JPH07294535A - 連続流れ分析方法および装置 - Google Patents

連続流れ分析方法および装置

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JPH07294535A
JPH07294535A JP11346894A JP11346894A JPH07294535A JP H07294535 A JPH07294535 A JP H07294535A JP 11346894 A JP11346894 A JP 11346894A JP 11346894 A JP11346894 A JP 11346894A JP H07294535 A JPH07294535 A JP H07294535A
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JP
Japan
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sample
carrier
analysis
detector
continuous flow
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Application number
JP11346894A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Sayama
恭正 佐山
Yutaka Hayashibe
豊 林部
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 連続して流れるキャリア中に試料を注入し該
キャリアによって試料を検出器に導き試料に含まれる成
分の定量分析を行なう連続流れ分析法において、分析試
料を試料容器内に充填し、はじめに試料容器から試料の
一部を上記キャリアに注入して分析を行ない、検出器に
おいて得られる検出ピークが分析最適域未満である場合
には試料の注入量を増加させ、検出器において得られる
検出ピークが分析最適域を超える場合には試料の注入量
を減少させて引続き分析を行ない、検出ピークが分析最
適域に至るまでこの検出ピークの調整を繰り返して定量
分析を行うことを特徴とする連続流れ分析方法。 【効果】 試料注入量の正確な制御が可能であるため、
連続流れ分析法において高精度の定量分析を行なうこと
ができる。検出結果を試料供給系にフィードバックする
ことにより、同一の装置構成で1ng/ml 程度の低濃度か
ら1000μg/ml程度の高濃度の試料に対応するため、濃度
のばらつきの大きい試料を多数、自動的に分析するのに
適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続流れ分析方法およ
び装置に関する。具体的には、定量測定範囲が広く高精
度な自動測定を実現する分析方法および分析装置であっ
て、特にフローインジェクション法による連続分析方法
および装置に関する。
【0002】
【従来技術】フローインジェクション分析法は、定量ポ
ンプを用いて制御されたキャリアの連続流れを作り、そ
の流れの中に試料を注入し、必要に応じて呈色試薬等と
反応させ、試料を含む連続流れを検出器に導いて試料液
中の目的成分の定量を行なう分析方法である。試料注入
後、試薬との反応、検出器への導入・排出等が自動的に
行なわれるため、大量の試料を迅速かつ自動的に測定で
きるという利点を有しており、臨床研究から公害汚染の
分析に至る幅広い分野で用いられている。しかし、上記
方法においては、定量そのものは流路に介設された検出
器により行なわれるため、検出精度は、検出方法(一般
には、吸光光度法、蛍光光度法、原子吸光法、炎光光度
法、ICP発光分光分析法、ICP質量分析法)および
そのために使用される検出器の特性に依存する。従っ
て、検出器による定量が最も高精度で行なえるように、
試料溶液を調製しあるいは分析システムの装置構成等を
調整する必要がある。具体的には、試料中の測定対象成
分が相当程度に高濃度または低濃度であることが予め予
想される場合には、バッチ的に試料溶液を希釈または濃
縮したり、反応経路(反応コイル長さ等)の変更や検出
器感度の調整あるいは試料注入量を調整する操作が必要
であるが、このうちバッチ的な濃度調整や装置構成の変
更ないし調整では、調整等にかかる時間や手間が大き
く、自動測定システムとしての特長を減殺する。従っ
て、試料注入量を調整して測定濃度を調整する方法が望
ましい。
【0003】一般的なフローインジェクションの測定系
は、試料を充填した所定容量の計量容器(サンプルルー
プ)をキャリア流路と並列に設け、キャリア流れをサン
プルループ側に切り換え、容器中に充填されている試料
の全量をキャリア流に載せて計量容器より押し出し測定
システム内に導入するものであり、サンプルループの容
量を変更することにより試料注入量が変更できる。サン
プルループの容量の変更は、これに用いるチューブの長
さを各試料によって変えることにより行なわれる。具体
的には試料ごとに手作業でチューブを取り替えたり、サ
ンプルループの一部にシリンジ状の可変容量部を設ける
(特開昭59-3359 号公報あるいは特公平2-15031 号公
報)。しかし、前者の方法は手間がかかり大量の試料を
迅速に処理する目的には適さない。また、後者の方法
は、試料注入部の構造が複雑であるため塩濃度の高い試
料は閉塞を生じ易く、適用するのが困難である。また注
入量の自動的な制御も難しい。
【0004】キャリア流路内に所定の時間、流路の外部
から試料を注入することにより注入量を調整する方法も
知られている。かかる目的のために体積の異なる試料計
量孔をローター上に設けたバリアブルボリュームインジ
ェクターを用いた装置がJ.L.Burugera等(Anal.Chim.Ac
ta,234,253,1990)およびM.L.Guardia 等(Fresenius’Z.
Anal.Chem.,345,579,1993)に記載されており、また、流
路切換弁を備えた装置が特開平5-302871号公報に記載さ
れている。しかし、前者の装置は予め設定した規定量の
体積の注入しかできず、またいずれの装置も測定に必要
な量の試料を簡便かつ正確に系内に注入することが困難
である。試料をまず希釈液の流れに注入し、希釈液流れ
中に形成される試料の濃度勾配を利用して、濃度勾配の
特定範囲の部分のみをキャリア流れに導入する方法も提
案されている(特開平4-77662 号公報)。しかし、希釈
液流れ中における試料の分散は必ずしも単純ではないた
め、かかる方法では、希釈流れ中のどの部分を取り出す
かの決定が困難であり、得られた測定値から原試料の濃
度を算出するためには、試料の粘度や流路系の流れ抵抗
等の多数の因子を考慮する必要があり、測定誤差が大き
い。
【0005】また、以上の何れの方法も、試料の出所か
ら通常予想される濃度の範囲に応じて予め試料注入量を
設定しているため、多数の試料を迅速に処理したい場合
にも各試料に合わせてサンプルループ長や可変容量の設
定等を行なわなければならず操作が繁雑である。さら
に、サンプルループ長や可変容量の設定にはどうしても
物理的限界があるため試料注入量の切換はバッチ操作と
なり、連続的な測定を行うことができない。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、従来のフローインジェク
ション分析法等における上記問題を解決したものであっ
て、定量分析範囲が広く、しかも高精度の測定を容易か
つ迅速に遂行し得る連続流れ分析方法およびその装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題の解決手段】本発明者等は、フローインジェクシ
ョン法などの連続流れ分析法における試料注入量の制御
方法を検討した結果、上記サンプルループ法において、
1回の注入によって試料の全量を押し出さず、試料を保
持する容器の開閉時間などを調整することにより容器中
の試料を数回に分けてキャリア中に押し出し、その検出
感度に応じて引続き試料の注入量を増減することにより
検出感度を検出器の最適感度領域に調整して定量分析す
れば連続測定の特徴を生かしつつ高精度の分析結果が得
られる知見を得た。
【0008】本発明は上記知見に基づくものであり、本
発明によれば以下の構成を有する連続流れ分析方法およ
び装置が提供される。 (1) 連続して流れるキャリア中に試料を注入し該キ
ャリアによって試料を検出器に導き試料に含まれる成分
の定量分析を行なう連続流れ分析法において、分析試料
を試料容器内に充填し、はじめに試料容器から試料の一
部を上記キャリアに注入して分析を行ない、検出器にお
いて得られる検出ピークが分析最適域未満である場合に
は試料の注入量を増加させ、検出器において得られる検
出ピークが分析最適域を超える場合には試料の注入量を
減少させて引続き分析を行ない、検出ピークが分析最適
域に至るまでこの検出ピークの調整を繰り返して定量分
析を行うことを特徴とする連続流れ分析方法。 (2) 試料容器の試料充填部分を開閉し、該試料充填
部分に流れ込むキャリアによって該容器中の試料をキャ
リアの流れ中に押し出す場合に、該試料充填部分の開閉
時間および/またはキャリアの流速を増減させることに
より試料注入量を増減させ、検出ピークを分析最適域に
調整して定量分析を行う上記(1) に記載の連続流れ分析
方法。 (3) 試料注入後から検出に至るまでの間に測定対象
成分を濃縮する過程を設け、上記濃縮過程における濃縮
度を増加させた後に定量分析を行う上記(1) に記載の連
続流れ分析方法。 (4) 上記濃縮過程が、上記計量容器出口から検出器
に至る間に設けた吸着部に測定対象成分を吸着する工程
と、その後に行なわれる上記吸着部から測定対象成分を
溶離する工程からなり、吸着工程を繰り返して測定対象
成分の濃縮度を高めた後に該成分を溶離して検出器に導
くことを特徴とする上記(3) に記載の連続流れ分析方
法。 (5) 連続して流れるキャリア中に試料を注入し該キ
ャリアによって試料を検出器に導き定量分析を行なう連
続流れ分析装置であって、送液ポンプにより形成された
キャリアの連続流れを検出器に導くための管路と該管路
に介設された試料容器を備え、該試料容器には分析試料
を保持する試料充填部分と、該試料充填部分をキャリア
の連続流れに対して開閉する切換弁機能が設けられてお
り、さらに該試料容器と上記検出器は該検出器で得られ
る検出ピークに応じて切換弁の開閉時間を制御する制御
手段によって接続されており、検出ピークに応じて試料
の注入量が増減するフィードバック機能が形成されてい
ることを特徴とする分析装置。 (6) 試料容器から検出器に至る管路に、試料中の分
析対象成分の濃縮を行なう手段が設けられている上記
(5) に記載の分析装置。 (7) 上記濃縮手段がイオン交換カラムである上記
(6) に記載の分析装置。
【0009】
【具体的な説明】本発明は、連続流れ分析法一般に適用
可能であるが、特にフローインジェクション法において
有用である。従って、以下の記載においては、フローイ
ンジェクション法を中心に説明するが、各種の液体クロ
マトグラフィーやガスクロマトグラフィー法等、その他
の連続流れ分析方法にも応用可能である。
【0010】本発明のフローインジェクション分析装置
の一例を図1に模式的に示す。図示するように、本発明
によるフローインジェクション分析装置は、キャリア供
給源1、定量分析用検出器3および該供給源1から検出
器3に至る管路4を有し、該管路4にはキャリアを管路
4に流す送液ポンプ5および試料を管路4に導入する試
料容器2が介設されており、該試料容器2から検出器3
に至る間に発色反応等を促す反応部6が設けられてい
る。これらの管路は連続流れ分析方法において慣用され
ているものでよく、例えば、フッ素樹脂等の樹脂管やス
テンレス管のような金属管が使用できる。送液ポンプ5
は脈流の少ないプランジャー式ポンプ等が好適に用いら
れる。反応部6にはコイル状の管路が用いられるが、反
応を促進するために温度調節器を付設しても良い。な
お、図示しないが、キャリア管路4にはこの他に常法に
準じて必要な管路や装置等が付設される。例えば、反応
試薬を導入するための管路や弁および流速計や廃液溜
め、また必要に応じて背圧制御手段7が付設される。
【0011】試料容器2は、試料を充填保持する試料充
填部分と該試料充填部分をキャリアの流れに対して開閉
する切換弁の機能を有する。該試料容器2の好適な例
は、図2の模式図に示す六方弁からなるものである。図
示するように、容器2は円周に沿って等間隔に配設され
た6個の通孔a〜fを有する回転自在な弁体2aと該弁
体2aに一体に装着された保持管2bによって形成され
ている。保持管2bは試料を充填保持する部分であり、
その一端は通孔cに接続され、他端は通孔fに接続され
ている。また通孔a、bはキャリア管路4に連通してお
り、通孔d,eは管路8を通じて試料溶液の供給溜9に
連通している。試料充填部(保持管2b)が管路4に対
して閉鎖された位置のとき、弁体の内部流路を介して通
孔aとbが連通しており、また通孔cとd、eとfがお
のおの連通している。キャリアは通孔aおよびbを経て
管路4に流れる。一方、保持管2bには供給溜9から管
路8および通孔c,d,e,fを通じて試料溶液が充填
される。試料を管路4に注入する場合には、弁体2aを
回転して弁体内部の流路を切り換え、通孔cからdに至
る流路および通孔eからfに至る流路を遮断する一方、
通孔aからfに至る流路および通孔bからcに至る流路
を開き、通孔a,fを通じてキャリアを保持管2bに導
き、管内に充填されている試料をキャリアによって押し
出し、通孔c、bを通じて管路4に送り出す。試料容器
2は以上の構造を有するので、弁体2aの開閉時間によ
って試料の送り出し量を制御することができる。なお、
試料注入後、試料容器2を閉鎖位置に戻した場合、保持
管2bに残留するキャリアを排出するには、管路8に弁
31を介して排液路32を分岐し、弁31によって管路
8を排液路32に連通し、容器2に導いた試料液によっ
てキャリアを排液路から押し出した後に弁31を試料液
側に切り替えて、保持管2bに試料液を充填するとよ
い。試料容器2は通孔や内部流路の数に拘らずこれと同
じ機能を有し得るものであれば同様に使用できる。
【0012】検出器3には記録計10が接続され、また
検出器3と試料容器2は測定した検出感度に応じて容器
2の開閉時間を制御する制御手段11によって接続され
ている。制御手段11はコンピュータやコンパレータな
どの手段を用いることができる。試料容器2の開閉は、
例えば、制御手段の発する信号によりリレーを駆動して
ステッピングモータを駆動するなどの既知の方法により
行なわれる。
【0013】本発明の分析方法は、以下のようにして行
われる。まず、試料容器2を閉じた状態で送液ポンプ5
を駆動する。この状態では、キャリア管路4と試料保持
管2bとは切り離されており、キャリアはキャリア供給
源1からポンプ5によって管路4に送り出され、通孔a
および弁体の内部流路a→bを経て通孔bから再び管路
4に出て反応部6を経由し、検出器3に至る連続流れが
形成される。一方、保持管2bには管路8を通じて試料
供給溜9から試料試料が充填される。キャリア管路内の
連続流れが安定したら、予め設定した時間だけ制御手段
11の制御の下に試料容器2を開放位置に切り換える。
この位置では、キャリアは通孔aからfを経て保持管2
bに導入されるので、これによって試料が通孔bからキ
ャリア管路内に押し出される。所定時間経過後、試料容
器2は閉鎖位置に戻され、管路4に押し出された上記試
料はキャリアの流れによって反応部6に送られ、キャリ
ア中に含有されている或いは途中で管路に導入された発
色試薬等と反応した後に検出器3に導入される。
【0014】検出器3は試料中の測定対象成分の濃度検
出を行なう。検出濃度が過大であると、図3のaに示す
ように検出限界を大幅に上回るピークプロファイルとな
る。この場合、検出濃度のピークaは分析最適域を超え
ているため正確な濃度測定ができない。このようなピー
クレベルはの場合には、制御手段11によって試料容器
2の開弁時間を短縮して管路4に送り出す試料注入量を
減じて再び濃度測定を行う。試料容器2の開閉時間の調
節は定量的でも定率的でもよく、分析最適域からのずれ
に応じて制御手段11により計算された制御値に基づい
てもよい。あるいは、検出濃度を表示する画像表示手段
等を設け、この表示に基づいて操作者が減少量・率を指
定できるようにしてもよい。
【0015】試料容器2の開閉時間を短縮する結果、前
回の注入量より少量の試料が試料容器2からキャリア管
路内に押し出され再び濃度測定が行なわれる。測定され
たピークレベルは上記と同様に分析最適域と比較され
る。以後、ピークレベルが分析最適域に至るまで同様の
手順が繰り返され最終的には同図bに示すように、測定
濃度のピークプロファイルが検出限界より僅かに低い位
置に調整して濃度測定を行う。この結果、高精度の定量
が可能となる。一方、濃度が過少である場合には、図3
のcに示すように、検出濃度のピークプロファイルとな
り、検出濃度のピークは分析最適域を大幅に下回ってお
り装置の特性が十分に生かされていないため精度が低
い。かかるピークレベルの場合には、制御手段11によ
って試料容器2の開放時間を長くし、試料の注入量を増
やして濃度測定を行う。ピークレベルが分析最適域に至
るまで同様の手順が自動的に繰り返され最終的には同図
bに示すように、検出限界より僅かに低い位置に検出濃
度のピークが得られるように調節して高精度の定量が実
行される。
【0016】上記試料注入時間の制御と併せ、あるいは
これとは別に送液ポンプ5を制御してその送液速度を増
減させてもよい。なお、本明細書において「分析最適
域」とは、検出器3において適正な分析結果が得られる
範囲を意味する。かかる範囲は検出器3の特性より決定
できるが、例えば、管系の流れ抵抗や試料粘度などから
算出される最適ピーク形状と得られたピークプロファイ
ルとの一致の程度を適当な形状分析手法に従って上記制
御手段11において行なう。ピークレベルが分析最適域
を超えているか否かを基準に判断してもよい。以上のよ
うに、本発明は、試料容器2のキャリア管路4に対する
開閉時間を正確に制御することにより、連続流れ分析シ
ステムへの試料溶液の注入量を正確に制御し、これを連
続して段階的に増減することにより検出濃度のピークプ
ロファイルを調整し、高精度の定量分析を可能にしたも
のである。
【0017】一般に、密閉された流れ系に注入された試
料の濃度変化はTaylorの分散理論に従い、これを
フローインジェクションについて適用すると、試料濃度
は次式で表される。 CA /CO =(uti +V)/πa2 L・1/2 δ1/2 式中、CA は系内の濃度、CO は試料の初期濃度、uは
流速、ti は試料注入時間、aはキャリア管路の内径
(半径)、Lは試料容器2から検出時点までの管長、V
は試料注入量、δは分散係数である。なおδ=D/uLであ
り、 Dは拡散係数である。従って、個々の測定における
パラメータは、キャリアの流速uと試料注入時間ti
あり、これらの値とCA 値(測定値)より初期試料濃度
O を正確に算出することができる。
【0018】試料濃度が特に低い場合には、検出器3の
前に濃縮部15を付設する。図4にその概略を示す。図
4は反応部6と検出器3の間に濃縮部15を設けた例で
あり、試料容器2、検出器3、キャリア管路4、送液ポ
ンプ5などは図1の場合と同様である。濃縮部15には
濃縮手段16と切換弁17とが設けられている。濃縮手
段16の好適例としては、測定対象成分を吸着するイオ
ン交換樹脂を充填した吸着カラムである。切換弁17に
は測定成分を吸着材料から分離・溶出するための溶出液
を導入する管路18が接続される。
【0019】濃縮部15を設けた場合の分析手順は以下
の通りである。試料容器2の開閉によりキャリア内に導
入された試料はキャリア管路4を流れて濃縮手段(吸着
カラム)16に導かれ、ここで測定対象成分のみが選択
的に吸着される。数回、吸着を繰り返した後、弁17の
切換により吸着カラム16に溶出液が導入される。溶出
後、弁17の切換により吸着カラム16には再びキャリ
ア流れが流入され、溶出液はキャリアと共に検出器3に
導かれ、濃度測定が行われる。検出結果が図3cのよう
に分析最適域を下回る場合には、試料容器2の開閉時間
または回数を増加させ、吸着カラム16の濃縮度を高
め、ピークレベルが分析最適域に至るまで濃縮し、該最
適域でのピークプロファイルが得られるように調整して
高精度の定量が行われる。なお、測定対象成分自体を吸
着させる適当な材料がない場合には、後述の実施例1に
示すように、濃縮に先立ち測定対象成分を錯イオン等の
適当な形に転化する。また、低濃度成分の濃縮に限ら
ず、試料液中の測定対象成分と他の成分と分離するため
の吸着カラムを設けても良い。実施例1にこの例を示し
た。
【0020】
【実施例】
実施例1 図5に概略を示す本発明の分析装置により亜鉛電解用硫
酸亜鉛溶液中のカドミウムの定量分析を行なった。図5
の装置構成は基本的に図1と同様であるが、予備反応コ
イル21、カドミウム濃縮用のイオン交換樹脂(商品
名:Bio Rad AG1-X8 ,Cl- 型)を充填したカラム装着部
19および溶出液(B液)導入用の弁17ならびに2種
類の検出試薬C液とD液の供給部22と23およびこれ
をキャリア管路4に導入するための弁24がさらに付設
されている。溶出液が流れる管路40は弁17を介して
イオン交換カラム装着部19に連通している。該カラム
装着部19から検出器3に至る管路41には弁30が介
設されており、該弁30から排出路42が分岐してい
る。検出試薬(C,D液)の流れる管路43は弁24を
介して管路41に接続しており、この合流部から検出器
3に至る間に反応コイル25が介設されている。キャリ
ア(A液)には0.1Mヨウ化カリウム水溶液を用い、
溶出液(B液)には1M硝酸液を用いた。またC液、D
液の成分は、C液(5 g/lクエン酸ナトリウム− 2.5g/
l 酒石酸ナトリウムカリウム−3g/l 塩化ナトリウム−
2M水酸化カリウムの混合液)、D液( 0.006%(w/v)C
adion − 0.1M水酸化カリウム−0.1%(w/v)Triton-X10
0の混合液)である。管路4は内径1mmのテフロンチュ
ーブとダイフロン製のコネクタを用いて構成した。ま
た、試料保持用の試料容器は慣用のサンプルループ(内
径1mmのテフロンチューブ、長さ15cm、内容量 350μl
)であり、検出器3はフローセルを装着した吸光光度
計(測定波長:480nm )を用いた。また試料容器2は六
方弁の機能を有するものを用いた。送液ポンプおよび分
光光度計は全てコンピュータにより制御した。なお、分
析精度は0.006 %Cadionを定量できる検量線の直線域の
上限値を吸光度上限設定値とし、その90%の間を分析
最適域とし、測定濃度過剰の場合には、試料の初期注入
量の50%減としさらにその33%減、66%減と段階
的に注入量を減少した。それでも分析最適域に至らない
場合には上記減少率に準じて順次さらに減少させた。
【0021】まず、Cdを含有する試料液を試料容器2
の保持管(サンプルループ)に充填し、キャリア供給源
1からA液をキャリア管路4に流し連続流れを形成し
た。次いで試料容器2を開放してサンプルループにキャ
リア流を導き、試料液をキャリア流に押し出す。試料液
がキャリアに導入されると、この混合液は予備反応コイ
ル21で反応し、ヨウ化物陰イオン錯体(CdI4 2-
を形成する。この陰イオン錯体をカラム19に吸着さ
せ、一方、予め弁30を排液路42に切換えておき、カ
ラム19からの流出液は管路42を通じて排液する。吸
着終了後、弁30を管路41に切換え、弁17を開いて
溶出液Bをカラム19に導き、ヨウ化物陰イオン錯体を
溶出させた後に弁17を閉じてキャリアをカラム19に
導入し、溶出した錯体を管路41に送り出し、弁24を
通じて導入されたC液とD液との混合液と合流させて、
反応コイル25に導く。液中の錯体はC液およびD液と
充分に混合され、480nmの極大吸収波長を有するCd
−Cadion錯体となり、検出器3において吸光度の計測が
行われ最終的に排出口26より排出される。定量は、濃
度既知の標準溶液の吸光度を測定して検量線を作成し
た、この検量線を利用して試料溶液の測定で得られた吸
光度からサンプルループ内の試料溶液中のCd濃度を算
出する。初期キャリア流速(V0 )を1.0 ml/min 、
試料の初期注入時間(t0 )を1.02秒とし分析を開
始し、上記プログラムに従って自動分析したところ、第
5回の分析操作(キャリア流速:0.3 ml/分、試料注
入時間:0.34秒)でピークレベルが分析最適域に入る結
果が得られた。この分析における第1回、第4回および
第5回のピークプロファイルを図6に示す。
【0022】実施例2 実施例1と同様の装置を用い、Cd含有量の低い亜鉛電
解用硫酸亜鉛溶液中の試料について含有Cdの定量分析
を行なった。分析手順は実施例1に準じているが、試料
注入回数を増加させてカラムに吸着させたCdI4 2-
オンの量を濃縮させた。図7に示すように、30回蓄積
でピークの先端部が下限設定値を超え、50回蓄積で十
分な精度を有する測定結果が得られた。
【0023】実施例3、比較例1 実施例1と同様の方法によりCd含有量の高い亜鉛電解
用硫酸亜鉛溶液中の試料について含有Cdの定量分析を
行なった。また、比較例として、試料をまず希釈液の流
れに注入し、希釈液流れ中に形成される試料の濃度勾配
を利用して、濃度勾配の特定範囲の部分のみをキャリア
流れに導入する方法(特開平4-77662 号公報)による測
定も行ない、さらに、測定精度を評価するため、ICP
法による定量分析も行なった。結果を表1に示す。この
結果に示されるように、本発明では、従来法に比べ広範
囲の濃度の試料について高精度の分析が可能であること
がわかる。
【0024】実施例4、比較例2 実施例2と同様の方法によりCd含有量の低い亜鉛電解
用硫酸亜鉛溶液中の試料について含有Cdの定量分析を
行なった。また、測定精度を評価するため、原子吸光法
(JIS K0101) による定量分析も行なった。結果を表2に
示す。この結果に示されるように、本発明では、データ
のフィードバックを行なうことで、超微量分析における
検出感度および分析精度を確保できることが確認され
た。
【0025】参考例 実施例の装置を用い、試料注入時間またはキャリア流速
のいずれか一方を変化させてCd標準試料に対する検出
器の応答を調べた。結果を図8および図9に示す。これ
らの図に明らかなように、本発明の装置によれば、試料
注入時間またはキャリア流速の制御によって試料注入量
を正確に制御することができるため、各パラメータと濃
度との間に線形的な相関がある。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、試料注入量の正確な制
御が可能であるため、連続流れ分析法において高精度の
定量分析を行なうことができる。また、検出器の結果を
試料供給系にフィードバックすることにより、同一の装
置構成で1ng/ml 程度の低濃度から1000μg/ml程度の高
濃度の試料に対応するため、濃度のばらつきの大きい試
料を多数、自動的に分析する際には極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の測定系を示す概略図。
【図2】 試料容器の概略模式図であり、(a)は開放
位置、(b)は閉鎖位置を示す。
【図3】 分析結果の濃度ピークプロファイルを示すグ
ラフ。
【図4】 濃縮部の部分概略図
【図5】 実施例1の測定系を示す概略図
【図6】 実施例1の濃度測定結果を示すグラフ
【図7】 実施例2の濃度測定結果を示すグラフ
【図8】 参考例の試料注入時間と吸光度の関係を示す
グラフ
【図9】 参考例の注入流量と吸光度の関係を示すグラ
【符号の説明】
1−キャリア供給源、2−試料容器、3−検出器、4−
キャリア管路、5−送液ポンプ、6−反応部、8−管
路、9−供給溜、10−記録計、11−制御手段、15
−濃縮部、

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続して流れるキャリア中に試料を注入
    し該キャリアによって試料を検出器に導き試料に含まれ
    る成分の定量分析を行なう連続流れ分析法において、分
    析試料を試料容器内に充填し、はじめに試料容器から試
    料の一部を上記キャリアに注入して分析を行ない、検出
    器において得られる検出ピークが分析最適域未満である
    場合には試料の注入量を増加させ、検出器において得ら
    れる検出ピークが分析最適域を超える場合には試料の注
    入量を減少させて引続き分析を行ない、検出ピークが分
    析最適域に至るまでこの検出ピークの調整を繰り返して
    定量分析を行うことを特徴とする連続流れ分析方法。
  2. 【請求項2】 試料容器の試料充填部分を開閉し、該試
    料充填部分に流れ込むキャリアによって該容器中の試料
    をキャリアの流れ中に押し出す場合に、該試料充填部分
    の開閉時間および/またはキャリアの流速を増減させる
    ことにより試料注入量を増減させ、検出ピークを分析最
    適域に調整して定量分析を行う請求項1に記載の連続流
    れ分析方法。
  3. 【請求項3】 試料注入後から検出に至るまでの間に測
    定対象成分を濃縮する過程を設け、上記濃縮過程におけ
    る濃縮度を増加させた後に定量分析を行う請求項1に記
    載の連続流れ分析方法。
  4. 【請求項4】 上記濃縮過程が、上記計量容器出口から
    検出器に至る間に設けた吸着部に測定対象成分を吸着す
    る工程と、その後に行なわれる上記吸着部から測定対象
    成分を溶離する工程からなり、吸着工程を繰り返して測
    定対象成分の濃縮度を高めた後に該成分を溶離して検出
    器に導くことを特徴とする請求項3に記載の連続流れ分
    析方法。
  5. 【請求項5】 連続して流れるキャリア中に試料を注入
    し該キャリアによって試料を検出器に導き定量分析を行
    なう連続流れ分析装置であって、送液ポンプにより形成
    されたキャリアの連続流れを検出器に導くための管路と
    該管路に介設された試料容器を備え、該試料容器には分
    析試料を保持する試料充填部分と、該試料充填部分をキ
    ャリアの連続流れに対して開閉する切換弁機能が設けら
    れており、さらに該試料容器と上記検出器は該検出器で
    得られる検出ピークに応じて切換弁の開閉時間を制御す
    る制御手段によって接続されており、検出ピークに応じ
    て試料の注入量が増減するフィードバック機能が形成さ
    れていることを特徴とする分析装置。
  6. 【請求項6】 試料容器から検出器に至る管路に、試料
    中の分析対象成分の濃縮を行なう手段が設けられている
    請求項5に記載の分析装置。
  7. 【請求項7】 上記濃縮手段がイオン交換カラムである
    請求項6に記載の分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013253888A (ja) * 2012-06-07 2013-12-19 Hitachi High-Technologies Corp 質量分析を用いた定量分析方法と定量分析装置
JP2022502234A (ja) * 2018-10-05 2022-01-11 イルミナ インコーポレイテッド マルチバルブ流体カートリッジ

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