JP3003310B2 - 微量イオン種の分析方法 - Google Patents

微量イオン種の分析方法

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JP3003310B2 JP3218956A JP21895691A JP3003310B2 JP 3003310 B2 JP3003310 B2 JP 3003310B2 JP 3218956 A JP3218956 A JP 3218956A JP 21895691 A JP21895691 A JP 21895691A JP 3003310 B2 JP3003310 B2 JP 3003310B2
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恭知 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定液中の微量イオ
ン種をクロマトグラフィックに分析する微量イオン種の
分析方法に関し、更に詳しくは、被測定イオン種と共存
している水分の影響を受けることなく微量の被測定イオ
ン種を迅速かつ正確に分析できる微量イオン種の分析方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定液に含まれるppbオ―ダ―の微
量イオン種を測定する方法としては濃縮法と大容量注入
法が知られている。しかし、これらの方法は被測定液の
中に多量の水も含まれるため、水によるピ―クであるウ
ォ―タディップがクロマトグラム上に大きく現れる。こ
のため、比較的溶出時間の早い塩素イオンのピ―クなど
がウォ―タディップにかかり、その結果、塩素イオンな
どの定量が困難になっていた。このような問題を解決す
るため図3を用いて詳述するようなカッティング法が開
発され、上記塩素イオンなどをウォ―タディップと引き
離して定量分析の精度を向上させていた。即ち、図4は
カッティング法を採用したイオンクロマトグラフの構成
説明図であり、図中、1は溶離液を貯溜する槽、2は送
液ポンプ、3は第1〜第6の接続口3a〜3fと濃縮カ
ラム3gを有するインジェクタ、4は第1分離カラム、
5は第1〜第6の接続口5a〜5fとカッティングル―
プ5gを有する切換弁、6は第2分離カラム、7は例え
ば導電率計でなる検出器である。
【0003】このような構成からなるイオンクロマトグ
ラフにおいて、最初、インジェクタ3と切換弁5が共に
オフで、その内部流路は図4の実線接続状態となってい
る。また、ポンプ2が駆動して、槽1内の溶離液が、ポ
ンプ2→インジェクタ3の第1,第2接続口3a,3b
→第1分離カラム4→切換弁5の第1,第6接続口5
a,5f→カッティングル―プ5g→切換弁5の第3,
第2接続口5c,5b→第2分離カラム6→検出器8を
通って排出される。
【0004】この状態で、インジェクタ3の第5接続口
3eから被測定液が一定量注入されと、該被測定液中の
イオン種が濃縮カラム3gに捕捉されて濃縮される。
【0005】その後、インジェクタ3がオンにされ、そ
の内部流路が図4の実線接続状態から破線接続状態に切
換えられる。このため、濃縮カラム3g内に濃縮・保持
されていたイオン種は溶離液に搬送されて、インジェク
タ3の第3,第2接続口3c,3b→第1分離カラム4
→切換弁5の第1,第6接続口5a,5f→カッティン
グル―プ5gに達する。このようにして被測定液中の水
分がカッティングル―プ5gに入った時点で(例えば、
インジェクタ3をオンにしてから0.87分後)、切換
弁5をオンにしてその内部流路を図4の実線接続状態か
ら破線接続状態に切換える。
【0006】このような切換えによって、被測定液中の
水分はカッテングカラム5g内に閉じこめられ、カッテ
ィングル―プ5gを経由した被測定液中のイオン種(水
分の後方から溶出する成分)だけが、切換弁5の第3,
第2接続口5c,5bを経由して第2分離カラム6に到
達してクロマトグラフィックに分離される。このように
して分離されたイオン種は検出器7で検出されたのち排
出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
などに鑑みてなされたものであり、その目的は、一回の
測定でカッティング時間を決定し信頼性のあるクロマト
グラムを得ることができる微量イオン種の分析方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、微量イオン種
の分析方法において、被測定液を一定量濃縮カラムに注
入し、該濃縮カラムで濃縮されたイオン種を溶離液で第
1分離カラムに搬送してクロマトグラフィックに分離
し、この分離状態を第1検出器で確認しながら切換弁を
切換えることによって、被測定イオン種よりも先に溶出
する水分をカッティングル―プに閉じ込め該被測定イオ
ン種だけを第2分離カラムに導くことによって前記課題
を解決したものである。
【0009】
【作用】本発明は次のように作用する。即ち、第1検出
器の出力に基いて作成されるクロマトグラムを見なが
ら、第1分離カラム4の分離状態を確認し、被測定液中
の水分が切換弁のカッティングル―プに入ったら、切換
弁をオンにし、該水分をカッティングル―プ内に閉じこ
る。このため、カッティングル―プをバイパスした被測
定液中のイオン種(水分の後方から溶出するイオン種)
だけが、切換弁を経由して第2分離カラムに到達してク
ロマトグラフィックに分離される。このようにして分離
された第2分離カラムの溶出液は、第2検出器で検出さ
れて、クロマトグラムを与えるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明について図を用いて詳細に説明
する。図1は本発明実施例を説明するための構成説明図
であり、図中、図4と同一記号は同一意味を持たせて使
用しここでの重複説明は省略する。また、8,9は例え
ば導電率計でなる第1,第2の検出器である。
【0011】このような構成からなる本発明の実施例に
おいて、最初、インジェクタ3と切換弁5が共にオフ
で、その内部流路は図1の実線接続状態となっている。
また、ポンプ2が駆動して、槽1内の溶離液が、ポンプ
2→インジェクタ3の第1,第2接続口3a,3b→第
1分離カラム4→第1検出器8→切換弁5の第1,第6
接続口5a,5f→カッティングル―プ5g→切換弁5
の第3,第2接続口5c,5b→第2分離カラム6→第
2検出器9の流路で流れる。
【0012】この状態で、インジェクタ3の第5接続口
3eから被測定液が一定量注入されと、該被測定液中の
イオン種が濃縮カラム3gに捕捉されて濃縮される。そ
の後、インジェクタ3がオンにされ、その内部流路が図
1の実線接続状態から破線接続状態に切換えられる。こ
のため、濃縮カラム3g内に濃縮・保持されていたイオ
ン種は溶離液に搬送されて、インジェクタ3の第3,第
2接続口3c,3b→第1分離カラム4→第1検出器8
→切換弁5の第1,第6接続口5a,5f→カッティン
グル―プ5gに達する。このようにして被測定液中の水
分がカッティングル―プ5gに入ったことを、第1検出
器8の出力に基いて描かれるクロマトグラムをながら確
認しつつ、切換弁5をオンにしてその内部流路を図1の
実線接続状態から破線接続状態に切換える。
【0013】このような切換えによって、被測定液中の
水分はカッテングル―プ5g内に閉じこめられ、カッテ
ィングル―プ5gをバイパスした被測定液中のイオン種
(水分の後方から溶出する成分)だけが、切換弁5の第
3,第2接続口5c,5bを経由して第2分離カラム5
に到達してクロマトグラフィックに分離される。このよ
うにして分離されたイオン種は第2検出器9で検出され
たのち排出される。
【0014】図2、図3は標準試料(例えば0.5pp
bのCl- ,0.5ppbのNO2 - ,及び0.5pp
bのNO3 - を含む超純水)を分析した場合のクロマト
グラムであり、図2は第1検出器8で検出した第1分離
カラム4の溶出液のクロマトグラムを示し、図3は第2
検出器9で検出した第2分離カラム6の溶出液のクロマ
トグラムを示している。また、図2の破線t1 は切換弁
5を切換える時間を示している。図2や図3のクロマト
グラムから明らかなように、本発明実施例によれば被測
定液中の水分ピ―クの影響を受けることなく、Cl-
NO2 - ,及びNO3 - の各イオンを正確に測定できる
ことが分かる。
【0015】尚、本発明は図1の実施例に限定されるこ
となく種々の変形が可能であり、例えば水以外の多量成
分に含まれている微量の被測定成分を分析するようにし
ても良い。
【0016】
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明は、被
測定液を一定量濃縮カラムに注入し、該濃縮カラムで濃
縮されたイオン種を溶離液で第1分離カラムに搬送して
クロマトグラフィックに分離し、この分離状態を第1検
出器で確認しながら切換弁を切換えることによって被測
定イオン種よりも先に溶出する水分をカッティングル―
プに閉じ込め、該被測定イオン種だけを第2分離カラム
に導くような構成になっている。このため、被測定液中
の水分の影響を受けることなく被測定イオン種を分析す
ることができる利点がある。また、第1分離カラムの分
離状態を第1検出器の出力で確認しながら切換弁の切換
時間を決定できるため、前記従来例のように何回もクロ
マトグラムをとる必要がなくなるという利点がある。従
って、本発明によれば、一回の測定でカッティング時間
を決定し信頼性のあるクロマトグラムを得ることができ
る微量イオン種の分析方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の構成説明図である。
【図2】本発明実施例の第1検出器で得られるクロマト
グラムである。
【図3】本発明実施例の第2検出器で得られるクロマト
グラムである。
【図4】従来例の構成説明図である。 1 槽 2 送液ポンプ 3 インジェクタ 4,6 分離カラム 5 切換弁 7,9 検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/46 G01N 30/14 G01N 30/78 G01N 30/86 G01N 30/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定液に含まれる微量のイオン種をクロ
    マトグラフィックに分析する微量イオン種の分析方法に
    おいて、前記被測定液を一定量濃縮カラムに注入し、該
    濃縮カラムで濃縮されたイオン種を溶離液で第1分離カ
    ラムに搬送してクロマトグラフィックに分離し、この分
    離状態を第1検出器で確認しながら切換弁を切換えるこ
    とによって、被測定イオン種よりも先に溶出する水分を
    カッティングル―プに閉じ込め該被測定イオン種だけを
    第2分離カラムに導くことを特徴とする微量イオン種の
    分析方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002050530A3 (de) * 2000-12-21 2002-08-08 Siemens Ag Cromatograph mit zwei detektoreinrichtungen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002050530A3 (de) * 2000-12-21 2002-08-08 Siemens Ag Cromatograph mit zwei detektoreinrichtungen

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JPH0552825A (ja) 1993-03-02

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