JPH0737415B2 - クロロヒドロキシベンゾフエノンの製法 - Google Patents

クロロヒドロキシベンゾフエノンの製法

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JPH0737415B2
JPH0737415B2 JP61286834A JP28683486A JPH0737415B2 JP H0737415 B2 JPH0737415 B2 JP H0737415B2 JP 61286834 A JP61286834 A JP 61286834A JP 28683486 A JP28683486 A JP 28683486A JP H0737415 B2 JPH0737415 B2 JP H0737415B2
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chlorobenzoyl
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達也 加藤
恒彰 田辺
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旭化成工業株式会社
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、クロロヒドロキシベンゾフエノンの製法に関
するものである。さらに詳しくは、耐熱性樹脂である芳
香族ポリエーテルケトンを製造するための単量体として
重要な式(II) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示されるクロロヒドロキシベンゾフエノンを式 (I) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示される4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリ存在下に加水分解することによ
り、収率よく、かつ工業的有利に製造する方法に関する
ものである。
(従来の技術) クロロヒドロキシベンゾフエノン類は芳香族ポリエーテ
ルケトンの原料として重要な化合物であり、自己縮合さ
せることにより、耐熱性や機械的性質などに優れた結晶
性の芳香族ポリエーテルケトンを得ることができる。
これらのクロロヒドロキシベンゾフエノン類の製法につ
いては、従来種々の方法が知られている。例えば、特公
昭47−617、特公昭50−1020では、ジクロロベンゾフエ
ノンをアルカリ存在下において加水分解し、4−クロ
ロ,4′−ヒドロキシベンゾフエノンを得ている。しか
し、この方法では、反応の本質からジヒドロキシベンゾ
フエノンが副生し、収率が低い。
また、英国特許第1,415,295号では、4−クロロベンゾ
イルクロライドとフエノールをフリーデルクラフツ反応
させ、その後、フリース転移によつて4−クロロ,4′−
ヒドロキシベンゾフエノンを得ている。しかし、この方
法では、4−クロロ、2′−ヒドロキシベンゾフエノン
が副生し、分離が困難である。
他にフエノール基を保護したジフエニルカーボネートと
パラクロロベンゾイルクロライドでフリーデルクラフツ
反応を行い、その後にカーボネート基を分解して、4−
クロロ,4′−ヒドロキシベンゾフエノンを合成する方法
がある(英国特許第1,357,344号)。しかし、この方法
はプロセスが長く、繁雑であることや、高価なジフエニ
ルカーボネートを使用するということが問題点としてあ
げられる。
その他では、4−クロロ安息香酸とフエノールとの直接
的なフリーデルクラフツ反応を行い、4−クロロ,4′−
ヒドロキシベンゾフエノンを合成する例(特開昭58−15
936,特開昭58−62132)があるが、この方法は、強酸で
あるCF3SO3HやHF−BF3を用いなければならず、毒性や装
置の腐食の問題があり、工業的製造法としては好ましく
ない。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のように、従来のクロロヒドロキシベンゾフエノン
類の製法においては、それぞれ問題点があるので、これ
らの問題点のない製法の出現が望まれている。したがつ
て、本発明の目的は、芳香族ポリエーテルケトンの単量
体として重要なクロロヒドロキシベンゾフエノンを収率
よく、かつ工業的に有利に製造できる方法を提供するこ
とにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意研究を重ね
た結果、式(I) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示される4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリ存在下で反応させると、驚くべき
ことに、芳香族末端の塩素の加水分解反応よりも、エー
テル結合の加水分解反応が優先して起こり、収率よくク
ロロヒドロキシベンゾフエノンが得られることを見出
し、この知見に基いて本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、式(I) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示される4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルをアルカリ存在下に加水分解することを特徴
とする式(II) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示されるクロロヒドロキシベンゾフエノンの製法を提
供するものである。
なお、4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニルエ
ーテルのかわりに、4,4′−ビス(フルオロベンゾイ
ル)ジフエニルエーテルを用いた場合には、本発明にお
ける加水分解反応よりも、芳香族環のフツ素基の加水分
解反応が優先して起こり、4−フルオロ,4′−ヒドロキ
シベンゾフエノンは生成せず、4,4′−ビス(4−ヒド
ロキシベンゾイル)ジフエニルエーテルが主生成物とし
て得られた。
本発明に用いられる前記の式(I)で示される4,4′−
ビス(クロロベンゾイル)ジフエニルエーテルとして
は、例えば、 4,4′−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフエニルエー
テル 4,4′−ビス(2−クロロベンゾイル)ジフエニルエー
テル 4,4′−ビス(3,4−ジクロロベンゾイル)ジフエニルエ
ーテル 等を挙げることができる。
これらの4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニル
エーテルは、ジフエニルエーテルと、対応するクロロベ
ンゾイルクロライドのフリーデルクラフツ反応により、
高収率、高選択性で得ることができる。
本発明に用いられるアルカリとしては、アルカリ金属水
酸化物およびその混合物が用いられる。好ましいのは、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
アルカリ添加量は特に限定されるものではないが、原料
の4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニルエーテ
ルに対し5〜200重量%が好ましい。
本発明における反応の溶媒は、水、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、スルホランなどの極性溶媒およ
びこれらの混合物等を挙げることができる。このうち、
水とスルホランの混合溶媒が好ましい。
溶媒の量は特に限定されるものではないが、原料の4,
4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニルエーテル10g
に対し10〜100mlが好適である。
また、この加水分解反応は、窒素、ヘリウム、アルゴン
などの不活性気体中で行うのが、副反応や溶媒の分解が
起こりにくいので有利である。
反応温度については、高いほうが反応速度が速くなる
が、副反応や溶媒の分解など生じ、低すぎると反応が進
行しにくくなるため、60〜250℃が好ましく、100〜170
℃が特に好ましい。また、反応時間は、反応の進行程度
を液体クロマトグラフイーや薄層クロマトグラフイーな
どから求めて決定されるが、通常、1〜100時間程度で
ある。
分離精製方法としては、反応混合物をアルコール、水で
再沈殿操作を行い、再後にアルコールで再結晶を行う。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノールが好ましい。
(発明の効果) 本発明によれば、有用な樹脂である芳香族ポリエーテル
ケトンの単量体として重要なクロロヒドロキシベンゾフ
エノンを、単純なプロセスで強酸等を使用することな
く、収率よく、かつ、従来法より副生物が少なく、工業
的に製造することができる。
(実施例) 実施例1 (a)4,4′−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルの合成 撹拌器、窒素導入管、滴下ロート、冷却管を備えた500m
l、4つ口フラスコに、ジフエニルエーテル11.1g(0.06
5モル)、無水塩化アルミニウム19.0g(0.143モル)、
オルソジクロロベンゼン100mlを仕込み、窒素置換し
た。そして、撹拌しながら滴下ロートで、4−クロロベ
ンゾイルクロライド25.0g(0.143モル)を徐々に滴下
し、滴下終了後、反応系を60℃に昇温し、この温度に3
時間保持した。
次に、反応混合物を35%塩酸とメタノールの重量比3:97
の混合溶媒2と混合し、4,4′−ビス(4−クロロベ
ンゾイル)ジフエニルエーテルの白色沈殿を得た。これ
を過により分離し、メタノールで洗浄後、140℃で5
時間減圧乾燥し、27.5gの4,4′−ビス(4−クロロベン
ゾイル)ジフエニルエーテルが得られた(収率94.6
%)。この化合物の純度は液体クロマトグラフイーによ
り定量したところ、99.6%であつた。
(b)4−クロロ,4′−ヒドロキシベンゾフエノンの合
成 撹拌機、窒素導入管、窒素排出管を備えたオートクレー
ブに、4,4′−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフエニ
ルエーテルを20.0g(0.045モル)、水酸化ナトリウム8.
94g(0.22モル)、スルホラン100ml、水50mlを仕込み、
窒素置換した。次いで、撹拌しながら1時間で150℃ま
で昇温し、この温度で15時間反応させた。この反応混合
物を液体クロマトグラフイーにより分析したところ、原
料の4,4′−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフエニル
エーテルの95%が、4−クロロ,4′−ヒドロキシベンゾ
フエノンに変化していた。
反応混合物を1のメタノールに溶解し、水2加え沈
殿させた。次に、イソプロパノールにより再結晶を行
い、12.5gの4−クロロ,4′−ヒドロキシベンゾフエノ
ンを得た(収率60%)。このサンプルの純度を液体クロ
マトグラフイーにより定量したところ、純度は99.5%で
あつた。また、このサンプルと、4−クロロ,4′−ヒド
ロキシベンゾフエノンの標品のNMR、IRスペクトルを測
定したところ、両者は一致した。
比較例 4−クロロベンゾイルクロライドの代りに4−フルオロ
ベンゾイルクロライド22.7g(0.143モル)を用いて、実
施例1−(a)4,4′−ビス(4−クロロベンゾイル)
ジフエニルエーテルの合成と同様の操作を行ない、4,
4′−ビス(フルオロベンゾイル)ジフエニルエーテル
を合成した。
実施例1−(b)の4−クロロ,4′−ヒドロキシベンゾ
フエノンの合成において、4,4′−ビス(4−クロロベ
ンゾイル)ジフエニルエーテルの代りに4,4′−ビス
(4−フルオロベンゾイル)ジフエニルエーテル20g、
スルホランの代りにジメチルスルホキシド100mlを用い
た以外は、実施例1と同様にして反応を行なつた。得ら
れた反応混合物を液体クロマトグラフイーにより定量し
たところ、4−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾフエ
ノンは0.1%しか生成せず、主生成物は4,4′−ビス(4
−ヒドロキシベンゾイル)ジフエニルエーテルであつ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(I) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示される4,4′−ビス(クロロベンゾイル)ジフエニ
    ルエーテルをアルカリ存在下に加水分解することを特徴
    とする下記の式(II) (式中、Arはフエニレン基を表わす。) で示されるクロロヒドロキシベンゾフエノンの製法。
JP61286834A 1986-12-03 1986-12-03 クロロヒドロキシベンゾフエノンの製法 Expired - Lifetime JPH0737415B2 (ja)

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