JPH07321016A - 投影露光方法及び装置 - Google Patents

投影露光方法及び装置

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JPH07321016A
JPH07321016A JP6112974A JP11297494A JPH07321016A JP H07321016 A JPH07321016 A JP H07321016A JP 6112974 A JP6112974 A JP 6112974A JP 11297494 A JP11297494 A JP 11297494A JP H07321016 A JPH07321016 A JP H07321016A
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Japan
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exposure
optical system
radius
projection optical
optical axis
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JP6112974A
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Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • G03F7/70091Illumination settings, i.e. intensity distribution in the pupil plane or angular distribution in the field plane; On-axis or off-axis settings, e.g. annular, dipole or quadrupole settings; Partial coherence control, i.e. sigma or numerical aperture [NA]
    • G03F7/701Off-axis setting using an aperture
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70308Optical correction elements, filters or phase plates for manipulating imaging light, e.g. intensity, wavelength, polarisation, phase or image shift
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    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70325Resolution enhancement techniques not otherwise provided for, e.g. darkfield imaging, interfering beams, spatial frequency multiplication, nearfield lenses or solid immersion lenses
    • G03F7/70333Focus drilling, i.e. increase in depth of focus for exposure by modulating focus during exposure [FLEX]

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトホールパターン等の孤立的パター
ンの露光に際して、所望の焦点深度を得ると共に、近接
した複数の孤立的パターンを露光する際に、誤転写が生
じないようにする。 【構成】 レチクルRのパタ−ン像を投影光学系PLを
介してウエハW上に結像投影する投影露光装置におい
て、投影光学系PLの瞳面付近に、中心部とその周辺の
輪帯部とで所定の光学的位相差を与える位相型の瞳フィ
ルターPF1を設ける。この瞳フィルターPF1の形状
及び振幅透過率を、3回の分割露光を行うFLEX法と
の併用を前提として最適化する。更に、FLEX法の光
軸AX方向における3回の分割露光における3つの位置
における露光量比も所定の関係式により最適化し、且つ
その分割露光における光軸方向の位置の間隔も最適化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路、液晶
ディスプレイ等の微細パターンをフォトリソグラフィー
工程で製造する際に使用される投影露光方法及び装置に
関し、特に近接したコンタクトホールパターンを形成す
る際に適用して卓効あるものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体集積回路、液晶ディスプ
レイ等の微細パターンをフォトリソグラフィー工程で形
成する際に使用される投影露光装置の投影光学系は、高
度な光学設計、硝材の厳選、超精密加工、及び精密な組
立調整を経て装置内に組み込まれる。現在、例えば半導
体製造工程では水銀ランプのi線(波長365nm)を
照明光としてレチクル(又はフォトマスク等)を照射
し、そのレチクル上の回路パターンの透過光を投影光学
系を介してフォトレジストが塗布されたウエハ上に結像
するステッパーが主に使われている。また、最近ではエ
キシマレーザ光(波長248nmのKrFエキシマレー
ザ光等)を照明光とするエキシマステッパーも使われて
いる。
【0003】一般に、投影光学系を用いた露光によって
微細なレチクルパターンを感光基板へ忠実に転写するた
めには、投影光学系の解像力と焦点深度(DOF)とが
重要なファクタとなっている。現在実用化されている投
影光学系のうち、i線用のもので、開口数(NA)とし
て0.6程度のものが得られている。使用する照明光の
波長が同じであるとき、投影光学系の開口数を大きくす
ると、それに応じて解像力も向上する。しかしながら、
焦点深度(DOF)は開口数NAの増大に伴って減少す
る。即ち照明光の波長をλとしたとき、焦点深度DOF
は±λ/NA2によって定義されるからである。また、
照明光を短波長化しても解像力は向上するが、短波長化
に伴って開口数の場合と同様に焦点深度は浅くなる。
【0004】さて、投影光学系の開口数NAを大きくし
て解像力を向上させても、フォーカスマージンである焦
点深度DOFは開口数の2乗に反比例して減少してしま
うため、たとえ高開口数の投影光学系が製造できたとし
ても、必要な焦点深度が得られないことになり、実用上
の大きな障害となる。例えば照明光の波長をi線の36
5nmとし、開口数を0.6とすると、焦点深度DOF
は幅で約1μm(±0.5μm)になってしまい、ウエ
ハ上の1つのショット領域(20mm角〜30mm角程
度)内で表面の凹凸や湾曲がそのDOF以上の部分につ
いては解像不良を起こすことになる。
【0005】このような投影光学系の問題を解決するた
め、特公昭62−50811号公報に開示されているよ
うな位相シフトレチクル法や、特開平4−101148
号公報、特開平4−225358号公報で開示されたS
HRINC(Super High−Resolution by IllumiNation
Control)法が提案されている。これらの方法は、レチ
クル上の特にライン・アンド・スペースパターン(L&
Sパターン)等の周期的なパターンの転写に際して、解
像度や焦点深度を向上させるのに適した方法であるが、
例えばコンタクトホールパターン(微小角パターン)の
ように孤立的なパターン(他のパターンとの間隔が比較
的離れているパターン)に対してはその効果が得られな
い。
【0006】そこで、コンタクトホールパターン等の孤
立パターンに対して見かけ上の焦点深度を拡大させる露
光方法として、ウエハ上の1つのショット領域に対する
露光を複数回に分け、各露光の間にウエハを光軸方向に
一定量だけ移動させる方法が、例えば特開昭63−42
122号公報で提案された。この露光方法はFLEX
(Focus Latitude enhancement EXposure)法と呼ばれ、
コンタクトホールパターン等の孤立パターンに対しては
十分な焦点深度拡大効果を得ることができる。しかしな
がら、FLEX法では、僅かにデフォーカスしたコンタ
クトホールパターン像を多重露光しなけれならず、従っ
てこの多重露光で得られる合成光学像、及び現像後に得
られるレジスト像は必然的に鮮鋭度が低下したものにな
る。このため、近接したコンタクトホールパターンの解
像度が劣化したり、あるいは露光量変動に対するマージ
ン(露光量裕度)が低下してしまう等の問題がある。
【0007】最近になって投影光学系の瞳面(レチクル
パターン面とウエハ表面との双方に対してフーリエ変換
の関係となる投影光学系の面)内に瞳フィルターを設
け、解像度や焦点深度を向上させる方法が提案されてい
る。例えば、1991年春季応用物理学会の予稿集29
a−ZC−8、9ではSuper FLEX法が発表さ
れた。Super FLEX法は、投影光学系の瞳に透
明な位相板を設け、この位相板によって結像光に与えら
れる複素振幅透過率が光軸から周辺に向かって順次変化
するような特性を持たせたものである。このようにする
と、投影光学系によって結像された像はベストフォーカ
ス面(レチクルと共役な面)を中心に光軸方向に一定の
幅(従来よりは広い)でシャープさを保つことになり、
焦点深度が増大する。なお、Super FLEX法で
用いられているような瞳フィルター、いわゆる多重焦点
フィルターについては、昭和36年1月23日付で発行
された機械試験所報告第40号の「光学系における結像
性能とその改良方法に関する研究」と題する論文中の第
41頁〜第55頁に詳しく述べられている。
【0008】また、上記の如く透過光の位相変化を与え
るフィルターではなく、瞳面の中心部(光軸近傍)を遮
光するタイプのコンタクトホールパターン用の瞳フィル
ターが本出願人により、特開平4−179958号公報
で提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Super FLEX法では、孤立的なコンタクトホー
ルパターンに対して十分な焦点深度増大効果が得られる
ものの、本来のコンタクトホールパターン(暗い下地パ
ターン中の微小な明るいパターン)の近傍に副次的に生
じるサブピーク(リンギング)の強度が比較的強くなっ
てしまう。このため、ある程度近接した複数のコンタク
トホールパターンでは、コンタクトホール間のリンギン
グが重なり合う場所に不必要なゴーストパターンが転写
され、フォトレジストの転写像に不要な膜べりを生じさ
せてしまうという不都合があった。
【0010】これに関し、本出願人は上記各種の瞳フィ
ルター技術と上記FLEX法との併用時の最適条件につ
いて解析し、その結果を特願平5−175164号及び
特願平5−175165号において開示した。これらの
発明は、上述の近接したコンタクトホールパターンの転
写に極めて有効な方法を提供するものであるが、露光が
複数回の分割露光よりなる場合、露光位置が露光波長や
投影光学系のNA(開口数)により一義的に決定され
る。このため、条件によっては、必要以上の焦点深度が
得られる一方、転写に必要な露光量(露光時間)が大き
くなり、結果的に処理能力(スループット)が低下する
不都合があった。
【0011】本発明は斯かる点に鑑み、コンタクトホー
ルパターン等の孤立的なパターンに対して焦点深度や露
光量裕度を増大させ、かつ比較的近接した複数の孤立的
なパターンの間の誤転写(不要パターンの転写)を低減
させると共に、得られる焦点深度が露光波長や、投影光
学系の開口数によって一義的に決定されない投影露光方
法を提供することを目的とする。更に、本発明はそのよ
うな投影露光方法を実施できる投影露光装置を提供する
ことをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光方
法は、転写用のパターンが形成されたマスク(R)を露
光用の照明光(ILB)で照明し、そのマスクのパター
ンの像を投影光学系(PL)を介して感光性の基板
(W)上に結像投影する投影露光方法において、投影光
学系(PL)によるフーリエ変換面(FTP)、又はこ
のフーリエ変換面の近傍の面でその照明光が通過できる
投影光学系(PL)の光軸を中心とする円形領域の半径
をr2として、この半径r2の円形領域を、投影光学系
(PL)の光軸を中心とする半径r1(r1<r2)の
円形領域(FA)と、その光軸を中心とする半径r1の
円及び半径r2の円により囲まれた輪帯領域(FB)と
に分け、輪帯領域(FB)を通過した照明光の振幅に対
する前記円形領域(FA)を通過した照明光の振幅の比
の値をtとして、この振幅の比の値tを0以下の値に設
定し、その半径r2に対する半径r1の比の値をその振
幅の比の値tに応じた値に設定する。
【0013】更に、基板(W)と投影光学系(PL)の
結像面とのその光軸方向への相対的な位置を順次間隔d
だけ変えた3回の分割露光によりマスク(R)のパター
ン像を基板(W)上に露光する際に、その間隔dを投影
光学系(PL)の開口数及びその照明光の波長に応じて
定まる間隔に設定し、且つその3回の分割露光における
その光軸方向の両端の位置での露光量をほぼ等しくし
て、その3回の分割露光の内のその光軸方向の中間位置
での露光量をその間隔dに応じて定めるものである。
【0014】この場合、半径r2に対する半径r1の比
の値r1/r2を、その振幅の比の値tを用いて(0.
34+0.12t)で定まる値の±15%以内に設定す
る、即ち次式を満足することが望ましい。 0.85(0.34+0.12t)≦r1/r2≦1.15(0.34+0.12t) (1) 更に、その3回の分割露光における間隔dを、照明光の
波長λ及び投影光学系(PL)の基板(W)側の開口数
NAを用いて次式で定まる基準間隔Uの1倍〜2倍の間
に設定することが望ましい。
【0015】 U=λ/[2{1−(1−NA2)1/2 }] (2) 且つ、その基準間隔Uに対する間隔dの倍率を間隔ファ
クタαとすると、(1<α<2)が成立し、更に、その
3回の分割露光におけるその光軸方向の両端の位置での
露光量に対するその光軸方向の中間位置での露光量の割
合を次式で定まる最適露光量での割合β1の±5%以内
に設定することが望ましい。
【0016】 β1=−2.14α2 +7.37α−5.15 (3) また、本発明による投影露光装置は、転写用のパターン
が形成されたマスク(R)を露光用の照明光で照明し、
マスク(R)のパターンの像を投影光学系(PL)を介
して感光性の基板(W)上に結像投影する投影露光装置
において、投影光学系(PL)によるフーリエ変換面
(FTP)、又はこのフーリエ変換面の近傍の面でその
照明光が通過できる投影光学系(PL)の光軸を中心と
する円形領域の半径をr2として、該半径r2の円形領
域を、投影光学系(PL)の光軸を中心とする半径r1
(r1<r2)の円形領域(FA)と、その光軸を中心
とする半径r1の円及び半径r2の円により囲まれた輪
帯領域(FB)とに分けたとき、輪帯領域(FB)を通
過する照明光の振幅透過率に対する円形領域(FA)を
通過する照明光の振幅透過率の比の値をtとして、この
振幅透過率の比の値tが0以下の値に設定され、且つ半
径r2に対する半径r1の比の値がその振幅透過率の比
の値tに応じた値に設定される位相板(PF1)を有す
る。
【0017】更に、その投影露光装置は、基板(W)と
投影光学系(PL)の結像面とをその光軸方向に相対的
に移動させる相対高さ調整手段(WST)と、基板
(W)に対するその照明光による露光量を制御する露光
量制御手段(25,26,3)と、を有し、その相対高
さ調整手段を介して基板(W)と投影光学系(PL)の
結像面とのその光軸方向への相対的な位置を順次間隔d
だけ変えて行う3回の分割露光によりマスク(R)のパ
ターン像を基板(W)上に露光する際に、その間隔dを
投影光学系(PL)の開口数及びその照明光の波長に応
じて定まる間隔に設定し、且つその露光量制御手段を介
してその3回の分割露光におけるその光軸方向の両端の
位置での露光量をほぼ等しくして、その3回の分割露光
の内のその光軸方向の中間位置での露光量をその間隔d
に応じて定めるものである。
【0018】
【作用】斯かる本発明の投影露光方法によれば、投影光
学系(PL)によるフーリエ変換面(即ち、瞳面FT
P)付近の半径r2の領域が、半径r1の円形領域(F
A)とその外側の輪帯領域(FB)とに分けられ、これ
ら2つの領域を通過する照明光の振幅の比の値tが0以
下の値になる。即ち、位相型又は中心遮光型の瞳フィル
ターが使用される。また、基板(W)と投影光学系(P
L)の結像面との光軸方向の相対的な位置を変化させて
多重露光を行う露光方法であるFLEX法を併用すると
共に、その多重露光の回数を3回としている。
【0019】そして、3回の分割露光よりなるFLEX
法の併用を前提として、その振幅の比の値tに対応して
その半径r2に対する半径r1の比の値(r1/r2)
が設定されている。このため、コンタクトホールパター
ンの投影露光に必要な焦点深度、及び露光量マージンを
確保しつつ、近接した複数のコンタクトホールパターン
を十分に分離できると共に、リンギングを小さくしてコ
ンタクトホールパターン間に不要なパターンが生じるこ
とを防止できる。
【0020】この場合、その比の値(r1/r2)の最
適値は(0.34+0.12t)であるが、この最適値
はシミュレーションにより求められたものである。比の
値(r1/r2)がその最適値のときに、近接した複数
のコンタクトホールパターンが十分に分離できると共
に、リンギングが特に小さくなる。但し、(1)式が成
立する範囲では、ほぼ最適値の場合と同様の作用効果を
奏する。
【0021】また、3回の分割露光からなるFLEX法
を併用する際に、λ/[2{1−(1−NA2)1/2 }]
を基準間隔Uとして、その各露光位置の間隔dを、その
基準間隔Uの1倍〜2倍とした場合、即ち、基準間隔U
対する間隔dの比の値である間隔ファクタαを1<α<
2の任意の値とした場合には、この間隔ファクタαを変
える(即ち、間隔dを変える)ことにより、過不足のな
い必要十分な焦点深度を得ることができる。従って、過
剰な焦点深度や、スループットの無駄な低下といった不
都合は解決される。
【0022】また、上記のFLEX法の間隔ファクタα
(間隔d)に応じて、各分割露光での露光量の最適な関
係を与える(3)式もシミュレーションによって得られ
たものである。3回の分割露光の内の光軸方向の中間位
置での露光量の割合が(3)式で定められる場合には、
焦点深度内での転写されたコンタクトホールパターンの
サイズのバラツキも極めて小さくなる。但し、(3)式
に対して±5%以内であれば、ほぼ同様の作用効果を奏
する。
【0023】また、本発明の投影露光装置によれば、上
述の投影露光方法をそのまま実施できる。更に、位相板
(瞳フィルターPF1)の交換手段(20,30)を設
けて、位相板(PF1)に代えて位相板(PF1)とほ
ぼ等しい光学的厚さを有する透明な平行平面板(PF
3)を配置することができれば、位相板瞳(PF1)を
用いない通常の露光(SHRINC法や輪帯照明法も含
む)にも柔軟に対応できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。図1は本実施例によるステッパー型の投影
露光装置の全体的な構成を示し、この図1において、水
銀ランプ1から放射された照明光ILBは楕円鏡2によ
って第2焦点に収斂した後、発散光となってコリメータ
レンズ4に入射する。楕円鏡2のその第2焦点の位置に
はロータリーシャッター3が配置され、ロータリーシャ
ッター3により、照明光ILBの通過、遮断を制御す
る。コリメータレンズ4によってほぼ平行光束に変換さ
れた照明光ILBは、短波長カットフィルター5を経て
干渉フィルター6に入射し、ここで露光に必要とされる
所望のスペクトル、例えばi線のみが抽出される。干渉
フィルター6から射出された照明光ILB(i線)は、
オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ
7に入射する。なお、この干渉フィルター6により選択
される照明光ILBはi線に限定されるものではなく、
i線以外の波長、あるいは複数の波長を使用してもよ
い。また、露光用光源としては、水銀ランプ1の他に、
エキシマレーザー光源や、金属蒸気レーザー光又はYA
Gレーザー光の高調波発生装置等が使用できる。
【0025】さて、フライアイレンズ7に入射した照明
光ILB(ほぼ平行光束)は、フライアイレンズ7の複
数のレンズエレメントによって分割され、その分割され
た照明光ILBにより、各レンズエレメントの夫々の射
出側には2次光源像(水銀ランプ1の発光点の像)が形
成される。従って、フライアイレンズ7の射出側にはレ
ンズエレメントの数と同じ数の点光源像が分布し、面光
源像が作られる。フライアイレンズ7の射出側には、面
光源像の大きさを調整するための可変絞り8が設けられ
る。この可変絞り8を通った照明光ILB(発散光)
は、ミラー9で反射され、第1リレーレンズ系10、レ
チクルブラインド11、第2リレーレンズ系12を透過
してミラー13で反射された後、コンデンサーレンズ1
4を介して、レチクルRを均一な照度分布で照射する。
【0026】なお、図1では、フライアイレンズ7の射
出側に形成される複数の2次光源像(点光源)のうち、
光軸AX上に位置する1つの2次光源像からの照明光の
みを代表的に図示してある。また、リレーレンズ系1
0,12、ミラー9,13及びコンデンサーレンズ14
によって、フライアイレンズ7の射出側(2次光源像が
形成される面)はレチクルRのパターン面に対するフー
リエ変換面になっている。従って、フライアイレンズ7
の複数の2次光源像の夫々から発散してリレーレンズ系
10に入射した各照明光ILBは、レチクルR上で互い
に僅かずつ入射角が異なる平行光束となって重畳され
る。
【0027】従って、レチクルRへの照明光ILBの入
射角度範囲ψは可変絞り8の開口径によって変化し、可
変絞り8の開口径を小さくして面光源の実質的な面積を
小さくすると、入射角度範囲ψも小さくなる。そのため
可変絞り8は、照明光の空間的コヒーレンシィを調整す
ることになる。その空間的コヒーレンシィの程度を表す
ファクタとして、照明光ILBの最大入射角ψ/2の正
弦と投影光学系PLのレチクル側の開口数NArとの比
(σ値)が用いられている。このσ値は通常、σ=sin
(ψ/2)/NArで定義され、現在稼働中のステッパ
ーの多くは、σが0.5〜0.7程度の範囲で使われて
いる。本実施例では、そのσの値がどのような値であっ
てもよく、極端な場合σ=0.1〜0.3程度であって
もよい。また、必要に応じ、可変絞り8として、前述の
SHRINC法において用いられる変形光源絞り(光軸
に対して偏心した複数の開口よりなる絞り)や輪帯絞り
を用いてもよい。
【0028】なお、レチクルブラインド11は、レチク
ルRに対して結像関係となっており、レチクルブライン
ド11の開口形状により、レチクルR上の照明領域を制
限することができる。さて、レチクルRのパターン面に
は通常クロム層等によって所定のレチクルパターンが形
成されているが、本実施例におけるレチクルRのパター
ン面には、その全面にクロム層が蒸着され、その中にそ
れぞれ微小な矩形開口部(クロム層のない透明部)より
なる複数のコンタクトホールパターンが形成されてい
る。コンタクトホールパターンはウエハW上に投影した
とき、0.5μm角(又は直径0.5μm)以下の寸法
になるように設計されていることもあり、投影光学系P
Lの投影倍率Mを考慮してレチクルR上での寸法が決め
られている。また、互いに隣接するコンタクトホールパ
ターンの間の寸法は、通常1つのコンタクトホールパタ
ーンの開口部寸法に対してかなり大きくなっているた
め、それらのコンタクトホールパターンは孤立的な微小
パターンとして存在する。即ち、互いに隣接する2つの
コンタクトホールパターンは、それぞれから発生した反
射光(回折、散乱光)が、回折格子のように互いに強く
影響し合うことがない程度に離れていることが多い。と
ころが、かなり接近した配置でコンタクトホールパター
ンを形成したレチクルもあるので、それについては後で
詳しく述べる。
【0029】図1において、レチクルRはレチクルステ
ージRSTに保持され、レチクルRのコンタクトホール
パターンの光学像(光強度分布)は投影光学系PLを介
してウエハWの表面のフォトレジスト層に結像される。
ここで、図1中のレチクルRからウエハWまでの光路
は、結像光束の主光線のみで示す。そして、投影光学系
PL内のフーリエ変換面(以後、「瞳面」と称する)F
TPには、位相型(あるいは遮光型)の瞳フィルターP
F1〜PF3(図3参照)が設けられる。なお、図1で
はその内の瞳フィルターPF1が設置されている場合を
示している。
【0030】なお、本実施例の投影露光装置において、
瞳フィルターが1個の場合、仮にその投影露光装置が専
らコンタクトホールパターンを露光するために使われる
のであれば、瞳フィルターは投影光学系PL内に固定し
ておいてもよい。しかしながら、複数台の投影露光装置
によってリソグラフィ工程の露光作業を行う場合、各投
影露光装置の最も効率的な運用を考えると、特定の一台
の投影露光装置をコンタクトホールパターン専用の露光
に割り当てることは好ましいことではない。そのため、
瞳フィルターを投影光学系PLの瞳面(フーリエ変換
面)に対して挿脱自在に設け、コンタクトホールパター
ン以外のレチクルパターンの露光時にも、その投影露光
装置が使えるようにしておくことが望ましい。そのため
本実施例においては、挿脱自在に複数個の瞳フィルター
PF1〜PF3を設けている。
【0031】この瞳フィルターPF1〜PF3はそれぞ
れ、投影光学系PLの瞳面の最大径(開口数NAに相
当)をカバーする直径を有し、かつ保持部材(ターレッ
ト板、スライダー等)に固定され、交換機構20によっ
て光路外へ退出したり、光路内に進入したりすることが
できる。なお、投影光学系の種類によっては、その瞳面
の位置(フーリエ変換面FTP)に実効的な瞳面の径を
変えるための円形開口絞り(NA可変絞り)を設けるこ
ともある。この場合、NA可変絞りと瞳フィルターPF
1〜PF3とは機械的に干渉しないように、かつできる
だけ接近して配置される。ここで、図1のように、光軸
AXと平行にZ軸を取り、そのZ軸に垂直な平面内で図
1の紙面に平行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸を取
る。
【0032】さて、ウエハWは、光軸AXと垂直な面内
で2次元移動(以下、「XY移動」と言う)するととも
に、光軸AXと平行な方向(Z方向)に微動(以下、
「Z移動」と言う)するウエハステージWST上に保持
される。ウエハステージWSTのXY移動、Z移動(一
般的な合焦動作及びFLEX法でのZ移動)はステージ
駆動ユニット22によって行われ、XY移動に関しては
レーザ干渉計23による座標計測値に従って制御され、
Z移動に関してはオートフォーカス用のフォーカスセン
サー24の検出値に従って制御される。ステージ駆動ユ
ニット22、交換機構20等は、主制御ユニット25か
らの指令で動作する。この主制御ユニット25は、さら
にシャッタ駆動ユニット26へ指令を送り、ロータリー
シャッター3の開閉を制御するとともに、開口制御ユニ
ット27へ指令を送り、可変絞り8あるいはレチクルブ
ラインド11の各開口の大きさを制御する。
【0033】また、本実施例においては、FLEX法
(ウエハを光軸AX方向に移動させて多重露光を行う露
光方法)での3回の分割露光の際のZ方向への移動間隔
を任意に設定できるが、この間隔に関する情報について
も、不図示のコンソール等を介して主制御ユニット25
へ入力する。主制御ユニット25は、Z方向への移動間
隔の入力値に従ってウエハステージWSTの設定位置を
ステージ駆動ユニット22に伝達する。また、主制御ユ
ニット25は、後に詳述する本実施例による以下の関係
式に従ってFLEX法での3回の分割露光のうち、Z方
向の両端の露光での各露光量(=1とする)に対する中
間位置での露光量比β1を求め、この露光量比β1と、
やはり不図示のコンソール等より入力された全露光時間
とより、3回の分割露光の際の各シャッター開閉時間を
算出し、この時間を基に開閉信号をシャッタ駆動ユニッ
ト26へ伝達する。
【0034】 β1=−2.14α2 +7.37α−5.15 (4) 但し、αは間隔ファクタ(後述)である。あるいは逆
に、コンソール等より3回の分割露光の比率(上記の露
光量比β1)を入力し、(4)式に基づいて上記間隔フ
ァクタαを求めても構わない。また、より厳密な露光量
の制御のために、不図示の露光量モニター(照度計)を
照明光学系内に設け、この検出値を上記シャッター開閉
時間にフィードバックしても良い。同時に上記のコンソ
ール等より入力する全露光時間については、時間でなく
露光エネルギー(照度×露光時間)で入力してもよい。
【0035】また、主制御ユニット25は、レチクルス
テージRSTへのレチクルの搬送路中に設けられたバー
コードリーダ28が読み取ったレチクル名を入力できる
ようになっている。従って主制御ユニット25は、入力
されたレチクル名に応じて交換機構20の動作、開口駆
動ユニット27の動作等を統括的に制御し、可変絞り
8、レチクルブラインド11の各開口寸法、及び瞳フィ
ルターの要、不要(さらには最適な瞳フィルターの選
択)を、そのレチクルに合わせて自動的に調整する。さ
らには3回の分割露光の上記間隔ファクタα及び露光量
比β1を、読み取ったレチクル名に応じて自動決定して
もよい。
【0036】ここで図1中の投影光学系PLの一部の構
造を、図2を参照して説明する。図2は全て屈折性硝材
で作られた投影光学系PLの断面の一部を拡大したもの
であり、前群のレンズ系の最下部のレンズGA1と後群
のレンズ系の最上部のレンズGB1との間の空間中にフ
ーリエ変換面(瞳面)FTPが存在する。投影光学系P
Lにおいては、複数枚のレンズが鏡筒MWで保持されて
いるが、本実施例では瞳フィルターPFの交換(保持部
材30をXY軸に平行に回転して行う)のために、鏡筒
MWの一部に開口部MWAを設ける。また、複数個の瞳
フィルターPF1〜PF3を保持する保持部材30、及
び駆動軸30Aの全部、又は一部を、外気に直接露出さ
せないようなカバー20Bを鏡筒MWの開口部MWAか
ら延設する。このカバー20Bは外気に浮遊する微小な
ダストが投影光学系PLの瞳空間内に進入するのを防
ぐ。
【0037】また、交換機構20(図1参照)には回転
モータ等のアクチュエータ20Aが備えられており、保
持部材30の回転により、瞳フィルターPF1〜PF3
が交互に投影光学系PLの瞳面FTPに配置される。さ
らに、鏡筒MWの一部には、瞳空間に連通する流路Af
が設けられ、パイプ29を介して、温度制御されたクリ
ーンエアが瞳空間へ供給される。これにより、瞳フィル
ターPFの露光光の吸収による温度上昇、及び瞳空間全
体の温度上昇が抑えられる。なお、交換機構20、保持
部材30等で発生した塵埃が瞳空間内に進入するのを防
止するため、前記流路Afから瞳空間へ強制的に供給さ
れたクリーンエアを、交換機構20、アクチュエータ2
0Aを介して強制的に排出するようにしてもよい。
【0038】図3は、図2中の保持部材30に搭載され
た瞳フィルターPF1〜PF3の具体的な構成を示し、
ターレット状の円板に3個の瞳フィルターPF1〜PF
3が等角度間隔で固定されている。この3個の瞳フィル
ターPF1〜PF3はいずれも投影光学系PLの瞳面の
最大径をカバーする直径を有しており、前述したNA可
変絞りの開口径に依らず、瞳面FTP内に分布する結像
光は、必ず瞳フィルターPF1〜PF3の内何れか一つ
の瞳フィルターを透過することになる。ここで瞳フィル
ターPF3は、瞳フィルターを用いない通常の露光(S
HRINC法や輪帯照明法も含む)を行う場合に瞳面F
TPに配置されるものであり、瞳フィルターPF1,P
F2とほぼ等しい厚さ(光学的厚さ)を有する透明な平
行平面板(例えば石英基板)である。この瞳フィルター
PF3は、投影光学系PLの結像特性(収差)の変動を
極力抑えるため使用される。
【0039】また、瞳フィルターPF1,PF2は、位
相型の瞳フィルターであり、石英等の透明基板の中心の
円形領域(斜線部)に所定の膜厚で位相シフター(例え
ばSOG)を被着して形成される。従って、瞳フィルタ
ーPF1,PF2では共に、その中心の円形透過部(位
相シフト部)を透過する光の振幅(円形透過部の透過率
t1)と、その外側(基板裸面部)を透過する光の振幅
(基板裸面部の透過率t2)とが異なっている。このと
き、円形透過部の透過光と基板裸面部の透過光との間に
(2m+1)π[rad](但し、mは整数)の位相差
を与えるように、位相シフターの膜厚を調整しておく。
【0040】ところで、瞳フィルターPF1,PF2の
中心部の振幅透過率をt1、周辺部の振幅透過率をt2
とすると、それら振幅透過率の比t(=t1/t2)が
0の瞳フィルターは、「遮光型瞳フィルター」に相当
し、これは金属等の遮光部材(薄板)の周辺部をくり抜
く等により作成することもできる。コンタクトホールパ
ターン用の瞳フィルターとしてこの様な「遮光型」を使
用する場合には、上記の通常露光用瞳フィルターPF3
としては、単なる開口を有する板を使用すれば良い。
【0041】ところで、本実施例では瞳フィルターPF
1とPF2とで、それぞれの円形透過部の半径r1とr
3とを異ならしめると共に、それぞれの円形透過部の振
幅透過率を互いに異ならせるものとする。これは、本実
施例による瞳フィルターでは投影光学系PLの開口数
(瞳面の径)に応じて円形透過部の半径、及び円形透過
部の振幅透過率t1とその外側の振幅透過率t2との比
t(=t1/t2)(即ち本実施例では、円形透過部に
位相シフターを被着してその比tを決定することから、
ここではその比tは円形透過部の振幅透過率t1に相当
する)の少なくとも一方の最適値が変化するためであ
る。そこで、前述の如きNA可変絞りによって投影光学
系PLの開口数NAが可変となっている投影露光装置に
おいて、2通りの開口数NAの値に対してそれぞれ最適
な瞳フィルターを用いるため、互いに形成条件が異なる
2つの瞳フィルターを搭載した。従って、3通り以上の
開口数NAに対してそれぞれ円形透過部の半径、振幅透
過率の最適化を行う、即ち最適な瞳フィルターを用いる
ことができるように、保持部材30の構造を変更して、
3種類以上の瞳フィルターを設けるようにしてもよい。
【0042】図4は、位相型の瞳フィルターPF1の構
成を示す拡大平面図である。瞳フィルターPF1の中心
は、投影光学系PLの光軸AXと一致しているものとす
る。図4において、瞳フィルターPF1には、光軸AX
を中心とし、半径r1の円形の位相シフターPSが被着
されている。ここで、位相シフターPSが占める領域を
領域FAとし、瞳フィルターPF1上の領域FA以外の
領域を領域FBとする。領域FBを透過する光の振幅を
+1.0(基準)とした場合、位相シフターPSによ
り、領域FAを透過する透過光の振幅がt(−1≦t≦
0の実数)となるようにする。即ち、位相シフターPS
は、透過光の位相を反転させるとともに、ある程度の減
光作用を有する。この減光作用は、例えば位相シフター
PS自身を吸光性の材質で形成することによっても得ら
れるが、例えば位相シフターPSを薄い金属膜(所定の
透過率を持ち、光が一部透過する)と透光性の位相シフ
ターとの2層膜等により形成しても良い。なお、瞳フィ
ルターPF1の半径r2は投影光学系PLの最大開口数
(即ち瞳面の最大径)に対応している。但し、半径r2
以上の領域では投影光学系PL中に設けられたNA可変
絞りによって結像光が遮光されるため、実際には瞳フィ
ルターPF1の半径r2が瞳面の最大径より大きくても
全く問題ない。
【0043】さて、本実施例では前述の位相型瞳フィル
ターと従来のFLEX法とを併用することで、十分な焦
点深度や露光量マージンを確保しつつリンギングを小さ
くしようとするものである。そこで本実施例では、図1
中のウエハWを保持するウエハステージWSTに、従来
のFLEX法の機能、即ち3回の各分割露光の間にウエ
ハWを光軸AX方向に移動させる機能をもたせている。
【0044】以上のような構成において、本件発明者が
膨大なシミュレーションを行った結果、図4の瞳フィル
ターPF1では領域FAの半径r1と瞳フィルターPF
1の半径r2とは、振幅透過率t1(−1≦t1≦0の
実数)、即ち領域FB(基板裸面部)の振幅透過率t2
に対する円形透過部の振幅透過率t1の比t(t1/t
2)を用いて下記(5)式による関係を満足するように
定めると良いことが分かった。
【0045】 r1=(0.34+0.12t)×r2 (5) これが、瞳フィルターPF1を用いて、十分な焦点深
度、露光量マージンを確保しつつリンギングを極めて小
さくするための最適解である。なお、半径r2は投影光
学系PLの開口数NAに比例する瞳面FTPの半径(最
大径、又はNA可変絞りで規定される半径)でもある。
ここで、領域FBの振幅透過率t2は固定値(=1)で
あるから、半径r1と振幅透過率t1とを制御して上記
関係を満たすようにする。なお上式中でt=0は、中心
近傍(光軸近傍)が遮光された遮光型フィルターを示し
ている。
【0046】また、前述のNA可変絞りによって投影光
学系PLの開口数を変更する場合には、上記関係式中の
瞳面半径r2の値が変化することになるから、変更後の
開口数に最適な半径r1と振幅透過率t1との少なくと
も一方の値が異なる瞳フィルターに交換する必要があ
る。但し、実際には半径r1が上式により得られる値の
±15%程度の範囲内であれば、実用上十分な性能を得
ることができる。即ち、図4の瞳フィルターPF1では
下記(6)式を満足するように、半径r1と振幅透過率
t1とを決定するようにしてもよい。
【0047】 0.85×(0.34+0.12t)×r2≦r1≦1.15×(0.34+0.12t)×r2 (6) 従って、NA可変絞りによる投影光学系PLの開口数の
変化量が±15%程度の範囲内であれば、瞳フィルター
を交換せずにそのまま使用することもできる。さらに、
照明光ILB(露光光)の波長をλ、投影光学系PLの
ウエハW側の開口数をNAとすると、FLEX法の3回
の分割露光位置の光軸方向に関しての相互間隔(即ちウ
エハWの1回の露光当たりのZ方向への移動量)dを次
の範囲内に設定する。このため、先ず次式で定まる規格
化単位Uを導入する。
【0048】 U=λ/[2×{1−(1−NA2)1/2 }] (7) 但し、λは露光波長であり、NAは投影光学系PLのウ
エハ側の開口数である。そして、相互間隔dを規格化単
位Uで除して得られる間隔ファクタαを導入し、この間
隔ファクタαが、次の範囲内になるように相互間隔dを
設定する。
【0049】 1<α<2,即ち 1<d/U<2 (8) また、光軸方向の両端での露光量を共に1(基準露光
量)とした場合、その光軸方向の中間位置での最適な露
光量β1(それら両端における露光量に対する比)は、
下記(9)式に、先に得られた間隔ファクタαの値を代
入することにより得られる。なお、光軸方向の両端での
露光量は正確に等しくする必要はなく、例えば±5%程
度のばらつきがあってもよい。このようなばらつきがあ
る場合の基準露光量としては、それら両端での露光量の
平均値を使用すればよい。
【0050】 β1=−2.14α2 +7.37α−5.15 (9) この(9)式も、十分な焦点深度、露光量マージンを確
保しつつ、リンギングを極めて小さくするという条件下
で、本件発明者のシミュレーションによって求められた
最適値である。なお、適正な露光量βはこのβ1の値と
厳密に一致する必要はなく、このβ1の値の±5%程度
の範囲であれば実用上充分な性能を得ることができる。
即ち、その中間位置での適正露光量βの範囲は次の通り
である。
【0051】 0.95β1≦β≦1.05β1 (10) ところで、前述したウエハWの移動に際しては、ウエハ
ステージWST内部のウエハ移動機構にエンコーダ等の
位置測定器を設けて、その測定値を基にウエハステージ
WSTの移動を制御してもよく、あるいは図1中のフォ
ーカスセンサー24等の検出値を基にウエハステージW
STを制御してもよい。また、露光中にウエハWの代わ
りにレチクルRを移動するようにしてもよいが、この場
合は投影光学系PLの縦倍率(=横倍率の二乗)だけ移
動量を大きくする必要がある。即ち、例えば投影光学系
がウエハからレチクルに対して5倍系(1/5縮小露
光)であれば、レチクルRの移動量はウエハWの移動量
の25倍となる。なお、投影光学系PLを構成する少な
くとも一部の光学素子を移動する、またはレチクルRに
照射する照明光ILBの波長を僅かに変えて、投影光学
系PLの結像面を光軸方向にシフトさせるように構成し
てもよい。このとき、結像面のシフト量は前述したウエ
ハWの移動量と同程度とする。
【0052】次に、本実施例(図4)の位相型の瞳フィ
ルターPF1とFLEX法とを併用してシミュレーショ
ンした結果を基に、本実施例の効果について説明する。
図5は、図4中の円形透過部(領域FA)の振幅透過率
t1を−1(但し、t2=+1.0)として、(5)式
より半径r1を0.22×r2(r2は投影光学系PL
の開口数NAに相当する瞳面半径)に設定したときの、
ウエハ上で0.3μm角のコンタクトホールパターンの
光学像のシミュレーション結果(断面強度分布)を示
す。ここで、露光条件として照明光ILBの波長をi線
の0.365μmとし、投影光学系PLの(ウエハW
側)開口数NAを0.57とし、照明光学系のσ値を
0.6とした。また、光軸方向(Z方向)に離散的な3
つの位置の各々で分割露光を行うFLEX法を併用し、
そのZ方向の3つの位置の相互間隔dはそれぞれ2.0
μmとした。
【0053】この相互間隔d(=2.0μm)と、露光
波長(照明光ILBの波長)λと、投影光学系PLの
(ウエハW側)開口数NAとで定まる(7)式の規格化
単位U(U=λ/[2×{1−(1−NA2)1/2 }]と
の比である間隔ファクタα(d/U)は次にようにな
る。 α=2.0/(0.365/(2×(1-(1-0.572)1/2))=1.95 (11) 従って、上記の(9)式にこのαの値を当てはめると、
β1=1.08が得られる。即ち、このときのFLEX
法のZ方向への相互間隔に対しては、3回の分割露光の
内の中間点位置での露光量は、両端位置での各露光量の
1.08倍が最適な量であることを表している。
【0054】図5に示したシミュレーション結果は、上
記の計算結果に基づく露光量の配分により得られたもの
である。即ちシミュレーション上では、ベストフォーカ
ス位置を2.0μmずつずらした3つの光学像を、露光
量の比に応じた重みをかけて加算(強度合成)してあ
る。なお図5中のレベルEthは、ポジ型フォトレジス
トが完全に感光(現像後、完全に除去される)されるの
に必要な露光量を表している。即ち、レベルEthでの
光学像のスライス幅が、現像後のフォトレジストのコン
タクトホールパターンのボトム径に対応する。図5中の
実線はベストフォーカス位置での、一点鎖線は±1μm
デフォーカス位置での、二点鎖線は±2μmデフォーカ
ス位置でのウエハW上の光学像をそれぞれ表すが、本実
施例においては、コンタクトホールパターン像の焦点深
度が極めて深いため、3つの像の間にはほとんど変化が
無い。なお、これらの光学像のゲインは、ベストフォー
カス位置でのレベルEthでのスライス幅が、0.3μ
m(設計値)となるように設定した。
【0055】ところで、このレベルEthでのスライス
幅(レジスト像のコンタクトホールパターンのボトム径
に対応)は、デフォーカスによる光学像の変化に応じて
変化する量である。図6は図5の実験に基づくデフォー
カスとレベルEthでの光学像のスライス幅との関係を
示すが、本実施例においては、デフォーカスによる光学
像の変化が極めて小さいため、レベルEthでのスライ
ス幅も±1.25μm程度のデフォーカス範囲でほとん
ど変化しない。従って、このような条件で実際に露光を
行うと、約2.5μmの焦点深度(コンタクトホールボ
トム径の設計値からのずれにより定まる)が得られるこ
とになるが、実際の半導体集積回路の露光転写に必要な
焦点深度は1.6μm程度であり、従って上記の条件
(特にFLEX法の間隔)で露光転写すると、必要以上
に大きな焦点深度が得られる。
【0056】一方、光学像のレベルEthでのスライス
幅を0.3μmとするための上記ゲインは、20.3
(完全な素ガラスレチクルを使用してウエハ上のポジ型
フォトレジストを完全に感光させるのに必要な露光量の
20.3倍)が必要であるとなっており、上記の条件で
は、露光時間の増大、さらにはスループット(処理能
力)の低下を招く恐れがある。なお、前出の特願平5−
175165号において提案された方法によれば、上記
の露光波長及び開口数NA等の条件下では、3回分割露
光(各露光の露光量は等しい)間の最適なZ方向の相互
間隔は、2.05μmとされているので、上記結果とほ
ぼ同様に、必要以上に大きな焦点深度が得られ、長い露
光時間が必要となる。
【0057】図7も同様に、本実施例によるレベルEt
hでのスライス幅と、デフォーカスとの関係を示すが、
ここでの露光条件は、FLEX法の3回の分割露光位置
のZ方向の相互間隔を1.7μmとし、露光量比(β
1)をそれに応じて次のようにしたものである。 α=1.7/(0.365/(2×(1-(1-0.572)1/2))=1.66 β1=−2.14α2 +7.37α−5.15=1.1
8 これ以外は、図5、図6の条件と同一である。図7の結
果も、本実施例に従ってFLEX法のZ方向への相互間
隔に応じて各分割露光での露光量比を最適化したため、
±0.8μm程度のデフォーカス範囲にわたって、一定
したレベルEthでのスライス幅が得られている。従っ
て、約1.6μmの必要かつ十分な焦点深度が得られる
こととなり、また、光学像のゲインも17.2となり、
即ち、必要な露光量も図6の場合より少なくて済み、ス
ループットも向上する。
【0058】図8は、さらにFLEX法のZ方向への相
互間隔を狭め、1.2μmとした場合のレベルEthで
のスライス幅と、デフォーカスとの関係を示す。このと
きの露光量比(β1)は、上記(9)式より、β1=
0.55とした。他の条件は図5、図6、図7での条件
と同一である。図8の結果では、±0.7μm程度のデ
フォーカス範囲にわたって、一定したレベルEthでの
スライス幅が得られており、約1.4μmの焦点深度が
得られることとなる。光学像のゲインは14.9となる
ため、必要な露光量はさらに減少し、スループットの向
上度合いも大きい。但し、約1.4μmの焦点深度は、
実際の半導体集積回路の露光転写には少々小さいが、前
半の露光工程(ウエハ上にあまり大きな段差は形成され
ていない)であれば十分に実用になる値である。本実施
例によれば、このように工程に応じて(必要な焦点深度
に応じて)、FLEX法のZ方向への相互間隔を可変と
することができる。
【0059】図9は上述実施例と同様の位相型の瞳フィ
ルターを使用し、各分割露光での露光量が等しいFLE
X法を併用し、かつ各分割露光位置のZ方向への相互間
隔を1.7μmとした場合の、レベルEthでのスライ
ス幅とデフォーカスとの関係を示すが、1.0μmのデ
フォーカス位置近傍でレベルEthでのスライス幅が設
計値(=0.3μm)よりかなり大きくなり、即ちデフ
ォーカスに伴うコンタクトホールボトム径の変化が大き
く、実際の半導体集積回路の露光転写に使用することは
難しい。
【0060】以上の例では瞳フィルターとして、図4中
の円形透過部(領域FA)の半径r1をr1=0.22
×r2、振幅透過率t1をt1=−1.0(但し、t2
=+1.0)としたが、使用する瞳フィルターはこのよ
うな条件に限定されるものではなく、(6)式の関係を
満たす瞳フィルターであれば、上記効果とほぼ同じ効果
を得ることができる。
【0061】図10、図11、及び図12は、それぞれ
((5)式の振幅透過率の比t,r1/r2)が、(−
0.66,0.026)、(−0.33,0.30)、
及び(0,0.34)である瞳フィルターを用いた場合
の、レベルEthでのスライス幅とデフォーカスとの関
係を示す。このときのFLEX法の各分割露光位置(3
点)のZ方向への相互間隔は、図7の例と同様に1.7
μmとし、最適な露光量β1の値も同様に1.18とし
た。いずれの条件の瞳フィルターでも図7と同様に1.
6μm程度の焦点深度が得られることが分かる。もちろ
んFLEX法のZ方向への相互間隔を1.7μm以外の
値にしても、本実施例の条件式に従って露光量β1の値
を決定すれば、図6、図8の結果等と同様に、デフォー
カスに対してレベルEthでのスライス幅の変化しない
良好な結像特性を得ることができる。
【0062】ところで、露光転写すべきコンタクトホー
ルパターンの中には、上記の如き孤立的なパターンのみ
でなく、複数個のコンタクトホールパターンが比較的近
接して並ぶパターンもある。図14(A)は、図13
(A)に示すようにウエハ上換算で0.3μm角の2個
のコンタクトホールが中心間距離で0.75μm(ウエ
ハ上換算値)だけ離れて並んだパターンの像のA−A’
断面での像強度分布を示している。図14(B)は、図
13(B)に示すようにウエハ上換算で0.30μm角
の2個のコンタクトホールが、中心間距離で1.05μ
m(ウエハ上換算値)だけ離れて並んだパターンの像の
B−B’断面での像強度分布を示している。このときの
各条件は、図5に示したものと同一の条件である。
【0063】図14(A)、(B)に示した通り本実施
例の露光方法を用いれば、極めて近接したコンタクトホ
ールパターンに対しても、大きな焦点深度が得られ、さ
らに両コンタクトホール間に不要な転写(明ピーク)が
生じないという利点がある。これは、もちろん本実施例
による他の条件の瞳フィルターを使用し、他のFLEX
法の間隔を使用してもほとんど同様に得られる効果であ
る。
【0064】図15は比較のために従来の通常露光での
シミュレーション結果(光学像)を示したものであり、
図15(A)は図13(A)のパターンの光学像、図1
5(B)は図13(B)のパターンの光学像を示してい
る。図15(A)、(B)では、本発明による位相型瞳
フィルターとFLEX法との併用方式を採らないため、
共に±1μmのデフォーカス位置での像(一点鎖線)は
ベストフォーカス位置での像(実線)に比べて大きく劣
化している。従って、通常の結像方法では十分な焦点深
度が得られないことが分かる。
【0065】図16も比較のために、従来の通常露光
(瞳フィルター不使用)にFLEX法を適用した場合で
のシミュレーション結果を示したものである。図16で
のFLEX法の条件は、離散的な3点の各々で露光を行
うものとし、かつ各Z方向への相互間隔は共に1.5μ
mとした。図16(A)、(B)に示すように、通常露
光とFLEX法の併用でも±1μmのデフォーカス位置
での像(一点鎖線)をベストフォーカス位置での像(実
線)に近づけること、即ち焦点深度を増大することは可
能ではある。しかしながら、図13(B)の如きある程
度離れて並ぶ複数のコンタクトホールパターンの像(図
16(B))では両コンタクトホールは完全に分離する
が、それよりも近接した図13(A)のコンタクトホー
ルパターンの像(図16(A))では両コンタクトホー
ルの分離が十分でなく、両コンタクトホールがつながっ
て形成されてしまう恐れがある。これは、図16(A)
中のコンタクトホール間の像強度がEth/2に近づい
ているためである。なお、図5〜図17中のEth/2
は、ポジ型フォトレジストで膜べりが生じ始める露光量
にほぼ対応している。従って、単なるFLEX法では、
両コンタクトホールの中間のフォトレジストが膜べりを
起こしてしまう可能性がある。これに対して、前述の本
実施例による像(図5〜図8、図10〜図12)では両
コンタクトホールの中間部の光量は十分に小さく膜べり
の心配は全くない。
【0066】次に図17は、従来の2重焦点型瞳フィル
ター(位相差型瞳フィルター)のみを使用した場合での
シミュレーション結果を示す。この実験では、シミュレ
ーション条件(NA、λ、σ)は全て前記の条件と同一
とし、瞳フィルターとしては上述実施例とは異なる条件
の位相差型フィルターを用いた。その位相差型フィルタ
ーの中央部の半径r1を0.4×r3、振幅透過率t1
を−1.0とした。また、使用するパターンは図13
(B)に示したある程度離れて2個並ぶコンタクトホー
ルパターンとした。また、図17(A)はFLEX法を
併用しない場合での光学像を示し、図17(B)はこの
条件に対して最適化した間隔(3.5μm)だけ離れ
た、離散的な2点の各々で露光を行うFLEX法を併用
した場合の光学像を示している。
【0067】図17で用いた瞳フィルターは、従来提案
されている2重焦点効果(焦点深度拡大効果)が比較的
強い瞳フィルターである。このため、FLEX法を併用
しなくても、図17(A)に示すようにベストフォーカ
ス位置での像(実線)と±1μmのデフォーカス位置で
の像(一点鎖線)とがほぼ重なっており、大きな焦点深
度を得ることができる。しかしながら、リンギング(本
来のコンタクトホール像の周囲に生じるサブピーク)は
非常に大きくなっており、両コンタクトホールのリンギ
ングがその中間で加算されて極めて明るいゴースト像を
作り出してしまう。このため、両コンタクトホール間に
不要なコンタクトホールパターンが転写されることにな
り、このような瞳フィルターは実際には使用することが
できない。また、図17(B)の如くFLEX法を併用
しても、リンギングは多少低減するものの依然大きく、
実際に使用できるものにはならない。
【0068】これに対して上述実施例においては、瞳フ
ィルター自身としては焦点拡大効果のあまりない瞳フィ
ルター(r1/r2または−t1/t2が比較的小さ
い)を使用するようにし、瞳フィルターの条件と、それ
と併用するFLEX法の条件とを最適化したため、既に
図5〜図8、図10〜図12、及び図14に示した通り
十分大きな焦点深度を持ちつつリンギングも十分に小さ
く、かつ近接したコンタクトホール間の分離能力も高い
といった、極めて優れた投影露光装置を実現することが
できる。
【0069】また、前述の実施例(シミュレーション)
では、レチクル上のコンタクトホールパターンとしてウ
エハ上換算で0.3μm角(又は径)のパターン、即ち
1/5縮小系ならレチクル上では1.5μm角(又は
径)を、ウエハ上で0.3μm角に転写するものとした
が、レチクルパターンのサイズは必ずしもウエハ上換算
で所望のサイズでなくてもよい。例えば、ウエハ上換算
で0.4μm角となるレチクル上の2μm角のコンタク
トホールパターンがウエハ上で0.3μm角となるよう
に、露光量を調整して転写してもよい。
【0070】もちろん、本実施例による投影露光方法
は、0.3μm角のコンタクトホールに対してのみ最適
化されているわけではないので、任意の大きさのコンタ
クトホールパターンを十分な焦点深度及び露光量マージ
ン等をもって露光することが可能である。また、実施例
に示した条件は露光波長(照明光波長)が0.365μ
m、投影光学系の開口数が0.57としたが、この値に
ついても任意のものでよく、例えば、光源としてKrF
エキシマレーザー光源(発信波長0.248μm)を使
用してもよい。
【0071】さらに本発明による投影光学装置に、例え
ば特開平4−136854号公報、特開平4−1620
39号公報に開示された、いわゆるハーフトーン型位相
シフトレチクルやエッジ強調型位相シフトレチクル等を
併用して露光を行うようにしてもよい。なお、本発明は
上述実施例に限定されず本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の構成を取り得る。
【0072】
【発明の効果】本発明の投影露光方法により、3回の分
割露光を行うFLEX法の併用を前提として最適化され
た位相型又は中心遮光型の瞳フィルターが使用されるの
で、コンタクトホールパターン等の孤立的なパターンに
対して焦点深度や露光量祐度が増大する利点がある。ま
た、コンタクトホールパターンの転写に際して十分な焦
点深度が得られるのみでなく、近接して並ぶ複数の孤立
的なパターンの分離能力(解像度)が高く、且つ或る程
度離れて並ぶ孤立的なパターン間に不要な誤転写を生じ
ない、即ちリンギングが小さい利点がある。更に、得ら
れる焦点深度が、露光波長や投影光学系の開口数によっ
て一義的に決定されない。
【0073】従って、併用するFLEX法の各分割露光
位置の光軸方向への間隔を、必要な焦点頻度に応じて、
任意の値に設定することが可能であり、かつ各分割露光
での各露光量の比を光軸方向への間隔に応じて設定する
ため、どのような間隔に対しても、転写されるコンタク
トホールパターンのボトム径が、光軸方向の位置に対し
て一定であるような露光条件が実現され、即ち十分に広
い焦点深度を得ることができる。特に(1)式が成立す
る場合には、その位相型又は中心遮光型の瞳フィルター
が最適化されるため、特に比較的近接した複数の孤立的
パターン間の誤転写が低減する。
【0074】また、光軸方向の間隔dを基準となる間隔
Uのα倍(1<α<2)に設定すると、特に焦点深度が
深くなり、且つ中間での露光量の割合を(−2.14α
2 +7.37α−5.15)の±5%の範囲内の値に設
定すると、リンギングが特に減少する。また、本発明の
投影露光装置によれば、上述の投影露光方法がそのまま
実施できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の投影露光装置を示す構成図
である。
【図2】図1の投影光学系の断面の一部を示す拡大断面
図である。
【図3】図2中の保持部材30に搭載された瞳フィルタ
ーPF1〜PF3の具体的な構成を示す拡大平面図であ
る。
【図4】図3中の位相型の瞳フィルターPF1の構成を
示す図である。
【図5】図4中の瞳フィルターPF1の円形透過部FA
の半径r1とr2との比(r1/r2)が0.22及び
振幅透過率t1が−1.0の場合の、ウエハ上のコンタ
クトホールパターンの光学像のシミュレーション結果
(断面強度分布)を示す図である。
【図6】図5のシミュレーション結果に基づくレベルE
thでのスライス幅とデフォーカスとの関係を示す図で
ある。
【図7】図4中の瞳フィルターPF1の円形透過部FA
の半径r1とr2との比(r1/r2)及び振幅透過率
t1を図5の例と同じ条件とし、FLEX法の露光位置
の間隔だけを変えて露光転写した場合の、レベルEth
でのスライス幅とデフォーカスとの関係を示す図であ
る。
【図8】図7の例とはFLEX法の露光位置の間隔だけ
変え、後は同一の条件で露光転写を行ったシミュレーシ
ョン結果において、レベルEthでのスライス幅とデフ
ォーカスとの関係を示す図である。
【図9】図4と同様な瞳フィルターを使用し、各分割露
光での露光量が等しいFLEX法を併用して露光転写し
た場合のシミュレーション結果において、レベルEth
でのスライス幅とデフォーカスとの関係を示す図であ
る。
【図10】図4中の瞳フィルターPF1の円形透過部F
Aの半径r1とr2との比(r1/r2)が0.26及
び振幅透過率t1が−0.6で且つFLEX法の露光位
置の間隔を図7の例と同一にして露光転写した場合のシ
ミュレーション結果において、レベルEthでのスライ
ス幅とデフォーカスとの関係を示す図である。
【図11】図4中の瞳フィルターPF1の円形透過部F
Aの半径r1とr2との比(r1/r2)が0.30及
び振幅透過率t1が−0.33で且つFLEX法の露光
位置の間隔を図7の例と同一にして露光転写した場合の
シミュレーション結果において、レベルEthでのスラ
イス幅とデフォーカスとの関係を示す図である。
【図12】図4中の瞳フィルターPF1の円形透過部F
Aの半径r1とr2の比(r1/r2)が0.34及び
振幅透過率t1が0で且つFLEX法の露光位置の間隔
を図7の例と同一にして露光転写した場合のシミュレー
ション結果において、レベルEthでのスライス幅とデ
フォーカスとの関係を示す図である。
【図13】(A)はウエハ上換算で0.75μm離れた
2個のコンタクトホールパターンを示す図、(B)はウ
エハ上換算で1.05μm離れた2個のコンタクトホー
ルパターンを示す図である。
【図14】(A)は図5の例の露光条件と同一の露光条
件で図13(A)のコンタクトホールパターンをウエハ
上に露光転写した場合の、ウエハ上の光学像のシミュレ
ーション結果(断面強度分布)を示す図、(B)は図5
の例の露光条件と同一の露光条件で図13(B)のコン
タクトホールパターンをウエハ上に露光転写した場合
の、ウエハ上の光学像のシミュレーション結果(断面強
度分布)を示す図である。
【図15】従来の通常露光方法により図13のコンタク
トホールパターンをウエハ上に露光転写した場合の、ウ
エハ上の光学像のシミュレーション結果(断面強度分
布)を示す図である。
【図16】従来の通常露光方法とFLEX法とを併用し
て図13のコンタクトホールパターンをウエハ上に露光
転写した場合の、ウエハ上の光学像のシミュレーション
結果(断面強度分布)を示す図である。
【図17】(A)は従来の2重焦点型瞳フィルター(位
相差型瞳フィルター)のみを使用し、その他の光学条件
(NA、λ、σ)は図5と同一条件で、図13Bのコン
タクトホールパターンをウエハ上に露光転写した場合
の、ウエハ上の光学像のシミュレーション結果(断面強
度分布)を示す図、(B)は、FLEX法を併用した場
合の光学像のシミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
1 水銀ランプ 2 楕円鏡 3 ロータリーシャッター 4 コリメーターレンズ 5 短波長カットフィルター 6 干渉フィルター 7 フライアイレンズ 8 可変絞り 9 ミラー 10,12 集光レンズ系 11 レチクルブラインド 13 ミラー 14 コンデンサーレンズ R レチクル PL 投影光学系 FTP 瞳面 PF1,PF2,PF3 瞳フィルター W ウエハ WST ウエハステージ 25 主制御ユニット 30 保持部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写用のパターンが形成されたマスクを
    露光用の照明光で照明し、前記マスクのパターンの像を
    投影光学系を介して感光性の基板上に結像投影する投影
    露光方法において、 前記投影光学系によるフーリエ変換面、又は該フーリエ
    変換面の近傍の面で前記照明光が通過できる前記投影光
    学系の光軸を中心とする円形領域の半径をr2として、
    該半径r2の円形領域を、前記投影光学系の光軸を中心
    とする半径r1(r1<r2)の円形領域と、前記光軸
    を中心とする半径r1の円及び半径r2の円により囲ま
    れた輪帯領域とに分け、 前記輪帯領域を通過した照明光の振幅に対する前記円形
    領域を通過した照明光の振幅の比の値をtとして、該振
    幅の比の値tを0以下の値に設定し、前記半径r2に対
    する半径r1の比の値を前記振幅の比の値tに応じた値
    に設定すると共に、 前記基板と前記投影光学系の結像
    面との前記投影光学系の光軸方向への相対的な位置を順
    次間隔dだけ変えて行う3回の分割露光により前記マス
    クのパターン像を前記基板上に露光する際に、 前記間隔dを前記投影光学系の開口数及び前記照明光の
    波長に応じて定まる間隔に設定し、 且つ前記3回の分割露光における前記光軸方向の両端の
    位置での露光量を実質的に等しくして、前記3回の分割
    露光の内の前記光軸方向の中間位置での露光量を前記間
    隔dに応じて定めることを特徴とする投影露光方法。
  2. 【請求項2】 前記半径r2に対する半径r1の比の値
    r1/r2を、前記振幅の比の値tを用いて(0.34
    +0.12t)で定まる値の±15%以内に設定し、 前記3回の分割露光における前記間隔dを、照明光の波
    長λ及び前記投影光学系の前記基板側の開口数NAを用
    いて次式で定まる基準間隔Uの1倍〜2倍の間に設定
    し、 U=λ/[2{1−(1−NA2)1/2 }] 前記基準間隔Uに対する前記間隔dの倍率をα(1<α
    <2)として、前記3回の分割露光における前記光軸方
    向の両端での露光量に対する前記光軸方向の中間位置で
    の露光量の割合を(−2.14α2 +7.37α−5.
    15)の±5%以内に設定することを特徴とする請求項
    1記載の投影露光方法。
  3. 【請求項3】 転写用のパターンが形成されたマスクを
    露光用の照明光で照明し、前記マスクのパターンの像を
    投影光学系を介して感光性の基板上に結像投影する投影
    露光装置において、 前記投影光学系によるフーリエ変換面、又は該フーリエ
    変換面の近傍の面で前記照明光が通過できる前記投影光
    学系の光軸を中心とする円形領域の半径をr2として、
    該半径r2の円形領域を、前記投影光学系の光軸を中心
    とする半径r1(r1<r2)の円形領域と、前記光軸
    を中心とする半径r1の円及び半径r2の円により囲ま
    れた輪帯領域とに分けたとき、 前記輪帯領域を通過する照明光の振幅透過率に対する前
    記円形領域を通過する照明光の振幅透過率の比の値をt
    として、該振幅透過率の比の値tが0以下の値に設定さ
    れ、且つ前記半径r2に対する半径r1の比の値が前記
    振幅透過率の比の値tに応じた値に設定される位相板
    と、 前記基板と前記投影光学系の結像面とを前記光軸方向に
    相対的に移動させる相対高さ調整手段と、 前記基板に対する前記照明光による露光量を制御する露
    光量制御手段と、を有し、 前記相対高さ調整手段を介して前記基板と前記投影光学
    系の結像面との前記光軸方向への相対的な位置を順次間
    隔dだけ変えて行う3回の分割露光により、前記マスク
    のパターン像を前記基板上に露光する際に、 前記間隔dを前記投影光学系の開口数及び前記照明光の
    波長に応じて定まる間隔に設定し、 且つ前記露光量制御手段を介して前記3回の分割露光に
    おける前記光軸方向の両端での露光量を実質的に等しく
    して、前記3回の分割露光の内の前記光軸方向の中間位
    置での露光量を前記間隔dに応じて定めることを特徴と
    する投影露光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529641A (ja) * 2008-07-31 2011-12-08 コーニング インコーポレイテッド マスクレスリソグラフィのための集束スポットの最適化
JP2012134494A (ja) * 2010-12-23 2012-07-12 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びリソグラフィ装置内の放射ビームを修正する方法

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