JPH07290662A - 耐熱性フィルム、接着フィルムおよび耐熱性積層フィルム - Google Patents

耐熱性フィルム、接着フィルムおよび耐熱性積層フィルム

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JPH07290662A
JPH07290662A JP9197194A JP9197194A JPH07290662A JP H07290662 A JPH07290662 A JP H07290662A JP 9197194 A JP9197194 A JP 9197194A JP 9197194 A JP9197194 A JP 9197194A JP H07290662 A JPH07290662 A JP H07290662A
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film
heat
adhesive
resistant
polyimide
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Mitsuyoshi Yokura
與倉  三好
Akihiro Kabashima
昭紘 椛島
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリイミドフィルムの少なくとも片面に耐熱
性接着剤を有する耐熱性フィルム、またはポリイミド
フィルムの少なくとも片面に耐熱性接着剤を有する2軸
配向ポリ−p−フェニレンスルファイドフィルム用接着
フィルム、あるいは2軸配向ポリ−p−フェニレンス
ルファイドフィルムの両面にポリイミドフィルムを積層
した耐熱性積層フィルムのいずれかから成ることを特徴
とする耐熱性積層フィルム。 【効果】 従来に無い耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性が優
れかつ成型が可能な耐熱性積層フィルムを確実に得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性フィルム、接着フ
ィルムおよび耐熱性積層フィルムに関するものであり、
更に詳しくは高い接着力を有し、耐衝撃性が高く、成型
可能でありかつ高温度における寸法安定性に優れる高品
位なフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性フィルムは電気絶縁材料と
して広く広範に使用されている。例えば、耐熱性フィル
ムとして代表的なポリイミドフィルムでは金属箔と積層
したフレキシブルプリント基板、フィルムキャリアテー
プなど、また、2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファ
イドフィルムでは、モータのスロットライナーやウエッ
ジほか特開昭55−35459号公報などで知られてい
る。
【0003】また、積層フィルムとしては、2軸配向ポ
リ−p−フェニレンスルファイドフィルムを中心層と
し、その両側に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン2.6ナフタレ−トなどからなる2軸配向ポリエ
ステルフィルムや、全芳香族ポリアミドフィルム、全芳
香族ポリイミドフィルムなどを、各々の厚みが中心層の
厚みの50%以下の範囲で、2液型ウレタン系接着剤を
用いた例で積層したものを、磁気記録媒体のベースフィ
ルムとして用いることが、特開昭60−80125号公
報において提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のフィルムは、下記の問題を有している。
【0005】2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイ
ドフィルムは、耐衝撃性に欠け、例えば、モーターのス
ロットライナーやウエッジとして用いる場合、フィルム
内部2層以上に剥離(デラミネーション)してしまった
り、裂けてしまったりしやすい。また、使用温度が25
0℃を越えるような時には熱収縮が生じる。ポリエステ
ルフィルムは、耐熱性に乏しい。ポリイミドフィルムは
耐熱性に富むが125μmを越えるような厚いフィルム
の製造が困難で、スロットライナーやウエッジの自動挿
入が難しいといった欠点がある。また、ポリイミドフィ
ルムは、Tgが非常に高いかまたはないため、成型が困
難であることは周知のとおりである。
【0006】また、プリント回路補強基板には、従来か
ら、ガラエポすなわちガラスクロスにエポキシ系樹脂を
含浸させ、加熱硬化させて得たものが使用されている。
そのため表面は、ガラスクロスの影響で精度がよくない
のは周知のとおりである。しかし最近、表面精度のより
高い高品位のものが要求され、このような用途には、ガ
ラエポでは満足できなくなってきている。また部品を実
装するための、スルーホールもより微細なものが求めら
れるようになってきたが、スルーホール径が小さく、約
200μm以下の加工などの時には、ドリルの先端が高
速度で硬いガラスと接触するため、細いドリルほど磨耗
が速く、ドリル交換を頻繁にしなければならなく、生産
性に問題も生じ、短寿命が問題視されるようになってき
ている。そのため、ガラエポに変わる優れた特性を持
つ、耐熱積層フィルムの開発が求められているがまだ実
用レベルのものはない。
【0007】本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み
創案されたものであって、その目的とするところは、耐
衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ成型可能な耐熱
性積層フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移
点(Tg)が60℃以上150℃以下のポリイミド系の
耐熱性接着剤を有する耐熱性フィルム、またはポリイ
ミドフィルムの少なくとも片面にポリイミド系の耐熱性
接着剤を有する二軸配向ポリフェニレンスルファイドフ
ィルム用接着フィルム、あるいは二軸配向ポリフェニ
レンスルファイドフィルムの両面にポリイミドフィルム
を積層した耐熱性積層フィルムであって、層間にポリイ
ミド系の耐熱性接着剤を有する耐熱性積層フィルムによ
って達成される。
【0009】本発明において使用されるポリイミドフィ
ルムとは特に限定されず、市販の公知ものがすべて使用
できる。例えば、“カプトン”(東レ・デュポン(株)
製)、“アピカル”(鐘淵化学(株)製)、“ユーピレ
ックス”(宇部興産(株)製)などが挙げられる。これ
らのフィルムは、放電処理など接着性改良の処理が施さ
れているのが好ましい。
【0010】本発明において使用される二軸配向ポリフ
ェニレンスルファイドフィルムとは、特に限定されず、
市販の公知のものが全て使用できるが、フィルム表面に
放電処理が施されていることが好ましい。
【0011】放電処理とは、大気圧付近で放電するいわ
ゆる常圧プラズマ処理、コロナ放電処理、または低温プ
ラズマ処理などが施されていることが好ましい。これら
の処理を施すことによって、二軸配向ポリフェニレンス
ルファイドフィルムの接着性を大幅に向上させることが
できる。
【0012】常圧プラズマ処理とは、Ar、N2 、H
e、CO2 、CO、空気、水蒸気などの雰囲気中で放電
処理する方法をいう。処理の条件は、処理装置、処理ガ
スの種類、流量、電源の周波数などによって異なるが、
適宜最適条件を選択することができる。
【0013】低温プラズマ処理は、減圧下で行なうこと
ができ、その方法としては、特に限定されないが、例え
ばドラム状電極と複数の棒状電極からなる対極電極を有
する内部電極型の放電処理装置内に被処理基材をセット
し、処理ガスを0.01〜10Torr,好ましくは、
0.02〜1Torrに調整した状態で電極間に直流あ
るいは交流の高電圧を印加して放電を行い、前記処理ガ
スのプラズマを発生させ、該プラズマに基材表面をさら
して処理する方法が挙げられる。低温プラズマ処理の条
件としては、処理装置、処理ガスの種類、圧力、電源の
周波数などによって異なるが、適宜最適条件を選択する
ことができる。上記処理ガスとしては、特に限定される
ものではないが、Ar、N2 、He、CO2 、CO、空
気、水蒸気、O2 などを単独であるいは混合して用いる
ことができる。
【0014】一方、コロナ放電処理は、低温プラズマ処
理と比較して接着性向上の効果が小さいので、積層する
耐熱性接着剤を選択する必要がある。
【0015】本発明における耐熱性接着剤とは、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂など、公知の耐熱性樹脂からなる樹脂が、単
独あるいは混合して用いることができる。耐熱性の点か
ら芳香族テトラカルボン酸とジアミン成分からなるポリ
イミド系樹脂が好ましい。より好ましくは、芳香族テト
ラカルボン酸と、ジアミン成分の50モル%以上がシロ
キサン系ジアミンからなるジアミンとを反応させて得ら
れるポリアミック酸からなる薄膜をイミド化してなるも
のであることが好ましい。
【0016】本発明において使用される芳香族テトラカ
ルボン酸としては、3,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,
3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロ
メリット酸二無水物、3,3´,4,4´ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベン
ゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ア
ントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8
−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げ
られる。これらは単独であるいは二種以上混合して用い
られる。
【0017】ジアミン成分としては、ジアミン成分中に
シロキサン系ジアミンを少なくとも50モル%以上、好
ましくは80モル%以上さらに好ましくは90モル%以
上である。
【0018】本発明において使用されるシロキサン系ジ
アミンとしては、次の一般式Iで表されるものが挙げら
れる。
【0019】NH−R−(Si(R)(R
O)−Si(R)(R)−R−NH ……I (ただし、式中nは1以上の整数を示す。またR1 およ
びR2 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキレ
ン基またはフェニレン基を示し、R3 、R4 、R5 およ
びR6 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキル
基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。) 上記一般式Iで表されるシロキサン系ジアミンの具体例
としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビ
ス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,
3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチ
ル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメ
チル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキ
サン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス
(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−
テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)
ジシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,
3−ジメチル−1、5−ビス(3−アミノプロピル)ト
リシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,
3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)ト
リシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,
3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)
トリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,
3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,
3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4
−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テ
トラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−
アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テト
ラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−ア
ミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラ
メチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミ
ノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5
−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)
トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチ
ル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサ
ン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5
−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンなどが挙
げられる。上記シロキサン系ジアミンは、単独であるい
は二種以上混合して用いられる。
【0020】シロキサン系ジアミン以外のジアミン成分
としては、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジア
ミノジフェニルスルホン、パラフェニレンジアミンなど
の公知のものが使用できる。
【0021】上記芳香族テトラカルボン酸とジアミンと
の反応は、従来公知の方法に準じて行うことができる。
例えば、略化学量論量の酸成分とジアミン成分とを、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2ピロリドン等の有機溶媒中
で、0〜80℃の温度で反応させれば良い。これらの溶
媒は、単独であるいは2種以上混合して用いられ、ポリ
アミック酸が折出しない程度であれば、ベンゼン、トル
エン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチルエチルケトン等を加えても良い。
【0022】ポリアミック酸ワニス濃度としては、特に
限定されないが、通常5〜60重量%が好ましく、10
〜40重量%が特に好ましい。
【0023】本発明における耐熱性積層フィルムは、
上記ポリイミドフィルムの少なくとも片面に上記耐熱接
着剤を塗布、乾燥した後200℃〜270℃で熱処理し
たものまたは、上記ポリイミドフィルムの少なくとも
片面に上記耐熱接着剤を塗布、乾燥した後200℃〜2
70℃で熱処理した2軸配向ポリ−p−フェニレンスル
ファイド用接着フィルム、あるいは2軸配向ポリ−p
−フェニレンスルファイドフィルムの両面にポリイミド
フィルムを積層した耐熱性積層フィルムをいう。の2
軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイドフィルムとポ
リイミドフィルムの積層は直接加熱接着してもよいが、
接着力の点から上記耐熱接着剤で積層するほうが好まし
い。
【0024】ポリイミドフィルムおよび2軸配向ポリ−
p−フェニレンスルファイドフィルムを使用して上記
の積層フィルムを得る場合の一例について詳細に説明す
る。すなわち低温プラズマ処理あるいはコロナ放電処理
したポリイミドフィルム上に、上記ポリアミック酸ワニ
スを10〜40重量%含む溶媒溶液を製膜用スリットか
ら吐出させて均一に塗工する。この塗工方法としてはロ
ールコータ、ナイフコータ、密封コータ、コンマコー
タ、ドクターブレードフロートコータなどによるものが
挙げられる。次に上記のように耐熱性樹脂フィルムに塗
工した溶液の溶媒を、通常60℃以上190℃程度の温
度で連続的または断続的に1〜60分間で加熱除去した
後、さらにイミド化するための加熱処理を行なう。イミ
ド化するための加熱処理としては200〜350℃の範
囲で1〜15分程度の短時間の加熱処理を行なうことが
好ましい。より好ましい温度範囲としては、200〜2
70℃である。次にあらかじめ低温プラズマ処理してお
いた2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイドフィル
ムの両面に上記接着剤を塗工したポリイミドフィルムの
接着剤面を重ね合わせ温度200℃乃至350℃で熱圧
着する。
【0025】ポリイミドフィルム上に形成される耐熱性
接着剤の厚みは、通常、0.1〜30μm程度である
が、目的に応じ好ましく選定すればよい。また、接着力
向上のためには、さらに加熱キュアを施したほうが好ま
しい。圧着の温度、圧力および加熱キュアの条件として
は、接着剤および樹脂の組成、膜厚などによって適宜選
択することができる。また、加熱圧着の方法は、ヒート
プレス、加熱ロールなど製造工程により、好ましいもの
を選択することができる。
【0026】また、耐熱性接着剤のガラス転移点(T
g)は、60℃以上150℃以下であることが肝要であ
る。好ましくは、130℃以下で、さらに好ましくは1
20℃以下である。60℃以下の場合には、耐熱性が不
足し、150℃以上の場合には接着可能温度が300℃
を越え、接着時に2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフ
ァイドフィルムが、溶融したり、熱収縮が大きくなり好
ましくない。
【0027】本発明にかかる耐熱性積層フィルムの使用
例の一例としては、請求項1項および請求項2項のもの
は、耐熱樹脂フィルム同志の積層、金属との積層が挙げ
られる。すなわち、銅箔と積層するフレキシブルプリン
ト基板用途、リードフレーム固定用、LOC用接着テー
プ、TAB用キャリアテープなどの種々のリードフレー
ム周辺材料に用いられる。請求項3項のものは、プリン
ト回路補強板用や成型物にした後フレキシブルプリンと
回路基板製造時の半田リフロー炉内での部品搬送用トレ
ー、モーターのスロットライナーやウエッジ用などが挙
げられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の説明で、耐衝撃性、成型性、耐熱性、耐薬品
性はそれぞれ次の方法で評価および測定したものであ
る。
【0029】耐衝撃性 スコット型モミ試験機(東洋ボールドウイン社製)を用
いて測定した。試料を装置に取り付け圧着させた状態で
往復運動をあたえ、フィルムが剥離層を発生するまでの
揉回数で表わす。なお、試料は積層フィルムの長手方向
で測定し、圧着加重は0.5kgとした。 成型性 真空成型機で図−1に示す寸法の雌型で成型性を調べ
た。
【0030】[成型条件] 加熱温度;275℃、減圧時間5分、冷却温度(取り出
し温度)100℃以下
【0031】耐薬品性 20mm角に切った積層フィルムの試料を、25℃のキ
シレン中に30分間浸漬した後、接着界面の外観変化を
調べた。
【0032】耐熱性 積層フィルムを、270℃の半田浴上で30秒加熱した
後の室温における180度剥離強度を測定した。
【0033】実施例1 温度計、攪拌装置、還流コンデンサおよび乾燥N2 吹込
口を供えた300mlの4口フラスコにN,N−ジメチ
ルアセトアミド112.5g入れ窒素気流下で1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)ジシロキサン16.2g(99mol%)および
p−フェニレンジアミン0.07g(1mol%)を溶
解したあと、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物21.22g(100mol%)
を加え、10℃で1時間攪拌を続けた。その後50℃で
3時間攪拌して反応させポリアミック酸ワニスを得た。
【0034】該ワニスをあらかじめAr雰囲気中で低温
プラズマ処理した25μmのポリイミドフィルム(東レ
・デュポン(株)製“カプトン”)に乾燥後の膜厚が3
μmになるように塗工し、130℃で3分乾燥、さらに
150℃で3分乾燥、さらに200℃で3分乾燥した。
該塗工品をイミド化するため、230℃で3分加熱処理
を施した。
【0035】上記作製フィルムの接着剤塗工面を、あら
かじめAr雰囲気中で低温プラズマ処理した125μm
の2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイドフィルム
(東レ(株)製“トレリナ”)の両面に重ね合わせ、温
度240℃、線圧5kg/cm、速度0.5m/分で張
り合わせた。さらに、窒素雰囲気中で最終温度230℃
のステップキュアし、積層フィルムを得た。
【0036】上記で作成した積層フィルムの耐衝撃性、
成型性、耐薬品性および耐熱性を測定した。結果を表1
に示す。この結果から本発明品の耐熱積層フィルムだけ
がポリイミドフィルムが有する優れた耐熱性を有し、か
つPPSの特徴である成型性をも合わせ持つ特性を有す
ることが分かる。
【0037】実施例2 実施例1で用いたArプラズマ処理した厚み125μm
の2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイドフィルム
の両面に、実施例1と同じ接着剤を乾燥、イミド化後の
厚みが3μmに成るように塗工した。該フィルムの両面
に、Ar雰囲気中で低温プラズマ処理した25μmのポ
リイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製“カプト
ン”)を重ね合わせた後、温度240℃、線圧5kg/
cm、速度0.5m/分で張り合わせた。さらに、窒素
雰囲気中で最終温度230℃のステップキュアし、積層
フィルムを得た。
【0038】上記で作成した積層フィルムの耐衝撃性、
成型性、耐薬品性および耐熱性を測定した。結果を表1
に示す。この結果から本発明品の耐熱積層フィルムだけ
がポリイミドフィルムが有する優れた耐熱性を有し、か
つPPSの特徴である成型性をも合わせ持つ特性を有す
ることが分かる。
【0039】比較例1 [接着剤の調整]東洋モートン社製耐熱性ポリウレタン
接着剤“アドコート”76P−1(主剤と硬化剤の混合
比を100/8とし酢酸エチルを溶剤として固形分濃度
が30重量%になるように調整した)● [積層フィルムの調整]実施例1と同じポリイミドフィ
ルムの表面にバーコータで、上記で調整した接着剤をコ
ーティングした。用材の乾燥は、80℃3分であり、接
着剤の厚みは硬化後で5μmになるように調整した。該
積層フィルムの接着剤塗工面と、実施例1で用いたと同
じ、あらかじめAr雰囲気中で低温プラズマ処理した1
25μmの2軸配向ポリ−p−フェニレンスルファイド
フィルム(東レ(株)製“トレリナ”)の両面に重ね合
わせ、温度80℃、線圧4kg/cmで、速度1m/分
で貼り合わせた。得られた積層フィルムは、60℃で5
0時間で硬化し、さらに150℃で10時間硬化させ
た。
【0040】上記で作成した積層フィルの耐熱性を測定
した結果、接着力は0.1kg/cmであり、実用でき
ないレベルであった。
【0041】比較例2および3 比較のため、175μmの2軸配向ポリ−p−フェニレ
ンスルファイドフィルム(東レ(株)製“トレリナ”)
または125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポ
ン(株)製“カプトン”)の耐衝撃性、成型性、耐薬品
性および耐熱性を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述のごとく構成したので、
耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性が優れかつ成型が可能な耐
熱性積層フィルムを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で成型性を評価する際に使用
する成型用雌型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJN JKD JLE 179/08 JGE H05K 1/03 D 7011−4E 3/38 E 7511−4E

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムの少なくとも片面
    に、ガラス転移点(Tg)が60℃以上150℃以下の
    ポリイミド系の耐熱性接着剤を有する耐熱性フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムの少なくとも片面に
    ポリイミド系の耐熱性接着剤を有する二軸配向ポリフェ
    ニレンスルファイドフィルム用接着フィルム。
  3. 【請求項3】 二軸配向ポリフェニレンスルファイドフ
    ィルムの両面にポリイミドフィルムを積層した耐熱性積
    層フィルムであって、層間にポリイミド系の耐熱性接着
    剤を有する耐熱性積層フィルム。
  4. 【請求項4】 耐熱性接着剤のガラス転移点(Tg)が
    60℃以上150℃以下のポリイミド系接着剤である請
    求項2記載の接着フィルム。
  5. 【請求項5】 耐熱性接着剤のガラス転移点(Tg)が
    60℃以上150℃以下のポリイミド系接着剤である請
    求項3記載の耐熱性積層フィルム。
  6. 【請求項6】 ポリイミドフィルムの表面が放電処理さ
    れている請求項1記載の耐熱性フィルム。
  7. 【請求項7】 ポリイミドフィルムの表面が放電処理さ
    れている請求項2記載の接着フィルム。
  8. 【請求項8】 二軸配向ポリフェニレンスルファイドフ
    ィルムの片面あるいは両面が放電処理されている請求項
    3記載の耐熱性積層フィルム。
  9. 【請求項9】 耐熱性フィルムが、プリント回路基板補
    強用に用いられる請求項1記載の耐熱性フィルム。
  10. 【請求項10】 接着フィルムが、プリント回路基板補
    強用に用いられる請求項2記載の接着フィルム。
  11. 【請求項11】 耐熱性積層フィルムが、プリント回路
    基板補強用に用いられる請求項3記載の耐熱性積層フィ
    ルム。
  12. 【請求項12】 耐熱性接着剤が、芳香族テトラカルボ
    ン酸と、ジアミン成分の50モル%以上がシロキサン系
    ジアミンからなるジアミンとからなるポリアミック酸を
    イミド化させて得られるポリイミド薄膜である請求項1
    記載の耐熱性フィルム。
  13. 【請求項13】 耐熱性接着剤が、芳香族テトラカルボ
    ン酸と、ジアミン成分の50モル%以上がシロキサン系
    ジアミンからなるジアミンとからなるポリアミック酸を
    イミド化させて得られるポリイミド薄膜である請求項2
    記載の接着フィルム。
  14. 【請求項14】 耐熱性接着剤が、芳香族テトラカルボ
    ン酸と、ジアミン成分の50モル%以上がシロキサン系
    ジアミンからなるジアミンとからなるポリアミック酸を
    イミド化させて得られるポリイミド薄膜である請求項3
    記載の耐熱性積層フィルム。
  15. 【請求項15】 シロキサン系ジアミンが次の一般式I
    で表される請求項12記載の耐熱性フィルム。 NH−R−(Si(R)(R)O)−Si
    (R)(R)−R−NH ……I (ただし、式中nは1以上の整数を示す。またR1 およ
    びR2 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキレ
    ン基またはフェニレン基を示し、R3 、R4 、R5 およ
    びR6 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキル
    基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
  16. 【請求項16】 シロキサン系ジアミンが次の一般式I
    で表される請求項13記載の接着フィルム。 NH−R−(Si(R)(R)O)−Si
    (R)(R)−R−NH ……I (ただし、式中nは1以上の整数を示す。またR1 およ
    びR2 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキレ
    ン基またはフェニレン基を示し、R3 、R4 、R5 およ
    びR6 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキル
    基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
  17. 【請求項17】 シロキサン系ジアミンが次の一般式I
    で表される請求項14記載の耐熱性積層フィルム。 NH−R−(Si(R)(R)O)−Si
    (R)(R)−R−NH ……I (ただし、式中nは1以上の整数を示す。またR1 およ
    びR2 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキレ
    ン基またはフェニレン基を示し、R3 、R4 、R5 およ
    びR6 は、それぞれ同一または異なって、低級アルキル
    基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0967559A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Tomoegawa Paper Co Ltd 電子部品用接着テープ及び液状接着剤
JP2003089726A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Sekisui Chem Co Ltd ポリイミド基材の親水化処理方法

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