JPH0729594B2 - アンチスキツド制御におけるブレ−キ油圧の加圧方法 - Google Patents

アンチスキツド制御におけるブレ−キ油圧の加圧方法

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JPH0729594B2
JPH0729594B2 JP18135086A JP18135086A JPH0729594B2 JP H0729594 B2 JPH0729594 B2 JP H0729594B2 JP 18135086 A JP18135086 A JP 18135086A JP 18135086 A JP18135086 A JP 18135086A JP H0729594 B2 JPH0729594 B2 JP H0729594B2
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brake hydraulic
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pressurizing
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勝也 三宅
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利史 前原
洋 池上
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両制動時の車輪回転挙動を好ましく制御す
るアンチスキッド制御方法に係わり、詳しくは、車輪ロ
ック防止のために減圧させたブレーキ油圧を、好ましく
加圧させるための方法に関するものである。
(従来の技術) 周知の如く、車輪ロックを招くような車輪制動状態の不
具合を避けるために、ブレーキ油圧を減圧させ、更に制
動距離の無用な延伸防止のために、減圧したブレーキ油
圧を加圧させるというアンチスキッド制御は従来より種
々提案されてきており、またブレーキ油圧の加圧モード
をいくつか異なる加圧率から選択することができるよう
にした方式も提案されている。例えばこのような加圧率
を変化させるための具体的装置として、比較的高周波数
で開閉できる電磁弁装置をブレーキ油圧の加圧系に設け
ると共に、この電磁弁装置を高周波数で開閉させる駆動
制御系にマルチバイブレータ等のパルス列発生器を設
け、このマルチバイブレータからの出力を、車輪の加速
度信号に基づいて、予め定めたいくつかの加圧モードの
うちから選択して決定する方式のもの(英国特許第1305
430号公報)も知られている。
しかし、車両制動時のアンチスキッド制御をより好適に
実現する上では、前記したような方式、すなわち固定さ
れた一つの平均加圧率あるいはいくつかの内より選択さ
れたある加圧率をもつたパルス列信号の導入による電磁
弁の開閉制御では限界がある。
このことは、次のことからも理解される。すなわちアン
チスキッド制御を必要とする車輪速度の降下、回復に影
響する因子は、車両が走行する路面の状態、特にその路
面摩擦係数、車両走行速度、制動操作状態、タイヤの表
面状態、タイヤチューブの内圧・・・・等々様々であつ
て、しかもこれらの因子の総合作用は常に連続的に変化
しているのに対し、前記制御方式では制御の即時的適応
性が十分でないからである。またこの問題は特に、ブレ
ーキ油圧の加圧過程のように、車輪の再ロック状態の現
出を出来るだけ抑制しつつ、制動距離の無用な延伸を防
ぐという微妙なバランスの求められる過程で顕著であ
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は以上の観点からなされたものであり、その目的
は、車両アンチスキッド制御操作により減圧されたブレ
ーキ油圧を加圧させる際に、実際の車輪回転挙動に即時
的に適応して好適に行なうことができる加圧方法を提供
するところにある。特に、アンチスキッド制御の開始に
よりブレーキ油圧を降下させて車輪と路面のなじみが回
復した状態で、ブレーキ油圧を一定程度速やかに上昇さ
せることでブレーキ力の緩めすぎを解消し、その後は、
車輪の再度のロック発生を出来るだけ抑制しつつ、制動
距離の無用な延伸を防ぐことができるようにした、新規
なアンチスキッド制御時のブレーキ油圧の加圧方法を提
供することを第1の目的とする。
また本発明は、車輪回転挙動の即時的に適応してなされ
るべきアンチスキッド制御時の加圧を、できるだけ簡易
な方法で実現させ、これにより低コストで信頼性の高い
アンチスキツド制御装置の構成に有益な加圧方法を提供
することを第2の目的とする。
(課題を解決するための手段) 而して、前記した第1の目的を実現するためになされた
本願の第1番目の発明であるアンチスキッド制御におけ
るブレーキ油圧の加圧方法の特徴は、車両制動時の車輪
速度の急降下検出によって減圧制御されたブレーキ油圧
を、ブレーキ油圧の加圧径路に設けられた電磁弁の開閉
により油圧保持、加圧を繰り返して制御するアンチスキ
ッド制御方法において、前記ブレーキ油圧が減圧制御さ
れた後の車輪の路面に対する摩擦状態とブレーキ力不足
程度との関係を示す車輪速度のローピーク時点からハイ
ピーク時点に至るまでの車輪速度変化状態に基づいてブ
レーキ力の不足程度を判定し、該判定された不足ブレー
キ力分だけブレーキ油圧を該ハイピーク時点から加圧す
る第1回目の加圧時間を決定してブレーキ油圧を加圧さ
せ、これに続いて、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧を交
互に繰り返す第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制御を
し、かつこの加圧制御は、車輪減速度の状態を検出しな
がら、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧の区間の時間長さ
を逐次的に決定して行なうように構成したところにあ
る。
また、前記した本願の第2の目的を実現するためになさ
れた本願の第2番目の発明であるアンチスキッド制御に
おけるブレーキ油圧の加圧方法の特徴は、第1回目の加
圧に続いて行なう第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制
御を、前記第1番目の発明における加圧制御に代えて、
ブレーキ油圧の油圧保持、加圧のいずれか一方の時間長
さを車輪減速度の状態を検出しながら逐次的に決定し、
かつこれらのいずれか他方の時間長さはタイマーにより
予め設定した一定時間として行なうように構成したとこ
ろにある。
(作用) 前記構成によって実現される本発明方法は、ブレーキ油
圧の減圧により回復に向かう車輪速度信号に基づいて、
そのハイピークが検出された時点から不足と判定される
分のブレーキ力を回復するために第1回目の加圧(以下
前段期間の加圧という)が行なわれ、この第1回目の加
圧終了後次の車輪速度急降下が検出されるまでの間(以
下後段期間という)においては車輪減速度状態に応じて
細かな油圧保持と加圧の制御を交互に繰り返して行なう
ので、ブレーキ油圧の降下に伴う車輪速度の回復状態に
見合ったブレーキ力回復を行なう第1回目の加圧により
制動距離の無用な延伸を防ぎ、その後、車輪の再ロック
状態の現出を出来るだけ抑制しながら、ブレーキ油圧を
緩やかに上昇させて更に制動距離の無用な延伸を防ぐと
いう微妙なバランスを保った加圧制御が実現される。
本発明における油圧保持の時間長さの決定、あるいは加
圧の時間長さ決定の少なくともいずれかについては、こ
れらの各油圧保持及び/又は加圧の制御を行なう直前に
おける車輪速度変化状態に基づいて行なわれる。例え
ば、前記前段期間における第1回目の加圧時間長さは、
ブレーキ油圧の減圧により回復に向かうことになる車輪
速度信号のローピークからハイピークの間の車輪速度変
化状態に基づいて好ましく決定される。
前記後段期間の油圧保持,加圧の時間長さの決定は、各
油圧保持,加圧の制御直前の車輪速度状態(これに依存
した車輪減速度状態)に基づき行なう場合に、本発明は
好適に実現されるが、この他、油圧保持の時間長さを前
記のように制御直前の車輪速度状態(あるいはこれに依
存した車輪減速度状態)に基づき決定し、他方加圧の時
間長さはタイマー等を用いて一定時間に固定する、ある
いは反対に、加圧の時間長さを前記のように制御直前の
車輪速度状態(あるいはこれに依存した車輪減速度状
態)に基づき決定し、他方油圧保持の時間長さはタイマ
ー等を用いて一定時間に固定する、等の方法によっても
本発明は好適に実現される。
以上のように油圧保持,加圧の少なくともいずれかの時
間長さを、その直前の車輪速度状態に基づき決定する場
合には、実際の車輪速度状態にリアルタイムに対応した
ブレーキ油圧の緩慢な加圧が実現され、アンチスキッド
制御の全体として、従来のものから格段に優れた制動制
御が達成される。
特に、前記の如く、ブレーキ油圧の加圧をハイピーク後
の前段期間の第1回目の加圧と、後段期間の油圧保持,
加圧の交互繰り返しとを、組合せて行なう場合には、前
段期間の第1回目の加圧前に車輪速度の十分な回復を得
ることができ、この後、油圧保持と加圧の短時間の交互
繰り返しにて実際の車輪挙動に好適に対応した制御が実
現できる。
このようなブレーキ油圧の加圧制御を前段期間と後段期
間に分けて行なう場合の利点は次のことから理解され
る。すなわち、一般に制動により車輪がロック状態とな
った時に行なわれるアンチスキッド制御においては、ブ
レーキ油圧を減圧させてこれを保持することで、車輪速
度にはローピーク,ハイピークが現われる。ここでハイ
ピークが現われるということは、ブレーキ力が低下した
結果車輪と路面のなじみが回復して、むしろブレーキ力
が不足になった状態(放置すれば制動距離の延伸を招く
状態)と理解することができる。つまり前記ローピー
ク,ハイピークの現われる変化の状況の時間長さ(過渡
時間の長短)は、路面に対する車輪の摩擦状態とブレー
キ力の不足程度との関係を示していると言える。例えば
前記過渡時間が短かいということはブレーキ力を緩めす
ぎていることに他ならないから、ブレーキ力の不足度合
は大きいことになる。そこで、まず車輪速度がローピー
ク時点よりハイピーク時点に至るまでの車輪速度の大き
な変化状態を基準としてブレーキ力不足の程度を判定
し、この判定に基づく不足ブレーキ力分だけ第1回目の
加圧によりブレーキ油圧を加圧させるようにすれば、現
実に現われた該車輪速度の変化に見合って概ねつりあい
のとれたブレーキ力の状態を車輪に対して与えることが
出来、この後は、逐次現われる車輪速度の比較的小さな
変化に対応した前記後段手段の制御を行なうことで良好
なアンチスキッド制御が実現されるのである。
前記のような前段期間の加圧時間長さ、すなわち第1回
目の加圧の時間長さは、種々の方法によって具体的に実
現できる。具体的にその一例を例示すれば、例えば、ア
ンチスキッド制御時のブレーキ油圧減圧開始時点の車輪
速度(VBとする)と、ローピーク時点の車輪速度(VLP
とする)とから、VB−VLPのK1,K2%(K1<K2<1)を求
め、VLP+K1×(VB−VLP)〜VLP+K2×(VB−VLP)の間
の時間長さTを検出し、これを情報として前記加圧時間
長さを決定することができる。
この情報Tによる加圧圧時間長さの決定は、予め演算回
路に設定した式による演算算出、あるいは記憶回路にプ
リセットとした時間情報の読出しにより行なうことがで
きる。
また前記前段期間の加圧時間長さの決定方法は、減圧開
始からローピーク検出に至る時間長さに依存させる前述
の方式の他、車輪速度のローピークからハイピークに至
る時間長さに依存させる方式でもよいし、時間長さに依
存させる方法も、単純に時間長さをそのまま情報とする
方式の他、車輪速度信号を微小時間毎にサンプリング
し、このサンプリング回数をもって前記時間長さを決定
する情報とする方式とすることもでき、本発明の目的実
現に対応するものであれば採用することができる。
以上説明した本発明において好ましく採用される前段期
間の加圧方式は、要するに車輪速度がハイピークに至る
まではブレーキ油圧の加圧を行なわずに十分な(大き
な)車輪速度の回復を図るという特徴的な操作方式とい
うことができ、後段期間における油圧保持,加圧の交互
繰り返し操作による比較的細かな油圧加圧(上昇)制御
と対をなして本発明方法の最適な制御を実現することが
できる。
他方、後段手段の油圧保持,加圧の交互繰り返しの制御
は、前記前段期間の制御とは異なる意図に基づくもので
ある。すなわち後段期間の油圧保持,加圧の交互繰り返
しは次のような目的実現のために行なわれる。
すなわち、前記前段期間のブレーキ油圧の加圧によりブ
レーキ力の不足状態は概ね解消され、車輪は路面状態と
略バランスしたブレーキの状態での制動が継続される。
このため、車両の減速と共に車輪速度も漸次減速するこ
とになるが、車輪の再度の急降下状態が現出しない限り
において、ブレーキ力を出来るだけ大きくすることが、
制動距離の延伸を防止することを一つの目的とするアン
チスキッド制御において望まれる。またアンチスキッド
制御中の車輪速度状態は、車輪と路面のなじみ状態に対
し遅れをもって現われること、更にまた車輪速度状態は
安定した変化を示すものとは必ずしも言い難くむしろ非
線形な変化を示すものである。これらの種々の点から、
本発明の後段期間の加圧制御は、短時間毎に車輪速度状
態を検出しながら、必要な範囲でブレーキ油圧の適度の
加圧すなわちブレーキ力の漸増を図り、制動距離の短縮
化を実現させるようにしているのである。
この後段期間における油圧保持と加圧の交互繰り返し
(以下これら繰り返えされる各時間を「区間」と称す
る)の各区間の時間長さの決定方式は、次の三つの態様
に分けて説明される。
(1)油圧保持,加圧の時間長さは、双方共に該当区間
の直前の車輪速度(あるいは該車輪速度の依存して与え
られる車輪減速度)を検出し、この検出情報に基づき決
定する。
(2)油圧保持の時間長さは、該当区間の直前の車輪速
度(あるいは該車輪速度の依存して与えられる車輪減速
度)を検出し、この検出情報に基づき決定し、他方加圧
の時間長さは、タイマー等により予め設定された一定の
時間として得る。
(3)加圧の時間長さは、該当区間の直前の車輪速度
(あるいは該車輪速度の依存して与えられる車輪減速
度)を検出し、この検出情報に基づき決定し、他方油圧
保持の時間長さは、タイマー等により予め設定された一
定の時間として得る。
以上の(1)〜(3)の各態様において該当区間の直前
の車輪速度等に応じ各時間長さを決定する情報は、種々
の方法により得ることができ、例えば当該区間の「直前
の区間」の終了時点は、直前該当区間の制御によって、
予め与えられているので、この「直前の区間」の終了時
点ないしその直前において車輪速度を検出する方式、あ
るいは車輪速度を連続的に微小時間毎のサンプル値とし
てサンプリングし、これを逐次更新登録(記憶)して前
記「直前の区間」の終了時点の登録サンプル値を読出す
方式、更には、前記「直前の区間」の間における車輪速
度の降下度合から演算算出する方式、等々の方法を適宜
採用することができる。
また前記の如く得られた情報に基づき、該当する区間の
時間長さを決定する方法は、例えば前述した前段期間に
おけると同様にして与えられ、具体的には記憶回路から
の時間情報の読出しをする、演算回路により演算算出す
る等々を例示することができる。
なお、本発明が適用されるアンチスキッドにおける他の
制御部分、例えば車輪速度の急降下検出、この検出に基
づくブレーキ油圧の減圧開始,油圧保持等の制御につい
ては、既知の種々の方法に従ってこれを行なうことがで
きるものである。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて更に詳細に説
明する。
第1図は本発明方法が適用されるアンチスキッド制御装
置の全体構成概要の一例を示し、図において1はゲート
バルブ、2は加圧・保持両用の電磁弁装置(以下単に加
圧バルブという)、3は減圧用の電磁弁装置(以下単に
減圧バルブという)、4はブレーキ油圧伝達用の主径路
を示し、不図示のマスタシリンダM/Cからゲートバルブ
1及び加圧バルブ2を介して車輪ブレーキ装置のホイル
シリンダW/C(いずれも不図示)に接続されている。
前記においての1のゲートバルブは、差圧移動ピストン
5を内蔵したシリンダ6,7を有し、差圧によって図の左
方に移動した時にゲートの弁8部分を閉じるようになっ
ている。このゲートの弁8の閉路があると、マスタシリ
ンダ側とゲートバルブ下流(ホイルシリンダ側)は圧力
的に遮断される。
加圧バルブ2は常開型をなしており、制御回路9からの
油圧保持信号S1によって閉路状態に切換えられ、主径路
を遮断(油圧保持状態)する。
減圧バルブ3は、常閉型をなしており、制御回路9から
の減圧信号S2によって回路状態に切換えられ、ホイルシ
リンダW/C内の圧抽をリザーバ10,ポンプ11を介して蓄圧
器12に圧油を汲上げて戻すようにバイパス径路13に接続
されている。なお13はチェック弁、14はリリーフ弁であ
る。
15は車輪速度検出器(スピードセンサ)であり、車輪16
に組付けられて、車輪速度の検出情報を制御回路9に入
力する。
第2図,第3図は以上のアンチスキッド制御装置によっ
て行なわれるアンチスキッド制御の状態を車輪速度VW
信号S1,及びS2ならびにブレーキ油圧P(ホイルシリン
ダW/C内圧力)の関係で示したものであり、車輪速度VW
を情報源として制御回路9は信号S1,S2のオン,オフを
第3図に示す如く制御する。
制御回路9は一般的にマイクロコンピュータを利用して
構成されるものであり、本発明においては、例えば第2
図に示す機能ブロック図に相当する制御系統を備えたも
のとして設けられている。
実施例1 以下前記した第1図および第2図で示されるアンチスキ
ッド制御装置によって実現される本発明方法の具体的制
御状態の一例概要を、第3図の制御特性状態図に基づい
て説明する。
本例は前段期間の第1回目の加圧と、後段手段における
油圧保持,加圧の交互繰り返しを、これら各制御の直前
においての車輪速度の状態を検出しながら行なうように
した場合の実施例を示している。
なお第3図は上段から、車輪速度、車輪減速度VW
ブレーキ装置のホイルシリンダW/C内のブレーキ油圧
P、〜は第2図の各回路ブロックからの信号出力状
態、そして下段は加圧バルブ2および減圧バルブ3の開
聞状態を夫々示している。
通常ブレーキ時 第1図に示した加圧バルブ2、および減圧バルブ3は夫
々常開,常閉しており、マスタシリンダM/Cとホイルシ
リンダW/Cは通常状態に維持されている。したがって不
図示のブレーキペダルの踏下に応じて油圧が発生し、こ
れが伝達されてブレーキ力を生ずる。
アンチスキッド制御の減圧時 本例の制御回路によって制御開始時点からの車輪速度VW
の変化に応じて代表的には次の制御が逐次的に行なわれ
る t1・・・ブレーキ油圧が上昇し、車輪が減速して車輪減
速度()も徐々に大きくなる、又疑似速度(VT)は
車輪速度(VW)よりΔV低い値でVWに追従している。
ここで疑似速度VTは、車輪速度を基にして出力されるも
のであり、その降下率の最大がθ(減速度G1に相当)
を越えることができないように定められている信号であ
る。
t2・・・がG1に達すると比較器2の出力がオン
し、VTは一定減速勾配(θ)で減少していく。
t3・・・の降下が更に大きくなりGmaxに達すると比
較器1の出力がオンし、オア回路1を通して加圧バル
ブが閉じる。
ここで減速度Gmaxは車輪速度の減速度が大きくなって、
ブレーキ力が過大であると判定して、それ以上のブレー
キ油圧の上昇を停止させる目的で設定されたものであ
る。
この時点でM/CとW/Cとの間が遮断されW/C油圧はホール
ドされる。
t4・・・VTとVWが交わるとフリップフロップFF1をセッ
トし、その出力がオンし、そしてタイマ2を経て減圧
バルブが開きW/C油圧は減少する。
なお、本例における前記タイマ2は限時タイマであり、
一定時間後、の出力があっても減圧バルブを強制的に
閉じさせるように動作するが、これは必要以上の減圧継
続を解除するためのものである。
t5・・・VWがローピークVLPに達するとローピーク検出
器からの出力がオンし、前記FF1をリセットする。従
って減圧バルブは閉じる。
なお、本例では減圧バルブが閉じた時点からディレイタ
イマが作動し、減圧バルブが閉じた一定時間後にFF2
リセットすることで、アンチスキッド制御装置を初期状
態に復帰させるようにしている。これはフェイルセイフ
思想に基づくもので、したがって前記ディレイタイマの
時間は制御サイクル(減圧〜減圧までの周期)より十分
長い時間を設定する。
以上によってブレーキ油圧の保持,減圧,保持のがなさ
れ、これは次記する車輪速度のハイピーク検出まで継続
される。したがって車輪速度は低下されたブレーキ力状
態で十分な回復が行なわれる。
なお、本例ではこのt5の間において の回復時の平均VWを求めその値によりt6(ホールドバル
ブ開)の時間を決定するようになっている。
すなわち、前述したように減圧開始時点の車輪速度V
Bと、ローピーク車輪速度VLPから、 Vb=K1×(VB−VLP)+VLP VC=K2×(VB−VLP)+VLP (ただしK1>K2) を求め、 (ただしTはVc〜Vbに要した時間) を検出する。
そして、この を情報として減速度を複数段階に区画すると共にこれら
各減速度に対応した時間情報(通常数ms〜数十ms)のプ
リセットされている記憶回路から、 に相当する時間情報を読出す。
アンチスキッド制御の加圧時 t6・・・VWがハイピークVHPに達すると前記t5の間で求
められた時間長さの間、加圧バルブを開き油圧を急増圧
させる。
このt6の間の加圧が本発明における前述前段期間の加圧
であり、本例では前記t5において決定された時間長さを
持つ信号がハイピーク検出時点から出力され、これが反
転器1の出力が反転オフされるために、油圧保持信号
S1のオフ、したがって加圧バルブの開路を生じてブレー
キ油圧の加圧がなされるのである。
次に後段期間における制御を説明すると、これは第2図
中の出力,によって行なわれる。
t6終了直前のにより次の区間t7(加圧バルブ閉)の
時間長さを決定する。
t7・・・t6で求められた時間に従い加圧バルブを閉じ油
圧を保持する。又t7終了直前のにより区間t8(加圧
バルブ開)の時間長さを決定する。
t8・・・t7で求められた時間に従い加圧バルブ開き油圧
を増圧させる。又t8終了直前のにより次の区間t
7(加圧バルブ閉)の時間長さを決定する。
なお、これら検出に基づく次区間の時間長さの決定
は、各々プリセットされた時間情報の内容は異なってい
るものの、決定の方式自体は前記前段期間における方式
と同様にして行なわれる。
なおまた、検出減速度 に対応する時間情報のプリセットは、経験的,実験的な
結果等を総合して適宜車両特性に応じて定めればよい。
この後段期間の繰り返しは、通常、次のGmaxが検出され
るまで継続されることになり、該Gmaxが検出された場合
は前記t3の段階から再び同様の制御が行なわれる。
また十分長い間に渡ってGmaxが検出されなければ、タイ
マー1,2、ディレータイマーの作用によってアンチスキ
ッド制御装置は初期状態に復帰されるようにしておくこ
とがよい。
以上の構成によれば、アンチスキッド制御におけるブレ
ーキ油圧の加圧を、実際の車輪挙動に即時的に対応して
行なわせることが可能となり、しかも加圧制御を行なう
ための情報も単純化した形で得ることができるために、
回路設計も容易となるなどの種々の効果が得られる。
実施例2 本実施例は第4図の機能ブロック図で示されるように、
加圧時間は、加圧バルブオン時間決定回路からの信号で
ある前記の出力を受けた加圧バルブオフ時間タイマー
により一定時間として与えられるようにしている。その
他の構成は前記実施例1と同じであり、したがって本例
においては、第1回目の加圧を前記車輪速度のローピー
クからハイピークまでの車輪速度の変化状態により決定
し、後段期間においての油圧保持時間は、前記第1回目
の加圧の終了直前,あるいは後段期間における加圧の終
了直前の車輪速度の状態により実施例1と同様にして決
定される。また後段期間における油圧保持後の加圧の時
間長さは前記加圧バルブオフ時間タイマーに予め設定さ
れている一定の時間(例えば数ms程度)として与えられ
ることとなる。
本例の場合においても、油圧保持の時間を車輪速度の変
化状態に依存して可変制御するため、加圧の時間を一定
としても実用上十分好適な即時的な適応制御が実現さ
れ、しかも実施例1に比べて、回路設計特にマイクロコ
ンピュータを用いた場合のプログラム設計が容易となる
利点があるため、その実用上の効果は大なるものがあ
る。
なお本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、
例えば前記加圧時間のタイマーによる固定化でなく、反
対に油圧保持時間をタイマーにより固定化し、加圧時間
のみをその直前の車輪速度状態に依存させて可変制御さ
せるようにしてもよい。
また加圧の前の段階におけるブレーキ油圧の減圧操作の
ための方法は、前記実施例において一例的に示した方法
に限定されるものではなく、公知の他の方法を用いても
よいことは言うまでもない。
(発明の効果) 本発明によれば、急降下した車輪速度の十分な回復、こ
れに続づき、路面と車輪のなじみ状態を検出しながら不
足ブレーキ力を望ましく急増,漸増させる制御、すなわ
ち、ブレーキ油圧の降下に伴う車輪速度の回復状態に見
合ったブレーキ力回復を行なう第1回目の加圧により制
動距離の無用な延伸を防ぎ、その後、車輪の再ロック状
態の現出を出来るだけ抑制しながら、ブレーキ油圧を緩
やかに上昇させて更に制動距離の無用な延伸を防ぐとい
う微妙なバランスを保った第2回目以降の加圧制御を、
本願第1番目の発明においては、油圧保持、加圧の時間
長さを、車輪減速度の状態を検出しながら、ブレーキ油
圧の油圧保持、加圧の区間の時間長さを逐次的に決定し
て行なうようにしているので、時々刻々変化する路面状
況に即応して実質的にリアルタイムの加圧制御が実現さ
れ、車輪の再ロックの防止、制動距離の延伸防止に極め
て有効となす効果が得られる。また本願第2番目の発明
においては、第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制御
を、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧のいずれか一方の時
間長さを車輪減速度の状態を検出しながら逐次的に決定
し、かつこれらのいずれか他方の時間長さはタイマーに
より予め設定した一定時間として行なうようにしている
ので、実用上十分満足できる即時的な加圧制御が実現さ
れると共に、回路設計、特にマイクロコンピュータを用
いた場合のプログラム設計が容易になるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明するためのものであり、第1図は本
発明方法が適用されるアンチスキッド制御装置の構成概
要一例を示す図、第2図は本発明方法の一実施例を実現
する場合の制御系を信号出力の関係で示す機能的ブロッ
ク図、第3図は同実施例における車輪速度,ブレーキ油
圧等の変化状態を説明する図、第4図は本発明方法の他
の実施例を実現する場合の制御系を信号出力の関係で示
す機能的ブロック図である。 1:ゲートバルブ、2:加圧バルブ 3:減圧バルブ、4:ゲート弁 5:制御回路、6:スピードセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前原 利史 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレー キ工業株式会社設計本部内 (72)発明者 池上 洋 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレー キ工業株式会社設計本部内 (72)発明者 秋間 秀夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 帆足 章 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−53945(JP,A) 特開 昭56−25039(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両制動時の車輪速度の急降下検出によっ
    て減圧制御されたブレーキ油圧を、ブレーキ油圧の加圧
    径路に設けられた電磁弁の開閉により油圧保持、加圧を
    繰り返して制御するアンチスキッド制御方法において、 前記ブレーキ油圧が減圧制御された後の車輪の路面に対
    する摩擦状態とブレーキ力不足程度との関係を示す車輪
    速度のローピーク時点からハイピーク時点に至るまでの
    車輪速度変化状態に基づいてブレーキ力の不足程度を判
    定し、該判定された不足ブレーキ力分だけブレーキ油圧
    を該ハイピーク時点から加圧する第1回目の加圧時間を
    決定してブレーキ油圧を加圧させ、 これに続いて、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧を交互に
    繰り返す第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制御をし、
    かつこの加圧制御は、車輪減速度の状態を検出しなが
    ら、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧の区間の時間長さを
    逐次的に決定して行なうことを特徴とするアンチスキッ
    ド制御におけるブレーキ油圧の加圧方法。
  2. 【請求項2】前記第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制
    御におけるブレーキ油圧の油圧保持、加圧の時間長さの
    決定は、制御装置の記憶回路中にプリセットした複数の
    時間情報のうちから、各区間の直前の車輪減速度の検出
    情報に基づいて選択読出して行なうことを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載のアンチスキッド制御にお
    けるブレーキ油圧の加圧方法。
  3. 【請求項3】前記第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制
    御におけるブレーキ油圧の油圧保持、加圧の時間長さの
    決定は、各区間の直前の車輪減速度の検出情報に基づい
    て制御装置の演算回路により演算算出することで行なう
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載のア
    ンチスキッド制御におけるブレーキ油圧の加圧方法。
  4. 【請求項4】車両制動時の車輪速度の急降下検出によっ
    て減圧制御されたブレーキ油圧を、ブレーキ油圧の加圧
    径路に設けられた電磁弁の開閉により油圧保持、加圧を
    繰り返して制御するアンチスキッド制御方法において、 前記ブレーキ油圧が減圧制御された後の車輪の路面に対
    する摩擦状態とブレーキ力不足程度との関係を示す車輪
    速度のローピーク時点からハイピーク時点に至るまでの
    車輪速度の変化状態に基づいてブレーキ力の不足程度を
    判定し、該判定された不足ブレーキ力分だけブレーキ油
    圧を該ハイピーク時点から加圧する第1回目の加圧時間
    を決定してブレーキ油圧を加圧させ、 これに続いて、ブレーキ油圧の油圧保持、加圧を交互に
    繰り返す第2回目以降のブレーキ油圧の加圧制御をし、
    かつこの加圧制御は、このブレーキ油圧の油圧保持、加
    圧のいずれか一方の時間長さを車輪減速度の状態を検出
    しながら逐次的に決定し、かつこれらのいずれか他方の
    時間長さはタイマーにより予め設定した一定時間として
    行なうことを特徴とするアンチスキッド制御におけるブ
    レーキ油圧の加圧方法。
JP18135086A 1985-08-02 1986-08-01 アンチスキツド制御におけるブレ−キ油圧の加圧方法 Expired - Lifetime JPH0729594B2 (ja)

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