)をシリンジで45分かけて反応フラスコに加えた。次いで反応器の内容物を冷却させ、そして一晩撹拌した。
【0110】
次の日、反応器の内容物を回転蒸発器で蒸発し、そしてジクロロメタン(30ml)を入れた。これを更に回転蒸発器で蒸発して、残留した塩化チオニル、酸の塩化反応からの二酸化硫黄及び塩化水素を除去した。黄/褐色の油状物(11.44gm)を得て、これをGLC、GCMS及びNMRで分析して、物質が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸の酸塩化物であることを確認した。
【0111】
ジクロロメタン中の酸塩化物(5.78gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=+26°を与えた。
工程B
次いで工程Aで得られた酸塩化物(10.19gm−0.031モル)を、温度計、凝縮器、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した100mlの反応フラスコ中で撹拌された乾燥メタノール(30ml)中に流し込んだ。反応器の内容物を更に50時間撹拌してから、メタノールを回転蒸発器で蒸発して、赤/褐色の油状物(7.83gm−0.0237モル)を得て、これをGLC、GCMS及びNMRで分析して、物質が4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸のメチルエステルであることを確認した。
【0112】
ジクロロメタン中のメチルエステル(18.17gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=+26.4°を与えた。
実施例9
3−(2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸cisメチルの(+)鏡像異性体の調製
4,6,6−トリクロロ−7,7,7−トリフルオロ−3,3−ジメチルヘプタン酸のメチルエステルの(−)鏡像異性体(14.43gm)を、<0℃のt−ブタノール/DMF溶媒中のナトリウムt−ブトキシド塩基(6.3gm 100%)で環化して、3−(2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸メチルを生成し、これを水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出することによって単離した。水及び食塩水で洗浄した後、生成物を、ジクロロメタン溶媒を蒸発することによって、黄/橙色の油状物(10.1gm)として得た。得られた生成物を、GLC、GCMS及びNMRで分析して、物質が3−(2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸メチルのそれと一致し、そしてこれが80/20のcis:trans比を有することを確認した。
【0113】
ジクロロメタン中の、3−(2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸メチル(5.84gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=+10.3°を与えた。
【0114】
実施例10
cis−Z3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸の(+)鏡像異性体の調製
3−(2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸(+)メチル=シクロプロパンカルボキシリック(9.1gm)を、メタノール性水酸化ナトリウム(100%で3.44gm)に溶解し、そして凝縮器、温度計、窒素置換及び磁気撹拌器を備えつけた清潔な乾燥した25mlの反応フラスコ中で60℃に加熱した。熱は、外部油浴から適用した。その温度で1時間後、炭酸ナトリウム(1.59gm)、続いてエタノール(10ml)を入れ、そして反応温度を90℃に増加し、そして8時間保持して、GLCによって判定されたように完結した。生成物を、反応物から溶媒を蒸発することによって得て、水(50ml)、そしてpHを<2に調節するために濃塩酸、続いてジクロロメタン(50ml)を加えた。分離後、水相の2回目の同様なジクロロメタン洗浄を適用し、分離し、そして1回目の洗浄液と混合した。混合した有機層を水、食塩水で洗浄し、そして次いで蒸発して、黄色のペースト(5.83gm)を得た。得られた生成物をHPCL、GCMS及びNMRで分析して、物質が構造(IIIa)のそれと一致することを確認した。HPLCは、生成物が、それぞれ約85:15の比のCis及びTrans異性体の混合物であることを明らかにした。
【0115】
ジクロロメタン中の、cis−Z3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の空気乾燥粗製生成物(5.89gm/リットル、20℃)の偏光分析は、∝D=+24.1°を与えた。
【0116】
実施例11
cis−Z(+)3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸の精製
実施例10から得られた粗製の酸を再結晶化して、生成物を得て、これは、HPCL生成物(3.19gm)によって100%のcis−Z異性体であった。生成物を、GLC、GCMS、NMRによって分析して、これが、cis−Z3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸の構造と一致することを確実にした。ジクロロメタン中の、精製された生成物(6.312gm/リットル)の偏光分析は、∝D=+46°を与えた。cis−Z1R(+)3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸の回転は、文献中に+48°(米国特許第4870252号)及び+47℃(PCT特許出願WO97/03941)と与えられている。
【0117】
実施例12
cis−Z(+)3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸塩化物の調製
撹拌機、温度計、凝縮器、窒素ブランケット及びスクラバー系への排気を装備した1リットルの乾燥した清潔なジャケット付きの分割型反応容器に、トルエン(450ml)を入れ、そしてcis−Z(+)3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボン酸(89.4gm=0.369モル)、続いてトリエチルアミン(0.21gm=2.1mmol)を加える間撹拌した。次いで反応混合物をジャケットの油循環を使用して45℃に加熱し、そして次いで塩化チオニル(62.0gm=0.52モル)を、105分かけて温度を維持しながら入れた。次いで反応物を5時間45℃で撹拌し、次いで反応の完結をGLCによって試験し、2%の残存酸を示した。次いで塩化チオニル(4.4gm=37mmol)を更に添加し、そして反応物を撹拌しながら一晩冷却させた。次の日、残留塩化チオニル、溶解した二酸化硫黄及び塩化水素ガスを、約320mlのトルエンの真空下の蒸留によって除去した。生成物のGC、GCMS及びNMR分析は、酸塩化物(IIIa)の構造と一致した。収量、トルエン中の酸塩化物の54%溶液の175gm、理論値の約97%。αD=+46°。
【0118】
実施例13
テフルトリン(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの(+)鏡像異性体の調製
工程A
100mlの三つ首丸底フラスコに、撹拌棒、温度計、PTFEシリンジ針、還流凝縮器、N2散布を装備し、そして苛性スクラバーに排気されていた。反応器に、(+)1R cis−Z3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸塩化物((IIIa)[20.76g(トルエン溶液の約54重量/重量%)、43mmol]を入れ、次いで酸塩化物溶液を撹拌しながら42℃に加熱した。トルエン(14ml)中の2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコール(7.2g、37mmol)を、3時間かけて反応器に加えた(シリンジポンプを経由)。反応物を25−42℃で4日間撹拌し、次いでアルコールの追加の送入(合計1.6g、8.2mmol)を行った。次いで反応物を95℃で7時間加熱してから、室温まで冷却した。
【0119】
工程B
反応物を真空下(100℃/10ミリバール)で蒸留して、トルエンを除去した。生成物は、真茶色の油状物であった(15.0g、80%収率、そして分析のために取り出された試料を考慮した場合、収率は、テフルトリン(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの(+)鏡像異性体の約95%であった)。
GC/MS: 225、197、177、141、127、101、91
1H NMR(CDCl3):δ1.3(s、6H、ジェミナルなCH3)、2.0(d、1H、シクロプロパン環)、2.15(d、1H、シクロプロパン環)、2.3(s、3H、ArCH3)、5.2(d、2H、ArCH2O)、6.9(d、1H、CF3ClC=CH)。
【0120】
生成物の旋光は、20℃でジクロロメタン中(5.56g/リットル)で測定し、∝D=+17°を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、X、Y及びY1がClであり、そしてZがCF3である式VIIaの化合物のX線結晶構造である。

Claims (4)

  1. 以下の式(I):
    [式中、YはCl又はBrであり;Zは、Cl、Br又はハロアルキル基であり;そしてEは、殺虫的に活性なエステル部分である]
    の化合物の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された式(I)化合物を調製するための方法であって、
    (a)以下の式(VII):
    [式中、XはCl又はBrであり;Y及びY 1 は、独立にCl又はBrであり;そしてZは、Cl、Br又はハロアルキル基である]
    の化合物を、実質的に光学的に純粋なキラルなアミン反応させて、ジアステレオ異性体の塩を形成し;
    (b)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を分離し;
    (c)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を、酸又は塩基の加水分解によって、以下の式(VIIa)及び(VIIb)
    [式中、X、Y、Y 1 及びZは、化合物(VII)に対して定義した通りである]
    の化合物にそれぞれ別個に転換し;
    (d)式(VIIa)又は(VIIb)の化合物を塩素化して、以下の式(VI):
    [式中、X、Y、Y 1 及びZは、式(VII)に対して定義した通りである]
    の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物を得て;
    (e)工程d)の生成物をエステル化して、以下の式(V):
    [式中、X、Y、Y 1 及びZは、式(VII)に対して定義した通りであり、そしてRは、アルキルである]
    の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物を得て;
    (f)工程e)の生成物を環化して、以下の式(IV):
    [式中、Y、Y 1 及びZは、式(VII)に対して定義した通りであり、そしてRは、アルキルである]
    の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物を得て;
    (g)工程f)の生成物を、加水分解及び脱塩化水素によって、以下の式(III):
    [式中、Y及びZは、式(VII)に対して定義した通りである]
    の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物に転換し;
    (h)式IIIの化合物を塩素化して、以下の式(II):
    [ここで、Y及びZは、式(VII)に対して定義した通りである]
    の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物を得て;そして
    (i)工程h)の生成物をエステル化して、式(I)の単一の鏡像異性体又は鏡像異性体的に富化された化合物を得ること
    を含んでなる、前記方法。
  2. Y及びY1が、両方ともClであり、ZがCF3である、請求項1記載の方法。
  3. Eが、4−アルキルテトラフルオロベンジルアルコール4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール、4−アルコキシテトラフルオロベンジルアルコール、α−シアノ−3−フェノキシベンジルアルコール、3−フェノキシベンジルアルコール又は2−メチル−3−フェニルベンジルアルコールから誘導されるエステル部分である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 以下の式(VIIa)及び(VIIb):
    [式中、XはCl又はBrであり;Y及びY 1 は、独立にCl又はBrであり;そしてZは、Cl、Br又はハロアルキル基である]
    の化合物を製造するための方法であって、
    (a)以下の式(VII):
    [式中、X、Y、Y 1 及びZは、化合物(VIIa)及び(VIIb)に対して定義した通りである]
    の化合物を、実質的に光学的に純粋なキラルなアミンと反応させて、ジアステレオ異性体の塩を形成し;
    (b)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を分離し;
    (c)それぞれの鏡像異性体のジアステレオ異性体の塩を、酸又は塩基の加水分解によって式(VIIa)及び(VIIb)の化合物にそれぞれ別個に転換すること
    を含んでなる、前記方法。
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