JPH0729718A - 高密度フェライトの製造方法 - Google Patents

高密度フェライトの製造方法

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JPH0729718A
JPH0729718A JP5155157A JP15515793A JPH0729718A JP H0729718 A JPH0729718 A JP H0729718A JP 5155157 A JP5155157 A JP 5155157A JP 15515793 A JP15515793 A JP 15515793A JP H0729718 A JPH0729718 A JP H0729718A
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JP
Japan
Prior art keywords
ferrite
mol
weight
sintered body
oxygen concentration
Prior art date
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Pending
Application number
JP5155157A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Satou
ひろ子 佐藤
Yoshimi Takahashi
芳美 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Mn−Zn系フェライト材(Fe2 3 :5
0〜65モル%、ZnO:5〜30モル%、MnO:1
0〜40モル%を基本組成とし、ZrO2 :0.01〜
0.2重量%、CaO:0.01〜0.5重量%を含有
するとともに、さらにTiO2 及びSnO2 の少なくと
も1種を0.01〜0.3重量%含有するもの)を焼結
する際、最高温度に達しているときの雰囲気を酸素20
〜70%とする。その後、HIP処理を施して高密度フ
ェライトを作成する。 【効果】 加工性及び機械的強度が向上し、加工による
磁気特性の劣化の小さい高密度フェライトが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
ーやハードディスク用の磁気ヘッド材として使用される
高密度フェライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドのコア材として用いられるフ
ェライト材には、加工性、耐摩耗性等の機械的性質及び
磁気的性質に優れていることが要求される。例えば、通
常のフェライト材の焼結体である多結晶フェライトは、
数多くの気孔を含んでおり、表面の結晶粒が脱落する危
険性が高く、テープに損傷を与えたり、ヘッドギャップ
精度を劣化させる等の問題が生じている。
【0003】そこで、気孔率を下げ緻密な高密度フェラ
イトを製造する方法が各方面で検討され、例えば、一次
焼結の後、熱間静水圧プレスを施す(いわゆるHIP処
理)という方法により、極めて緻密な高密度フェライト
を製造することが提案されている。
【0004】上記HIP処理は、高圧ガスによる高圧を
加圧焼成物に対して周囲から加え、等方からプレスする
ようにしたものである。そして、数千kg/cm2 から1万
kg/cm2 程度の高圧を加えることが可能であることか
ら、非常に緻密な高密度フェライトの作成を可能とする
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、磁気ヘッドの狭
トラック化に伴って、上記高密度フェライトを従来より
さらに薄く加工することが必要となっている。このた
め、高密度フェライトの加工性と機械的強度をさらに向
上させることが要求されてきている。
【0006】しかしながら、従来の方法で製造された高
密度フェライトは、切断時に発生する欠けやクラック、
研磨時に発生するチッピング、接合時に発生するヒビ
等、多くの問題を抱えており、これらの応力や歪による
影響が磁気ヘッドの磁気特性を劣化させることとなって
いた。
【0007】そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、加工性、機械的強度に優れ
た高密度フェライトの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するために提案されたものである。すなわち、本発明
は、Fe2 3 :50〜65モル%、ZnO:5〜30
モル%、MnO:10〜40モル%を基本組成とし、Z
rO2 :0.01〜0.2重量%、CaO:0.01〜
0.5重量%を含有するとともに、さらにTiO2 及び
SnO2 の少なくとも1種を0.01〜0.3重量%含
有するフェライト材を焼成してフェライト焼結体とし、
このフェライト焼結体に対して熱間静水圧プレスを施し
て高密度フェライトを得る高密度フェライトの製造方法
において、上記フェライト材の焼結の際の最高温度にお
ける雰囲気を酸素濃度20〜70%とするものである。
【0009】上述のように、焼結時、最高温度における
酸素濃度を20〜70%とすると、作成された高密度フ
ェライトの抗折強度が著しく向上する。一方、酸素濃度
が上記範囲をはずれると、加工に十分な抗折強度が得ら
れない。
【0010】なお、上記フェライト材は、一般にMn−
Zn系フェライトと言われるものである。基本組成を上
述の範囲に定めたのは、これ以外では透磁率が極めて小
さくなり、また飽和磁束密度の減少や保磁力の増大等を
招き軟磁性材料として実用性に欠けることとなるためで
ある。また、上述の基本組成物の他に、TiO2 ,Sn
2 ,CaO,ZrO2 を上述の添加量加えることによ
って、加工性の向上や磁気特性の向上が図られる。
【0011】さらに、上記HIP処理の条件は、通常の
条件であれば特に制約されるものではない。
【0012】
【作用】フェライト材を焼結する際、最高温度に達して
いる時の雰囲気を酸素濃度20〜70%なるものとする
と、加工性及び機械的強度に優れた高密度フェライトが
得られる。
【0013】
【実施例】本発明の好適な実施例について実験結果に基
づいて説明するが、本発明がこの実施例に限定されるも
のではないことは言うまでもない。
【0014】先ず、Fe2 3 :53モル%、ZnO:
16モル%、MnO:31モル%、からなるフェライト
原料粉にZrO2 を0.05モル%、CaOを0.1モ
ル%、TiO2 又はSnO2 を0.05モル%を添加
し、通常の湿式ボールミルにて混合粉砕し、乾燥した
後、所定のサイズのブロックにプレス成形した。
【0015】次いで、一次焼結として1250℃でX%
の酸素を含む窒素雰囲気中にて5時間焼結してフェライ
ト焼結体を得た。なお、一次焼結に際しては、図1に示
すように、昇温は80℃/時間なるレートで行った。ま
た、この昇温時A及び降温時Cは窒素のみの雰囲気と
し、1250℃に達した時点Bでは酸素を含む窒素雰囲
気とした。
【0016】その後、上述のフェライト焼結体と同様の
組成を有するフェライト粉末を用意し、上記フェライト
焼結体の表面を上記フェライト粉末で包み、温度120
0℃,圧力1000kg/cm2 で3時間、HIP処理を施
し、高密度フェライトを作成した。
【0017】ここで、焼結時の酸素濃度Xを変化させて
作成された高密度フェライトのサンプルについて、種々
の特性を調べることとする。
【0018】先ず、上記サンプルを外径8mm,内径4
mm,厚み0.5mmのトロイダルリング状に加工して
インピーダンスアナライザーにより透磁率の周波数依存
性を測定した。また、加工による歪の影響を見るため
に、同様にリング状に加工した後、80℃に加熱した5
0%濃度のリン酸によりエッチングして歪を取り除いた
サンプルを作成し、これを加工前のサンプルとして比較
の対照とした。
【0019】この結果を図2に示す。図2中、aは1M
Hzにおける加工後のサンプルの透磁率を示すものであ
り、bは同じく1MHzにおける加工前のサンプルの透
磁率を示すものである。また、cは5MHzにおける加
工後のサンプルの透磁率を示すものであり、bは同じく
5MHzにおける加工前のサンプルの透磁率を示すもの
である。
【0020】図2より、焼結時の酸素濃度が高くなる
程、透磁率μ’が低下するが、加工前のサンプルに比
べ、加工後のサンプルの方が変化が小さくなっている。
ハードディスクやビデオテープレコーダー用の磁気ヘッ
ドとして使用するためには、加工後のサンプルの透磁率
μ’が、1MHzにおいては2500以上、5MHzに
おいては1000以上であることが好ましい。したがっ
て、焼結時の酸素濃度は70%未満とする必要があるこ
とがわかる。
【0021】次に、焼結時の酸素濃度Xを変化させて作
成された高密度フェライトのサンプルについて、30×
5×2(mm)のブロックに加工した後、3点曲げ方式
により抗折強度を測定した。この結果を図3に示す。図
3より、焼結時の酸素濃度が20%以上となると、抗折
強度が著しく向上することがわかる。しかし、70%を
超えると、急激に低下するため、焼結時の酸素濃度は2
0〜70%の範囲とすることが好ましいことがわかる。
【0022】さらに、焼結時の酸素濃度Xを変化させて
作成された高密度フェライトのサンプルについて、ビッ
カース硬度及び密度を測定した。なお、前記ビッカース
硬度はアルキメデス法により測定した。この結果を図4
及び図5に示す。図4及び図5より、硬度及び密度は、
焼結時の酸素濃度に殆ど依存しないことがわかる。
【0023】また、焼結時の酸素濃度Xを変化させて作
成された高密度フェライトのサンプルについて、研磨時
に発生するチッピングを調べた。通常チッピングとは、
溝入れした縁にできる欠けのことをいうが、ここでは、
研磨時に結晶粒塊が欠けて穴が開いた状態のことを指し
ており、ムシレともいわれるものを指す。サンプルを鏡
面研磨した後、このチッピングの1cm2 当りの個数をカ
ウントしたものを図6に示す。
【0024】図6より、チッピングの発生数は、焼結時
の酸素濃度の増加とともに減少していることがわかる。
また、チッピングの発生数を1cm2 当り10個以下に抑
えるには、焼結時の酸素濃度を20%以上とするのが好
ましいことがわかる。
【0025】以上の実験より、高密度フェライトに要求
される条件を満たすには、焼結時の酸素濃度を20〜7
0%とすることが好ましいことがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、フェ
ライト材を焼結する際、最高温度に達している時の雰囲
気を酸素濃度20〜70%なるものとすると、加工性及
び機械的強度に優れた高密度フェライトを製造すること
ができる。したがって、加工による磁気特性の劣化が抑
えられ、ハードディスクやビデオテープレコーダー用の
磁気ヘッドとして最適な高密度フェライトが得られるこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト材の焼結工程における温度変化を示
す特性図である。
【図2】焼結時の酸素濃度と透磁率μ’との関係を示す
特性図である。
【図3】焼結時の酸素濃度と抗折強度との関係を示す特
性図である。
【図4】焼結時の酸素濃度と硬度との関係を示す特性図
である。
【図5】焼結時の酸素濃度と密度との関係を示す特性図
である。
【図6】焼結時の酸素濃度とチッピング発生数との関係
を示す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe2 3 :50〜65モル%、Zn
    O:5〜30モル%、MnO:10〜40モル%を基本
    組成とし、ZrO2 :0.01〜0.2重量%、Ca
    O:0.01〜0.5重量%を含有するとともに、さら
    にTiO2 及びSnO2 の少なくとも1種を0.01〜
    0.3重量%含有するフェライト材を焼成してフェライ
    ト焼結体とし、このフェライト焼結体に対して熱間静水
    圧プレスを施して高密度フェライトを得る高密度フェラ
    イトの製造方法において、 上記フェライト材の焼結の際の最高温度における雰囲気
    を酸素濃度20〜70%とすることを特徴とする高密度
    フェライトの製造方法。
JP5155157A 1993-06-25 1993-06-25 高密度フェライトの製造方法 Pending JPH0729718A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7671505B2 (en) 2005-05-02 2010-03-02 Mitsuba Corporation Brush holder in electric motor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7671505B2 (en) 2005-05-02 2010-03-02 Mitsuba Corporation Brush holder in electric motor

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Effective date: 20021001