JPH0729893Y2 - ヘッドレストのステー固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）のシートバック（背凭
部）に備えるヘッドレスト、詳しくは、ヘッドレストを
支持しシートバック側に下端を固定するヘッドレストの
ステーにおけるシートバックに対する固定構造に関す
る。

（従来の技術） 従来の自動車用シートには、第３図に示すようにヘッド
レスト（HR）のステー（１）（１′）をシートバック
（SB）のバックフレーム（３）に溶接した筒状ホルダー
（２）（２′）に固定し、このヘッドレスト（HR）のス
テー（１）（１′）の上部にヘッドレスト（HR）を上下
方向に移動可能に取付けたものがある。これは、第４図
に示すように、ステー（１）をホルダー（２）に挿入し
た後、ホルダー（２）のスリット（21）からステー
（１）の下部に設けた係止溝（11）に、係止リング
（５）を装着することにより、ステー（１）をホルダー
（２）に固定している。図中（４）は発泡体（ウレタン
フォームのモールド品）製クッション体を示す。

（考案が解決しようとする課題） 以上のステー（１）は係止リング（５）によってホルダ
ー（２）に固定しているが、ステー（１）の下部外周面
とホルダー（２）の内周面との間には隙間（イ）（イ）
が存在するため、ステー（１）にガタが生じ、異音が発
生する虞れがあった。

斯るガタを防止するために、ステー（１）の下部外周面
のメッキ膜を厚くしたり、或いは、ホルダーの内径とス
テーの外径公差を厳格に規制する・・・などの方法によ
って、前記隙間（イ）（イ）の発生を防止することが考
えられるが、斯様な方法を採用しても、完全に前記ガタ
を防止することができないばかりか、ステー（１）等の
成形性などに種々の課題を有する。

そこで、本考案はホルダー、ステーを前記従来品と同様
のものを使用し、前記ステーのガタを防止することを目
的とする。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案は、前記ホルダー内
に挿入するステーの下部外周面とホルダーの下部内周面
との間には、ステーのホルダー内への挿入に伴なって前
記発泡体の一部が圧潰されて形成したガタ防止部を設け
てなることを特徴とするものである。

（作用） ステーの下部外周面とホルダーの下部内周面との間に
は、発泡体製ガタ防止部が設けてあるので、このガタ防
止部によってステーの径方向に移動が規制される。その
ため、ステーにガタが生じないし、ステーの外周面がホ
ルダーの内周面に接触することがない。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図、第２図に基づいて説
明する。

図中、第４図と同一符号は同一部材を示し、その説明を
省略する。

図中、（32）はホルダー（２）内に挿入したステー
（１）の下部外周面とホルダー（２）の内周面との間に
設けたガタ防止部、（33）はホルダー（２）内における
ステー（１）下端下方に設けた圧潰部を夫々示す。

以上のガタ防止部（32）と圧潰部（33）は発泡体製クッ
ション体（４）と同一の発泡体で形成されている。そし
て、このガタ防止部（32）と圧潰部（33）は第２図に示
すように、クッション体（４）のモールド成形時にホル
ダー（２）内に注入した発泡体（31）を圧潰して形成す
る。

即ち、クッション体（４）発泡成形用のモールド内に、
ホルダー（２）一体のバックフレーム（３）を収容し
て、クッション体（４）発泡成形時に、該クッション体
（４）発泡液をホルダー（21）のスリット（21）下方位
置まで注入して、クッション体（４）にバックフレーム
（３）を一体発泡する。然る後、ホルダー（21）内の発
泡体（31）におけるホルダー（21）に対する止着力に抗
して、ステー（１）をホルダー（２）内に挿入すると、
ステー（１）の先端が先方に傾斜状に形成され、また、
発泡体（31）がホルダー（21）の内周面に一体に止着さ
れているため、発泡体（31）の一部は挿入したステー
（１）の外周面とホルダー（２）の内周面との間の隙間
に圧入状に入り込み、発泡体（31）が圧潰され前記ガタ
防止部（32）を形成し、また、ステー（１）の挿入によ
って下方に押し込まれた発泡体（31）の一部は圧潰され
て前記圧潰部（33）を形成する。この圧潰部（33）によ
ってステー（１）は上方に付勢され、係止リング（５）
とステー（１）の係止溝（11）との間における上下方向
のガタが防止される。

（効果） 本考案は叙上の如くクッション体発泡時にホルダー内に
注入し、発泡した発泡体がホルダーの内周面とステーの
外周面との間に設けたガタ防止部を形成するので、前記
従来品のステー、ホルダーをそのまま使用でき利便であ
る。また、ガタ防止部は発泡体を圧潰して形成したの
で、ステーの径方向の移動を規制して、ステーのガタを
完全に防止することができると共に、ステーの外周面が
ホルダーの内周面に接触することがないため、異音の発
生も防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部を切欠して示す斜視図、第２図はステーを
固定する前の状態を切欠して示す斜視図、第３図は従来
の自動車用シートの斜視図、第４図は従来のヘッドレス
トのステーにおける固定部分の部分切欠斜視図である。 図中、（１）はステー、（２）はホルダー、（３）はバ
ックフレーム、（４）はクッション体、（31）は発泡
体、（32）はガタ防止部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックのバックフレームに設けた筒
   状ホルダーにヘッドレストのステーを固定し前記バック
   フレームをモールド内に収容して発泡体製クッション体
   を一体発泡成形してなる自動車用シートにおいて、前記
   ホルダー内には前記クッション体発泡成形時に発泡液が
   注入して発泡した発泡体を設け、前記ホルダー内に挿入
   するステーの下部外周面とホルダーの下部内周面との間
   には、前記ステーのホルダー内への挿入に伴なって前記
   発泡体の一部が圧潰されて形成したガタ防止部を設けて
   なることを特徴とするヘッドレストのステー固定構造。