JP2613237B2 - 液体クロマトグラフイー及びその装置 - Google Patents

液体クロマトグラフイー及びその装置

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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液体クロマトグラフイー及びその装置に係
り、特に試料溶液を連続的に流して標準試料と未知試料
との差を検出するのに好適な液体クロマトグラフイー及
びその装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のイオンクロマトグラフイーにおいては、試料は
間歇的,パルス的に加え、また、ベイカントクロマトグ
ラフイーにあつては、溶離液と試料溶液を一定比率で連
続的に流して分離カラムの直前に試料溶液を含まない純
水(あるいは希薄な水酸化ナトリウム水溶液)を注入
し、試料中の目的成分の濃度に比例したシグナルを得る
ようにしていた。
なお、イオンクロマトグラフイーの分野では、次の先
行技術が発表されている。この先行技術としては、“ア
ナリテイカル・ケミストリ,56巻,第2073〜2078頁(198
4)(Anal,Chem,Vol.56,pp2073〜2078)(1984)があ
り、この先行技術は、イオンクロマトグラフイーにおい
て、溶離液だけを分離カラムに連続的に流し、その流れ
に蒸留水を注入すると、溶離液中の陰イオンがアブセン
トピークとして観察できる旨を示唆している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、試料Aと試料Bとの濃度差を測定す
る場合に差が小さく、特にばらつき範囲にある場合など
の差が不明瞭であり、正確な測定が困難であるという問
題があつた。
本発明の目的は、2つの試料間の濃度差を明瞭に検出
することができる液体クロマトグラフイー及びその装置
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、標準試料溶液または未知試料溶液の一方
を溶離液と所定の比率に混合して分離カラムに連続的に
送液し、分離カラムの下流側において溶出液中の試料成
分を連続的にモニタしながら、未知試料溶液と標準試料
溶液のうち分離カラムに連続的に送液された試料溶液と
異なるもう一方の試料溶液を溶離液と所定の比率に混合
したものを分離カラムに間歇的に注入して未知試料溶液
中の試料濃度を分析するすることにより達成するように
した。
〔作用〕
ベイカントクロマトグラフイーは、分離カラムに試料
溶液を連続的に流すと、カラム充填剤と試料溶液との間
で試料成分は平衡に達する。この定常状態において、流
れの中に試料成分を含まない純粋な溶媒のバンドを形成
し、これが流れにしたがつてカラム中に流れると、各々
の試料成分毎にこの試料成分の欠けたバンドとして移動
し、展開されていくうちにいくつかの試料成分の欠けた
バンドに分かれて溶出することになる。本方式では、こ
の作用を利用して、標準試料溶液と溶離液を分離カラム
に連続的に送液しているところにインジエクタより標準
試料溶液と濃度差の少ない未知試料溶液を間歇的に注入
して濃度差を測定し、また、溶離液中のフタル酸水素カ
リウムのベイカントを除去するために、電磁バルブを介
して溶離液も展開液と同一比で送液することにより可能
とした。
〔実施例〕
以下本発明を第1図に示した実施例及び第2図,第3
図を用いて詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す流路図である。第1
図において、溶離液1と標準試料溶液2とがコントロー
ラ12によつて制御される電磁弁3及び3′の開閉により
一定割合(例えば、50対50)でポンプ5により吸引さ
れ、試料−溶離液混合部4で混合される。混合された液
はポンプ5によつて注入部8を経て分離カラム9に連続
的に送られる。分離カラム溶出液は、検出器10を経て外
部へ排出される。標準試料溶液2には、一般的に管理し
ようとする基準溶液(標準溶液)が送液される。
一方、測定しようとする未知試料溶液11は、コントロ
ーラ12により制御される電磁バルブ3及び3′の開閉に
よつて溶離液を50対50に混合され、送液ポンプ7によつ
て注入部8を経て間歇的に分離カラム9に注入される。
なお、13はドレンパイプである。
第2図に従来測定されているベイカントクロマトグラ
フを示す。このクロマトグラムは、フツ素イオン(F-
から硫酸イオン(SO4 2-)までを純水を注入して測定し
てあるため、電導度が少なくなり、各イオンのピークと
して検出してある。
第3図は本発明の装置により求めたクロマトグラムで
ある。標準試料溶液2(基準溶液)と測定しようとする
未知試料溶液11を溶離液1とそれぞれ同一比率で混合し
て分析した場合、もし、試料溶液2と11に差がなけれ
ば、ピークとして検出しない。第3図に示すクロマトグ
ラムのフツ素(F-),塩素(Cl-),亜硝酸(NO2 -
は、未知試料の方が濃度が低く、シユウ素(Br-),硝
酸(NO3 -)は多く含まれていることを示し、硫酸(SO4
2-)とフタル酸水素カリウムピークは、溶離液(展開
液)と未知試料に同一濃度含まれているため、ピークと
して検出されない。この結果、従来法と比較して濃度差
を1回の測定で行えるので、迅速分析ができる。
〔発明の効果〕
以上説明した本発明によれば、標準溶液(基準溶液)
と未知試料溶液の差クロマトグラムが得られ、高感度に
差を測定できるので、迅速に品質管理ができ、また、溶
離液中に含まれるフタル酸水素カリウムのベイカントピ
ークも除去でき、迅速分析が可能であるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す流路図、第2図は従来
装置によるクロマトグラム、第3図は第1図の実施例に
よるクロマトグラムの例を示す図である。 1……溶離液、2……試料溶液(基準溶液)、3,3′…
…電磁弁、4……試料−溶離液混合部、5,7……送液ポ
ンプ、8……溶媒注入部、9……分離カラム、10……検
出器、11……試料溶液(未知試料)、12……コントロー
ラ、13……ドレンパイプ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標準試料溶液または未知試料溶液の一方を
    溶離液と所定の比率に混合して分離カラムに連続的に送
    液し、前記分離カラムの下流側において溶出液中の試料
    成分を連続的にモニタしながら、未知試料溶液と標準試
    料溶液のうち前記分離カラムに連続的に送液された試料
    溶液と異なるもう一方の試料溶液を前記溶離液と所定の
    比率に混合したものを前記分離カラムに間歇的に注入し
    て前記未知試料溶液中の試料濃度を分析することを特徴
    とする液体クロマトグラフィー。
  2. 【請求項2】溶離液と標準試料溶液をコントローラによ
    って制御して所定の比率に混合してポンプを介してイン
    ジェクター,分離カラム,検出器の順に連続的に送液す
    る手段と、該手段によって送液中に前記溶離液と未知試
    料溶液を前記コントローラによって制御して所定の比率
    に混合してポンプを介して前記分離カラムに間歇的に注
    入する手段とを備え、前記検出器によって前記未知試料
    中の試料濃度を分析する手段を具備することを特徴とす
    る液体クロマトグラフ装置。
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