JPH07233134A - トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体 - Google Patents

トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体

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JPH07233134A
JPH07233134A JP2698494A JP2698494A JPH07233134A JP H07233134 A JPH07233134 A JP H07233134A JP 2698494 A JP2698494 A JP 2698494A JP 2698494 A JP2698494 A JP 2698494A JP H07233134 A JPH07233134 A JP H07233134A
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JP2698494A
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English (en)
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Hirobumi Kawaguchi
博文 川口
Yasushi Mizuta
泰史 水田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式: 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を示す。nは0〜4の整数である。)で表されるト
リニトロフルオレノンイミン誘導体である。この化合物
は、例えば電子輸送剤として有機感光層に含有され
る。。 【効果】 電子輸送能にすぐれる。従って、この化合物
を含有した電子写真感光体は感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なトリニトロフル
オレノンイミン誘導体および複写機、レーザープリンタ
ー等に使用される電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
時、700nm以上の波長を有する光源を使用したデジ
タル光学系の電子写真複写機においては、前記波長領域
に感度を有する有機感光体(OPC)が多く使用されて
いる。有機感光体としては、電荷発生層と電荷輸送層と
を積層した所謂機能分離型の有機感光体、すなわち積層
型の感光体が多いが、電荷発生物質と電荷輸送物質とを
感光層中に分散させた単層型の有機感光体も知られてい
る。
【0003】これらの感光体に使用される電荷輸送物質
としては、キャリヤ移動度の高いものが要求されている
が、キャリヤ移動度の高い電荷輸送物質は殆どが正孔輸
送性であるため、実用に供されているものは、機械的強
度面から最外層に電荷輸送層を設けた負帯電型の積層型
有機感光体に限られている。しかしながら、負帯電型の
有機感光体では、負極性コロナ放電を利用するため、オ
ゾンの発生量が多く、従って環境を汚染したり、感光体
を劣化させるなどの問題があった。
【0004】そこで、このような欠点を排除するため
に、電荷輸送物質として電子輸送剤を使用することが検
討されており、特開平1−206349号公報には、ジ
フェノキノン構造を有する化合物を電子写真感光体用の
電子輸送剤として使用することが提案されている。しか
しながら、一般に、ジフェノキノン類等の電子輸送剤
は、電荷発生剤とのマッチングが困難であるため、電荷
発生剤から電子輸送剤への電子注入が不十分であり、そ
のため光感度が充分でなかった。また、単層型の有機感
光層では、ジフェノキノンと正孔輸送剤との相互作用に
より電子の輸送が阻害されるという問題があった。
【0005】また、感光体の帯電極性に関しては、1つ
の感光体を正帯電および負帯電の両方に用いることがで
きれば、感光体の応用範囲を広げることができる。ま
た、有機感光体を単層の分散型で使用できれば、感光体
の製造が容易になり、被膜欠陥の発生を防止し、光学的
特性を向上させる上でも多くの利点がある。本発明の主
たる目的は、上述の技術的課題を解決し、電子写真感光
体などの電子輸送剤として好適な新規化合物を提供する
ことである。
【0006】本発明の他の目的は、電荷発生剤からの電
子の注入と輸送がスムーズに行われ、従来よりも感度が
向上した電子写真感光体を提供することである。本発明
のさらに他の目的は、とくに正帯電が可能な電子写真感
光体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を達成すべく鋭意研究を行った結果、一般
式:
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Rはアルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を示す。nは0〜4の整数である。)
で表されるトリニトロフルオレノンイミン誘導体が従来
のジフェノキノン系化合物よりも高い電子輸送能を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明に
おける前記一般式で表される化合物は、溶剤への溶解性
および結着樹脂との相溶性が良好であると共に、電荷発
生剤とのマッチングに優れ電子の注入が円滑に行われ、
特に低電界での電子輸送性に優れている。
【0010】従って、本発明の前記一般式で表されるト
リニトロフルオレノンイミン誘導体を電子輸送剤として
電子写真感光体に使用するときは、高感度な有機感光体
を提供することができる。また、本発明の化合物は発ガ
ン性などに対しても安全である。さらに、本発明の化合
物は、その高い電子輸送能を利用して、太陽電池、EL
素子などの用途にも使用することができる。
【0011】前記一般式において示される各基を具体的
に説明する。前記アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、n-プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ペン
チル、ヘキシル基などの炭素数が1〜6のアルキル基が
あげられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ基などの炭素数が1〜6のアルコキ
シ基が、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフ
チル基などがあげられる。
【0012】ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素があげられる。この誘導体は、例えば下記反
応行程式で示すように、2,4,7−トリニトロフルオ
レノンとナフチルアミンまたはその誘導体とを、溶媒中
にて縮合させることによって合成することができる。溶
媒としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどをあげることができる。
また、必要に応じて塩化亜鉛などの適当な触媒の存在下
で反応を行わせてもよい。反応は通常、30〜170℃
の温度で20分ないし4時間程度行えばよい。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R、nは前記と同じである。) 本発明の化合物のうち、最も構造式が簡単な誘導体は前
記一般式において、nが0である化合物であり、この化
合物は後述の実施例に記載のように高い電子輸送能を示
すが、nが1〜4の整数である本発明の他の化合物にお
いても同様の高い電子輸送能を示すと共に、溶剤への溶
解性や結着樹脂との相溶性がより一層向上するという利
点がある。
【0015】本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に有機感光層を設けたものであって、この有機感光層
が、結着樹脂中に、電子輸送剤として前記一般式で表さ
れるトリニトロフルオレノンイミン誘導体を含有したこ
とを特徴とする。前記有機感光層は、電子輸送剤と共
に、電荷発生剤、正孔輸送剤を含有した単層型である場
合と、電荷輸送層と電荷発生層とを含む積層型である場
合とがある。また、本発明の感光体は正帯電型および負
帯電型のいずれもが可能であるが、とくに正帯電型で使
用するのが好ましい。
【0016】正帯電型感光体においては、露光工程にお
いて電荷発生剤から放出された電子が前記一般式で表さ
れる電子輸送剤にスムーズに注入され、ついで電子輸送
剤間での電子の授受により電子は感光層の表面に移動し
て、あらかじめ感光層表面に帯電させた正電荷(+)を
打ち消す。一方、正孔(+)は正孔輸送剤に注入され
て、途中でトラップされることなく、導電性基体の表面
に移動し、あらかじめ導電性基体の表面に帯電させた負
電荷(−)により打ち消される。このようにして、正帯
電型の感光体の感度が向上するものと考えられる。
【0017】前記正孔輸送剤としては、従来公知の正孔
輸送物質が使用され、例えば2,5−ジ(4−メチルア
ミノフェニル)、1,3,4−オキサジアゾール等のオ
キサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノス
チリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニ
ルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシ
ラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラ
ゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドー
ル系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール
系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合
物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリ
アゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化
合物等があげられる。
【0018】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。また、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要でない。前記正孔輸送剤の中で
も、特にイオン化ポテンシャルが5.0〜5.6eVの
ものが好ましく使用される。また、電界強度3×10-5
V/cmで10-6Vcm以上の移動度を有するものが特
に好ましい。具体的には、アルキル置換トリフェニルジ
アミン誘導体が好ましい。
【0019】本発明に用いられる好適な正孔輸送剤とし
ては、とくに限定されるものではないが、例えば1,1
−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、N,N′−ビス(2,4
−ジメチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジ
ン、3,3′−ジメチル−N,N,N′,N′−テトラ
キス−4−メチルフェニル(1,1′−ビフェニル)−
4,4′−ジアミン、N−エチル−3−カルバゾリルア
ルデヒド−N,N′−ジフェニルヒドラゾン、4−
〔N,N−ビス(p−トルイル)アミノ〕−β−フェニ
ルスチルベン等があげられる。
【0020】前記イオン化ポテンシャルの値は、大気下
光電子分析装置(理研計器(株)製のAC−1)を用い
て測定したものである。本発明において、正孔輸送剤と
して、イオン化ポテンシャルが前記範囲内にあるものを
用いることによって、より一層残留電位を低下させ、感
度を向上させ得る。その理由は必ずしも明らかではない
が、以下のようなものと考えられる。
【0021】すなわち、電荷発生剤から正孔輸送剤への
電荷の注入のし易さは正孔輸送剤のイオン化ポテンシャ
ルと密接に関係しており、正孔輸送剤のイオン化ポテン
シャルが前記範囲よりも大きい場合には、電荷発生剤か
ら正孔輸送剤への電荷の注入の程度が低くなるか、ある
いは正孔輸送剤間での正孔の授受の程度が低くなるた
め、感度の低下が生じるものと認められる。
【0022】一方、正孔輸送剤と電子輸送剤とが共存す
る系では、両者の間の相互作用、より具体的には電荷移
動錯体の形成に注意する必要がある。両者の間にこのよ
うな錯体が形成されると、正孔と電子との間に再結合が
生じ、全体として電荷の移動度が低下する。正孔輸送剤
のイオン化ポテンシャルが前記範囲よりも小さい場合に
は、電子輸送剤との間に錯体を形成する傾向が大きくな
り、電子−正孔の再結合が生じるために、見掛けの量子
収率が低下し、感度の低下に結びつくものと思われる。
【0023】従って、電子輸送剤としては、できるだけ
嵩高い置換基を導入したものを使用して、立体障害によ
り正孔輸送剤との間での錯体の形成を抑制するのが好ま
しい。そのような意味でも、置換基を有することのある
嵩高いナフチル基が結合した本発明の化合物を使用する
のが好ましいと言える。本発明において使用される電荷
発生剤としては、例えばセレン、セレン−テルル、アモ
ルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスア
ゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシアニン系顔
料、ペリレン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、インジ
ゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、
トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系
顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料等があげられ
る。これらの電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有
するように、一種または二種以上を混合して用いること
ができる。その際、正孔輸送剤としてイオン化ポテンシ
ャルが5.0〜5.6eVのものを使用することに関連
して、電荷発生剤としても、正孔輸送剤とバランスした
イオン化ポテンシャルを有するもの、具体的にはイオン
化ポテンシャルが5.0〜5.6eV、特に5.32〜
5.38eVの範囲にあるものを用いるのが残留電位の
低減、感度の向上の上で望ましい。特に好適な電荷発生
剤としては、X型無金属フタロシアニン、オキソチタニ
ルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が例示され
る。
【0024】上記の各成分を分散させるための結着樹脂
としては、従来より有機感光層に使用されている種々の
樹脂を使用することができ、例えばスチレン系重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アク
リル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマ
ー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタ
レート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂
や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹
脂、さらにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレ
ート等の光硬化性樹脂等があげられる。これらの結着樹
脂は1種または2種以上を混合して用いることができ
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル、ア
ルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0025】本発明において、電荷発生剤は結着樹脂1
00重量部に対して0.5〜10重量部、とくに0.5
〜5重量部の割合で感光層に配合するのがよい。正孔輸
送剤は、結着樹脂100重量部に対して5〜100重量
部、とくに50〜80重量部の割合で感光層中に含有さ
れるのがよい。前記電子輸送剤は結着樹脂100重量部
に対して5〜100重量部、とくに10〜80重量部の
割合で配合するのがよい。
【0026】また、感光層には、電子写真特性に悪影響
を与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、例え
ば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、
紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改
質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセ
プター、ドナー等を配合することができる。また、感光
層の感度を向上させるために、例えばターフェニル、ハ
ロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を
電荷発生剤と併用してもよい。
【0027】また、前記一般式で表される化合物と共
に、従来公知の他の電子輸送剤を感光層に含有させても
よい。このような電子輸送剤としては、例えばベンゾキ
ノン系、ジフェノキノン系、マロノニトリル、チオピラ
ン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリ
ニトロチオキサントン、3,4,5,7−テトラニトロ
−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、ジニト
ロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジ
ン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン
酸等があげられる。
【0028】本発明の感光体に使用される導電性基体と
しては、導電性を有する種々の材料を使用することがで
き、例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジ
ウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッ
ケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等
の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされた
プラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸
化インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0029】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。本発明における感光層は、前記した各成
分を含む樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散した塗布液
を導電性基体上に塗布、乾燥して製造される。
【0030】本発明における前記電子輸送剤の使用によ
る効果は、単層型感光体において顕著に現れる。本発明
の単層型感光体は正帯電および負帯電のいずれにも適用
可能であるが、とくに正帯電型で使用するのが好まし
い。単層型感光体において、感光層の厚さは5〜50μ
m、特に10〜40μm程度に形成するのが好ましい。
【0031】また、積層型の感光体を得るには、導電性
基体上に、電荷発生材料を単独で蒸着させて電荷発生層
を形成するか、塗布等の手段により電荷発生材料と結着
樹脂と要すれば正孔輸送剤とを含有する電荷発生層を形
成し、この電荷発生層上に、電子輸送剤として本発明の
化合物と結着樹脂とを含有する電荷輸送層を形成すれば
よい。また、上記とは逆に、導電性基体上に電荷輸送層
を形成し、次いで電荷発生層を形成してもよい。
【0032】積層感光体において、電荷発生層を構成す
る電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
発生材料5〜1000重量部、特に30〜500重量部
の割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する電
荷輸送材料と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しな
い範囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で使用す
ることができるが、光照射により電荷発生層で生じた電
荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に
対して、電荷輸送材料10〜500重量部、特に25〜
200重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0033】また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生
層が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に
形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、特に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
単層型感光体においては、導電性基体と感光層との間
に、また、積層型感光体においては、導電性基体と電荷
発生層との間に、または導電性基体と電荷輸送層との間
に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成さ
れていてもよい。また、感光層の表面には、保護層が形
成されていてもよい。
【0034】上記感光層を塗布の方法により形成する場
合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、結着
樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、
ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェー
カーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して分散
液を調製し、これを公知の手段により塗布、乾燥すれば
よい。
【0035】分散液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢
酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルム
アルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上
を混合して用いることができる。
【0036】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。 実施例 N−(2,4,7−トリニトロフルオレニリデン)−α
−ナフチルアミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.86g(9.
07ミリモル)とα−ナフチルアミン1.3g(9.0
8ミリモル)とを酢酸50mlに溶解し、110℃で2
時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析出し
た結晶を水洗した。結晶を乾燥後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:2で
溶出)で精製して、濃茶色の粉末である標記化合物1.
7g(収率43%)を得た。
【0038】この生成物の融点は131℃であった。ま
た、この生成物の赤外吸収スペクトルを図1に示す。 (電子輸送能の評価)実施例で得た化合物の電子輸送能
をTOF法で評価した。その結果、この化合物は、電界
強度3×105 V/cmで7.25×10-7cm2 /V
・秒の移動度を示し、高い電子輸送能を有することが判
明した。 (感光体の作製)感光体として以下の試料No.1〜4
を作製した。試料No.1 電子輸送剤として実施例で得た化合物を使用し、電荷発
生剤としてX型メタルフリーフタロシアニン(Ip=
5.38eV)を使用し、正孔輸送剤として、N,N,
N′,N′−テトラキス(4−メチルフェニル)−3,
3′−ジメチルベンジジン(Ip=5.56eV)を使
用した。また、結着樹脂としてポリカーボネートを使用
し、これらの材料を所定量のジクロロメタンにボールミ
ルで混合分散し、単層型感光層塗布液を調製した。つい
で、この塗布液をアルミニウム箔上にワイヤーバーにて
塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥して、膜厚1
5〜20μmの単層型電子写真感光体を作製した。
【0039】 (成分) (重量部) 電荷発生剤 1 正孔輸送剤 60 電子輸送剤 40 結着樹脂 100試料No.2 電子輸送剤を含有しないほかは、試料No.1と同様に
して単層型電子写真感光体を作製した。試料No.3 電子輸送剤として実施例で得た化合物に代えて2,6−
ジメチル−2′,6′−ジt−ブチル−4,4′−ジフ
ェノキノンを使用したほかは、試料No.1と同様にし
て単層型電子写真感光体を作製した。試料No.4 電荷発生剤として試料No.1で使用したのと同じ化合
物を100重量部、結着樹脂としてポリビニルブチラー
ル樹脂を100重量部および溶剤として所定量のテトラ
ヒドロフランをボールミルで混合分散し、電荷発生層用
塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウム箔上にワ
イヤーバーにて塗布した後、100℃で60分間熱風乾
燥することにより、膜厚約1μmの電荷発生層を形成し
た。
【0040】一方、電子輸送剤として実施例で得た化合
物を100重量部、結着樹脂としてポリカーボネート樹
脂100重量部および溶剤として所定量のトルエンをボ
ールミルで混合分散し、電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この塗布液を前記電荷発生層上にワイヤーバーにて
塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥することによ
り、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、正帯電型の積
層感光体を作製した。 (電子写真感光体の評価)静電複写試験装置(川口電機
社製のEPA−8100)を用いて、各試料感光体に印
加電圧を加えて、正に帯電させ、光源として白色ハロゲ
ン光を用いて電子写真特性を測定した。その結果を表1
に示す。
【0041】表中のV1は電圧を印加して感光体を帯電
させたときの感光体の初期表面電位を示し、V2は露光
開始後0.8秒経過後の表面電位を残留電位として測定
したものである。また、E1/2は初期表面電位V1が
1/2に減衰した時の半減露光量である。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、本発明の化合物を電子輸送剤と
して使用した試料No.1および4の感光体は、残留電
位が低下していることから、高い感度を有していること
がわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の化合物は、電子輸送性にすぐれ
ているという効果がある。そのため、本発明の化合物を
電子輸送剤として使用した電子写真感光体は感度にすぐ
れているという効果がある。従って、本発明の感光体を
使用すると、複写機やプリンター等の高速化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得た生成物の赤外線吸収スペクトルで
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を示す。nは0〜4の整数である。)で表されるト
リニトロフルオレノンイミン誘導体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化2】 (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を示す。nは0〜4の整数である。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】追加
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【化3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【化4】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。また、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要でない。前記正孔輸送剤の中で
も、特にイオン化ポテンシャルが5.0〜5.6eVの
ものが好ましく使用される。また、電界強度3×10
V/cmで1×10−6cm/V・秒以上の移動度を
有するものが特に好ましい。具体的には、アルキル置換
トリフェニルジアミン誘導体が好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
    原子を示す。nは0〜4の整数である。)で表されるト
    リニトロフルオレノンイミン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に有機感光層を設けた電子写
    真感光体であって、前記有機感光層が、結着樹脂中に、
    電子輸送剤として下記一般式で表されるトリニトロフル
    オレノンイミン誘導体を含有したことを特徴とする電子
    写真感光体。 【化2】 (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
    原子を示す。nは0〜4の整数である。)
JP2698494A 1994-02-24 1994-02-24 トリニトロフルオレノンイミン誘導体および電子写真感光体 Pending JPH07233134A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0690351A3 (ja) * 1994-05-31 1996-01-17 Mita Industrial Co Ltd

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EP0690351A3 (ja) * 1994-05-31 1996-01-17 Mita Industrial Co Ltd

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