JPH072900B2 - フタルイミドエステルを含有するポリエステル組成物 - Google Patents

フタルイミドエステルを含有するポリエステル組成物

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JPH072900B2
JPH072900B2 JP17788186A JP17788186A JPH072900B2 JP H072900 B2 JPH072900 B2 JP H072900B2 JP 17788186 A JP17788186 A JP 17788186A JP 17788186 A JP17788186 A JP 17788186A JP H072900 B2 JPH072900 B2 JP H072900B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
    • C07D209/44Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles
    • C07D209/48Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles with oxygen atoms in positions 1 and 3, e.g. phthalimide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/34Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
    • C08K5/3412Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having one nitrogen atom in the ring
    • C08K5/3415Five-membered rings
    • C08K5/3417Five-membered rings condensed with carbocyclic rings

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリエステル組成物に関し、詳しくは或種のフ
タルイミドエステルを可塑剤として含有するポリエチレ
ンテレフタレート組成物に関し、さらに詳しくは熱可塑
性エンジニアリングプラスチツク部品成形用組成物に関
する。
ポリアルキレンテレフタレートは古くから種々の成形品
の製造に用いられてきた。これらの重合体はとくにガラ
ス繊維のような強化材ないし充填材と組合せると、その
高度の耐摩耗性、耐久性、および寸法精度のため、熱可
塑性エンジニアリングプラスチツク成形品の製造に適し
ている。これらのすぐれた物性は、強化材を含む組成物
を、ポリアルキレンテレフタレートが部分的に結晶化す
る条件下で成形することによつてきわめて容易に得られ
る。
ポリアルキレンテレフタレートのうち、ポリエチレンテ
レフタレートは成形品の物性が優れている。しかしなが
ら、良好な成形性を確保し、所望の結晶化度を得るため
には比較的高い金型温度、例えば120℃〜140℃の温度を
必要とするので、ポリエチレンテレフタレートは射出成
形用として、好適な材料ではないことがしばしばある。
このように金型温度が高いので、比較的長い成形時間が
必要である。このような厳しい成形条件のため、ポリエ
チレンテレフタレートはその高い剛性と高い熱変形温度
にもかかわらず射出成形への使用が制約されることが多
い。他のポリエステル重合体、とくにポリブチレンテレ
フタレートは、その結晶化速度が大きい固有の性質のた
め、必要とする成形時間が短かく成形温度が低い。しか
し、これらの重合体はポリエチレンテレフタレートと比
べて物理的性質、とくに熱変形温度が劣つている。
従つて、より低温で結晶化するポリエチレンテレフタレ
ート成形用組成物の製造が望まれる。この結晶化温度の
低下は成形品の物性に不当に悪影響を及ぼすことなく達
成されなければならない。さらに、結晶化改良のために
用いる添加物は高温でも組成物から揮発除去されること
なく、又金型表面に堆積することがないよう、揮発性が
十分に低いものでなくてはならない。本発明のフタルイ
ミドエステルは、溶融ポリエチレンテレフタレート組成
物の冷却の際に結晶化が起る温度を低下させることによ
つて、この組成物の成形時間を短縮し成形温度を低下さ
せるものである。さらに又、このフタルイミドエステル
を用いたポリエチレンテレフタレート組成物は揮発分が
少く、優れた物性と高い光沢を有する。
本発明は、(a)フエノール/テトラクロロエタン60:4
0混合液に0.5重量%溶かし、25℃で測定した固有粘度が
少くとも約0.4dl/gであるポリエチレンテレフタレー
ト、(b)式 〔ここで、Xはフタルイミド、ジヒドロフタルイミド、
テトラヒドロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイ
ミド基であり、Aは炭素原子数1〜18のアルキレン又は
置換アルキレン基であり、Rは炭素原子数4〜20のアル
キル、置換アルキル、アルケニル、又は置換アルケニル
基又は式 (ここで、X′はXと同じであっても、異なつていても
よく、フタルイミド、ジヒドロフタルイミド、テトラヒ
ドロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイミド基で
あり、R′は炭素原子数2〜20のアルキレン、アルケニ
レン、置換アルキレン、又は置換アルケニレン基であ
り、A′は炭素原子数1〜18のアルキレン又は置換アル
キレン基である)である〕で表わされるフタルイミドエ
ステルからなる可塑剤とからなるポリエステル組成物を
提供するものである。
上記のフタルイミドエステルがモノフタルイミドエステ
ルであるならば、AとRの合計の炭素原子数は5〜30で
ある方が好しい。もしジフタルイミドエステルであるな
らば、A、R′およびA′の合計の炭素原子数は4〜36
である方が好しい。
フタルイミドエステルの含量はポリエチレンテレフタレ
ートに対し、約0.1重量%以上であることが好しい。
本発明のより好しい態様では、(a)フエノール/テト
ラクロロエタン60:40混合液に0.5重量%溶かし、25℃で
測定した固有粘度が約0.4dl/g以上であるポリエチレン
テレフタレート約40〜95重量部、(b)上述のフタルイ
ミドエステルからなる可塑剤約0.1〜約15重量部、
(c)増核剤約0.1〜約10.0重量部、および(d)強化
材約5〜約60重量部からなる成形用ポリエステル組成物
が提供される。
本発明は又前記成形用ポリエステル組成物から造られる
成形品を提供する。
本発明はさらに、固有粘度が約0.4以上、より好しくは
約0.6以上のポリエチレンテレフタレートと上記フタル
イミドエステルとを混合し、溶融均質化することからな
るポリエステル組成物の製造方法を提供する。
本発明のポリエステル組成物の製造に用いられるポリエ
チレンテレフタレートは、フエノール/テトラクロロエ
タン60:40の混合液に0.5重量%溶かし、25℃で測定した
固有粘度が約0.4dl/g以上のものである。さらに好しく
は固有粘度が約0.6dl/gのもの、又ある場合には固有粘
度が約1.0dl/g又はそれ以上のものが望ましい。ここで
言う「ポリエチレンテレフタレート」とは、ポリエチレ
ンテレフタレートのみならず、ポリエチレンテレフタレ
ートを約60重量%以上含む共重合体および重合体混合物
を含む。好適な共重合体としては、エチレングリコール
の一部が他の多価アルコール、例えば、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール(これらに限られるもので
はない)などで置換され、テレフタル酸の一部が他の多
官能性カルボン酸で置換されたものがあげられる。又好
適な重合体混合物としては、ポリエチレンテレフタレー
トと他の重合体、とくに他のポリエステルとを物理的に
混合したものがあげられる。成形用組成物には、上記ポ
リエチレンテレフタレートが約50〜約95重量部、さらに
好しくは約60〜約90重量部用いられる。
本発明で用いるフタルイミドエステルは一般式 〔ここで、Xはフタルイミド、ジヒドロフタルイミド、
テトラヒドロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイ
ミド基であり;Aは炭素原子数1〜18、より好しくは1〜
12、特に好しくは1〜6のアルキレン又は置換アルキレ
ン基であり;Rは炭素原子数4〜20、さらに好しくは7〜
18のアルキル、置換アルキル、アルケニル、又は置換ア
ルケニル基であるか、又は一般式 (ここで、X′はXと同じであつても異なつていてもよ
く、フタルイミド、ジヒドロフタルイミド、テトラヒド
ロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイミド基であ
り、R′は炭素原子数2〜20、より好しくは2〜10のア
ルキレン、アルケニレン、置換アルキレン、又は置換ア
ルケニレン基であり、A′は炭素原子数1〜18、より好
しくは1〜12、特に好しくは1〜16のアルキレン又は置
換アルキレン基である)である〕で表わされる化合物で
ある。
このフタルイミドエステルがモノフタルイミドエステル
ならば、AとRの合計の炭素原子数は5〜30であること
がより好しく、8〜28であることが特に好しい。もしジ
フタルイミドエステルならば、A、R′およびA′の合
計の炭素原子数は4〜36であることが好しく、6〜28で
あることがとくに好しい。
一般に、フタルイミドエステルはポリエチレンテレフタ
レートに対し約0.1重量%以上用いられる。成形用組成
物全体に対するフタルイミドエステルの量は約0.1〜約1
5重量部、より好しくは約3〜約10重量部である。これ
らのフタルイミドエステルはポリエチレンテレフタレー
トとの相溶性が極めて良好である。しかし、フタルイミ
ドエステルの濃度は、この組成物がさらされる条件下で
相溶性がそこなわれることがないよう、低くしておかね
ばならない。
本発明で用いるフタルイミドエステルは従来知られたい
かなる方法によつて製造してもよい。例えば、米国特許
3,579,363号に記載されているカリウムフタルイミドと
α−クロロ酢酸2−エチルヘキシルとを反応させてフタ
ルイミド酢酸2−エチルへキシルを製造する方法でもよ
い。より好しい方法は、無水フタル酸、無水ジヒドロフ
タル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、又はこれの混合物とアミノ酸又はラクタムと
を反応させ、前躯体フタルイミドカルボン酸を造り、こ
れを更にアルコールと反応させフタルイミドエステルと
する方法である。簡単化のために、無水フタル酸を出発
原料とするフタルイミドエステルの製法について述べる
が、この記載は水素化無水フタル酸を出発原料とする場
合にも当てはまるものである。
アミノ酸を用いるときには、二段反応によつてフタルイ
ミドエステルを製造してもよい。第一段では、アミノ酸
は、通常トルエン、キシレン、又はジエチルベンゼンの
ような溶媒の存在下に、無水フタルと反応させ前躯体フ
タルイミドカルボン酸を造る。第二段では、この中間体
を適当なアルコールと反応させることによつてエステル
化する。この反応はシユウ酸第1錫、その他のエステル
化触媒の存在下に行なう方が好しい。さらに、エステル
化反応で遊離する水を、これと反応することによつて、
あるいは、これと共沸混合物を造ることによつて除くこ
とができる共沸剤(entrainer)の共存下に行なう方が
好しい。この共沸剤として適したものの1つはジエチル
ベンゼンである。
フタルイミドエステルは又、無水フタル酸、アミノ酸お
よびアルコールを、望むなら触媒、溶媒と共に、混合
し、この反応混合物を還流させ発生する水を除去するこ
とによつて一段で製造してもよい。過剰のアルコールを
溶媒兼共沸剤として役立てることもできる。反応完了
後、未反応アルコールを水蒸気ストリツプ法で除去する
ことができ、これは又シユウ酸第一錫触媒を不溶化する
ので、これを容易に除去することができる。
ラクタムを用いるときも、一段法、二段法とも同様に用
いることができる。しかし一段法の方が、簡単であり、
反応混合物に溶媒を添加する必要がないので、アミノ酸
の場合でもラクタムの場合でも、好しい。その上、ラク
タムを用いる場合は、一段法の方が反応速度が大きい。
いかなるアミノ酸でも、フタルイミドエステルの生成を
妨げたり、生ずるフタルイミドエステルをポリエチレン
テレフタレートに対し非相溶性にしたり、フタルイミド
エステルを無効なもとのするような置換基を含むもので
なければ、出発原料として用いることができる。使用に
適したアミノ酸としては、例えば、グリシン、α−アラ
ニン、β−アラニン、アミノドデカン酸、メチオニン、
3−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、イソロイシ
ン、2−アミノ−4−メチルペンタン酸、2−アミノ−
3−フエニルプロピオン酸、2−アミノ−3−メチル酪
酸、アミノオクタデカン酸、その他好適なアルキレン又
は置換アルキレン基を有するアミノ酸があげられる。こ
れらの適したアミノ酸の混合物も又使用できる。
ラクタムも、同様に、フタルイミドエステルの生成を妨
げたり、生成するフタルイミドエステルをポリエチレン
テレフタレートに対し非相溶性にしたり、フタルイミド
エステルを無効のものとするような置換基を含むもので
なければ、いかなるものでも出発原料として用いること
ができる。適したラクタムとしては、例えば、2−ピロ
リドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、そ
の他好適なアルキレン基又は置換アルキレン基を有する
ラクタムがあげられる。これらの適したラクタムの混合
物、又はこれらと好適なアミノ酸との混合物も又使用で
きる。
アミノ酸、ラクタム、A基、およびA′基について、
“アルキレン又は置換アルキレン”と云う語は、直鎖状
アルキレン、分岐アルキレン、さらにフタルイミドエス
テルの生成を妨げることのない、生ずるフタルイミドエ
ステルをポリエチレンテレフタレートに対し非相溶性と
することのない、あるいはこれを無効なものにすること
のない置換基を有するアルキレン基を意味する。このよ
うな妨害作用のない置換基の例として、エーテル基およ
びチオエーテル基があげられる。
一価のアルコールをエステル化に用いると、モノフタル
イミド化合物が生じ、二価アルコールを用いると、ジフ
タルイミド化合物が生ずる。炭素原子4〜20個、より好
しくは7〜18個を有し、フタルイミドエステルの生成を
妨げたり、生ずるフタルイミドエステルをポリエチレン
テレフタレートに対し非相溶性としたり、又はこれを無
効なものとしたりする置換基を含まないものであれば、
いかなる一価のアルコールでも用いることができる。適
した一価のアルコールとしては例えばヘプタノール、オ
クタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノー
ル、ドデカノール、オクタデカノール、があげられ、あ
るいは他の適した一価のアルコールおよびこれらの混合
物も用いることができる。二価のアルコールも、2〜20
個、より好しくは2〜10個の炭素原子を有し、フタルイ
ミドエステルの生成を妨害したり、生成するフタルイミ
ドエステルをポリエチレンテレフタレートに対し非相溶
性にしたり、これを無効のものとしたりする置換基を含
まないものであれば、いかなるものでも使用できる、適
した二価アルコールの例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,
12−ドデカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、
ジエチレングリコールトリエチレングリコールがあげら
れ、他の適したグリコール、グリコールオリゴマー、二
価アルコール等の混合物も用いることができる。アルコ
ール類あるいはR基およびR′基について、“アルキ
ル、アルケニル、アルキレン、置換アルキレン、アルケ
ニレン、および置換アルケニレン”と云うのは、直鎖状
および分岐状の基、さらにフタルイミドエステルの生成
を妨げることがなく、生ずるフタルイミドをポリエチレ
ンテレフタレートに対し非相溶性としたり、不活性のも
のとしたりすることのない他の置換基を有する基を意味
する。
一価のアルコールと二価のアルコールとの混合物も使用
でき、この場合、モノフタルイミドエステルとジフタル
イミドエステルとの混合物がえられる。
増核剤(nucleating agent)は、成形用ポリアルキレン
テレフタレート組成物に用いるのに適したものであれ
ば、いかなるものでも、本発明の成形用組成物に用いる
ことができる。ポリアルキレンテレフタレート結晶核の
生成を促進するということが増核剤に対して要求される
条件のすべてである。大抵の増核剤は、溶融ポリエチレ
ンテレフタレートを冷却するときにその結晶化が始まる
上限温度を高くする。増核剤は有機のものでも無機のも
のでもよい。
無機の増核剤としては、テレフタル酸カルシウム、チタ
ン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、安息香酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、弗化カルシウム、アルミノケイ酸カルシウム等
のカルシウム塩;ケイ酸ナトリウム、フエニルリン酸ナ
トリウム、アルミノケイ酸ナトリウムのようなナトリウ
ム塩があげられ、そのほか、リチウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム等の金属の塩、ホウ酸亜鉛やゼオライ
トのような無機増核剤も含まれる。
無機増核剤の一群で好適なものとして、炭素、硅素、ゲ
ルマニウム、錫、鉛等の酸化物の一価の金属塩があげら
れる。酸化物のうち、より好ましいものは炭素および硅
素の酸化物で、特に炭酸塩、重炭酸塩のような炭酸酸化
物が特に好ましい。上記一価の金属のうち、好しいもの
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、お
よびセシウム等で、リチウム、ナトリウム、およびカリ
ウムがより好しく、ナトリウムがとくに好しい。
他の適した増核剤は、炭化水素のカルボン酸のナトリウ
ム塩、カリウム塩、あるいは他の金属の塩である。これ
らのカルボン酸のうち、一群の好適なものは、炭素原子
7〜25個、さらに好しくは12個よりも多く含むものであ
る。このようなカルボン酸の代表的なものは、ステアリ
ン酸、ペラルゴン酸、およびベヘン酸のような脂肪酸で
ある。又エチレンジアミン四酢酸の塩類、とくにナトリ
ウム塩も好適な増核剤である。これらのカルボン酸塩に
は、オレフイン又は芳香族オレフイン(芳香族の置換基
を有するオレフイン)とアクリル酸、メタクリル酸、又
は無水マレイン酸との共重合体のような、カルボキシル
基を有する有機重合体の完全に又は部分的に中和された
ナトリウム塩又はカリウム塩も含まれる。例えばエチレ
ン/メタクリル酸コポリマーやスチレン/無水マレイン
酸コポリマーの完全又は部分中和ナトリウム塩、同カリ
ウム塩なども含まれる。これらの共重合体中のオレフイ
ン部分又は芳香族オレフイン部分の量は共重合体の全重
量に対し50〜98重量%、より好しくは80〜98重量%であ
る。特に好しい重合体はエチレン/メタクリル酸コポリ
マーのナトリウム塩である。不飽和脂肪酸のオリゴー、
とくにC18脂肪酸の二量体や三量体、すなわち通常ダイ
マー酸、トリマー酸と呼ばれる酸の塩も好ましい増核剤
の中に含まれる。
好適な一群の増核剤は有機、無機にかかわらず、アルカ
リ金属塩およびアルカリ金属塩の混合物である。このう
ち、ナトリウム塩とカリウム塩がより好しく、ナトリウ
ム塩がとくに好しい。
本発明の成形用組成物には一般に適当な強化材が用いら
れる。この強化材を、必要に応じ当業者によく知られた
方法で、種々のカツプリング剤又は接着促進剤で処理す
ることができる。使用に適した強化材としては、ガラス
繊維、炭素繊維、同フイラメント、アラミド繊維、アル
ミナ、長石、アスベスト、タルク、炭酸カルシウム、粘
土、カーボンブラツク、石英、ノバキユライトおよび他
の形態のシリカ、方鉛鉱、ベントナイト、ザクロ石、マ
イカ、サポナイト、バイデライト、二酸化チタン、チタ
ネートウイスカー、アルミニウム繊維、スチール繊維、
ニツケル繊維、ウイスカー類、小結晶板類、バーミキユ
ライト、メタケイ酸カルシウム等があげられる。これら
のうち、さらに好しい強化材はガラス繊維、とくに比較
的ナトリウム含有量が少ない石灰−アルミニウムボロシ
リケートガラス、すなわち通常“E"ガラスと呼ばれるガ
ラスの繊維が好しい。ある場合には、ガラス繊維とマイ
カの混合物など混合強化材を使用することも望ましい。
他の添加剤も本発明の組成物に任意に含有させることが
できる。例えば、加水分解によつておこるポリエステル
分子鎖か切断され分子量の低下を補うのに役立つ分子鎖
延長剤(chain extender)を含有させてもよい。このよ
うな分子鎖延長剤には、例えばカルボジイミドやポリエ
ポオキシドがある。さらに好しいものとして、ビスフエ
ノールAとグリシジルエーテルとからえられるエポキシ
化合物、O−クレゾールノボラツクとエピクロロヒドリ
ンとを反応させてえられるポリエポオキシド等のエポキ
シ樹脂があげられる。とくに好ましいポリエポキシドは
エポキシクレゾールノボラツク樹脂である。分子鎖延長
剤を使用するときは、その好しい添加量は約0.1〜約5
重量部である。他の任意に使用できる添加剤として、衝
撃強度改良剤、離型剤、静電防止剤、顔料染料等の着色
剤、熱酸化に対する安定剤、光安定剤、難燃剤、その他
当業界で知られている添加剤があげられる。
本発明の成形用組成物は、慣用の、あるいはよく知られ
た方法を用いて製造され、成形される。例えば、好適な
1つの方法では、ポリアルキレンテレフタレートとガラ
ス繊維とをコンパウンデイング用押出機に供給し、成形
用ペレツトを製造する。別の1つの方法では、ポリアル
キレンテレフタレートとガラスとをドライブレンド法に
よつて混合し、混練した後粉末とするか、押出した後切
断してペレツト状とする。あるいは原料を粉末化又は粒
状化したポリアルキレン樹脂と混合し、そのまま直ちに
射出成形法又はトラスフア成形法によつて成形すること
もできる。通常、原料はできるだけ十分に水を除くこと
が望ましい。
コンパウンデイングは成形機内での滞留時間が確実に短
かいように行う方が好しい。温度も注意深く制御し、摩
擦熱を利用する。そうする添加剤とポリエステル樹脂と
の近密な混合が達成される。
必要なことではないが、原料をあらかじめ、配合しペレ
ツト化した後成形すれば最良の結果がえられる。このコ
ンパウンデイングは従来用いられている装置によつて行
なうことができる。例えばポリアルキレンテレフタレー
トを、例えば130℃で3時間予備乾燥した後、ガラスお
よび用いるすべての添加剤とドライブレンドしたものを
単軸スクリユー押出機に供給する。あるいはポリアルキ
レンテレフタレート、ガラス繊維、および他の添加剤を
供給口から二軸スクリユー押出機に供給する。どちらの
場合でも押出温度は約230〜300℃が一般に適している。
本発明の成形用組成物は従来熱可塑性エンジニアリング
樹脂組成物の成形に用いられてきた装置によつて、従来
技術を用い成形することができる。
本発明のフタルイミドエステル化合物は、それを添加し
たポリエチレンテレフタレートの結晶化状態を、この溶
融した樹脂の冷却の際結晶化が始まる温度を低下させる
ことによつて改良する作用を有する。これは、このフタ
ルイミドエステルがポリマー分子鎖を動き易くすること
によつて結晶状態を改良するものと考えられるが、この
説にこだわるつもりはない。
その上、本発明のフタルイミドエステルは成形用又は他
の用途のポリエチレンテレフタレート組成物の溶融流れ
および加工性を改良する。従つて、これらのフタルイミ
ドエステルはポリエチレンテレフタレート用の流れ改良
助剤又は加工性改良助剤とみなすこともできる。
本発明のフタルイミドエステルは結晶化がおこる温度を
低下させるので、高い熱変形温度(HDT)、良好な光
沢、良好な他の物性を今までよりも低い成形温度で得る
ことができる。又増核剤効果を何ら損うことなく、核剤
の量を少くすることもできる。
本発明の組成物は当業界において従来知られているコン
パウンド技術を用いて調製することができる。本組成物
は、前もつて配合、ペレツト化してもよく、成形工程に
おいてその一部として、混合配合を行なつてもよいが、
成形前にあらかじめ配合ペレツト化を行なう方が好まし
い。前もつて行なうコンパウンデイングは、単軸スクリ
ユー押出機、二軸スクリユー押出機、ローラーミル、あ
るいは他の当業界において従来知られている手段を用い
て達成することができる。
次に実施例によつて本発明を具体的に説明するが、これ
は本発明の範囲を制限するためのものではない。
実施例における成形用組成物の調製には、次の原料成分
を用いた。ポリエチレンテレフタレート(PET):固有
粘度約0.66dl/gのもの。可塑剤:指示するもの。増核
剤:エチレン/メタクリル酸85:15(重量)コポリマー
の部分中和ナトリウム塩であり、デユポン社からサーリ
ン8660という商品名で市販されているもの。分子鎖延長
剤:O−クレゾール/ホルムアルデヒドノボラツクのポリ
グリシジルエーテルで、チバ・ガイギー社からアラルダ
イトECN1273という商品名で市販されているもの。ガラ
ス繊維ストランド:約0.32cm(1/8インチ)長に切断し
たもので、ピツツバーグ・プレート・ガラス社からグレ
ート名3540で市販されているもの。組成物は可塑剤をPE
Tに対し5重量%用いて調製した。この処方を全組成物
に対するパーセンテージで表わすと次のとおりである。
実施例で用いた組成物の処方: PET 65.6% 可塑剤 3.4%(PETに対し5%) 増核剤 0.67% 分子鎖延長剤 0.33% ガラス 30.0% 乾燥した各成分を混合し、単軸スクリユ押出機でダイ温
度約260℃で押出した。押出機でダイ温度約260℃で押出
した。押出したリボン状樹脂を冷却後、ペレツトに切断
し、一晩中乾燥した。この乾燥ペレツト化した組成物
を、口金温度約275℃、金型表面温度110℃で、フアミリ
ー・モールド内へ射出、成形した。型締め時間は30秒と
した。
成形品の熱変形温(HDT)を求めるため、試験片を約12.
7cm(5インチ)はなれた2支点で保持し、中心点に1.2
6KPa(264psi)の荷重をかけて、1分間に2℃の速度で
温度を上昇させる試験を行なつた。試験片の変形が0.02
54cm(0.01インチ)に達した時の温度をHDTとした。こ
の試験はASTM D648−82に従つたものである。抗張力と
伸び率(%)はASTM D638−82に準じて測定し、アイゾ
ツト衝撃強度はノツチをつけない試験片を用いたこと以
外はASTM D256−81に準じて測定した。PETコンパウン
ドの揮発性は強制通風炉中の回転架台上で175℃に4時
間加熱することによつて求めた。
組成物のTpkは成形した試料を走査型示差熱量計の予め
約290℃に加熱した試料容器に入れることによつて測定
した。2分後試料容器を取出し、ドライアイス粉末で蔽
い試料を急冷した。急冷した試料を少くとも5分間乾燥
後、室温に冷却しておいた熱量計中に戻した。熱量計を
チツ素雰囲気下で、計画どおり、1分間に10℃の昇温速
度で加熱した。約100℃と約125℃との間で発熱が認めら
れた。Tpkはこの発熱中で熱の発生が最も急激な温度で
ある。このTpkは可塑剤の、結晶化向上の有効性を示す
もので、Tpkが低いほど有効性が大であることを表わ
す。
さらに、用いた可塑剤自体の揮発性を、熱天秤を用い、
この温度を計画どおり1分間10℃の速度で上昇させ、空
気中における可塑剤だけの熱重量分析を行なうことによ
つて求めた。この熱天秤が示す試料の重量減少を温度に
対しプロツトし、この曲線から、揮発による重量減少が
始まる温度、ならびに300℃および350℃における重量減
少率(%)を求めた。
実施例 1 この実施例では、最初の、前躯体3−フタルイミドプロ
ピオン酸の合成と単離、次いでウンデシルアルコールに
よるそのエステル化からなるウンデシル3−フタルイミ
ドプロピオネートの段階的合成を例示する。
撹拌機、温度計、水の分離用凝縮器を備えた500mlフラ
スコにβ−アラニン0.5モルとキシレン170mlを仕込ん
だ。この混合物を撹拌しその温度を110〜120℃に保ち、
無水フタル酸0.5モルを50分間にわたり少しづつ加え
た。還流下に水が捕集されなくなるまで加熱を続けた。
次に反応混合物を室温に冷却し、過し、固体をキシレ
ンで洗浄後乾燥した。生成物は融点138〜140℃の3−フ
タルイミドプロピオン酸であつた。
この前躯体酸0.44モル、ウンデシルアルコール0.5モ
ル、シユウ酸第一錫触媒0.3g、および共沸剤としてジエ
チルベンゼン50gを前記フラスコに仕込んだ。この混合
物を減圧下に210℃に加熱し水が捕集がなくなるまで還
流を続けた。次に反応混合液を165℃、30mm水銀柱の減
圧下で水蒸気ストリツプし、残留生成物を過してウン
デシル3−フタルイミドプロピオネートを94.5%の総合
収率でえた。
実施例 2 この実施例では、すべての反応試薬を最初から仕込む、
ウンデシル3−フタルイミドプロピオネートの一段合成
について述べる。
実施例1と同様の部品を付属した1リツターフラスコ
に、無水フタル酸1.0モル、β−アラニン1.0モル、ウン
デシルアルコール1.15モルおよびシユウ酸第一錫0.7gを
仕込んだ。この混合液を210℃に加熱し減圧下にこの温
度に保つて、水が捕集されなくなるまで還流を続けた。
次いで反応混合物を実施例1と同様に水蒸気ストリツプ
し、残留生成物を過して、ウンデシル3−フタルイミ
ドプロピオネートを99.6%の収率でえた。
実施例 3 この実施例では、最初の、前躯体6−フタルイミドヘキ
サン酸の合成と単離、次いでウンデシルアルコールによ
るそのエステル化からなるウンデシル6−フタルイミド
ヘキサノエートの段階適合成について述べる。
実施例1と同様の部品を付属した1リツターフラスコ
に、6−アミノヘキサン酸0.76モルとキシレン250mlと
を仕込んだ。この混合物を撹拌しその温度を115〜120℃
に保ち、無水フタル酸0.76モルを25分間に亘つて少しづ
つ加えた。次に反応混合物を水が捕集されなくなるまで
還流し、混合液を室温に冷したときの撹拌を容易にする
ため、さらにキシレンを加えた。反応混合物を過し、
固体をキシレンで洗浄した後乾燥して、融点105〜110℃
の6−フタルイミドヘキサン酸を84.5%の収率でえた。
この前躯体酸0.59モル、ウンデシルアルコール0.6モ
ル、シユウ酸第一錫触媒0.5g、および共沸剤としてジエ
チルベンゼン50gを上記のフラスコに仕込んだ。この混
合液を減圧下に210℃に加熱し、水が捕集されなくなる
まで還流を続けた。次に反応混合液を実施例1と同様に
水蒸気ストリツプして、残留生成物を過してウンデシ
ル6−フタルイミドヘキサノエートを単離した。
実施例 4 この実施例では、ε−カプロラクタムを用い、3種の反
応試薬全部を同時に仕込み、中間体の酸を単離せずに、
ウンデシル6−フタルイミドヘキサノエートを合成する
1例を述べる。
実施例1で用いた装置に、ε−カプロラクタム0.89モ
ル、無水フタル酸0.89モル、ウンデシルアルコール0.92
モル、および共沸剤としてジエチルベンゼン60gを仕込
んだ。この混合液を175℃で1時間加熱し、シユウ酸第
一錫触媒0.7gを加えた後210℃で3時間減圧下の加熱を
続け還流を行なつた。さらにウンデシルアルコール10g
を加え還流を続けた。反応混合液を上記のように水蒸気
ストリツプし、過を行なつて、ウンデシル6−フタル
イミドヘキサノエート約95%と他の成分約5%とからな
る混合物をえた。
実施例 5 中間体の酸を単離せずに、それをオクタデシルアルコー
ルでエステル化することのほかは、実施例1と同様の操
作によつてオクタデシル3−フタルイミドプロピオネー
トを合成した。生成物は所期の構造と一致するプロトン
NMRスペクトルを示した。
実施例 6 無水フタル酸、ε−カプロラクタム、およびオクタデシ
ルアルコールから、実施例4と同様の操作によりオクタ
デシル6−フタルイミドヘキサノエートを合成した。生
成物は所期の構造と一致するプロトンNMRスペクトルを
示した。
実施例 7 中間体の酸を単離せずにそれをエステル化したほかは、
実施例1と同様の操作によつて、無水フタル酸、11−ア
ミノウンデカン、およびウンデシルアルコールから、オ
クタデシル11−フタルイミドウンデカノエートを合成し
た。生成物は所期の構造と一致するプロトンNMRスペク
トルを示した。
実施例 8 中間体の酸を単離せずにそれをエステル化したほかは、
実施例1と同様の操作により、無水フタル酸、DL−メチ
オニン、およびウンデシルアルコールから、ウンデシル
2−フタルイミド−4−(メチルチオ)ブチレートを合
成した。生成物は所期の構造と一致するプロトンNMRス
ペクトルを示した。
実施例 9 中間体の酸を単離せずに、それをエステル化したほか
は、実施例1と同様の操作により、無水フタル酸、グリ
シン、およびオクタデシルアルコールからオクタデシル
2−フタルイミドアセテートを合成した。生成物は所期
の構造と一致するプロトンNMRスペクトルを示した。
実施例 10 中間体の酸を反応混合物から分離せずにエステル化した
ほかは、実施例1と同様の操作によつて、無水フタル
酸、4−アミノ酪酸、および獣脂からC16〜C18アルコー
ルから、オクタデシル4−フタルイミドブチレートとヘ
キサデシル4−フタルイミドブチレートとの混合物を合
成した。生成物は所期の構造と一致するプロトンNMRス
ペクトルを示した。
実施例 11 中間体の酸を反応媒体から分離せずにエステル化したほ
かは、実施例1と同様の操作により、無水フタル酸、DL
−アラニン、およびウンデシルアルコールからウンデシ
ル2−フタルイミドプロピオネートを合成した。えられ
た生成物は所期の構造と一致するプロトンNMRスペクト
ルを示した。
実施例 12 実施例4と同様の操作により、無水フタル酸、ε−カプ
ロラクタム、およびC7アルコール約30%、C9アルコール
約40%、およびC11アルコール約30%の混合物からヘプ
チル、ノニル、およびウンデシル6−フタルイミドヘキ
サノエート混合物を合成した。生成物は所期の構造と一
致するプロトンNMRスペクトルを示した。
実施例 13 実施例4と同様の操作により無水フタル酸、ε−カプロ
ラクタム、および2−エチルヘキシルアルコールから2
−エチルヘキシル6−フタルイミドヘキサノエートを合
成した。生成物は所期の構造と一致するプロトンNMRス
ペクトルを示した。
実施例 14 実施例4と同様の操作により、無水フタル酸、ε−カプ
ロラクタム、およびドデシルアルコールからドデシル6
−フタルイミドヘキサノエートを合成した。生成物は所
期の構造と一致するプロトンNMRスペクトルを示した。
実施例 15 2−フタルイミド酢酸2モルをキシレンに懸濁させ、こ
れにウンデシルアルコール2.2モルを加えることによつ
て、ウンデシル2−フタルイミドアセテートを合成し
た。反応混合液を撹拌加熱して、キシレンと、反応によ
り生じた水とを留出させ、反応器の温度が約250mm水銀
柱で210℃に達した後、この温度で水の生成がなくなる
まで還流を続けた。反応混合液を上記のように水蒸気ス
トリツプし、過して、所期の構造と一致するプロトン
NMRスペクトルをえた。
実施例 16 実施例1と同様の操作により無水フタル酸、β−アラニ
ンおよび2価のアルコールである2,2−ジメチル−1,3−
プロパンジオールから、このアルコールのジ(3−フタ
ルイミドプロピオーネ)ジエステルをえた。生成物の融
点は158〜162℃であり、プロトンNMRスペクトルは所期
の構造と一致した。
実施例 17 中間体の酸を反応媒体から分離せずにエステル化を行な
つたほかは、実施例1と同様の操作により、無水フタル
酸、6−アミノヘキサン酸、および2価のアルコールで
ある2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールから、この
アルコールのジ(3−フタルイミドプロピオネート)ジ
エステルを得た。生成物のプロトンNMRスペクトルは所
期の構造と一致した。
実施例 18 実施例4と同様の操作により、無水フタル酸、β−カプ
ロラクタム、トリエチレングリコールとから、このアル
コールのジ(6−フタルイミドヘキサネート)ジエステ
ルをえた。生成物は透明なこはく色の液体で、そのプロ
トンNMRスペクトルは所期の構造と一致した。
実施例 19 無水1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸1.2モル、ε−カプ
ロラクタム、およびウンデシルアルコール1.56モルか
ら、実施例1の場合と同様な付属部品を備えた1リツタ
ーフラスコ中で、ウンデシル6−テトラヒドロフタルイ
ミドヘキサノエートを合成した。反応混合液をチツ素雰
囲気下で180℃で1.5時間加熱した後、シユウ酸第一錫触
媒0.7gを加え、減圧下に250℃3.5時間加熱還流した。約
21mlの水が留出した後、反応混合液を10mm水銀中の減圧
下で175℃、2時間水蒸気ストリツプし、さらに水蒸気
を吹込まずに0.5時間蒸留ストリツプを続けた。次に、
混合液を過し透明な黄色液体をえた。生成物のプロト
ンNMRスペクトルは所期の構造と一致した。
上記合成例でえられた生成物を用いて、成形用ポリエチ
レンテレフタレート組成物を先に述べた方法で成形し
た。種々のフタルイミドエステルをグループとして試験
し、グループのあるものはC14、C16、およびC18N−アル
キルトルエンスルホンアミド(TSA)混合物を用いた同
様の組成物と比較し、あるものは可塑剤を全く用いない
同様の組成物と比較した。可塑剤および調製したPET組
成物の性質を表1〜5に示す。
上に述べた組成物のほか、2−エチルヘキシル6−テト
ラヒドロフタルイミドヘキサノエート、2−エチルヘキ
シル6−ヘキサヒドロフタルイミドヘキサノエート、お
よびTSAを夫々用いて、成形用ガラス強化PET組成物を調
製した。これらの組成物を夫々用いて表面温度約107℃
の金型中で成形した部品は同等の物性を示したが、これ
らの2種の水素化フタルイミドエステルは対照のTSAに
比べてやや優れた表面光沢を与え、同等以上の良好な結
晶化状態をもたらすことを示している。
上記の実施例は本発明を具体的に説明することを目的と
したもので、本発明の範囲を制限することを意図したも
のではない。
フロントページの続き (72)発明者 トマス コールマン マテイス アメリカ合衆国,63126 ミズーリ,セン ト ルイス,ヘーゼルリツジ ドライヴ 9354

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)フエノール/テトラクロロエタン6
    0:40混合液中0.5重量%の溶液の25℃での固有粘度が少
    なくとも0.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート、
    および (b)式 〔ここで、Xはフタルイミド、ジヒドロフタルイミド、
    テトラヒドロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイ
    ミド基であり;Aは炭素原子数1〜18のアルキレン又は置
    換アルキレン基であり;Rは炭素原子数4〜20のアルキ
    ル、置換アルキル、アルケニル、又は置換アルケニル基
    であるかまたは式 (ここで、X′はXと同じであっても異なっていてもよ
    い、フタルイミド、ジヒドロフタルイミド、テトラヒド
    ロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイミド基であ
    り、R′は炭素原子数2〜20のアルキレン、置換アルキ
    レン、アルケニレン、又は置換アルケニレン基であり、
    A′は炭素原子数1〜18のアルキレン又は置換アルキレ
    ン基である)である〕で表わされるフタルイミドエステ
    ルからなる可塑剤 とからなるポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】前記フタルイミドエステルが前記ポリエチ
    レンテレフタレートに対し少なくとも0.1重量%含まれ
    る特許請求の範囲第1項の組成物。
  3. 【請求項3】(a)フエノール/テトラクロロエタン6
    0:40混合液中0.5重量%の溶液の25℃での固有粘度が少
    なくとも0.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート40
    〜95重量部、 (b)式 〔ここで、Xはフタルイミド、ジヒドロフタルイミド、
    テトラヒドロフタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイ
    ミド基であり;Aは炭素原子数1〜18のアルキレン又は置
    換アルキレン基であり;Rは炭素原子数4〜20のアルキ
    ル、置換アルキル、アルケニル、又は置換アルケニル基
    であるかまたは式 (ここで、X′はXと同じであっても異なっていてもよ
    いフタルイミド、ジヒドロフタルイミド、テトラヒドロ
    フタルイミド、又はヘキサヒドロフタルイミド基であ
    り、R′は炭素原子数2〜20のアルキレン、置換アルキ
    レン、アルケニレン、又は置換アルケニレン基であり、
    A′は炭素原子数1〜18のアルキレン又は置換アルキレ
    ン基である)である〕で表わされるフタルイミドエステ
    ルからなる可塑剤0.1〜15重量部、 (c)増核剤0.1〜10.0重量部、および (d)強化材5〜60重量部 からなる成形用ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】A、A′、およびR′が夫々別個にアルキ
    レン基であり、Rがアルキル基である特許請求の範囲第
    3項の組成物。
  5. 【請求項5】前記フタルイミドエステルが、AとRとの
    合計の炭素原子数が5〜30のモノフタルイミドエステル
    より成る特許請求の範囲第3項の組成物。
  6. 【請求項6】前記フタルイミドエステルが、A、R′お
    よびA′の合計の炭素原子数が4〜36であるジフタルイ
    ミドエステルからなるところの特許請求の範囲第3項の
    組成物。
  7. 【請求項7】前記増核剤が、ダイマー酸の塩、トリマー
    酸の塩、又はダイマー酸とトリマー酸の混合物の塩から
    選ばれる特許請求の範囲第3項の組成物。
  8. 【請求項8】前記増核剤が、ナトリウムイオンで部分的
    に中和された、エチレン85重量%とメタクリル酸15重量
    %とから本質的になる共重合体である特許請求の範囲第
    3項の組成物。
  9. 【請求項9】前記強化材がガラス繊維である特許請求の
    範囲第3項の組成物。
  10. 【請求項10】分子鎖延長剤を0.1〜5重量部含有する
    特許請求の範囲第3項の組成物。
  11. 【請求項11】分子鎖延長剤がポリエポオキシドである
    特許請求の範囲第10項の組成物。
  12. 【請求項12】前記ポリエチレンテレフタレートの固有
    粘度が0.6以上である特許請求の範囲第3項の組成物。
  13. 【請求項13】前記ポリエチレンテレフタレートがポリ
    エチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート
    との混合物からなる特許請求の範囲第3項の組成物。
  14. 【請求項14】衝撃強度改良剤、流動促進剤、着色剤、
    難燃剤、カップリング剤、耐熱酸化安定剤、および耐光
    安定剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を有効量を
    さらに含有する特許請求の範囲第3項の組成物。
  15. 【請求項15】成分(b)が式 (ここで、Aは炭素原子数1〜12のアルキレン基であ
    り、Rは炭素原子数4〜20のアルキル又はアルケニル基
    である) 又は式 (ここで、R′は炭素原子数2〜10のアルキレン又はア
    ルケニレン基であり、A′は炭素原子数1〜12のアルキ
    レン基である) で表わされるフタルイミドエステルからなる可塑剤0.5
    〜15重量部、 成分(c)が0.5〜5.0重量部、 成分(d)がガラス繊維5〜60重量部 である特許請求の範囲第3項の組成物。
  16. 【請求項16】成分(b)が式 (ここで、Aは炭素原子数1〜12のアルキレン又は置換
    アルキレン基であり、Rは炭素原子数4〜20のアルキ
    ル、置換アルキル、アルケニル、又は置換アルケニル基
    である) で表わされるフタルイミドエステルからなる可塑剤0.5
    〜15重量部、 成分(c)が0.5〜5.0重量部、 成分(d)がガラス繊維5〜60重量部 である特許請求の範囲第3項の組成物。
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