JPH0729807A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH0729807A
JPH0729807A JP5175164A JP17516493A JPH0729807A JP H0729807 A JPH0729807 A JP H0729807A JP 5175164 A JP5175164 A JP 5175164A JP 17516493 A JP17516493 A JP 17516493A JP H0729807 A JPH0729807 A JP H0729807A
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/70883Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature of optical system

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のホールパターンを高解像度、大焦点深
度で投影露光する。 【構成】 レチクルRのパターンから発生した光を入射
してそのパターンの像をウェハW上に結像投影する投影
光学系PLを有する投影露光装置であって、レチクルR
とウェハWとの間の結像光路内のフーリエ変換面FT
P、又はその近傍に、投影光学系PLの光軸AXを中心
とした、投影光学系PLの開口数NAに相当する瞳半径
(r2)の0.3〜0.5倍程度の半径(r1)の円形領域
内に分布する結像光を遮光する瞳フィルターPFを配置
する。さらにレチクルパターンをウェハW上に投影露光
する際に、ウェハステージWSTを駆動して投影光学系
PLの結像面とウェハWとを光軸AX方向に相対的に移
動する。 【効果】 十分な焦点深度が得られるとともに、複数の
ホールパターンの分離能力(解像度)が高く、かつリン
ギングも小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路、液晶
ディスプレイ等の微細パターンの形成に使用される投影
露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の投影露光装置に使われている投
影光学系は、高度な光学設計、硝材の厳選、超精密加
工、及び精密な組立調整を経て装置内に組み込まれる。
現在、半導体製造工程では水銀ランプのi線(波長36
5nm)を照明光としてレチクル(マスク)を照射し、
そのレチクル上の回路パターンの透過光を投影光学系を
介して感光基板(ウェハ等)上に結像するステッパーが
主に使われている。また、最近ではエキシマレーザ(波
長248nmのKrFレーザ)を照明光とするエキシマ
ステッパーも使われている。エキシマステッパー用の投
影光学系は屈折レンズのみで構成した場合、使用できる
硝材が石英やホタル石等に限定される。
【0003】一般に、投影光学系を用いた露光によって
微細なレチクルパターンを感光基板へ忠実に転写するた
めには、投影光学系の解像力と焦点深度(DOF)とが
重要なファクタとなっている。現在実用化されている投
影光学系のうち、i線用のもので、開口数(NA)とし
て0.6程度のものが得られている。使用する照明光の
波長が同じであるとき、投影光学系の開口数を大きくす
ると、それに応じて解像力も向上する。しかしながら、
焦点深度(DOF)は開口数NAの増大に伴って減少す
る。焦点深度は照明光の波長をλとしたとき、DOF=
±λ/NA2 によって定義される。尚、照明光を短波長
化しても解像力は向上するが、同様に短波長化に伴って
焦点深度は減少する。
【0004】さて、投影光学系の開口数NAを大きくし
て解像力を向上させても、焦点深度(フォーカスマージ
ン)DOFは開口数の2乗に反比例して減少してしまう
ため、たとえ高開口数の投影光学系が製造できたとして
も、必要な焦点深度が得られないことになり、実用上の
大きな障害となる。例えば照明光の波長をi線の365
nmとし、開口数を0.6とすると、焦点深度DOFは
幅で約1μm(±0.5μm)になってしまい、ウェハ
上の1つのショット領域(20mm角〜30mm角程
度)内で表面の凹凸や湾曲がDOF以上の部分について
は解像不良を起こすことになる。またステッパーのシス
テム上でも、ウェハのショット領域毎のフォーカス合わ
せ、レベリング等を格段に高精度に行う必要が生じ、メ
カ系、電気系、ソフトウェアの負担(計測分解能、サー
ボ制御精度、設定時間等の向上努力)が増大することに
なる。
【0005】そこで本件出願人は、このような投影光学
系の諸問題を解決し、しかも特公昭62−50811号
公報に開示されているような位相シフトレチクルを使わ
なくとも、高解像力と大きな焦点深度との両方を得るこ
とができる新たな投影露光技術を、例えば特開平4−1
01148号公報、特開平4−225358号公報で提
案した。この露光技術は、投影光学系は既存のままで、
レチクルへの照明方法を特殊な形体に制御することで見
かけ上の解像力と焦点深度とを増大させるものであり、
SHRINC(uper igh esolut
ion byllumiation ontro
l)法と呼んでいる。SHRINC法は、レチクルR上
のラインアンドスペースパターン(L&Sパターン)の
ピッチ方向に対称的に傾斜した2つの照明光(又は4つ
の照明光)をレチクルへ照射し、L&Sパターンから発
生する0次回折光成分と±1次回折光成分の一方とを、
投影光学系の瞳内で光軸に関して対称的に通し、2光束
干渉(一方の1次回折光と0次回折光との干渉)の原理
を利用して、L&Sパターンの投影像(干渉縞)を生成
するものである。このように2光束干渉を利用した結像
によると、デフォーカス時の波面収差の発生が従来の方
法(通常の垂直照明)の場合よりも押さえられるため、
見かけ上焦点深度が大きくなるのである。
【0006】ところが、SHRINC法はレチクル上で
比較的近接したパターン間での光の干渉性を利用して、
解像度や焦点深度の向上を図るものである。すなわち、
レチクル上に形成されるパターンがL&Sパターン(格
子)のように周期構造を持つときに所期の効果が得られ
るのであり、例えばコンタクトホールパターン(微小角
パターン)のように孤立的なパターン(他のパターンと
の間隔が比較的離れているパターン)に対してはその効
果が得られない。一般に孤立した微小パターンの場合、
そこからの回折光は回折角度方向にほとんど一様な分布
として発生するため、投影光学系の瞳内では0次回折光
と高次回折光とに明確に分離しないためである。
【0007】そこで、コンタクトホール等の孤立パター
ンに対して見かけ上の焦点深度を拡大させる露光方法と
して、ウェハ上の1つのショット領域に対する露光を複
数回に分け、各露光の間にウェハを光軸方向に一定量だ
け移動させる方法が、例えば特開昭63−42122号
公報で提案された。この露光方法はFLEX(ocu
atitude enhancement EX
posure)法と呼ばれ、コンタクトホール等の孤立
パターンに対しては十分な焦点深度拡大効果を得ること
ができる。しかしながら、FLEX法はわずかにデフォ
ーカスしたコンタクトホール像を多重露光することを必
須とするため、この多重露光で得られる合成光学像、及
び現像後に得られるレジスト像は必然的に鮮鋭度が低下
したものになることは否めない。このため、近接したコ
ンタクトホールパターンの解像度が劣化したり、あるい
は露光量変動に対するマージン(露光量裕度)が低下し
てしまうという問題がある。
【0008】最近になって投影光学系の瞳面、すなわち
レチクルパターン面とウェハ表面の双方に対してフーリ
エ変換の関係となる投影光学系の面内に瞳フィルターを
設け、解像度や焦点深度を向上させる提案がなされてい
る。例えば、1991年春季応用物理学会の予稿集29
a−ZC−8、9で発表されたSuper−FLEX法
がある。Super FLEX法は、投影光学系の瞳面
に透明な位相板を設け、この位相板によって結像光に与
えられる複素振幅透過率が光軸から周辺に向かって順次
変化するような特性を持たせたものである。このように
すると、投影光学系によって結像された像はベストフォ
ーカス面(レチクルと共役な面)を中心に光軸方向に一
定の幅(従来よりは広い)でシャープさを保つことにな
り、焦点深度が増大するのである。尚、Super F
LEX法のような瞳フィルター、いわゆる多重焦点フィ
ルターについては、昭和36年1月23日付で発行され
た機械試験所報告第40号の「光学系における結像性能
とその改良方法に関する研究」と題する論文中の第41
頁〜第55頁に詳しく述べられている。
【0009】さらに瞳フィルターの別の形態として、瞳
面の中心部(光軸近傍)を通る照明光を遮光する瞳フィ
ルターが、例えば特開平4−179958号公報で提案
されている。この瞳フィルターは、投影光学系の瞳面の
半径(開口数NAに相当)に対して0.5〜0.7倍程
度の半径の円形遮光部を有するものであり、コンタクト
ホールパターンに対して焦点深度を増大させる効果があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Super FLEX法では、孤立的なコンタクトホー
ルパターンに対して十分な焦点深度増大効果が得られる
ものの、本来のコンタクトホールパターン(暗下地中の
微小明パターン)の近傍に副次的に生じるサブピーク
(リンギング)の強度が比較的強くなってしまう。この
ため、ある程度近接した複数のコンタクトホールパター
ンでは、ホール間のリンギングが重なり合う場所に不必
要なゴーストパターンが転写され、フォトレジストに不
要な膜べりを生じさせてしまうという問題があった。ま
た、投影光学系の瞳面の中心部を遮光する遮光型瞳フィ
ルターにおいては、十分な焦点深度増大効果を得るため
には中心遮光部の面積を大きくする必要があるが、この
場合には遮光による照明光量低下と、前述のSuper
FLEX法と同様にリンギングの強度が強くなるとい
う問題があり、十分な焦点深度と近接ホール間での誤転
写防止の両者を同時に満足することは難しい。
【0011】本発明はこの様な問題点を鑑みてなされた
ものであり、コンタクトホール等の孤立的なパターンに
対して焦点深度や露光量裕度を増大させるとともに、比
較的近接した複数の孤立パターンの間に誤転写(不要パ
ターンの転写)を生じさせない投影露光装置を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明では、微細パターンが形成されたマスク(レチ
クルR)を露光用の照明光ILB)で照射する照明手段
(1〜14)と、レチクルのパターンから発生した光を
入射してそのパターンの像を感応基板(ウェハW)上に
結像投影する投影光学系(PL)とを備えた投影露光装
置において、マスクと感応基板との間の結像光路内のフ
ーリエ変換面(FTP)、又はその近傍に配置され、投
影光学系の光軸(AX)を中心とした、投影光学系の瞳
面半径の0.3〜0.5倍程度の半径の円形領域内に分
布する結像光を遮光する遮光部材(PF)と、マスクの
パターンを感応基板上に投影露光する際に、投影光学系
の結像面と感応基板とを投影光学系の光軸方向に相対的
に移動する可動部材(ウェハステージWST)とを設け
ることとした。
【0013】また、可動部材が投影光学系の結像面と感
応基板とを段階的に相対移動するときは、露光用照明光
の波長をλ、投影光学系の感応基板側の開口数をNA、
遮光部材の円形遮光領域の半径と投影光学系の瞳面半径
との比をr(但し、0.3≦r≦0.5)とすると、 λ・α/{√(1−r2 ・NA2 )−√(1−NA2 )
} (但し、αは0.85≦α≦0.90なる実数) だけ光軸方向に離れた離散的な複数の位置の各々で露光
を行うものとする。
【0014】一方、可動部材が投影光学系の結像面と感
応基板とを連続的に相対移動するときは、 λ・2α/{√(1−r2 ・NA2 )−√(1−N
2 )} (但し、αは0.85≦α≦0.90なる実数) 程度以上相対移動させるようにする。
【0015】
【作用】本発明においては、遮光型瞳フィルターの円形
遮光部の半径を、投影光学系の瞳面半径(投影光学系の
開口数NAに相当する)に対して0.3〜0.5倍程度
に設定したため、従来の瞳フィルターで問題となってい
たリンギングを極めて小さくすることができる。一方、
遮光部半径が小さいために、従来の遮光型瞳フィルター
に比べて光量損失は低減できる反面、焦点深度は低下す
るが、これについてはFLEX法の併用により十分な焦
点深度を得ることができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影露光装置の
全体的な構成を示す。図1において、水銀ランプ1から
放射された高輝度光は楕円鏡2によって第2焦点に収斂
した後、発散光となってコリメータレンズ4に入射す
る。その第2焦点の位置にはロータリーシャッター3が
配置され、照明光の通過、遮断を制御する。コリメータ
レンズ4によってほぼ平行光束に変換された照明光は、
短波長カットフィルター5、干渉フィルター6に入射
し、ここで露光に必要とされる所望のスペクトル、例え
ばi線のみが抽出される。干渉フィルター6を射出した
照明光(i線)は、オプチカルインテグレータとしての
フライアイレンズ7に入射する。もちろんi線以外の波
長、あるいは複数の波長を使用してもよく、また光源自
体もレーザ等でもよい。
【0017】さて、フライアイレンズ7に入射した照明
光(ほぼ平行光束)は、フライアイレンズ7の複数のレ
ンズエレメントによって分割され、各レンズエレメント
の夫々の射出側には2次光源像(水銀ランプ1の発光点
の像)が形成される。従って、フライアイレンズ7の射
出側にはレンズエレメントの数と同じ数の点光源像が分
布し、面光源像が作られる。フライアイレンズ7の射出
側には、面光源像の大きさを調整するための可変絞り8
が設けられる。この絞り8を通った照明光(発散光)は
ミラー9で反射され、集光レンズ系10に入射した後、
レチクルブラインド11の矩形の開口部を均一な照度分
布で照射する。図1では、フライアイレンズ7の射出側
に形成される複数の2次光源像(点光源)のうち、光軸
AX上に位置する1つの2次光源像からの照明光のみを
代表的に図示してある。また、集光レンズ系10によっ
て、フライアイレンズ7の射出側(2次光源像が形成さ
れる面)はレチクルブラインド11の矩形開口面に対す
るフーリエ変換面になっている。従って、フライアイレ
ンズ7の複数の2次光源像の夫々から発散して集光レン
ズ系10に入射した各照明光は、レチクルブラインド1
1上で互いにわずかずつ入射角が異なる平行光束となっ
て重畳される。
【0018】レチクルブラインド11の矩形開口を通過
した照明光はレンズ系12、ミラー13を介してコンデ
ンサーレンズ14に入射し、コンデンサーレンズ14を
射出する光が照明光ILBとなってレチクルRに達す
る。ここでレチクルブラインド11の矩形開口面とレチ
クルRのパターン面とは、レンズ系12とコンデンサー
レンズ14との合成系によって互いに共役に配置され、
レチクルブラインド11の矩形開口の像が、レチクルR
のパターン面内に形成された矩形のパターン形成領域を
含むように結像される。図1に示すように、フライアイ
レンズ7の2次光源像のうち光軸AX上に位置する1つ
の2次光源像からの照明光ILBは、レチクルR上では
光軸AXに対して傾きのない平行光束になっているが、
これは投影光学系PLのレチクル側がテレセントリック
だからである。もちろん、フライアイレンズ7の射出側
には光軸AX上からずれて位置する多数の2次光源像
(軸外の点光源)が形成されるから、それらからの照明
光はいずれもレチクルR上では光軸AXに対して傾いた
平行光束となってパターン形成領域内で重畳される。
尚、レチクルRのパターン面とフライアイレンズ7の射
出側面とが、集光レンズ系10、レンズ系12、コンデ
ンサーレンズ14の合成系によって光学的にフーリエ変
換の関係になっていることは言うまでもない。また、レ
チクルRへの照明光ILBの入射角度範囲ψは絞り8の
開口径によって変化し、絞り8の開口径を小さくして面
光源の実質的な面積を小さくすると、入射角度範囲ψも
小さくなる。そのため絞り8は、照明光の空間的コヒー
レンシィを調整することになる。その空間的コヒーレン
シィの度合いを表すファクタとして、照明光ILBの最
大入射角ψ/2の正弦と投影光学系PLのレチクル側の
開口数NArとの比(σ値)が用いられている。このσ
値は通常、σ=sin(ψ/2)/NArで定義され、現在
稼動中のステッパーの多くは、σ=0.5〜0.7程度
の範囲で使われている。本発明では、そのσ値がどのよ
うな値であってもよく、極端な場合σ=0.1〜0.3
程度であってもよい。また、必要によっては前述のSH
RINC法による変形絞りや輪帯絞りを用いてもよい。
【0019】さて、レチクルRのパターン面にはクロム
層によって所定のレチクルパターンが形成されている
が、ここではクロム層が全面に蒸着され、その中に微小
な矩形開口部(クロム層のない透明部)で形成された複
数のコンタクトホールパターンが存在するものとする。
コンタクトホールパターンはウェハW上に投影したと
き、0.5μm角(又は径)以下の寸法になるように設
計されていることもあり、投影光学系PLの投影倍率M
を考慮してレチクルR上での寸法が決められている。ま
た、互いに隣接するコンタクトホールパターン間の寸法
は、通常1つのコンタクトホールパターンの開口部寸法
に対してかなり大きくなっているため、孤立的な微小パ
ターンとして存在する。すなわち、隣接する2つのコン
タクトホールパターンは、それぞれから発生した光(回
折、散乱光)が、回折格子のように互いに強く影響し合
うことがない程度に離れていることが多い。ところが後
で詳しく述べるが、かなり接近した配置でコンタクトホ
ールパターンを形成したレチクルも存在する。
【0020】図1において、レチクルRはレチクルステ
ージRSTに保持され、レチクルRのコンタクトホール
パターンの光学像(光強度分布)は投影光学系PLを介
してウェハWの表面のフォトレジスト層に結像される。
ここで、図1中のレチクルRからウェハWまでの光路
は、結像光束の主光線のみで示す。そして、投影光学系
PL内のフーリエ変換面FTPには、遮光型の瞳フィル
ターPFが設けられる。この瞳フィルターPFは、瞳面
の最大径をカバーする直径を有し、スライダー機構20
によって光路外へ退出したり、光路内に進入したりする
ことができる。
【0021】仮りにそのステッパーが専らコンタクトホ
ールパターンを露光するために使われるのであれば、瞳
フィルターPFは投影光学系PL内に固定しておいても
よい。しかしながら、複数台のステッパーによってリソ
グラフィ工程の露光作業を行う場合、各ステッパーの最
も効率的な運用を考えると、特定の一台のステッパーを
コンタクトホールパターン専用の露光に割り当てること
は躊躇される。そのため、瞳フィルターPFは投影光学
系PLの瞳面(フーリエ変換面)FTPに対して挿脱可
能に設け、コンタクトホールパターン以外のレチクルパ
ターンの露光時にも、そのステッパーが使えるようにし
ておくことが望ましい。尚、投影光学系によっては、そ
の瞳位置(フーリエ変換面FTP)に実効的な瞳径を変
えるための円形開口絞り(NA可変絞り)を設けること
もある。この場合、NA絞りと瞳フィルターPFは機械
的に干渉しないように、かつできるだけ接近して配置さ
れる。
【0022】さて、ウェハWは、光軸AXと垂直な面内
で2次元移動(以下、XY移動とする)するとともに、
光軸AXと平行な方向に微動(以下、Z移動とする)す
るウェハステージWST上に保持される。ウェハステー
ジWSTのXY移動、Z移動はステージ駆動ユニット2
2によって行われ、XY移動に関してはレーザ干渉計2
3による座標計測値に従って制御され、Z移動に関して
はオートフォーカス用のフォーカスセンサー24の検出
値に従って制御される。ステージ駆動ユニット22、ス
ライダー機構20等は、主制御ユニット25からの指令
で動作する。この主制御ユニット25は、さらにシャッ
タ駆動ユニット26へ指令を送り、シャッター3の開閉
を制御するとともに、開口制御ユニット27へ指令を送
り、絞り8、又はレチクルブラインド11の各開口の大
きさを制御する。また主制御ユニット25は、レチクル
ステージRSTへのレチクルの搬送路中に設けられたバ
ーコードリーダー28が読み取ったレチクル名を入力で
きるようになっている。従って主制御ユニット25は、
入力したレチクル名に応じてスライダー機構20の動
作、開口駆動ユニット27の動作等を統括的に制御し、
絞り8、レチクルブラインド11の各開口寸法、及び瞳
フィルターPFの要、不要を、そのレチクルに合わせて
自動的に調整することができる。
【0023】ここで図1中の投影光学系PLの一部分の
構造を、図2を参照して説明する。図2は全て屈折性硝
材で作られた投影光学系PLの部分的な断面を示し、前
群のレンズ系GAの最下部のレンズGA1 と後群のレン
ズ系GBの最上部のレンズGB1 との間の空間中にフー
リエ変換面(瞳面)FTPが存在する。投影光学系PL
は複数枚のレンズを鏡筒で保持しているが、瞳フィルタ
ーPFの挿脱のために、鏡筒の一部に開口部を設ける。
また、瞳フィルターPF及びスライダー機構20の全
部、又は一部を、外気に直接露出させないようなカバー
20Bを、鏡筒の開口部から延設する。このカバー20
Bは外気に浮遊する微小なダストが投影光学系PLの瞳
空間内に進入するのを防ぐ。スライダー機構20には、
回転モータ、ペンシリンダー、ソレノイド等のアクチュ
エータ20Aが結合されている。さらに、鏡筒の一部に
瞳空間に連通する流路Afを設け、パイプ29を介して
温度制御されたクリーンエアを瞳空間へ供給すること
で、瞳フィルターPFの露光光の吸収による温度上昇、
及び瞳空間全体の温度上昇を押さえるようにする。尚、
瞳空間へ強制的に供給されたクリーンエアを、スライダ
ー機構20、アクチュエータ20Aを介して強制的に排
出するようにすれば、スライダー機構20等で発生した
埃塵が瞳空間内に進入することを防止することができ
る。
【0024】図3は、本発明による遮光型瞳フィルター
(遮光部材)の構成の一例を示し、本実施例では遮光部
材(例えば金属板等)から輪帯状の領域(正確には4つ
の扇状領域)をくり抜いて光透過部を形成したものであ
る。図3において、4本の遮光部S2 は中心の円形遮光
部S1 を外側の輪帯遮光部S3 に保持するための保持部
材となっている。また、破線円Puは投影光学系PLの
瞳面を示しており、その半径(最大径、又はNA可変絞
りで規定される径)r2 は投影光学系PLの開口数NA
に比例する。ここで、輪帯遮光部S3 の内半径(透過部
の外半径)r3は投影光学系PLの瞳面Puの最大径よ
りも大きくなるように定められているものとする。従っ
て、瞳面Puを通過する結像光が輪帯遮光部S3 で遮光
されることがなくなる。さらに円形遮光部S1 の半径は
1 であり、これは前述の瞳面半径r2 に対して0.3
〜0.5倍程度とする。すなわち、半径比r1 /r2
0.3≦r1 /r2 ≦0.5に定められる。また、円形
遮光部S1 の中心を投影光学系PLの光軸AXに一致さ
せるものとする。
【0025】ところで、図3では瞳フィルターPFの光
透過部の外半径r3 が瞳面半径r2よりも大きいものと
したが、その外半径(輪帯遮光部S3 の内半径)r3
瞳面半径r2 よりも小さくすることで、前述のNA可変
絞りの代わりに、瞳フィルターPFによって投影光学系
PLの開口数NAを絞ることもできる。この場合には、
半径比r1 /r3 を0.3≦r1 /r3 ≦0.5となる
ようにする。尚、円形遮光部S1 とNA可変絞りとを組
み合わせて、輪帯遮光部S3 をNA可変絞りで代用する
ようにしてもよい。また、図3では保持部材S2 によっ
て結像光の一部が遮光されることになるが、この遮光に
よる悪影響は保持部材S2 の面積が小さいため、特に問
題となることはない。さらに、本実施例とは別の形態
で、例えば石英基板等の透明基板上に、金属膜等の蒸着
等で中心遮光部S1 を形成した瞳フィルターを使用して
もよい。但し、この場合には瞳フィルターを投影光学系
PLの光路外に退避させて使用する場合、代わりに、瞳
フィルターと同程度の厚さの透明基板を挿入して、光学
系の収差変動を防止する必要がある。
【0026】さて、本発明では前述の遮光型瞳フィルタ
ーPF(図3)と従来のFLEX法とを併用すること
で、リンギングを極めて小さくし、かつ十分な焦点深度
を得ようとするものである。そこで本実施例では、図1
中のウェハWを保持するウェハステージWSTが、従来
のFLEX法の機能、すなわち露光中にウェハWを光軸
AX方向に移動、又は振動させる機能を有する。ここ
で、本発明で用いるFLEX法、例えば特開昭63−4
2122号公報に開示されたように1つのショット領域
に対する露光を複数回に分け、各露光の間にウェハを光
軸方向に一定量だけ移動させる方式では、照明光ILB
の波長をλ、投影光学系PLのウェハW側の開口数をN
A、瞳フィルターPFの中心遮光部S1 の半径r1 と投
影光学系PLの開口数NAに相当する瞳面半径r2 との
比をr(=r1 /r2 、0.3≦r≦0.5)とする
と、光軸方向に関して離散的な複数の露光位置の相互間
隔(すなわちウェハWの1回当たりの移動量)を、
【0027】
【数1】
【0028】程度に定めることとした。但し、αは0.
85≦α≦0.90なる実数である。これは、本件発明
者によってこの移動量が本方式の最適値であることが見
出されたためである。さらに本発明で用いるFLEX法
が、露光中にウェハWを光軸方向に連続的に移動させる
方式である場合には、その移動範囲を、
【0029】
【数2】
【0030】程度以上に定めることとした。但し、αは
0.85≦α≦0.90なる実数であり、半径比r(=
1 /r2 )は0.3≦r≦0.5なる関係を満足す
る。これも、この移動範囲が本方式の最適値であること
が見出されたためである。また、特にウェハWを振動さ
せる場合には、その振幅を上記2つの移動量の中間程度
以上に定めるとよい。
【0031】また、前述の如くウェハを連続的に移動さ
せつつも、ウェハの移動速度を適切に制御することで段
階的(離散的)な移動方式とほぼ同等の効果が得られる
方式が、例えば特開平5−13305号公報、特開平5
−47625号公報で提案されている。本方式を採用す
る場合には、その移動量は前述した段階的な移動方式に
おける離散的な複数の露光位置の相互間隔と同程度、も
しくはそれ以上とする。
【0032】尚、前述の如くウェハWを段階的、又は連
続的に移動しながら露光を行う場合には、投影光学系P
Lのベストフォーカス位置を中心として、光軸方向にほ
ぼ対称になる範囲でウェハWを移動するものとする。ま
た、以上の説明では0.85≦α≦0.90とする、す
なわちFLEX法での相対移動量がその最適値に対して
幅で5%変化してもよいものとした。これが最適範囲で
はあるが、例えば±10%程度変化しても実用上問題な
い。
【0033】ところで、前述したウェハWの移動に際し
ては、ウェハステージWST内部のウェハ移動機構にエ
ンコーダ等の位置測定器を設けて、その測定値を基にウ
ェハステージWSTの移動を制御してもよく、あるいは
図1中のフォーカスセンサー24等の検出値を基にウェ
ハステージWSTを制御してもよい。また、露光中にウ
ェハWの代わりにレチクルRを移動するようにしてもよ
いが、この場合は投影光学系PLの縦倍率(=横倍率の
次乗)だけ移動量を大きくする必要がある。すなわち、
例えば投影光学系が5倍系(1/5縮小露光)であれ
ば、レチクルRの移動量はウェハWの移動量の25倍と
なる。尚、投影光学系PLを構成する少なくとも一部の
光学素子を移動する、又はレチクルRに照射する照明光
ILBの波長をわずかに変えて、投影光学系PLの結像
面を光軸方向にシフトさせるように構成してもよい。こ
のとき、結像面のシフト量は前述したウェハWの移動量
と同程度とする。
【0034】次に、本実施例(図3)の瞳フィルターP
FとFLEX法とを併用した場合のシミュレーション結
果を基に、本発明による効果について説明する。図5
は、図3中の遮光部S1 の半径r1 をr1 =0.35×
2 (r2 は投影光学系PLの開口数NAに相当する瞳
面半径)に設定したときのコンタクトホールパターンの
光学像シミュレーション結果(断面強度分布)である。
ここで、露光条件として照明光ILBの波長をi線の
0.365μmとし、投影光学系PLの開口数NAを
0.57とし、照明光学系のσ値を0.6とした。ま
た、離散的な2つの位置の各々で露光を行う段階移動方
式のFLEX法を併用するものとし、その2つの位置の
間隔(距離)はα=0.87として、以下のように定め
た。
【0035】
【数3】
【0036】図5(A)は、図4(A)に示すようにウ
ェハ上換算で0.3μm角の2個のコンタクトホール
が、中心間距離で0.45μm(ウェハ上換算値)だけ
離れて並んだパターンの像のA−A’断面での像強度分
布を示している。図5(B)は、図4(B)に示すよう
にウェハ上換算で0.30μm角の2個のコンタクトホ
ールが、中心間距離で0.75μmだけ離れて並んだパ
ターンのB−B’断面での像強度分布を示している。図
5(A)、(B)では共に、実線がベストフォーカス位
置での像強度分布、一点鎖線が±1μmのデフォーカス
位置での像強度分布、二点鎖線が±2μmのデフォーカ
ス位置での像強度分布を表している。また、図5
(A)、(B)中のEthはポジ型フォトレジストを完全
に溶解するのに必要な露光光強度を表している。従っ
て、図中でこの強度値Ethのもとでの光学像のスライス
幅が、ウェハ上に形成されるホールパターンの径になる
と考えられる。尚、図5(A)、(B)中の光学像のゲ
イン(縦方向倍率)は、強度値Ethのもとでの光学像の
スライス幅が、ベストフォーカス位置での像強度分布
(実線)で0.3μmとなるように定めている。
【0037】図5(A)、(B)に示した通り本発明に
おいては、ホールパターンの像がベストフォーカス位置
(実線)と±1μmのデフォーカス位置(一点鎖線)と
でほとんど変化しない(図では両者がほとんど重なって
いる)、すなわち極めて大きな焦点深度でコンタクトホ
ールパターンを投影露光することが可能である。また、
図5(A)に示すように、近接した2個のホールパター
ンに対しても十分な分離能力(解像力)があり、かつ両
ホール間に不要な転写(明ピーク)が生じないという利
点がある。
【0038】図6、図7は、図5とは異なる条件での光
学像シミュレーション結果を示す。図6では、中心遮光
部の半径r1 はr1 =0.35×r2 (図5の場合と同
様)であるが、FLEX法としては光軸方向に2.0μ
mずつ離れた離散的な3点の各々で露光を行う方式を採
用するものとした。尚、露光条件(NA、σ、λ)や使
用するパターン等の他の条件は図5と全く同様である。
図6(A)、(B)はそれぞれ図5(A)、(B)と同
様に、図4(A)、(B)に示すパターンの光学像を示
す。図6(A)、(B)では共に、ベストフォーカス位
置(実線)、±1μmのデフォーカス位置(一点鎖
線)、及び±2μmのデフォーカス位置(二点鎖線)で
の像が全て重なっている、すなわちフォーカス方向(光
軸方向)の極めて広い範囲にわたって非常に良好な像が
得られることがわかる。もちろん、この場合にも、近接
したコンタクトホールの分離能力は極めて高く、リンギ
ングも十分に低く押さえられている。
【0039】図7では、中心遮光部の半径r1 をr1
0.45×r2 とし、FLEX法としては離散的な3点
の各々で露光を行う方式を採用し、かつ各点の間隔をα
=0.89として以下のように定めた。尚、露光条件
(NA、σ、λ)や使用するパターン等の他の条件は図
5と全く同様である。
【0040】
【数4】
【0041】図7(A)、(B)でも、図6と同様に極
めて焦点深度が大きく、かつ近接したコンタクトホール
の分離能力も高く、リンギングも小さい良好な像を得る
ことができる。但し、図6の像と比べると、少々だが、
図7の像の方がリンギングが大きくなっている。その一
方で、図7の像の方が図6の像よりも像のピークの高さ
が高くなっており、これは図7の像の方がより大きな露
光量マージンを持っていることを示している。すなわ
ち、露光量の変動(図中では、光学像のゲインの変動、
又はEthレベルの変動)に対するコンタクトホールのレ
ジストパターンサイズ(図ではEthでのスライス幅)の
変動が小さいことを表している。
【0042】以上のように、リンギングと露光量マージ
ンとは中心遮光部の半径r1 の値によって変動する性能
であり、すなわち半径r1 の値が小さいと、リンギング
は小さくなる一方で、露光量マージンが減少し、半径r
1 の値が大きいと、リンギングは大きくなるが、露光量
マージンは増大する。従って、使用するレチクルパター
ンに応じて半径r1 の値(及びそれによって変わるFL
EX法の条件)を変化させるようにしてもよい。すなわ
ち、比較的密集したコンタクトホールパターンに対して
は半径r1 が小さい瞳フィルターを使用し、比較的離散
的(孤立的)なコンタクトホールパターンに対しては半
径r1 が大きい瞳フィルターを使用するとよい。
【0043】また、これらの瞳フィルターのうち、各種
ホールパターンに対して最も有効な瞳フィルターは、半
径r1 の値が0.3×r2 から0.5×r2 (r2 は投
影光学系の開口数NAに相当した瞳面半径)程度の間で
あることがわかった。すなわち、半径r1 が0.3×r
2 よりも小さいと、露光量マージンが少なすぎ、半径r
1 が0.5×r2 よりも大きいと、リンギングが大きく
なり過ぎてしまう。従って、本発明では半径r1 を0.
3×r2 ≦r1 ≦0.5×r2 の範囲内で設定にするこ
ととした。
【0044】以上のシミュレーションでは、FLEX法
として離散的な複数点の各々で露光を行う方式を採用す
るものとしたが、この複数点の間隔(数1)についても
本件発明者が行った膨大なシミュレーション結果から得
られた最適値であり、間隔がこれよりも小さいと、焦点
深度増大効果が十分でなく、これより大きいと、いわゆ
る二重焦点化(あるいは三重焦点化)してしまい、やは
り十分な焦点深度を得ることができない。また、シミュ
レーションではFLEX法で露光を行う離散的な複数点
は2点又は3点としたが、これは4点以上であっても構
わない。さらにFLEX法として、離散的な複数点の各
々で露光を行う代わりに、光軸方向のある範囲内で露光
中にウェハを連続的に移動させる方式を採用しても良
い。この場合、連続的な移動を行う範囲は、上記の離散
的な点の間隔の最適値の、2倍程度以上の範囲とすると
よい。
【0045】図8は比較のために従来の通常露光でのシ
ミュレーション結果(光学像)を示したものであり、図
8(A)は図4(A)のパターンの光学像、図8(B)
は図4(B)のパターンの光学像を示している。図8
(A)、(B)では、瞳フィルター及びFLEX法を用
いないため、共に±1μmのデフォーカス位置(1点鎖
線)での像はベストフォーカス位置での像(実線)に比
べて大きく劣化している。従って、通常の結像方法では
十分な焦点深度が得られないことがわかる。
【0046】図9も比較のために、通常露光(瞳フィル
ター不使用)にFLEX法を適用した場合でのシミュレ
ーション結果を示したものである。図9でのFLEX法
は離散的な3点の各々で露光を行うものとし、その間隔
は各1.5μmとした。図9(A)、(B)に示すよう
に、通常露光とFLEX法との併用でも±1μmのデフ
ォーカス位置での像(一点鎖線)をベストフォーカス位
置での像(実線)に近づけること、すなわち焦点深度を
増大することは可能ではある。しかしながら、図4
(B)の如きある程度離れて並ぶホールパターンの像
(図9(B))では両ホールは完全に分離するが、それよ
りも近接した図4(A)のホールパターンの像(図9
(A))では両ホールの分離が十分でなく、両ホールがつ
ながって形成されてしまう恐れがある。これは、図9
(A)中のホール間の像強度がEth/2に近づいている
ためである。尚、図5〜図11中のEth/2は、ポジ型
フォトレジストで膜ベリが生じ始める露光量にほぼ対応
しているものとする。従って、単なるFLEX法では、
両ホールの中間のフォトレジストが膜ベリを起こしてし
まう可能性がある。これに対して、前述の本発明による
像(図5〜図7)では両ホールの中間部の光量は十分に
小さく膜ベリの心配は全くない。
【0047】図10、図11は比較のために、従来の2
重焦点型瞳フィルター(位相差フィルター)、一例とし
てSuper FLEX法でのシミュレーション結果を
示したものである。図10、図11では、シミュレーシ
ョンの条件(λ、NA、σ、ホールパターン、フォーカ
ス位置)は全て図5〜図9と同様であるが、瞳フィルタ
ーとしては瞳中心部(例えば光軸を中心とした半径r1
の円形領域内)に分布する結像光と、その周辺部(例え
ば内半径r1 、外半径が投影光学系の最大開口数に相当
する瞳面の最大径となる輪帯領域内)に分布する結像光
とにπ〔rad]の位相差を与える2重焦点フィルターを用
いるものとした。また、図10ではr1=0.4×
2 、図11ではr1 =0.3×r2 とした。但し、r
2 は瞳面半径、すなわち投影光学系の開口数NAに相当
する。
【0048】図10(A)、(B)では共に焦点深度は
十分に大きくなっている、すなわちベストフォーカス位
置での像(実線)と±1μmのデフォーカス位置での像
(一点鎖線)とがほとんど重なっているが、リンギング
は非常に大きくなっている。特に図4(B)の如きある
程度離れて並ぶホールパターンの像(図10(B))で
は、両ホールのリンギングがその中間で加算されて極め
て明るいゴースト像を作り出してしまう。このため、両
ホール間に不要なホールパターンが誤転写されることと
なり、このような瞳フィルターは実際には使用すること
ができない。一方、図11(A)、(B)では、図10
の場合に比べて半径r1 の値が小さくなっているので、
図10よりもリンギングが多少小さくなるが、その一方
で焦点深度は減少する、すなわちベストフォーカス位置
での像(実線)と±1μmのデフォーカス位置での像
(一点鎖線)との差が大きくなり、実用上十分な焦点深
度を得ることができない。
【0049】以上のように、従来提案されている二重焦
点フィルター(位相差フィルター)においては、半径r
1 の値によって焦点深度とリンギングとが大きく変動す
るが、どちらも良好とするような半径r1 の最適化は不
可能である。これに対して本発明においては、既に図5
〜図7に示した通り十分大きな焦点深度を持ちながらリ
ンギングも十分小さく、かつ近接したホールパターンの
分離能力も高いといった、極めて優れた投影露光装置を
実現することができる。
【0050】尚、本発明による瞳フィルターとしての遮
光部材は先に述べたもの以外に、例えば特開平4−17
9958号公報に開示されている各種方法を用いてもよ
い。すなわち、遮光部材として露光光は吸収し、この露
光光と異なる波長域のアライメント用照明光は透過する
ようにしてもよく、あるいは金属板の露光光の吸収によ
る発熱防止のため、液体冷却機構等を設けてもよい。ま
た、上記の遮光部材を露光光を吸収するものではなく、
多層膜等により反射するものとしてもよい。
【0051】また、前述の実施例(シミュレーション)
では、レチクル上のコンタクトホールパターンとしてウ
ェハ上換算で0.3μm角(又は径)のパターン、すな
わち1/5縮小系ならレチクル上では1.5μm角(又
は径)を、ウェハ上で0.3μm角に転写するものとし
たが、レチクルパターンのサイズは必ずしもウェハ上換
算で所望のサイズでなくてもよい。例えば、ウェハ上換
算で0.4μm角となるレチクル上の2μm角のホール
パターンがウェハ上で0.3μm角となるように、露光
量を調整して転写してもよい。
【0052】さらに本発明による投影露光装置に、例え
ば特開平4−136854号公報、特開平4−1620
39号公報に開示された、いわゆるハーフトーン型位相
シフトレチクルやエッジ強調型位相シフトレチクル等を
併用して露光を行うようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンタク
トホールパターンの転写に際して十分な焦点深度が得ら
れるのみでなく、近接して並ぶ複数のコンタクトホール
パターンの分離能力(解像度)が高く、かつある程度離
れて並ぶコンタクトホール間に不要な誤転写を生じな
い、すなわちリンギングの小さな投影露光装置を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の全体的な
構成を示す図。
【図2】図1中の投影光学系の一部分の構造を示す断面
図。
【図3】図1中の遮光型瞳フィルターの具体的な構成の
一例を示す図。
【図4】(A)は近接した2個のコンタクトホールを示
す図、(B)はある程度離れた2個のコンタクトホール
を示す図。
【図5】(A)、(B)は複数のホールパターンに対す
る本発明による効果を像強度分布としてシミュレーショ
ンしたグラフ。
【図6】(A)、(B)は複数のホールパターンに対す
る本発明による効果を像強度分布としてシミュレーショ
ンしたグラフ。
【図7】(A)、(B)は複数のホールパターンに対す
る本発明による効果を像強度分布としてシミュレーショ
ンしたグラフ。
【図8】(A)、(B)は複数のホールパターンに対す
る従来の通常露光法による効果を像強度分布としてシミ
ュレーションしたグラフ。
【図9】(A)、(B)は複数のホールパターンに対す
る従来の通常露光法とFLEX法との併用による効果を
像強度分布としてシミュレーションしたグラフ。
【図10】(A)、(B)は複数のホールパターンに対
する従来の2重焦点型フィルター(Super FLE
X法)による効果を像強度分布としてシミュレーション
したグラフ。
【図11】(A)、(B)は複数のホールパターンに対
する従来の2重焦点型フィルター(Super FLE
X法)による効果を像強度分布としてシミュレーション
したグラフ。
【主要部分の符号の説明】
PF 瞳フィルター PL 投影光学系 AX 光軸 Pu 投影光学系の瞳面 FTP フーリエ変換面 R レチクル W ウェハ WST ウェハステージ S1 〜S3 遮光部
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】図5(A)は、図4(A)に示すようにウ
ェハ上換算で0.3μm角の2個のコンタクトホール
が、エッジ間距離で0.45μm、すなわち中心間距離
で0.75μm(ウェハ上換算値)だけ離れて並んだパ
ターンの像のA−A’断面での像強度分布を示してい
る。図5(B)は、図4(B)に示すようにウェハ上換
算で0.30μm角の2個のコンタクトホールが、エッ
間距離で0.75μm、すなわち中心間距離で1.0
5μm(ウェハ上換算値)だけ離れて並んだパターンの
B−B’断面での像強度分布を示している。図5
(A)、(B)では共に、実線がベストフォーカス位置
での像強度分布、一点鎖線が±1μmのデフォーカス位
置での像強度分布、二点鎖線が±2μmのデフォーカス
位置での像強度分布を表している。また、図5(A)、
(B)中のEthはポジ型フォトレジストを完全に溶解す
るのに必要な露光光強度を表している。従って、図中で
この強度値Ethのもとでの光学像のスライス幅が、ウェ
ハ上に形成されるホールパターンの径になると考えられ
る。尚、図5(A)、(B)中の光学像のゲイン(縦方
向倍率)は、強度値Ethのもとでの光学像のスライス幅
が、ベストフォーカス位置での像強度分布(実線)で
0.3μmとなるように定めている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細パターンが形成されたマスクを露光
    用の照明光で照射する照明手段と、前記マスクのパター
    ンから発生した光を入射して前記パターンの像を感応基
    板上に結像投影する投影光学系とを備えた投影露光装置
    において、前記マスクと前記感応基板との間の結像光路
    内のフーリエ変換面、又はその近傍に配置され、前記投
    影光学系の光軸を中心とした、前記投影光学系の瞳面半
    径の0.3〜0.5倍程度の半径の円形領域内に分布す
    る結像光を遮光する遮光部材と;前記マスクのパターン
    を前記感応基板上に投影露光する際に、前記投影光学系
    の結像面と前記感応基板とを前記投影光学系の光軸方向
    に相対的に移動する可動部材とを備えたことを特徴とす
    る投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記遮光部材を前記投影光学系の光路中
    に装脱可能とする能動部材を有することを特徴とする請
    求項第1項に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記可動部材は、前記投影光学系の結像
    面と前記感応基板とを段階的に少なくとも1回相対移動
    し、かつ前記照明光の波長をλ、前記投影光学系の前記
    感応基板側の開口数をNA、前記遮光部材の円形遮光領
    域の半径と前記投影光学系の瞳面半径との比をr(但
    し、0.3≦r≦0.5)とすると、 λ・α/{√(1−r2 ・NA2 ) −√(1−NA2 )
    } (但し、αは0.85≦α≦0.90なる実数) だけ前記光軸方向に離れた離散的な複数の位置の各々で
    露光を行うことを特徴とする請求項第1項、又は第2項
    に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記可動部材は、前記投影光学系の結像
    面と前記感応基板とを連続的に相対移動し、かつ前記照
    明光の波長をλ、前記投影光学系の前記感応基板側の開
    口数をNA、前記遮光部材の円形遮光領域の半径と前記
    投影光学系の瞳面半径との比をr(但し、0.3≦r≦
    0.5)とすると、 λ・2α/{√(1−r2 ・NA2 )−√(1−N
    2 )} (但し、αは0.85≦α≦0.90なる実数) 程度以上前記光軸方向に相対移動させることを特徴とす
    る請求項第1項、又は第2項に記載の投影露光装置。
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