JPH07290749A - サーマルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】サーマルヘッドの分割駆動において印字品質を
一定に保ち、高速印字ができる分割駆動回路を提供する
こと。 【構成】データ転送回数をプリパルスとメインパルスの
２回とし、分割したブロックを１ラインの印字に対して
高速で切り換えながら各ブロックの発熱素子へ複数回通
電することによって、各ブロックにおける通電時間を一
定にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はサーマルプリンタの分
割駆動回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタと呼ばれる感熱紙や転
写リボンを用いて熱を加えて記録紙に印字するタイプの
プリンタは、ファクシミリやバーコードプリンタなどに
使用されている。サーマルプリンタの重要な構成要素で
あるサーマルヘッドは高集積化、高精細化が進んでい
る。それにともなって、サーマルヘッドの素子数が増加
したため、印字時に必要な瞬間電力が増大してしまうと
いう問題がある。この瞬間電力の増加を防ぐために、サ
ーマルヘッドの発熱素子をｎ個のブロックに分割し、各
ブロック毎に順次印字を行い、印字時に必要な電力をｎ
分の１に抑えている。これにより、電源の小型化、製品
の小型化を可能にしている。発熱素子の蓄熱制御は、サ
ーマルヘッドに通電する時間を調整することによって行
われている。また、サーマルヘッド発熱素子の平均抵抗
値のバラツキやサーマルヘッドの温度変化によって生じ
る印字濃度の変化は、サーマルヘッドへ通電する電圧を
調整することによって防止し、均一な印字濃度を得てい
る。サーマルヘッドへの印字パルスの通電は、予備加熱
としてプリパルスを通電し、さらに印字するためのメイ
ンパルスを通電する方法で行っている。プリパルスデー
タは印字する１ライン前の情報により、前ライン印字で
通電されていない発熱素子へは予備加熱するプリパルス
を、また前ライン印字で通電された発熱素子へは予備加
熱しない。このプリパルスによりヘッド各発熱素子の蓄
熱量を一定に保つように制御している。図３は、プリパ
ルスとメインパルスの通電タイミングを示している。ス
トローブＳ１、Ｓ２、Ｓ３は、サーマルヘッドを３分割
した時の、プリパルスとメインパルスの通電タイミング
を示している。これは、サーマルヘッドの分割例であ
り、ストローブＳ１からＳｎ個のｎ個に分割したときも
同じタイミングになる。この駆動方法ではブロック毎に
プリパルスデータを転送しプリパルスの通電を行い、そ
の後メインパルスデータを転送しメインパルスの通電を
行う。Ｓ１へプリパルスデータとメインパルスデータを
転送し、次にＳ２へプリパルスデータとメインパルスデ
ータを転送し、その次にＳ３へプリパルスデータとメイ
ンパルスデータを転送しており、６回のデータ転送が行
われている。データ転送の回数が（プリパルスデータ＋
メインパルスデータ）×ｎ（分割数）と多くなり、１回
のデータ転送時間が分割数倍かかってしまい、高速印字
を行うことが難しいという欠点がある。図４は別の通電
タイミングのチャートで、上記説明したデータ転送の時
間を短縮するための例として、Ｓ１からＳ３のプリパル
スデータを転送し、続いてストローブＳ１からＳ３のメ
インパルスでデータを転送する。この駆動方法でデータ
転送は、プリパルスデータとメインパルスデータをそれ
ぞれ１回転送すれば良い。しかしながら、ストローブＳ
１、Ｓ２、Ｓ３のプリパルスからメインパルスまでの通
電時間間隔ｔ１，ｔ２，ｔ３が異なり、プリパルスを通
電し発熱素子を予備加熱しても、発熱素子のブロック毎
の放熱が一定にならず、ブロック間で印字濃度が変わっ
てしまい、印字ムラが発生するという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決し、サーマルヘッドの分割駆動において印字品
質を一定に保ち、高速印字ができる分割駆動回路を提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、サーマルプリンタの分割駆動回路におい
て、予備加熱のためのプリパルスと印字のためのメイン
パルスを通電するためのパルスを発生するパルス発生手
段と、パルス発生手段からのパルスをサーマルヘッド発
熱素子の分割されたブロックを順次切り換えて通電する
もので、１ブロックへプリパルスとメインパルスをそれ
ぞれ複数回通電するための切り換え手段を備える。

【０００５】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図５は本発明の駆動回路の概略構成を示す。インターフ
ェイス（Ｉ／Ｆ）部は、パソコンなどの制御装置から印
字データ、紙送りやテスト印字を実行させる制御コマン
ドを受け取り、制御部へ出力する。制御部は通信制御と
共に装置全体の制御を行い、Ｉ／Ｆ部から入力される印
字データをサーマルヘッド（ＨＥＡＤ）に出力する。制
御はマイクロプロセッサ等のＣＰＵと、ＣＰＵの制御プ
ログラムを格納しているＲＯＭ、ＣＰＵのワークエリア
として使用されているＲＡＭおよびヘッド通信を行うた
めの出力部（Ｉ／Ｏ）を備えている。Ｉ／Ｏより出力さ
れる印字データ信号をサーマルヘッドで電力増幅を行い
各発熱素子へ通電している。図６はサーマルヘッドの発
熱部の分割方法を示すもので、Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３のブロ
ックに分割している。各ブロックの発熱素子へは、Ｓ１
ブロック発熱素子→Ｓ２ブロック発熱素子→Ｓ３ブロッ
ク発熱素子と順次通電する。図１は、プリパルスデータ
とメインパルスデータの転送タイミングを示す。この駆
動方法では、Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３を１つのデータとして転
送しているため、プリパルスデータとメインパルスデー
タの転送は１ライン分のデータをそれぞれ１回転送すれ
ば良い。１ブロックへの１回のパルス通電時間は１（μ
Ｓ）程である。本実施例では１ドットに対してプリパル
ス１００回、メインパルス１５０回の通電を行って印字
している。ブロックの切り換えは１パルス毎に行なわ
れ、各ブロックの通電間隔ｔ１，ｔ２，ｔ３，ｔ４，ｔ
５，ｔ６は等間隔である。本実施例では１ラインの印字
に対してブロックの切り換えが７５０回行われている。
図２は、本実施例の理論的な発熱素子の温度上昇を表す
図である。Ｓ１が通電されている間Ｓ２，Ｓ３は通電さ
れず、Ｓ２が通電されている間はＳ１，Ｓ３は通電され
ず、Ｓ３が通電されている間Ｓ１，Ｓ２は通電されない
ので、発熱素子の温度は通電時に上昇し、通電されない
間は放熱して下がるが、Ｓ１からＳ３のブロックを高速
で切り換えているため、発熱素子はほとんど放熱せず温
度は上昇する。各ブロックの切り換えはハードウエアま
たはソフトウエアで行うことができるがハードウエアで
行った場合を例として図７に基づいて説明する。図７は
制御回路中のブロック切り換え回路の一例である。ＦＦ
１，ＦＦ２，ＦＦ３はデータ保持用の回路であり、同期
用クロックのエッジで動作する。この回路によってスト
ローブ信号が出力される。このストローブ信号により、
ヘッドへの通電をＳ１，Ｓ２，Ｓ３と切り換える。本発
明では、データ転送回数をプリパルスとメインパルスの
２回とし、さらに、分割したブロックを高速で切り換え
ながら発熱素子へ通電することによって、各ブロックに
おける通電間隔を一定にし、プリパルスの通電からメイ
ンパルスの通電までの通電時間間隔も分割した各ブロッ
クともに同じにすることができる。また、メインパルス
のみを通電し、プリパルスを通電しないときでも同様の
印字ができる。本実施例ではヘッド発熱素子を３分割し
た分割駆動例を示したが、分割数はこれに限定されず何
分割しても同様に実施できる。またパルスの通電時間、
プリパルス、メインパルスの通電回数も任意に設定で
き、各ブロックへの通電順も実施例に限定されない。

【０００６】

【発明の効果】本発明は、一ラインの印字を複数のブロ
ックに分割し、各ブロックのプリパルスとメインパルス
の通電時間間隔を一定に保つことで、発熱素子の蓄熱や
放熱を一定にすることができ、各ブロックの印字濃度が
一定になり、各ブロック間での印字ムラが発生しない。
また、データ転送はプリパルスデータとメインパルスデ
ータの２回のみで良い。これにより、印字品質を一定に
保つと共に印字速度を高速化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例におけるデータ転送とパルスタ
イミング図である。

【図２】本発明の実施例におけるヘッド温度上昇の説明
図。

【図３】従来のデータ転送とパルスタイミング図であ
る。

【図４】従来のデータ転送とパルスタイミング図であ
る。

【図５】本発明の制御概略回路図である。

【図６】サーマルプリントヘッドの分割例を示す図であ
る。

【図７】本発明のストローブの切り換え回路図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項】 サーマルプリンタの分割駆動回路におい
   て、 プリパルスとメインパルスを通電するためのパルスを発
   生するパルス発生手段と、 前記パルス発生手段からのパルスをサーマルヘッド発熱
   素子の分割されたブロックを順次切り換えて１ブロック
   へ複数回通電するための切り換え手段を有することを特
   徴とするサーマルプリンタ。