JPH0729973B2 - ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフェニルエーテルの製法 - Google Patents

ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフェニルエーテルの製法

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JPH0729973B2
JPH0729973B2 JP17383087A JP17383087A JPH0729973B2 JP H0729973 B2 JPH0729973 B2 JP H0729973B2 JP 17383087 A JP17383087 A JP 17383087A JP 17383087 A JP17383087 A JP 17383087A JP H0729973 B2 JPH0729973 B2 JP H0729973B2
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diphenyl ether
bis
hydroxybenzoyl
fluorobenzoyl
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伊三郎 府川
恒彰 田辺
達也 加藤
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフエ
ニルエーテルの製法に関するものである。さらに詳しく
は、耐熱性樹脂である芳香族ポリエーテルケトン、芳香
族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル、芳香族
ポリカーボネート、エポキシ樹脂を製造するための単量
体として重要な式(II) (式中、Arはフェニレン基を表わす) で示されるビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフエニルエ
ーテルを式(I) (式中、Arはフェニレン基を表わす。) で示される4,4′−ビス(フロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリ存在下で加水分解することによ
り、収率よく、かつ工業的有利に製造する方法に関する
ものである。
(従来の技術) 4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフエニルエー
テルは各種耐熱性ポリマーの原料モノマーとして重要な
化合物であり、各種の他の原料モノマーと組み合わせて
重縮合させることにより、耐熱性ポリマーを得ることが
できる。
これら4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルの製法はほとんど知られておらず、わずかに
特開昭58−62132号公報の実施例5に、4,4′−ジカルボ
キシ−ジフエニルエーテルとフエノールをトリフルオロ
メタンスルホン酸存在下に縮合させ、反応開始6日後に
4,4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルが得られることが報告されているにすぎない。
しかも、この特開昭58−62132号公報実施例5の方法
は、腐食性で毒性の強い強酸のトリフルオロメタンスル
ホン酸を使用しなければならないうえに、極めて長時間
の反応時間を要するため、工業的実施に適した方法とは
言えない。又、この方法では異性体、例えば4−(4−
ヒドロキシベンゾイル)−4′−(2−ヒドロキシベン
ゾイル)ジフエニルエーテルが副生するので、重合用単
量体として使用するためには精密な再結晶による精製が
必要となり、この点にも問題を有していると言える。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のように、従来の製法においては、腐食性の大きい
強酸の使用、長時間反応、異性体の副性という多くの問
題点を有しており、これらの問題点のない製法の出現が
望まれている。本発明の目的は4,4′−ビス(ヒドロキ
シベンゾイル)ジフエニルエーテルを高純度、高収率
で、かつ工業的に有利に製造できる方法を提供すること
にある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意研究を重ね
た結果、式(I) (式中、Arはフェニレン基を表わし、フツ素原子はケト
ン基に対してオルトまたはパラ位に結合している) で示される4,4′−ビス(フロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリの存在下で反応させると、芳香族
末端のフツソ基が定量的に加水分解反応し、極めて高純
度の4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルが得られることを見い出し、本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は、式(I) (式中、Arはフェニレン基を表わし、フツ素原子はケト
ン基に対してオルトまたはパラ位に結合している) で示される4,4′−ビス(フロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリの存在下に加水分解することを特
徴とする下記の式(II) (式中、Arはフェニレン基を表わし、ハイドロキシ基は
ケトン基に対してオルトまたはパラ位に結合している) で示される4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフ
エニルエーテルの製法である。
本発明に用いられる前記の式(I)で示される4,4′−
ビス(フロロベンゾイル)ジフエニルエーテルとしては 4,4′−ビス(4−フロロベンゾイル)ジフエニルエー
テル、 4,4′−ビス(2−フロロベンゾイル)ジフエニルエー
テル、 4(4−フロロベンゾイル)−4′(2−フロロベンゾ
イル)ジフエニルエーテル 等を挙げることができる。
これらの4,4′−ビス(フロロベンゾイル)ジフエニル
エーテルは、対応するフロロベンゾイルクロライドとジ
フエニルエーテルとを塩化アルミニウム触媒の存在下に
フリーデルクラフツ反応させることにより、ほぼ定量的
に、しかも高純度で得ることができる。
本発明に用いられるアルカリとしては、アルカリ金属の
水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩やアルカリ土類金属の水酸
化物、炭酸塩、重炭酸塩等があげられる。好ましいの
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
アルカリの添加量は特に限定されないが、原料の4,4′
−ビス(フロロベンゾイル)ジフエニルエーテル1モル
に対し、1モル〜10倍モルが好ましい。特に好ましい範
囲は2倍〜8倍モルである。
本発明における反応の溶媒は重要であり、好適な溶媒は
水やジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホ
ランなどの有機極性溶媒、およびこれらの混合物等であ
る。このうち、水と上記有機極性溶媒の混合溶媒系や水
単独溶媒が好ましい。水が全く存在しない系では、縮合
反応が進み、二量体、三量体等のオリゴマーが副成す
る。
溶媒の量は特定に限定されないが、原料の4,4′−ビス
(フロロベンゾイル)ジフエニルエーテル10gに対して1
0〜1000mlが好適である。溶媒の量が多いほど原料が溶
媒しやすく、副生成物が少ないが、溶媒の回収、精製の
コストが高くなる。
また、この加水分解反応は、窒素、ヘリウム、アルゴン
などの不活性気体中で行うのが、副反応や溶媒の分解が
起こりにくいので有利である。
反応温度は、高い方が原料の溶媒性が良好で反応速度も
速くなるが、副反応や溶媒の分解などを生じ、逆に反応
温度が低いと反応が進行しにくくなる。反応温度として
は60〜300℃が好ましい。このうち特に、有機極性溶媒
と水の混合溶媒系で90℃〜150℃の範囲が好ましい。一
方、水単独溶媒の場合には、溶媒の分解がないため、15
0℃〜250℃の高温で行うことが、原料を溶解させるため
に必要である。
反応時間は、反応の進行程度を液体クロマトグラフイー
などから求めて決定されるが、通常1〜100時間、最適
条件では2〜20時間の反応が必要である。
生成物の分離精製方法としては、例えば反応混合物を塩
酸とメタノールの混合溶液に加え、白色沈澱物を得て、
これをロ過して目的生成物を得る方法が採用される。こ
のものは、既に高い純度を有しているが、必要に応じて
再結晶して更に高純度品が得られる。再結晶溶媒として
は、アルコール類が適当である。
(発明の効果) 本発明によれば、各種耐熱性ポリマーの原料として重要
なビスフエール単量体の一つである4,4′−ビス(ヒド
ロキシベンゾイル)ジフエニルエーテルを、単純なプロ
セスで特殊な強酸等を使用することなく、収率よく、か
つ、従来法より副生物が少なく、工業的に製造すること
ができる。
(実施例) 実施例1 4,4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルの合成 撹拌器、窒素導入管、窒素排出管を備えた1オートク
レーブに、4,4′−ビス(4−フロロベンゾイル)ジフ
エニルエーテル36g(86.9m mol)、水酸化ナトリウム18
g(450m mol)、ジメチルスルホキサイド360ml、水180m
lを仕込み、オートクレープ内を窒素置換した。次いで
撹拌しながら1時間で130℃まで昇温し、この温度で9
時間反応させた。この反応混合物を液体クロマトグラフ
イーにより分析したところ、原料の4,4′−ビス(4−
フロロベンゾイル)ジフエニルエーテルは検出されなか
つた。
反応液にメタノールを加え、全量を2とした後、ロ過
して微量の固形分を除去してロ液を得た。このロ液にメ
タノールと35%の濃塩酸の容積比6:1の混合溶液400mlを
加えて中和した。その後、この反応液を80℃に温めなが
ら、徐々に室温の水1.5を加え白色結晶を沈殿させ
た。得られた白色結晶を100℃で減圧乾燥を7時間行う
と、純度99.2%の4,4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾ
イル)ジフエニルエーテルが収率91%で得られた。この
ものをさらにエタノールから再結晶すると純度99.5%の
4,4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルが得られた。なお純度は液体クロマトグラフイ
ーを用いて定着した。このようにして得られた4,4−ビ
ス(4−ヒドロキシベンゾイルジフエニルエーテルの融
点は226℃であり、そのIRスペクトルは第1図に示す通
りである。
実施例2 4,4′−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルの合成 4,4′−ビス(4−フロロベンゾイル)ジフエニルエー
テル36gのかわりに、4,4′−ビス(2−フロロベンゾイ
ル)ジフエニル36gを使用する以外は実施例1と同様な
方法により反応させ、4,4′−ビス(2−ヒドロキシベ
ンゾイル)ジフエニルエーテルを収率85%で得た。
実施例3 4,4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニル
エーテルの合成 撹拌器、窒素導入管、窒素拝出管を備えた1オートク
レーブに、4,4′−ビス(4−フロロベンゾイル)ジフ
エニルエーテル36g、水酸化ナトリウム18g、水300mlを
仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した。次いで撹拌
しながら4時間かけて200℃まで昇温し、この温度で6
時間反応させた。反応液を実施例1と同様に処理して4,
4′−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニルエ
ーテルを収率83%で得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は4,4′−(4−ヒドロキシベンゾイル)ジフエ
ニルエーテルのIR吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(I) (式中、Arはフェニレン基を表わし、フッ素原子はケト
    ン基に対してオルトまたはパラ位に結合している) で示される4,4′−ビス(フロロベンゾイル)ジフェニ
    ルエーテルをアルカリの存在下に加水分解することを特
    徴とする下記の式(II) (式中、Arはフェニレン基を表わし、ハイドロキシ基は
    ケトン基に対してオルトまたはパラ位に結合している) で示される4,4′−ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフ
    ェニルエーテルの製法。
JP17383087A 1987-07-14 1987-07-14 ビス(ヒドロキシベンゾイル)ジフェニルエーテルの製法 Expired - Lifetime JPH0729973B2 (ja)

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