JPH07297425A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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Publication number
JPH07297425A
JPH07297425A JP6081296A JP8129694A JPH07297425A JP H07297425 A JPH07297425 A JP H07297425A JP 6081296 A JP6081296 A JP 6081296A JP 8129694 A JP8129694 A JP 8129694A JP H07297425 A JPH07297425 A JP H07297425A
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JP
Japan
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semiconductor
layer
photoelectric conversion
microcrystal
semiconductor layer
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Pending
Application number
JP6081296A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ueda
孝 上田
Masahiro Akiyama
正博 秋山
Eiji Yamaichi
英治 山市
Nagayasu Yamagishi
長保 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池において、光電変換効率を高めると
共に光吸収により電子、正孔を生成できる光の波長範囲
を広げる。 【構成】 一方の基板面26a 上に順次に光電変換層22及
び窓層28を設け、窓層28上にコンタクト層34を介し電極
30を設ける。また他方の基板面26b 上に電極32を設け
る。光電変換層22は基板面26a 側から順次に設けたn
型、i型及びp型の半導体層22a、22b 及び22c から成
る。このi型半導体層22b 中に、半導体微結晶24を離散
させて設ける。微結晶24は、これに接する半導体層22b
よりも大きなバンドギャップを有しかつ当該微結晶24の
バンドギャップ中に深い準位を有するので、目的を達成
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体を用いて構成
する太陽電池の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、太陽電池の光電変換層とし
て、p型及びn型半導体層を積層して構成した単純なp
n接合型のものや、p型、i型及びn型半導体層を積層
して構成した単純なpin接合型のものが提案されてい
る。さらに近年においては、光電変換の効率向上を目的
として、多重量子井戸構造を光電変換層に導入する試み
も成されている(例えば文献1:Journal of Apllied P
hysics 67(7) pp.3490〜3493,1 April 1990 )。
【0003】図8は従来の多重量子井戸構造の光電変換
層についてのバンド構造を示す図である。図8にあって
は、基板主面の法線方向Aにおける距離をX軸に、ポテ
ンシャルエネルギーをE軸に取り、光電変換層における
エネルギー分布EV 及びECを一次元的に示す。EV
価電子帯頂上におけるポテンシャルエネルギーの分布及
びEC は伝導帯底におけるポテンシャルエネルギーの分
布を表す。
【0004】この光電変換層は、基板主面の法線方向A
に順次に積層したn型半導体層10、i型半導体層12
及びp型半導体層14を有し、i型半導体層12を、障
壁層12a及び井戸層12bを交互に積層して形成した
多重量子井戸構造として成る。この光電変換層に光を入
射すると、半導体層10、12及び14のそれぞれが光
を吸収し電子及び正孔を発生させる。i型半導体層12
を構成する井戸層12bのバンドギャップはn型半導体
層10及びp型半導体層14のいずれよりも小さいの
で、多重量子井戸構造を持たない単純なpn接合型或は
pin接合型のものと比較すると、より長波長の光を吸
収し電子及び正孔を発生することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の多重量子井戸構造の光電変換層においては、光吸
収或は光電変換により生成したキャリアを、効率良く電
極から取り出すことが難しい。この点につき図9を参照
して説明する。
【0006】図9は、従来の多重量子井戸構造の光電変
換層についてのバンド構造を、二次元的に示すモデル図
である。図9にあっては、図8と同様のX軸及びE軸を
定めると共に基板主面に平行な方向Bにおける距離をY
軸に取り、光電変換層におけるエネルギー分布EV 及び
C を二次元的に示す。
【0007】i型半導体層12においては、井戸層12
bを障壁層12aで挟むことにより量子井戸を構成して
いるので、障壁層12a及び井戸層12bの境界にはエ
ネルギーバリヤが生じている。また井戸層12bで発生
した電子16及び正孔18を電極から取り出すために
は、これら電子16及び正孔18がそれぞれn型半導体
層10及びp型半導体層14に到達することが必要であ
る。しかしながらこれら電子16及び正孔18が、前述
のエネルギーバリヤを越えてn型半導体層10及びp型
半導体層14へ到達する可能性は小さい。しかもp型半
導体層14で発生した電子16はn型半導体層10へ向
かう途上において井戸層12bに捕獲されると共に、n
型半導体層10で発生した正孔18はp型半導体層14
へ向かう途上において井戸層12bに捕獲される。従っ
てこれら井戸層12bに捕獲された電子16及び正孔1
8の再結合確率が増加し、その結果、電極から取り出す
ことのできる電子16及び18は減少する。
【0008】これがため、このような多重量子井戸構造
を導入した従来の光電変換層では、単純なpn接合型或
はpin接合型のものに比べて特性が改善されないばか
りか、むしろ特性の劣化が認められ良好な結果が得られ
ていない。現在、この欠点については、技術的な解決が
得られていない。
【0009】この発明の目的は、上述した従来の問題点
を解決し、電子及び正孔の再結合確率を低く抑えつつ、
光吸収可能な或は光電変換可能な光の波長領域を広げる
ことのできる太陽電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明の太陽電池は、pn接合又はpin接合を
形成する半導体層から成る光電変換層と、光電変換層中
に島状に散在させて設けた半導体微結晶とを備え、半導
体微結晶は、当該微結晶と接する半導体層よりも大きな
バンドギャップを有し、かつ、当該微結晶のバンドギャ
ップ中に深い準位を有して成ることを特徴とする。
【0011】
【作用】このような構成によれば、半導体微結晶のバン
ドギャップは、光電変換層を構成する半導体層であって
半導体微結晶と接する半導体層のバンドギャップより
も、大きい。従って光電変換層中で生成した電子及び正
孔、さらには半導体微結晶中で生成した電子及び正孔
が、半導体微結晶中に捕獲されることは、実質的に無く
なる。その結果、これら電子及び正孔の再結合確率を低
減できると共に、これら電子、正孔がその取り出しのた
めの電極に到達し易く成る。
【0012】また半導体微結晶は、そのバンドギャップ
中に深い準位を有する。そのバンドギャップ中には、エ
ネルギー準位の等しい深い準位だけが存在していても良
いが、エネルギー準位の異なる複数の深い準位が存在す
る方が好ましい。
【0013】半導体微結晶中では、深い準位を介し光吸
収を発生させこれにより電子及び正孔を生成できる。こ
の際、吸収される光の波長は、半導体微結晶の価電子帯
頂上或は伝導帯底と深い準位とのエネルギーの差に対応
した波長となる。また半導体微結晶中にエネルギー準位
の異なる複数の深い準位を有する場合においては、吸収
される光の波長は、これらエネルギー準位の異なる深い
準位間のエネルギーの差に対応した波長となる。これが
ため、光吸収される光の波長範囲を広げることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の実施例につ
き説明する。尚、図面は発明が理解できる程度に概略的
に示してあるにすぎず、従って発明を図示例に限定する
ものではない。
【0015】図1はこの発明の実施例の構成を概略的に
示す断面図である。この実施例の太陽電池20は、pn
接合又はpin接合を形成する半導体層から成る光電変
換層22と、光電変換層22中に島状に散在させて設け
た半導体微結晶24とを備える。半導体微結晶24は、
当該微結晶24と接する半導体層よりも大きなバンドギ
ャップを有し、かつ、当該微結晶24のバンドギャップ
中に深い準位を有する。図中、半導体微結晶24を黒塗
り三角印で示してある。
【0016】この実施例では、太陽電池20は、n+
GaAs基板26の一方の基板面26a上に順次に設け
たn−GaAs半導体層22a、i−GaAs半導体層
22b、p+ −GaAs半導体層22c及びp++−Al
GaAs窓層28を備える。光電変換層22はこれらp
in接合を形成するn型半導体層22a、i型半導体層
22b及びp型半導体層22cから成り、従ってpin
接合型の太陽電池20を構成している。また光電変換層
22の光入射側に窓層28を設けることにより、ヘテロ
フェース構造の太陽電池20を構成している。
【0017】そしてこの光電変換層22のi型半導体層
22bのみに、半導体微結晶24を設け、半導体微結晶
24の導電型を、当該微結晶24と接する半導体層22
bの導電型と同一従ってi型とする。半導体微結晶24
を、例えばi−GaP半導体微結晶とする。
【0018】さらに太陽電池20は、光電変換層22と
電気接続するキャリア取出し用の第一電極30及び第二
電極32を備える。第一電極30は光電変換層22で生
成した一方のキャリアここでは正孔を取り出すための電
極、第二電極32は光電変換層22で生成した他方のキ
ャリアここでは電子を取り出すための電極である。電極
の配設方法は問わないが、図示例では、第一電極30を
++−GaAsコンタクト層34を介して窓層36上に
設ける。第一電極30及びコンタクト層34をそれぞれ
ストライプ状に形成する。複数の第一電極30及び複数
のコンタクト層34をくし歯状に所定間隔で離間配置
し、平面的に見て、相対応する第一電極及びコンタクト
層34を重ね合わせるように設ける。第一電極30及び
コンタクト層34を設けていない領域を光入射領域36
とし、この領域36から光電変換層22へ光を入射する
ことにより、光電変換層22で電子及び正孔を生成させ
る。また第二電極32を、基板26の他方の基板面26
b上にその全面にわたって設ける。尚、光入射領域36
の窓層28上には反射防止膜38を設ける。
【0019】図2〜図5はこの実施例の作成方法の一例
の説明に供する工程図であって、これら工程図は、図1
の断面に対応する断面を示す。
【0020】まず、n+ −GaAs基板26を用意し
(図2(A))、その(100)基板面26a上に、減
圧MOCVD法により、n−GaAs半導体層22aを
成長させる(図2(B))。この際、原料ガスをトリメ
チルガリウム(CH33 Ga及びアルシンAsH3
ドーパントガスをジシランSi26 、キャリアガスを
水素H2 及び成膜室内の圧力を100Torrとして、
キャリア密度2×1017cm-3及び膜厚3μmのn−G
aAs半導体層22aを成長させる。
【0021】次に、半導体微結晶24を設ける半導体層
dを複数の分割層に分割し、分割層と半導体微結晶24
とを交互に形成して、半導体微結晶24を埋め込んだ半
導体層dを形成する。
【0022】ここでは半導体層dはi−GaAs半導体
層22bであって、この半導体層22bを5個の分割層
22b1〜22b5に分割するものとする。そしてまず
第一層目のi−GaAs分割層22b1を、減圧MOC
VD法により、n−GaAs半導体層22a上に成長さ
せる(図2(C))。この際、ドーパントガスは用いず
に、原料ガスをトリメチルガリウム(CH33 Ga及
びアルシンAsH3 、キャリアガスを水素H2 、及び成
膜室内の圧力を100Torrとして、膜厚500Å
(=50nm)のi−GaAs(アンドープGaAs)
分割層22b1を成長させる。
【0023】次いでi−GaAs分割層22b1上に、
減圧MOCVD法により、i−GaP半導体微結晶24
を形成する(図3(A))。この際、ドーパントガスは
用いずに、原料ガスをトリメチルガリウム(CH33
Ga及びホスフィンPH3 、キャリアガスを水素H2
及び成膜室内の圧力を100Torrとして、高さがほ
ぼ200Å(=20nm)のi−GaP(アンドープG
aP)半導体微結晶24を形成する。
【0024】GaPとGaAsとの間には約4%の格子
不整合が存在するので、GaAs上にGaPを結晶成長
させると、GaPはGaAs上に島状に散在して積層す
る。ここでは、このような現象を利用してi−GaAs
半導体微結晶24を形成するものであって、この結果、
i−GaAs分割層22b1上に島状に散在する複数の
i−GaAs半導体微結晶24を、得ることができる。
半導体微結晶24の大きさは結晶成長速度や基板温度に
依存し、従って結晶成長速度及び又は基板温度を制御す
ることにより、半導体微結晶の大きさ例えば高さを10
〜200nmの範囲内の任意好適な高さに制御できる。
【0025】また基板温度を制御することにより、例え
ば基板温度を700℃程度の比較的に低い温度とするこ
とにより、半導体微結晶24のバンドギャップ中に深い
準位を形成できる。尚、ここでは、半導体微結晶24を
不純物を添加していないアンドープ(i型)の半導体微
結晶としているので、基板温度を制御することにより、
深い準位を形成するが、半導体微結晶24をn型或はp
型の半導体層22a或は22b中に形成する場合には、
半導体微結晶24に不純物を添加することによっても、
深い準位を形成できる。
【0026】以下同様にして、第二層目のi−GaAs
分割層22b2、半導体微結晶24、第三層目のi−G
aAs分割層22b3、半導体微結晶24、第四層目の
i−GaAs分割層22b4、半導体微結晶24及び第
五層目のi−GaAs半導体層22b5を順次に形成す
る(図3(B)〜図3(C))。この結果、これら分割
層22b1〜22b5から成るi−GaAs半導体層2
2bを得ると共に、これら分割層22b1〜22b5に
おいて隣接する分割層の間にそれぞれ半導体微結晶24
を埋め込むことができる。
【0027】次に、i型半導体層22b上に、減圧MO
CVD法により、p+ −GaAs半導体層22cを形成
する(図4(A))。この際、原料ガスをトリメチルガ
リウム(CH33 Ga及びアルシンAsH3 、ドーパ
ントガスをジメチル亜鉛(CH32 Zn、キャリアガ
スを水素H2 及び成膜室内の圧力を100Torrとし
て、キャリア密度2×1018cm-3及び膜厚5000Å
(=500nm)のp+ −GaAs半導体層22cを形
成する。この結果、n−GaAs半導体層22a、i−
GaAs半導体層22b及びp+ −GaAs半導体層2
2cから成る光電変換層22を得る。
【0028】次に、光電変換層22上に、減圧MOCV
D法により、p++−AlGaAs窓層28を形成する
(図4(B))。この際、原料ガスをトリメチルアルミ
ニウム(CH33 Al、トリメチルガリウム(CH
33 Ga及びアルシンAsH3、ドーパントガスをジ
メチル亜鉛(CH32 Zn、キャリアガスを水素H2
及び成膜室内の圧力を100Torrとして、キャリア
密度2×1018cm-3及び膜厚200Å(=20nm)
のp++−AlGaAs窓層28を形成する。
【0029】次に、p++−AlGaAs窓層28上に、
減圧MOCVD法により、コンタクト層24を形成する
ためのp++−GaAsを成長させる。この際、原料ガス
をトリメチルガリウム(CH33 Ga及びアルシンA
sH3 、ドーパントガスをジメチル亜鉛(CH32
n、キャリアガスを水素H2 及び成膜室内の圧力を10
0Torrとして、キャリア密度2×1019cm-3及び
膜厚2000Å(=200nm)のp++−GaAsを形
成する。然る後、このp++−GaAsをエッチングし
て、光入射領域36の窓層28を露出させると共に第一
電極形成領域にストライプ状のp++−GaAsコンタク
ト層24を得る(図4(C))。
【0030】次に、ストライプ状のコンタクト層24上
に電極材料を堆積し、然る後、この電極材料をエッチン
グして、コンタクト層24上にストライプ状の第一電極
30を形成する。さらに基板26の他方の基板面26b
上に電極材料を堆積して、第二電極32を形成する(図
5(A))。
【0031】次に、光入射領域36の窓層28上に反射
防止膜38を形成して、この実施例の太陽電池20を完
成する(図5(B))。
【0032】図6はこの実施例の光電変換層22及び半
導体微結晶24についてのバンド構造を概念的に示す図
である。図6にあっては、基板面26aの法線方向Aに
おける距離をX軸に、ポテンシャルエネルギーをE軸に
取り、光電変換層22及び半導体微結晶24におけるエ
ネルギー分布EV と光電変換層22及び半導体微結晶2
4におけるエネルギー分布EC とをそれぞれ、一次元的
に示す。EV は価電子帯頂上におけるポテンシャルエネ
ルギーの分布及びEC は伝導帯底におけるポテンシャル
エネルギーの分布を表す。また図7はこの実施例の光電
変換層22及び半導体微結晶24についてのバンド構造
を、二次元的に示すモデル図である。図7にあっては、
図6と同様のX軸及びE軸を定めると共に基板面26a
に平行な方向Bにおける距離をY軸に取り、光電変換層
22及び半導体微結晶24におけるエネルギー分布EV
と光電変換層22及び半導体微結晶24におけるエネル
ギー分布EC とをそれぞれ、二次元的に示す。
【0033】図6及び図7にも示すように、この実施例
においては、複数の半導体微結晶24が、半導体層22
b中に埋め込まれて島状に散在する。これら半導体微結
晶24のバンドギャップg1はそれぞれ、接する半導体
層22bのバンドギャップg2よりも大きい。しかもこ
れら半導体微結晶24はそれぞれ、そのバンドギャップ
g1中に深い準位40を有する。
【0034】一方、光電変換層22に光を入射すると、
光電変換層22を構成する各半導体層22a〜22c及
び半導体微結晶24中において、光吸収により電子、正
孔が生成される。
【0035】半導体微結晶24は半導体層22b中に島
状に散在するので、これら電子、正孔はそれぞれ、島状
に散在する半導体微結晶24の間の間隙を通り抜けるよ
うにして、容易に、電極32、34に到達することがで
きる。しかも半導体微結晶24のバンドギャップg1
は、半導体層22bのバンドギャップg2よりも大きい
ので、これら電子、正孔が半導体微結晶24中に捕獲さ
れることは殆どない。これがため光電流に寄与する電
子、正孔が大幅に増加し、光電変換効率を向上すること
ができる。
【0036】さらに半導体微結晶24においては、深い
準位40を介して、光吸収が発生し従って電子、正孔が
生成される。この光吸収により電子、正孔を生成できる
光の波長(以下、光吸収波長)は、深い準位40のエネ
ルギーE1と半導体微結晶24の価電子帯頂上における
エネルギーEV との差E1−EV に対応する波長、或
は、深い準位40のエネルギーE1と半導体微結晶24
の伝導帯底におけるエネルギーEC との差EC −E1に
対応する波長となる。或は、異なるエネルギーE1及び
E2(E1>E2)を有する深い準位40が半導体微結
晶24中に存在すれば、これら深い準位40間でのエネ
ルギー差E1−E2に対応する波長も、光吸収波長とな
る。
【0037】従って半導体微結晶24において、エネル
ギー差E1−EV 、EC −E1或はE1−E2を、光電
変換層22の各半導体層22a〜22cのバンドギャッ
プよりも小さくすれば、半導体微結晶24の光吸収波長
を、光電変換層22の各半導体層22a〜22cの光吸
収波長よりも、長くすることができることが理解でき
る。半導体微結晶24の光吸収波長を、光電変換層22
の光吸収波長よりも長くするためには(半導体微結晶2
4の光吸収波長の範囲を広げるためには)、種々のエネ
ルギーを有する深い準位40を多数形成する方が有利で
あり、このような種々の深い準位40を形成することは
比較的に容易である。
【0038】またこの実施例では、光電変換層22をp
in接合を形成する半導体22a〜22cから構成し、
この光電変換層22のi型半導体層22bのみに、半導
体微結晶24を設ける。i型半導体層22bのみに半導
体微結晶24を設けると、半導体微結晶24を半導体層
22a〜22cにそれぞれ設ける場合よりも、光吸収に
より生成できる電子、正孔の量が減少する。しかしなが
ら、i型半導体層22b中にはpin接合に起因する電
界が存在し、この電界の加速作用により、次のような利
点が得られる。すなわち、半導体微結晶24中で生成し
た電子、正孔が当該微結晶24中に留まる時間を短縮で
きるという利点と、半導体微結晶24の外部で生成した
電子、正孔が半導体微結晶24を通過する時間を短縮で
きるという利点である。従ってこれらの利点により、電
子、正孔が半導体微結晶24中の深い準位40を介し再
結合する確率をより一層低減できる。すなわち電子、正
孔の再結合確率を低減するためには、i型半導体層22
のみに半導体微結晶24を設けるのが有利である。
【0039】以上の実施例に関わる考察とはほかに、こ
の出願の発明者等は、この発明に関して次に述べるよう
なことにも考え至った。第一に、半導体微結晶24にお
ける電子、正孔の再結合確率をより効果的に低減するた
めには、半導体微結晶24の大きさを、当該微結晶24
において生じるキャリアの拡散長Lよりも小さな大きさ
例えば1nm〜2μm程度とするのが有利である。半導
体微結晶24において少数キャリアが生じる場合にはこ
の少数キャリアの拡散長を拡散長Lとし、半導体微結晶
24において生じる電子、正孔の量が等しい場合には拡
散長が電子よりも短い正孔の拡散長を拡散長Lとするの
が良い。このようにすることにより、半導体微結晶34
中で発生した電子及び正孔が深い準位40を介して再結
合する前に、これら電子、正孔を微結晶24の外部へ拡
散させることができ、従って再結合確率を低減できる。
【0040】第二に、半導体微結晶24における電子、
正孔の再結合確率をより効果的に低減するためには、キ
ャリアすなわち電子或は正孔がトンネル効果により侵入
する領域の半導体微結晶24表層を、深い準位40の不
在領域とするのが有利である。このようにすれば半導体
微結晶24の外部で生成した電子、正孔がトンネル効果
により半導体微結晶24中に侵入したとしても、これら
電子、正孔の侵入領域には深い準位40が存在せず、従
ってこれら電子、正孔が深い準位40に捕獲されて再結
合するのを防ぐことができるからである。深い準位40
の不在領域を、例えば、半導体微結晶24及びこれに接
する半導体層22bの界面位置から、半導体微結晶24
中心へ向けて1〜50nm離間した位置までの間の領域
を、深い準位40の不在領域とすれば良い。
【0041】この発明は上述した実施例にのみ限定され
るものではなく、従って各構成成分の形状、寸法、形成
材料、形成方法、配設位置、配設個数、構成、導電型及
びそのほかを、この発明の趣旨の範囲内において任意好
適に変更できる。
【0042】例えば上述した実施例において、光電変換
層22を構成する半導体層22a〜22cのなかから選
択した任意好適に選択した1個の半導体層のみに、半導
体微結晶24を設け、或は半導体層22a〜22cのな
かから任意好適に選択した2個の半導体層のみに、半導
体微結晶24を設け、或は半導体層22a〜22cの全
てに半導体微結晶24を設けるようにしても良い。
【0043】また光電変換層22をpn接合を形成する
p型半導体層及びn型半導体層から構成しても良い。こ
の場合、光電変換層22を構成するp型及びn型半導体
層の一方のみに半導体微結晶24を設けるようにしても
良いし、これらp型及びn型半導体層の双方に半導体微
結晶24を設けるようにしても良い。
【0044】また半導体微結晶24の形状は、粒状、線
状、面状そのほかの任意好適な形状とすることができ
る。例えば線状の半導体微結晶24を形成する場合に
は、次のようにすれば良い。すなわち分数超格子を作成
する場合と同様に、基板面26aを(100)面から少
し傾いた例えば2〜5°傾いた面方位を有する基板面と
し、i−GaP半導体微結晶24とi−GaAs分割層
22b1〜22b5とを1/2原子層ずつ結晶成長する
と線状のi−GaP半導体微結晶24を形成できる。
【0045】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の太陽電池によれば、光電変換層を構成する半導
体層であって半導体微結晶と接する半導体層のバンドギ
ャップよりも、半導体微結晶のバンドギャップを大きく
するので、光電変換層及び又は半導体微結晶中で生成さ
れた電子、正孔の再結合確率を低減できると共に、これ
ら電子、正孔がその取り出しのための電極に到達し易く
成る。その結果、光電流に寄与する電子及び正孔を増加
させることができるので、光電変換効率を高めることが
できる。
【0046】しかも半導体微結晶は、当該微結晶のバン
ドギャップ中に深い準位を有するので、光吸収により電
子、正孔を生成できる光の波長範囲を、広げることがで
きる。
【0047】これがためこの発明によれば、光電変換効
率が高く、しかも電子、正孔を生成できる光の波長範囲
が広い太陽電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成を概略的に示す断面
図である。
【図2】(A)〜(C)は実施例の作成工程の一例を示
す断面図である。
【図3】(A)〜(C)は実施例の作成工程の一例を示
す断面図である。
【図4】(A)〜(C)は実施例の作成工程の一例を示
す断面図である。
【図5】(A)〜(B)は実施例の作成工程の一例を示
す断面図である。
【図6】実施例の光電変換層及び半導体微結晶について
のバンド構造を概念的に示す図である。
【図7】実施例の光電変換層及び半導体微結晶について
のバンド構造を概念的に示すモデル図である。
【図8】従来の光電変換層についてのバンド構造を概念
的に示す図である。
【図9】従来の光電変換層についてのバンド構造を概念
的に示すモデル図である。
【符号の説明】
20:太陽電池 22:光電変換層 22a:n型半導体層 22b:i型半導体層(アンドープ半導体層) 22c:p型半導体層 24:半導体微結晶 30、32:キャリア取出し用の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 長保 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pn接合又はpin接合を形成する半導
    体層から成る光電変換層と、該光電変換層中に島状に散
    在させて設けた半導体微結晶とを備え、 前記半導体微結晶は、当該微結晶と接する半導体層より
    も大きなバンドギャップを有し、かつ、該バンドギャッ
    プ中に深い準位を有して成ることを特徴とする太陽電
    池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の太陽電池において、 pin接合を形成する半導体層から成る光電変換層の、
    i型半導体層のみに、半導体微結晶を設けて成ることを
    特徴とする太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の太陽電池において、 半導体微結晶の大きさを、当該微結晶中に生じる少数キ
    ャリアの拡散長よりも小さくして成ることを特徴とする
    太陽電池。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の太陽電池において、 トンネル効果によりキャリアが侵入する領域の半導体微
    結晶表層を、深い準位の不在領域として成ることを特徴
    とする太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の太陽電池において、 半導体微結晶の導電型を、当該微結晶と接する半導体層
    の導電型と同一として成ることを特徴とする太陽電池。
JP6081296A 1994-04-20 1994-04-20 太陽電池 Pending JPH07297425A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19837365A1 (de) * 1998-08-18 2000-03-02 Forschungszentrum Juelich Gmbh Solarzelle mit Clustern im aktiven Bereich
JP2006114815A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Fujitsu Ltd 太陽電池
WO2009011338A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Omron Corporation 太陽電池
JP2010258401A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Saito Research Institute Of Technology Co Ltd 光学的および電磁気学的効果補助層の制御手法
JP2014170889A (ja) * 2013-03-05 2014-09-18 Sharp Corp コアシェル粒子、光電変換層および光電変換素子

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