JPH07292239A - 合成皮革用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

合成皮革用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物

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JPH07292239A
JPH07292239A JP11449094A JP11449094A JPH07292239A JP H07292239 A JPH07292239 A JP H07292239A JP 11449094 A JP11449094 A JP 11449094A JP 11449094 A JP11449094 A JP 11449094A JP H07292239 A JPH07292239 A JP H07292239A
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JP
Japan
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polyurethane resin
diol
thermoplastic polyurethane
weight
examples
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JP11449094A
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Yoshio Kobayashi
良夫 小林
Tomoyuki Murahashi
智至 村橋
Hajime Akiyama
一 秋山
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/48Polyethers
    • C08G18/487Polyethers containing cyclic groups

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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成皮革に好適な熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物を提供すること。 【構成】 4,4’−イソプロピリデンビスフェノール
のエチレンオキサイド2.3モル付加物、ポリエチレン
アジペートおよび4,4’ージフェニルメタンジイソシ
アネートから得られたポリウレタン樹脂40重量%とエ
チレングリコール、ポリエチレンアジペートおよび4,
4’ージフェニルメタンジイソシアネートから得られる
ポリウレタン樹脂60重量%からなる合成皮革用ポリウ
レタン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成皮革用熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物に関するものである。詳しくは、柔
軟で反撥弾性が小さく、均一微細な多孔質構造の多孔質
シートを与える熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に関す
るものである。さらに、湿式合成皮革に用いた場合、凝
固性および水洗時の溶媒除去性の優れた熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、湿式法による合成皮革は、ポリウ
レタン等の重合体の水混和性有機溶剤溶液を不織布や織
布あるいは編布等の繊維基材に塗布または含浸した後、
水等の凝固浴中に浸漬して湿式凝固し、その後凝固生成
物に残存する溶剤を水洗除去し、乾燥することにより得
られた多孔質シートに仕上げ加工等が施されて、靴、
鞄、衣料、インテリア材料等、天然皮革代替品として供
されている。他方、天然皮革は反撥弾性が小さく、しか
も柔軟性に富んだ独得の風合いを持つ材料であり、熱可
塑性ポリウレタン樹脂分野はこの風合いに似せるべく多
くの努力が払われている。この改善策として、ビスフェ
ノールA誘導体である特定のジオール成分を使用し、か
つ特定量(3〜15重量%)含有するポリウレタン樹脂
(特公昭55ー24456号公報)やビスフェノールA誘導体の
特定鎖を特定量(15重量%)以上含有するポリウレタ
ン樹脂(特開平2ー167349号公報)を適用することが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
55ー24456号公報に記載のポリウレタン樹脂は適度の弾性
は有するものの、ポリウレタン樹脂溶液を湿式凝固して
得られる多孔質シートは微多孔性および柔軟性において
十分とは言い難い。また特開平2-167349号公報に記載の
ポリウレタン樹脂から得られる多孔質シートは、反撥弾
性の小さいものとなるが、室温以下では極めて硬い風合
いのものとなり、合成皮革用材料として優れた風合いを
もつとは言い難い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の点
が改善されたポリウレタン樹脂を見いだすべく鋭意検討
した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、下記
式のいずれかで表される単位を少なくとも15重量%有
する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)5〜45重量%と
該単位を有しない熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)55
〜95重量%からなることを特徴とする合成皮革用熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物である。
【0005】
【化4】
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】 R1とR2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、弗素
原子、または塩素原子;A1とA2は炭素数2〜4のアル
キレン基;mおよびnは、2≦m+n≦10を満足する
正の数;oおよびpは、0≦o+p≦10を満足する0
または正の数;qおよびrは、0≦q+r≦10を満足
する0または正の数;Xは水素原子、塩素原子、臭素原
子またはメチル基である。]
【0008】本発明のポリウレタン樹脂(A)は分子中
に、少なくとも15重量%の、前記式(1)、(2)、
(3)のいずれかで表される単位を有する必要があり、
該単位を有するジオールと有機ジイソシアネート、必要
により他のジオールおよびジアミンを反応させることに
よって製造できる。なお、本発明において、前記式
(1)、(2)、(3)のいずれかで表される単位を異
種組み合わせてポリウレタン樹脂(A)に含有させても
よく、その組み合わせた単位の合計が少なくとも15重
量%をあればよい。
【0009】ポリウレタン樹脂(A)に用いられる有機
ジイソシアネ−トとしては、例えば芳香族ジイソシアネ
−ト[4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト
(以下MDIと略記)、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネ−トなど]、脂肪族ジイソシアネ−ト
(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシア
ネ−トなど)、脂環式ジイソシアネート(イソホロンジ
イソシアネ−ト、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジ
イソシアネ−トなど)およびこれらの2種以上の混合物
が挙げられる。好ましいものは芳香族ジイソシアネ−ト
である。
【0010】前記式(1)、(2)、(3)のいずれか
で表される単位において、A1とA2における炭素数2〜
4のアルキレン基としてはエチレン基、プロピレン基、
ブチレン基などが挙げられる。好ましいものはエチレン
基とプロピレン基である。式(1)、(2)におけるX
としては水素原子またはメチル基が好ましい。式(1)
のmおよびnは2≦m+n≦10を満足する正の数であ
る必要があり、好ましくは2≦m+n≦4を満足する正
の数である。m+nが10を超えると、得られる合成皮
革の反撥弾性が大きくなり好ましくない。m+nが2未
満の場合は有機ジイソシアネートとの反応性が乏しく実
用上好ましくない。式(2)のoおよびpは0≦o+p
≦10を満足する0または正の数である必要があり、好
ましくは0≦o+p≦4を満足する0または正の数であ
る。o+pが10を超えると、得られる合成皮革の反撥
弾性が大きくなり好ましくない。式(3)のqおよびr
は0≦q+r≦10を満足する0または正の数である必
要があり、好ましくは0≦q+r≦4を満足する0また
は正の数である。q+rが10を超えると、得られる合
成皮革の反撥弾性が大きくなり好ましくない。なおm、
n、o、p、qまたはrは0または正の整数だけでな
く、平均した数をも包含するものである。式(1)およ
び式(2)において、R1とR2における炭素数1〜3の
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基な
どが挙げられる。好ましくはメチル基である。
【0011】式(1)で表される単位を有するジオ−ル
としては、例えば、4,4’−メチレンビスフェノ−
ル、4,4’−イソプロピリデンビスフェノ−ル、4,
4’−ヒドロキシビスフェノ−ル、4,4’−スルフォ
ニ−ルビスフェノ−ル、4,4’−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、4,4’−イソプロピリデンビス(3,5−
ジクロ−ルフェノ−ル)、4,4’−イソプロピリデン
(3,5−ジブロムフェノ−ル)、4,4’−イソプロ
ピリデンビス(3,5,3’,5’−テトラブロムフェ
ノ−ル)などのビスフェノール類にエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド
などの炭素数2〜4のアルキレンオキサイドをランダム
またはブロック状に付加反応させることによって得られ
るものおよびこれらの付加物の混合物が挙げられる。例
えば4,4’−メチレンビスフェノ−ルのエチレンオキ
サイド2モル付加物、4,4’−メチレンビスフェノ−
ルのプロピレンオキサイド2モル付加物、4,4’−メ
チレンビスフェノ−ルのエチレンオキサイド2モルとプ
ロピレンオキサイド2モルの付加物、4,4’−メチレ
ンビスフェノ−ルのブチレンオキサイド4モル付加物、
4,4’−イソプロピリデンビスフェノ−ルのエチレン
オキサイド2モル付加物、4,4’−ジヒドロキシベン
ゾフェノンプロピレンオキサイド2モル付加物、4,
4’−イソプロピリデンビス(3,5−ジクロールフェ
ノ−ル)のエチレンオキサイド2モル付加物、4,4’
−イソプロピリデンビス(3,5−ジブロムフェノ−
ル)のエチレンオキサイド2モル付加物および4,4’
−イソプロピリデンビス(3,5,3’,5’−テトラ
ブロムフェノ−ル)のエチレンオキサイド2モル付加物
などが挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレ
ンオキサイドの付加物である。
【0012】式(2)で表される単位を有するジオール
としては、例えば、式(1)の項において述べた前記ビ
スフェノ−ル類のベンゼン環を水添した型の化合物が挙
げられる。具体的には、ビス(4−ヒドロキシシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパン、3,3−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)ペンタン、ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシシクロヘキシル)スルホンおよびビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシシクロヘキシル)
ケトンなどのビスヒドロキシシクロヘキサン骨格化合物
およびこれらの化合物のアルキレンオキサイドを付加さ
せて得られたものが挙げられる。このアルキレンオキサ
イドとしては、式(1)の項で述べたものと同一のもの
が使用でき、その付加モル数は前記ビスヒドロキシシク
ロヘキサン骨格化合物1モルに対して通常10モル以
下、好ましくは4モル以下、特に好ましくはアルキレン
オキサイド未付加物である。前記アルキレンオキサイド
付加物の具体例としては、例えばビス(4−ヒドロキシ
シクロヘキシル)メタンのエチレンオキサイド2モル付
加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパンのプロピレンオキサイド4モル付加物、3,3
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ペンタンのブ
チレンオキサイド2モル付加物、ビス(3,5−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシシクロヘキシル)スルホンのエチレ
ンオキサイド2モル付加物およびビス(3,5−ジブロ
ム−4−ヒドロキシシクロヘキシル)ケトンのエチレン
オキサイド2モル付加物などが挙げられる。
【0013】式(3)で表される単位を有するジオ−ル
としては、例えば、シクロヘキサンジメタノ−ルおよび
これにアルキレンオキサイドを付加して得たものであ
る。アルキレンオキサイドの付加モル数は、シクロヘキ
サンジメタノ−ル1モルに対して10モル以下、好まし
くは4モル以下、特に好ましくはアルキレンオキサイド
未付加物である。アルキレンオキサイド付加物の具体例
としては、例えばシクロヘキサンジメタノ−ルのエチレ
ンオキサイド2モル付加物、シクロヘキサンジメタノ−
ルのプロピレンオキサイド2モル付加物などが挙げられ
る。また、式(1)、(2)、(3)で表される単位を
有するジオ−ル化合物は2種以上の混合物でも使用でき
る。
【0014】式(1)、(2)、(3)で表される単位
の含有量はポリウレタン樹脂(A)中に少なくとも15
重量%、好ましくは20重量%以上である。15重量%
未満では反撥弾性が大きくなり好ましくない。
【0015】前記他のジオールとしては数平均分子量6
00〜4,000の高分子ジオ−ルと数平均分子量60
0未満の低分子ジオ−ル(鎖伸長剤)が挙げられる。こ
の高分子ジオ−ルとしてはポリエ−テルジオ−ル、ポリ
エステルジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−ルおよびこ
れらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエ−テルジ
オ−ルとしては、例えばポリオキシエチレングリコ−
ル、ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリオキシテト
ラメチレングリコ−ル、ポリ(オキシエチレンオキシプ
ロピレン)ブロックまたはランダム共重合ジオ−ル、ポ
リ(オキシエチレンオキシテトラメチレン)ブロックま
たはランダム共重合ジオ−ルが挙げられる。これらは2
種以上併用して使用することができる。
【0016】ポリエステルジオ−ルとしては、低分子ジ
オ−ルおよび/または分子量1000以下のポリエ−テ
ルジオ−ルとジカルボン酸とを反応させて得られるポリ
エステルジオ−ルや、ラクトンの開環重合により得られ
るポリラクトンジオ−ルおよびポリカーボネートジオー
ルなどが挙げられる。
【0017】上記低分子ジオ−ルとしてはエチレングリ
コ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル
および1,6−ヘキサメチレングリコ−ルが挙げられ
る。これらは2種以上併用して使用することができる。
分子量1000以下のポリエ−テルジオ−ルとしてはポ
リオキシエチレングリコ−ル、ポリオキシプロピレング
リコ−ル、ポリオキシテトラメチレングリコ−ル、ポリ
(オキシエチレンオキシプロピレン)ブロックまたはラ
ンダム共重合ジオ−ル、ポリ(オキシエチレンオキシテ
トラメチレン)ブロックまたはランダム共重合ジオ−ル
が挙げられる。これらは2種以上併用して使用すること
ができる。
【0018】前記ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボ
ン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル
酸、アゼライン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフ
タル酸、イソフタル酸など)およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。ラクトンとしては、例えばε−カ
プロラクトンが挙げられる。
【0019】ポリエステルジオ−ルの具体例としては、
ポリエチレンアジペ−ト、ポリブチレンアジペ−ト、ポ
リ2,2−ジメチルトリメチレンアジペ−ト、ポリ3−
メチルペンタメチレンアジペ−ト、ポリヘキサメチレン
アジペ−トおよびポリカプロラクトンジオ−ルが挙げら
れる。これらは2種以上併用して使用することができ
る。ポリカ−ボネ−トジオ−ルとしては、例えばポリヘ
キサメチレンカ−ボネ−トジオ−ルが挙げられる。
【0020】数平均分子量が600未満の低分子ジオ−
ル(鎖伸長剤)は、例えば低分子ジオ−ル[エチレング
リコ−ル(以下EGと略記)、プロピレングリコ−ルお
よび1,4−ブタンジオ−ル(以下14BGと略記)な
ど]が挙げられる。
【0021】ポリウレタン樹脂(A)の製造に用いられ
るジアミン(鎖伸長剤)は、[脂肪族ジアミン(エチレ
ンジアミンなど)、脂環式ジアミン(イソホロンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンな
ど)、芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニル
メタンなど)、アルカノ−ルアミン(エタノ−ルアミン
など)およびヒドラジンなどおよびこれらの2種以上の
混合物]が挙げられる。これらのうち好ましいものは低
分子ジオ−ルである。
【0022】式(1)、(2)、(3)のいずれかで表
される単位を有するジオ−ルと、高分子ジオ−ルおよび
/または鎖伸長剤の割合は重量比で、40〜100:0
〜60である。 該単位を有するジオ−ルの割合が40
未満の場合は反撥弾性が大きくなり好ましくない。
【0023】本発明のポリウレタン樹脂(B)は、式
(1)、(2)、(3)のいずれかで表される単位を有
しないことが必要であり、有機ジイソシアネ−トと分子
量600〜4,000の高分子ジオ−ルと鎖伸長剤を反
応させて得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂である。ポ
リウレタン樹脂(B)に用いられる有機ジイソシアネ−
トとしてはポリウレタン樹脂(A)の項で例示した芳香
族ジイソシアネ−ト、脂肪族ジイソシアネ−ト、脂環式
ジイソシアネートなどおよびこれらの2種以上の混合物
が挙げられる。これらのうち好ましいものは芳香族ジイ
ソシアネ−トである。また、分子量600〜4,000
の高分子ジオ−ルとしてはポリウレタン樹脂(A)の項
で例示したポリエ−テルジオ−ル、ポリエステルジオ−
ル、ポリラクトンジオール、ポリカ−ボネ−トジオ−ル
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、
鎖伸長剤としてはポリウレタン樹脂(A)の項で例示し
た低分子ジオ−ル、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、
芳香族ジアミン、アルカノ−ルアミン、ヒドラジンなど
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これら
のうち好ましくは低分子ジオ−ルである。高分子ジオ−
ルと鎖伸長剤の割合は重量比で、80〜99:1〜20
である。
【0024】ポリウレタン樹脂(A)およびポリウレタ
ン樹脂(B)において、有機ジイソシアネ−トと前記活
性水素化合物との割合(当量比)は通常0.95〜1.
05:1、好ましくは実質的に1である。
【0025】ポリウレタン樹脂(A)およびポリウレタ
ン樹脂(B)は公知の方法で、両者同様に製造でき、ポ
リウレタン樹脂(A)を例にとって説明すると、有機ジ
イソシアネ−トと式(1)、(2)または(3)で表さ
れる単位を有するジオ−ル、必要により高分子ジオ−ル
と鎖伸長剤とをイソシアネ−ト基に対して不活性な溶媒
の存在下または不存在下で一挙に反応させるワンショッ
ト法や、有機ジイソシアネ−トと高分子ジオ−ルとを先
に反応させた後、得られたイソシアネート基含有ウレタ
ン樹脂と式(1)、(2)、(3)のいずれかで表され
る単位を有するジオ−ルを、必要により鎖伸長剤を用い
て反応させるプレポリマ−法が挙げられる。
【0026】前記不活性溶媒としては、例えばアミド系
溶媒[ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)、ジ
メチルアセトアミドなど]、スルホキシド系溶媒(ジメ
チルスルホキシドなど)、ケトン系溶媒[メチルエチル
ケトン(以下MEKと略記)など]、芳香族系溶媒(ト
ルエン、キシレンなど)、エ−テル系溶媒(ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなど)、エステル系溶媒(酢酸
エチル、酢酸ブチルなど)などおよびこれらの2種以上
の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはア
ミド系溶媒である。
【0027】ポリウレタン樹脂(A)および(B)の製
造に際し、反応温度はポリウレタン化反応に通常採用さ
れる温度と同じで良く、溶媒を使用する場合は通常20〜
100℃、無溶媒の場合は通常20〜220℃である。
【0028】反応を促進させるため、ポリウレタン化反
応に通常使用される触媒[例えばアミン系触媒(トリエ
チルアミン、トリエチレンジアミンなど)、錫系触媒
(ジブチルチンジラウレ−トなど)]を必要により使用
することができる。
【0029】また、必要により重合停止剤[例えば1価
アルコ−ル(エタノ−ル、ブタノ−ルなど)、1価アミ
ン(メチルアミン、ブチルアミンなど)]を用いること
もできる。
【0030】ポリウレタン樹脂(A)と(B)は、通常
5〜50重量%(固形分)、好ましくは10〜40重量
%(固形分)含有するDMF溶液の形で用いられる。溶
液粘度が通常5〜10000ポイズ/20℃であり、好
ましいのは10〜2000ポイズ/20℃のものが用い
られる。
【0031】本発明の組成物において、ポリウレタン樹
脂(A)の含有量は5〜45重量%である必要があり、
好ましくは10〜40重量%である。ポリウレタン樹脂
(A)の含有量が45重量%を超えると風合いが硬くな
る。ポリウレタン樹脂(A)の割合が5重量%未満では
反撥弾性が大きくなる。
【0032】本発明の組成物は、ポリウレタン樹脂
(A)と(B)をバルクのまま又は溶液にして混合する
ことによって得られる。
【0033】本発明の組成物は必要により耐候性や耐熱
劣化向上のために、各種安定剤あるいは多官能イソシア
ネート等の架橋剤、着色剤、無機充填剤、有機改質剤、
その他の添加剤等を含有させることができる。
【0034】本発明の組成物を用いて、湿式法により合
成皮革用多孔質シ−トを製造する方法としては、通常の
方法でよく、例えば繊維基材に該組成物の有機溶媒溶液
を含浸あるいは塗布し、非溶媒中へ浸漬し、凝固、洗
浄、乾燥する方法が挙げられる。ここで、非溶媒として
は水、水蒸気、エチレングリコ−ル、グリセリン、エチ
レングリコ−ルモノメチルエ−テル、ヒドロキシエチル
アセテ−トおよびこれらの混合物が挙げられる。好まし
いものは水である。非溶媒としては、前記非溶媒と本発
明の組成物を溶解する溶媒(DMF、ジメチルスルホキ
シドなど)との混合物を用いてもよい。また、水蒸気に
より部分的凝固させ次いで非溶媒中へ浸漬する方法でも
よい。さらに、本発明の組成物の溶液に非溶媒を加えて
コロイド状分散液を作成し、これを基材に適用し、非溶
媒中へ浸漬してもよい。脱溶媒促進にアニオン、ノニオ
ン、カチオンまたは両性の界面活性剤を使用することも
できる。
【0035】繊維基材としては天然繊維、合成繊維の全
てを使用できる。例えば、木綿、スフ、ポリエステル、
ナイロン、アクリルなどおよびこれらの2種以上の混紡
であってもよい。また形態は織物、編物、不織布、起毛
布などが挙げられる。以下実施例により本発明を更に説
明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施
例および比較例中の部は重量部、%は重量%を表す。
【0036】
【実施例】
〈試験法〉実施例中の反撥弾性、柔軟性および多孔質層
断面の評価は次の方法に従って行った。 (1)反撥弾性 実施例および比較例で作成した合成皮革を、たて10c
m、よこ1cmの大きさに切り取り、これを島津製作所
(株)社製オ−トグラフ(S−100−D)を使用し
て、たて方向に100mm/分の速さで50%伸長し、
2分間その状態を保った後、張力を除き、弾性回復率を
測定した。その結果から以下の基準で反撥弾性を評価し
た。 弾性回復率 反撥弾性 60%未満 ○ 60%〜65% ○〜△ 65%〜70% △ 70%〜75% △〜× 75%以上 × (2)柔軟性 カト−テック(株)社製純曲げ試験機(KES−FB
2)を使用して合成皮革の曲げかたさを測定した。その
結果から以下の基準で柔軟性を評価した。 曲げかたさ(gf.cm2/cm) 柔軟性 0.150未満 ○ 0.150〜0.200 ○〜△ 0.200〜0.250 △ 0.250〜0.300 △〜× 0.300以上 × (3)シ−ト断面 実施例および比較例で作成した合成皮革の多孔質層の断
面を観察した。
【0037】〈使用する原材料〉 1.式(1)、(2)または(3)で表される単位を有
するジオール成分 (J−1):4,4'-イソフ゜ロヒ゜リテ゛ンヒ゛スフェノールのエチレンオキサイト゛付
加物 平均付加モル数 :2.3 数平均分子量 :330 水酸基価 :340 (J−2):4,4'-イソフ゜ロヒ゜リテ゛ンヒ゛スフェノールのフ゜ロヒ゜レンオキサイト
゛オキサイト゛付加物 平均付加モル数 :2.3 数平均分子量 :361 水酸基価 :311 (J−3):2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシシクロヘキシル)フ゜ロハ゜ン 分子量 :240 (J−4):シクロヘキサンシ゛メタノール 分子量 :144 2.高分子ジオール成分 (P−1):ホ゜リエチレンアシ゛ヘ゜ート 数平均分子量 :2000 水酸基価 :56.1 (P−2):ホ゜リエチレンフ゛チレンアシ゛ヘ゜ート 数平均分子量 :2300 水酸基価 :48.8
【0038】〈樹脂製造例〉以下の方法でポリウレタン
樹脂(A1)〜(A4)およびポリウレタン樹脂(B
1)、(B2)を製造した。
【0039】ポリウレタン樹脂(A1) 四つ口フラスコに数平均(OH価から計算)分子量が3
30の(J−1)322g、数平均分子量2000の
(P−1)416g、MDI296gおよびDMF24
13gを仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で10時間
反応させて樹脂濃度30%、粘度200ポイズ(20
℃)の、ポリウレタン樹脂(A1)の溶液を得た。得ら
れたポリウレタン樹脂(A1)の式(1)で示される単
位の含量は31%である。
【0040】ポリウレタン樹脂(A2) 数平均分子量が361の(J−2)361g、MDI2
50gおよびDMF1426gを仕込み、ポリウレタン
樹脂(A1)と同様の方法で反応させて樹脂濃度30
%、粘度100ポイズ(20℃)の、ポリウレタン樹脂
(A2)の溶液を得た。このポリウレタン樹脂(A2)
の式(1)で示される単位の含量は59%である。
【0041】ポリウレタン樹脂(A3) (J−3)216g、数平均分子量2000の(P−
1)200g、MDI250gおよびDMF1554g
を仕込み、ポリウレタン樹脂(A1)と同様の条件で反
応させて樹脂濃度30%、粘度100ポイズ(20℃)
の、ポリウレタン樹脂(A3)の溶液を得た。このポリ
ウレタン樹脂(A3)の式(2)で示される単位の含量
は32%である。
【0042】ポリウレタン樹脂(A4) (J−4)144g、MDI250gおよびDMF91
9gを仕込み、ポリウレタン樹脂(A1)と同様の条件
で反応させて樹脂濃度30%、粘度100ポイズ(20
℃)の、ポリウレタン樹脂(A4)の溶液を得た。この
ポリウレタン樹脂(A4)の式(3)で示される単位の
含量は36%である。
【0043】ポリウレタン樹脂(B1) 数平均分子量が2000の(P−1)212g、EG1
2.2g,MDI75.8gおよびDMF700gを仕
込み、ポリウレタン樹脂(A1)と同様の条件で反応さ
せて樹脂濃度30%、粘度800ポイズ(20℃)の、
ポリウレタン樹脂(B1)の溶液を得た。
【0044】ポリウレタン樹脂(B2) 数平均分子量が2300の(P−2)2005g、14
BG206g,MDI790gおよびDMF7000g
を仕込み、ポリウレタン樹脂(A1)と同様の条件で反
応させて樹脂濃度30%、粘度700ポイズ(20℃)
の、ポリウレタン樹脂(B2)の溶液を得た。
【0045】〈実施例1〜6、比較例1〜4〉ポリウレ
タン樹脂(A1)〜(A4)および(B1)、(B2)
の各溶液を使用して、表1および表2に示す組成の配合
液を調製した。ついで該配合液をポリエステル繊維から
なる起毛布上に1.0mmコ−ティングし、20℃の2
0%DMF水中に10分間浸漬する。ついで50℃の温
水中に20分間浸漬して十分脱溶媒した後、100℃の
循風乾燥機で15分間乾燥して湿式合成皮革を作成し
た。得られた湿式合成皮革の評価結果を表1および表2
に示す。
【0046】
【表1】 単位 :部 (*1):スルホコハク酸エステル塩、三洋化成工業
(株)製界面活性剤
【0047】
【表2】 単位:部
【0048】
【発明の効果】本発明の組成物は均一で微細な構造を有
し、かつ反撥弾性が小さく、柔軟性に富んだ天然皮革調
の風合いを有する多孔質シートを提供する。上記効果を
奏することから本発明の組成物は靴、鞄、衣料、インテ
リア材料等の天然皮革代替品に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式のいずれかで表される単位を少な
    くとも15重量%有する熱可塑性ポリウレタン樹脂
    (A)5〜45重量%と該単位を有しない熱可塑性ポリ
    ウレタン樹脂(B)55〜95重量%からなることを特
    徴とする合成皮革用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 R1とR2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、弗素
    原子、または塩素原子;A1とA2は炭素数2〜4のアル
    キレン基;mおよびnは、2≦m+n≦10を満足する
    正の数;oおよびpは、0≦o+p≦10を満足する0
    または正の数;qおよびrは、0≦q+r≦10を満足
    する0または正の数;Xは水素原子、塩素原子、臭素原
    子またはメチル基である。]
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