JPH07291727A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
- Publication number
- JPH07291727A JPH07291727A JP6084512A JP8451294A JPH07291727A JP H07291727 A JPH07291727 A JP H07291727A JP 6084512 A JP6084512 A JP 6084512A JP 8451294 A JP8451294 A JP 8451294A JP H07291727 A JPH07291727 A JP H07291727A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- piezoelectric
- piezoelectric ceramic
- resonance frequency
- ceramic composition
- Prior art date
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- Pending
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温焼成可能で安定した圧電特性を示す圧電
磁器組成物を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明の圧電磁器組成物はPb(Sn1/3N
b2/3)A(Zn1/3Nb 2/3)BTiCZrDO3(但しA=
0.01〜0.05,B=0.01〜0.07,C=
0.43〜0.52,D=0.45〜0.54;A+B
+C+D=1)で表される主成分にCuO:0.05〜
0.70重量%とCr2O3:0.05〜0.30重量%
添加含有させたものである。
磁器組成物を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明の圧電磁器組成物はPb(Sn1/3N
b2/3)A(Zn1/3Nb 2/3)BTiCZrDO3(但しA=
0.01〜0.05,B=0.01〜0.07,C=
0.43〜0.52,D=0.45〜0.54;A+B
+C+D=1)で表される主成分にCuO:0.05〜
0.70重量%とCr2O3:0.05〜0.30重量%
添加含有させたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば発振子、フィル
タ、表面波素子などに適した圧電磁器組成物に関するも
のである。
タ、表面波素子などに適した圧電磁器組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より圧電磁器組成物としてはチタン
酸バリウム磁器、ジルコン酸チタン酸鉛磁器、マグネシ
ウムニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器、および亜鉛ニ
オブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器などがあり、使用目的
に応じて種々の改良がなされてきた。
酸バリウム磁器、ジルコン酸チタン酸鉛磁器、マグネシ
ウムニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器、および亜鉛ニ
オブ酸チタン酸ジルコン酸鉛磁器などがあり、使用目的
に応じて種々の改良がなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の圧電磁器組成物の焼成温度は1200〜1300℃と
高く、この焼成温度を下げるために微粒子原料を使用し
たとしても、焼成温度は1100℃を下ることはなかっ
た。したがって焼成時の酸化鉛の蒸発が著しく、緻密化
が阻害されたり、また仮に十分な焼結がなされたとして
も組成のばらつきを生じやすく、結果的に磁器の圧電特
性がばらつくという問題点を有していた。
の圧電磁器組成物の焼成温度は1200〜1300℃と
高く、この焼成温度を下げるために微粒子原料を使用し
たとしても、焼成温度は1100℃を下ることはなかっ
た。したがって焼成時の酸化鉛の蒸発が著しく、緻密化
が阻害されたり、また仮に十分な焼結がなされたとして
も組成のばらつきを生じやすく、結果的に磁器の圧電特
性がばらつくという問題点を有していた。
【0004】さらに従来の圧電磁器組成物では温度が上
昇した場合にキューリー点よりも約100℃も低い温度
より徐々に熱による分極劣化を生じ、それに伴って圧電
特性も低下することから圧電磁器の使用上限温度がキュ
ーリー点よりも遙かに低い200℃付近に限定されると
いう問題点を有していた。
昇した場合にキューリー点よりも約100℃も低い温度
より徐々に熱による分極劣化を生じ、それに伴って圧電
特性も低下することから圧電磁器の使用上限温度がキュ
ーリー点よりも遙かに低い200℃付近に限定されると
いう問題点を有していた。
【0005】一方従来のセラミックフィルター、セラミ
ック発振子等の圧電共振子応用部品ではリード線付き樹
脂モールドタイプやプラスティックケーシングタイプが
主流であり半田付け実装時の圧電素子温度は200℃以
下に抑えられていたが、最近増えてきている表面実装タ
イプのチップ部品では半田付け実装時に圧電素子自体が
250℃近くの高温にさらされるため従来の圧電材料で
は対応できなかった。また従来の圧電磁器組成物は共振
周波数の変化率
ック発振子等の圧電共振子応用部品ではリード線付き樹
脂モールドタイプやプラスティックケーシングタイプが
主流であり半田付け実装時の圧電素子温度は200℃以
下に抑えられていたが、最近増えてきている表面実装タ
イプのチップ部品では半田付け実装時に圧電素子自体が
250℃近くの高温にさらされるため従来の圧電材料で
は対応できなかった。また従来の圧電磁器組成物は共振
周波数の変化率
【0006】
【外1】
【0007】が±0.2%以上あり実用上大きな問題と
なっていた。
なっていた。
【0008】さらに従来の圧電磁器組成物は実用上に重
要な信頼性の一つである温度サイクル前後で共振周波数
が変化するという問題があった。これにより動作時と非
動作時での内部温度変化の大きな電子機器に上記圧電磁
器組成物を使用した発振子、フィルター等の電子デバイ
スを搭載すると周波数がずれて誤動作する危険性を内在
していた。
要な信頼性の一つである温度サイクル前後で共振周波数
が変化するという問題があった。これにより動作時と非
動作時での内部温度変化の大きな電子機器に上記圧電磁
器組成物を使用した発振子、フィルター等の電子デバイ
スを搭載すると周波数がずれて誤動作する危険性を内在
していた。
【0009】本発明は上記従来の問題を解決し、低温焼
成可能な圧電特性の安定した優れた圧電磁器組成物を提
供することを目的とするものである。
成可能な圧電特性の安定した優れた圧電磁器組成物を提
供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の圧電磁器組成物は一般式Pb(Sn1/3Nb
2/3)A(Zn1/3Nb2/3)BTiCZrDO3(但しA=
0.01〜0.05,B=0.01〜0.07,C=
0.43〜0.52,D=0.45〜0.54;A+B
+C+D=1)で表される主成分にCuO:0.05〜
0.70重量%とCr2O3:0.05〜0.30重量%
を添加含有させたものである。
に本発明の圧電磁器組成物は一般式Pb(Sn1/3Nb
2/3)A(Zn1/3Nb2/3)BTiCZrDO3(但しA=
0.01〜0.05,B=0.01〜0.07,C=
0.43〜0.52,D=0.45〜0.54;A+B
+C+D=1)で表される主成分にCuO:0.05〜
0.70重量%とCr2O3:0.05〜0.30重量%
を添加含有させたものである。
【0011】
【作用】主成分に副成分としてCuOを0.05〜0.
70重量%添加することにより組成物の焼成温度を低下
させると同時に結晶粒成長を抑制し、気孔率を下げるこ
とができる。その結果、弾性波の減衰率が低下し圧電特
性が向上する。またCr 2O3を0.05〜0.30重量
%を添加することにより熱サイクル前後での共振周波数
および圧電特性の経時変化を少なくすることができる。
70重量%添加することにより組成物の焼成温度を低下
させると同時に結晶粒成長を抑制し、気孔率を下げるこ
とができる。その結果、弾性波の減衰率が低下し圧電特
性が向上する。またCr 2O3を0.05〜0.30重量
%を添加することにより熱サイクル前後での共振周波数
および圧電特性の経時変化を少なくすることができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例について具体的に説明
する。
する。
【0013】原料としてPbO,TiO2,ZrO2,S
nO2,ZnO2,Nb2O5,CuO,Cr2O3を(表
1)の組成となるように正確に秤量し、ボールミルによ
りよく混合した。
nO2,ZnO2,Nb2O5,CuO,Cr2O3を(表
1)の組成となるように正確に秤量し、ボールミルによ
りよく混合した。
【0014】
【表1】
【0015】次に前記混合物を850℃の温度で仮焼
し、さらにボールミルにより粉砕した。これを乾燥した
後、結合剤としてポリビニールアルコール水溶液を加
え、造粒し、そして1ton/cm2の圧力で加圧成形し、直
径20mm−厚み1mmの成形体を得た。ここで得られた成
形体を閉炉中で1000〜1250℃の温度で1時間焼
成し、得られた圧電磁器より図1に示すように円板拡が
り振動共振子を以下のように作成した。
し、さらにボールミルにより粉砕した。これを乾燥した
後、結合剤としてポリビニールアルコール水溶液を加
え、造粒し、そして1ton/cm2の圧力で加圧成形し、直
径20mm−厚み1mmの成形体を得た。ここで得られた成
形体を閉炉中で1000〜1250℃の温度で1時間焼
成し、得られた圧電磁器より図1に示すように円板拡が
り振動共振子を以下のように作成した。
【0016】円板状の圧電磁器1をラッピングにより磁
器厚みを0.5mmとした後両面に振動電極2として銀電
極を焼き付け、100℃のシリコンオイル中で3kV/mm
の直流電界を30分間印加し分極処理し、共振子を得
た。これらの試料につき密度ρ、誘電率ε33 T/ε0、電
気機械結合係数KP、機械的品質係数Qmおよび共振周波
数変化率
器厚みを0.5mmとした後両面に振動電極2として銀電
極を焼き付け、100℃のシリコンオイル中で3kV/mm
の直流電界を30分間印加し分極処理し、共振子を得
た。これらの試料につき密度ρ、誘電率ε33 T/ε0、電
気機械結合係数KP、機械的品質係数Qmおよび共振周波
数変化率
【0017】
【外2】
【0018】を測定した。耐熱性は共振子を各種温度で
15分間保持しKPの値が初期値の90%以上の値を示
す温度の最大値とした。また温度サイクル(−40℃,
30min⇔80℃,30min;100サイクル)前後での
共振周波数の変動frドリフト((fr−fr 0)/fr 0の
値;%)も上記円板共振子により測定した。
15分間保持しKPの値が初期値の90%以上の値を示
す温度の最大値とした。また温度サイクル(−40℃,
30min⇔80℃,30min;100サイクル)前後での
共振周波数の変動frドリフト((fr−fr 0)/fr 0の
値;%)も上記円板共振子により測定した。
【0019】これらの測定結果を圧電磁器の最大緻密化
温度(焼成温度)とともに(表2)に示す。
温度(焼成温度)とともに(表2)に示す。
【0020】
【表2】
【0021】(表2)を見るとわかるように本発明の圧
電磁器組成物は焼成温度が1100℃以下と低く、共振
周波数の変化率
電磁器組成物は焼成温度が1100℃以下と低く、共振
周波数の変化率
【0022】
【外3】
【0023】と温度サイクル前後で共振周波数の変化率
frドリフトもそれぞれ±0.2%以下と0.2%以下
で小さく安定している。
frドリフトもそれぞれ±0.2%以下と0.2%以下
で小さく安定している。
【0024】その上耐熱温度も255〜270℃と従来
よりずっと高い。本発明の圧電磁器組成物の主成分にお
いてA=0.01〜0.05,B=0.01〜0.0
7,C=0.43〜0.52,D=0.45〜0.54
と限定した理由は次の通りである。即ちA<0.01で
は圧電性が低く(KP<0.1)、A>0.05では耐
熱性および共振周波数温度特性が悪くなるためであり、
B<0.01では圧電性が低く(KP<0.1)、B>
0.07では耐熱性が低下するためである。そしてC<
0.43では共振周波数温度特性が悪くなり、C>0.
52では圧電性が低い(KP<0.1)ためであり、D
<0.45では圧電性が低い(KP<0.1)ため、D
>0.54では圧電性が低下するとともに共振周波数温
度特性が悪くなるためである。
よりずっと高い。本発明の圧電磁器組成物の主成分にお
いてA=0.01〜0.05,B=0.01〜0.0
7,C=0.43〜0.52,D=0.45〜0.54
と限定した理由は次の通りである。即ちA<0.01で
は圧電性が低く(KP<0.1)、A>0.05では耐
熱性および共振周波数温度特性が悪くなるためであり、
B<0.01では圧電性が低く(KP<0.1)、B>
0.07では耐熱性が低下するためである。そしてC<
0.43では共振周波数温度特性が悪くなり、C>0.
52では圧電性が低い(KP<0.1)ためであり、D
<0.45では圧電性が低い(KP<0.1)ため、D
>0.54では圧電性が低下するとともに共振周波数温
度特性が悪くなるためである。
【0025】また副成分であるCuOの添加含有量を
0.05〜0.70重量%としたのは0.05重量%未
満では焼成温度が1200℃以上必要となり、粒成長が
顕著となって圧電特性が低下し、逆に0.70重量%を
越えて添加した場合には絶縁抵抗が低下し分極が困難に
なることによる。Cr2O3の添加含有量を0.05〜
0.30重量%としたのは0.05重量%未満では温度
サイクル前後での共振周波数の変化率が0.2%以上と
大きくなり、0.30重量%を越えた場合では圧電特性
が低下するためである。
0.05〜0.70重量%としたのは0.05重量%未
満では焼成温度が1200℃以上必要となり、粒成長が
顕著となって圧電特性が低下し、逆に0.70重量%を
越えて添加した場合には絶縁抵抗が低下し分極が困難に
なることによる。Cr2O3の添加含有量を0.05〜
0.30重量%としたのは0.05重量%未満では温度
サイクル前後での共振周波数の変化率が0.2%以上と
大きくなり、0.30重量%を越えた場合では圧電特性
が低下するためである。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電磁器組成物
は、低温焼成可能で、共振周波数の温度による変化率も
小さく、安定した圧電特性をもち、その上耐熱温度も高
いので、発振子、フィルタ、表面波素子等、幅広く使用
することができる。
は、低温焼成可能で、共振周波数の温度による変化率も
小さく、安定した圧電特性をもち、その上耐熱温度も高
いので、発振子、フィルタ、表面波素子等、幅広く使用
することができる。
【図1】円板拡がり振動共振子の斜視図
1 圧電磁器 2 振動電極
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式Pb(Sn1/3Nb2/3)A(Zn
1/3Nb2/3)BTiCZrDO3(但しA=0.01〜0.
05,B=0.01〜0.07,C=0.43〜0.5
2,D=0.45〜0.54;A+B+C+D=1)で
表される主成分に、CuO:0.05〜0.70重量%
とCr2O3:0.05〜0.30重量%とを添加含有さ
せてなることを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6084512A JPH07291727A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6084512A JPH07291727A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 圧電磁器組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07291727A true JPH07291727A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=13832701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6084512A Pending JPH07291727A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07291727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5798052A (en) * | 1995-12-20 | 1998-08-25 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP6084512A patent/JPH07291727A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5798052A (en) * | 1995-12-20 | 1998-08-25 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition |
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