JPH07292120A - ポリアミノボラジンの製造方法 - Google Patents

ポリアミノボラジンの製造方法

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JPH07292120A
JPH07292120A JP5251016A JP25101693A JPH07292120A JP H07292120 A JPH07292120 A JP H07292120A JP 5251016 A JP5251016 A JP 5251016A JP 25101693 A JP25101693 A JP 25101693A JP H07292120 A JPH07292120 A JP H07292120A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G79/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing atoms other than silicon, sulfur, nitrogen, oxygen, and carbon with or without the latter elements in the main chain of the macromolecule
    • C08G79/08Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing atoms other than silicon, sulfur, nitrogen, oxygen, and carbon with or without the latter elements in the main chain of the macromolecule a linkage containing boron

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒化硼素を基とするセラミック材料の先駆体
ポリマーを製造するに当たって、均質ポリマー、即ちそ
の分子量分布が単分散分布であるものを得ること、及び
熱分解後に高い重量収率でセラミック材料を導くポリア
ミノボラジンを高い転化率で得ること。 【構成】 本発明は、三官能性アミノボラジンを熱重縮
合させることから成るタイプのポリアミノボラジンの製
造方法に関し、この方法は、均質のポリアミノボラジン
を得るために、重縮合反応を平衡状態で実施することを
特徴とする。また、本発明は、この方法によって得るこ
とができるポリアミノボラジンにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリアミノボラジン
の製造方法に関する。また、この発明は、本発明に従う
方法を用いることによって得ることができるポリアミノ
ボラジンにも関する。最後に、この発明は、用途として
の、窒化硼素を基とするセラミック製品及びに物品、特
に繊維、フィルム、マトリックス、コーティング、パウ
ダー及び固形部品の形状のものの製造におけるこのポリ
マーの使用にも関する。
【0002】
【従来の技術】窒化硼素を基とするセラミック材料の先
駆体ポリマーであって熱分解挙動及びその結果としての
窒化硼素の重量収率が改善されたものを製造するため
に、三官能性アミノボラジンを熱重縮合させることが知
られている。しかして、ヨーロッパ特許第034267
3号、英国特許第2163761号及びヨーロッパ特許
第0384857号の各明細書には、重質アミンの存在
下又は不在下における各種アミノボラジンの熱重縮合が
記載されている。
【0003】しかしながら、得られるポリアミノボラジ
ンは均質でないという欠点を有し、即ち、このポリマー
の分子量分布は多分散分布であり、このことはゲルの形
成を促進する。このゲルの形成の結果として、このポリ
マーの造形が厄介なものに、実際に困難になり、このポ
リマーから造形される材料の機械的特性が満足できない
ものになる。このポリアミノボラジンは不均質であるた
めに、部分的に不溶性であったり、溶融温度が高過ぎて
造形するのが容易でなかったりすることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述の欠点を
回避するために、均質ポリマー、即ちその分子量分布が
単分散分布であるものを得ることができるようになるの
が望ましく、これが本発明の1つの目的である。本発明
の別の目的は、熱分解後に高い重量収率でセラミック材
料を導くポリアミノボラジンを高い転化率で提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの目的及び他の目
的は、本発明によって達成される。本発明は実際、三官
能性アミノボラジンを熱重縮合させることから成るタイ
プのポリアミノボラジンの製造方法に関し、この方法
は、均質のポリアミノボラジンを得るために、重縮合反
応を平衡状態で実施することを特徴とする。
【0006】三官能性アミノボラジンは周知の物質であ
り、次の一般式(1)
【化2】 の環状構造を有する。式(1)中、R1 、R2 及びR3
は同一であっても異なっていてもよく、水素、飽和若し
くは不飽和のアルキル基又はアリール基を表わす。
【0007】この三官能性アミノボラジンは特に「イノ
ルガニック・ケミストリー(Inorganic Chemistry)」第
2巻(1963年)第29頁のR・テニスケッター(R.
Toeniskoetter)らの論文、米国特許第2754177
号、「ヒェミッシェ・ベリッヒテ(Chemische Bericht
e)」第94巻(1960年)第671頁のK・ニーデ
ンツー(K. Niedenzu )らの論文及び「ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(Journal of
the American Chemical Society)」第20巻(195
9年)第3561頁のK・ニーデンツーらの論文に記載
されている。本発明の方法において用いられるアミノボ
ラジンは、前記三官能性アミノボラジンの単量体と、二
量体と、随意としての三量体との混合物の形であること
もできる。
【0008】好ましくは、式(1)においてR3 が水素
であり且つ(又は)R1 及びR2 がアルキル基、より好
ましくは飽和アルキル基である三官能性アミノボラジン
を用いる。R1 及びR2 が飽和C1 〜C4 アルキル基で
あるのがより好ましい。特に、メチル、エチル又はプロ
ピル基を挙げることができる。
【0009】しかして、本発明者は、三官能性アミノボ
ラジンの重縮合反応の平衡を作り出すことができ、この
平衡が三官能性アミノボラジンの重合を制御することを
可能にするという驚くべき利点を見出した。こうして得
られるポリアミノボラジンは、より特定的には溶融させ
ることができ、且つ(又は)テトラヒドロフラン、ジメ
チルアセトアミド又はクロロホルムのような大部分の通
常の溶媒中に可溶である。
【0010】従って、本発明を特定の理論に結び付ける
ことは望まないが、熱重縮合によってポリアミノボラジ
ンを製造するための主な反応は次のように書くことがで
きると示すことが必要であると思われる。
【外1】
【0011】温度及び重縮合の間に生成するアミンの分
圧がこの平衡の物理的ファクターである。従って、これ
らのファクターを制御しなければならず、より特定的に
は、アミンの分圧は0であってはならない。他のパラメ
ーターを変え、又は該パラメーターが可変的であるよう
にしながら、反応混合物の温度又は重縮合の間に生成す
るアミンの分圧のいずれかを変えることによって、重縮
合反応の方向の中で自由にこの反応の平衡を有利に移動
させることができる。
【0012】本発明の好ましい具体例に従えば、生成す
るアミンの分圧を高める場合には温度を上昇させること
によって平衡が作り出される。この好ましい態様は、既
知の任意の手段によって、より特定的には、温度を上昇
させながら、出発時に存在させる不活性ガスを重縮合の
間に生成するアミンに自然に置き換えることによって実
施される。
【0013】他方、従来技術の文献には熱重縮合の間不
活性雰囲気下でパージすることが記載されており、これ
は、生成するアミンの分圧を0にするのと同じであり、
しかも重縮合温度は一定である。最もよく用いられる不
活性ガスは、窒素及びアルゴンである。
【0014】アミノボラジンの熱重縮合は、一般的に1
50℃〜350℃の範囲の温度、好ましくは200℃〜
250℃の範囲の温度において実施される。本発明に従
う方法は、塊状で、或いは極性非プロトン系溶媒(例え
ばジメチルエチレン尿素若しくはN−メチルピロリド
ン)又は非極性非プロトン系溶媒(例えばクロルベンゼ
ン若しくはデカリン)中の溶液状で、無水条件下で実施
される。
【0015】図1に、本発明の方法に従って得られたポ
リアミノボラジンのゲル透過クロマトグラフィーのクロ
マトグラムを示す。本発明の方法に従って得られたポリ
アミノボラジンのゲル透過クロマトグラフィーのクロマ
トグラムを解析することによって、本発明の方法に従い
且つ随意に溶媒を除去(蒸留又は他の方法によって除
去)した後に得られるポリアミノボラジンの均質性が確
認される。この均質性は特に図1によって図示されてい
る。
【0016】本発明はまた、前記の方法を用いることに
よって得ることができるポリアミノボラジンに関するも
のでもある。このポリアミノボラジンは均質であるとい
う利点を有する。
【0017】その品質を考慮すると、本発明に従って得
られるポリアミノボラジンは、造形セラミック製品、特
に繊維、フィルム、マトリックス、コーティング、パウ
ダー及び固形部品の形状のものの製造に非常に特別な用
途を見出す。最も一般的な場合において、このポリマー
は、不活性雰囲気下、真空下又はアンモニア雰囲気下
で、100℃〜2000℃の範囲の温度において、ポリ
マーが窒化硼素を基とするセラミックに完全に転化する
まで熱分解される。このポリマーはまた、熱分解の前に
例えばフィルム形成、成形又は紡糸することによって造
形することもできる。繊維を得ることが望まれる場合に
は、ポリマーを、溶融させ又は溶液状にした後に、慣用
のダイを用いて紡糸し、次いでこれを真空下、不活性雰
囲気下(アルゴン若しくは窒素下)又はアンモニア雰囲
気下で100℃〜2000℃の範囲において熱分解する
ことによって窒化硼素に転化させる。
【0018】ポリマーの熱的挙動を改善して続いての熱
分解の際の収率を高めるためには、ポリマーを造形した
後に、造形されたポリマーの物理的処理(熱処理)、化
学的処理(加水分解)又は放射線処理(電子線処理若し
くは紫外線処理)を実施するのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を例示するが、
これら実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
これら実施例における記号、略号等の定義は次の通りで
ある。Mn 及びMw はそれぞれ数平均分子量及び重量平
均分子量である。THFはテトラヒドロフランであり、
DMACはN,N−ジメチルアセトアミドであり、NM
PはN−メチルピロリドンである。rpmは撹拌におけ
る分当たりの回転数である。百分率は、特に記載がない
限り重量%である。
【0020】Mn 及びMw 値は、溶離剤として容量組成
80/20ののTHF/DMAC混合物を用い、参照用
物質としてポリスチレンを用いてゲル透過クロマトグラ
フィー(以下、GPCと略記する)によって実施した分
析から得た。これらの得られたMn 及びMw についての
値は相対的なものであり、得られたポリアミノボラジン
の真のMn 及びMw 値を得るためには、2.5倍しなけ
ればならない。
【0021】例1 500cm3 の開放式反応器に不活性(窒素)雰囲気下
でB−トリス(プロピルアミノ)ボラジン55.0gを
導入した。回転速度3rpmの馬蹄形撹拌機によって撹
拌した。次いでこの反応器を100℃の金属浴中に浸漬
し、1℃/分の昇温速度で温度を200℃に上昇させ
た。次いで5時間この温度に保った(これを『温度安定
期』又は単に『安定期』という)。試験の間は、反応器
を窒素流でパージしなかった。生成したプロピルアミン
は反応器のヘッドスペース中に留まらせた。反応器のヘ
ッドスペース中の過剰分のプロピルアミンは、窒素流中
に拡散させて水槽中に採集し、2N塩酸で分析した。温
度安定期の終わりに分析された塩基度は5.57当量/
kgであり、その理論最大値は5.96当量/kgであ
るので、転化率は93.4%となる。次いでこの混合物
を室温に戻した。重量損失は32.9%だった(理論最
大値35.2%)。
【0022】転化率が高いにも拘らず、得られたポリマ
ーはガラス転移を有し、通常の有機溶媒に可溶だった。
コフラー台(Kofler bench)上で測定した軟化温度はほ
ぼ115℃だった。これらの条件下で、このポリマーは
1040のMn 及び1460のMw を有していた。図1
は、ゲル透過クロマトグラフィーによって得られた、分
子量Mの対数の関数としての重量の累積曲線(%)に相
当する。この図1は、得られたポリマーのクロマトグラ
ムに相当する。
【0023】例2 例1と類似の条件下でB−トリス(プロピルアミノ)ボ
ラジン53.3gを重縮合させた。安定期の温度は24
0℃とし、この温度を4時間持続させた。分析された塩
基度は6.13当量/kgであり、重量損失は35.6
5%だった。このポリマーは170℃の軟化温度、13
00のMn 値及び2200のMw 値を有していた。
【0024】例3 例1と類似の条件下でB−トリス(プロピルアミノ)ボ
ラジン53.2gを重縮合させた。安定期の温度は18
0℃とし、この温度を14時間持続させた。分析された
塩基度は4.21当量/kgであり、重量損失は24.
1%だった。このポリマーは20℃より低い軟化温度、
920のMn 値及び1180のMw値を有していた。
【0025】例4(比較例) 500cm3 の開放式反応器にB−トリス(プロピルア
ミノ)ボラジン55.8gを導入した。温度プログラム
は例1のものと同一とした(100〜220℃の間は1
℃/分の昇温速度、次いで220℃において5時間の安
定期)。しかしながら、この試験の間は反応器のヘッド
スペースを5リットル/時間の窒素流でパージした。温
度安定期の終わりに分析された塩基度は6.16当量/
kgであり、重量損失は36.4%に達した。これらの
条件下で得られたポリマーは230℃の軟化温度を有
し、有機溶媒(DMAC、NMP)中での溶解性は非常
に低く、ポリマーの可溶部分のMn 及びMw 値はそれぞ
れ1470及び3230だった。
【0026】例5 例1と類似の条件下でB−トリス(メチルアミノ)ボラ
ジン59.5gを重縮合させた。安定期の温度は200
℃とし、この温度を17時間持続させた。重量損失は2
7.5%であり、その理論最大値は27.8%であるの
で、転化率は99%となる。得られたポリマーは220
℃の軟化温度を有し、そのMn 及びMw 値はそれぞれ8
10及び1230だった。
【0027】例6 (1)重縮合 500ミリリットルの開放式反応器に、窒素雰囲気下で
B−トリス(プロピルアミノ)ボラジン56.7gを導
入した。回転速度3rpmの馬蹄形撹拌機によって撹拌
した。反応器のヘッドスペースに窒素流を通す(5リッ
トル/時間)ことによって装置を不活性にした。この反
応器を100℃の金属浴中に浸漬し、次いで浴の温度を
1℃/分の昇温速度で220℃に上昇させた。次いで2
時間45分間この温度に保った。反応の間は、窒素流に
よる反応器のパージを止め、生成したプロピルアミンは
反応器のヘッドスペース中に留まらせた。例1における
のと同じようにして、拡散させた過剰分のプロピルアミ
ンを2N塩酸で分析した。安定期の終わりまでに取り出
されたプロピルアミンは4.85当量/kgに相当し、
即ち、転化率は81%だった。次いでこの混合物を室温
に戻した。アセトン/ドライアイス浴中で亀裂を生じさ
せた後に、このポリマーはコフラー台上で測定して50
℃の軟化温度及び80℃の付着(collage) 温度を有して
いた。
【0028】得られた先駆体を反応器中に残し、下記の
表に示した条件下で加熱を再開した。
【表1】
【0029】この熱処理の終了時までに取り出されたア
ミンの総量は5.03当量/kgであり、これは転化率
84%に相当する。茶褐色のポリマーは105℃の付着
温度及び130℃の軟化温度を有していた。GPCによ
って得られた分子量は、Mnが1100であり、Mw
1800だった。
【0030】(2)得られたポリマーの紡糸 ポリマーを溶融状態で150℃の温度において、ろ過
(0.5μmのフジフィルター及び40μmの金属篩使
用)及び分配の後に直径及び長さ0.23mmの7個の
孔を開けたダイプレートに通じるノズルを用いて、45
分間紡糸した。総ポリマー流速は0.23cm3 /分と
した。ダイの下にフィラメントを引取速度15m/分で
引き落とし、単位直径50μm、番手290dテックス
の、フィラメント7本を含有する糸(ヤーン)が得られ
た。
【0031】(3)繊維の熱分解 繊維をアンモニア雰囲気下で1000℃まで12℃/時
間の昇温速度で加熱し、この温度に2時間保つことによ
って熱分解した。重量損失は僅か46%だった。他方、
縮合度が低いアミノボラジンの場合の重量損失は通常5
4〜57%である。このフィラメントはその特性を維持
した。従って、ポリマーの安定性はその架橋能力に害を
及ぼさなかった。アルゴン雰囲気下で1800℃におい
て熱分解した後に、この繊維は白色だった。この繊維の
密度は2.014だった(理論値2.28)。
【0032】例7 250ミリリットルの開放式反応器にアルゴン雰囲気下
でB−トリス(メチルアミノ)ボラジン77g及び無水
NMP59gを添加した。この混合物を、溶液が均質且
つ透明になるまで、金属製馬蹄形撹拌機で200rpm
において撹拌した。次いで溶液をほぼ180℃に加熱し
た。この処理の2時間35分後に、粘度約876ポイズ
/23℃の透明なコロジオンが得られた。このコロジオ
ンは、NMP55g及びポリアミノボラジン73gから
成っていた。このコロジオンは、窒化硼素を基とする繊
維の製造に用いることができる。
【0033】例8 250ミリリットルの開放式反応器にアルゴン雰囲気下
でB−トリス(メチルアミノ)ボラジン59.5gを装
入した。この反応器を回転速度3rpmの金属製馬蹄形
撹拌機で撹拌し、100℃の浴中に浸漬した。B−トリ
ス(メチルアミノ)ボラジンは素早く液状になった。浴
の温度を10分かけて200℃に上げた。物質が沸騰し
始め、これを例1に記載したような条件下でこの温度に
おいて17時間反応させた。冷却した後に、付着温度1
90℃の固形物41.3gが得られた。重量損失は2
7.5%だった。GPCによって得られた分子量は、M
n が810であり、Mw が1230だった。
【0034】このポリマーを次いで溶融経路で次の条件
下で紡糸した。 ・表示押出温度=225℃ ・ダイ温度(レギュレーター)=235℃ ・総ポリマー流速=0.754cm3 /分 ・細孔流速=0.11cm3 /分 ・溶融状態における滞留時間=15分 ・細孔通過速度=2.6m/分 ・最大引取速度=340m/分 ・交差半角度=7° ・最小理論直径=20μm ・測定最大引き落とし速度=370 ・測定最小直径=12μm このポリマーは難なく押出された。ポリマーの紡糸に対
する安定性は15分以上だった。ダイの出口における糸
の品質は、交差半角度7°で支持体上に糸を堆積させる
ことを可能にした。また、糸の品質は外観上も非常に安
定だった。
【0035】例9 (1)重縮合 300ミリリットルの開放式三つ口フラスコにアルゴン
雰囲気下でB−トリス(メチルアミノ)ボラジン45.
8gを導入した。回転速度3rpmの馬蹄形撹拌機によ
って撹拌した。反応器のヘッドスペースに窒素流を通す
(5リットル/時間)ことによって装置を不活性にし
た。この反応器を100℃の金属浴中に浸漬し、次いで
浴の温度を1℃/分の昇温速度で220℃に上昇させ
た。次いで17時間この温度に保った。反応の間は、窒
素流による反応器のパージを止め、生成したメチルアミ
ンは反応器のヘッドスペース中に留まらせた。例1にお
けるのと同じようにして、拡散させた過剰分のメチルア
ミンを2N塩酸で分析した。
【0036】200℃において17時間後に、ポリマー
が液状になり、反応器の底に残った。次いで馬蹄形撹拌
機の回転速度を100rpmにした。生成物は素早く反
応器の側壁上に張り付いた。反応器をさらに5時間20
0℃に加熱し、次いで25℃まで放置冷却した。ポリマ
ーは冷却した時に亀裂を生じた。取り出されたメチルア
ミンは4.13当量/kgに相当した。重量損失は7g
であり、即ち15.3%だった。このポリマーは、コフ
ラー台上で測定して160℃の付着温度及び185℃の
軟化温度を有していた。GPCによって得られた分子量
は、Mn が1890であり、Mw が5370だった。こ
のポリマーのヘリウム雰囲気下で800℃における熱重
量分析は、約65%の収量を与えた。
【0037】(2)得られたポリマーの紡糸 ポリマーを溶融させ、斜めに広がる方向に流し且つ溶融
状態で引き落とすことによって押出した。2つのリング
(colliers){1つは斜め方向に流される溶融物が作り
出す円錐形の頂上部分(軟化温度)、もう1つはダイの
高さの所(ダイ温度)}によって装置の温度を保った。
繊維をボビン上に採集し、装置の全体をアルゴン流下で
不活性にした。
【0038】紡糸条件は次の通りである。 ・ダイ直径=31mm ・孔の数=23 ・孔の直径=0.23mm ・ろ過床=100μmの金属製フジフィルター ・紡糸温度=181〜186℃ ・引取速度=100〜200m/分 ・ストランド直径=10〜30μm こうして製造された粗製繊維は、次の特性を有してい
た。 ・応力=15MPa ・モジュラス=8.4GPa ・伸び率=1.2% この繊維は、光学顕微鏡で観察すると、澄んでいて、白
色で、シルク様だった。この繊維のヘリウムガス雰囲気
下で800℃における熱重量分析は、約65%の収量を
与えた。
【0039】(3)繊維の熱分解 上で得られた繊維をアンモニア流下で25℃から100
0℃まで600℃/時間の昇温速度で温度を上げてセラ
ミック化させた。室温に戻すのはアルゴン雰囲気下で行
なった。繊維に損傷や破断は何ら観察されなかった。重
量損失は55%だった。得られた繊維は澄んでいて、1
5〜23μmの直径を有していた。次いでこの繊維を窒
素パージ(20リットル/時間)下で1800℃におい
て無機化させた。昇温速度は25〜1000℃の間では
50℃/時間とし、1000〜1800℃の間では20
℃/時間とした。この段階での重量損失は10%だっ
た。この繊維は10〜20μm程度の直径を有してい
た。
【0040】例10 (1)重縮合 装置及びプロセスは例9に示したものと同じとした。B
−トリス(メチルアミノ)ボラジン43.3gを挿入し
た。この混合物を200℃において3rpmで撹拌しな
がら25時間及び100rpmで撹拌しながら5時間反
応させた。200℃においてこのポリマーは非常に流動
性があった。25℃に冷却した後に、このポリマーはコ
フラー台上で測定して付着温度165℃及び軟化温度1
90℃の固体状で存在した。取り出されたメチルアミン
は4.3当量/kgに相当した。重量損失は7gであ
り、即ち16.2%だった。GPCによって得られた分
子量は、Mn が2040であり、Mw が7730だっ
た。
【0041】(2)得られたポリマーの紡糸 一部のパラメーターを以下に示すように変えたことを除
いて、例9に記載したのと同じ装置を用いた。 ・紡糸温度=181〜186℃ ・引取速度=100〜200m/分 ・ストランド直径=10〜30μm こうして製造された粗製繊維は、次の特性を有してい
た。 ・応力=12MPa ・モジュラス=8GPa ・伸び率=1% これらの繊維は、光学顕微鏡で観察すると、澄んでい
て、白色で、シルク様だった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に従って得られたポリアミノボラ
ジンのゲル透過クロマトグラフィーのクロマトグラムで
あり、分子量Mの対数の関数としての重量の累積曲線
(%)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】例6 (1)重縮合 500ミリリットルの開放式反応器に、窒素雰囲気下で
B−トリス(プロピルアミノ)ボラジン56.7gを導
入した。回転速度3rpmの馬蹄形撹拌機によって撹拌
した。反応器のヘッドスペースに窒素流を通す(5リッ
トル/時間)ことによって装置を不活性にした。この反
応器を100℃の金属浴中に浸漬し、次いで浴の温度を
1℃/分の昇温速度で220℃に上昇させた。次いで2
時間45分間この温度に保った。反応の間は、窒素流に
よる反応器のパージを止め、生成したプロピルアミンは
反応器のヘッドスペース中に留まらせた。例1における
のと同じようにして、拡散させた過剰分のプロピルアミ
ンを2N塩酸で分析した。安定期の終わりまでに取り出
されたプロピルアミンは4.85当量/kgに相当し、
即ち、転化率は81%だった。次いでこの混合物を室温
に戻した。アセトン/ドライアイス浴中で亀裂を生じさ
せた後に、このポリマーはコフラー台上で測定して50
℃の軟化温度及び80℃の粘着温度(スパチュラを接触
させた時にポリマーがこのスパチュラに粘着し始める温
度)を有していた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】この熱処理の終了時までに取り出されたア
ミンの総量は5.03当量/kgであり、これは転化率
84%に相当する。茶褐色のポリマーは105℃の粘着
温度及び130℃の軟化温度を有していた。GPCによ
って得られた分子量は、Mが1100であり、M
1800だった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】例8 250ミリリットルの開放式反応器にアルゴン雰囲気下
でB−トリス(メチルアミノ)ボラジン59.5gを装
入した。この反応器を回転速度3rpmの金属製馬蹄形
撹拌機で撹拌し、100℃の浴中に浸漬した。B−トリ
ス(メチルアミノ)ボラジンは素早く液状になった。浴
の温度を10分かけて200℃に上げた。物質が沸騰し
始め、これを例1に記載したような条件下でこの温度に
おいて17時間反応させた。冷却した後に、粘着温度1
90℃の固形物41.3gが得られた。重量損失は2
7.5%だった。GPCによって得られた分子量は、M
が810であり、Mが1230だった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】200℃において17時間後に、ポリマー
が液状になり、反応器の底に残った。次いで馬蹄形撹拌
機の回転速度を100rpmにした。生成物は素早く反
応器の側壁上に張り付いた。反応器をさらに5時間20
0℃に加熱し、次いで25℃まで放置冷却した。ポリマ
ーは冷却した時に亀裂を生じた。取り出されたメチルア
ミンは4.13当量/kgに相当した。重量損失は7g
であり、即ち15.3%だった。このポリマーは、コフ
ラー台上で測定して160℃の粘着温度及び185℃の
軟化温度を有していた。GPCによって得られた分子量
は、Mが1890であり、Mが5370だった。こ
のポリマーのヘリウム雰囲気下で800℃における熱重
量分析は、約65%の収量を与えた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】例10 (1)重縮合 装置及びプロセスは例9に示したものと同じとした。B
−トリス(メチルアミノ)ボラジン43.3gを挿入し
た。この混合物を200℃において3rpmで撹拌しな
がら25時間及び100rpmで撹拌しながら5時間反
応させた。200℃においてこのポリマーは非常に流動
性があった。25℃に冷却した後に、このポリマーはコ
フラー台上で測定して粘着温度165℃及び軟化温度1
90℃の固体状で存在した。取り出されたメチルアミン
は4.3当量/kgに相当した。重量損失は7gであ
り、即ち16.2%だった。GPCによって得られた分
子量は、Mが2040であり、Mが7730だっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジェ・トリション フランス国ビルールバンヌ、リュ・ド・ミ ラン、1

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三官能性アミノボラジンを熱重縮合させ
    ることから成るタイプのポリアミノボラジンの製造方法
    であって、均質のポリアミノボラジンを得るために、重
    縮合反応を平衡状態で実施することを特徴とする、前記
    方法。
  2. 【請求項2】 用いられる三官能性アミノボラジンが次
    式(1): 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は同一であっても異なって
    いてもよく、水素、飽和若しくは不飽和のアルキル基又
    はアリール基を表わす)の環状構造のものであることを
    特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(1)においてR3 が水素であり且つ
    (又は)R1 及びR2 がアルキル基、好ましくは飽和ア
    ルキル基である三官能性アミノボラジンを用いることを
    特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 式(1)においてR1 及びR2 が飽和C
    1 〜C4 アルキル基である三官能性アミノボラジンを用
    いることを特徴とする、請求項2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 温度及び重縮合の間に生成するアミンの
    分圧を調節することを特徴とする、請求項1〜4のいず
    れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 生成するアミンの分圧を高める場合に温
    度を上昇させることによって平衡を作り出すことを特徴
    とする、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 アミノボラジンの熱重縮合を150℃〜
    350℃の範囲の温度、好ましくは200℃〜250℃
    の範囲の温度において実施することを特徴とする、請求
    項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を
    用いることによって得られたポリアミノボラジン。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を
    用いることによって得られたポリアミノボラジンを用い
    て製造された、窒化硼素を基とする造形セラミック製
    品。
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