JPH0729111U - 建物の鋼製壁下地構造用スペーサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼製壁下地構造におけるスタッドの開口部に
嵌合的に取り付けて側方からの力に耐えられるようにス
タッドを補強するスペーサであって、スタッドの立設時
あるいは立設後において、工事中にかかるいろいろいな
荷重によっても、位置ずれや脱落を生じないようなスペ
ーサを提供する。 【構成】 袖部１ｃ，１ｃを有し、側部１ｂ，１ｂでス
タッド３の開口部４に嵌合する等、スタッド３の開口部
４，４間に嵌合できるようにしたスペーサ１であって、
袖部１ｃ，１ｃや側部１ｂ，１ｂの裏面に磁石２Ａ，２
Ｂを固着し、スタッド３のリップ部３ａ，３ａに吸着で
きるように構成するか、または、全面磁石で形成する
か、あるいは、少なくともスタッドに当接する部分を磁
石で形成して磁力でスタッドに吸着できるように構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鉄骨コンクリート造建物等における間仕切り壁の鋼製下地材のス ペーサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄骨コンクリート造建物等においては、間仕切り壁を施工するのに、図１１に 示すように、所定の床位置と、この床位置に対応する天井位置に軽溝形鋼による 長尺の下ランナー２０と上ランナー２１を固定し、これらに両ランナー２０，２ １間に、予めスペーサ２２を取り付けたリップ溝形鋼によるスタッド２３を所定 間隔で立てていき、また必要に応じて各スタッド２３間に振れ止め２４を施して 鋼製壁下地構造を構成し、さらに、その片面又は両面に石膏ボード等の仕上げボ ード２５を張着して壁体に仕上げている。

【０００３】 前記スペーサ２２は、各スタッド２３に、約６００ｍｍの上下間隔で、その開 口部２６にガタ付きや緩みがないように取り付けられて、スタッド２３が側方か らの押圧に耐えられるように、その開口部分を補強するものであり、このスペー サ２２は、鋼板を打ち抜き、折り曲げ加工してつくられ、図１２に示すように、 上下に切り欠き部２７，２８を有し、この切り欠き部２７，２８をリップ部２３ ａ，２３ａに嵌め込み、内側に折り込んだ上面部２２ａと下面部２２ｃと、外側 に位置する中央面部２２ｂとで前記リップ部２３ａ，２３ａを狭持する形に、ま た、必要に応じて下面部２２ｃの先端部をリップ面側に折曲したりして取り付け るようにされている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、スペーサ２２は、上記のように、スタッド２３のリップ部２３ ａ，２３ａを挟み付けるように取り付けられているのみなので、スタッド２３を 上下ランナー２０，２１間に立設する際、また、スタッド２３の立設後のランナ ー２０，２１との接合又は仕上げボード２５の取り付けの際等において、スタッ ド２３に捩れ、曲げ、衝撃等のいろいろいな荷重が作用して、スタッド２３とス ペーサ２２との間にガタ付きや緩みを生じ易く、スペーサ２２の位置ずれや脱落 を生じることがあった。また、このため、例えばスペーサ２２の下面部先端部の 曲げ方を工夫してスタッド２３への締め付けを厳しくすると、スペーサ２２の取 り付けが困難になるという問題もあった。

【０００５】 この考案は、このような状況に鑑み、従来の機能を損なうことなく、スタッド への取り付けが容易であると共に、スタッドの立設時あるいは立設後の工事にお いても、位置ずれや脱落を生じ難いスペーサの提供を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、この考案は、スタッドの開口部に嵌合的に取り付け るスペーサであって、前記スタッドに磁力で吸着する建物の鋼製壁下地構造用の スペーサを提案するものである。

【０００７】

【作用】

このスペーサは、全体を磁石で構成されるか、少なくとも鋼製のスタッドに当 接する面が磁石で形成されるか又は磁石を固着してあり、スタッドの開口部に嵌 合するのみで磁力によりスタッドに取り付けでき、従って、スタッドへ容易に取 り付けでき、スタッドの立設時あるいは立設後において、側方からの押圧荷重が 作用しても、また、いろいろな作用荷重により、１時的なスタッドの捩れ等変形 があっても、スペーサの磁力による吸着作用によりスタッドに容易に追随し、位 置ずれや脱落を生じ難い。

【０００８】

【実施例】

以下、実施例による図面により、この考案のスペーサについて説明する。 図１はこの考案の第１実施例によるスペーサの背面斜視図、図２は図１のスペ ーサを施したスタッドの部分斜視図、図３はこの考案の第２実施例によるスペー サの背面斜視図、図４は図３のスペーサを施したスタッドの部分斜視図、図５は この考案の第３実施例によるスペーサの背面斜視図、図６は図５のスペーサを施 したスタッドの部分斜視図、図７はこの考案の第４実施例によるスペーサの背面 斜視図、図８は図７のスペーサを施したスタッドの部分斜視図、図９はこの考案 の第５実施例によるスペーサの背面斜視図、図１０は図９のスペーサを施したス タッドの部分斜視図である。

【０００９】 図１における第１実施例のスペーサ１は、断面コ字形で幅広い底面部１ａの両 側部１ｂ，１ｂに左右方向に張り出した袖部１ｃ，１ｃを設けた形に、鋼板でつ くってある。そして、両袖部１ｃ，１ｃと両側部１ｂ，１ｂの背面側には鉤形に ゴム磁石による板状磁石２Ａ，２Ｂを固着させてあり、背面側両側部１ｂ，１ｂ 間の寸法は、この板状磁石２Ａ，２Ｂの厚さを加えて取り付けるスタッドの開口 幅ｗと同一になるようにしてある。

【００１０】 このスペーサ１は、図２のように、スタッド３の所定位置の開口部４に嵌合的 に取り付ける。即ち、スタッド３の開口部４を若干広げるような形にして、スペ ーサ１の底面部１ａを開口部４に挿入すると、このスペーサ１をその板状磁石２ Ａ，２Ｂ部分で容易にリップ部３ａ，３ａに吸着させることができる。このスペ ーサ１は簡単な構造ながら、スタッド３に取り付け後の通常工事において、一時 的なスタッド３の変形等があっても、全面的にスタッド３に対するその磁力によ る吸着性を失うことがなく、スペーサ１が位置ずれしたり脱落したりすることが 避けられる。

【００１１】 以下、スタッドについては、図２のものと同一のものであるので、符号を共用 して説明する。 図３に示す第２実施例のスペーサ５は、スタッド３と略同じ幅寸法をなす鋼板 の上面部５ａを後方側に直角に屈曲し、その作用基部にスタッド３のリップ部３ ａ，３ａを嵌め込めるコ字形の切り欠き部６，６を形成してある。また、下面部 ５ｂの左右端部即ち袖部５ｃ，５ｃの背面にゴム磁石による板状磁石７Ａ，７Ｂ を固着している。切り欠き部６，６間の寸法は、スタッド３の開口幅ｗと同寸法 である。

【００１２】 このスペーサ５は、図４のように、取り付ける。 即ち、スペーサ５は、スタッド３の長さ方向の端部からそのリップ部３ａ，３ ａにスペーサ５の切り欠き部６，６を嵌め込んで所定位置まで滑らせ、両袖部５ ｃ，５ｃをリップ部３ａ，３ａに当接させることより、板状磁石７Ａ，７Ｂの磁 力によりスタッド３に取り付けできる。

【００１３】 このスペーサ５は簡単な構造ながら、前記第１実施例のスペーサ１に較べ、ス タッド３への拘束性を強め、スペーサとしての保持性をより安定化できる効果を 有する。

【００１４】 第３実施例による図５のスペーサ８は、スタッド３の幅と略同一幅寸法の鋼板 を加工してつくられるが、図６にも示すように、上面部８ａと中央面部８ｂと下 面部８ｃとに区分して、その上面部８ａを後方に略直角に折曲し、その左右基部 に、スタッド３のリップ部３ａに嵌め込めるコ字形の切り欠き部９，９を形成し 、切り欠き部９，９間の寸法をスタッド３の開口部寸法ｗと略同一としてあり、 また、中央面部８ｂの左右端部即ち袖部８ｄ，８ｄの背面にゴム磁石による板状 磁石１０Ａ，１０Ｂを固着してある。さらに、下面部８ｃの左右端部は後方側に 折曲し、その外側面にゴム磁石による板状磁石１１Ａ，１１Ｂを固着し、スタッ ド３の開口部４に嵌め込めるようにしてある。

【００１５】 従って、このスペーサ８は、図６のように、スタッド３の長さ方向の端部から 、スタッド３のリップ部３ａ，３ａ、切り欠き部９，９を嵌め込んで所定位置ま で滑らせ、この位置において下面部８ｃをスタッド３の開口部４に嵌め込むよう に押圧することにより、板状磁石１０Ａ，１０Ｂ，１１Ａ，１１Ｂの磁力でリッ プ部３ａ，３ａに吸着的に取り付けることができる。この取り付けの際、スタッ ド３の開口部４を若干広げる状態にすると取り付け易い。

【００１６】 この第３実施例のスペーサ８は前記の第１実施例のスペーサ１及び第２実施例 のスペーサ５に比較し、さらにスタッド３への拘束性を強めたもので、安定性を 向上させることができるものである。

【００１７】 図７における第４実施例によるスペーサ１２は、断面コ字形で、底面部１２ａ から立ち上げた両側部１２ｂ，１２ｂに左右方向に張り出した袖部１２ｃ，１２ ｃを設けた形に鋼板で作ってあり、両側部１２ｂ，１２ｂの外表面間寸法は、取 り付けようとするスタッド３の開口幅ｗと同一にしてある。このスペーサ１２は 磁化により全面磁石にしてある。

【００１８】 従って、このスペーサ１２は、その底面部１２ａを、図８のように、スタッド ３の所定位置の所定位置の開口部４に挿入して、リップ部３ａ，３ａに容易に吸 着的に取り付けることができる。

【００１９】 このスペーサ１２は、各部寸法をスタッド３に直接的に合わせただけの簡単な 形状の単品として作ることができる。

【００２０】 図９の第５実施例のスペーサ１３は太い鋼線を折曲して枠状に形成したもので 、底面部１３ａを上下平行な鋼線で構成し、スタッド３の開口部４，４間の開口 幅ｗに合わせて、直角に両側部１３ｂ，１３ｂを立ち上げ、さらに、左右に直角 に折曲して袖部１３ｃ，１３ｃを形成し、この袖部１３ｃ，１３ｃの背面側にゴ ム磁石による板状磁石１４を固着させてある。

【００２１】 従って、このスペーサ１３は、図１０のように、スタッド３の開口部４，４間 に両側部１３ｂ，１３ｂを嵌め込むように押し入れることにより、袖部１３ｃ， １３ｃの板状磁石１４でスタッド３のリップ部３ａ，３ａに吸着させて取り付け ることができる。

【００２２】 このスペーサ１３は本体を鋼線で形成しているので、材料費及び加工費共安価 で済むという利点がある。

【００２３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、この考案のスペーサによれば、次の効果が得 られる。 （１）構造が簡単である。 （２）取り付けが容易である。 （３）工事中におけるスタッド側方からの押圧に対するスペーサ本来の補強機能 を維持する。 （４）着脱自在性があり、工事に伴ういろいろな荷重により、例えばスタッドに 一時的な変形があっても容易に追随でき、位置ずれや脱落を生じ難い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例によるスペーサの背面斜
視図である。

【図２】図１のスペーサを施したスタッドの部分斜視図
である。

【図３】この考案の第２実施例によるスペーサの背面斜
視図である。

【図４】図３のスペーサを施したスタッドの部分斜視図
である。

【図５】この考案の第３実施例によるスペーサの背面斜
視図である。

【図６】図５のスペーサを施したスタッドの部分斜視図
である。

【図７】この考案の第４実施例によるスペーサの背面斜
視図である。

【図８】図７のスペーサを施したスタッドの部分斜視図
である。

【図９】この考案の第５実施例によるスペーサの背面斜
視図である。

【図１０】図９のスペーサを施したスタッドの部分斜視
図である。

【図１１】従来の間仕切り壁を示す部分斜視図である。

【図１２】従来のスペーサを施したスタッドの部分斜視
図である。

【符号の説明】

１ スペーサ １ａ 底面部 １ｂ 側部 １ｃ 袖部 ２Ａ，２Ｂ 板状磁石 ３ スタッド ３ａ リップ部 ４ 開口部 ５ スペーサ ５ａ 上面部 ５ｂ 下面部 ５ｃ 袖部 ７Ａ，７Ｂ 板状磁石 ８ スペーサ ８ａ 上面部 ８ｂ 中央面部 ８ｃ 下面部 ８ｄ 袖部 ９ 切り欠き部 １０Ａ，１０Ｂ 板状磁石 １１Ａ，１１Ｂ 板状磁石 １２ スペーサ １２ａ 底面部 １２ｂ，１２ｂ 側部 １２ｃ，１２ｃ 袖部 １３ スペーサ １３ａ 底面部 １３ｂ，１３ｂ 側部 １３ｃ，１３ｃ 袖部 １４ 板状磁石

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スタッドの開口部に嵌合的に取り付ける
   スペーサであって、前記スタッドに磁力で吸着すること
   を特徴とする建物の鋼製壁下地構造用スペーサ。