JPH07291925A - トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体 - Google Patents

トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体

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JPH07291925A
JPH07291925A JP6086937A JP8693794A JPH07291925A JP H07291925 A JPH07291925 A JP H07291925A JP 6086937 A JP6086937 A JP 6086937A JP 8693794 A JP8693794 A JP 8693794A JP H07291925 A JPH07291925 A JP H07291925A
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Application number
JP6086937A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Kawaguchi
博文 川口
Yukimasa Watanabe
征正 渡辺
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式: 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一または異なって、アルキ
ル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。mおよ
びnはそれらの総和が0〜4となる整数である。)で表
されるトリニトロフルオレノンイミン誘導体である。こ
の化合物は、例えば電子輸送剤として有機感光層に含有
される。電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が
好ましい。 【効果】 電子輸送能にすぐれる。従って、この化合物
を含有した電子写真感光体は感度にすぐれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なトリニトロフル
オレノンイミン誘導体、および複写機、レーザープリン
ター等の画像形成装置に使用される電子写真感光体に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
時、700nm以上の波長を有する光源を使用したデジ
タル光学系の画像形成装置においては、前記波長領域に
感度を有する有機感光体(OPC)が多く使用されてい
る。有機感光体としては、電荷発生層と電荷輸送層とを
積層した所謂機能分離型の有機感光体、すなわち積層型
の感光体が多いが、電荷発生物質と電荷輸送物質とを感
光層中に分散させた単層型の有機感光体も知られてい
る。
【0003】これらの感光体に使用される電荷輸送物質
としては、キャリヤ移動度の高いものが要求されている
が、キャリヤ移動度の高い電荷輸送物質は殆どが正孔輸
送性であるため、実用に供されているものは、機械的強
度面から最外層に電荷輸送層を設けた負帯電型の積層型
有機感光体に限られている。しかしながら、負帯電型の
有機感光体では、負極性コロナ放電を利用するため、オ
ゾンの発生量が多く、したがって環境を汚染したり、感
光体を劣化させるなどの問題があった。
【0004】そこで、このような欠点を排除するため
に、電荷輸送物質として電子輸送剤を使用することが検
討されており、特開平1−206349号公報には、ジ
フェノキノン構造を有する化合物を電子写真感光体用の
電子輸送剤として使用することが提案されている。しか
しながら、一般に、ジフェノキノン類等の電子輸送剤
は、電荷発生剤とのマッチングが困難であるため、電荷
発生剤から電子輸送剤への電子注入が不十分であり、そ
のため光感度が充分でなかった。また、単層型の有機感
光層では、ジフェノキノンと正孔輸送剤との相互作用に
より電子の輸送が阻害されるという問題があった。
【0005】また、感光体の帯電極性に関しては、1つ
の感光体を正帯電および負帯電の両方に用いることがで
きれば、感光体の応用範囲を広げることができる。ま
た、有機感光体を単層の分散型で使用できれば、感光体
の製造が容易になり、被膜欠陥の発生を防止し、光学的
特性を向上させる上でも多くの利点がある。本発明の主
たる目的は、上述の技術的課題を解決し、電子写真感光
体などの電子輸送剤として好適な新規化合物を提供する
ことである。
【0006】本発明の他の目的は、電荷発生剤からの電
子の注入と輸送がスムーズに行われ、従来よりも感度が
向上した電子写真感光体を提供することである。本発明
のさらに他の目的は、とくに正帯電が可能な電子写真感
光体を提供することである。そして本発明のさらに他の
目的は、とくに700nm以上の波長を有する光源を使
用したデジタル光学系の画像形成装置に好適に使用され
る電子写真感光体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を達成すべく鋭意研究を行った結果、一般
式:
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 およびR2 は同一または異な
って、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を
示す。mおよびnはそれらの総和が0〜4となる整数で
ある。)で表されるトリニトロフルオレノンイミン誘導
体が従来のジフェノキノン系化合物よりも高い電子輸送
能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明における前記一般式で表される化合
物は、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性が良好
であると共に、電荷発生剤とのマッチングに優れ電子の
注入が円滑に行われ、とくに低電界での電子輸送性に優
れている。したがって、本発明の前記一般式で表される
トリニトロフルオレノンイミン誘導体を電子輸送剤とし
て電子写真感光体に使用するときは、高感度な有機感光
体を提供することができる。また、本発明の化合物は発
ガン性などに対しても安全である。
【0011】さらに、本発明の化合物は、その高い電子
輸送能を利用して、太陽電池、EL素子などの用途にも
使用することができる。前記一般式において示される各
基を具体的に説明する。前記アルキル基としては、例え
ばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル基などの炭素数が1〜6のア
ルキル基があげられる。
【0012】アルコキシ基としては、例えばメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ基などの炭素数が1〜6のアルコキ
シ基があげられる。ハロゲン原子としては、塩素、臭
素、フッ素、ヨウ素があげられる。この誘導体は、例え
ば下記反応行程式で示すように、2,4,7−トリニト
ロフルオレノンとN−(2−アミノフェニル)ピロール
またはその誘導体とを、溶媒中にて縮合させることによ
り合成することができる。溶媒としては、例えば酢酸、
プロピオン酸、ブタン酸、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
などをあげることができる。また、必要に応じて塩化亜
鉛などの適当な触媒の存在下で反応を行わせてもよい。
反応は、通常30〜170℃の温度で20分ないし4時
間程度行えばよい。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 、R2 、m、nは前記と同じ
である。) 本発明の化合物のうち、最も構造式が簡単な誘導体は前
記一般式において、mおよびnが0である化合物であ
り、この化合物は後述の実施例に記載のように高い電子
輸送能を示すが、R1 および(または)R2 の置換基を
有する本発明の他の化合物においても同様の高い電子輸
送能を示すと共に、溶剤への溶解性や結着樹脂との相溶
性がより一層向上するという利点がある。
【0015】本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に有機感光層を設けたものであって、この有機感光層
が、結着樹脂中に、電子輸送剤として前記一般式で表さ
れるトリニトロフルオレノンイミン誘導体を含有したこ
とを特徴とする。前記有機感光層は、電子輸送剤と共
に、電荷発生剤、正孔輸送剤を含有した単層型である場
合と、電荷輸送層と電荷発生層とを含む積層型である場
合とがある。また、本発明の感光体は正帯電型および負
帯電型のいずれもが可能であるが、とくに正帯電型で使
用するのが好ましい。
【0016】正帯電型感光体においては、露光工程にお
いて電荷発生剤から放出された電子が前記一般式で表さ
れる電子輸送剤にスムーズに注入され、ついで電子輸送
剤間での電子の授受により電子は感光層の表面に移動し
て、あらかじめ感光層表面に帯電させた正電荷(+)を
打ち消す。一方、正孔(+)は正孔輸送剤に注入され
て、途中でトラップされることなく、導電性基体の表面
に移動し、あらかじめ導電性基体の表面に帯電させた負
電荷(−)により打ち消される。このようにして、正帯
電型の感光体の感度が向上するものと考えられる。
【0017】前記正孔輸送剤としては、従来公知の正孔
輸送物質が使用され、例えば2,5−ジ(4−メチルア
ミノフェニル)、1,3,4−オキサジアゾール等のオ
キサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノス
チリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニ
ルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシ
ラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラ
ゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドー
ル系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール
系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合
物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリ
アゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化
合物等があげられる。
【0018】これらの正孔輸送剤は、1種または2種以
上混合して用いられる。また、ポリビニルカルバゾール
等の成膜性を有する正孔輸送剤を用いる場合には、結着
樹脂は必ずしも必要でない。前記正孔輸送剤の中でも、
とくにイオン化ポテンシャルが5.0〜5.6eVのも
のが好ましく使用される。また、電界強度3×105
/cmで1×10-6cm2 /V・秒以上の移動度を有す
るものがとくに好ましい。
【0019】本発明に用いられる好適な正孔輸送剤とし
ては、とくに限定されるものではないが、例えば1,1
−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、N−エチル−3−カルバ
ゾリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−
ジエチルベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、4−
〔N,N−ビス(p−トルイル)アミノ〕−β−フェニ
ルスチルベン等があげられる。
【0020】前記イオン化ポテンシャルの値は、大気下
光電子分析装置(理研計器(株)製のAC−1)を用い
て測定したものである。本発明において、正孔輸送剤と
して、イオン化ポテンシャルが前記範囲内にあるものを
用いることによって、より一層残留電位を低下させ、感
度を向上させ得る。その理由は必ずしも明らかではない
が、以下のようなものと考えられる。
【0021】すなわち、電荷発生剤から正孔輸送剤への
電荷の注入のし易さは正孔輸送剤のイオン化ポテンシャ
ルと密接に関係しており、正孔輸送剤のイオン化ポテン
シャルが前記範囲よりも大きい場合には、電荷発生剤か
ら正孔輸送剤への電荷の注入の程度が低くなるか、ある
いは正孔輸送剤間での正孔の授受の程度が低くなるた
め、感度の低下が生じるものと認められる。
【0022】一方、正孔輸送剤と電子輸送剤とが共存す
る系では、両者の間の相互作用、より具体的には電荷移
動錯体の形成に注意する必要がある。両者の間にこのよ
うな錯体が形成されると、正孔と電子との間に再結合が
生じ、全体として電荷の移動度が低下する。正孔輸送剤
のイオン化ポテンシャルが前記範囲よりも小さい場合に
は、電子輸送剤との間に錯体を形成する傾向が大きくな
り、電子−正孔の再結合が生じるために、見掛けの量子
収率が低下し、感度の低下に結びつくものと思われる。
【0023】したがって、正孔輸送剤のイオン化ポテン
シャルは、前記範囲内にあるのが好ましい。また、上記
正孔輸送剤と電子輸送剤とが共存する系では、電子輸送
剤として、できるだけ嵩高い置換基を導入したものを使
用して、立体障害により正孔輸送剤との間での錯体の形
成を抑制するのが好ましい。そのような意味でも、置換
基R 2 を有することのあるN−ピロリル基と置換基R1
のうち少なくとも前者が結合したフェニル基を有する、
嵩高い本発明の化合物を使用するのが好ましいと言え
る。
【0024】本発明において使用される電荷発生剤とし
ては、例えばセレン、セレン−テルル、アモルファスシ
リコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、
アンサンスロン系顔料、フタロシアニン系顔料、ナフタ
ロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタ
ン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、ジチオケトピロロピロ
ール系顔料等があげられる。これらの電荷発生剤は、所
望の領域に吸収波長を有するように、一種または二種以
上を混合して用いることができる。その際、正孔輸送剤
としてイオン化ポテンシャルが5.0〜5.6eVのも
のを使用することに関連して、電荷発生剤としても、正
孔輸送剤とバランスしたイオン化ポテンシャルを有する
もの、具体的にはイオン化ポテンシャルが5.0〜5.
6eV、とくに5.32〜5.38eVの範囲にあるも
のを用いるのが残留電位の低減、感度の向上の上で望ま
しい。
【0025】またとくに、前述したデジタル光学系の画
像形成装置に使用される、700nm以上の波長領域に
感度を有する有機感光体に好適な電荷発生剤としては、
X型無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシア
ニン等のフタロシアニン系顔料が例示される。これらフ
タロシアニン系顔料は、前記一般式で表される本発明の
化合物(電子輸送剤)とのマッチングに優れるため、こ
の両者を併用した電子写真感光体は、上記波長領域にお
いて高感度であり、デジタル光学系の画像形成装置等に
好適に使用することができる。
【0026】上記の各成分を分散させるための結着樹脂
としては、従来より有機感光層に使用されている種々の
樹脂を使用することができ、例えばスチレン系重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アク
リル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマ
ー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタ
レート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂
や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹
脂、さらにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレ
ート等の光硬化性樹脂等があげられる。これらの結着樹
脂は1種または2種以上を混合して用いることができ
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル、ア
ルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0027】また、感光層には、電子写真特性に悪影響
を与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、例え
ば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、
紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改
質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセ
プター、ドナー等を配合することができる。これら添加
剤の配合量は、従来と同程度でよい。たとえば立体障害
性フェノール系酸化防止剤は、結着樹脂100重量部に
対して0.1〜50重量部程度の割合で配合するのがよ
い。
【0028】また、感光層の感度を向上させるために、
例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
また、前記一般式で表される化合物と共に、従来公知の
他の電子輸送剤を感光層に含有させてもよい。このよう
な電子輸送剤としては、例えばベンゾキノン系、ジフェ
ノキノン系、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テ
トラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン等のフルオレノン系化合物、ジニトロベンゼン、ジ
ニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアン
トラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、
無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等があげられ
る。
【0029】本発明の感光体に使用される導電性基体と
しては、導電性を有する種々の材料を使用することがで
き、例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジ
ウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッ
ケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等
の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされた
プラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸
化インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0030】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。本発明における感光層は、前記した各成
分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液
を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0031】本発明における前記電子輸送剤の使用によ
る効果は、単層型感光体において顕著に現れる。本発明
の単層型感光体は正帯電および負帯電のいずれにも適用
可能であるが、とくに正帯電型で使用するのが好まし
い。単層型感光体において、電荷発生剤は結着樹脂10
0重量部に対して0.5〜10重量部、とくに0.5〜
5重量部の割合で感光層に配合するのがよい。
【0032】正孔輸送剤は、結着樹脂100重量部に対
して5〜100重量部、とくに50〜80重量部の割合
で感光層中に含有されるのがよい。前記電子輸送剤は結
着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、とくに
10〜80重量部の割合で感光層に配合するのがよい。
単層型感光体において、感光層の厚さは5〜50μm、
とくに10〜40μm程度に形成するのが好ましい。
【0033】また、積層型の感光体を得るには、導電性
基体上に、電荷発生材料を単独で蒸着させて電荷発生層
を形成するか、塗布等の手段により電荷発生材料と結着
樹脂と要すれば正孔輸送剤とを含有する電荷発生層を形
成し、この電荷発生層上に、電子輸送剤として本発明の
化合物と結着樹脂とを含有する電荷輸送層を形成すれば
よい。また、上記とは逆に、導電性基体上に電荷輸送層
を形成し、次いで電荷発生層を形成してもよい。
【0034】積層感光体において、電荷発生層を構成す
る電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
発生材料5〜1000重量部、とくに30〜500重量
部の割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する
電子輸送剤と結着樹脂とは、電子の輸送を阻害しない範
囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で使用するこ
とができるが、光照射により電荷発生層で生じた電子が
容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対し
て、電子輸送剤10〜500重量部、とくに25〜20
0重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0035】また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生
層が0.01〜5μm程度、とくに0.1〜3μm程度
に形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、とくに5〜50μm程度に形成されるのが好まし
い。単層型感光体においては、導電性基体と感光層との
間に、また、積層型感光体においては、導電性基体と電
荷発生層との間に、または導電性基体と電荷輸送層との
間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成
されていてもよい。また、感光層の表面には、保護層が
形成されていてもよい。
【0036】上記感光層を塗布の方法により形成する場
合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、結着
樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、
ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェー
カーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して分散
液を調製し、これを公知の手段により塗布、乾燥すれば
よい。
【0037】分散液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢
酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルム
アルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上
を混合して用いることができる。
【0038】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。 実施例 N−〔2−(N−ピロリル)−フェニル〕−2,4,7
−トリニトロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.15g(1
0.0ミリモル)とN−(2−アミノフェニル)ピロー
ル1.90g(12.0ミリモル)とを酢酸50mlに
溶解し、110℃で2時間反応させた。反応後、水30
0mlに加え、析出した結晶を水洗した。結晶を乾燥
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:ヘキサン=1:2で溶出)で精製して、暗赤色の粉
末である標記化合物(前記一般式中のm,nがともに0
である化合物)680mg(収率15%)を得た。
【0040】この生成物の融点を測定したところ270
℃で分解した。また、この生成物の赤外吸収スペクトル
を図1に示す。 (電子輸送能の評価)実施例で得た化合物の電子輸送能
をTOF法で評価した。その結果、この化合物は、電界
強度3×105 V/cmで7.90×10-7cm2 /V
・秒の移動度を示し、高い電子輸送能を有することが判
明した。 (感光体の作製)感光体として以下の試料No.1〜5
を作製した。試料No.1 電子輸送剤として実施例で得た化合物を使用し、電荷発
生剤としてX型メタルフリーフタロシアニン(Ip=
5.38eV)を使用し、正孔輸送剤として、p−N,
N−ジエチルベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン
(Ip=5.20eV)を使用した。また、結着樹脂と
してポリカーボネートを使用し、これらの材料を所定量
のジクロロメタンにボールミルで混合分散し、単層型感
光層塗布液を調製した。ついで、この塗布液をアルミニ
ウム箔上にワイヤーバーにて塗布した後、100℃で6
0分間熱風乾燥して、膜厚15〜20μmの単層型電子
写真感光体を作製した。
【0041】 (成分) (重量部) 電荷発生剤 1 正孔輸送剤 60 電子輸送剤 40 結着樹脂 100試料No.2 電荷発生剤として試料No.1で使用した化合物に代え
てオキソチタニルフタロシアニン(Ip=5.32e
V)を使用したほかは、試料No.1と同様にして単層
型電子写真感光体を作製した。試料No.3 電子輸送剤として実施例で得た化合物に代えて2,6−
ジメチル−2′,6′−ジt−ブチル−4,4′−ジフ
ェノキノンを使用したほかは、試料No.1と同様にし
て単層型電子写真感光体を作製した。試料No.4 電子輸送剤を含有しないほかは、試料No.1と同様に
して単層型電子写真感光体を作製した。試料No.5 電荷発生剤として試料No.1で使用したのと同じ化合
物を100重量部、結着樹脂としてポリビニルブチラー
ル樹脂を100重量部および溶剤として所定量のテトラ
ヒドロフランをボールミルで混合分散し、電荷発生層用
塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウム箔上にワ
イヤーバーにて塗布した後、100℃で60分間熱風乾
燥することにより、膜厚約1μmの電荷発生層を形成し
た。
【0042】一方、電子輸送剤として実施例で得た化合
物を100重量部、結着樹脂としてポリカーボネート樹
脂100重量部および溶剤として所定量のトルエンをボ
ールミルで混合分散し、電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この塗布液を前記電荷発生層上にワイヤーバーにて
塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥することによ
り、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、正帯電型の積
層感光体を作製した。試料No.6 電子輸送剤として実施例で得た化合物に代えて2,6−
ジメチル−2′,6′−ジt−ブチル−4,4′−ジフ
ェノキノンを使用したほかは、試料No.5と同様にし
て、正帯電型の積層感光体を作製した。 (電子写真感光体の評価)静電複写試験装置(川口電機
社製のEPA−8100)を用いて、各試料の感光体に
印加電圧を加えて、正に帯電させ、光源である白色ハロ
ゲン光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波
長780nm(半値幅20nm)の単色光を用いて電子写真
特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0043】表中のV1は電圧を印加して感光体を帯電
させたときの感光体の初期表面電位を示し、V2は露光
開始後0.8秒経過後の表面電位を残留電位として測定
したものである。また、E1/2は初期表面電位V1が
1/2に減衰した時の半減露光量である。
【0044】
【表1】
【0045】表1から、本発明の化合物を電子輸送剤と
して使用した試料No.1,2および5の感光体は、残
留電位が低下していることから、高い感度を有している
ことがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の化合物は、電子輸送性に優れて
いるという効果がある。そのため、本発明の化合物を電
子輸送剤として使用した電子写真感光体は感度にすぐれ
ているという効果がある。またとくに、本発明の化合物
を電子輸送剤として、電荷発生剤であるフタロシアニン
系顔料と併用した電子写真感光体は、700nm以上の
波長を有する光源を使用したデジタル光学系の画像形成
装置に使用した際に、高感度であるという効果がある。
したがって、本発明の感光体を使用すると、複写機やプ
リンター等の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得た生成物の赤外線吸収スペクトルで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 314 B 316

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一または異なって、アルキ
    ル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。mおよ
    びnはそれらの総和が0〜4となる整数である。)で表
    されるトリニトロフルオレノンイミン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に有機感光層を設けた電子写
    真感光体であって、前記有機感光層が、結着樹脂中に、
    電子輸送剤として下記一般式で表されるトリニトロフル
    オレノンイミン誘導体を含有したことを特徴とする電子
    写真感光体。 【化2】 (式中、R1 およびR2 は同一または異なって、アルキ
    ル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。mおよ
    びnはそれらの総和が0〜4となる整数である。)
  3. 【請求項3】電荷発生剤として、フタロシアニン系顔料
    を含有した請求項2記載の電子写真感光体。
JP6086937A 1994-04-25 1994-04-25 トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体 Pending JPH07291925A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001247452A (ja) * 2000-02-19 2001-09-11 Goldschmidt Ag 化粧用および医薬用水中油型エマルション

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